JP4360019B2 - 色情報交換方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ、スキャナ、モニタ、プリンタなど、あらゆる入力画像機器あるいは出力画像機器をつなぐカラーマネジメントシステムに使用できる色情報交換方法及び装置に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
画像機器のディジタル化とインターネットを中心としたネットワーク技術の進歩により、様々な画像機器がオープンシステム上で接続されるクロスメディアシステムが本格的に普及してきた。オープンシステムでは、個々の画像機器、アプリケーションが共通インターフェイスを持ち、汎用性、拡張性の高い構成を取る必要がある。色再現の観点から見ると、色情報を発信する画像機器、つまりカメラやスキャナは取り込んだ色情報を正確にオープンシステムへ配信する必要があり、一方、色情報を受信し表示する画像機器、つまりディスプレイやプリンタは受け取った色情報を正確に表示する必要がある。たとえばカメラが正確に色情報を取得したとしても、ディスプレイが不適切な色情報を表示することにより、システム全体の色再現性は劣化する。
【0003】
クロスメディアシステム上で色情報を管理するカラーマネジメントシステムにおける重要な技術のひとつとして色域マッピングがある。色情報を取り込む画像入力機器や色情報を表示する画像出力機器には様々なタイプがあり、クロスメディアシステムで結合されるメディアの色域が一致することは極希である。従って、色情報を発信する発信デバイスの色が色情報を受ける受信デバイスの色域外にあった場合、発信元の色情報とは異なる受信デバイスが出力できる色を代りに送信しなければならない。これが色域マッピングである。
【0004】
従来、色域マッピングは、Jan Morovicが開発したGCUSPが知られている。GCUSPは、3つのステップからなり、第一のステップが彩度依存型非線形明度圧縮、第二のステップが圧縮方向を示すアンカー点の設定、第三のステップがアンカー点へ向けた線形圧縮である。第一のステップでは(数1)に従って明度が圧縮される。
【0005】
【数1】
Figure 0004360019
【0006】
明度の圧縮は、発信デバイスの明度を絶対的に保持する第一項と発信デバイスの明度レンジを受信デバイスの明度レンジに線形的に変換する第二項をPCによって重み付けして算出される。PCは彩度C* sが0のとき(つまり明度軸上)、1となり、発信デバイスの明度L* sは線形圧縮され、PCは彩度C* sが1のとき(つまり色域表面上)、0となり発信デバイスの明度L* sそのものが受信デバイスでのマッピング色の明度となる。PCは、ガウス分布的な形状を持ち、明度の変化は彩度に依存して非線形性を持つことになる。
【0007】
(数1)の第二項の目的は、高彩度部で発信デバイスの明度を保つことによって、受信デバイスへの色域圧縮に起因する彩度低下を抑えるところにあり、かつPCを用いて明度軸(無彩色)から高彩度域への彩度制御を非線形に行い、有彩色の領域を優先して発信デバイスの明度を保存するところにある。第二のステップでは明度軸上に圧縮方向を示すアンカー点を設定するが、前記アンカー点の明度を受信デバイスの色域のカスプの明度とする。カスプとはある色相角における最高彩度点を意味する。従ってカスプは各色相角において最も鮮やかな色を持った領域となる。カスプの明度を狙って圧縮を行う目的は、第一のステップ同様、受信デバイスの色域圧縮による彩度低下を最小限に抑えるところにある。第3のステップでは第2のステップで設定した圧縮方向に従って線形に彩度が圧縮される。
【0008】
以上の従来技術は、デバイスガマット形状を考慮したガマットマッピングの方法であるが、色名の一致を基準に色調整を行う方法として、たとえば特開平8−191400号公報がある。ディスプレイ上に呈示された画像の色をオペレータが調整する際に、画像上で指定した基準色の色名が、予め定義した目標色の色名と一致するように調整を行う方法である。具体的には、画像の画素ごとの測色値を明度L*、彩度C*、色相Hを極座標系で表わし、基準色のL*と目標色のL*の差分ΔL*、基準色のC*と目標色のC*の差分ΔC*、基準色のHと目標色のHの差分ΔHを調整前の色に加算して調整後の色を得る。ただし、調整後の色のうち、目標色の色名と異なる色に関しては、再度、差分量ΔL*、ΔC*、ΔHに変更して再調整を行う。再調整においては,差分値としてΔL*/n、ΔC*/n、ΔH/nが与えられ、nは10前後の値を使用する。再調整後も目標色の色名に一致しない場合は、nを大きくしたり小さくしたりして、色名が一致するまで差分量の調整を繰り返す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のうち、(数1)で与えられるGCUSPでは、彩度低下の最小化を重視した色域圧縮は考慮されているものの、マッピング実行後の色再現性を明度、彩度、色相の3つの属性を総合的に考慮するには至っていない。色再現性は、彩度のみに依存して決まるものではなく、明度、色相も重要な決定要因である。色域圧縮においては、発信デバイスと受信デバイスの色域の違いから測色的に、あるいは色の見えとして同じ色を再現することができない。そこで従来の測色的一致や色の見えの一致という設計指標が適応できないという第1の課題を有していた。
【0010】
一方、色名の一致を基準に色調整を行う方法(特開平8−191400号公報)では、以下のような第2の課題を有していた。
【0011】
第1に、色名が一致するように調整される差分量ΔL*、ΔC*、ΔHが試行錯誤による繰り返し処理で決まる点である。試行錯誤による繰り返し処理は作業時間の増大を招き、かつ同じ作業を繰り返しても色調整後の画像にばらつきが発生しやすい。第2に、差分量ΔL*、ΔC*、ΔHで調整された色の色名が目標色の色名と異なり、差分値ΔL*/n、ΔC*/n、ΔH/nで再調整される際に、nが試行錯誤による繰り返し処理で決まる点である。試行錯誤による繰り返し処理は作業時間の増大を招き、かつ同じ作業を繰り返しても色調整後の画像にばらつきが発生しやすい。さらに再調整された色が複数個あった場合、nを試行錯誤で決めると、調整後の色の色空間内の位置が反転したり、あるいは飛びが発生する可能性がある。これは画像上では偽輪郭のように観察され、色再現性を落とす原因となる。
【0012】
そこで、本発明は第1の課題を解決するために、色再現性の評価ができるのは観察者のみであるという考え方に基づいて、観察者が知覚する色情報をカラーネーミングによって収集し、色名で記述する、いわゆる色カテゴリカルな観点から観察者の色知覚特性をモデル化し、発信デバイスにおける観察者の色カテゴリカル特性が受信デバイスで再現されるように、明度、彩度、色相の3つの属性を総合的に制御して色域マッピングを設計することを目的とする。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、上記従来技術の第2の課題を解決するもので、色名と色再現性の関係を記述する定量的設計指針に基づいて色域マッピングの方法を効率的に決定することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は第1に、発信デバイスの色の明度と彩度を変更してマッピングしたプリマップド色を生成し、前記プリマップド色の明度、彩度、色相を変更して、前記プリマップド色の再マッピングを行う。
【0015】
また、第2に、発信デバイスと受信デバイスのそれぞれで呈示された1つ以上のテスト色に対して少なくとも1人の観察者のカラーネーミングにより得られたテスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを同一色名ごとに分類し、各色名ごとに統計処理を用いて正規化距離を定義し、前記発信デバイスの色の明度と彩度を変更してマッピングしたプリマップド色を生成し、前記正規化距離に基づいた重み付け係数を用いて前記プリマップド色の明度、彩度、色相を変更して、前記プリマップド色の再マッピングを行う。
【0016】
前記再マッピングの設計には観察者が知覚する色の情報を反映させる。発信デバイスと受信デバイスのそれぞれに複数のテスト色を呈示し、観察者は前記テスト色の色名を応答し、テスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを観察者が応答した色名に応じて分類して、その色名群ごとに重心ベクトル、分散共分散行列を求める。前記分散共分散行列をもとに、前記重心ベクトルから発信デバイスの色までの測色的距離、あるいはデバイスドライブレベルでの距離を正規化し、正規化距離をもとに発信デバイスと受信デバイスの色カテゴリカル特性を把握して、発信デバイスの色と受信デバイスの色の色カテゴリカル特性が一致するように色域マッピング用の明度、彩度、色相の変更量を決定する。前記明度、彩度、色相の変更量は、あらかじめ発信デバイスから受信デバイスへマッピングされたプリマップド色、あるいは発信デバイスの色の明度、彩度、色相に加算され、受信デバイスへのマッピング色が決定される。
【0017】
前記加算は発信デバイスと受信デバイスの色空間にそれぞれ設けられた重心制御点どうしと表面制御点どうしをマッピングするように働く。重心制御点は、幾何学的には、観察者を用いたカラーネーミングで色名ごとに分類された測色値データベースあるいはデバイスドライブレベルデータベースの重心に値するが、色再現の目的に応じて、測色的マッチング対や色の見えマッチング対、測色的距離最小化対、色の見えの違い最小化対に置き換えられる。一方、表面制御点は色域表面あるいは色域表面付近に設けて色域形状を制御するアンカー点として機能するが、色再現の目的に応じて、測色的マッチング対や色の見えマッチング対、測色的距離最小化対、色の見えの違い最小化対に置き換えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、発信デバイスから受信デバイスへ色情報を伝達する方法において、前記発信デバイスと前記受信デバイスのそれぞれで呈示された1つ以上のテスト色に対して少なくとも1人の観察者のカラーネーミングにより得られたテスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを同一色名ごとに分類し、各色名ごとに統計処理を用いて正規化距離を定義し、前記発信デバイスの色の明度と彩度を変更してマッピングしたプリマップド色を生成し、前記正規化距離に基づいた重み付け係数を用いて前記プリマップド色の明度、彩度、色相を変更して、再マッピングすることにより、観察者の色知覚を考慮にいれた上で色域マッピングを設計できる作用を有する。
請求項2に記載の発明は、発信デバイスから受信デバイスへ色情報を伝達する方法において、前記発信デバイスと前記受信デバイスのそれぞれで呈示された1つ以上のテスト色に対して少なくとも1人の観察者のカラーネーミングにより得られたテスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを同一色名ごとに分類し、各色名ごとに統計処理を用いて正規化距離を定義し、前記正規化距離に基づいた重み付け係数を用いて前記発信デバイスの色の明度、彩度、色相を変更して前記発信デバイスの色をマッピングすることにより、観察者の色知覚を考慮にいれた上で色域マッピングを設計できる作用を有する。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、統計処理を用いた正規化距離の定義は、各色名ごとに前記測色値あるいは前記デバイスドライブレベルから重心ベクトルと分散共分散行列を算出し、前記重心ベクトルと前記分散共分散行列を用いるもので、色名と色再現性の関係を考慮した定量的な設計指針を確立して観察者のばらつきを吸収し、観察者の色知覚を考慮にいれた上で色域マッピングを設計できる作用を有する。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、正規化距離に基づいた重み付け係数は、発信デバイス色空間と受信デバイス色空間に設定した制御点間の差分値を重み付けるもので、制御点によって確定される色カテゴリ特性を保存したマッピングを色空間内の任意点で実行できる作用を有する。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の色情報交換方法において、発信デバイス色空間と受信デバイス色空間に設定した制御点が、少なくとも1人の観察者のカラーネーミングに基づいて分類された測色値あるいはデバイスドライブレベルから算出された重心ベクトルであることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に観察者のカラーネーミングに基づいて分類された色知覚情報を与える作用を有する。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイス色空間と受信デバイス色空間に設定した制御点がデバイス色域表面、あるいは表面付近に設けられていることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法にデバイスの色域形状情報を与える作用を有する。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項4記載の色情報交換方法において、発信デバイス色空間と受信デバイス色空間に設定した制御点の一部が、観察者のカラーネーミングに基づいて分類された測色値あるいはデバイスドライブレベルから算出された重心ベクトルであり、かつ残りの制御点がデバイス色域表面、あるいは表面付近に設けられていることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に観察者のカラーネーミングに基づいて分類された色知覚情報とデバイスの色域形状情報を与える作用を有する。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイスの色空間内に設置した制御点と受信デバイスの色空間内に設置した制御点が測色的に一致していることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に測色マッチングの効果を与える作用を有する。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイスの色空間内に設置した制御点と受信デバイスの色空間内に設置した制御点が色の見えとして一致していることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に色の見えマッチングの効果を与える作用を有する。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイスの色空間内に設置した制御点の一部が受信デバイスの色空間内に設置した制御点の一部と測色的に一致し、かつ発信デバイスの色空間内に設置したその他の制御点が受信デバイスの色空間内に設置したその他の制御点と色の見えとして一致していることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に測色マッチングの効果と色の見えマッチング効果を与える作用を有する。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイスの色空間内に設置した制御点と受信デバイスの色空間内に設置した制御点の測色的距離が発信デバイスと受信デバイスの色再現範囲内において最小化されていることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に測色的違いを最小化する効果を与える作用を有する。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイスの色空間内に設置した制御点と受信デバイスの色空間内に設置した制御点の色の見えの違いが発信デバイスと受信デバイスの色再現範囲内において最小化されていることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法に色の見えの違いを最小化する効果を与える作用を有する。
【0029】
請求項13に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の色情報交換方法において、発信デバイスの色空間内に設置した制御点の一部と受信デバイスの色空間内に設置した制御点の一部の測色的距離が発信デバイスと受信デバイスの色再現範囲内において最小化され、かつ発信デバイスの色空間内に設置したその他の制御点と受信デバイスの色空間内に設置したその他の制御点の色の見えの違いが発信デバイスと受信デバイスの色再現範囲内において最小化されていることを特徴とするもので、幾何学的に設計されたマッピング方法の一部に測色的違いを最小化する効果を与え、その他に色の見えの違いを最小化する効果を与える作用を有する。
【0030】
請求項14に記載の発明は、請求項9、10、12、または請求項13のいずれかに記載の色情報交換方法において、色の見えが一致する制御点、あるいは色の見えの違いが最小化された制御点を求める際に、発信デバイスと受信デバイスの色域のカスプの間にある色をテスト色として観察者に与え、観察者が特定した色を受信デバイスの制御点に用いることを特徴とするもので、短時間で色の見えが一致する色あるいは色の見えの違いが最も小さい色を特定できる作用を有する。
【0031】
請求項15に記載の発明は、発信デバイスに呈示した色の色名を少なくとも1人の観察者が応答することにより色名ごとに呈示色の測色値を分類し、分類された各測色値データ群の明度成分の分散あるいは標準偏差の大小に応じて発信デバイスのカスプを受信デバイスの色域表面へマッピングすることを特徴とするもので、色再現性を決める要因のひとつである色の鮮やかさをカスプにより制御する際に、発信デバイスの色カテゴリの明度方向の広がりに応じて受信デバイスに対するカプスのマッピングするように明度を決定して、高彩度色の鮮やかさの再現性を高める作用を有する。
【0032】
請求項16に記載の発明は、請求項1、2、または請求項15のいずれかに記載の色空間情報交換方法において、観察者が応答する色名が、カテゴリカル基本色であることを特徴とするもので、色空間内に欠落や重複なく色カテゴリカルな特性を記述できる作用を有する。
【0033】
請求項17に記載の発明は、請求項1、2、または請求項15のいずれかに記載の色空間情報交換方法において、観察者が応答する色名が記憶色であることを特徴とするもので、好ましい色再現の良し悪しを大きく左右する記憶色を優先的に制御して色再現性を効率的に高める作用を有する。
請求項18に記載の発明は、請求項1、2、または請求項15のいずれかに記載の色空間情報交換方法において、観察者が応答する色名が観察者が設定した色名であることを特徴とするもので、観察者固有の色カテゴリカル特性に則って観察者固有の色再現性を高めることができる作用を有する。
【0034】
請求項19に記載の発明は、発信デバイスの色を受信デバイスの色空間にマッピングする際に、受信デバイスにおけるマッピング色の明度を、発信デバイスの色の色相と一致する受信デバイスの色域表面にマッピングされた発信デバイスのカスプの色の明度と、発信デバイスの明度軸と受信デバイスの明度軸でマッピングして得られたマッピング点の明度を、発信デバイスの色が持つ彩度と受信デバイス色空間内で発信デバイスの色の色相と明度を持つ色のうちの最高彩度の比で重み付けして決定することを特徴とする色情報交換方法としたもので、発信デバイスと受信デバイスの色域の違いの影響を最も受ける色域表面の色の明度をカスプを制御手段として色カテゴリの明度方向の広がりに応じてマッピング方法を設計し、かつ発信デバイスと受信デバイスの色域の違いの影響を最も受けない無彩色である明度軸上の色の明度のマッピングの双方が考慮される作用を有する。
【0035】
請求項20に記載の発明は、請求項19記載の色情報交換方法において、発信デバイスの明度軸と受信デバイスの明度軸の間で実行する非線形マッピングが、発信デバイスの黒カテゴリとグレーカテゴリの境界の明度と受信デバイスの黒カテゴリとグレーカテゴリの境界の明度からなる2次元座標点と、発信デバイスの白カテゴリとグレーカテゴリの境界の明度と受信デバイスの白カテゴリとグレーカテゴリの境界の明度からなる2次元座標点と、発信デバイスの最低明度と受信デバイスの最低明度からなる2次元座標と、発信デバイスの最高明度と受信デバイスの最高明度からなる2次元座標を最適化する非線形関数で実行することを特徴とするもので、白、グレー、黒という無彩色に対する観察者の色知覚特性を発信デバイスと受信デバイスの間で保持してマッピングできる作用を有する。
【0036】
請求項21に記載の発明は、発信デバイスの色の明度と彩度を変更して受信デバイスの色域外にある発信デバイスの色をすべて受信デバイスの色域内に一旦マッピングするプリマッピング部と、前記発信デバイスと前記受信デバイスのそれぞれで少なくとも1人の観察者のカラーネーミングにより得られたテスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを同一色名ごとに分類し、各色名ごとに前記測色値あるいは前記デバイスドライブレベルから算出した重心ベクトルと分散共分散行列を保存するカラーネーミングデータベースと、前記発信デバイスの色から最大彩度色が前記受信デバイスのガマット表面にマッピングされるように彩度を制御する色域形状制御係数を出力する色域形状制御係数算出部と、前記重心ベクトルと分散共分散行列から色名ごとに定義された正規化距離に基づいて重み付け係数を算出して、前記重み付け係数と、前記色域形状制御係数とを用いて前記プリマップド色の明度、彩度、色相を変更して再マッピングを行うメインマッピング部とを備えたことを特徴とするもので、発信デバイスの色域を受信デバイスの色域にマッピングするとともに、発信デバイスの色の色カテゴリと受信デバイスの色カテゴリの一致をマッピング設計の指針とすることにより、観察者の色知覚を考慮にいれた上で色域マッピングを設計できる作用を有する。
【0037】
請求項22に記載の発明は、発信デバイスと受信デバイスのそれぞれで少なくとも1人の観察者のカラーネーミングにより得られたテスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを同一色名ごとに分類し、各色名ごとに前記測色値あるいは前記デバイスドライブレベルから算出した重心ベクトルと分散共分散行列を保存するカラーネーミングデータベースと、前記発信デバイスの色から最大彩度色が前記受信デバイスのガマット表面にマッピングされるように彩度を制御する色域形状制御係数を出力する色域形状制御係数算出部と、前記重心ベクトルと分散共分散行列から色名ごとに定義された正規化距離に基づいて重み付け係数を算出して、前記重み付け係数と、前記色域形状制御係数とを用いて発信デバイスの色の明度、彩度、色相を変更してマッピングをするマッピング部とを備えたことを特徴とするもので、発信デバイスと受信デバイスの色域が大きく異ならない場合に、発信デバイスの色の色カテゴリと受信デバイスの色カテゴリの一致をマッピング設計の指針とすることにより、観察者の色知覚を考慮にいれた上で測色マッチングや色の見えマッチングを設計できる作用を有する。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1における発信デバイスの色情報を受信デバイスに送信するカラーマネジメントシステムの構成を示し、以下に説明する。
【0040】
発信デバイスとして、カメラ、スキャナ、ディスプレイなど、受信デバイスとしてディスプレイ、プリンタ、プロジェクタなどがあるが、本実施の形態では発信デバイスの例としてCRTディスプレイを、受信デバイスの例としてプリンタを想定して説明する。
【0041】
図1において、発信デバイス駆動装置102はCRTディスプレイ101に画像を表示するとともに、CRTディスプレイ用プロファイル103に格納されたCRTディスプレイ101の入出力特性を参照してCRTディスプレイ101の表示色の測色値を送出する。受信デバイス駆動装置112はプリンタ114を駆動するとともに、プリンタ用プロファイル113に格納されたプリンタ114の入出力特性を参照して受信デバイス駆動装置112が受信した測色値がプリント上に印刷されるような適切なプリンタドライブ信号を算出する。
【0042】
発信デバイス駆動装置102が送出した発信デバイス101の表示色の測色値は、色情報交換装置100により発信デバイスの色の明度と彩度を変更して受信デバイスの色域外にある発信デバイスの色をすべて受信デバイスの色域内に一旦マッピングし、さらに受信デバイスの色域内にマッピングされた色の明度、彩度、色相を変更して発信デバイスの色の色カテゴリと一致するように再マッピングを行い、受信デバイス駆動装置112へ与えられる
次に、色情報交換装置100について説明する。
発信デバイス駆動装置102が送出したCRTディスプレイ101の表示色の測色値は、極座標変換部104に入力して、明度、彩度、色相に変換される。CRTディスプレイ101の表示色の明度、彩度、色相は2つの系に供給される。その1つは色域マッピング本体の系であり、プリマッピング部109とメインマッピング部110の処理を経て色域マッピングが実行される。他方の系は、色域形状制御係数を求めるための系で、最大彩度色設定部105へ与えられ、プリマッピング部106と最大彩度色用メインマッピング部107の処理を経て色域形状制御係数算出部108で色域形状制御係数が算出される。前記色域形状制御係数はメインマッピング部110に与えられ、メインマッピングに使用される。メインマッピング部110の出力は直交座標変換部111で極座標の明度、彩度、色相から直交系の測色値に変換され、受信デバイス駆動装置112へ与えられる。
【0043】
本発明の考え方を図2によって説明する。図2において、201はCRTディスプレイの色域、202と205は色相Hsにおけるプリンタの色域、203は発信色、204と207はプリマップド色、206は色相Hdにおけるプリンタの色域、208は受信色を表わす。
【0044】
本発明は、プリマッピング部109において、CRTディスプレイの色域201をプリンタの色域202へ一旦、プリマッピングし、引き続きメインマッピング部110で発信色203の色カテゴリと受信色208の色カテゴリが一致するように再マッピングを行うものである。プリマッピング部109は、色域の幾何学的構造に沿ってマッピングを実行する機能を有し、メインマッピングは色再現性を最大化するマッピング機能を有する。ただし、メインマッピングを実行する際には、プリマッピングで一旦、プリンタ色域内に納めた色が再びプリンタ色域外へ出ないように、色域の幾何学的構造を取得しておく必要がある。色域形状制御係数算出部108は、メインマッピング部110に色域形状情報を与える機能を有し、メインマッピングで決定された受信色がプリンタ色域内に位置することを実現する。
【0045】
次に、本発明の特徴であるプリマッピングの考え方について説明する。
【0046】
CIELAB空間を極座標変換して求めた明度L*−彩度C*−色相H空間において、図3はCRTディスプレイの発光色の色相Hsにおける色域の明度L*−彩度C*切断面である。左側がCRTディスプレイの色域の切断面であり、301はCRTディスプレイ色域の境界を示す。右側がプリンタ色域の切断面であり、302はプリンタ色域の境界を示す。
【0047】
プリマッピングは、最初に明度軸上の点303と色域境界上の点304の2点を決定し、(数2)に示すように発信デバイス(CRTディスプレイ)の色の彩度の飽和度で点303と点304を内挿してプリマッピング点を決定する。
【0048】
【数2】
Figure 0004360019
【0049】
ここでL* u,gは点303の明度を、L* u,surfaceは点304の明度を、C* u,d,maxは色相Hs、明度L* sにおける受信デバイス(プリンタ)の最大彩度をそれぞれ表す。またCrは(数3)で与えられる。
【0050】
【数3】
Figure 0004360019
【0051】
ここでC* sは発信デバイス(CRTディスプレイ)の色の彩度を、C* s,maxは発信デバイス(CRTディスプレイ)の色と等輝度、等色相を持つ発信デバイス色域内の最大彩度色の彩度を示す。
【0052】
次に、点303の明度L* u,gと点304の明度L* u,surfaceの求め方を説明する。明度L* u,gは(数4)によってCRTディスプレイの色305の明度L* sを線形圧縮して得る。
【0053】
【数4】
Figure 0004360019
【0054】
ここでL* s,maxは、CRTディスプレイの色域の最大輝度、L* s,minはCRTディスプレイの色域の最低輝度、L* d,maxはプリンタの色域の最大輝度、L* d,minはプリンタの色域の最低輝度を表す。
【0055】
一方、点304の明度L* u,surfaceはCRTディスプレイの色305の明度L* sを(数5)に与えて得る。
【0056】
【数5】
Figure 0004360019
【0057】
ここで、L* s,cuspは、CRTディスプレイのカスプの輝度、L* s,cusp,mappedはプリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度を表す。カスプとは、ある色相において最大彩度を持つ色域の尖った部分であり、図3では306が色相HsにおけるCRTディスプレイのカスプであり、307が色相Hsにおけるプリンタのカスプである。
【0058】
以下、プリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedの算出方法を説明する。
【0059】
図4は、CRTディスプレイとプリンタのカスプの例を示す。図4(a)は、CIELAB色空間のa*-b*平面へ投影したカスプであり、401はCRTディスプレイのカスプ、402はプリンタのカスプである。図4(b)は、色相H−明度L*平面へ投影したカスプであり、403はCRTディスプレイのカスプ、404はプリンタのカスプである。図4が示すようにカスプは中輝度部で高い彩度を持つため、観察者の注目を引く色を持ち、色再現性の観点からカスプのコントロールは色域マッピングの設計の鍵になる。
【0060】
図5は、図4を模式的に表現したもので、図5(a)において、501はCRTディスプレイのカスプ、502はプリンタのカスプ、そして503はプリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプである。また504はCRTディスプレイの表示色、505は(数5)によってプリンタ色域表面にマッピングされた点504のマッピング色である。図5(a)は、CRTディスプレイの色の明度L* sがプリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedより小さい場合を示している。一方、図5(b)において、506はCRTディスプレイのカスプ、507はプリンタのカスプ、そして508はプリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプである。また、509はCRTディスプレイの表示色、510は(数5)によってプリンタ色域表面にマッピングされた点509のマッピング色である。図5(b)は、CRTディスプレイの色の明度L* sがプリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedより大きい場合である。図5(a)のカスプデータ(501、502、503)は、図5(b)のカスプデータ(506、507、508)と同一である。
【0061】
CRTディスプレイの色の明度L* sがプリンタ色域表面にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedより小さい場合(つまり図5(a))、
【0062】
【数6】
Figure 0004360019
【0063】
からCを求め、
【0064】
【数7】
Figure 0004360019
【0065】
によってL* u,surfaceを得る。これは(数5)のうち、L* s ≦ L* s,cusp,mappedの場合の式に一致する。一方、入力色の明度L* sがプリンタ色域にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedより大きい場合(つまり図5(b))、
【0066】
【数8】
Figure 0004360019
【0067】
からGを求め、
【0068】
【数9】
Figure 0004360019
【0069】
によってL* u,surfaceを得る。これは(数5)のうち、L* s > L* s,cusp,mappedの場合の式に一致する。
【0070】
次に、(数5)の中のL* s,cusp,mapped(プリンタ色域にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度)の求め方を説明する。図4に示すようにCRTディスプレイのカスプ403はプリンタのカスプ404と異なる明度を持ち、この傾向は多くの画像デバイス間で観察される。そこで本発明では、色域表面における色カテゴリ分布を考慮して発信デバイス(CRTディスプレイ)のカスプを受信デバイス(プリンタ)の色域表面にマッピングする。
【0071】
図6(a)は、CRTディスプレイの色域表面上の色に対して観察者が与えた色名から導き出した色カテゴリ分布を示す。図6(b)はプリンタの色域表面上の色に対して観察者が与えた色名から導き出した色カテゴリ分布を示す。白三角(△)は赤、黒プラス(+)は茶色、黒ばつ(×)はピンク、黒丸(●)はオレンジ、白くさび(◇)は黄色、黒三角(▲)は緑、白四角(□)は青、黒くさび(◆)は紫色を示す。CRTディスプレイ、プリンタともに共通している特徴として、色ごとに明るさ方向に関する分布の広がりが異なっている点である。たとえば、緑(▲)や青(□)は明度方向に大きな広がりを持っているが、黄色(◇)や赤(△)の明度方向の広がりは小さい。そこで発信デバイス(CRTディスプレイ)の色域表面上の色を受信デバイス(プリンタ)の色域表面にマッピングする際、マッピング対の間で色カテゴリの一致を成立させるには、広がりの小さい黄色(◇)や赤(△)の明度は限られた範囲にマッピングしなければならず、たとえばおよそ60 < L* < 95に分布するCRTディスプレイの黄色(◇)はプリント色上でも色カテゴリが黄色になるようにするために、およそ80 < L* < 95の領域にマッピング点を設けなければならない。CRTディスプレイのL* = 70の黄色(◇)を明度保存してプリンタ空間にマッピングすると色カテゴリゴリが茶色(+)に変わってしまう。一方、彩度の面から見ると、彩度低下を最小限に抑えるために、発信デバイスのカスプは受信デバイスのカスプにマッピングすべきである。以上より、色カテゴリの一致と彩度保持の2つの目標を適当にバランスしてマッピング点を決める必要があることが理解できる。
【0072】
そこで本発明は、発信デバイスのカスプのうち、明度方向への広がりが大きな色は発信デバイスのカスプ付近にマッピングし、明度方向への広がりが小さい色は受信デバイスのカスプ付近にマッピングする。従って、たとえば、黄色(◇)や赤(△)は明度方向への広がりが小さいため、CRTディスプレイのカスプのうち、黄色(◇)や赤(△)に属する部分はプリンタのカスプ上にマッピングする。一方、緑(▲)や青(□)は明度方向への広がりが大きいため、CRTディスプレイのカスプのうち、緑(▲)や青(□)に属する部分はCRTディスプレイのカスプ上にマッピングする。この考え方を実現するためにカスプ明度差補正係数tが導入され、プリンタ色域にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedは(数10)によって計算される。
【0073】
【数10】
Figure 0004360019
【0074】
ここで、L* d,cuspはプリンタのカスプの輝度を表す。
【0075】
プリンタ色域にマッピングされたCRTディスプレイのカスプの明度L* s,cusp,mappedは、カスプ明度差補正係数tが大きいほどCRTディスプレイのカスプに近づき、カスプ明度差補正係数tが小さいほどプリンタのカスプに近づく。従って、上述した本発明の考え方に則れば、明度方向への広がりが大きい色はカスプ明度差補正係数tを大きくし、明度方向への広がりが小さい色はカスプ明度差補正係数tを小さくすることになる。カスプ明度差補正係数tは(数11)で与えられる。
【0076】
【数11】
Figure 0004360019
【0077】
ここでHaは、分割色相a番目の色相角で、ps,a、ps,b+1は(数12)で与えられる。
【0078】
【数12】
Figure 0004360019
【0079】
ここでsLL,kは、色カテゴリkの明度成分L* kの標準偏差を表し、max( )は( )内の要素の中の最大値を表し、min( )は( )内の要素の中の最小値を表わす。ただし、ps,7 = ps,1である。
【0080】
色カテゴリkの明度成分L* kの標準偏差sLL,kは、後述の明度成分分散データベース905から与えられる。
【0081】
次に、後述の明度成分分散データベース905の作成方法を説明する。各色カテゴリの分散は、図7に示す観察者のカラーネーミングにより分類された複数の測色値より算出する。
【0082】
図7示す観察者のカラーネーミングにおいて、被験者701は、CRTディスプレイあるいはプリンタの出力プリント702上に予め測色値を測定しておいた少なくとも1つ以上のテスト刺激のカラーパッチ703を呈示し、複数の色名を用いてカラーネーミングを行う。なお、被験者は、1人または複数人によりカラーネーミングを行うものとする。具体的には、少なくとも1人の被験者の応答としてCRTディスプレイあるいはプリンタの出力プリント702に表示されているカラーパッチ703の色名をマウス704等用いて計算機705へ入力する。計算機705への色名の入力方法は、これに限定されるものではなく、音声認識を用いてもよい。カラーパッチ703がCRTディスプレイに表示された場合は、計算機705はマウス704から入力された色名に応じて、呈示されたカラーパッチの703の測色値あるいはデバイスドライブレベルを後述の明度成分分散データベース905に蓄積する。
【0083】
また、上述のような色名に基づく測色値あるいはドライブレベルのデータベースへの蓄積は、後述するように、メインマッピング部110へも行われる。
【0084】
明度成分分散データベース305に格納した色名ごとの測色値から(数13)に示す分散共分散行列を計算する。
【0085】
【数13】
Figure 0004360019
【0086】
色名には、(表1)に示すようなカテゴリカル基本色を用いた。
【0087】
【表1】
Figure 0004360019
【0088】
(表1)にプリンタの分散共分散行列の例を示す。なお、測色値をすべて正の値にするために(数14)によって[L* a* b*]tを[α γ β]tに変換し、[α γ β]tを用いて分散共分散行列を求めた。
【0089】
【数14】
Figure 0004360019
【0090】
分散共分散行列の中で明度の分散は1行1列のsLL 2であり、これを(数12)に与えて、ps,bを得る。(数11)は2つの色相におけるps,a、ps,a+1を内挿する機能であり、カスプ明度差補正係数tの実態はps,a、ps,a+1にある。(表2)に(表1)に示した明度の標準偏差から(数12)で算出したps,bを示す。(数11)に示すように、ps,bは6つの値を持ち、これらは6つの分割色相上で定義し、前記分割色相以外では入力色の色相Hsと2つの隣接分割色相Hi, Hi+1との内分比で内挿する。前記分割色相には、RGBディジタルカウント(dr, dg, db)として赤、緑、青の1次色と、シアン、マゼンタ、イエロの2次色を用いる。つまり、(表3)に示すように、(dr, dg, db)=(255, 0, 0)でCRTディスプレイを発光させたときの色相、(dr, dg, db)=(255, 255, 0)でCRTディスプレイを発光させたときの色相などである。ただし、無彩色を除く8つの色カテゴリと6つの分割色相の関係は、(表3)に示す通りである。
【0091】
【表2】
Figure 0004360019
【0092】
【表3】
Figure 0004360019
【0093】
以上、点303の明度L* u,gと点304の明度L* u,surfaceの求め方を説明した。
【0094】
(表3)のデータを(数5)に適用してCRTディスプレイのカスプをマッピングした結果を図8に示す。801はCRTディスプレイのカスプ、802はプリンタのカスプ803は(数5)でマッピングされたCRTディスプレイのカスプである。色相角0度から100度付近の赤から黄色の領域ではマッピングされたカスプ803がプリンタのカスプ802に一致していることが確認できる。また、100度付近の黄色から200度付近の青へ変化する範囲ではマッピングされたカスプ803がプリンタのカスプ802からCRTディスプレイのカスプ801へ接近していることが確認できる。
【0095】
なお、本実施の形態では、明度軸上のマッピングを(数4)に示すような線形マッピングを用いて説明したが、本発明は明度軸上のマッピング方法に制限を与えるものではなく、(数4)の代わりに非線形マッピングを適応することもできる。たとえば、発信デバイスと受信デバイスの双方で、明度軸上の色(L* = 0となる色)に対して観察者が知覚する黒とグレーの境界の明度と、グレーと白の境界の明度を求める。発信デバイスから受信デバイスへの明度軸上での明度マッピングは、前記黒とグレーの境界と前記グレーと白の境界、さらに発信デバイスと受信デバイスの最低明度対のマッピングと最高明度対のマッピングの4点を基準にして、折れ線近似や曲線近似などで全明度をカバーすれば非線形マッピングが設計できる。
【0096】
本発明は、明度軸上のマッピング方法に制限を与えるものではなく、発信デバイスの明度軸上の色の明度を受信デバイスの明度軸上の色の明度にマッピングする方法は任意であることを特筆しておく。
【0097】
また、観察者を用いたカラーネーミングの色名に(表1)に示すカテゴリカル基本色名を用いたが、本発明はカテゴリカル基本色名に制限されるものではなく、色再現性を決める重要な要因である記憶色や、観察者自身が設定した色名など、任意の色名を用いてカラーネーミングを実現できることを特筆しておく。
【0098】
カテゴリカル基本色は、Berlin and Kayが見出した以下の11個の色名である(参考文献;「Basic Color Terms. Their Universality and Evolution」, Univ. of California Press, Berkley, 1969)。
1. white(shiro)
2. black(kuro)
3. red(aka)
4. green(midori)
5. yellow(ki)
6. blue(ao)
7. purple(murasaki)
8. pink(momo)
9. orange(daidai)
10. gray(hai)
11. brown(cha)
これら11個の基本色名は、100種近くの言語を調べ、発達した言語ならばどの言語でも共通した11個のカテゴリカルな基本色名があることから導き出された。Crawfordは、基本色名の定義を以下のようにまとめた(参考文献;「Defining basic color terms」, Anthropol Linguist, 24, 338-343, 1982年)。
1. すべての人の語彙に含まれること。
【0099】
2. 人によらず、使うときによらず安定して用いられること。
【0100】
3. その意義が他の単語に含まれないこと。
【0101】
4. 特定の対象物にしか用いられないことがないこと。
また、内川は、日本語の11個の基本カテゴリ色を導出した(参考文献;「色のカテゴリカル知覚と記憶」, 第7回色彩工学コンファレンス, 1990年)。このように色カテゴリカル基本色を用いれば、画像機器が持つ色空間全体に渡って過不足なく色名を答えることができる。なお(表1)では、白、黒、グレーを無彩色としてひとつにまとめたため、色名の数は9つとなっている。
【0102】
また、観察者がテスト画像を見て知覚した色名をカラーネーミングに用いた場合は、画像ガマットに重きを置いてマッピング制御できるため、デバイスガマット全体を網羅する場合に比べてより無駄のない適切な色情報交換が実現できる。
【0103】
本実施の形態では、観察者が与えた色名に応じてカラーネーミングに呈示したテスト色の測色値を分類して、(数13)の分散共分散行列を算出したが、本発明は前記分散共分散行列の算出方法を限定するものでなく、たとえばデバイスドライレベル(CRTディスプレイのドライブレベル(dr, dg, db))で前記分散共分散行列を定義することも可能である。従って、本発明はカラーネーミングに基づいて分類される色データの種類を限定するものではないことを特筆しておく。
【0104】
以上、プリマッピングの考え方を説明した。
【0105】
次に、色情報交換装置100の各処理部毎に詳細に説明する。
まず、プリマッピング部109の内部構成を図9に示し、以下に説明する。
発信デバイス測色値入力部901は、極座標変換部104の出力として発信デバイス(CRTディスプレイ)の色の明度、彩度、色相[L* s, C* s, Hs]を受ける。
【0106】
発信デバイス色彩度飽和度算出部902は、発信デバイス測色値入力部901から与えられた発信デバイスの色の彩度C* sから発信デバイス色彩度飽和度を算出する。プリマップド彩度算出部903は、前記発信デバイス色彩度飽和度を受けて、発信デバイスの色の彩度を圧縮し、プリマップド測色値出力部904へ出力する。
【0107】
明度成分分散データベース905は、受信デバイス上に複数のテスト色を表示して、少なくとも1人の観察者が応答した前記テスト色の色名ごとに前記テスト色の測色値を分類し、各色名ごとに求めた明度成分の分散を予め格納したものである。また、発信デバイス用カスプデータベース906は、発信デバイスの色域のカスプの明度、彩度、色相を予め格納したものである。また、受信デバイス用カスプデータベース907は、受信デバイスの色域のカスプの明度、彩度、色相を予め格納したものである。
【0108】
カスプ明度差補正係数算出部908は、発信デバイスの色の色相Hsと明度成分分散データベース905から与えられた分散情報からカスプ明度差補正係数を算出する。発信デバイス用カスプマッピング部906は、カスプ明度差補正係数算出部908からのカスプ明度差補正係数と、発信デバイス用カスプデータベース906からのカスプの明度情報と受信デバイス用カスプデータベース907からのカスプの明度情報に基づいて、発信デバイスのカスプを受信デバイスの色域表面にマッピングする。
【0109】
発信デバイスカスプマッピング部909の出力は、色域境界明度圧縮部910に与えられ、発信デバイス用カスプデータベース906からのカスプの明度情報を参照して発信デバイスの色の明度を圧縮する。一方、発信デバイスの色の明度は、無彩色明度圧縮部911へも入力して圧縮される。
【0110】
色域境界明度圧縮部910の出力と無彩色明度圧縮部911は、プリマップド明度算出部912へ与えられ、プリマップド測色値の明度に変換され、プリマップド測色値出力部904へ出力される。発信デバイスの色の色相は、そのままプリマップド測色値出力部904へ与えられる。
【0111】
次に、メインマッピング部110の内部構成を図10に示し、以下に説明する。
【0112】
プリマップド測色値入力部1001には、プリマッピング部109の出力[L* C* H]uが与えられる。プリマップド測色値入力部1001へ入力された[L* C* H]uは、重心制御点マッピング部1002に与えられ、プリマップド測色値入力部1001からの[L* C* H]uに重心制御点マッピングを施し、表面制御点マッピング部1003へ与えられる。表面制御点マッピング部1003では、色域形状制御係数入力部1004から与えられた色域形状制御係数wcを取り込んで表面制御点マッピングを実行し、受信デバイス測色値出力部1005を介して受信デバイスへ送出される。
【0113】
メインマッピング部110は、発信色空間(CRTディスプレイ)と受信色空間(プリント)に設置された制御点を利用してマッピングを設計する。制御点には、重心制御点と表面制御点の2種類を設け、メインマッピングは重心制御点間で実行する重心制御点マッピングと、表面制御点間で実行する表面制御点マッピングの2つのマッピングで構成される。マッピングされるすべての制御点対を同一色カテゴリから選ぶことによって色カテゴリを保存したマッピングが実現できる。
【0114】
次に、重心制御点マッピング部1002の内部構成を図11に示し、以下に説明する。
発信デバイス用カラーネーミングデータベース1101は、図7に示したカラーネーミングを発信デバイス(CRTディスプレイ)において実施して色名ごとに分類した測色値から各色名ごとに求めた重心ベクトルと分散共分散行列を予め格納したものである。受信デバイス用カラーネーミングデータベース1102は、図7に示したカラーネーミングを受信デバイス(プリント)において実施して色名ごとに分類した測色値から各色名ごとに求めた重心ベクトルと分散共分散行列を予め格納したものである。発信デバイス用表面制御点データベース1103は、発信デバイスの色域表面、あるいは色域表面付近に設けられたマッピング制御点の明度、彩度、色相を予め格納したものである。
【0115】
測色値入力部1104からプリマッピング部109の出力であるプリマップド測色値の明度、彩度、色相[L* C* H]uが与えられ、以下3つの系に入力される。第一の系は、重心差分重み付け係数を算出する系で、プリマップド測色値の明度、彩度、色相[L* C* H]uは発信デバイス用正規化距離算出部1105に与えられる。発信デバイス用正規化距離算出部1105では、発信デバイス用カラーネーミングデータベース1101から供給された重心ベクトルと分散共分散行列をもとに、9つの色カテゴリに対して色カテゴリカル正規化距離が算出される。前記色カテゴリカル正規化距離は、重心マッピング実行部1106へ入力され、発信デバイス用カラーネーミングデータベース1101から供給された重心ベクトルと分散共分散行列と受信デバイス用カラーネーミングデータベース1102から供給された重心ベクトルと分散共分散行列を基に重心間のマッピングを実行する。重心マッピング実行部1006の出力は、重心差分重み付け係数算出部1007に入力され、重心差分重み付け係数が算出される。
【0116】
第二の系は、表面制御点マッピング抑制係数を算出する系で、プリマップド測色値の明度、彩度、色相[L* C* H]uは表面制御点マッピング抑制係数算出部1108に入力される。表面制御点マッピング抑制係数算出部1108では、発信デバイス用表面制御点データベース1103からの表面制御点の情報を基に表面制御点マッピング抑制係数を算出する。
【0117】
第三の系は、マッピング実行部1109への系である。重心制御点差分行列算出部1110は、重心制御点差分行列を算出するためにプリマッピング部1111と受信デバイス用カラーネーミングデータベース1102から必要な情報を取り込む。プリマッピング部1111から取り込む情報は、発信デバイス色空間内の重心ベクトルをプリマッピングした色相、彩度、明度である。なお、プリマッピング部1111の処理は、図1のプリマッピング部109の処理と同様であるので詳細な説明は省略する。一方、受信デバイス用カラーネーミングデータベース1102からは、受信デバイス色空間内の重心ベクトルが与えられる。
【0118】
マッピング実行部1109は、重心制御点マッピングを実行するために、表面制御点マッピング抑制係数を表面制御点マッピング抑制係数算出部1108から受け、重心制御点差分行列を重心制御点差分行列算出部1110から受け、重心差分重み付け係数を重心差分重み付け係数算出部1107から受けてプリマップド測色値の明度、彩度、色相[L* C* H]uに重心制御点マッピングを実行する。
【0119】
次に、表面制御点マッピング部1003の内部構成を図12に示し、以下に説明する。
発信デバイス用表面制御点データベース1201は、発信デバイスの色域表面、あるいは色域表面付近に設けられたマッピング制御点の明度、彩度、色相を予め格納したものである。また、受信デバイス用表面制御点データベース1202は、受信デバイスの色域表面、あるいは色域表面付近に設けられたマッピング制御点の明度、彩度、色相を予め格納したものである。測色値入力部1203には、図10に示す重心制御点マッピング部1002の出力が与えられる。プリマップド測色値の彩度成分は、発信デバイス色彩度飽和度算出部1204へ供給され、発信デバイス色彩度飽和度が算出される。表面制御点マッピング抑制係数算出部1205は、表面制御点マッピング抑制係数を算出するが、図11の1108と同一である。表面制御点差分行列算出部1206は、プリマッピング部1207でプリマッピングが施された発信デバイス用の表面制御点と受信デバイス用の表面制御点から表面制御点差分行列を算出する。
【0120】
なお、プリマッピング部1207の処理は、図1のプリマッピング部109と同一である。表面差分重み付け係数は、表面差分重み付け係数算出部1208で発信デバイス用表面制御点データベース1201から供給される表面制御点の測色値を用いて算出する。マッピング実行部1209の出力は測色値出力部1210を通して受信デバイスへ送出される。
【0121】
次に図11の重心制御点マッピングと図12の表面制御点マッピングの考え方について説明する。
【0122】
メインマッピング部110は、(数15)に示すように2つのマッピング動作でプリマップド測色値を最終マッピング点へ変換するものである。
【0123】
【数15】
Figure 0004360019
【0124】
ここで、[L* C* H]uは、プリマップド測色値を表わし、(数2)で与えられる。また、行列Mは、重心制御点差分行列、行列Pは表面制御点差分行列、wmは重心差分重み付け係数、wrは表面差分重み付け係数、Fは表面制御点マッピング抑制係数、Crは発信デバイス色彩度飽和度、行列Jは色域形状制御係数行列である。
【0125】
(数15)に示すようにメインマッピング部110は、FMWmなるマッピングとJCr(1−F)PWrなるマッピングの2つのマッピングからなる。前者のFMWmのうち、MWmは発信デバイスと受信デバイスの色空間にそれぞれ設けられた重心制御点をマッピングする機能を持ち、重心制御点マッピングと呼ぶ。後者のJCr(1−F)PWrのうち、JCrPWrは発信デバイスと受信デバイスの色空間にそれぞれ設けられた表面制御点をマッピングする機能を持ち、表面制御点マッピングと呼ぶ。表面制御点マッピング抑制係数Fは、前記重心制御点マッピングMWmと前記表面制御点マッピングJCrPWrのバランスを取る機能を持ち、プリマップド測色値[L* C* H]uの入力位置に基づいて、2つのマッピング機能を線形に内挿する役割を持っている。
【0126】
以降、(数15)の2項目FMWmと3項目JCr(1−F)PWrについて詳細に説明する。最初に(数15)の2項目の構成要素である重心制御点差分行列M、重心差分重み付け係数Wm、表面制御点マッピング抑制係数Fについて順に説明する。続いて(数15)の3項目の構成要素である表面制御点差分行列P、表面差分重み付け係数wr、発信デバイス色彩度飽和度Cr、色域形状制御係数行列Jについて順に説明する。
【0127】
重心制御点差分行列Mは、(数16)で与えられる。
【0128】
【数16】
Figure 0004360019
【0129】
ここでL*(,d,i、C*(,d,i、H(,d,iは受信デバイスにおける色カテゴリiの重心ベクトルである。
【0130】
色カテゴリには、(表1)に示した9つの色名を用いた。前記重心ベクトルは、カラーネーミングのサンプルデータを(数14)によってαβγ値に変換し、これを(数17)によって各色カテゴリごとに重心を求め、さらに極座標変換して与えられる。
【0131】
【数17】
Figure 0004360019
【0132】
(数16)において、L*(,u,i、C*(,u,i、H(,u,iは発信デバイスにおける色カテゴリiの重心ベクトルを(数2)でマッピングしたプリマップド重心ベクトルである。発信デバイス同様、色カテゴリは(表1)に示した9つの色名を用い、重心ベクトルはサンプルの重心を(数17)によって求め、極座標変換で算出される。(数16)が示すように、プリマップド測色値[L* C* H]uが発信デバイスの重心ベクトルから与えられた場合、重心制御点差分行列Mは前記プリマップド測色値[L* C* H]uを受信デバイスの重心ベクトル[L* C* H]μ,dへマッピングすることになる。従って、重心制御点差分行列Mは、発信デバイスの色空間内の重心ベクトルを受信デバイスの色空間内の重心ベクトルへマッピングする機能を持つ。
【0133】
次に、重心差分重み付け係数Wmについて説明する。重心差分重み付け係数Wmは、プリマップド測色値[L* C* H]uの入力位置に基づいて各色カテゴリの重心に対する重心制御点差分行列Mのマッピング制御を重み付けして、任意のプリマップド測色値[L* C* H]uに対して重心制御点差分行列Mのマッピング制御を実現する。重心差分重み付け係数Wm
【0134】
【数18】
Figure 0004360019
【0135】
で与えられる。ここでDt,iは色カテゴリiの中間正規化距離であり、重心差分重み付け係数Wmは中間正規化距離Dt,iが小さいほど大きくなり、中間正規化距離Dt,iが大きいほど小さくなる。中間正規化距離Dt,iは(数19)で与えられる。
【0136】
【数19】
Figure 0004360019
【0137】
ここでベクトルDsは、発信デバイスの測色値の色カテゴリカル正規化距離ベクトルである。重心マッピングスケーリング行列Vは前記発信デバイスの測色値の色カテゴリカル正規化距離ベクトルDsを受信デバイス色空間へマッピングして中間正規化ベクトルDtを得る。
【0138】
一方、色カテゴリカル正規化距離Diは、ある測色値ベクトルX=[α γ β]tで色カテゴリiに対して(数20)によって与えられる。
【0139】
【数20】
Figure 0004360019
【0140】
ここで、μiは色カテゴリiの重心ベクトル、Σiは色カテゴリiの分散共分散行列である。
【0141】
図6に示すように、色カテゴリの分布の広がりは色カテゴリごとに異なり、CIELAB空間での距離は色カテゴリカルな距離と比例関係が成り立たない。つまり、緑カテゴリ(▲)にくらべて赤カテゴリ(△)は分布が小さく、CIELAB空間におけるある距離は色カテゴリカルな観点から見れば、赤カテゴリにとってはより大きな距離となる。色カテゴリカル正規化距離Diは各色カテゴリの分布の広がりを考慮に入れた正規化距離であり、色カテゴリカル正規化距離Diと色カテゴリカルな感覚尺度が比例的に対応する。
【0142】
次に、(数19)中の重心マッピングスケーリング行列Vについて説明する。重心マッピングスケーリング行列Vは、(数21)によって与えられる。
【0143】
【数21】
Figure 0004360019
【0144】
ここで行列Φは、重心マッピングスケーリング行列であり、発信デバイスにおける重心ベクトル間の距離関係を受信デバイスにおける重心ベクトル間の距離関係に置き換えるスケーリング機能を持ち、幾何学的には発信デバイスの重心ベクトルを受信デバイスの重心ベクトルへマッピングする。
【0145】
重心マッピングスケーリング係数行列Φの要素vlmは、発信デバイスの色空間で色カテゴリlの重心から色カテゴリmの重心を見た正規化距離Ns,lmを、プリンタの色空間で色カテゴリlの重心から色カテゴリmの重心を見た正規化距離Nd,lmに変換するスケーリング係数である。重心マッピングスケーリング係数行列Φは、9つの色カテゴリすべての組み合わせに対するスケーリング係数を持つため、発信デバイス色空間内の重心ベクトルはすべて同一色カテゴリの重心ベクトルにマッピングされる。ただし、(数21)に示すように、自身の距離に対するスケーリング係数(l = mのとき)は0とする。幾何学的には発信デバイスの9つの重心ベクトルを受信デバイスの9つの重心ベクトルにマッピングする重心マッピングスケーリング行列Φは、色再現の観点からみると、色カテゴリカルに正規化された距離空間を用いてマッピング対が同じ色カテゴリを持つようにマッピングされたことに相当する。中間正規化距離Dt,iは、発信デバイス内の色カテゴリカル正規化距離を重心マッピングスケーリング行列Vで受信デバイスへマッピングした距離であり、このマッピングは同一色カテゴリの重心をマッピングする。
【0146】
以上のようにして、受信色空間へマッピングされた正規化距離で(数21)中の重心制御点差分行列Mに対する重み付け係数wv,iを求める。重心差分重み付け係数wv,iは(数22)で与えられる。
【0147】
【数22】
Figure 0004360019
【0148】
(数22)は、重心以外に対する重心マッピングのオペレーションをカバーする役割を持ち、重心が持つマッピング情報を色ベクトルXと重心ベクトルμとの位置関係に応じて内挿して実行する。(数21)において、重心マッピングスケーリング係数行列Φの列ベクトル要素[v1i, v2i, …, v9i]は色カテゴリiにおいて重心点間のマッピングを実現するスケーリング係数であり、これらを(数22)で与えられる重み付け係数wv,iで重み付けする。
【0149】
重み付け係数wv,iは、色ベクトルXが9つの色カテゴリの重心ベクトルと持つ正規化距離の逆数の和に対する色カテゴリiの重心ベクトルと持つ正規化距離の逆数との割合で定義される。従って、色ベクトルXに近い色カテゴリの重心ほどスケーリング係数が重視され、色ベクトルXに遠い色カテゴリの重心ほどスケーリング係数が軽視される。
【0150】
以上、プリマップド測色値[L* C* H]uは(数20)によって色カテゴリカル正規化距離Dsに変換され、(数19)の重心マッピングスケーリング行列Vで中間正規化距離に変換されて受信デバイス色空間へマッピングされ、受信デバイス色空間内で(数18)によって重心差分重み付け係数wmが算出される。
【0151】
次に、表面制御点マッピング抑制係数Fについて説明する。前述したように、表面制御点マッピング抑制係数Fは重心制御点マッピングMWmと表面制御点マッピングJCrPWrのバランスを取る機能を持ち、プリマップド測色値[L* C* H]uの入力位置に基づいて、2つのマッピング機能を線形に内挿する役割を持っている。すなわち、表面制御点マッピング抑制係数Fが1のとき、(数15)の3項目の表面制御点マッピングJCrPWrは全く働かず、(数15)の2項目の重心制御点マッピングMWmのみが働く。逆に表面制御点マッピング抑制係数Fが0のとき、表面制御点マッピングJCrPWrのみが働き、重心制御点マッピングMWmは全く働かない。
【0152】
表面制御点マッピング抑制係数Fを設定するために、表面制御点を用いる。表面制御点は、デバイス色域の表面あるいはデバイス色域表面付近に設定し、色域境界をマッピングするための制御点として機能する。ここでは説明のために、8つの表面制御点を定義するが、本発明は本実施例の表面制御点の個数に制約されるものではなく、表面制御点の個数は任意に設定できることを特筆しておく。8つの表面制御点は、デバイスのディジタルカウントで定義し、1次色のR: (dr, dg, db)=(255, 0, 0)、 G: (dr, dg, db)=(0, 255, 0)、 B: (dr, dg, db)=(0, 0, 255)と、2次色のY: (dr, dg, db)=(255, 255, 0)、 M: (dr, dg, db)=(255, 0, 255)、 C: (dr, dg, db)=(0, 255, 255)、ホワイトW: (dr, dg, db)=(255, 255, 255)、ブラックK: (dr, dg, db)=(0, 0, 0)とする。表面制御点マッピング抑制係数Fは(数23)で与えられる。
【0153】
【数23】
Figure 0004360019
【0154】
ただし、fiは(数24)で与えられ、wf,iは(数25)で与えられる。
【0155】
【数24】
Figure 0004360019
【0156】
【数25】
Figure 0004360019
【0157】
Es,f,iは色カテゴリiの重心ベクトルμiと色ベクトルXとのCIELAB空間におけるユークリッド距離を表わし、Es,a,iは表面制御点iと色ベクトルXとのCIELAB空間におけるユークリッド距離を表わす。ただし、Es,f,i、Es,a,iともに発信色空間内での距離を示す。
【0158】
Es,m,i = 0のとき、つまり色ベクトルXが重心ベクトルμiと一致した場合、fi = 1となって拘束力最大となり、表面制御点マッピングJCrPWrは全く機能せず、重心制御点マッピングMWmのみが働く。逆にEs,a,i = 0のとき、つまりテスト色が表面制御点と一致した場合、fi = 0となって拘束力はなくなり、重心制御点マッピングMWmは全く機能せず、表面制御点マッピングJCrPWrのみが働く。(数25)において Ds,f,iは発信デバイス色空間における色カテゴリiの重心ベクトルμiと色ベクトルXとの正規化距離を表わす。色ベクトルXが色カテゴリiの重心ベクトルμiと一致した場合、wf,i = 1となり、色カテゴリi以外の重み係数wf,k!=i = 0となる。したがってwf,iは色ベクトルXの位置に従って決定される拘束力fiへの重み付け係数の意味を持つ。9つの重心ベクトルが持つ拘束力fiそれぞれがwf,iによって重み付けされて、抑制係数Fに反映される。
【0159】
以上、(数15)の2項目の構成要素である重心制御点差分行列M、重心差分重み付け係数Wm、表面制御点マッピング抑制係数Fについて説明した。
【0160】
続いて(数15)の3項目の構成要素である表面制御点差分行列P、表面差分重み付け係数wr、発信デバイス色彩度飽和度Cr、色域形状制御係数行列Jについて順に説明する。
【0161】
重心制御点マッピングFMWmによって、発信デバイス色空間内の重心制御点を受信デバイス色空間内の重心制御点へマッピングするのと同様に、表面制御点マッピングJCr(1−F)PWrによって発信デバイス色空間内の表面制御点を受信デバイス色空間内の表面制御点にマッピングする。つまり、重心制御点差分行列Mの要素を表面制御点に置き換えたものが表面制御点差分行列Pであり、(数26)で与えられる。
【0162】
【数26】
Figure 0004360019
【0163】
また、表面制御点マッピング抑制係数Fは、F=1のとき、表面制御点間のマッピングを完全に抑制する。表面差分重み付け係数wrは、プリマップド測色値 [L* C* H]uと表面制御点との位置関係から(数27)によって算出され、表面制御点差分行列Pによるマッピング動作に重み付けを行う。
【0164】
【数27】
Figure 0004360019
【0165】
発信デバイス色彩度飽和度Crは、(数3)で与えられ、J(1−F)PWrなるマッピングが彩度の高い領域で主に働くような彩度依存型の重み付け係数として働く。従って、明度軸上では(数15)の3項めJCr(1−F)PWrは全く働かない。
【0166】
行列Jは、(数28)によって発信デバイスの色域境界を受信デバイスの色域境界にマッピングするように働く。
【0167】
【数28】
Figure 0004360019
【0168】
ここで、色域形状制御係数wcは、(数29)によって与えられ、彩度C*のみをコントロールして発信デバイスの色域境界を受信デバイスの色域境界にマッピングする。
【0169】
【数29】
Figure 0004360019
【0170】
ここでC* d,max,tは、図13の1301に相当し、1302は(数30)によってマッピングされた点[L* C* H]c,s,max,d tである。
【0171】
【数30】
Figure 0004360019
【0172】
(数30)は、発信デバイスの色域上の点[L* C* H]c,s,max tが(数2)によってプリマッピングされた[L* C* H]c,s,max,u tを(数15)のメインマッピングで再マッピングする。1302が1301に移動すればマッピング点は受信デバイスの色域境界に決まるため、(数31)の関係式をたて、色域形状制御係数wcについて解けば、発信デバイスの色域境界を受信デバイスの色域境界にマッピングするような調整係数が導き出せる。
【0173】
【数31】
Figure 0004360019
【0174】
ただし、(数31)において、ベクトルMcは、重心制御点差分行列Mの彩度成分を取り出した1行9列型の行ベクトルである。また、ベクトルPcは、表面制御点差分行列Pの彩度成分を取り出した1行8列型の行ベクトルである。色域形状制御係数wcは、発信デバイスの色域境界上の色が受信デバイスの色域境界上にマッピングされるようにCr(1−F)PWrの彩度成分を線形に圧縮する機能を持つ。
【0175】
(実施の形態2)
図14に、本発明の実施の形態2における発信デバイスの色情報を受信デバイスに送信するカラーマネジメントシステムの構成を示し、以下に説明する。
【0176】
発信デバイスとして、カメラ、スキャナ、ディスプレイなど、受信デバイスとしてディスプレイ、プリンタ、プロジェクタなどがあるが、本実施の形態では発信デバイスの色域と受信デバイスの色域が大きく異ならない場合を想定する。従って、発信デバイスがディスプレイで受信デバイスがプロジェクタといった場合や、発信デバイス、受信デバイスともにディスプレイとし、ただし白色点の色温度が異なる場合などが相当する。以下、発信デバイスは色温度9300Kの白色点を持つCRTディスプレイ、受信デバイスは色温度5000Kの白色点を持つCRTディスプレイとして、5000KのCRTディスプレイ上に再現される画像を、白色点がより青く見える9300KのCRTディスプレイ上の画像の色の見えと一致させる場合を想定して説明する。
【0177】
図14において、発信デバイス駆動装置1402は9300K−CRTディスプレイ(発信デバイス)に画像を表示するとともに、CRTディスプレイ用プロファイルに格納された9300K−CRTディスプレイの入出力特性を参照してCRTディスプレイの表示色の測色値を送出する。受信デバイス駆動装置1410は、5000K-CRTディスプレイを駆動するとともに、5000K-CRTディスプレイ用プロファイルに格納された5000K-CRTディスプレイの入出力特性を参照して受信デバイス駆動装置1410が受信した測色値が5000K-CRTディスプレイ上に表示されるような適切なドライブ信号を算出する。発信デバイス駆動装置1402が送出した9300K-CRTディスプレイの表示色の測色値は極座標変換部1404に入力して、明度、彩度、色相に変換される。9300K-CRTディスプレイの表示色の明度、彩度、色相は2つの系に供給される。その1つは色域マッピング本体の系であり、マッピング部1408の処理を経て色域マッピングが実行される。
【0178】
他方の系は、色域形状制御係数を求めるための系で、最大彩度色設定部1405へ与えられ、最大彩度色用マッピング部1406の処理を経て色域形状制御係数算出部1407で色域形状制御係数が算出される。前記色域形状制御係数はマッピング部1408に与えられ、色の見えのマッチングを実現するマッピングに使用される。マッピング部1408の出力は直交座標変換部1409で極座標の明度、彩度、色相から直交系の測色値に変換され、受信デバイス駆動装置1410へ与えられる。
【0179】
本発明の特徴は、9300K−CRTディスプレイ(発信デバイス)色空間から5000K−CRTディスプレイ(受信デバイス)色空間へマッピングにおいて、色カテゴリの一致を指針としてマッピング点を決定することによって、5000K−CRTディスプレイの画像の色の見えを9300K−CRTディスプレイの画像の色の見えに一致させるところにある。
【0180】
本実施の形態2は、実施の形態1とは、発信デバイスの色域全体の色を受信デバイスの色域内へプリマッピングする処理が存在しない点が異なるのみで、残りの構成は同一であり、異なる点についてのみ説明する。
【0181】
本実施の形態は、発信デバイス、受信デバイスともにCRTディスプレイを用いているため、色域形状の違いに伴うガマットマッピング自体は必要ない。ほぼ同一形状の色域間で、色の見えが一致する対を作り出すマッピングに相当する。そこで、色域形状の違いを補償するプリマッピング処理は必要なく、かつマッピングの目的が色再現的観点から色の見えのマッチングとなっている。
【0182】
以上から理解できるように、本実施の形態は、色域形状の違いを吸収するプリマッピングが必要ない場合であり、その点を除きその構成と動作は実施の形態1と全く同一である。
【0183】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、発信デバイスと受信デバイスのそれぞれで呈示された1つ以上のテスト色に対して少なくとも1人の観察者のカラーネーミングにより得られたテスト色の測色値あるいはデバイスドライブレベルを同一色名ごとに分類し、各色名ごとに統計処理を用いて正規化距離を定義することによって、観察者の色知覚と色再現性の関係を定量的に把握して色域マッピングを設計できるという有利な効果が得られる。
【0184】
また、前記発信デバイスの色の明度と彩度を変更してマッピングしたプリマップド色を生成し、前記正規化距離に基づいた重み付け係数を用いて前記プリマップド色の明度、彩度、色相を変更して、前記プリマップド色を再マッピングすることにより、色域の違うデバイス間でのマッピングを色カテゴリの一致という観点から明確な基準を設けて色域マッピングを設計できるという有利な効果が得られる。
【0185】
発信デバイスと受信デバイスの色域形状が大きく異ならない場合は、発信デバイスの色域を受信デバイスの色域内に一旦マッピングするプリマッピングを除く構成で色カテゴリが一致するマッピングを実行し、受信デバイスの色の見えを発信デバイスの色の見えに一致させる、いわゆる色の見えマッチングが実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるカラーマネジメントシステムを示す構成図
【図2】本発明の実施の形態1によるCRTディスプレイからプリンタへの明度マッピングにおける明度軸上のマッピングと色域上のマッピングの内挿方法を説明する図
【図3】 CRTディスプレイの色域の切断面とプリンタ色域の切断面を示す図
【図4】(a)CRTディスプレイとプリンタのカスプの例を示すCIELAB空間のa*-b*面への投影図
(b)CRTディスプレイとプリンタのカスプの例を示すCIELAB空間より極座標変換されたL*-H面への投影図
【図5】(a)発信色の明度L* sが受信デバイスの色域表面にマッピングされたカスプの明度L* s,cusp,mappedより小さい場合を説明する図
(b)発信色の明度L* sが受信デバイスの色域表面にマッピングされたカスプの明度L* s,cusp,mappedより大きい場合を説明する図
【図6】(a)CRTディスプレイの色域表面の色の色カテゴリ分布の一例を示す図
(b)プリンタの色域表面の色の色カテゴリ分布の一例を示す図
【図7】被験者によるカラーネーミングの方法を説明する図
【図8】 CRTディスプレイのカスプの明度をマッピングした結果を示す図
【図9】本発明の実施の形態1によるプリマッピング部の内部構成図
【図10】本発明の実施の形態1によるメインマッピング部の内部構成図
【図11】本発明の実施の形態1による重心制御点マッピング部の内部構成図
【図12】本発明の実施の形態1による表面制御点マッピング部の内部構成図
【図13】色域形状制御係数wcを求める際の彩度C* c,s,macとC* d,max,tを説明する図
【図14】本発明の実施の形態2におけるカラーマネジメントシステムを示す構成図
【符号の説明】
100 色情報交換装置
101 発信デバイス
102 発信デバイス駆動装置
103 発信デバイス用プロファイル
104 極座標変換部
105 最大彩度色設定部
106 プリマッピング部
107 最大彩度色用メインマッピング部
108 色域形状制御係数算出部
109 プリマッピング部
110 メインマッピング部
111 直交座標変換部
112 受信デバイス駆動装置
113 受信デバイス用プロファイル
114 受信デバイス
701 被験者
702 CRTディスプレイまたはプリンタ
703 テスト刺激のカラーパッチ
704 観察者の応答を計算機に入力する応答操作
705 計算機
901 発信ディバイス測色値入力部
902 発信デバイス色再度飽和度算出部
903 プリマップド再度算出部
904 プリマップド測色値出力部
905 明度差成分分散データベース
906 発信デバイス用カスプデータベース
907 受信デバイス用カスプデータベース
908 カスプ明度差補正係数算出部
909 発信デバイスカスプマッピング部
910 色域境界明度圧縮部
911 無彩色明度算出部
912 プリマップド明度算出部
1001 プリマップド測色値入力部
1002 重心制御点マッピング部
1003 表面制御点マッピング部
1004 色域形状制御計数入力部
1005 受信デバイス測色値出力部
1101 発信デバイス用カラーネーミングデータベース
1102 受信デバイス用カラーネーミングデータベース
1103 発信デバイス用表面制御点データベース
1104 測色値入力部
1105 発信デバイス用正規化距離算出部
1106 重心マッピング実行部
1107 重心差分重み付け計数算出部
1108 表面制御点マッピング抑制計数算出部
1109 マッピング実行部
1110 重心制御点差分行列算出部
1111 プリマッピング部
1112 測色値出力部
1201 発信デバイス用表面制御点データベース
1202 受信デバイス用表面制御点データベース
1203 測色値入力部
1204 発信デバイス色再度飽和度算出部
1205 表面制御点マッピング抑制計数算出部
1206 表面制御点差分行列算出部
1207 プリマッピング部
1208 表面差分重み付け計数算出部
1209 マッピング実行部
1210 測色値出力部
1400 色情報交換装置
1401 発信デバイス
1402 発信デバイス駆動装置
1403 発信デバイス用プロファイル
1404 極座標変換部
1405 最大彩度色設定部
1406 最大彩度色用メインマッピング部
1407 色域形状制御係数算出部
1408 マッピング部
1409 直交座標変換部
1410 受信デバイス駆動装置
1411 受信デバイス用プロファイル
1412 受信デバイス

Claims (10)

  1. 発信デバイスからの色情報である色空間内の測色値を受信デバイスの色空間にマッピングして伝達する色情報交換方法であって、
    前記発信デバイスの測色値を、色の明度、彩度、色相に変換する変換ステップと、
    (1)前記発信デバイスの色域内における彩度の最大値と前記変換された彩度との比と、(2)前記発信デイバスと前記受信デバイスの明度の関係から算出される受信デバイスの色域における明度軸上の点と、(3)前記測色値に対する発信デバイスの色域内におけるカスプ点に基づき算出される受信デバイスの色域境界線上の点と、に基づき、前記(2)の明度軸上の点と、前記(3)色域境界線上の点とを結ぶ線上で、かつ、前記(3)色域境界線上の彩度との比が、前記(1)の彩度の比となる点を、前記プリマッピング点として定めるプリマッピングステップと、
    前記発信デバイスにおける、色の種類を示す色カテゴリ毎の重心と前記受信デバイスにおける色カテゴリ毎の重心との差分を重み付け加算する重心制御点マッピングステップと、
    前記発信デバイスにおける色域表面、又は、色域表面付近に設定される点である発信デバイス表面制御点と前記受信デバイスにおける色域表面、又は、色域表面付近に設定される点である受信デバイス表面制御点との差分を重み付け加算する表面制御点マッピングステップと、
    前記プリマッピングステップで定められたプリマッピング点前記重心制御点マッピングと前記表面制御点マッピングとを調整する重みである表面制御点抑制係数によって重み付けられた前記重心制御点マッピングと、前記表面制御点抑制係数により重み付けた前記表面制御点マッピングと、を加算することで、前記受信デバイスにおける色空間へマッピングするメインマッピングステップと、を具備する色情報交換方法。
  2. 前記プリマッピングステップにおける(2)の受信デバイスの色域における明度軸上の点は、前記発信デバイスの色域内における明度の最大値と明度の最小値との差に対する、前記受信デバイスの色域内における明度の最大値と明度の最小値との差の比から算出される、請求項1記載の色情報交換方法。
  3. 前記プリマッピングステップにおける(3)の受信デバイスの色域境界線上の点は、前記発信デバイスの色域内における明度の最小値と前記発信デバイスのカスプ点の明度との差に対する、発信デバイスの色域内における明度の最小値と前記測色値との差の比と、受信デバイスの色域境界線上にマッピングした発信デバイスのカスプ点の明度と前記発信デバイスの色域内における明度の最小値との差と、を乗じて算出される、請求項1記載の色情報交換方法。
  4. 前記重心制御点マッピングステップにおける、発信デバイスの1の色カテゴリについての重み付け加算の重み係数は、
    発信デバイスが有する色カテゴリごとに、前記発信デバイスが有する色カテゴリの重心ベクトルと分散共分散行列とに基き算出される前記測色値と前記色カテゴリの前記重心ベクトル間の正規化距離の逆数を、前記発信デバイス中のすべての色カテゴリについて足し合わせた和に対する、前記測色値から前記発信デバイス中の前記1の発信デバイスの色カテゴリの重心までの正規化距離の逆数の比から算出される、請求項1記載の色情報交換方法。
  5. 前記表面制御点マッピングステップにおける、発信デバイスの1の表面制御点についての重み付け加算の重み係数は、
    発信デバイスが有する色カテゴリごとに、前記発信デバイスが有する色カテゴリの表面制御点ベクトルと前記測色値とのユークリッド距離の逆数を、前記発信デバイス中のすべての色カテゴリについて足し合わせた和に対する、前記測色値から前記発信デバイス中の前記1の発信デバイスの色カテゴリの表面制御点までのユークリッド距離の逆数の比から算出される、請求項1記載の色情報交換方法。
  6. 発信デバイスからの色情報である色空間内の測色値を受信デバイスの色空間にマッピングして伝達する色情報交換装置であって、
    前記発信デバイスの測色値を、色の明度、彩度、色相に変換する極座標変換部と、
    (1)前記発信デバイスの色域内における彩度の最大値と前記変換された彩度との比と、(2)前記発信デイバスと前記受信デバイスの明度の関係から算出される受信デバイスの色域における明度軸上の点と、(3)前記測色値に対する発信デバイスの色域内におけるカスプ点に基づき算出される受信デバイスの色域境界線上の点と、に基づき、前記(2)の明度軸上の点と、前記(3)色域境界線上の点とを結ぶ線上で、かつ、前記(3)色域境界線上の彩度との比が、前記(1)の彩度の比となる点を、プリマッピング点として定めるプリマッピング部と、
    前記発信デバイスにおける、色の種類を示す色カテゴリ毎の重心と前記受信デバイスにおける色カテゴリ毎の重心との差分を重み付け加算する重心制御点マッピング部と、
    前記発信デバイスにおける色域表面、又は、色域表面付近に設定される点である発信デバイス表面制御点と前記受信デバイスにおける色域表面、又は、色域表面付近に設定される点である受信デバイス表面制御点との差分を重み付け加算する表面制御点マッピング部と、
    前記プリマッピング点前記重心制御点マッピングと前記表面制御点マッピングとを調整する重みである表面制御点抑制係数によって重み付けられた前記重心制御点マッピングと、前記表面制御点抑制係数により重み付けた前記表面制御点マッピングと、を加算することで、前記受信デバイスにおける色空間へマッピングするメインマッピング部と、
    を具備する色情報交換装置。
  7. 前記プリマッピング部における(2)の受信デバイスの色域における明度軸上の点は、前記発信デバイスの色域内における明度の最大値と明度の最小値との差に対する、前記受信デバイスの色域内における明度の最大値と明度の最小値との差の比から算出される、請求項6記載の色情報交換装置。
  8. 前記プリマッピング部における(3)の受信デバイスの色域境界線上の点は、前記発信デバイスの色域内における明度の最小値と前記発信デバイスのカスプ点の明度との差に対する、発信デバイスの色域内における明度の最小値と前記測色値との差の比と、受信デバイスの色域境界線上にマッピングした発信デバイスのカスプ点の明度と前記発信デバイスの色域内における明度の最小値との差と、を乗じて算出される、請求項6記載の色情報交換装置。
  9. 前記重心制御点マッピングステップにおける重み付け加算の重み係数は、発信デバイスの1の色カテゴリについての重み付け加算の重み係数は、
    発信デバイスが有する色カテゴリごとに、前記発信デバイスが有する色カテゴリの重心ベクトルと分散共分散行列とに基き算出される前記測色値と前記色カテゴリの前記重心ベクトル間の正規化距離の逆数を、前記発信デバイス中のすべての色カテゴリについて足し合わせた和に対する、前記測色値から前記発信デバイス中の前記1の発信デバイスの色カテゴリの重心までの正規化距離の逆数の比から算出される、請求項6記載の色情報交換装置。
  10. 前記表面制御点マッピングステップにおける重み付け加算の重み係数は、
    前記表面制御点マッピングステップにおける、発信デバイスの1の表面制御点についての重み付け加算の重み係数は、
    発信デバイスが有する色カテゴリごとに、前記発信デバイスが有する色カテゴリの表面制御点ベクトルと前記測色値とのユークリッド距離の逆数を、前記発信デバイス中のすべての色カテゴリについて足し合わせた和に対する、前記測色値から前記発信デバイス中の前記1の発信デバイスの色カテゴリの表面制御点までのユークリッド距離の逆数の比から算出される、請求項6記載の色情報交換装置。
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