JP4365776B2 - スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム - Google Patents

スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4365776B2
JP4365776B2 JP2004365442A JP2004365442A JP4365776B2 JP 4365776 B2 JP4365776 B2 JP 4365776B2 JP 2004365442 A JP2004365442 A JP 2004365442A JP 2004365442 A JP2004365442 A JP 2004365442A JP 4365776 B2 JP4365776 B2 JP 4365776B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
density
region
range
maximum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004365442A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006172248A (ja
Inventor
完治 横川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Software Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Software Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Software Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Software Engineering Co Ltd
Priority to JP2004365442A priority Critical patent/JP4365776B2/ja
Publication of JP2006172248A publication Critical patent/JP2006172248A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4365776B2 publication Critical patent/JP4365776B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Description

本発明は、複数の物体が位置する空間を撮像して得られ、当該複数の物体のいずれかをそれぞれ表す複数のスポット画像を含む解像度が低い撮像画像から、所望の検出対象物のスポット画像を検出するのに好適な、スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムに関し、特に路上にある複数の自動車を撮像して得られた解像度が低い衛星画像から、所望の車輛サイズと所望の屋根存在範囲を有する自動車に対するスポット画像を検出するのに好適なスポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムに係る。
道路上の交通量を自動的に計測する方法としては、道路に沿ってテレビカメラ、ループ式検知器、超音波式検知器、光学式検知器などのセンサーを設置して、道路を走行中の自動車を検知する方法が使用されている。しかし、この方法では、計測に必要な設備のコストが非常に大きくなる。このため、最近は、航空写真や衛星画像などのリモートセンシング画像を利用して、道路を走行中の自動車の数と位置を自動的に検出する方法が研究されている。その方法の利点は、第一に、リモートセンシング画像の視野は数十km四方の大きさを持つので、同じ画像から広範囲の地域の自動車の位置と数を観測できると期待されることである。第二に、リモートセンシング画像を用いる交通量観測システムは主に画像データ受信施設とコンピュータで構成され、従来のセンサーを用いるシステムに比較してはるかに小規模の設備で済むので、コストが低く済むことである。第三に、リモートセンシング画像の容量はせいぜい数十メガバイトであり、現在のコンピュータで高速に処理できることである。
例えば、特許文献1では、道路を撮影した濃淡画像に画像強調の処理を適用した後、ある閾値で閾値処理をして、自動車を表す複数の表すスポット画像を検出している。ここで、スポット画像とは、検出対象物の存在位置にあるが、検出対象物の外形を鮮明には表してはいない、画素数が少なく解像度の低い画像を言う。非特許文献1では、まず、複数の道路の濃淡画像から自動車のスポット画像を除去した背景画像を生成し、つぎに、自動車のスポット画像を含む濃淡画像と背景画像の引き算をして主に自動車のスポット画像を含む濃淡画像を獲得し、この濃淡画像に対して、ある閾値で閾値処理をして自動車のスポット画像を検出している。
特許文献1あるいは非特許文献1は画像の濃度の閾値を用いているが、非特許文献2では、画像の濃度の閾値を使用しないで、概略次のようにして、自動車を表すスポット像から自動車の位置を検出している。以下では画素pをその画素の2次元座標(i,j)を用いて画素(i,j)と表す。ある画素pに対して、半径dの正方形の枠m(d)を以下の式で定義する。
m(d)= {(i+x,j+y) | max(|x|, |y|)=d}
枠m(d)上の画素の濃度の最大値をfmax(m(d))として、半径dが1からその最大値Dの範囲でのfmax(m(d))の最小値をFとする。すなわち、
F = min{fmax(m(d))|1≦d≦D}
もし画素pの濃度が最小値Fよりはるかに大きいという条件を満たせば、画素pの位置に明るいスポット画像が存在するとし、その画素pの濃度として、画素pの濃度と上記最小値Fとの濃度差を設定している。画素pの濃度が最小値Fよりはるかに大きいという条件が満たされないときには、画素pの濃度値として0を設定している。このような処理を全ての画素に対して実行した後に、スポット画像ありと判断された複数の画素を記号推論システムによりグループ化して、各自動車に対してX字状に交差された概ね枝状の二つの画素列からなる画像を、一つの自動車を代表する画像として生成している。それらの二つの画素列の交差位置と方向が自動車の位置、方向等を表している。この自動車検出法では赤外線画像を用い、赤外線の強さに依存して、移動している車と停止している車を識別可能にしている。
特開2003-030649号公報 S. P. Hoogendoorn, H. J. Van Zuylen, M. Schreuder, B. Gorte, and G. Vosselman, "Microscopic Traffic Data Collection by Remote Sensing", Transporation Research Board (TRB) 82nd Annual Meeting, Washington D.C., January 12-16, 2003, [online]、 [平成16年2月1日検索]、インターネット<URL:http://www.geo.tudelft.nl/frs/papers/2003/Microscopic%20traffic%20Ben%20GeorgeV.pdf> U. Stilla and E. Michaelsen, "Estimating Vehicle Activity Using Thermal Image Sequences and Maps", ISPRS Symposium 2002, "Geospatial Theory, Processing and Applications", from 9 to 12 July, 2002 in Ottawa, Canada, [online]、 [平成16年2月1日検索]、インターネット<URL:http://www.isprs.org/commission4/proceedings/pdfpapers/399.pdf>
特許文献1又は非特許文献1のような自動車検出方法では、濃度の閾値をあらかじめ定め、自動車が走行する領域を撮像して得られた撮像画像中のある部分の濃度がこの閾値以上であるか否かによりその部分が自動車を表すか否かを判定している。このような方法では閾値をいくらにするかにより検出結果が異なる。すなわち、撮像画像内の自動車の濃度は、背景の濃度とは異なるのが普通であり、自動車の濃度は背景の濃度より高い(白い)かあるいはその逆である。しかし、自動車の濃度が背景より白い(濃度が高い)場合でも、それらの濃度は、自動車によりいろいろ異なる。すなわち、撮像画像中の自動車の濃度は、自動車の表面の色及び反射率により異なるし、自動車に照射される太陽光の強さ及び照射方向によっても異なる。更に、撮像画像中の背景となる道路の濃度は、路面の色と反射率によっても異なる。
したがって、撮像画像から上記のように閾値を用いて自動車を表す部分を検出する方法には、その閾値を適切に決定するのが難しいという問題がある。すなわち、閾値を明るい値にすると、暗い濃度の自動車を検出できず、逆に閾値を暗い値にすると、自動車と無関係な背景にある物体も検出してしまう。
一方、非特許文献2のように、自動車の存在位置の検出に画像の濃度の閾値を用いない方法にはこのような問題はない。しかし、非特許文献2に示された方法は、スポット画像に含まれる複数の画素の候補を検出した後に、それらの画素の濃度と位置を利用して記号推論システムを用いてスポット画像の位置等を表す概略X字状に交差したほぼ直線状の二つの画素列からなる画像を、一つの自動車を代表する画像として生成しているので、自動車代表画像を生成する処理が複雑である。
衛星画像あるいは航空写真のような画像では、画像の解像度が低く、自動車の位置、形状自体は、それ程正確に表現されていない場合が普通である。人工衛星から地上を実際に撮影して得られた地理画像の解像度は、例えば50〜60cm程度であり、一つの自動車を表す画像は鮮明ではなく、この種の地理画像では一つの自動車は非常に小さい白いスポット画像で表されている。
このような解像度が低い画像を用いて、道路上の自動車のような専有面積の小さな部分の位置又は存在領域を検出するとしても、それらの位置又は存在領域の検出精度を高くすることは難しい。しかし、道路上の自動車の位置と数を検出して道路の混雑状態を検出するという応用のためには、自動車の位置と存在領域の検出精度を格別高くすることは必ずしも必要でなく、自動車の位置及び存在領域を検出する処理は高速に実行できる簡単な処理であることが望ましい。
ところで、路面を撮影して得られた画像には、自動車以外のものを表すスポット画像が存在する。例えば路面の反射率が高いところでは、比較的濃度が明るい広い部分が検出され、そのような部分はサイズの大きなスポット像あるいは広く分布する明るい画像部分として検出されることがある。更に、路上に自動車以外の反射率が高い異物があると、その異物がサイズが小さいスポット像として検出される可能性がある。更には、路面には道路標識が描画されており、それらの一部がサイズの小さなスポット像として検出される可能性もある。したがって、自動車を表すスポット像を検出する目的から見ると、このような自動車以外の物を表すスポット像又はそれに近い濃度分布を有する明るい画像部分は背景ノイズとも言うべきものであり、自動車を表すスポット画像をこのような背景ノイズから区別して検出する必要がある。
自動車のような検出対象物は、サイズがいろいろであるので、スポット像の広がりも自動車毎に異なる。例えば、小型の乗用車ではスポット画像の画素数は例えば3×6画素程度と少なく、大型バスでは6×20画素程度となる。更に、自動車のうち、スポット像が生成されるのは、屋根のように、撮像されたときに濃度が検出対象物上の他の部分と異なる濃度となる可能性がある特定部分に対してである。なお、特定部分(例えば、屋根)は、通常は照射光を受けて撮像されたときの濃度が大きくなるが、その周辺部は、その表面の方向によっては撮像されたときの濃度は大きくはならないことがある。そのため。自動車を撮像したときでも屋根の存在範囲に対応する、濃度が大きい画像部分の広がりは、屋根の存在範囲より小さいのが普通である。
屋根のような特定部分のサイズは、自動車のサイズが異なれば異なり、更に、自動車のサイズが同じでも、自動車の構造によって特定部分のサイズと位置が異なる場合がある。例えば、トラックの場合、運転席の部分のみに屋根が存在し、残りには屋根がなく荷台がある。このトラックに対しては、運転席を覆う屋根に対しては、車輛の前方部分に位置するスポット画像が生成されるが、車輛の後方の荷台の部分に対しては濃度が大きな部分が生成されないことがある。一方、バスの場合、運転席とそれ以外の部分に対して共通の屋根が存在する。このようなバスに対しては、自動車のほぼ全体を覆うようなスポット画像が生成される。更に、保冷庫付きのトラックのように、運転席の部分と保冷庫の部分にそれぞれ屋根を有する自動車もある。このようなトラックに対しては、運転席の屋根上と、保冷庫の屋根上に異なるスポット画像が分離して生成されることがある。したがって、路上の自動車の存在位置を検出するに当たっては、自動車の占有面積、屋根の占有面積を考慮しないで、いろいろな自動車のスポット画像をまとめて一度に検出することは容易ではない。
したがって、本発明の目的は、自動車のような複数の物体が位置する空間を撮像して得られ、当該複数の物体のいずれかをそれぞれ表す複数のスポット画像を含む解像度が低い撮像画像から、所望の車輛占有範囲と、屋根のような特定部分の所望の存在範囲とを有する自動車のような、所望の検出対象物を表すスポット画像を簡単な処理で検出するのに好適なスポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムを提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係るスポット画像検出方法の原理の概略をまず説明する。撮像画像内の検出対象物(例えば自動車)を表すスポット画像の濃度は背景の濃度とは異なる。つまり、背景の濃度より濃度が大きい(すなわち、高いあるいは白い)か又はその逆である。自動車等の濃度の分布は複雑であり、かつ、自動車の表面の向き又は日射光の照射方向により変化する。背景の濃度も背景である路面の色と反射率によっても変化する。その結果、背景より濃度が大きい自動車のスポット画像の濃度と背景の濃度の差は、自動車により又は日射光の強さなどにより変化する。したがって、閾値を用いて背景と自動車等の検出対象物のスポット画像とを区別することは一般には容易でない。
しかしながら、本発明者は、自動車のスポット画像の濃度が背景より大きい場合には、自動車のスポット画像の中には、自動車に依らない濃度分布部分として、ある画素(極大点画素)の濃度が極大値であり、その画素の周囲に濃度が単調に減少する複数の画素(単調減少画素群)が存在することに気が付いた。極大点画素と単調減少画素群が存在する領域を極大領域と呼ぶことがある。この事実を利用して背景より濃度が大きい濃度を有する自動車を示すスポット画像を検出するには、極大点画素とその周辺の単調減少画素群が存在する極大領域を検出すればよいことが分かった。同様に、自動車の濃度が背景より黒い(濃度が低い)場合には、自動車の画像の中には、自動車に依らない濃度分布部分として、ある画素(極小点画素)の濃度が極小値を有し、その周囲に濃度が単調増大する複数の画素(単調増大画素群)が存在することに気が付いた。以下では、極小点画素と単調増大画素群が存在する領域を極小領域と呼ぶことがある。この事実を利用して背景より黒い(濃度が低い)濃度を有する自動車を示すスポット画像を検出するには、極小点画素とその周辺の単調増大画素群が存在する極小領域を検出すればよい。
以下では、極大点画素を含む極大領域の検出について主に述べる。しかし、背景より小さい濃度の自動車を表すスポット画像を検出する場合には、極小点画素とその周りの単調増大画素群を含む極小領域を検出すればよく、その場合にも以下の説明は、極大値と極小値の相違と単調減少画素群と単調増大画素群の相違を考慮して読み替えれば同様に適用することができる。また、以下では、上記極大値と極小値を区別せずに極値と呼ぶことがあり、極大点画素と極小点画素を区別せずに極値点画素と呼ぶことがあり、単調減少画素群と単調増大画素群を区別せずに単調変化画素群と呼ぶことがあり、極大領域と極小領域を区別せずに極値領域と呼ぶことがある。
既に説明したように、自動車のような検出対象物を撮像したときに得られるスポット画像の存在範囲と位置は、屋根のような特定部分の広がりと位置に依存し、屋根のような特定部分の存在範囲と位置は、車輛のサイズと構造により異なる。したがって、道路を撮影して得られる衛星画像のような低解像度の画像から道路上の自動車を表すスポット画像を検出するためには、車輛サイズと屋根のサイズと位置が異なる全ての車種に対する多数のスポット画像を一度に検出するよりも、自動車のサイズを指定し、屋根のような特定部分の広がりと位置を指定して、そのような指定された自動車サイズと、指定された存在範囲と位置に屋根のような特定部分を有する自動車に対するスポット画像を検出し、そのような検出を、車輛サイズの指定と、屋根のような特定部分の存在範囲と位置の指定とを変えて対応するスポット画像を検出することを繰り返し、その繰り返しにより多数の自動車に対する多数のスポット画像を検出するほうがより簡便であると期待される。
そこで、本発明では、所望の車輛サイズを有し、屋根のような特定部分の存在範囲と位置が所望のものであるというような条件を満たす所望の自動車に対するスポット画像を検出することを可能にするために、所望の検出対象物のスポット画像に対して以下のような4つの条件値を指定する。
(1)検出対象物を表すべきスポット画像の中央部分が最小限占有すべき範囲として当該検出対象物に対してあらかじめ指定された中央最小占有範囲
(2)当該検出対象物を表すスポット画像が最大限占有し得る前記撮像画像上の範囲として、当該検出対象物に対してあらかじめ指定された最大占有範囲(当該最大占有範囲は、例えば上記中央最小占有範囲の中心位置から見たときの範囲として指定される)
(3)当該スポット画像の中心の画素の濃度と当該スポット画像の上記中央最小占有範囲内の複数の画素の濃度との濃度差に関する許容最大濃度差
(4)当該スポット画像の中心の画素の濃度と当該スポット画像の上記最大占有範囲内の周辺部の画素の濃度との濃度差に関する許容最小濃度差
ここでスポット画像の中心は、濃度が最大の点であるとする。この中心は、同時にスポット画像の分布範囲の幾何学的な中心と略同一であると仮定する。後者が前者とずれていてもそのずれを無視しても本発明に関しては問題はないと考えられる。検出対象物に対するスポット画像の中央部分は、スポット画像の中心画素の濃度に近い濃度を有する画素からなる、濃度が大きい(すなわち、明るい)領域である。検出対象物に対応するスポット画像の中央部分が存在する範囲も、検出対象物に応じて変化する。例えば、自動車の屋根が広くなると、スポット画像の中央の明るい部分が占める範囲も広くなる。したがって、検出対象物に対応するスポット画像を検出するためには、検出対象物のスポット画像の中央部分が最小限占有すべき範囲として中央最小占有範囲を指定することが望ましい。検出対象物が自動車の場合には、スポット画像の中央領域は、自動車の屋根のような特定部分の中央の部分である。したがって、検出すべき対象物に対するスポット画像の中央最小占有範囲として、当該自動車の屋根のような特定部分の存在範囲より狭い、当該特定部分の中央部分の存在範囲を指定するのが望ましい。
検出対象物に対応するスポット画像が占有し得る範囲として指定される最大占有範囲は、その検出対象物全体とその影の一部を含む領域である。この最大占有範囲は、当該検出対象物の占有範囲の広さに応じて増大するので、検出対象物に対するスポット画像を検出するためには、上記スポット画像が占有し得る最大占有範囲として、当該検出対象物の占有範囲の広さと位置に対応した広さと位置を有する範囲を指定することが望ましい。具体的には、最大占有範囲の広さは、例えば、上記検出対象物が路上の自動車の場合、当該車輛の存在範囲と同じかそれより少し広くなるように、最大占有範囲を指定すればよい。そうすることにより、自動車が現に存在する範囲内の画素のうち、極大点画素に対する単調減少画素群に属する画素の検出漏れがないようにすることができる。
更に、最大占有範囲は、上記中央最小占有範囲の中心位置から見た位置に位置する範囲として指定する。例えば、当該最大占有範囲の中心と上記中央最小占有範囲の中心とが一致するときには、当該中央最小占有範囲の中心に当該最大占有範囲の中心が位置する状態での当該最大占有範囲を指定すればよい。しかし、当該最大占有範囲の中心と上記中央最小占有範囲の中心とが一致しないときには、当該中央最小占有範囲の中心からずれた位置に当該最大占有範囲の中心が位置する状態での当該最大占有範囲の存在範囲を指定すればよい。このように、中央最小占有範囲の中心から見たときの最大占有範囲を指定することにより、両者の中心が一致しない場合にも、本発明を適用することが可能になる。
自動車等に対するスポット画像は、既に述べたように、極大点画素とその周辺の単調減少領域からなる極大領域に少なくとも分布する。スポット画像上の濃度分布に基づいてスポット画像の広がりの範囲を規定する方法はいくつか考えられるが、本発明では、自動車に対する極大領域は、スポット画像の存在範囲の少なくとも主要部を示すと考える。画像上でスポット画像が広がっていると見える範囲と極大領域とは必ずしも直接関係はなくてもよいと考える。すなわち、画像上でスポット画像に属すると見えるような大きな濃度を有する部分が、単調減少画素でないために極大領域に属さないことが生じることがある。逆に、画像上でスポット画像に属するとは明確には見えないような濃度の低い部分が、単調減少関係を満たす画素であるために極大領域に属することもある。
検出対象物に対するスポット画像の中心と、当該検出対象物の最大占有範囲の中心とは一致しない場合もある。当該スポット画像は、当該検出対象物内の屋根のような特定部分の存在範囲に位置する。典型的には、スポット画像の中心は、自動車の屋根の中心に位置する。自動車の存在範囲の全体にわたって屋根が存在する場合には、自動車の存在範囲と屋根の存在範囲が一致し、スポット画像の中心と自動車の存在範囲(最大占有範囲)の中心とはほぼ一致する。しかし、これらの中心が一致しない場合がある。例えば、自動車の屋根が、自動車の一部、例えば前方部に位置するときには、自動車の存在範囲の中心と、屋根の中心とは一致しない。したがって、このような自動車では、自動車に対するスポット画像の中心と、自動車の存在範囲(最大占有範囲)の中心とはずれることになる。上に説明した中央最小占有範囲の中心は、対応するスポット画像の中心と考えられるので、中央最小占有範囲の中心から見た状態での最大占有範囲を指定すれば、上記のように車輛の存在範囲の中心がスポット画像の中心からずれている場合でも、検出された極値点画素に対して単調変化関係にある画素群を、最大占有範囲から検出することが可能になる。
上に説明した中央最小占有範囲は、その範囲内の画素の濃度と、スポット画像の中心画素の濃度との濃度差が、ある上限以下であるような、スポット画像の中心付近の範囲と考えることもできる。この上限は、検出対象物に応じて変化するので、検出対象物に応じて、上記中央最小占有範囲を指定するときには、この濃度差の上限を上記許容最大濃度差として指定するすることが望ましい。同様に、検出対象物に対するスポット画像の周辺部の濃度は、スポット画像の中心画素の濃度と比べると、十分濃度が変化しているべきであると考えられる。スポット画像の中心画素の濃度と当該スポット画像の周辺部の複数の画素の濃度との濃度差として許される濃度差の下限は、検出対象物に応じて異なるので、検出対象物に応じて、この下限を上記許容最小濃度差として指定することが望ましい。
以上の4つの条件値の定義から明らかなように、撮像画像から検出されたスポット画像の濃度分布が、所望の検出対象物に関連して指定されたこれら4つの条件値に関連するあらかじめ定められた条件を満たすときには、当該スポット画像は当該検出対象物に対するものであると判断することができるはずである。本発明は、このような考えに基づいて、上記4つの条件値を用いて検出対象物に対するスポット画像を撮像画像から検出するものである。
より具体的には、請求項1に記載のスポット画像検出方法は、極値点画素検出ステップと、単調変化画素群検出ステップと、極値領域判定ステップと、を含むものである。極値点画素検出ステップでは、検出対象物を含む複数の物体が位置する空間を撮像して得られ、当該複数の物体のいずれかをそれぞれ表す複数のスポット画像を含む撮像画像から、その濃度が周辺の画素の濃度に対して極大値又は極小値のうちのあらかじめ定められた一方の極値である濃度を有する少なくとも一つの極値点画素を検出する。単調変化画素群検出ステップでは、当該検出対象物を表すスポット画像が占有し得る前記撮像画像上の範囲として、当該検出対象物に対してあらかじめ指定された最大占有範囲内の画素から、前記検出された極値点画素の濃度に対して濃度が単調変化関係にある一群の単調変化画素を検出する。極値領域判定ステップでは、前記検出された極値点画素と当該極値点画素に対して検出された前記単調変化画素群とを含む極値領域が所定の条件を満たすか否かに応じて、当該極値領域が前記検出対象物に対するスポット画像を表す領域であるか否かを判定する。
前記所定の条件は、(a)前記検出された単調変化画素群のうち、前記検出対象物のスポット画像の中央部分が最小限占有すべき範囲として当該検出対象物に対してあらかじめ指定された中央最小占有範囲内に位置する複数の画素が全て前記単調変化画素群に属し、かつ、(b)当該検出された極値点画素の濃度と当該中央最小占有範囲内の前記複数の画素の濃度との濃度差が、いずれの画素についても、当該検出対象物に対する当該中央最小占有範囲に対してあらかじめ指定された許容最大濃度差以下であり、かつ、(c)前記検出された極値点画素の濃度と、前記検出された単調変化画素群のうちの周辺部に位置する複数の画素の濃度との濃度差が、いずれの画素についても当該検出対象物の当該最大占有範囲に対してあらかじめ指定された許容最小濃度差以上であることである。
ここで、上記極値点画素検出ステップでは、極値点画素はスポット画像の中心の画素の候補として検出される。上記極値点画素検出ステップで極値点画素として極大点画素を検出する場合、撮像画像から選択された画素pの濃度が極大点であるということは、その選択画素pの濃度が、その画素を取り囲む8近傍画素の濃度の値のいずれよりも小さくないことである。この定義では、選択画素pの濃度が、その8近傍画素の濃度のいずれかと同じ濃度を有していても、8近傍画素内の他の画素のいずれの濃度も選択画素pの濃度と同じか小さければ、選択画素pの濃度は極大値であると見なす。極端には、選択画素pの濃度と8近傍画素の濃度が全て同じでも、極大点画素を検出しているときには、選択画素pは極大点画素と見なす。しかし、選択画素pの濃度が8近傍画素の濃度のいずれか一つより低い濃度であるときには、選択画素pの濃度は極大値ではない。なお、選択画素pの濃度とその選択画素pの8近傍画素より遠方の画素の濃度とは比較しない。極小点画素も同様に定義することができる。
単調変化画素群検出ステップで検出される、極値点画素の濃度に対して単調変化関係にある他の画素とは、極値点画素が極大点画素であるとすると、極大点画素から当該他の画素に至る経路として、画素の濃度が単調減少するという条件を満たしている経路が存在することである。濃度が単調減少するとは、濃度が小さくなるか等しい場合である。単調変化画素群を検出する範囲が前記指定された最大占有範囲である。したがって、その最大占有範囲から極大領域を検出することになる。その結果、ある極大点画素に対して単調変化関係にある画素が上記最大占有範囲を越えた位置に存在していても、その画素は単調変化画素としては検出されない。このように、当該極大点画素を含む極大領域は、その最大占有範囲から検出される。一方、ある極大点画素の周辺の単調変化画素群が上記最大占有範囲の一部にしか存在しない場合には、それらの単調変化画素群は全て検出される。また、極値領域判定ステップで濃度が判定される、前記検出された単調変化画素群のうちの周辺部に位置する複数の画素とは、当該単調変化画素群のうち、当該単調変化画素群に属さない画素に隣接して位置する複数の画素を指す。以上のように、極値点画素検出ステップと単調変化画素群検出ステップにより、スポット画像の中心の候補として極値点画素が検出され、当該極値点画素と当該極値点画素に対して検出された前記単調変化画素群とを含む極値領域が、検出対象物に対して指定された最大占有範囲から検出されたことになる。
更に、極値領域判定ステップでは、前記検出対象物に対して指定された、スポット画像の中央領域を表す中央最小占有範囲に関する第1の条件、検出された極値点画素の濃度と当該中央最小占有範囲内の前記複数の画素の濃度との濃度差に関する第2の条件、検出された極値点画素の濃度と、前記検出された単調変化画素群のうちの周辺部に位置する複数の画素の濃度との濃度差に関する第3の条件のいずれもが満たされるときに、検出された極値領域を、検出対象物に対するスポット画像として判定することになる。
請求項2に記載のスポット画像検出方法では、前記検出対象物は、路上にある複数の自動車のうち、撮像されたときに他の部分より濃度が異なる特定部分の存在範囲が所望の存在範囲であり、車輛占有範囲が、前記特定部分の中心に対して所望の位置にあり、かつ、所望の広さを有する自動車であり、前記最大占有範囲は、当該検出対象自動車の当該所望の車輛占有範囲より広い範囲に指定され、前記中央最小占有範囲は、当該車両の当該特定部分の存在範囲より狭い値に指定されている。
本発明によるスポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムによれば、自動車のような複数の物体が位置する空間を撮像して得られた解像度の低い撮像画像から、検出対象物を表すべきスポット画像の中央部分が最小限占有すべき中央最小占有範囲と、当該スポット像が占有し得る最大占有範囲と、当該スポット画像の中心の画素の濃度と当該中央領域内の複数の画素の濃度との濃度差に関する許容最大濃度差と、当該スポット画像の中心の画素の濃度と当該スポット画像の周辺部の画素の濃度との濃度差に関する許容最小濃度差とを指定して、これらの指定されたデータに関してあらかじめ定められた条件を満たすスポット画像を検出対象物に対するスポット画像として検出することが可能になる。
以下、本発明に係るスポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るスポット画像検出装置の一つの実施形態の概略ブロック図である。符号1は、上記装置の一つの実施の形態の全体を指す。本装置1は、例えばパソコン又はワークステーションにより実現される処理装置10と、メインメモリとして使用されるRAM(ランダムアクセスメモリ)(図示せず)及び磁気ディスク記憶装置のような補助記憶装置(図示せず)とを含む記憶装置20と、入出力装置30とを備えている。入出力装置30は、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含む入力装置31、CRTディスプレイ装置等の表示装置32又はプリンタ33などの出力装置を備えている。入力装置31はパラメータの入力やコマンドの起動などに使われる。表示装置32又はプリンタ33は、複数の検出対象物を撮像して得られる撮像画像あるいは本装置1により生成されるスポット画像マーカ付き画像等の画像あるいは本装置1により生成されるデータの表示又は印刷に使われる。記憶装置20内にデータが記憶されるときに、当該データが図示しないRAMと図示しない補助記憶装置のいずれに記憶されるかは、あらかじめ当該データ毎に決められている。処理装置10には、複数の検出対象物を含む領域を撮像して得られた撮像画像からそれぞれの検出対象物を検出するためのスポット画像検出プログラム40が組み込まれている。
本発明に係るスポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムの実施の形態を更に説明する前に、本実施の態様で実行する処理の原理を説明する。以下では、極大点画素を検出する場合を説明するが、極小値画素を検出する場合も同様である。また、撮像画像は、地表を人工衛星又は航空機から撮影して得られる地理画像であり、検出対象物は道路を走行するか道路上に停止している自動車であるとする。
図2は、本発明によるスポット画像の検出時に指定される探索条件データを説明するための図である。同図(a)は、一つの自動車に対する概略的な平面図である。図において、S1は、自動車の車輛の占有範囲を示し、図では車輛占有範囲S1は矩形であると仮定している。点C1は、当該車輛占有範囲S1の中心を示す。S2は、当該自動車に設けられた屋根の存在範囲を示す。屋根存在範囲S2は、撮像されたときに他の部分より濃度が異なる特定部分の例であり、スポット画像は、この屋根存在範囲において濃度が大きくなる。同図(a)の例では、屋根存在範囲S2は自動車のほぼ全体に広がって設けられている。しかし、図では、分かりやすさのために、屋根存在範囲S2は、自動車の車輛占有範囲S1より小さく記載してある。同図(a)の例では屋根存在範囲S2の中心C2は、車輛占有範囲S1の中心C1と一致すると仮定する。
本発明では、検出対象物に対するスポット画像を検出するときに、スポット画像が占有し得る最大占有範囲を指定する。同図(a)の自動車に対しては、スポット画像の最大占有範囲R1として、車輛占有範囲S1と同じか少し大きくなるようにスポット画像の最大占有範囲R1を指定する。同図(a)の例では、最大占有範囲R1は、車輛占有範囲S1と同じく矩形とし、その中心も車輛占有範囲S1の中心C1と一致するとする。最大占有範囲R1の縦横の辺は、それぞれ車輛占有範囲S1の縦横の辺より例えば10〜20%大きく設定すればよい。更に、本発明では、検出対象物に対するスポット画像の中央部分が最小限占有すべき中央最小占有範囲R2も指定する。スポット画像のうち濃度が大きな部分の存在範囲は、屋根存在範囲S2の中央部分であり、屋根存在範囲S2より小さい。したがって、同図(a)の例では、中央最小占有範囲R2として、屋根存在範囲S2より少し狭い領域を指定する。中央最小占有範囲R2の縦横の辺の長さは、それぞれ屋根存在範囲S2の縦横の辺の長さより、例えば10〜20%小さく設定すればよい。
同図(a)の場合には、最大占有範囲R1の中心C1は、中央最小占有範囲R2の中心C2からずれていない。しかし、本実施の形態では、これらの中心がずれていてもよい。最大占有範囲R1の中心C1が中央最小占有範囲R2の中心C2からずれているときには、最大占有範囲R1は、中央最小占有範囲R2の中心C2から見たときに見える範囲として指定される。例えば、それらの中心の間のずれ量と、最大占有範囲R1の中心C1から見たときの最大占有範囲R1の4つの頂点の座標が指定される。あるいは、中央最小占有範囲R2の中心C2から見たときの最大占有範囲R1の4つの頂点の座標が指定されてもよい。
本発明では、最大占有範囲R1内の周辺部の画素と、検出対象物に対するスポット画像の中心の画素の濃度との差に関して許容最小濃度差T1が指定される。すなわち、スポット画像の周辺部の画素は、スポット画像の中心に対して十分濃度が変化していることが要求される。更に、本発明では、中央最小占有範囲R2内の画素と、検出対象物に対するスポット画像の中心の画素の濃度との差に関して許容最大濃度差T2が指定される。すなわち、スポット画像の中央最小占有範囲R2内の画素の濃度は、スポット画像の中心の画素の濃度に対してあまり変化していないことが要求される。許容最小濃度差T1と許容最大濃度差T2は、検出する自動車の車輛の占有範囲、屋根部分の存在範囲によらないで、あらかじめ定めた値を使用してもよい
図2(b)は、以上で説明した探索条件データを示す図である。探索条件データ25は、図に示すようにスポット画像の最大占有範囲データ251、スポット画像の中央最小占有範囲データ252、許容最小濃度差(T1)253、許容最大濃度差(T2)254とを含んでいる。なお、スポット画像の最大占有範囲データ251は、既に説明したように、中央最小占有範囲R2の中心C2からみたときの最大占有範囲R1を指定するデータである。中央最小占有範囲データ252も、その中心C2からみたときの中央最小占有範囲を指定するデータであり、例えば、その範囲の4つの頂点の座標を含んでいる。
図2(c)は、スポット画像の濃度分布の例と上に説明した探索条件データとの関係を示す図である。同図において、曲線f(p)はスポット画像の中心を通る直線、具体的には図2(a)の水平方向の直線上での濃度分布を模式的に示す例であり、ここでは、極大点pが、スポット画像の中心であると仮定する。スポット画像の最大占有範囲R1、中央最小占有範囲R2が、図に示すように、極大点pを中心に含んでいる。極大領域Pは、後に説明するように、本発明にしたがって、極大点pの周りに位置する極大点pに対して単調減少関係を有する単調変化画素群からなる。図の例では、画素Aが極大点pの極大領域P内の左側の周辺部の最小濃度の画素、画素Bが極大点pの極大領域P内の右側の周辺部の最小濃度の画素であるとする。図では、極大領域Pの周辺部の画素のうち画素Bが濃度最大の画素であるとする。画素A、極大点p、画素Bを含むスポット画像が検出対象物の画素であるためには、極大点pの濃度f(p) とスポット画像の最大占有範囲R1内の周辺部の最大濃度(今の仮定では画素Bの濃度)との濃度差が許容最小濃度差(T1)以上であるという条件が満たされる必要がある。更に、中央最小占有範囲R2内の全画素が極大領域P内に位置し、かつ、極大点pの濃度と中央最小占有範囲R2内の画素との濃度差がいずれの画素についても、許容最小濃度差(T2)以下であるという条件が満たされる必要がある。
図2(d)は、屋根存在範囲S2と中央最小占有範囲R2の他の例を示す図である。同図(a)と異なり、屋根存在範囲S2は、車輛占有範囲S1の左側に偏って存在している。このような屋根存在範囲S2は、運転席の部分を覆うように屋根が設けられ、残りの部分には屋根なしの荷台が設けられているトラックの場合に存在する。車輛占有範囲S1の中心C1と屋根存在範囲S2の中心C2とは図に示すように位置がずれている。このような自動車を撮影した画像では、この自動車に対するスポット画像は、屋根存在範囲S2の中心C2に中心を有することになる。この自動車の場合には、最大占有範囲R1の中心C1は、中央最小占有範囲R2の中心C2と比べて、図に示すようにずれていることになる。本発明は、このように屋根存在範囲が車輛占有範囲のごく一部である自動車を検出対象物とする場合にも適用可能である。このような自動車を検出対象物とするには、スポット画像の最大占有範囲には、同図(a)の場合と同じく車輛占有範囲S1より少し大きな最大占有範囲R1を指定し、スポット画像の中央最小占有範囲には、屋根存在範囲S2より少し小さな中央最小占有範囲R2を指定すればよい。以下では、図2(a)の自動車の場合について本発明の一つの実施の形態での処理を説明するが、同図(d)の自動車の場合についても以下の処理を適用できる。
本実施の形態で使用する極大領域は、例えば以下の方法により検出できる。撮像画像中から極大点画素pを検出し、検出された極大点画素pに対する極大領域M(p)は、以下のようにして帰納的に求めることができる。M0(p)を極大点画素pからなる第0次極大領域とする。極大点画素pの第0次極大領域M0(p)から始めて、第n次極大領域Mn(p)に対して第(n+1)次増分領域Bn+1(p)だけの領域成長を繰り返して決定し、第(n+1)次極大領域Mn+1(p)を次式1により求める。
Mn+1(p) = Mn(p) ∪ Bn+1(p) (1)
ここで、第(n+1)次増分領域Bn+1(p)は、画素qが第n次極大領域Mn(p)に隣接するという条件と画素qの濃度が第n次極大領域Mn(p)の当該画素qが隣接する少なくとも一つの画素の濃度より大きくない(単調減少関係にある)という条件を満たす画素qが含まれる領域である。第(m+1)次増分領域Bm+1(p)が空集合である最小のmについて次式2が成立する。
M(p) = Mm(p) (2)
したがって、第(m+1)増分領域Bm+1(p)が最初に空集合となったときに、それまでに得られた第m次極大領域Mm(p)が極大領域M(p)となる。
以上の繰り返し処理を詳しく説明すると、極大点画素pのみからなる第0次極大領域M0(p)に対して第1次増分領域B1(p)を求める。すなわち、画素qが画素pに隣接するという条件と画素qの濃度が画素pの濃度より大きくない(単調減少関係)という条件を満たす画素qを全て含む第1次増分領域B1(p)を求める。この段階では極大点画素pから第1次増分領域B1(p)の任意の画素qに至る経路上の画素は、これら二つの画素p、qのみであり、これらの画素間では濃度が単調減少するという条件が成立している。更に、式1により、元の画素pと新たに求めた第1次増分領域B1(p)との論理和により第1次極大領域M1(p)を決定する。
その後第2次増分領域B2(p)を求める。すなわち、画素qが第1次極大領域M1(p)のいずれかの画素に隣接するという条件と、画素qの濃度が、第1次極大領域M1(p)の、画素qに隣接する少なくとも一つの画素の濃度より大きくない(単調減少関係)という条件を満たす全ての画素qの領域を第2次増分領域B2(p)として決定する。更に式1により、第1次極大領域M1(p)と新たに求めた第2次増分領域B2(p)との論理和により第2次極大領域M2(p)を決定する。この段階では極大点画素pから第2次増分領域B2(p)の任意の画素qに至る経路上の画素は、画素pと、増分第1次増分領域B1(p)内のいずれかの第1の画素と、その第1の画素に隣接する第2次増分領域B2(p)内の第2の画素とであり、画素pからこれらの第1の画素、第2の画素間で濃度が単調減少するという条件が成立している。
以下、同様に、以上の処理を繰り返すことにより、極大領域Mn(p)(n=1、2、…)を求めることができる。そして、いずれかの整数mに対して、第(m+1)次増分領域Bm+1(p)に属する画素が最初に検出できなくなると、処理を打ちきり、式2にしたがって、そのときまでに求めた第m次極大領域Mm(p)を極大領域M(p)として使用すればよいことになる。
なお、上記極大領域M(p)の大きさを、画素pを中心に含む最大占有範囲内の画素のみから検出するには、例えば、いずれかの増分領域(第(n+1)次増分領域Bn+1(p))の決定を、画素pを中心に含む上記最大占有範囲内にある全画素を順次選択して実行し、次の増分領域を決定するときにも同じ範囲内の全画素を順次選択するように、同じ範囲内の全画素を順次選択することを繰り返せばよい。このように増分領域を順次求めて極大領域M(p)を求めると、極大領域M(p)に属する任意の画素qは、画素pから画素qに至る経路として、経路上の画素の濃度が単調減少する経路が存在するという条件が満たされることになる。このことは証明することができる。このようにして単調変化画素群が検出され、その結果として極大点と単調変化画素群を含む極大領域が検出される。
こうして極大領域M(p)を求めた後、検出対象物に対して指定された、スポット画像の中央領域を表す中央最小占有範囲に関する第1の条件、検出された極値点画素の濃度と当該中央最小占有範囲内の前記複数の画素の濃度との濃度差に関する第2の条件、検出された極値点画素の濃度と、前記検出された単調変化画素群のうちの周辺部に位置する複数の画素の濃度との濃度差に関する第3の条件のいずれもが満たされるときに、検出された極値領域を検出対象物に対するスポット画像として判定することになる。
以下、本発明に係るスポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラムの実施の形態の詳細を更に説明する。
図1に戻り、スポット画像検出プログラム40は、記憶装置20に記憶され処理装置10により実行されるが、図では分かりやすさのために、スポット画像検出プログラム40とそれを構成する複数のモジュールを処理装置10を示すブロックの内部に記載している。スポット画像検出プログラム40は、初期値設定部100と、極値点画素探索部200と、極値領域成長部300と、極値領域判定部400と、スポット画像関連データ生成部500というモジュールを含む。更に、スポット画像検出プログラム40には、極値点画素の探索成否判定ステップ250と極値領域合否判定ステップ450とが含まれている。極値点画素の探索成否判定ステップ250は極値点画素探索部200の実行後に実行され、極値点画素探索部200において極値点画素の探索が成功したか否かを判定する。極値領域合否判定ステップ450は極値領域判定部400の実行後に実行され、検出された極値領域に対する極値領域判定部400での判定結果が合格か否かを判定する。
上記複数のモジュール100、200、300、400、500はこれらの順に順次実行される。スポット画像関連データ生成部500の実行後に処理は初期値設定部100に移り、この処理以降の処理が繰り返される。ただし、極値領域成長部300は、極値点画素の探索成否判定ステップ250で極値点画素の探索が成功したと判定されたときに実行され、スポット画像関連データ生成部500は、検出された極値領域が合格であると極値領域合否判定ステップ450で判定されたときに実行される。極値領域合否判定ステップ450で検出された極値領域が不合格であると判定されたときには、処理は初期値設定部100に移動する。極値点画素の探索成否判定ステップ250で極値点画素の探索が不成功と判定されたときは、スポット画像検出プログラム40の処理は終了する。
処理装置10は、スポット画像検出プログラム40内の初期値設定部100、極値点画素探索部200、極値領域成長部300、極値領域判定部400、スポット画像関連データ生成部500が実行されたときに、それぞれ初期値を設定する機能ブロック、極値点画素を探索する機能ブロック、探索された極値点を起点にして極値領域を成長させる機能ブロック、領域成長により得られた極値領域が検出対象物のスポット画像に属する極値領域であるか否かを判定する機能ブロック、その極値領域が当該検出対象物を表すスポット画像に属すると判定されたときに、そのスポット画像に関連するスポット画像関連データを生成する機能ブロックという複数の機能ブロックとして動作する。したがって、処理装置10と、記憶装置20と、入出力装置30と、スポット画像検出プログラム40のこれらのモジュールにより、それぞれのモジュールに対応する複数の機能ブロックが実現されることになる。したがって、処理装置10と、記憶装置20と、入出力装置30と、スポット画像検出プログラム40は、本発明に係るスポット画像検出装置の一つの実施の形態を実現することになる。
スポット画像検出プログラム40は、本発明に係るスポット画像検出プログラムの一つの実施の形態を実現するものであり、図示しない記録媒体に記録されてあるいは図示しないネットワークを介して記憶装置20に記憶され、処理装置10で実行される。スポット画像検出プログラム40は、図示しない記録媒体に記録されて又は図示しないネットワークを介して販売可能である。処理装置10がスポット画像検出プログラム40を実行して撮像画像から対象物を検出する手順は本発明に係るスポット画像検出方法の一つの実施の形態を実現する。
記憶装置20には、撮像画像データ21がスポット画像検出プログラム40の実行前にあらかじめ記憶される。撮像画像データ21は、検出対象物を含む領域を撮像して得られた画像を表すデータである。領域属性データ22は、後に説明する最大占有範囲内の画素のそれぞれが撮像画像データ21中から検出された極値点画素を含む極値領域に属するか否かに関連する領域属性値を保持するデータであり、スポット画像検出プログラム40の実行開始時に初期値に設定され、スポット画像検出プログラム40に実行途中に更新される。
極値領域データ23とスポット画像マーカ付き画像データ24は、スポット画像検出プログラム40の実行の結果生成されるデータである。極値領域データ23は、スポット画像検出プログラム40で検出され、検出対象物を表すスポット画像に含まれると判定された複数の極値領域のそれぞれに関するデータを含む。スポット画像マーカ付き画像データ24は、撮像画像データ21内のそれらの検出された極値領域が含まれるスポット画像に、検出対象物のスポット画像であることを示す所定のスポット画像マーカを重畳させた画像を表すデータである。探索条件データ25は、図2(b)にその内容例を既に示したデータである。探索条件データ25は、スポット画像検出プログラム40の実行前に、検索対象物を特定するために利用者が指定するデータである。この探索条件データ25に含まれる複数のデータは、まとまって一つのデータとして記憶装置20に記憶されていてもよいが、利用者により検索前に指定されてスポット画像検出プログラム40内に組み込まれていてもよい。なお、探索条件データ25に含まれる最大占有範囲R1に関するデータ及び中央最小占有範囲R2に関するデータを利用者が指定する代わりに、それぞれのデータを決定する元となる車両占有範囲S1、屋根存在範囲S2のデータを指定し、スポット画像検出プログラム40により、最大占有範囲R1に関するデータ及び中央最小占有範囲R2に関するデータを、車両占有範囲S1、屋根存在範囲S2の値に一定比率を掛けるかそれらの値を一定比率で割るなどの方法を用いて決定するようにしてもよい。この場合も、本発明に関する限り、最大占有範囲R1及び中央最小占有範囲R2を利用者が指定したと見なす。また、以下では、画像データが生成される処理又は記憶装置20に記憶される処理に言及するときに、簡単化のために単に画像が生成される又は画像が記憶装置20に記憶されるということがある。
図3(a)は、撮像画像データ21を模式的に示す図である。撮像画像データ21は、図に示すように、この撮像画像は矩形(正方形又は長方形)であり、撮像画像の左上隅に原点Oが定められ、図の垂直下方向及び水平右方向にx軸、y軸が定められているものとする。撮像画像データ21は、白黒濃淡画像を表す画像データであると仮定する。更に撮像画像データ21は、自動車が存在する領域では濃度が高くなる(白くなる)画像を表すと仮定する。
図において、符号210は、地上の一つの道路を模式的に示す。220は、道路210上を走行している複数の自動車の一つを表すスポット画像を模式的に示す。同図(b)は、人工衛星から地上を実際に撮影して得られた実際の地理画像の例を示す。313×145画素の大きさで、濃度は0から255の値である。この種の地理画像の解像度は一般には低く、例えば50〜60cm程度であり、図に示すように、自動車は非常に小さい白い島状のスポット画像で表され、自動車の外形も鮮明ではない。自動車を表すスポット画像を構成する画素の数は、例えば3×6画素から6×20画素となる。
なお、自動車のように矩形の検出対象物に対するスポット画像の検出に本発明を適用する場合、適用前に自動車の方向を揃えておくと、都合が良い。例えば、道路の方向を図3に示したように、撮像画像の水平方向にしておくとする。このためには、撮像画像からエッジを抽出し、エッジの方向についてヒストグラムを生成し、ヒストグラムのピークから道路の方向を決め、それが水平方向になるように撮像画像を回転させる方法が有効である。この方法を実施するための具体的な処理は、例えば、以下の文献参照。T. Zhao and R. Nevatia,"Car Detection in Low Resolution Aerial Image," [online]、[平成16年9月1日検索]、インターネット<URL:http://iris.usc.edu/~taozhao/papers/ICCV01/ICCV01_ZhaoNevatia_CarDetection.pdf>参照。以下では、撮像画像は既に回転させられていて、道路の方向、したがって、自動車の方向は水平を向いているとする。
図4は、撮像画像データ21に対応する領域属性データ22を模式的に示す。本実施の形態では、領域属性データ22は、撮像画像データ21の全画素に対応して、領域属性値を保持するフィールドを有する。領域属性データ22は、撮像画像データ21の各画素に対応した当該画素の領域属性を含むので、領域属性データ22も、撮像画像データ21と同じく、領域属性の値を画像値とする画像を表す画像データであると考えることができるので、図4に示すように、領域属性データ22を矩形の領域を有する画像データであると考え、撮像画像データ21と同じく、図の左上隅に原点0が定められ、図の垂直下方向及び水平右方向にx軸、y軸が定められているものとする。後に説明するように、領域属性データ22に含まれる各画素に対する領域属性値は、当該画素が極値領域に属さないことを示す値(例えば「0」)、当該画素が極値領域に属する候補であることを示す値(例えば「0.5」)、当該画素が極値領域に属することを示す値(例えば「1)のいずれかを有する。
なお、領域属性データ22は、本実施の形態のように撮像画像データ21の全画素に対する領域属性値を保持するフィールドを有する場合でも、実際には撮像画像データ21内のいずれかの道路領域210(図3(a))に属する複数の画素のそれぞれに対する領域属性値を保持するフィールドを有すればよいが、ここでは、撮像画像データ21内のいずれの画素が道路領域に属するかは、撮像画像21が表す地域により異なるので、領域属性データ22は、撮像画像データ21の全画素のそれぞれに対応して領域属性値を保持するフィールドを有するとする。
図1に戻り、スポット画像検出プログラム40が実行されると、まず初期値設定部100が実行される。初期値設定部100は、撮像画像データ21の全画素のそれぞれに対する領域属性データ22(図4)の領域属性を初期値に設定する。ここでは、初期値は、対応する画素が極値領域に属さないことを示す値「0」である。
スポット画像検出プログラム40は、初期値設定部100の実行後に、極値点画素探索部200を実行する。図5は、極値点画素探索部200の処理の一例の概略フローチャートである。極値点画素探索部200は、撮像画像21の画素を一定の順に順次選択し、選択された画素が、濃度が極値である画素(極値点画素と呼ぶ)であるかを判定する。極値点画素は、撮像画像21内の検出対象物を表すスポット画像に属する可能性がある画素として検出される。今の仮定のように、背景より白い(濃度が大きい)自動車のスポット画像を検出するときには、極値点画素として、濃度が極大値である極大点画素が検出される。逆に、背景より黒い(濃度が小さい)自動車のスポット画像を検出する場合には、極値点画素として、濃度が極小値である極小点画素が検出される。極値点画素、例えば極大点画素は、その画素を取り囲む8近傍画素の濃度の値に比べて当該極大点画素の濃度が極大点であるということである。このため、ある画素が極値点画素か否かを判別するには、当該注目画素の濃度とその画素の8近傍画素の濃度とが比較される。
具体的には、極値点画素探索部200は、以下のようにして実行される。まず、撮像画像21からの画素の選択が終了したか否かを判定する(ステップS201)。画素の選択が終了していないときには、次に処理すべき画素を選択する(ステップS202)。スポット画像検出プログラム40は、検索対象物である自動車を表すスポット画像の検出のためには、撮像画像21の全画素を処理する必要はなく、撮像画像21中の道路が存在する道路領域に属する複数の画素のみを処理すればよい。したがって、ステップS202では、道路領域に属する複数の画素を一定の順序で順次選択すればよく、道路領域に属さない画素は選択しないようにすればよい。撮像画像21中の道路領域に属する複数の画素を選択するには、記憶装置20にあらかじめ記憶された図示しない、道路領域を示すデータに基づいて行うことができる。
より具体的には、極値点画素探索部200では、極値点画素の探索を行うために、ステップS202で選択した画素の濃度と、その画素の隣接画素の濃度とを比較して、選択画素が極値点画素であるか否かをステップS203で判断する。ここで、選択画素の隣接画素とは、選択画素を取り囲む8個の隣接画素(8近傍画素)である。したがって、選択画素が極値点画素か否かを判断するには、その画素の周囲の画素の濃度も必要であるので、極値点画素探索部200では、道路領域の周辺の1画素の幅の領域を除いた内部領域に属する画素について、極値点画素であるか否かを判定する。したがって、ステップS202では、撮像画像21内の道路領域の1画素分内側の領域の全画素を一定の順序で順次選択すればよい。選択の順序は、例えばx座標順、y座標順でよい。すなわち、同じy座標の複数の画素はx座標の昇順に選択し、異なるy座標の複数の画素はy座標の昇順に選択すればよい。
以下、ステップS202で選択された画素を画素pと呼ぶことにする。画素pの選択後に、当該選択画素pが極値点画素か否かが判断される(ステップS203)。今の例では、極値点画素とは極大点画素のことである。ここで選択画素pが濃度が極大点である極大点画素であるのは、選択画素pの濃度が、その画素を取り囲む8近傍画素の濃度の値のいずれよりも小さくないときであるとする。この定義では選択画素pの濃度がその8近傍画素の濃度のいずれかと同じ濃度を有していて、8近傍画素内の他の画素のいずれの濃度も選択画素pの濃度と同じかそれより小さければ、選択画素pの濃度は極大値であると見なす。極端には、選択画素pの濃度と8近傍画素の濃度が全て同じときでも、極大点画素を探索しているときには、選択画素pは極大点画素と見なされる。しかし、選択画素pの濃度が8近傍画素の濃度のいずれか一つより低い濃度であるときには、選択画素pの濃度は極大値ではない。なお、選択画素pの濃度と、その選択画素pの8近傍画素より遠方の画素の濃度とは比較しない。
ステップS203で選択画素pが極値点画素(極大点画素)ではないと判断された場合には、処理はステップS201に戻り、画素の選択が終了しているかが判断される。すなわち、極値点画素か否かの判断がされていない画素が道路領域の1画素分内側の領域にあるか否かが判断される。未選択の画素がまだある場合には、ステップS202でその新たな画素が選択され、その新たな選択画素pがステップS203により極値点画素であるかが判断される。このような、画素の選択の終了判断ステップS201と、画素選択ステップS202と極値点画素判別ステップS203とが極値点画素が検出されるまで繰り返される。
以上の繰り返しの結果、いずれかの選択画素pが極値点画素であると判定されたときには、当該画素pに関する、領域属性データ22内の領域属性値を、極値領域に所属することを表す属性値「1」に変更する(ステップS204)。極値点画素が選択されたときには、極値点画素探索部200は、処理を終了し、戻り値を「成功」としてスポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。
図1に戻り、スポット画像検出プログラム40では、極値点画素探索部200の実行後に、極値点画素の探索成否判定ステップ250により、極値点画素探索部200での極値点画素の探索が成功したか否かを極値点画素探索部200からの戻り値により判定する。今仮定しているように、極値点画素探索部200からの戻り値が「成功」である場合、極値領域成長部300が実行される。極値領域成長部300は、検出された極値点を出発点として、当該極値点を含む極値領域を検出する。ここで、極値領域は、当該極値点画素(今の例では極大点画素)と、その画素に対して単調変化関係にある周辺の一つ又は複数の画素からなる領域である。ここで極値点画素に対して単調変化関係にある画素とは、今仮定のように、当該極値点画素が極大点画素の場合には単調減少関係を指し、当該極値点画素が極小点画素の場合には単調増大関係を指す。
極値点画素に対して単調変化関係にある周辺の画素とは、当該極値点画素から濃度が単調変化している画素を経由して当該周辺の画素までに至る経路があるということである。極値点画素が極大点画素であるときには、その極大点画素に対して単調減少関係にある周辺の画素とは、当該極大点画素から濃度が単調減少している画素を経由して当該周辺の画素に至る経路があるということである。ここで、単調減少とは、小さくなっているか等しいことである。同様に、極値点画素が極小点画素であるときには、その極小点画素に対して単調増大関係にある周辺の画素とは、当該極小点画素から濃度が単調増大している画素を経由して当該周辺の画素までに至る経路があるということである。ここで、単調増大とは、大きくなっているか等しいことである。
ここで、極大点画素に対して上記経路があるということは、例えば、極大点画素(第1の画素)、それに隣接する第2の画素、当該第2の画素に隣接する第3の画素がある場合、第2の画素の濃度は、極大点画素の定義から当該極大点画素の濃度以下であり、第2の画素の濃度は必然的に極大点画素の濃度より単調減少の関係にある。第2の画素の濃度が、極大点画素の濃度と同じ場合でも、第2の画素の濃度は極大点画素の濃度に対して単調減少の関係にあると見なすことには変わりはない。更に、第3の画素の濃度が、上記第2の画素の濃度以下であるときには、第3の画素の濃度は、第2の画素の濃度に対して単調減少の関係にある。第3の画素の濃度が、上記第2の画素の濃度と同じであるときにも、第3の画素の濃度は、第2の画素の濃度に対して単調減少の関係にあると見なすことには変わりはない。結局、極大点画素から第2の画素を経由して第3の画素に至る経路上の画素の濃度は、極大点画素の濃度、第2の画素の濃度、第3の画素の濃度の順に変化するが、これらの3つの画素の濃度は単調減少していることになる。
あるいは第2、第3の画素の両方に隣接する第4の画素があり、当該第4の画素の濃度が第2の画素の濃度以下であり、当該第3の画素の濃度が当該第4の画素の濃度以下であれば、第3の画素の濃度は、第4の画素の濃度に対して単調減少の関係にあり、第4の画素の濃度は、第2の画素の濃度に対して単調減少の関係にある。結局、極大点画素から第2、第4の画素を経由して第3の画素に至る経路上では、画素の濃度は、極大点画素の濃度、第2の画素の濃度、第4の画素の濃度、第3の画素の濃度の順に変化し、これらの4つの画素の濃度は単調減少していることになる。
図6は、極値領域成長部300の処理の一例の概略フローチャートである。極値領域成長部300は、検出された極値点画素(今の仮定では極大点画素)に対して単調変化関係(今の例では単調減少関係)にある画素群を、探索条件データ25(図2(b))にて指定された最大占有範囲内の画素から検出する。以下に述べるように、極値領域成長部300は、検出された極値点画素に対して単調変化関係にある画素を上記最大占有範囲内で順次検出していくので、その処理を領域成長と呼び、処理部300を領域成長部と呼んでおり、上記最大占有範囲を領域成長範囲と呼ぶことがある。
本実施の形態では、図2(a)に例示したように、スポット画像の最大占有範囲R1として車輛占有範囲S1より少し大きな矩形の領域を想定している。この例では、最大占有範囲R1の中心は屋根存在範囲S2の中心と一致しているので、両者の中心の位置ずれはない。したがって、領域成長を行う最大占有範囲R1は、検出された極値点画素pをその中心に含む矩形の領域である。ここで、検出対象物の自動車に対して指定された最大占有範囲R1は、原点に中心があり、幅と高さがそれぞれ2Si+1、2Sj+1である矩形領域と仮定する。この場合、最大占有範囲R1は、検出された極値点画素pをその中心に含み、幅と高さがそれぞれ2Si+1、2Sj+1の矩形領域となる。
図7(a)は、本実施の形態で使用する上記最大占有範囲を例示する図である。符号26は、図2(a)に例示した検出された極値点画素の座標がp(x,y)であるときの最大占有範囲R1の例を示す。最大占有範囲26の頂点の画素Q、R、S、Tの座標はそれぞれ(x−Si,y−Sj)、(x+Si,y−Sj)、(x+Si,y+Sj)、(x−Si,y+Sj)であり、最大占有範囲26のサイズは、(2Si+1)×(2Sj+1)である。
図7(b)は、同図(a)内の最大占有範囲26内の画素と極値点画素p(x,y)のx座標、y座標からの座標変化量i、jとの関係を示す図である。この図においては、各四角内に示すqm(m=1から8、21から36又は41から50)は説明のために使用する画素の番号である。以下の説明では、図7(a)の代わりに図7(b)を主に使用する。図7(c)は、最大占有範囲26内の画素の濃度の例を示す図である。ここに示す濃度値は説明のための数値であって、実際の画像の濃度を表すものではない。
図6に戻り、極値領域成長部300は、まず、ステップS301で、領域成長成功フラグflagを初期値NOに設定する。この値NOは領域成長不成功を表す。つぎに極値領域用隣接画素探索部350を実行する。極値領域用隣接画素探索部350は、極値領域成長部300により起動される毎に、検出された極値点画素pに隣接する未処理の画素又は当該極値点画素pに隣接し極値領域内に存在すると判定された画素が既に検出されているときには、当該極値領域内にあると判定された当該画素に隣接し当該最大占有範囲内にある未処理の画素を検出する。
本実施の形態では、極値領域用隣接画素探索部350は、最初に起動されたときには、図7(b)の左上隅の画素q41から始めて、最大占有範囲26内の画素を左から右へ、上から下へ順次探索する。つまり、探索する画素の座標を(x+i,y+j)とすると、j=−Sjの状態で、iを−Siから+Siまで変化させ、その後jを1だけ増加し、iを同じ範囲で変化させる。以下同様にjがSjを越えるまで繰り返す。
図8は、極値領域用隣接画素探索部350の処理の一例の概略フローチャートである。具体的には、極値領域用隣接画素探索部350は、起動されると、ステップS351において、領域成長成功フラグflagの値がYESか否かを判断する。極値領域用隣接画素探索部350が極値領域成長部300により最初に起動されたときには、図6のステップS301により領域成長成功フラグflagの値がNOに設定されている。この場合には領域成長成功フラグflagの値がYESでないので、ステップS352において、探索画素を初期設定する。本実施の形態では、図7(b)に示した最大占有範囲26の左上隅の画素q41を探索画素の初期値に設定する。つぎにステップS353において、その探索画素の領域属性値を領域属性データ22から読み出し、その領域属性値が「0」であるか否かを判別する。
図9は、最大占有範囲26内の画素に対する領域属性データ22の変化例を示す図である。図では、領域属性データ22の座標として、対応する画素の座標(x,y)に代えて、図7(b)と同じく、極値点画素p(x,y)のx座標、y座標からの座標変化量(i,j)を示している。同図(a)は、初期値設定部100(図1)により撮像画像21の全ての画素に対する領域属性データ22の初期値として、極値領域非所属を示す値「0」が設定された状態を示す。同図(b)は、極値点画素探索部200により極値点画素pが検出されたときにステップS204(図5)により、当該極値点画素pに対して領域属性値として、極値領域所属を示す値「1」が設定された状態を示す図である。極値点画素pの領域が式1にいう第0次極大領域M0(p)である。
今仮定のように極値領域用隣接画素探索部350が、最初に起動され、画素q41(図7(b))が探索画素であるときには、その画素の領域属性は「0」である。図8に戻り、探索画素の領域属性が「0」であるとステップS353で判定されたときには、ステップS354において、当該探索画素に隣接する(すなわち8近傍画素のいずれかである)領域属性値「1」の画素があるか否かを判別する。今仮定のように極値領域用隣接画素探索部350が最初に起動されたときには、領域属性値が「1」の画素は、検出された極値点画素pのみである。したがって、探索画素q41は、極値点画素pに隣接する画素でないので、ステップS354では隣接する領域属性値「1」の画素はないと判定される。
この場合、ステップS355において、次の画素、すなわち右隣の画素q21を探索画素とする。その後ステップS356において、新たな探索画素q21のy座標の増加分jが限界値Sjを越えたか否かが判定されるが、越えていない場合には、ステップS353以降の処理が繰り返される。その結果、図7(b)の場合には、画素q1が探索画素になったときに、初めて画素pが隣接する領域属性値が「1」の画素となる。したがって、ステップS353、S354のいずれにおいても判定はYesとなる。その場合には、極値領域用隣接画素探索部350は、隣接画素の探索に成功し、ステップS357において、戻り値を「成功」として極値領域成長部300に戻る。
図6に戻り、極値領域成長部300では、ステップS302において、隣接画素の探索が成功したか否かが判断され、今の場合のように成功の場合、ステップS303において、探索が成功した画素に隣接する(すなわち8近傍画素であり)、領域属性値「1」の全ての画素(極値領域所属画素)rの濃度を求める。今の仮定では、画素q1が探索成功画素である場合、ステップS303で検出される隣接する極値領域所属画素は極値点画素pのみである。ステップS304において、求めた全ての極値領域所属画素rの濃度の中に、探索画素q1の濃度以上の画素が少なくとも一つあるという条件を満たすか否かを判定する。この条件が満たされる場合、探索成功画素q1は、それが隣接する極値領域所属画素に対して単調減少関係にあることになる。
上に述べたように、今の仮定では画素q1に隣接する極値領域所属画素は極値点画素pのみであり、極値点画素pの定義から見て、その濃度は、画素q1の濃度より低くない。したがって、ステップS304では画素q1は単調変化関係を満たすと判断される。探索画素が単調変化関係を満たすとき、ステップS305において、その画素の領域属性値を極値領域所属候補を表す値「0.5」に変更する。更にステップS306において、領域成長成功フラグflagをYESに設定し、処理は極値領域用隣接画素探索部350に戻る。
図8を参照すると、極値領域用隣接画素探索部350は、今の仮定の場合には、ステップS351において、領域成長成功フラグflagがYESであると判定される。この場合には、処理はステップS355に移り、直前の探索画素(今の仮定では図7(b)のq1)の次の画素q2を探索画素とする。その後ステップS356では、新たな探索画素q2のy座標と極値点画素pのy座標との差は距離の限界値Sjより大きくないと判断され、探索画素q2に関してステップS353以降の処理が実行される。探索画素q2も、極値領域非所属で、極値点画素pに隣接する画素であるので、極値領域用隣接画素探索部350は隣接画素の探索に成功して、極値領域成長部300に戻る。
極値領域成長部300(図6)は、この画素q2に対しても先に画素q1に対する処理と同じように処理S303以降の処理を実行する。この画素q2に対する隣接領域所属画素は極値点画素pのみであり、画素q2は画素pに対して単調変化関係にあることは画素q1と同じである。したがって、画素q1の場合と同じく、ステップS305において、探索された隣接画素q2の領域属性値が「0.5」に変更され、ステップS306において、それまで領域成長成功フラグflagが再度YESに設定される。なお、領域成長成功フラグflagは、仮定では既にYESになっているので、ステップS306の2回目以降の実行を省略してもよいことは言うまでもない。
極値領域成長部300は、その後再度極値領域用隣接画素探索部350を実行する。350では、図7(b)の画素q3からq8の各々を同様にして探索画素とする。極値領域成長部300は、それらの画素q3からq8の各々に対して、ステップS303以降の処理を同様に実行する。ステップS304ではこれらの画素は、画素q1について述べたのと同じ理由によりそれぞれ単調変化関係にある画素であると判断されるので、その画素の領域属性は、画素q1、q2と同じく「0.5」に変更される。図9(c)は、この段階での最大占有範囲26内の画素に対する領域属性データの例を示す。こうして、極大点画素pに隣接し単調減少関係にある画素q1からq8が検出されたことになる。これらの画素q1からq8が占める領域は、式1で説明した第1次増分領域B1(p)である。
図6に戻り、以上のようにして画素q8が処理された後は、処理は再度極値領域用隣接画素探索部350に戻る。極値領域用隣接画素探索部350では、図8において、ステップS355以降を繰り返すが、今の場合、図7(b)から分かるように、ステップS354において、検出された極値点画素pに隣接する他の画素はもはや存在しないと判断される。したがって、ステップS355で他の画素が順次探索画素として判断され、最終的に探索範囲外の画素(図7(a)の画素(x−Si,y+Sj+1))が探索画素に設定されたときに、ステップS356において探索画素のy座標の増加分jが距離の限界値Sjより大きくなったと判断されるので、隣接画素の探索が不成功となり、極値領域用隣接画素探索部350は戻り値を「不成功」として極値領域成長部300に戻る。
図8に戻り、極値領域成長部300では、ステップS302において隣接画素の探索不成功と判断したときには、ステップS307において、領域成長成功フラグflagがYESか否かを判定し、今の仮定の場合のように、そうである場合には、ステップS308において、領域属性値「0.5」の画素、今の例では画素q1からq8の全部の領域属性値を極値領域所属を表す値「1」に変更する。図9(d)は、この段階での最大占有範囲26内の画素に対する領域属性値の例を示す。こうして、この段階では、極大点画素pとそれに隣接し単調減少関係にある画素q1からq8とを含む領域が極値領域(今の例では極大領域)として検出されたことになる。これらの画素p、q1からq8が占める領域は、式1で説明した第1次極大領域M1(p)である。
図6に戻り、極値領域成長部300は、その後、処理をステップS301以降から繰り返す。すなわち、ステップS301では領域成長成功フラグflagを再度NOに変更して、極値領域用隣接画素探索部350を起動する。図9を参照するに、極値領域用隣接画素探索部350は、極値領域成長部300から呼び出されたとき、ステップS351において領域成長成功フラグflagの値がNOであると判定すると、既に説明したのと同じように、最大占有範囲26内の全画素に対して隣接画素を探索する。ただし、今の場合には、図9(d)に示すように、最大占有範囲26内の画素に対する領域属性データは、極値点画素pとそれを取り巻く8個の画素q1からq8に対して値「1」となっている。その結果、領域属性値が「1」であるこれらの8個の画素に隣接する画素について隣接画素の探索が成功する。すなわち、図7(b)の例では、画素q21からq36までの画素のそれぞれについて隣接画素の探索が成功する。
図6に戻り、極値領域成長部300は各探索画素に対してステップS303以降の処理を、画素q2からq8の各々について隣接画素の探索が成功したときと同様に実行する。ただし、図9(d)に示したように、画素q21からq36の各々が探索画素であるとき、それに隣接する画素は、極値点画素pではなく、画素q2からq8までの画素のうちの一つ又は二つ又は三つである点で、画素q2からq8の場合と異なる。したがって、ステップS303とS304による、探索画素が単調変化関係にあるか否かの判定結果は、画素q21からq36のそれぞれにより異なる。例えば、画素q21が隣接画素となった場合には、画素q1のみが、その画素に隣接し領域属性値が「1」である画素となる。図7(c)の例では、画素q1、q21の濃度はともに1であるので、画素q21は画素q1に対して単調減少関係にあることが分かり、ステップS304の判定結果はYESとなり、ステップS305において、画素q21に対する領域属性値は、極値領域所属候補を示す値「0.5」に設定される。その後、ステップS306で領域成長成功フラグflagがYESに設定され、処理は極値領域用隣接画素探索部350に戻り、極値領域用隣接画素探索部350が実行される。
図8を参照するに、極値領域用隣接画素探索部350は、領域成長成功フラグflagがYESに設定されているので、最後に処理された画素q21の後続の画素q22に対して実行される。画素q22の後続の画素も同様に処理される。ただし、極値領域用隣接画素探索部350により隣接画素として探索された画素について、極値領域成長部300中のステップS304での判定の結果、単調減少関係を満たさないと判断された場合、その画素に対応する領域属性データは何も変更されないで、処理は再度極値領域用隣接画素探索部350に移る。例えば、画素q25が極値領域用隣接画素探索部350により探索画素とされた場合、極値領域成長部300では、この画素q25に隣接する極値領域所属画素は、画素q3のみであり、図7(c)の例では、画素q25の濃度は画素q3の濃度より高いので、画素q25は単調減少関係にないと判断される。したがって、画素q25に対応する領域属性値は「0」のままである。なお、画素q25のように最大占有範囲26の境界に位置する画素については、当該画素が単調減少あるいは単調増大しているかに関して濃度を比較する他の隣接する画素には、最大占有範囲26内の画素(上の例ではq3のみ)のみが使用される。
一方、図7(c)の濃度の例では、画素q25以外の画素は全て単調減少関係にある。したがって。画素q21からq36の各々が隣接画素として探索され、当該画素に対してステップS304からS306が実行された後では、画素q21からq36に対する領域属性値は、画素q25の領域属性値以外が「0.5」に変更される。図9(e)は、この段階での領域属性データを示す。すなわち、画素q21からq24とq26からq36に対する領域属性値が「0.5」に変更されている。これらの画素が占める領域は、式1で説明した第2次増分領域B2(p)である。
極値領域成長部300では画素q36に対してステップS305、S306を実行した後は、極値領域用隣接画素探索部350が再度実行される。図8を参照するに、極値領域用隣接画素探索部350では、画素q36を処理した後では、画素q36より後方には領域属性値が「1」である画素に隣接する画素は最大占有範囲26内にはないので、ステップS356で探索画素のy座標の増加分jが距離の限界値Sjより大きいと判断されるようになり、極値領域用隣接画素探索部350は、隣接画素の探索が不成功となり、戻り値を「不成功」として極値領域成長部300に戻る。この状態では領域成長成功フラグflagはYESであるので、既に述べたようにステップS308で画素q21からq24、q26からq38に対する領域属性値「0.5」が値「1」に変更される。図9(f)は、この段階での領域属性データ22の値を示す。最大占有範囲26内では画素q25以外の画素に対して領域属性値が1となっている。これらの属性値「1」の画素が占める領域は、式1でいう第2次極大領域M2(p)の例である。
その後、極値領域成長部300では、ステップS301で領域成長成功フラグflagがNOに設定されて再度極値領域用隣接画素探索部350が実行される。画素q21に関する上記処理と同じく、画素q41、q42、q43、q44、q45、q46、q47、q48、q49、q50のそれぞれについても領域属性が「1」である隣接画素の探索が成功し、かつ、これらの画素は、その画素に隣接する画素に対して単調減少しているので、それぞれの画素に対する領域属性値は、ステップS305により「0.5」に変更され、領域成長成功フラグflagはYESとされる。図9(g)は、この段階での領域属性データ22の値を示す。これらの画素が占める領域は式1で説明した第3次増分領域B3(p)である。
以上の画素の処理の後に、再度極値領域用隣接画素探索部350が実行されるが、隣接画素の探索は不成功となり、戻り値を「不成功」として処理は極値領域成長部300に戻る。この状態では領域成長成功フラグflagはYESであるので、既に述べたようにステップS308で、画素q41からq50に対する領域属性値「0.5」が値「1」に変更される。図9(h)は、この段階での領域属性データ22の値を示す。最大占有範囲26内では画素q25以外の画素に対して領域属性値が1となっている。これらの属性値「1」の画素が占める領域は、式1でいう第3次極大領域M3(p)の例である。
その後、再度極値領域用隣接画素探索部350が実行されるが、最大占有範囲26内の全ての画素に対する処理が終了しているので、ステップS356(図8)では探索画素のy座標の増分が限界値Sjを越えたと判断し、ステップS358において、戻り値を「不成功」として極値領域成長部300に戻る。このことは、式1でいう、第4次増分領域B4(p)は空領域となったことを意味する。したがって、式2に示されたように、図9(f)で示す値「1」の画素の領域(M3(p))が、最終的な極大領域M(p)となることを意味する。極値領域成長部300では、隣接画素の探索が不成功であるとステップS302で判断され、ステップS307で領域成長成功フラグflagがYESでないと判断すると、領域成長は終了であるとして、スポット画像検出プログラム40に戻る。こうして、検出された極値点画素pに対する極値領域成長部300の処理が終了する。
図10(a)は、撮像画像データ21の他の例を模式的に示す図である。同図(b)は、その撮像画像に対する領域属性データの例を示す図である。これらの図を用いて、極値領域成長部300での領域成長処理の実行の様子を更に具体的に説明する。同図(a)では、中央にある極大値「5」の極大点画素(2重丸で数値を囲った画素)に対する最大占有範囲26内の画素を示し、同図(b)では最大占有範囲26内の画素に対する属性値を示している。
同図(a)の撮像画像において、画素値「5」の画素が複数並んでいる。以下では、画素をそれの座標(i,j)で指定することにする。極大点画素は画素(0,0)であり、極値点画素探索部200のステップS203(図5)によりこの画素が極大点画素であると判定され、その画素の領域属性値は、図9(b)と同じく、極値点画素探索部200のステップS204(図5)により値「1」に設定されているとする。この画素に対して極値領域成長部300(図6)を実行すると、最大占有範囲26内の領域属性値が「0」である画素が左上隅の画素(-2,-3)から順次選択され、領域属性値が「1」である画素(この段階では画素(0,0)のみ)に隣接し、かつ、濃度が単調減少関係にあるかが判断され、その結果、この画素(0,0)の周辺の8画素のそれぞれが、極大点画素(0,0)について単調変化関係にあると判定され、それぞれの画素の領域属性は、図9(c)と同じく、極値領域所属候補を表す領域属性値「0.5」に変更されて、その後、図9(d)と同じく領域属性値「0.5」が値「1」に変更される。この段階では画素(0,1)にある値「5」の画素に対する領域属性値も「1」となる。
その後、再度、極値領域成長部300の処理が繰り返されると、最大占有範囲26内の領域属性値が「0」である画素が左上隅の画素(-2,-3)から順次選択され、領域属性値が「1」である画素(この段階では極大点画素(0,0)とその周囲の8画素)に隣接し、かつ、単調減少関係にあるかが判断される。今の段階では、上記8画素の周りの16画素の各々について、上記判断がなされ、その結果、画素(-2,-2)から(-2,2)、(-1,-2)、(-1,2)、(0,-2)、(0,2)、(1,-2)、(1,2)、(2,-2)が極値領域所属候補と判断され、その領域属性値が「0.5」に変更される。例えば、濃度値が5である画素(0,2),(1,2)は、いずれも領域属性値が「1」である画素(0,1)に隣接し、かつ、濃度が、その画素の濃度に対して単調減少関係にあると判断される。画素(0,2),(1,2)の濃度値は画素(1,2)の濃度値「5」と同じであるからである。
一方、四角で囲まれた値5の4つの画素のうちの一番左側の画素(2,-1)は、隣接する領域属性値が「1」である画素に対して単調減少関係にないと判断される。その右側の二つの画素(2,0)、(2,1)も同様である。画素(2,2)も、単調減少関係にあるとは判断されない。この画素の濃度は、領域属性値が「1」である内側の隣接する画素のいずれ画素の濃度よりも大きいからである。注意すべきは、この画素(2,2)は、それより一つ上の画素(1,2)に隣接し、濃度はその濃度と等しいが、この時点では画素(1,2)の領域属性値は「0.5」であり、画素(2,2)と隣接していても、極値領域成長部300では、画素(2,2)との濃度を比較する対象にはされない。このように、画素(1,2)が、極値領域所属候補であり、その領域属性値が「0.5」にされていても、画素(2,2)が極値領域に属するか否かを判断するときには、その画素の濃度との単純減少関係の有無は判断されない。
このように、極値領域成長部300による極大点画素の周辺の画素が極値領域に属するか否かを判断するときには、領域属性値が「0.5」である隣接している画素との濃度の単調変化関係の有無を判断しないのは、判断しないことにより、領域属性値が「0.5」である画素に隣接しているが、極大点pからの経路として経路上の画素の濃度が単調変化関係にある経路が存在しない画素を誤って極値領域内の画素とすることを確実に防ぐことができるからである。したがって、本実施の形態では、領域属性値が「1」である画素(例えば画素(0,1))に隣接し、その画素に対して濃度が単調変化関係にある画素(例えば(1,2)が検出された場合、検出された画素(1,2)の領域属性値を一時的に「0.5」とし、領域成長成功として(ステップS306(図6))、極値領域用隣接画素探索部350の処理を繰り返し、極値領域用の隣接画素の探索が終了した時点で、領域属性値が「0.5」である画素(1,2)等の画素の領域属性値を「1」に変更して(ステップS308(図6))、その後再度極値領域成長部300の処理を繰り返すようにしている。
今の例では、この段階では、四角で囲まれた値5の4つの画素(2,-1)から(2,2)と画素(-2,-3)〜(2,-3)及び(-2,3)〜(2,3)の領域属性値が「0」であり、他の全ての画素に対する領域属性値は「1」となっている。この状態では、極値領域成長部300の処理が繰り返されると、画素(-2,-3)〜(2,-3)及び(-2,3)〜(2,3)の領域属性値が「0.5」に変更され、上記4つの画素のうち、一番右側の画素(2,2)は、それより直ぐ上の、領域属性値が「1」とされた画素(1,2)に隣接し、かつ、これらの二つの画素の濃度はともに5と等しいので、画素(2,2)の濃度は画素(1,2)の濃度に対して単調減少関係にあると判断され、極値領域用画素として検出され、画素(2,2)の領域属性値は、極値領域所属候補を示す値「0.5」にされる。他の3つの画素(2,-1)、(2,0)、(2,1)の領域属性値は「0」のままである。その後、極値領域成長部300の処理が繰り返され、領域属性値が「0.5」である(-2,-3)〜(2,-3)及び(-2,3)〜(2,3)及び画素(2,2)の領域属性値が「1」とされる。
その後極値領域成長部300の処理が繰り返され、今度は画素(2,1)が、領域属性値が「1」とされた画素(2,2)に隣接し、濃度が単調減少関係にあると判断され、画素(2,1)の領域属性値は「0.5」にされる。他の2つの画素(2,-1)、(2,0)の領域属性値は「0」のままである。その後、極値領域成長部300では領域属性値が「0.5」である画素(2,1)の領域属性値が「1」とされる。その後、極値領域成長部300の処理が繰り返され、その結果、今度は画素(2,0)が、領域属性値が「1」とされた画素(2,1)に隣接し、濃度が単調減少関係にあると判断され、画素(2,0)の領域属性値は「0.5」にされる。他の画素(2,-1)の領域属性値は「0」のままである。
その後、極値領域成長部300の処理が繰り返され、領域属性値が「0.5」である画素(2,0)の領域属性値が「1」とされ、極値領域成長部300の処理が繰り返される。その後、同様にして画素(2,-1)の領域属性値が「1」とされ、その後、極値領域成長部300の処理が終了する。この結果、図10(a)に示す撮像画像に対しては、領域属性は同図(b)に示すように、最大占有範囲26内の全ての画素に対して「1」になる。以上の処理から分かるように、極値領域成長部300の処理が繰り返される毎に、極値領域成長部300では、最大占有範囲26内の初期値画素から再度画素の探索を最大占有範囲26全体の中の領域属性値「0」の画素に対して繰り返している。このように画素の探索を最大占有範囲26全体の中の領域属性値「0」の画素に対して繰り返し実行することにより、特殊な位置にある画素の領域属性値が「1」になった後でも、その画素に隣接する領域属性値「0」の画素が探索対象とされなくなることを防止することができる。
以上のようにして、極値領域成長部300の処理が終了すると、処理は、スポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。図1を参照すると、スポット画像検出プログラム40では、極値領域判定部400が実行される。図11は、極値領域判定部400の処理の一例の概略フローチャートである。ここでは、検出された極値領域が、検出対象物である自動車を表すスポット画像に含まれる領域であるか否かが判定される。まず、
ステップS401で、指定された中央最小占有範囲R2の全ての画素が、検出された極値領域に含まれているか否かが判定される。この判定により、指定された中央最小占有範囲R2のいずれかの画素が検出された極値領域に含まれていないと判断された場合には、検出された極値領域は、検出対象物に対するスポット画像を表すものでないと判断して、ステップS407において、戻り値を「不合格」としてスポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。ステップS401での判定により、指定された中央最小占有範囲R2の全ての画素が、検出された極値領域に含まれていると判定された場合には、ステップS402において、検出された極値領域が極大領域である場合には、その極大領域内の周辺部の画素の濃度の最大値Mを求めればよい。ここで、極大領域内の周辺部の画素とは、極大領域内の画素のうち極大領域でない画素に隣接する画素である。言い換えれば、極大領域内の画素のうち最外周に位置する画素である。図7(c)の濃度分布の場合、極値領域は、図9(h)に示されるように、最大占有範囲26内の画素のうち画素(-2,2)以外の画素からなる。したがって、極大領域内の周辺部の画素のうちの濃度の最大値Mは画素(-2,-1)、(-1,1)及び(-1,2)の濃度「2」である。
ステップS403で、極値点画素pの濃度と検出された濃度最大値Mとの差の絶対値が探索条件データ25で指定された許容最小濃度差T1以上であるか否かを判定する。ステップS403での判定の結果がYESであるときには、ステップS404において、極大領域の中央最小占有範囲R2内の濃度の最小値mが検出される。つぎにステップS405において、極大点画素の濃度とこの最小値mとの差が探索条件データ25で指定された許容最大濃度差T2以下であるか否かが判定される。なお、極値領域が極小領域であるときには、極小領域の中央最小占有範囲R2内の濃度の最大値と、検出された極小点の濃度との差が許容最大濃度差T2以下であるか否かを判定すればよい。ステップS405での判定の結果がYESであるときには、検出された極値領域が、検出対象物を表すスポット画像を表す領域であると判断され、ステップS406において、極値領域判定部400は、戻り値を「合格」としてスポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。
ステップS403又はS405のいずれかの判定の結果がNOであるときには、検出された極値領域は、検出対象物を表すスポット画像を表す領域でないと判定され、ステップS407において、極値領域判定部400は、戻り値を「不合格」としてスポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。
図1に戻り、スポット画像検出プログラム40では、極値領域判定部400の実行後、そこからの戻り値に基づいて、極値領域合否判定ステップ450で、検出された極値領域が検出対象物用のスポット画像を表す極値領域として合格したか否かが判定される。合格の場合には、スポット画像関連データ生成部500が実行される。スポット画像関連データ生成部500では、合格と判断された極値領域に関して、スポット画像関連データを生成して記憶装置20に記憶する。スポット画像関連データ生成部500により生成されるスポット画像関連データは、極値領域データ23とスポット画像マーカ付き画像データ24を含む。
図12(a)は、極値領域データ23の例を示す図である。後に説明するように合格と判定された極値領域に対して、極値領域の識別情報が決定され、当該極値領域が表すスポット画像の存在領域として、検出された極値領域のうちで、領域属性データが「1」である全ての画素を囲む最小の矩形領域ABCDをスポット画像存在領域矩形として決定し、極値領域データ23には決定された極値領域識別情報231と、極値点画素pの座標(x,y)(232)と矩形ABCDの頂点A、B、C、Dの座標(x,y)(233)とが記憶される。
同図(b)は、スポット画像マーカ付き画像データ24を模式的に示す図である。図7(c)の場合に対して得られる領域属性データの例は、図9(f)に示したように図7(b)に示す画素q25以外の画素に対して値「1」を有し、画素q25に対して値「0」を有するが、スポット画像存在領域矩形ABCDは、符号242で示されるように、画素q25も含むように決定される。マーカ図形243は、合格した極値領域が検出対象物を表すスポット画像を表す領域であることを示すために、撮像画像21のコピー画像上の合格した極値領域241の外周に追加して描画される図形である。図12(b)の例では、上記極値領域241を包含する上記スポット画像存在領域矩形ABCD(242)を示す1画素幅の白い帯状の図形243が、マーカ図形として使用されている。
図12(c)は、図3(b)の撮像画像21から検出されたスポット画像に対するスポット画像マーカ付き画像データ24の例を示す。白い楕円で囲まれたスポット画像が検出されたスポット画像を示し、図では4台の大型車輌のスポット画像が検出されたことが分かる。この検出結果は、最大占有範囲R1を25×17画素、中央最小占有範囲R2を13×3画素と指定したときの検出結果である。また、許容最小濃度差T1は130であり、許容最大濃度差T2は90である。この探索では、最大占有範囲R1と中央最小占有範囲R2との間には差がかなりある。その結果、特定の車輛占有範囲と屋根占有範囲を有する自動車を検出するというよりも、最大占有範囲が25×17画素より小さく、屋根の中央最小占有範囲が13×3画素より大きいという条件を満たす複数種類の自動車が検出対象物として検出されている。
図13は、スポット画像関連データ生成部500の処理の一例の概略フローチャートである。まず、既に説明したように、合格した極値領域を包含するスポット画像存在領域矩形ABCDが、ステップS501で決定される。本実施の形態では、同じ車輌に対して異なる位置に極大領域が検出される場合が起こり得る。そのような重複した極値領域が検出された場合には本実施の形態ではその一方を無効にするようになっている。このため、ステップS502で、新たに決定された矩形と、既に検出された他の極値領域のデータが極値領域データ23に記憶されているときには、当該他の極値領域に対して既に決定された矩形とが重複するか否かが判定される。なお、本実施の形態では、合格と判断された極値領域の重複を判定するに当たり、合格と判断された極値領域を包含する最小の矩形が重複するか否かを判断するので、極値領域の重複を正確に判断するより簡単である。もちろん、このよいうに極値領域包含矩形の重複を判断しないで、極値領域の重複を直接判断するようにしてもよいことはいうまでもない。以下では、極値領域包含矩形が重複する場合も、単に極値領域の重複と呼ぶことがある。
矩形の重複が検出されなかった場合、ステップS503で、合格と判定された極値領域に対して識別情報が決定され、図12(a)に示した極値領域データ23のフィールド231に記憶され、ステップS504で、検出された極値点画素pのx、y座標がその極値領域データ23のフィールド232に記憶される。ステップS505では、新規に決定された矩形の頂点A、B、C、Dのx、y座標をその極値領域データ23のフィールド233に記憶される。ステップS506で、検出された極値領域用のマーカ図形の位置と大きさを決定し、スポット画像マーカ付き画像データ24上に重畳して描画する。このようにスポット画像関連データ生成部500を、検出され合格と判定された複数の極値領域のそれぞれに対して実行することにより、図12(c)に例示したようなスポット画像マーカ付き画像データ24が生成される。
しかし、ステップS502での判定の結果、新たに検出された合格した極値領域が既に登録された他の極値領域に重畳すると判定された場合は、ステップS507で、重複する二つの矩形のうち、スポット画像を表す領域としてより望ましいほうの矩形をあらかじめ定めた基準で選択する。例えば、二つの重複する極値領域のうちの極大点の濃度が異なるときには、濃度の高い方を含む矩形を選ぶことができる。あるいは、二つの極値領域のうちそれぞれに含まれる画素数が多い方を含む矩形を選ぶことができる。あるいは、極大点画素の濃度と極値領域内の周辺部の画素の濃度の最大値との差が大きい方を選ぶこともできる。更には、以上にいくつかの選択基準を組み合わせて、極値領域包含矩形が重複する二つの極値領域を選択する基準を決めてもよい。例えば、二つの極値領域の極大点の濃度が異なるときには、濃度の高い方の極値領域を含む矩形を選び、極大点の濃度が同じときには、内部に含まれる画素数が多い極値領域を含む矩形を選んでもよい。
先に生成された他の矩形が選択されたか否かがステップS508で判定され、判定結果がNoであるときには、ステップS509で、スポット画像マーカ付き画像24から、当該他の極値領域に付されたマーカ図形を構成する画素の値を元の撮像画像21内の対応する画素の値に書き戻す。こうして、他の極値領域に付されたマーカ図形が削除される。ステップS510で、極値領域データ23から当該他の極値領域に関連するデータを削除する。
これらの処理により、先に検出された当該他の極値領域は、無効にされ、検出されなかったものと見なされることになる。その後、処理はステップS503に移り、既に説明したように、新規に決定された矩形に関連する極値領域に関してステップS503からS506を実行して、スポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。
ステップS507で他の極値領域が選択され、その結果、ステップS508での判定結果がYesとなったときには、処理はスポット画像検出プログラム40のメインルーチンに戻る。これにより、今回検出された合格した極値領域は検出されなかったものと見なされることになる。こうして、スポット画像関連データ生成部500の処理が終了する。図1に戻るに、スポット画像検出プログラム40では、処理は初期値設定部100に移る。初期値設定部100は、2度目以降に繰り返されるときには、最初に実行されたときと異なり、撮像画像データ21内の極値領域成長部300により処理された、極値点画素を中心とする最大占有範囲内の全画素に対する、領域属性データ22内の領域属性値のみを初期値0にする。既に説明したように、極値領域成長部300が先に実行されたときに、最大占有範囲内の全画素に対する領域属性値が変更されている可能性があるからである。その後、極値点画素探索部200により新たな極値画素の探索を続ける。新たな極値画素が見つかると、既に説明したように、極値領域判定部400以降の処理が実行される。以上のような処理を繰り返した結果、探索成否判定ステップ250で、新たな極値画素が検出されなかったと判定されたときには、スポット画像検出プログラム40は処理を終える。以上のようにして、図12(c)に例示したように、検出対象物を表す複数のスポット画像にマーカ図形が付加されたスポット画像マーカ付き画像データ24が生成される。
以上から明らかなように、本実施の形態では、自動車のような検出対象物のスポット画像に含まれると考えられる、極大点画素を含む極値領域を簡単に検出することができ、しかも、検出対象物として検出したい自動車の車輛占有面積を反映したスポット画像の最大占有範囲と、当該自動車の屋根存在範囲を反映した、スポット像の中央最小占有範囲とを指定して、当該検出対象物に相当する自動車を検出することが可能になる。
なお、本発明は以降の実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもない。例えば、以上の実施の形態では、領域属性データ22として、撮像画像データの全画素に対応して領域属性値を保持するフィールドを有する例を示したが、最大占有範囲に属する複数の画素のそれぞれに対して領域属性値を保持するフィールドを有するものでもよい。この場合、領域属性データ22は、全ての極値点画素の最大占有範囲に対して共通に使用される。したがって、そのような態様の領域属性データをのほうがデータ量が少なくて済む。なお、背景より黒い濃度の自動車も検出するためには、以上で説明した極大領域を検出するのと同様に、極小領域を検出すればよい。また、撮像画像がカラー画像の場合には、カラー画像から生成される明度データを濃度データとして使用すればよい。
本発明に係るスポット画像検出装置の一つの実施の形態の概略ブロック図である。 本発明によるスポット画像の検出時に指定される探索条件データを説明するための図である。 (a)は撮像画像データを模式的に示す図である。(b)は人工衛星から地上を実際に撮影して得られた実際の地理画像の例を示す図である。 撮像画像データに対応する領域属性データを模式的に示す図である。 極値点画素探索部の処理の一例の概略フローチャートである。 極値領域成長部の処理の一例の概略フローチャートである。 (a)は最大占有範囲を例示する図である。(b)は最大占有範囲内の画素と極値点画素p(x,y)のx座標、y座標からの座標変化量i、jとの関係を示す図である。(c)は最大占有範囲内の画素の濃度の例を示す図である。 極値領域用隣接画素探索部の処理の一例の概略フローチャートである。 最大占有範囲内の領域属性データの変化の一例を示す図である。 撮像画像の他の例とそれに対する領域属性データの例を示す図である。 極値領域判定部の処理の一例の概略フローチャートである。 (a)は極値領域データの例を示す図である。(b)はスポット画像マーカ付き画像データを模式的に示す図である。(c)はスポット画像マーカ付き画像データの例を示す図である。 スポット画像関連データ生成部500の処理の一例の概略フローチャートである。
符号の説明
P…極大領域、p…極大点、f(p) …濃度分布、R1…スポット画像の最大占有範囲、R2…スポット画像の中央最小占有範囲、S1…自動車の車両占有範囲、S2…自動車の屋根存在範囲、C1…自動車の車両占有範囲の中心、C2…自動車の屋根存在範囲の中心、T1…許容最小濃度差、T2…許容最大濃度差、241…極値領域、242…スポット画像存在領域矩形、243…スポット画像マーカ図形。

Claims (4)

  1. 検出対象物を含む複数の物体が位置する空間を撮像して得られ、当該複数の物体のいずれかをそれぞれ表す複数のスポット画像を含む撮像画像から、その濃度が周辺の画素の濃度に対して極大値又は極小値のうちのあらかじめ定められた一方の極値である濃度を有する少なくとも一つの極値点画素を検出する極値点画素検出ステップと、
    当該検出対象物を表すスポット画像が占有し得る前記撮像画像上の範囲として、当該検出対象物に対してあらかじめ指定された最大占有範囲内の画素から、前記検出された極値点画素の濃度に対して濃度が単調変化関係にある一群の単調変化画素を検出する単調変化画素群検出ステップと、
    前記検出された極値点画素と当該極値点画素に対して検出された前記単調変化画素群とを含む極値領域が所定の条件を満たすか否かに応じて、当該極値領域が前記検出対象物に対するスポット画像を表す領域であるか否かを判定する極値領域判定ステップと、
    を含み、
    前記所定の条件は、(a)前記検出された単調変化画素群のうち、前記検出対象物のスポット画像の中央部分が最小限占有すべき範囲として当該検出対象物に対してあらかじめ指定された中央最小占有範囲内に位置する複数の画素が全て前記単調変化画素群に属し、かつ、(b)当該検出された極値点画素の濃度と当該中央最小占有範囲内の前記複数の画素の濃度との濃度差が、いずれの画素についても、当該検出対象物に対する当該中央最小占有範囲に対してあらかじめ指定された許容最大濃度差以下であり、かつ、(c)前記検出された極値点画素の濃度と、前記検出された単調変化画素群のうちの周辺部に位置する複数の画素の濃度との濃度差が、いずれの画素についても当該検出対象物の当該最大占有範囲に対してあらかじめ指定された許容最小濃度差以上であることである、
    ことを特徴とするスポット画像検出方法。
  2. 前記検出対象物は、路上にある複数の自動車のうち、撮像されたときに他の部分より濃度が異なる特定部分の存在範囲が所望の存在範囲であり、車輛占有範囲が、前記特定部分の中心に対して所望の位置にあり、かつ、所望の広さを有する自動車であり、
    前記最大占有範囲は、当該検出対象自動車の当該所望の車輛占有範囲より広い範囲に指定され、前記中央最小占有範囲は、当該車両の当該特定部分の存在範囲より狭い値に指定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスポット画像検出方法。
  3. 検出対象物を含む複数の物体が位置する空間を撮像して得られ、当該複数の物体のいずれかをそれぞれ表す複数のスポット画像を含む撮像画像から、その濃度が周辺の画素の濃度に対して極大値又は極小値のうちのあらかじめ定められた一方の極値である濃度を有する少なくとも一つの極値点画素を検出する極値点画素検出手段と、
    当該検出対象物を表すスポット画像が占有し得る前記撮像画像上の範囲として、当該検出対象物に対してあらかじめ指定された最大占有範囲内の画素から、前記検出された極値点画素の濃度に対して濃度が単調変化関係にある一群の単調変化画素を検出する単調変化画素群検出手段と、
    前記検出された極値点画素と当該極値点画素に対して検出された前記単調変化画素群とを含む極値領域が所定の条件を満たすか否かに応じて、当該極値領域が前記検出対象物に対するスポット画像を表す領域であるか否かを判定する極値領域判定手段、
    としてコンピュータを機能させ、
    前記所定の条件は、(a)前記検出された単調変化画素群のうち、前記検出対象物のスポット画像の中央部分が最小限占有すべき範囲として当該検出対象物に対してあらかじめ指定された中央最小占有範囲内に位置する複数の画素が全て前記単調変化画素群に属し、かつ、(b)当該検出された極値点画素の濃度と当該中央最小占有範囲内の前記複数の画素の濃度との濃度差が、いずれの画素についても、当該検出対象物に対する当該中央最小占有範囲に対してあらかじめ指定された許容最大濃度差以下であり、かつ、(c)前記検出された極値点画素の濃度と、前記検出された単調変化画素群のうちの周辺部に位置する複数の画素の濃度との濃度差が、いずれの画素についても当該検出対象物の当該最大占有範囲に対してあらかじめ指定された許容最小濃度差以上である、ことである、
    ことを特徴とするスポット画像検出プログラム。
  4. 前記検出対象物は、路上にある複数の自動車のうち、撮像されたときに他の部分より濃度が異なる特定部分の存在範囲が所望の存在範囲であり、車輛占有範囲が、前記特定部分の中心に対して所望の位置にあり、かつ、所望の広さを有する自動車であり、
    前記最大占有範囲は、当該検出対象自動車の当該所望の車輛占有範囲より広い範囲に指定され、前記中央最小占有範囲は、当該車両の当該特定部分の存在範囲より狭い値に指定されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のスポット画像検出プログラム。
JP2004365442A 2004-12-17 2004-12-17 スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム Expired - Fee Related JP4365776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004365442A JP4365776B2 (ja) 2004-12-17 2004-12-17 スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004365442A JP4365776B2 (ja) 2004-12-17 2004-12-17 スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006172248A JP2006172248A (ja) 2006-06-29
JP4365776B2 true JP4365776B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=36672919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004365442A Expired - Fee Related JP4365776B2 (ja) 2004-12-17 2004-12-17 スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4365776B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5012703B2 (ja) * 2008-07-04 2012-08-29 大日本印刷株式会社 目標物検出システム
JP2010128732A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Japan Traffic Management Technology Association 車両台数密度観測装置及び車両台数密度観測装置用のプログラム
CN105139510B (zh) * 2015-08-25 2018-07-17 深圳怡化电脑股份有限公司 纸币识别方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006172248A (ja) 2006-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109670573B (zh) 利用损失增加调整cnn的参数的学习方法和学习装置以及使用它们的测试方法和测试装置
US9953437B1 (en) Method and device for constructing a table including information on a pooling type and testing method and testing device using the same
JP4926116B2 (ja) 画像検査装置
EP2273337B1 (en) Generating a graphic model of a geographic object and systems thereof
US8655025B2 (en) Data analysis device, data analysis method, and program
CN106092102A (zh) 一种无人机路径规划方法及装置
US9785864B2 (en) Image processing method, image processing apparatus, program, and recording medium
JP5854802B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及びコンピュータプログラム
US20200162626A1 (en) Damage diagram creation method, damage diagram creation device, damage diagram creation system, and recording medium
US11423511B2 (en) Image composition method, image composition device, and recording medium
JP2020038663A (ja) 障害物を検出する学習方法及び学習装置そしてこれを利用したテスト方法及びテスト装置{learning method, learning device for detecting obstacles and testing method, testing device using the same}
EP3709264A1 (en) Information processing apparatus and accumulated images selecting method
EP2782065B1 (en) Image-processing device removing encircling lines for identifying sub-regions of image
CN116168246A (zh) 一种用于铁路工程的弃渣场识别方法、装置、设备及介质
JP2007128141A (ja) 道路画像中の道路車線数を決定するシステム及び方法
US20150317828A1 (en) Method and system for geo-referencing at least one sensor image
JP4365776B2 (ja) スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム
CN113743346A (zh) 图像识别方法、装置、电子设备及存储介质
JP4941420B2 (ja) 目標物検出システム
CN116124123A (zh) 一种基于Canvas地图停车场导航系统
CN113593026B (zh) 车道线标注辅助地图生成方法、装置和计算机设备
CN113050063B (zh) 基于激光传感器的障碍检测方法、装置、设备及存储介质
JP2005332119A (ja) スポット画像検出方法及びスポット画像検出プログラム
JP2006023958A (ja) 道路領域決定可能プログラム及び道路領域決定方法
JP4584567B2 (ja) 地物のエッジ抽出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090821

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees