JP4351106B2 - Mac生成装置及びmac生成プログラム - Google Patents

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この発明は、電子署名、電子証明書、電子認証、メッセージ改竄防止、改竄検知ないしウイルスチェック及びファイル管理などの情報セキュリティに用いると好適な鍵付のハッシュ値を生成するためのMAC生成装置及びMAC生成プログラムに関するものである。
情報セキュリティに用いられるハッシュ関数は、証拠生成側と認証側のように対向する複数の装置間で使用される関係上、暗号方式と同様に、いかなるアーキテクチャにおいても全く同一の結果が得られることを要請される。一般的なハッシュ値生成は、ブロック暗号を得る構成と同様の構造を有しており、例えば特許文献1、2に見られるように多段に渡るデータ拡散処理が用いられる。
特開2002−162902号公報 特開2002−162904号公報
一方、情報の秘匿化という観点からはカオス暗号が注目されている。カオス生成については、一般的に浮動小数点演算が用いられることが多い。しかしながら、浮動小数点演算を用いる場合には、プロセッサアーキテクチャの相違などにより、対向する複数の装置間で同一の値を得ることは困難である。
本発明は上記のような従来におけるハッシュ値生成における問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、シンプルな構成でありながら強力な情報攪乱を実現するMAC(鍵付ハッシュ値)生成装置を提供することである。また、特殊な演算補正手法などを用いることなく、いかなるプロセッサアーキテクチャによっても演算互換性を保つことができ、しかもコプロセッサ類を用いる必要がなく、汎用のプロセッサによる基本演算のみで実現可能なMAC生成装置を提供する。また、このMAC生成をプロセッサにより実現させるためのMAC生成プログラムを提供する。
本発明のMAC生成装置は、与えられるデータに基づきカオス演算を行うカオス演算部と、このカオス演算部が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変部と、前記カオス演算部による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出部とを、それぞれが具備する複数のカオスノイズ生成単位と、前記各カオスノイズ生成単位に具備されている各カオスノイズ抽出部の出力に対し順次に排他的論理和演算を行う第1の論理和演算部と、を具備する1次累計部と、与えられる鍵データに対してカオス演算を行い、得られたカオスノイズから前記1次累計部の初段におけるパラメータ可変部へ与える初期可変情報を作成する初期位相生成部と、与えられるデータに基づきカオス演算を行うカオス演算部と、このカオス演算部が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変部と、前記カオス演算部による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出部とを具備する1つのカオスノイズ生成単位を備え、前記第1の論理和演算部の出力を用いてカオスノイズを生成する2次拡散部と、前記1次累計部の出力と前記2次拡散部の出力の排他的論理和演算を行う第2の論理和演算部とを具備し、ハッシュ値算出の対象となる対象データを複数のブロックに分割して分割されたブロックのデータをそれぞれ前記1次累計部の各カオス生成単位へ与えると共に、鍵データを前記初期位相生成部及び前記1次累計部及び前記2次拡散部における全てのパラメータ可変部へ与えてハッシュ値を生成することを特徴とする。
本発明のMAC生成装置は、前記1次累計部における各カオスノイズ生成単位のパラメータ可変部はカスケード接続されており、前段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部から出力されるパラメータ値を後段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部へ伝達して、後段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせることを特徴とする。
本発明のMAC生成装置は、前記1次累計部における最終段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部は2次拡散部におけるパラメータ可変部と接続されており、最終段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部から出力されるパラメータ値を2次拡散部のパラメータ可変部へ伝達して、2次拡散部のパラメータ可変部においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせることを特徴とする。
本発明のMAC生成装置は、前記1次累計部における各カオスノイズ生成単位のカオス演算部はカスケード接続されており、前段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部から出力されるカオス演算結果を後段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部へ伝達して、後段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うことを特徴としている。
本発明のMAC生成装置は、前記1次累計部における最終段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部は2次拡散部におけるカオス演算部と接続されており、最終段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部から出力されるカオス演算結果を前記2次拡散部のカオス演算部へ伝達して、前記2次拡散部のカオス演算部においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うことを特徴としている。
本発明のMAC生成プログラムは、鍵データ及びハッシュ値算出の対象となる対象データからハッシュ値を生成するコンピュータを、ハッシュ値算出の対象となる対象データを複数のブロックに分割して分割された各ブロックのデータを用いて、カオス演算を行うカオス演算手段と、このカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変手段と、前記カオス演算手段による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出手段とからなる複数のカオスノイズ生成単位処理手段と、前記各カオスノイズ生成単位処理手段において行われる各カオスノイズ抽出手段により抽出されたカオスノイズに対し順次に排他的論理和演算を行う第1の論理和演算手段と、により構成される1次累計処理手段と、与えられる鍵データに対してカオス演算を行い、得られたカオスノイズから前記1次累計処理手段の初段におけるパラメータ可変ステップへ与える初期可変情報を作成する初期位相生成手段と、前記第1の論理和演算手段により得られる値に基づきカオス演算を行うカオス演算手段と、このカオス演算手段が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変手段と、前記カオス演算手段による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出手段とを実行する単一のカオスノイズ生成単位処理手段により構成される2次拡散処理手段と、前記1次累計処理手段の結果と前記2次拡散処理手段の結果の排他的論理和演算を行う第2の論理和演算手段と、して機能させ、更に、鍵データを前記初期位相生成手段及び前記1次累計処理及び前記2次拡散処理手段における全てのパラメータ可変手段へ与えるように前記コンピュータを機能させることを特徴とする
本発明のMAC生成プログラムは、前記1次累計処理手段において、各カオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段では、前段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段にて得られるパラメータ値を後段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段へ伝達し、後段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせるように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のMAC生成プログラムは、前記1次累計処理手段における最終段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段によるパラメータ値を2次拡散処理ステップにおけるパラメータ可変手段へ伝達し、該2次拡散処理手段のパラメータ可変手段においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせるように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のMAC生成プログラムは、前記1次累計処理手段において、各カオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段では、前段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段から出力されるカオス演算結果を後段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段へ伝達し、後段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のMAC生成プログラムは、前記1次累計処理手段における最終段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段により得られるカオス演算結果を、2次拡散処理手段におけるカオス演算手段へ伝達し、前記2次拡散処理手段のカオス演算手段においては、前記伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、整数演算によるカオス演算を利用しているが、パラメータ可変を行っているので、シンプルな構成でありながら強力な情報攪乱を実現できる。また、特殊な演算補正手法などを用いることなく、いかなるプロセッサアーキテクチャによっても演算互換性を保つことができ、しかもコプロセッサ類を用いる必要がなく、汎用のプロセッサによる基本演算のみで実現可能である利点を有する。
以下添付図面を参照して、本発明のMAC装置、MAC方法及びMAC生成プログラムの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本発明に係るMAC生成装置の第1の実施例を示す。この実施例に係るMAC生成装置は、初期位相生成部25と1次累計部1と2次拡散部2とを備えている。上記初期位相生成部25は、1次累計部1による処理の前に、パラメータAの初期位相(初期値)を決定するもので、予めz回のMAC鍵によるカオスの算出期間を設け、算出結果における最後のカオスノイズからw個のカオスノイズを初期値A[jA ](1≦jA ≦W)として用いる。そして、鍵データの鍵長は、2の羃乗であるWバイトを想定する。初期位相生成部25による処理は、後に説明する。初期位相生成部25による処理結果である上記初期値A[jA ](1≦jA ≦W)は、初段のカオス生成単位11−1におけるパラメータ可変部13−1へ与えられる。また、MAC鍵データ24は初期位相生成部25及び1次累計部1及び2次拡散部2における全てのパラメータ可変部13−1〜13−M、22及びカオス演算部21へ与えられる。
1次累計部1には、M個のカオスノイズ生成単位11−1〜11−Mが備えられている。カオスノイズ生成単位11−1〜11−Mは同一の構成であるため、カオスノイズ生成単位11−1を代表として説明する。カオスノイズ生成単位11−1には、与えられるデータに基づきカオス演算を行うカオス演算部14−1と、このカオス演算部14−1が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変部13−1と、上記カオス演算による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出部15−1とが具備されている。
このハッシュ値を生成するMAC生成装置においては、ハッシュ値算出の対象となるLバイトの対象データを、Nバイトずつの複数(M個)のブロックに分割して、分割されたブロックのデータをそれぞれ1次累計部1の各カオス生成単位11−1〜11−Mへ与えてハッシュ値を生成する。初段のカオス生成単位11−1に対しては、Lバイトである対象データの最初のブロックのデータ(Nバイト)12−1が与えられる。対象データ長がLバイトであり、必ずしもNバイトで割り切れるとは限らない。つまり、M分割された第Mブロック目(最終ブロック)のデータは、Nバイトであるとは限らない。そこで、第Mブロック目においては、Nバイトに満たない部分にNバイトとなるまで所定のデータ(例えば、オール0或いはオール1)をパディングする。最終段のカオス生成単位11−Mに対しては、上記のように、必要な場合にパディングを行ったNバイトのデータ12−Mが与えられる。
カオス演算部14−1〜14−Mでは、整数演算によりカオス生成を行う。ここで、整数演算化拡大設計された写像であれば、どのようなカオス写像を用いても良いのであるが、整数演算によりカオスの量子化状態総数が大幅に減少することに基づく短周期性を補完するため、第1条件として、パラメータを定期変動させる手法を採用し、第2条件として、連続した幅広いカオス領域の確保が可能な写像を設計して用いる。これらについては、本願発明者が提案した特願2001−346658に開示の関数群と手法を用いることができる。つまり、特願2001−346658においては、第1条件として、整数演算化カオス関数とパラメータスケジューリング関数の併用を行っており、第2条件として、例えばロジスティック写像のように、幅広い連続したカオス領域が得られない写像を用いないようにしている。
ここでは簡単のために、「変形テント写像」を例示して説明する。図2に示されるように、写像範囲[0,2S]、写像中心Sとした場合に、右側の写像[S,2S]は、x=2S−xなる処理を行うことにより、左側の写像[0,S]と同等となるので、
x=A/Sx+B (1)
と表すことができる。
上記において、S=2K であれば(Sが2の羃乗であれば)、
x=((A×x)>>K)+B (2)
(>>は、右ビットシフト演算)
のように、ビット演算によって表すことができる。この演算がカオス演算部14−1〜14−Mにより行われる。1次累計部1における各カオスノイズ生成単位11−1〜11−Mのカオス演算部14−1〜14−Mはカスケード接続されており、前段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部から出力されるカオス演算結果を後段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部へ伝達して、後段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行う。従って、(2)式における右辺のxは、伝達されたカオス演算結果を示している。そして、初段のカオスノイズ生成単位11−1において用いるxの初期値は、写像範囲内の任意の所定値を採用するものとする。
また、写像の最大値が2Sであるから、S=2K を考慮して、2S=2(K+1) となり、カオス信号は(K+1)ビットである。
従って、(2)式((1)式)では、1サイクル毎に(K+1)ビットのカオス信号が生成され、その生成されたカオス信号の内の下位8ビットを有効乱数値として抽出することを考えると、該下位8ビットの有効乱数値(noise)は、
noise=x&255 (3)
(&はビット毎のAND演算)
である。なお、上記の下位8ビットが乱数値として有効であることは、先に挙げた特願2001−346658において述べた通りである。この下位8ビットの抽出は、カオスノイズ抽出部15−1〜15−Mが実行する。
上記(1)式において、A、Bの値が任意に指定可能なパラメータ範囲を示し、A、Bの指定幅をそれぞれΔA、ΔBとし、Bの基底値をB0とすると、
2S−ΔB−B0−ΔA≦A<2S−ΔB−B0 (4)
B0≦B<B0+ΔB (5)
の範囲となる。つまり、パラメータスケジューリング関数は、(4)式及び(5)式の範囲でパラメータの変動及びスケジューリングを行うための関数である。なお、本発明では、パラメータを変動させるための情報(可変情報)をMAC鍵データ24及びハッシュ生成の対象データ12−1〜12−Mから得る。上記において、写像範囲を2S乃至216とすると、前述のようにS=2K であるから、K=15となり、パラメータに関しては、ΔA、ΔBとして4096前後の素数を指定し、B0として1以上の数を指定すれば良い。
パラメータ可変部13−1〜13−Mは、パラメータスケジューリングを行う。このパラメータスケジューリングにおいては、パラメータをカオス演算の1サイクル毎に変動させることを基本とする。また、パラメータの可変範囲は前述の(4)式及び(5)式により与えられる範囲であり、パラメータを変動させるための情報である可変情報をMAC鍵データ24及びハッシュ生成の対象データ12−1〜12−Mから得るものである。
ここで、カオス演算の1サイクルにおいて8ビット(1バイト)のMAC鍵データと8ビット(1バイト)の対象データを扱い、8ビット(1バイト)のカオス乱数を生成するものとすると、パラメータを変動させるための情報である可変情報はMAC鍵データ(1バイト)に対象データ(1バイト)を加えた合計2バイトである。そして、パラメータAとしてMAC鍵データを使用し、パラメータBとして対象データを使用することとする。パラメータAに対応する可変情報KAとしては、MAC鍵データの先頭から順に1バイト単位で抽出を行って、対象データの1バイトのバイナリ値をそのまま使用する。また、この可変情報が短期間に広範囲を巡回するようにするため、補正値KA0(256≦KA0<ΔA−256)を加えて可変情報KAを作成すると、
KA=Key+KA0 (6)
(Keyは、MAC鍵データの1バイトのバイナリ値(0≦Key<255))
である。
上記において、
A0=2S−ΔB−B0−ΔA:パラメータA基底値 (7)
ΔA(素数値) :パラメータ指定可能範囲 (8)
とすると、上記(4)式は、
A0≦A<A0+ΔA (9)
と表すことができる。
そこで、パラメータAに関するスケジューリング関数を次のように与える。
A=fmod(A+KA,ΔA)+A0 (10)
又はA=fmod(A+Key+KA0,ΔA)+A0 (10’)
ここにおいて、fmod(a,b)は、aをbにより割り算した場合の余りであり、例えば、fmod(7,3)は7÷3を示し、その演算結果は1である。
一方、パラメータBに対する可変情報KBは、対象データのバイナリ値innをそのまま使用する。また、この可変情報が短期間に広範囲を巡回するようにするため、補正値KB0(256≦KB0<ΔB−256)を加えて可変情報KBを作成すると、
KB=inn+KB0 (11)
(innは、対象データの1バイトのバイナリ値(0≦inn≦255))
である。
そこで、パラメータBに関するスケジューリング関数を次のように与える。
B=fmod(B+KB,ΔB)+B0 (12)
又はB=fmod(B+inn+KB0,ΔB)+B0 (12’)
また、KA0、ΔA、A0、KB0、ΔB、B0は、特にここでは定数値扱いであるから、
A=gA (A,Key)
B=gB (B,inn) (13)
により示される関数gA 、gB により表現することとする。
なお、本実施例では、ハッシュ生成のMAC鍵データがWバイトであるから、1バイト単位に分割してW個のパラメータA[1]、A[2]、A[3]、・・・、A[W]を用意し、これを
A[jA ] (1≦jA ≦W) (14)
とする。
従って、(10)式、(10’)式により、jA 番目のパラメータA[jA ]は、
A[jA ]=fmod(A[jA ]+KA[jA ],ΔA)+A0 (15)
又は
A[jA ]=fmod(A[jA ]+key[jA ]+KA0,ΔA)+A0
(15’)
と表す。
また、本実施例では、ハッシュ生成の対象データをNバイト単位に分割したブロックのデータとして扱うため、N個のパラメータB[1]、B[2]、B[3]、・・・、B[N]を用意し、これを
B[jB ] (1≦jB ≦N) (16)
とする。
ここで、1次累計部1における各カオスノイズ生成単位11−1〜11−Mのパラメータ可変部13−1〜13−Mはカスケード接続されており、前段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部から出力されるパラメータ値を後段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部へ伝達して、後段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせている。
また前述の通り、各カオスノイズ生成単位11−1〜11−Mにおいて、前段のカオスノイズ生成単位のパラメータB[jB ]は後段のカオスノイズ生成単位へ伝達され、後段のカオスノイズ生成単位が実行する同じサイクルにおいてパラメータ可変部が伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせている。従って、上記(12)式(12’)式は、
B[jB ]=fmod(B[jB ]+KB[jB ],ΔB)+B0 (17)
又は
B[jB ]=fmod(B[jB ]+inn[jB ]+KB0,ΔB)+B0
(17’)
と表す。同じく、(12)式は、
A[jA ]=gA (A[jA ],Key[jA ])
B[jB ]=gB (B[jB ],inn[jB ]) (18)
という関数形式で表すことができる。式の右辺におけるA[jA ]やB[jB ]は、前段から伝達されたパラメータを示す。
カオス関数である(2)式を次のように関数fを用いて表すと、ノイズ抽出式である(3)式は次のようになる。
x=f(A[jA ],B[jB ],x)
noise[jB ]=f(A[jA ],B[jB ],x)&255 (19)
上記表現により、各カオスノイズ生成単位11−1〜11−Mでは第jA サイクル目、第jB サイクル目においては、次の通りの処理が実行される。
//パラメータAスケジューリング//の処理では、
A[jA ]=gA (A[jA ],Key[jA ])
//パラメータBスケジューリング//の処理では、
B[jB ]=gB (B[jB ],inn[jB ])
//カオス演算、ノイズ抽出、ハッシュ値生成//の処理では、
h1[jB ]=h1[jB ]^(f(A[jA ],B[jB ],x)&255) (20)
(^はビット毎のXOR、h1[jB ]は1バイトハッシュ値)
この(20)式における排他的論理和演算は、第1の論理和演算部16−2〜16−Mにおいて行われる。つまり、各カオスノイズ抽出部15−1〜15−Mにおいては、1サイクル毎に得られる noise[jB ]を順次につなぎ合わせてNバイトのハッシュ値を出力する。
第1の論理和演算部16−2〜16−Mにおいては、前段のカオスノイズ生成単位から出力されたNバイトのハッシュ値((20)式の右辺におけるh1[jB ]をつなぎ合わせたNバイトのデータ)と、当該第1の論理和演算部に対応するカオスノイズ生成単位から出力されたNバイトのノイズ値( noise[jB ]を順次につなぎ合わせたNバイトのデータ)との排他的論理和演算を行う。この処理結果が上記(20)式により1バイト単位で表現されている。
上記の(18)式から明らかなように、B[jB ]は、パラメータ値として後段のカオスノイズ生成単位に送られる。また、初段のカオスノイズ生成単位11−1におけるA[jA ]とB[jB ]とh1[jB ]は初期値であり、次に示すように与えられる。
A[jA ](1≦jA ≦N) :MAC鍵固有のカオス演算初期値。
B[jB ](1≦jB ≦N) :(5)式で与えられる範囲内の任意値。簡単のために、基底値B0を用いても良い。
h1[jB ](1≦jB ≦N):全て0をセット (21)
次に、2次拡散部2について説明する。この2次拡散部2は、カオス初期条件敏感性により隣接データの拡散効果をもたらすために設けられている。2次拡散部2には、与えられるデータに基づきカオス演算を行うカオス演算部21、カオス演算部21が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変部22、カオス演算による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出部23を備えるカオスノイズ生成単位20が設けられている。
カオス演算部21には、1次累計部1により得られた1次累計MAC値161(h1[jB ]をつなぎ合わせたNバイトのデータ)、1次累計部1における最終段のカオスノイズ生成単位11−Mに備えられているカオス演算部14−Mのカオス演算結果(x)、最終段のカオスノイズ生成単位11−Mに備えられているパラメータ可変部13−Mにより得られたパラメータ値(B[jB ])、及びMAC鍵データKey[jA ]が与えられる。
また、パラメータ可変部22には、1次累計部1により得られた1次累計MAC値161、1次累計部1における最終段のカオスノイズ生成単位11−Mに備えられているパラメータ可変部13−Mにより得られたパラメータ値(B[jB ])及びMAC鍵データKey[jA ]が与えられる。
以上の通りの構成によって、2次拡散部2では、1次累計部1において生成した1次累計MAC値161をパラメータ可変情報として利用する。1次累計MAC値161はh1[jB ](1≦jB≦N)がつなぎ合わされたNバイトの値であるから、各1バイトを取り出して、これをh1[jB ]として利用する。上記h1[jB ]を利用する2次拡散部2においては、(11)式は、
KB=h1+KB0 (22)
となる。
1次累計部1における(17)式及び(17’)式で示されるパラメータスケジューリング関数は、2次拡散部2については、
B[jB ]=fmod(B[jB ]+KB[jB ],ΔB)+B0 (23)
又は
B[jB ]=fmod(B[jB ]+h1[jB ]+KB0,ΔA)+B0
(23’)
と変更される。上記(22)式と(23)、(23’)式の右辺におけるB[jB ]、h1[jB ]は、1次累計部1から伝達された値を示す。
また、同じく、(20)式により示した処理は、
//パラメータAスケジューリング//の処理では、
A[jA ]=gA (A[jA ],Key[jA ])
//パラメータBスケジューリング//の処理では、
B[jB ]=gB (B[jB ],inn[jB ])
//カオス演算、ノイズ抽出、ハッシュ値生成//の処理では、
h2[jB ]=h2[jB ]^(f(A[jA ],B[jB ],x)&255) (24)
(^はビット毎のXOR、h2[jB ]は2次拡散MAC値(1バイト))と変更される。係る処理を2次拡散部2のカオスノイズ生成単位20において所定回数MaxZだけ反復を行い、その結果として得られるh2[jB ]をカオスノイズ抽出部23においてつなぎ合わせ、Nバイトの値である2次拡散MAC値29とする。
この2次拡散部2に与える各初期値は次の通りである。
A[jA ](1≦jA≦W):1次累計部の算出結果をそのまま利用。
B[jB ](1≦jB ≦N):1次累計部の算出結果をそのまま利用。
h2[jB ](1≦jB ≦N):h2[jB ]=h1[jB ]。つまり、1次累計MAC値をそのまま代入する。
x:1次累計部1の算出結果をそのまま利用する。
上記の1次累計部1の出力と2次拡散部2の出力は、排他的論理和演算を行う第2の論理和演算部28へ送られる。この第2の論理和演算部28による処理は、次の通りである。1次累計MAC値161(hash1)、2次拡散MAC値29(hash2)について、それぞれビット毎の排他的論理和演算(XOR)を行い、最終的に得られるMAC値19をMACとすると、
MAC=hash1^hash2 (25)
(MAC:Nバイトハッシュ値)
初期位相生成部25においては、既に述べた通り、1次累計部1による処理の前に、パラメータAの初期位相(初期値)を決定する。ここでは、予めz回のMAC鍵によるカオスの算出期間を設け、算出結果における最後のカオスノイズからw個のカオスノイズを初期値A[jA ](1≦jA ≦W)を得る。パラメータBについては、スケジューリングを行うことなく、規定固定値を用いる。すなわち、
//パラメータAスケジューリング//の処理では、
A[jA ]=gA (A[jA ],Key[jA ])
であり、
//カオス演算、ノイズ抽出、//の処理では、
noise[jA ]=f(A[jA ],B0,x)&255) (26)
を実行し、結果の最終値からW個を得て、A[jA ]とする。
この初期位相生成部25の処理で、初期値は以下の通りである。
A[jA ](1≦jA ≦W):基底値A0
x :写像範囲内の任意値
上記構成のMAC生成装置は、実際には例えば、図3に示されるようなコンピュータにより実現することができる。図3に示すコンピュータは、CPU(中央処理装置)100が主メモリ101に記憶されたプログラムを実行することにより上記MAC生成装置として動作を行うように構成されている。CPU100は、入力ポート102を介してハッシュ値算出の対象となる対象データや初期値等を取り込み、ハッシュ値を生成して出力ポート103から送出する。
主メモリ101に記憶されるプログラムは図4〜図7に示すフローチャートに対応するプログラムであり、このプログラムをCPU100が実行することにより図1に示すMAC生成装置の各部が実現されるので、以下においては、上記フローチャートに基づきハッシュ生成装置の動作を説明する。
CPU100に対してMAC値生成の指示及びMAC値算出の対象となる対象データ及びMAC鍵データ24が与えられると、図4に示すフローチャートのプログラムが起動され、前処理が行われる(S1)。この前処理にあっては、Nレジスタに対し、この度或いは予め定められた鍵付ハッシュ長をセットし、Lレジスタに対して上記で与えられた対象データのデータ長をセットし、Mレジスタに「L≦N×M」を満たす最小の整数値をセットし、ハッシュ値h1[jB ](1≦jB ≦N)として0をセットし、ハッシュ値h2[jB ](1≦jB ≦N)として0をセットし、パラメータA[jA ](1≦jA ≦W)として例えば予め設定されている任意固定値A0をセットし、パラメータB[jB ](1≦jB ≦N)として例えば予め設定されている任意固定値B0をセットし、KA0として予め設定されている任意固定値をセットし、Zレジスタに初期カオス演算助走期間のループ値をセットし、2次拡散ループ回数MaxZとして例えば予め設定されている任意固定値をセットする。なお、前述の各初期値は、予め主メモリ101にセットされているか、或いはハッシュ生成処理の都度入力ポート102を介して与える。
次に、kカウンタ、jカウンタ及びiカウンタの値にそれぞれ1がセットされ(S2)、Key[j]レジスタにMAC鍵データの1バイト(最初においては、j=1により、最初の1バイト)がセットされる(S3)。次に、(26)式によりカオスノイズの算出が行われると共に、jカウンタのカウントアップが行われ(S4)、iカウンタの値と「Z−W」の比較により算出結果の最後からW個の取り出しの回数(i>(Z−W))となったか否かについての検出が行われる(S5)。
ステップS5においてi>(Z−W)とならなければ、iカウンタのカウントアップがなされ(S6)、(26)式によりカオスノイズの算出が行われると共に、jカウンタのカウントアップが行われる(S4)。ステップS5においてi>(Z−W)となると、(26)式によりノイズ抽出を行い(S7)、W個のnoise[jA ]をA[jA ](1≦jA ≦W)として求める(S4,S5,S7,S8,S6)。そして、iカウンタの値がZを超えると、図5に示されるフローチャートに示される処理へ進む。
図5に示されるフローチャートにおいて、jA カウンタ及びjB カウンタは「1」へ初期化され(S11)、Lバイト分の対象データについて処理が終了されたかを検出して(S12)、終了となっていなければ対象データについて1バイトづつの取り込みを行う(S13)。
当初においてまず、M分割された最初のNバイト中の1バイトの対象データが処理される。Nバイト中の最初の1バイトを取り込み、そのバイナリ値をinn[j]レジスタにセットする(S13)。次に、可変情報KA[jA ]へKey[jA ]+KA0をセットすると共に、可変情報KB[jB ]へinn[jB ]+KB0をセットしてパラメータ変位を決定し(S14)、上記KA[jA ]とA[jA ](A[jA ]はここでは初期値A0)とKB[jB ]とB[jB ](B[jB ]はここでは初期値B0)とを用いて(15’)式と(17’)式を用いてパラメータA[jA ]、B[jB ]を決定する(S15)。上記ステップS14とステップS15によりパラメータ可変ステップを構成している。
次に、(19)式によりカオス演算と、1バイトノイズ抽出を行う(S16)。このステップS16によりカオス演算ステップ及びカオスノイズ抽出ステップを構成している。次に上記で求めたノイズ値(noise)を noise[j]に格納する(S17)。
次に、jA カウンタ及びjB カウンタを1カウントアップし(S18)、jB カウンタが0となってハッシュ長Nと等しいノイズ値が得られたかを検出し(S19)、ハッシュ長Nに達していなければ、ステップS12及びステップS13へ戻って次の1バイトのデータについてハッシュ生成処理を続ける。つまり、第2番目の1バイトの対象データに対する処理へ進む。以下ステップS13からステップS19までの処理を繰り返し、最初のNバイトデータについて処理がなされると、jB カウンタの値は0となっており、ステップS19からステップS20へ進んで、(20)式によりハッシュ値h1[jB ](1≦jB ≦N)を得て、これらをつなぎ合わせたNバイトのハッシュ値(h1[1],h1[2],h1[3],・・・,h1[N]がつながったデータ)を得てステップS12へ戻る。この処理は、第1の論理和演算ステップを構成している。最初のブロックのデータに対する処理では、(20)式における右辺のh1[jB ](1≦jB ≦N)は0である。このようにして最初のブロックのデータに対する処理に続く次の処理では、第2番目のブロックに係る対象データについてステップS13からステップS20による処理が行われる。以降第3番目のブロックに係る対象データ、第4番目のブロックに係る対象データ、・・・と処理が進み、Lバイトの対象データについて処理を終了すると、ステップS12から図6に示されるステップS21へ進む。
ステップS21は、パディングしたデータについての前処理である。このステップS21において、Maxレジスタに要パディングバイト数(M×N−L)がセットされると共にkカウンタに1をセットする。次に、KA[jA ]に対しKey[jA ]+KA0をセットすると共に、KA[jB ]に対し「パディング値+KB0」をセットすることによるパラメータ変位の決定処理を行う(S22)。次に、上記KA[jA ]とA[jA ](A[jA ]はここでは初期値A0)とKB[jB ]とB[jB ](B[jB ]はここでは初期値B0)とを用いて(15’)式と(17’)式を用いてパラメータA[jA ]、B[jB ]を決定する(S23)。
次に、(19)式によりカオス演算と、1バイトノイズ抽出を行う(S24)。このステップS24によりカオス演算ステップ及びカオスノイズ抽出ステップを構成している。次に上記で求めたノイズ値(noise)を noise[j]に格納する(S25)。
次に、jA カウンタ及びjB カウンタ及びkカウンタを1カウントアップし(S26)、kカウンタがMaxとなってハッシュ長Nと等しいノイズ値が得られたかを検出し(S27)、ハッシュ長Nに達していなければ、ステップS22へ戻って次の1バイトのデータについてハッシュ生成処理を続ける。つまり、次の1バイトのパディングデータに対する処理へ進む。以下ステップS22からステップS27までの処理を繰り返し、パディングデータを含むNバイトのデータについて処理がなされると、kカウンタの値はMaxとなっており、ステップS27からステップS28へ進んで、(20)式によりハッシュ値h1[jB ](1≦jB ≦N)を得て、これらをつなぎ合わせたNバイトのハッシュ値(h1[1],h1[2],h1[3],・・・,h1[N]がつながったデータ)を得て図7に示されるフローチャートのステップS31へ進む。この(20)式による処理は、第1の論理和演算ステップを構成している。
図7に示すフローチャートは、2次拡散処理ステップを表している。この処理においては、iカウンタに1をセットする処理を行い、2次拡散MAC値h2[jB ]に1次累計MAC値h1[jB ]をそのままセットする前処理を行う(S31)。つまり、Nバイトのハッシュ値(h1[1],h1[2],h1[3],・・・,h1[N]がつながったデータ)を、2次拡散ハッシュ値h2[jB ](h2[1],h2[2],h2[3],・・・,h2[N])の初期値としてそのままセットする。そして、ステップS32からステップS37の処理を行う。
ステップS32では、可変情報KA[jA ]へKey[jA ]+KA0をセットすると共に、可変情報KB[jB ]へh1[jB ]+KB0をセットしてパラメータ変位を決定し(S32)、KA[jA ]とA[jA ](A[jA ]はここでは1次累計部処理ステップによる計算結果)とKB[jB ]とB[jB ](B[jB ]はここでは1次累計部処理ステップによる計算結果)とを用いて(15)式と(17)式を用いてパラメータA[jA ]、B[jB ]を決定する(S33)。上記ステップS32とステップS33によりパラメータ可変ステップを構成している。
次に、(19)式によりカオス演算と、1バイトノイズ抽出を行う(S34)。このステップS34によりカオス演算ステップ及びカオスノイズ抽出ステップを構成している。次に上記で求めたノイズ値(noise)を noise[j]に格納する(S35)。
次に、jA カウンタ及びjB カウンタ及びiカウンタを1カウントアップし(S36)、iカウンタが2次拡散ループ数MaxZとなったかを検出し(S37)、2次拡散ループ数MaxZに達していなければ、ステップS32へ戻って次の1バイトのデータについてハッシュ生成処理を続ける。つまり、次の1バイトの1次累計部1による計算結果に対する処理へ進む。以下ステップS32からステップS37までの処理を繰り返し、iカウンタが2次拡散ループ数MaxZを超えると、ステップS37からステップS38へ進んで、(25)式によりMAC値h1[jB ](1≦jB ≦N)をつなぎ合わせたNバイトのハッシュ値(h1[1],h1[2],h1[3],・・・,h1[N]がつながったデータ)とMAC値h2[jB ](1≦jB ≦N)をつなぎ合わせたNバイトのハッシュ値(h2[1],h2[2],h2[3],・・・,h2[N]がつながったデータ)とを得て、これらの各ビットを排他的論理和演算して最終のMac[jB ]を得る。この(25)式による処理は、第2の論理和演算ステップを構成している。
以上の通り本発明は、カオスの特徴である初期条件敏感性、一方向性及び乱雑性を利用し、ハッシュ値を生成する手法であり、対象データ及びMAC鍵データをカオスパラメータの変化パターン(カオス関数の変化パターン)として利用し、対象データ及びMAC鍵データに固有のカオス乱雑波形に置き換え(カオスコード変換)、その後有限範囲へ波を畳み込み合成してMAC値を得ている。
また、本発明では汎用性を追及した手法が採用されている。カオス発生は、浮動小数点演算を用いた高精度での再現が常識とされている。本発明は、カオス写像関数の整数演算化を行い、整数演算とビット演算で記述され、いかなるプロセッサアーキテクチャによっても又特殊な演算補正を行う必要なく、必ず同じ結果が得られる特徴を持つ。これによって、特殊コプロセッサ類を必要とせず、プロセッサの基本演算処理のみでコンパクトに実現可能である。
さらに、発明では、最終的に固定長のMAC値を生成するものであるから、対象データをMAC長単位にブロック分割したブロック構造のように見えるが、カオス演算において前段の出力を後段に伝達し、それを利用したカオス演算を連鎖的に行う単純フィードバック構造であり、ストリーム的な構造と言える。
なお、1次累計部1における初期値は、常に固定初期値を用いるのではなく、固定初期値をテーブル変換を行って新たな初期値を得て、この初期値を用いても良い。
また、上記の実施例では、カオスノイズ生成単位11−1〜11−M及びカオスノイズ生成単位20からNバイトのハッシュ値を出力するようにしたが、図8示す第2の実施例に係る構成を採用することもできる。つまり、カオスノイズ生成単位11A−1〜11A−M及びカオスノイズ生成単位20Aのカオスノイズ抽出部15A−1〜15A−Mとカオスノイズ抽出部23Aは1バイトのノイズを出力する。第1の論理和演算部16A−2〜16A−Mでは、1バイトのノイズについて排他的論理和演算を行う。蓄積部17Aは、与えられる1バイトのハッシュ値h1[jB ]を順次つないでNバイトのハッシュ値とする。また、蓄積部29Aは、与えられる1バイトのハッシュ値h2[jB ]を順次つないでNバイトのハッシュ値とする。従って、図8の構成例では、カオスノイズ生成単位11A−1が処理を行い、カオスノイズ生成単位11A−2が処理を行って第1の論理和演算部16A−2が1バイトのハッシュ値を得て、次に、カオスノイズ生成単位11A−3が処理を行って第1の論理和演算部16A−3が1バイトのハッシュ値を得て、・・・、最終的にカオスノイズ生成単位11A−Mが処理を行って第1の論理和演算部16A−Mが1バイトのハッシュ値を得て、蓄積部17に1バイトのデータが蓄積される。次に、カオスノイズ生成単位20Aが処理を行って1バイトのハッシュ値を得て、蓄積部29Aに1バイトのデータが蓄積される。上記処理が、N回繰り返されることにより、蓄積部17と蓄積部29AにNバイトのMAC値が蓄積されてつなぎ合わされる。
本発明に係るMAC生成装置の第1の実施例を示すブロック図。 本発明に係るMAC生成装置、MAC生成方法、MAC生成プログラムに用いる1次の整数演算化設計写像関数の一例を示す図。 本発明に係るMAC生成プログラムを用いてMAC生成方法を実現するコンピュータの構成例を示す図。 本発明に係るMAC生成プログラムに対応するフローチャートを示す図。 本発明に係るMAC生成プログラムに対応するフローチャートを示す図。 本発明に係るMAC生成プログラムに対応するフローチャートを示す図。 本発明に係るMAC生成プログラムに対応するフローチャートを示す図。 本発明に係るMAC生成装置の第2の実施例を示すブロック図。
符号の説明
1 1次累計部
2 2次拡散部
11−1〜11−M カオスノイズ生成単位
11A−1〜11A−M カオスノイズ生成単位
12−1〜12−M 対象データ
13−1〜13−M パラメータ可変部
14−1〜14−M カオス演算部
15−1〜15−M カオスノイズ抽出部
15A−1〜15A−M カオスノイズ抽出部
16−2〜16−M 第1の論理和演算部
16A−2〜16A−M 第1の論理和演算部
20 カオスノイズ生成単位
21 カオス演算部
22 パラメータ可変部
23 カオスノイズ抽出部
25 初期位相生成部
28 第2の論理和演算部

Claims (10)

  1. 与えられるデータに基づきカオス演算を行うカオス演算部と、このカオス演算部が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変部と、前記カオス演算部による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出部とを、それぞれが具備する複数のカオスノイズ生成単位と、
    前記各カオスノイズ生成単位に具備されている各カオスノイズ抽出部の出力に対し順次に排他的論理和演算を行う第1の論理和演算部と、
    を具備する1次累計部と、
    与えられる鍵データに対してカオス演算を行い、得られたカオスノイズから前記1次累計部の初段におけるパラメータ可変部へ与える初期可変情報を作成する初期位相生成部と、与えられるデータに基づきカオス演算を行うカオス演算部と、このカオス演算部が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変部と、前記カオス演算部による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出部とを具備する1つのカオスノイズ生成単位を備え、前記第1の論理和演算部の出力を用いてカオスノイズを生成する2次拡散部と、
    前記1次累計部の出力と前記2次拡散部の出力の排他的論理和演算を行う第2の論理和演算部とを具備し、
    ハッシュ値算出の対象となる対象データを複数のブロックに分割して分割されたブロックのデータをそれぞれ前記1次累計部の各カオス生成単位へ与えると共に、鍵データを前記初期位相生成部及び前記1次累計部及び前記2次拡散部における全てのパラメータ可変部へ与えてハッシュ値を生成することを特徴とするMAC生成装置。
  2. 前記1次累計部における各カオスノイズ生成単位のパラメータ可変部はカスケード接続されており、前段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部から出力されるパラメータ値を後段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部へ伝達して、後段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のMAC生成装置。
  3. 前記1次累計部における最終段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部は2次拡散部におけるパラメータ可変部と接続されており、最終段のカオスノイズ生成単位のパラメータ可変部から出力されるパラメータ値を2次拡散部のパラメータ可変部へ伝達して、2次拡散部のパラメータ可変部においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせることを特徴とする請求項2に記載のMAC生成装置。
  4. 前記1次累計部における各カオスノイズ生成単位のカオス演算部はカスケード接続されており、前段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部から出力されるカオス演算結果を後段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部へ伝達して、後段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うことを特徴とする請求項1に記載のMAC生成装置。
  5. 前記1次累計部における最終段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部は2次拡散部におけるカオス演算部と接続されており、最終段のカオスノイズ生成単位のカオス演算部から出力されるカオス演算結果を前記2次拡散部のカオス演算部へ伝達して、前記2次拡散部のカオス演算部においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うことを特徴とする請求項4に記載のMAC生成装置。
  6. 鍵データ及びハッシュ値算出の対象となる対象データからハッシュ値を生成するコンピュータを、
    ハッシュ値算出の対象となる対象データを複数のブロックに分割して分割された各ブロックのデータを用いて、カオス演算を行うカオス演算手段と、このカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変手段と、前記カオス演算手段による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出手段とからなる複数のカオスノイズ生成単位処理手段と、
    前記各カオスノイズ生成単位処理手段において行われる各カオスノイズ抽出手段により抽出されたカオスノイズに対し順次に排他的論理和演算を行う第1の論理和演算手段と、
    により構成される1次累計処理手段と、
    与えられる鍵データに対してカオス演算を行い、得られたカオスノイズから前記1次累計処理手段の初段におけるパラメータ可変ステップへ与える初期可変情報を作成する初期位相生成手段と、
    前記第1の論理和演算手段により得られる値に基づきカオス演算を行うカオス演算手段と、このカオス演算手段が実行するカオス演算に用いる関数についてパラメータ変化を生じさせるパラメータ可変手段と、前記カオス演算手段による演算結果に基づきカオスノイズを抽出するカオスノイズ抽出手段とを実行する単一のカオスノイズ生成単位処理手段により構成される2次拡散処理手段と、
    前記1次累計処理手段の結果と前記2次拡散処理手段の結果の排他的論理和演算を行う第2の論理和演算手段と、
    して機能させ、
    更に、鍵データを前記初期位相生成手段及び前記1次累計処理及び前記2次拡散処理手段における全てのパラメータ可変手段へ与えるように前記コンピュータを機能させるためのMAC生成プログラム。
  7. 前記1次累計処理手段において、各カオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段では、前段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段にて得られるパラメータ値を後段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段へ伝達し、後段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせるように前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項6に記載のMAC生成プログラム。
  8. 前記1次累計処理手段における最終段のカオスノイズ生成単位処理手段のパラメータ可変手段によるパラメータ値を2次拡散処理ステップにおけるパラメータ可変手段へ伝達し、該2次拡散処理手段のパラメータ可変手段においては、伝達されたパラメータ値を用いてパラメータ変化を生じさせるように前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項7に記載のMAC生成プログラム。
  9. 前記1次累計処理手段において、各カオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段では、前段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段から出力されるカオス演算結果を後段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段へ伝達し、後段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段においては、伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うように前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項6に記載のMAC生成プログラム。
  10. 前記1次累計処理手段における最終段のカオスノイズ生成単位処理手段のカオス演算手段により得られるカオス演算結果を、2次拡散処理手段におけるカオス演算手段へ伝達し、前記2次拡散処理手段のカオス演算手段においては、前記伝達されたカオス演算結果を用いてカオス演算を行うように前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項9に記載のMAC生成プログラム。
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