JP4357125B2 - 中性子検出器の中性子感度測定方法 - Google Patents

中性子検出器の中性子感度測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中性子束を測定する中性子検出器の中性子感度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所などにおいて中性子束の測定に使用される一般的な中性子検出器、たとえば核分裂電離箱は、図7に模式的に示すように、容器10内に陽極11および陰極12などを配置した構造になっている。また、陽極および陰極の両方またはその一方の表面に核分裂物質13がコーティングされ、容器10内の陽極11および陰極12の間の空間に電離ガスが充填されている。そして、陽極および陰極の間に、電流計14を介して直流電源15が接続される。
【0003】
上記した構成の核分裂電離箱に中性子Yが照射されると、核分裂物質が核分裂し、核分裂破片によって電離ガスが電離する。電離したイオンや電子は陽極および陰極に収集され、陽極および陰極間に電流が流れる。このとき、陽極および陰極間に流れる電流が電流計14で測定され、電流の大きさと中性子束とが比例関係にあることを利用して、中性子束が測定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
核分裂電離箱の場合、上記したように陽極および陰極間に流れる電流と照射された中性子束とが比例関係にあることを利用して、中性子束を測定している。そのため、核分裂電離箱については、予め、中性子感度が測定され、その中性子感度をもとに中性子束の測定が行われる。
【0005】
従来、核分裂電離箱の中性子感度を測定する方法としては、たとえば原子炉等を利用して核分裂電離箱に中性子を照射し、照射した中性子量と核分裂電離箱の陽極および陰極間に流れた電流との関係から中性子感度を求める方法が採用されている。
【0006】
この方法は、核分裂電離箱への中性子の照射に使用される原子炉等が減少しているという問題、あるいは、核燃料物質を放射線管理区域外に搬出しなければならないという問題がある。また、中性子の照射に伴う作業員の被曝という問題もあり、中性子感度の測定に要する工数や費用が増大している。
【0007】
一方、陽極および陰極の少なくとも一方に付着させる核分裂物質に他の特定の元素を混合させ、実際に中性子を照射することなく、陽極および陰極間に電圧を印加してα線電流を測定し、このα線電流特性からその核分裂型中性子検出器の健全性や中性子感度を検査する方法が、特公昭63−56956号公報に開示されている。
【0008】
しかしながら、この方法は、中性子検出器の電極間寸法やケーブルの絶縁抵抗のばらつき等のために高精度の中性子感度が得難く、更なる改良の余地が認められる。
【0009】
本発明は、上記した欠点を解決するもので、中性子を照射することなく中性子検出器の中性子感度を高精度で測定できる中性子検出器の中性子感度測定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、相対向して配置された陽極および陰極の少なくとも一方に親核種を含む核分裂物質がコーティングされ、かつ、前記陽極および前記陰極間に電離ガスが充填された中性子検出器の中性子感度測定方法において、前記中性子検出器に中性子を照射しない状態で、前記陽極および前記陰極に所定電位差の電圧を印加して核分裂物質が放出するα線による電離ガスの電離によって前記陽極および前記陰極間に流れるα線電流(Iα)を測定し、前記印加電圧の少なくとも50Vの範囲で前記印加電圧とα線電流(Iα)とが実質的に比例関係をなす測定領域を基準にして前記比例関係から外挿法により前記陽極および前記陰極間の印加電圧が0Vにおける外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求め、この外挿0Vα線電流値(Iα0 )を中性子感度に相関させる中性子検出器の中性子感度測定方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1の概略構成図を参照して説明する。同図の核分裂電離箱型中性子検出器20は、検出器本体部21と同軸ケーブル22とが一体化されている。そして、検出器本体部21は、ステンレス鋼のような円筒状の気密容器23の内壁にチタンのような円筒状の陰極24が密接して配置され、この陰極24の内周面に核分裂物質25がコーティングされている。
【0012】
さらに、気密容器23の中心部には、ステンレス鋼のような円柱状の陽極26が、両端部のセラミックス絶縁体27、28により、陰極の核分裂物質25と所定間隙Gを介して同軸状にかつ電気的に絶縁して配置されている。陽極26および陰極24間には例えばアルゴンのような電離ガスが充填されている。陰極24および気密容器23は同軸ケーブル22の外導体22aに接続され、陽極26は中心導体22bに接続されている。この同軸ケーブル22は、長さが10m以上であるのが一般的である。
【0013】
この中性子検出器20は、以下に述べる特性測定時や実際の使用時に、陽極26および陰極24間に電流計29を介して可変直流電源30が接続される。
【0014】
なお、陽極26の直径Dは例えば3mm、陰極24と陽極26との実質的な動作領域の長さLは例えば25mm、陰極24と陽極26との間の間隙G(片側)は例えば0.25mmであり、電離ガスの圧力は例えば1気圧(約1×105 Pa)である。また、核分裂物質25は、この中性子検出器の長寿命化のために、主として、U−235とU−234との混合物である。
【0015】
上記した構成において、検出器本体部21に中性子が照射されると、核分裂物質が核分裂し、核分裂破片によって電離ガスが電離する。電離したイオンや電子は陽極および陰極に収集され、陽極および陰極間に電流が流れる。このとき、陽極および陰極間に流れる電流の大きさと中性子束とが比例関係にあることを利用して、予め測定された中性子感度をもとに中性子束が測定される。
【0016】
ところで、核分裂電離箱型中性子検出器の場合、その中性子感度は、核分裂物質の量および陽極と陰極の電極間隔、電離ガス圧に比例することがわかっている。また、核分裂電離箱型中性子検出器は、中性子が照射しない状態でも、陽極や陰極にコーティングした核分裂物質からα線が放出され、これによって電離ガスが電離し、陽極および陰極間に微弱なα線電流が流れる。
【0017】
そこで、図1に示した核分裂電離箱型中性子検出器について、中性子を照射しない状態において、陽極および陰極間に印加する電圧を変えてα線電流値(Iα)を測定したところ、図2に示す特性が得られた。同図の横軸は陽極および陰極間に印加した直流電圧、縦軸はα線電流値(Iα)である。
【0018】
図2に示すように、α線電流特性は、印加電圧が0Vから40V〜60V付近まではα線電流値(Iα)が急激に増加してから緩やかな増加傾向を示している。とくに、印加電圧が0Vから40V付近までのこのような特性は、印加電圧が低いほどα線による電離イオンや電子を陽極および陰極に十分捕捉できないためであると考えられる。
【0019】
そして、印加電圧が40V〜60V付近から180V〜200V付近までは、α線電流値(Iα)がわずかな増加を示すとともに印加電圧とα線電流値(Iα)とがほぼ比例関係を示している。この領域では、主として同軸ケーブルの内外導体の抵抗やリーク電流の影響により、印加電圧の増加とともに電流値がやや増加しているものと考えられる。
【0020】
さらに、印加電圧が200V前後以上になると、α線電流値(Iα)は比較的急激に増加する傾向を示している。これは、高過ぎる印加電圧のために、陽極および陰極間の電離ガスによる一部の放電電流が加わってくるためであると考えられる。
【0021】
ここで、印加電圧が40V付近から200V付近、とくに60V付近から180V付近までの間の、印加電圧とα線電流値(Iα)とがほぼ比例関係を示す特性領域から、外挿法により直線的に延長して印加電圧が0Vに対応するα線電流値(Iα0 )を演算または推定し、これを「外挿0Vα線電流値(Iα0 )」と定義する。そして、これは、印加電圧が少なくとも50Vの電位差において、この印加電圧とα線電流値(Iα)とがほぼ比例関係を示す領域から外挿法により求める。
【0022】
ところで、この外挿0Vα線電流値(Iα0 )は、核分裂物質の量や、陽極と陰極の電極間隔、電離ガス圧等のそれぞれと比例する関係にあることも確認できた。したがって、核分裂電離箱型中性子検出器の場合、外挿0Vα線電流値(Iα0 )と実際の中性子照射による中性子感度とは、一方が増減すれば他方も増減する比例関係になっていることが認められた。
【0023】
ここで外挿0Vα線電流値(Iα0 )と中性子感度との相関関係の一例を図3に示す。図3の横軸(x軸)は外挿0Vα線電流値(Iα0 )(単位:10-11 A)、縦軸(y軸)は中性子感度Sn(単位:10-17 A/nV)で、外挿0Vα線電流値(Iα0 )と中性子感度Snとの相関関係、いわゆる直交座標上における関係式は、符号Pで示すように、例えば、y=0.1298xとなり、外挿0Vα線電流値(Iα0 )と中性子感度Snは良好な比例関係になっている。
【0024】
したがって、特定型式の核分裂電離箱については、図3に示すように、たとえば直交座標の横軸に外挿0Vα線電流値(Iα0 )をとり、縦軸に中性子感度Snをとり、両者の相関関係を求めておけば、外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求めることによって、その相関係数たとえば関係式の勾配(図3の場合は0.1298)を乗ずることにより中性子感度Snが求められる。
【0025】
なお、このような核分裂電離箱型中性子検出器において、リーク電流がない場合には、印加電圧に関係なく陽極および陰極間に一定の電流が流れる。したがって、リーク電流がない核分裂電離箱型中性子検出器の外挿0Vα線電流値(Iα0 )は、その陽極と陰極との間に特定の電圧を印加し、その時に陽極および陰極間に流れる電流の大きさで決定される。
【0026】
勿論、このようにリーク電流がない核分裂電離箱型中性子検出器の場合でも、大きさの異なる複数の電圧を印加し、同時に、それぞれの電圧を印加した場合に陽極および陰極間に流れるα線電流の大きさを測定し、上述のように外挿0Vα線電流値(Iα0 )を決定することもできる。すなわち、複数の電圧と電流の大きさとの関係を直交座標上に表示し、直線近似する外挿法などで外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求めることができる。
【0027】
しかし、核分裂電離箱型中性子検出器のα線電流値に対しリーク電流が無視できない場合は、印加電圧が変化すると、リーク電流が影響して印加電圧に対するα線電流値(Iα)が比較的大きな傾きを持つようになる。
【0028】
そのため、リーク電流が無視できない場合における印加電圧と外挿0Vα線電流値(Iα0 )との関係の一例を図4に示す。図4の横軸は陽極及び陰極間の印加電圧(単位:V)、縦軸はα線電流値(Iα)(単位:10-11 A)である。そして、符号Q1、Q2、Q3は、外挿0Vα線電流値(Iα0 )が、たとえば5.42×10-11 A、5.48×10-11 A、5.33×10-11 Aであるそれぞれの特性を示している。
【0029】
図4に示すように、α線電流値に対しリーク電流が無視できない場合は、リーク電流の影響により印加電圧の変化に対してα線電流値(Iα)が傾きを持っている。そのため、単一の印加電圧でα線電流値(Iα)を測定すると、リーク電流による誤差が生じる。
【0030】
このように、リーク電流が無視できない場合は、たとえば印加電圧を変化させ、印加電圧の大きさが相違する複数の電圧値でα線電流値(Iα)を測定する。そして、図4に示すように印加電圧を横軸、α線電流値(Iα)を縦軸にとり、両者の関係を直交座標上に表示すれば、直線近似いわゆる外挿法によって、リーク電流の影響を除外して、印加電圧が0Vの場合における推定α線電流値すなわち外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求めることができる。
【0031】
こうして、外挿0Vα線電流値(Iα0 )と中性子感度とが比例関係にあるため、この相関関係から中性子感度を求めることができる。また、この方法によれば、リーク電流による誤差を排除できる。
【0032】
なお、中性子を照射しないでα線電流値(Iα)を測定する印加電圧は、40V以上、200V以下の範囲、より望ましくは、60V以上、150V以下の範囲が適切である。それによって、他の不所望な影響を実質的に排除してα線電流値(Iα)を高精度に測定することができ、且つ、印加電圧とα線電流値(Iα)との実質的な比例関係が得られ、外挿法による外挿0Vα線電流値(Iα0 )を高精度に得ることができる。
【0033】
なお、実際的には、中性子検出器の同軸ケーブルの抵抗値や各部でのリーク電流の発生が無視できない場合が少なくないので、実際に外挿0Vα線電流値(Iα0 )を測定する場合は、相異なる印加電圧によるα線電流値(Iα)の測定点は好ましくは少なくとも2点が必要であろう。
【0034】
そしてこのように、2点でのα線電流値が分かればその傾きが分かり、外挿0Vα線電流値(Iα0 )を外挿法などによって求めることができる。この場合、α線電流値を測定する印加電圧値の数が多いほど、比例領域が明確に把握できるとともに各測定点における測定誤差に対する真のα線電流値すなわち外挿0Vα線電流値(Iα0 )への影響が低減する。しかし、測定点を多くしても、測定点に対する誤差低減の影響は次第に小さくなる。そのため、α線電流値の測定に要する時間や測定精度などを考慮し、測定点の上限は20点程度に止めることが実際的である。
【0035】
また、核分裂物質にはU−235、Pu−239等がある。これらはα線崩壊核種で、半減期が異なり物質量に対するα線放出量が相違する。これらの物質には、不純物元素や同位体元素も含まれ、中性子検出器を製作する核分裂物質のロットが相違すると、核分裂電離箱の真のα線電流値すなわち外挿0Vα線電流値(Iα0)と中性子感度との相関関係も相違する。
【0036】
なお通常は、1ロットの核分裂物質により例えば12本〜50本の中性子検出器を製作する。そのため、核分裂物質のロット毎に製作した中性子検出器は明確に区別して管理する必要がある。
【0037】
ここで、ロットが相違する核分裂物質についてのα線電流値と中性子感度との関係の一例を図5に示す。図5の横軸(x軸)は外挿0Vα線電流値(Iα0 )(単位:10-11 A)、縦軸(y軸)は中性子感度Sn(単位:10-17 A/nV)で、符号R1、R2は、ロットが相違する核分裂物質の特性を示している。たとえば符号R1はy=0.1298xで示され、また直線R2はy=0.0998xで示される。
【0038】
このように核分裂物質を製作するロットが相違する場合は、外挿0Vα線電流値(Iα0 )と中性子感度との相関関係を核分裂物質のロットごとに求めておき、α線電流値の計測から外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求めれば、その相関関係たとえば相関係数から中性子感度が求まる。この方法によれば、核分裂物質のロットの相違により発生する誤差を排除できる。
【0039】
上記の例は、核分裂物質のロットごとに外挿0Vα線電流値(Iα0 )と中性子感度との相関関係を求め、その相関関係と外挿0Vα線電流値(Iα0 )から個別の核分裂電離箱の中性子感度を求めている。しかし、使用する核分裂物質に半減期が短いα線放出核種が含まれていると、時間の経過とともに核分裂物質のα線放出数が低下し、相関関係が変化する。
【0040】
このように相関関係が変化する例を、U−235とU−234の混合物質にRa−228(半減期5.75年)が微量に混入した場合で説明する。この場合、U−235とU−234によるα線と、Ra−228の娘核種であるTh−228、Ra−224、Rn−220、Po−216、Bi−212、Po−212によるα線が放出される。これらの娘核種はいずれもRa−228よりも半減期が短く、核分裂物質として製造した後に数年で平衡状態になる。このような核分裂物質を核分裂電離箱に使用すると、その使用年数にもよるが、Ra−228系列によるα線放出数が時間の経過とともに低下する。
【0041】
たとえばRa−228系列の場合、図6の符号S1で示すように外挿0Vα線電流値(Iα0 )が低下する。図6の横軸は年数、縦軸は外挿0Vα線電流値(Iα0 )を示し、符号S2はU−235とU−234との混合物の場合を示している。
【0042】
したがって、半減期の短い物質が含まれた核分裂物質を使用した核分裂電離箱の場合、外挿0Vα線電流値(Iα0 )が時間の経過で変化する。そのため、初期の外挿0Vα線電流値(Iα0 )をもとに決定した中性子感度をそのまま継続して使用すると、中性子束を測定する際の変換誤差が大きくなる。
【0043】
この場合、たとえば核分裂物質のロットごとに外挿0Vα線電流値(Iα0 )の時間変化を調べるための標準検出器を特定しておく。そして、この標準検出器の外挿0Vα線電流値(Iα0 )の減衰量を時間経過とともに測定し、同時期に製造した核分裂電離箱の外挿0Vα線電流値(Iα0 )を補正する。この方法によれば、α線放出の半減期が短い不純物が混入したことによる影響を除去できる。
【0044】
上記したように本発明は、核分裂電離箱に内蔵された核分裂物質が放出するα線によって電離ガスを電離させ、このとき核分裂電離箱に流れる電流値を測定してα線電流特性を求め、このα線電流特性から外挿法などにより外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求め、それによって核分裂電離箱型中性子検出器の中性子感度を求めている。したがって、中性子を照射することなく核分裂電離箱型中性子検出器の中性子感度を決定できる中性子感度測定方法である。
【0045】
なお、上記の実施形態では、陰極に核分裂物質でコーティングする場合で説明している。しかし、核分裂物質は陰極および陽極のいずれか一方、または両方にコーティングすることもできる。また、陰極や陽極にコーティングする材料を核分裂物質として表現しているが、この核分裂物質にはその親核種も含まれるものとする。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、中性子を照射することなく中性子検出器の中性子感度を高精度で測定できる中性子検出器の中性子感度測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための中性子検出器の要部縦断面図である。
【図2】中性子検出器の印加電圧とα線電流値(Iα)との関係及びそれから外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求め方法を説明するグラフである。
【図3】本発明の実施形態を説明するための特性図で、外挿0Vα線電流値(Iα0 )を求めと中性子感度(Sn)との相関関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態を説明するための特性図で、核分裂電離箱のα線電流値に対しリーク電流が無視できない場合の核分裂電離箱に印加される電圧とα線電流値との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態を説明するための特性図で、ロットが相違する核分裂物質と中性子感度との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態を説明するための特性図で、時間経過でα線電流値が変化する状態を示すグラフである。
【図7】一般的な電離箱型中性子検出器の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
20…核分裂電離箱、
21…中性子検出部、
22…同軸ケーブル、
23…気密容器、
26…陽極、
24…陰極、
25…核分裂物質、
29…電流計、
30…電源。

Claims (5)

  1. 相対向して配置された陽極および陰極の少なくとも一方に親核種を含む核分裂物質がコーティングされ、かつ、前記陽極および前記陰極間に電離ガスが充填された中性子検出器の中性子感度測定方法において、前記中性子検出器に中性子を照射しない状態で、前記陽極および前記陰極に所定電位差の電圧を印加して核分裂物質が放出するα線による電離ガスの電離によって前記陽極および前記陰極間に流れるα線電流(Iα)を測定し、前記印加電圧の少なくとも50Vの範囲で前記印加電圧とα線電流(Iα)とが実質的に比例関係をなす測定領域を基準にして前記比例関係から外挿法により前記陽極および前記陰極間の印加電圧が0Vにおける外挿0Vα線電流値(Iα0)を求め、この外挿0Vα線電流値(Iα0)を中性子感度に相関させることを特徴とする中性子検出器の中性子感度測定方法。
  2. 上記α線電流(Iα)を測定する工程での前記陽極および前記陰極間に印加する電圧は、40V以上、200V以下の範囲である請求項1記載の中性子検出器の中性子感度測定方法。
  3. 上記α線電流(Iα)を測定する工程における異なる印加電圧による測定点は、少なくとも2点以上である請求項1記載の中性子検出器の中性子感度測定方法。
  4. ロット毎の親核種を含む核分裂物質を複数の中性子検出器の各陽極および陰極の少なくとも一方にコーティングして前記複数の中性子検出器を製作し、前記ロット毎の複数の中性子検出器から抜き取りで選んだ少なくとも1つの中性子検出器について、前記中性子検出器に中性子を照射しない状態で、前記陽極および前記陰極に所定電位差の電圧を印加して核分裂物質が放出するα線による電離ガスの電離によって前記陽極および前記陰極間に流れるα線電流(Iα)を測定し、前記印加電圧の少なくとも50Vの範囲で前記印加電圧とα線電流(Iα)とが実質的に比例関係をなす測定領域を基準にして前記比例関係から外挿法により前記陽極および前記陰極間の印加電圧が0Vにおける外挿0Vα線電流値(Iα0)を求め、この外挿0Vα線電流値(Iα0)を中性子感度に相関させ、このように相関させた中性子感度を上記ロット毎の複数の中性子検出器の中性子感度とみなすことを特徴とする中性子検出器の中性子感度測定方法。
  5. ロット毎の親核種を含む核分裂物質を複数の中性子検出器の各陽極および陰極の少なくとも一方にコーティングして前記複数の中性子検出器を製作し、前記ロット毎の複数の中性子検出器から抜き取りで選んだ少なくとも1つを標準用中性子検出器とし、このロット毎の標準用中性子検出器に中性子を照射しない状態で、前記陽極および前記陰極に所定電位差の電圧を印加して核分裂物質が放出するα線による電離ガスの電離によって前記陽極および前記陰極間に流れるα線電流(Iα)を測定し、前記印加電圧の少なくとも50Vの範囲で該印加電圧とα線電流(Iα)とが実質的に比例関係をなす測定領域を基準にして前記比例関係から外挿法により前記陽極および前記陰極間の印加電圧が0Vにおける外挿0Vα線電流値(Iα0)を求め、この外挿0Vα線電流値(Iα0)を中性子感度に相関させ、さらに上記ロット毎の複数の中性子検出器の外挿0Vα線電流値(Iα0)を、上記標準用中性子検出器の製作時からの時間経過で測定した外挿0Vα線電流値(Iα0)の減衰量で補正し、上記ロット毎の複数の中性子検出器の当該時間経過の中性子感度として補正をすることを特徴とする中性子検出器の中性子感度測定方法。
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