JP4366960B2 - 木材チップ前処理方法および高白色度クラフトパルプ製造方法 - Google Patents

木材チップ前処理方法および高白色度クラフトパルプ製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明が属する第1の技術分野は、クラフト蒸解に先立つ木材チップの前処理方法であって、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属材を含む混合材チップをクラフト蒸解液によりパルプ化する際の蒸解性を、改善できる木材チップの前処理方法に関するものである。第2の技術分野は、高白色度の漂白クラフトパルプの製造方法であって、該前処理方法で製造される未晒クラフトパルプをTCF漂白あるいはECF漂白して、高白色度のクラフトパルプを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現状、ケミカルパルプの殆どはクラフト蒸解法で製造されている。また、ユーカリ材や南方材が広葉樹クラフトパルプの主要原料になってきている。このユーカリ材は種類が多く、樹種、樹齢、産地などの違いにより、その蒸解性や漂白性が異なっている。ユーカリ材はashタイプとblood woodタイプに大別され、ashタイプは抽出成分量が少ないのでパルプ材として工業的に利用する場合には比較的問題がないとされている。一方、blood woodタイプでは酸性の抽出成分に起因する様々な問題が発生するので、その軽減策が必要である。
【0003】
ユーカリ材には、キノと称されるポリフェノール類およびエラグ酸などの酸性の抽出成分が含まれている。キノ成分は縮合型タンニンを主成分とする樹木分泌物であり、淡黄色から濃紅色にいたる色調を持ち、樹種により特徴を異にしている。エラグ酸は木材中に遊離の状態でも存在するが、没食子酸とエラグ酸から形成されるエラグタンニン酸の形で主に存在する。このエラグタンニン酸は蒸解中に加水分解されて、エラグ酸になる。エラグ酸は強い酸性を示すと同時にアルカリ性条件下で容易に酸化され、キノン型となりパルプセルロースに強く吸着し、パルプ白色度に悪影響を及ぼす。更に、高温、高圧下では、そのフェノール性のために重合しやすく、粘着性物質となる。
【0004】
ユーカリ材に含まれる前記の酸性の抽出成分は、その含有量が多ければパルプ収率を低下させる。また、アルカリ蒸解やクラフト蒸解のアルカリ性薬剤を無駄に消費する。この消費は、リグニンの溶出によるアルカリ消費よりも反応が速い。このため、チップに対するアルカリ性薬剤の添加率を一定とした場合には、酸性抽出成分を多く含むユーカリ材では、未晒パルプの高カッパー価(換言すれば、白色度の低下)の問題を引き起こし、後続の漂白工程の負荷を増大させ、漂白薬品の使用量増加あるいは漂白パルプの白色度低下といった問題も引き起こす。あるいは、蒸解後のパルプのカッパー価を一定とした場合には、チップに対するアルカリ添加率を高めなければならず、パルプ化のコストが増大するという問題を引き起こす。また、ウォッシャーやディフューザーなどで抽出成分由来のスケールが発生したり、濃縮黒液の粘度が著しく上昇し真空蒸発が不良になることで、回収ボイラーでの黒液の燃焼性が悪化するなどの問題を引き起こす。
【0005】
以上のような難蒸解性の材の種々な問題は古くから認識され、その対策が検討されている。蒸解性や漂白性の改善を目的とした技術としては、例えば、アルカリ蒸解の場合、リグニン、炭水化物がアルカリを消費するが、酸性抽出成分はこれらより迅速にアルカリと反応するので、酸性抽出成分を黒液中の残アルカリとまず反応させ、次いで白液を添加して蒸解を行う二段蒸解法が考案されている(非特許文献1参照。)。また、実験蒸解釜を用いた研究で、ユーカリ材を熱水で4〜24時間抽出することにより、同一カッパー価で比較して、クラフトパルプの白色度が向上し、活性アルカリ添加量を削減できること、およびパルプ収率と塩素消費量には差がないことが報告されている(非特許文献2参照。)。また、ユーカリ材に含まれる酸性抽出成分はアルカリ条件下の酸素による酸化処理で容易に淡色化すること、および黒液の燃焼性を改善できることが明らかなことから、クラフト蒸解に先立つアルカリ酸化前処理により、パルプの白色度が改善できることが記載されている(非特許文献3参照。)。また、キノ物質を含む木材のアルカリ蒸解によるパルプ製造法に関し、特にキノ物質を含む木材チップを、30℃以上でアルカリリグニンの溶出温度以下でアルカリ性蒸解液で予め処理しキノ物質を滲出し、次いで蒸解を行うパルプ製造法が示されている(特許文献1参照。)。また、ユーカリチップから滲出する多量の滲出液の酸性度を合理的に中和して対金属腐食性を低減するとともにチップの蒸解性の向上と蒸解薬品および漂白薬品の節減を目的として、ユーカリチップにアルカリ性溶液を噴霧し、対チップ0.3〜1.5重量%となるように前記アルカリを付着させた後、少なくとも2週間堆積する方法が示されている(特許文献2参照。)。また、ユーカリ材チップのようなアルカリ可溶性抽出成分の多い木材チップの蒸解に際し、アルカリ可溶性抽出成分を最も効果的有利に抽出することを目的として、木材チップを、該木材の平均厚さの20〜50%間隙を有し、対向して互いに反対方向に、かつ周速比1:1.1〜1.5で回転する2本の金属ロール間に通した後、アルカリ蒸解する方法が示されている(特許文献3参照。)。
【0006】
パルプ蒸解後の黒液の濃縮性、燃焼性を改善する技術としては、例えば、ユーカリ材のような南方材等、ポリフェノール類あるいはタンニン類等を多く含む材のクラフトパルプ廃液の溶存物質の5〜35%を必要量の加圧空気等により酸化分解し、クラフト法における薬品回収を可能とする技術が開示されている(特許文献4参照。)。また、ユーカリ材を主体としたパルプ蒸解液を濃縮、燃焼して得られる緑液を苛性化して蒸解液を再生する処理工程において、濃縮前の希廃液に緑液又は緑液を苛性化して得られる白液を添加、混合し、空気酸化した後、あるいは空気酸化後ある程度濃縮した後、苛性ソーダを添加して廃液のpHを高め、次いで所定濃度まで濃縮してから燃焼する方法が示されている(特許文献5参照。)。
【0007】
また、本発明者らは、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップの蒸解性、難漂白性を改善すべく研究した結果、蒸解に先立ち、該チップにアルカリ性水溶液を含浸させ、チップに含有されている酸性物質などを抽出することにより、蒸解性と漂白性を同時に改善できることを見いだし、既に出願している(特願2002-334450号)。また、該チップに熱水を含浸させ、チップに含有される酸性物質などを抽出することにより、蒸解性を改善できることを見いだし、これも既に出願している(特願2003-045328号)。
【0008】
【非特許文献1】
Sloman,A.R.,Appita,14(2),57(1960)
【非特許文献2】
Nelson,P.F.,et al.,Appita,24(2),101(1970)
【非特許文献3】
Hemingway,R.W.et al.,Appita,25(6),445(1972)
【特許文献1】
特公昭47-24162号公報
【特許文献2】
特開昭53-134903号公報
【特許文献3】
特許第1506085号明細書
【特許文献4】
特公昭48-42242号公報
【特許文献5】
特許第1021680号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
第1の課題は、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップをクラフト蒸解液によりパルプ化する際の蒸解性を、短時間かつ低コストで改善できる木材チップの前処理方法の提供にある。第2の課題は該前処理方法で製造される未晒クラフトパルプをTCF漂白あるいはECF漂白して、低コストで高白色度のクラフトパルプを製造する技術の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップを、
(1)減圧容器又は含浸装置を用いて熱水を含浸させる熱水含浸工程とこれに続く保持容器内で保持する保持工程とから成る熱水抽出工程
(2)減圧容器又は含浸装置を用いてアルカリを含浸させるアルカリ含浸工程とこれに続く保持容器内で保持する保持工程とから成るアルカリ抽出工程
(3)アルカリ抽出後の木材チップをクラフト蒸解し、カッパー価14〜22の未晒パルプを製造する蒸解工程
(4)未晒パルプをTCF漂白あるいはECF漂白し、ハンター白色度84%以上の高白色度の漂白パルプを製造する漂白工程
の順序で処理することにより、低コストで蒸解性と漂白性を同時に改善でき、高白色度クラフトパルプを製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップの蒸解性、難漂白性を改善すべく研究を継続した結果、従来の技術で述べた、本発明者ら自らが出願した特願2002-334450号記載の発明と特願2003-045328号記載の発明とを組み合わせれば、更に良い結果を得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明の処理対象である難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ材は、1%アルカリ抽出前後の72%硫酸不溶分(クラーソンリグニン)の差で4%以上のものと定義される。このユーカリ材は単独樹種品でも良いし、該定義のユーカリ材のみから成る2樹種以上の混合品でも良い。また、該定義のユーカリ材と、蒸解性や漂白性が通常レベル〜易レベルである他のユーカリ属あるいは他の科・属の広葉樹材との混合品であるが、この混合品の状態で該定義内に入る難蒸解性かつ難漂白性の混合材も処理対象とすることができ、該混合材は海外のチップ積出しの段階での混合材でも良いし、国内のパルプ工場のチップヤードから連続蒸解釜への払い出しの段階での混合材でも良い。
【0013】
難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ材に含まれる酸性の抽出成分量は樹齢、産地(換言すれば生育環境)などで異なるので具体的な樹種を特定することは難しい面があるが、フトモモ科ユーカリ属に関しては、キノ成分を多く含む樹種としては、Eucalyptus(以下、E.と略す) calophylla、E. citriodora、E. diversicolor、E.globulus、E.grandis、E. gummifera、、E. marginata、E.nesophila、E.nitensなどの老齢木、エラグタンニン酸を多く含む樹種としては、E.amygdalina、E.camaldulensis、E.delegatensis、E. gigantea、E. muelleriana、E. obliqua、E.regnans、E. sieberiana、E. viminalisなどの老齢木、ロイコアントシアニジンを多く含む樹種としては、E. camaldulensis、E. marginataなどの老齢木を挙げることができる。
【0014】
難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップは、まず熱水抽出工程で前処理される。該熱水抽出工程は、熱水含浸工程とこれに続く保持工程とから成る。難蒸解性の木材チップに熱水を含浸させる工程では、粗大なチップとチップダストを除去し、サイズを整えたチップを処理する。含浸の方法は、減圧容器を用いる場合と含浸装置を用いる場合の2通りの方法がある。この含浸処理により、熱水をチップ内部まで速やかに浸透させることができる結果、熱水抽出処理を短時間で終了させることができる。この熱水含浸工程は、チップスクリーニング工程以降、蒸解工程の間の任意な箇所に設置することができるが、熱水の含浸を良くするためにスチーミングベッセル以降が望ましい。スチーミングにより、チップ中の空気が脱気され含浸容器で熱水が浸透しやすくなるし、熱水がチップが柔軟化され含浸装置でチップが圧縮しやすくなるからである。
【0015】
減圧容器を用いる含浸方法では、木材チップを含浸容器に入れ、50〜95℃熱水を添加し、チップに熱水を含浸させる。熱水温度は50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。この際、含浸を良くする目的で減圧下で行うことが好ましい。液比(熱水容積/チップ絶乾重量)は4.0〜10.0L/kgが好ましく、4.0〜6.0L/kgが更に好ましい。減圧下の含浸処理時間は15分間もあれば十分である。
減圧容器の規模を小さくする観点から、好ましくは10分間以内、更に好ましくは5分間以内である。この短時間でも含浸は十分である。
【0016】
含浸装置を用いる含浸方法は、木材チップを圧縮し、圧縮した状態または圧解放後のチップの復元力で熱水を含浸させる方法である。この圧縮に用いる装置としては、木材チップを十分に圧縮できるものであれば良く、特に制限はないが、アンドリッツ(Andritz)社のインプレサファイナー(impresssfiner)や、バルメット(Valmet)社のプレックススクリュー(Prex screw)などを挙げることができる。チップに予め熱水を混合し含浸装置へ入れても良いし、含浸装置内でチップに熱水を加えても良い。含浸装置内でのチップの圧縮比(圧縮前容積/圧縮後容積)は2:1〜16:1が好ましく、4:1〜16:1が更に好ましい。圧縮比2:1未満では熱水の含浸が不十分であり、圧縮比16:1を超える装置は存在しない。含浸時の液比は、4.0〜10.0L/kgが好ましく、4.0〜6.0L/kgが更に好ましい。熱水温度は50〜95℃が好ましく、50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。含浸装置の処理時間は1分間程度の極く短時間である。
【0017】
含浸容器または含浸装置から排出される、熱水を含浸させた木材チップは、そのままの濃度で保持容器内で加温下、所定時間保持される。この間、酸性の抽出成分を十分に熱水に拡散させる。保持容器内での温度は50〜95℃が好ましく、50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。所定の温度までの昇温に要する時間を含む保持時間は温度に左右され、高温ほど短時間で済むが、5〜90分間の短時間で良く、保持容器の規模を小さくする観点から、5〜60分間が好ましく、5〜30分間が更に好ましい。この短時間でも酸性抽出物質の拡散は十分である。次いで、抽出後の熱水を除去し、チップを十分に水で洗浄する。不十分な洗浄では、後続の蒸解工程でのアルカリ消費量が増えてしまう。
【0018】
難蒸解性のユーカリ材チップの熱水抽出により、ポリフェノール、エラグ酸、エラグタンニン酸などの有機性酸性物質や低分子量炭水化物などを低コストで抽出・除去することで、後続のアルカリ性抽出工程においるアルカリ性薬剤の添加量を低減することができる。
【0019】
次いで、熱水抽出処理後の洗浄チップはアルカリ抽出工程へ送られる。アルカリ抽出工程は、アルカリ含浸工程とこれに続く保持工程とから成る。木材チップにアルカリ含浸工程では、アルカリ性水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用できるが、水酸化ナトリウムが好適に使用される。アルカリ性水溶液の含浸の方法にも、減圧容器を用いる場合と含浸装置を用いる場合の2通りの方法がある。
【0020】
減圧容器を用いる含浸方法では、木材チップを含浸容器に入れ、アルカリ水溶液を添加し、チップにアルカリ性水溶液を含浸させる。アルカリ性水溶液の温度は50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。この際、含浸を良くする目的で減圧下で行うことが好ましい。液比(アルカリ性水溶液容積/チップ絶乾重量)は4.0〜10.0L/kgが好ましく、4.0〜6.0L/kgが更に好ましい。アルカリ性薬剤のチップ(絶乾)に対する添加率は1.0〜10.0固形分重量%が好ましく、1.0〜5.0固形分重量%が更に好ましい。アルカリ性水溶液の固形分濃度は、前記の添加率と液比を満足するように予め濃度調整する。減圧下の含浸処理時間は15分間もあれば十分である。減圧容器の規模を小さくする観点から、好ましくは10分間以内、更に好ましくは5分間以内である。この短時間でも含浸は十分である。
【0021】
含浸装置を用いる含浸方法は、木材チップを圧縮し、圧縮した状態または圧解放後のチップの復元力でアルカリ性水溶液を含浸させる方法である。この圧縮に用いる装置としては、木材チップを十分に圧縮できるものであれば良く、特に制限はないが、アンドリッツ(Andritz)社のインプレサファイナー(impresssfiner)や、バルメット(Valmet)社のプレックススクリュー(Prex screw)などを挙げることができる。チップに予めアルカリ性水溶液を混合し含浸装置へ入れても良いし、含浸装置内でチップにアルカリ性水溶液を加えても良い。含浸装置内でのチップの圧縮比(圧縮前容積/圧縮後容積)は2:1〜16:1が好ましく、4:1〜16:1が更に好ましい。圧縮比2:1未満ではアルカリ性水溶液の含浸が不十分であり、圧縮比16:1を超える装置は存在しない。含浸時の液比は、4.0〜10.0L/kgが好ましく、4.0〜6.0L/kgが更に好ましい。アルカリ性薬剤のチップ(絶乾)に対する添加率は1.0〜10.0固形分重量%が好ましく、1.0〜5.0固形分重量%が更に好ましい。アルカリ性水溶液の固形分濃度は、前記の添加率と液比を満足するように予め濃度調整する。アルカリ性水溶液温度は50〜95℃が好ましく、50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。含浸装置の処理時間は1分間程度の極く短時間である。
【0022】
次いで、アルカリ性水溶液を含浸させた木材チップを、保持容器内で加温下、所定時間保持し、この間、酸性の抽出成分をアルカリ性水溶液で抽出・中和する。温度は50〜95℃が好ましく、50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。保持時間は温度にも左右されるが、5〜90分間が好ましく、30〜60分間が更に好ましい。保持終了時の終pHは、8.0〜10.0とすることが好ましい。
【0023】
次いで、アルカリ性水溶液で抽出・中和後の液を除去し、チップを十分に水で洗浄する。不十分な洗浄では、後続の蒸解工程へ影響が出る。
【0024】
洗浄後のチップは蒸解工程へ送られ、通常の条件(活性アルカリ添加量、硫化度、液比、最高温度、保持時間、Hファクターなど)でクラフト蒸解に供する。また、MCC、EMCC、ITC、Lo-solidなどの修正クラフト蒸解にも適用できる。また、1ベッセル液相型、1ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。蒸解を終えた未晒パルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの装置で洗浄する。洗浄後の未晒パルプのカッパー価は14〜22にすることが好ましい。15〜20が更に好ましい。
【0025】
次いで、所定のカッパー価の未晒パルプを酸素脱リグニン後、TCF漂白あるいはECF漂白で漂白処理を行う。TCF漂白、ECF漂白は公知のシーケンスで行えば良く、特に限定はない。具体的には、TCF漂白シーケンスとしては、Z-E-P、Z-E/O-P、E/OP-POなどが挙げられ、ECF漂白シーケンスとしては、D-E-D、D-E/O-D、E/O-D、E-O-D、Z-Dなどが挙げられる。本発明の処理対象である難蒸解性かつ難漂白性の材は、通常の蒸解条件かつ通常のTCF、ECF漂白シーケンスでは、ハンター白色度84%以上の漂白パルプを得ることが困難であるが、本発明の処理により、ハンター白色度84%以上の高白色度の漂白パルプを容易に製造できる。
【0026】
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例、比較例では次のチップを供した。またクラフト蒸解条件、試験方法などを下記に示す。
1.ユーカリチップ
日本製紙株式会社のチップヤードからユーカリのチップを採取した。該ユーカリチップは数種類のユーカリ樹種の混合チップであり、難蒸解性のユーカリチップが混合したチップである。1%アルカリ抽出前後の72%硫酸不溶分の差は4.5%で難蒸解性である。
2.チップサイズの調整
前記チップをジャイロシフタを用いて篩い分け、粗大チップとチップダストを除去し、9.5〜25.4mmφのチップとした。このチップを以下の実施例、比較例で使用した。
3.クラフト蒸解方法と条件
2.4L容の回転型オートクレーブを用いてクラフト蒸解を行った。
▲1▼活性アルカリ添加率:13.0〜17.0%
▲2▼硫化度:25%
▲3▼液比:2.5L/kg
▲4▼最高温度:160℃
▲5▼保持時間:94分
▲6▼Hファクター:830
4.漂白
酸素脱リグニンした後、ECF漂白としてD0(初段二酸化塩素)−E/P(過酸化水素を併用したアルカリ処理)−D1(2段目二酸化塩素)のシーケンスで漂白処理した。酸素脱リグニン、D0、E/P、D1の反応条件は下記の通り。酸素脱リグニンは、Quantum high intensity mini mixerを用いて行い、反応後、パルプを十分に洗浄し、次の漂白に供した。漂白はすべてプラスチックパックにパルプスラリー(パルプ濃度10%)を入れてウォーターバス中で行った。漂白後、パルプ濃度1.5%まで清水で希釈し、搾水を用いて数回洗浄した。続く漂白段では前段の搾水を用いてパルプ濃度15%とした後、パルプ濃度が10%となるように漂白薬品を所定量添加して漂白した。但し、D0段に限り、前段の酸素脱リグニンの排水は持ち込んでいない。
酸素脱リグニン:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量2.0%、反応時間60分間、反応温度96℃、酸素初期圧6.0kg/cm2
D0:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量4.0kg/ADTP、反応温度60℃、反応時間20分間
E/P:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量6.0kg/ADTP、過酸化水素添加量3.6kg/ADTP、反応温度70℃、反応時間75分間
D1:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量1.0,3.0,5.0kg/ADTP、反応温度70℃、反応時間150分間
【0027】
【実施例1】
以下に示す方法で、熱水抽出処理、アルカリ抽出処理、クラフト蒸解、漂白の順序で処理を行った。
(1)熱水抽出処理
2.4L容の真空容器に、ユーカリ材チップ絶乾量300gと75℃の熱水を加え、液比5.0L/kgとした。容器内の空気を吸引し真空下で10分間、チップに熱水を含浸させた。次いで、チップと熱水の混合物を直ちに2.4L容の回転型オートクレーブに移し、10分間かけて75℃まで昇温させた。75℃での保持時間は30分間とした。熱水抽出処理終了後、固液分離し、抽出液とチップとに分離した。分離したチップは十分に洗浄した。
(2)アルカリ抽出処理
上記の熱水抽出処理後の洗浄チップを2.4L容の真空容器に入れ、80℃の水酸化ナトリウム水溶液を加え、液比5.0L/kgとした。容器内の空気を吸引し真空下で10分間、チップに水酸化ナトリウム水溶液を含浸させた。水酸化ナトリウム添加率は1.0、2.0、3.0、4.0、5.0%の5水準とした。次いで、チップと水酸化ナトリウム水溶液の混合物を直ちに2.4L容の回転型オートクレーブに移し、10分間かけて80℃まで昇温させた。80℃での保持時間は30分間とした。アルカリ抽出処理終了後、固液分離し、抽出液とチップとに分離した。分離したチップは十分に洗浄した。
(3)クラフト蒸解
次いで、この洗浄チップを2.4L容の回転型オートクレーブに入れ、クラフト蒸解液を添加してクラフト蒸解した。活性アルカリ添加率は14.0%とした。得られた未晒パルプのカッパー価とハンター白色度を測定した。結果を表1、図1、図2に示した。
(4)漂白
上記のクラフト蒸解の内、活性アルカリ添加率2.0%で得られたカッパー価14.7の未晒パルプを酸素脱リグニンした後、ECF漂白した。D1後の白色度の結果を表1と図3に示す。
【0028】
【比較例1】
従来の技術で記述した特願2002-334450号の発明の前処理例である。
以下に示す方法で、アルカリ抽出処理、クラフト蒸解、漂白の順序で処理を行った。
(1)アルカリ抽出処理
チップを2.4L容の真空容器に入れ、80℃の水酸化ナトリウム水溶液を加え、液比5.0L/kgとした。容器内の空気を吸引し真空下で10分間、チップに水酸化ナトリウム水溶液を含浸させた。水酸化ナトリウム添加率は1.0、2.0、3.0、4.0、5.0%の5水準とした。次いで、チップと水酸化ナトリウム水溶液の混合物を直ちに2.4L容の回転型オートクレーブに移し、10分間かけて80℃まで昇温させた。80℃での保持時間は30分間とした。アルカリ抽出処理終了後、固液分離し、抽出液とチップとに分離した。分離したチップは十分に洗浄した。
(2)クラフト蒸解
次いで、この洗浄チップを2.4L容の回転型オートクレーブに入れ、クラフト蒸解液を添加してクラフト蒸解した。活性アルカリ添加率は14.0%とした。得られた未晒パルプのカッパー価とハンター白色度を測定した。結果を表1、図1、図2に示した。
(3)漂白
上記のクラフト蒸解の内、活性アルカリ添加率2.0%で得られたカッパー価15.2の未晒パルプを酸素脱リグニンした後、ECF漂白した。D1後の白色度の結果を表1と図3に示す。
【0029】
【比較例2】
従来の技術で記述した特願2003-045328号の発明の前処理例である。
以下に示す方法で、熱水抽出処理、クラフト蒸解、漂白の順序で処理を行った。
(1)熱水抽出処理
2.4L容の真空容器に、ユーカリ材チップ絶乾量300gと75℃の熱水を加え、液比5.0L/kgとした。容器内の空気を吸引し真空下で10分間、チップに熱水を含浸させた。次いで、チップと熱水の混合物を直ちに2.4L容の回転型オートクレーブに移し、10分間かけて75℃まで昇温させた。75℃での保持時間は30分間とした。熱水抽出処理終了後、固液分離し、抽出液とチップとに分離した。分離したチップは十分に洗浄した。
(2)クラフト蒸解
次いで、この洗浄チップを2.4L容の回転型オートクレーブに入れ、クラフト蒸解液を添加してクラフト蒸解した。活性アルカリ添加率は14.0%とした。得られた未晒パルプのカッパー価とハンター白色度を測定した。結果を表1、図1、図2に示した。
(3)漂白
上記のカッパー価15.2の未晒パルプを酸素脱リグニンした後、ECF漂白した。D1後の白色度の結果を表1と図3に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004366960
【0031】
【図1】
Figure 0004366960
【0032】
図1、図2の結果から、比較例2(熱水処理のみ)よりも比較例1(アルカリ抽出処理のみ)のほうが蒸解後の未晒パルプのカッパーが低く、白色度が高い。また、比較例1よりも実施例1(熱水処置+アルカリ抽出処理)のほうがカッパーが低く、白色度が高い。従って、実施例1は比較例1に比較して、同一カッパー価の未晒パルプを得るために必要な抽出用のアルカリ薬剤の添加率が少なくて済むという優位性がある。これは実施例1ではアルカリ抽出の前で熱水による酸性物質の抽出が行われた効果と考えられる。
【0033】
図3の結果から、比較例2(熱水処理のみ)は比較例1、実施例1に比較してECF漂白後のパルプ白色度が低い。熱水処理では酸性物質が抽出されるが、熱水抽出のみではカッパー価目標値に要する蒸解時の活性アルカリ添加率が低減できるという効果しかない。実施例1では、熱水抽出処理により前記のようにアルカリ抽出処理に要するアルカリ薬剤の添加率を低減した上、更にECF漂白後のパルプ白色度が向上するという優位性がある。
【0034】
【発明の効果】
本発明の木材チップの前処理方法により、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップをクラフト蒸解液によりパルプ化する際の蒸解性を、短時間かつ低コストで改善できる。また、該前処理方法で製造される未晒クラフトパルプをTCF漂白あるいはECF漂白して、低コストで高白色度のクラフトパルプを製造することができる。

Claims (2)

  1. クラフト蒸解に先立つ木材チップの前処理方法であって、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップを、
    (1)減圧容器又は含浸装置を用いて熱水を含浸させる熱水含浸工程とこれに続く保持容器内で保持する保持工程とから成る熱水抽出工程
    (2)減圧容器又は含浸装置を用いてアルカリを含浸させるアルカリ含浸工程とこれに続く保持容器内で保持する保持工程とから成るアルカリ抽出工程
    の順で処理することを特徴とする木材チップの前処理方法。
  2. 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法であって、難蒸解性かつ難漂白性のユーカリ属(Eucalyptus)の単材チップまたは該ユーカリ属の材を含む混合材チップを、
    (1)減圧容器又は含浸装置を用いて熱水を含浸させる熱水含浸工程とこれに続く保持容器内で保持する保持工程とから成る熱水抽出工程
    (2)減圧容器又は含浸装置を用いてアルカリを含浸させるアルカリ含浸工程とこれに続く保持容器内で保持する保持工程とから成るアルカリ抽出工程
    (3)アルカリ抽出後の木材チップをクラフト蒸解し、カッパー価14〜22の未晒パルプを製造する蒸解工程
    (4)未晒パルプをTCF漂白あるいはECF漂白し、ハンター白色度84%以上の高白色度の漂白パルプを製造する漂白工程
    の順序で処理されることを特徴とする高白色度の漂白クラフトパルプの製造方法。
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