JP4348726B2 - 骨髄液注入ガイド - Google Patents

Description

本発明は、手根骨に骨髄液を注入する際に使用する骨髄液注入ガイドに関する発明である。

従来、手根骨の壊死に対して行う骨髄液の注入は、三連ガイドやフリーハンドで行われてきた。

しかしながら、従来の注入方法では、三連ガイドの場合ガイド自体を固定することができないとの欠点があった。また、フリーハンドの場合も同様に安定性にかけるとの欠点があった。

そこで、本発明は骨髄液の注入部に穴を設け、骨髄液を注入し手術を安全に行うための骨髄液注入ガイドを提供することを目的とするものである。

本発明は、上記の課題を解決するために、上面から下面にかけて四隅に第１ピン孔２ｂ、第２ピン孔２ｃ、第３ピン孔２ｄ、第４ピン孔２ｅが貫通し、上面から下面にかけてピン孔２ｂ、２ｃ、２ｄ、２ｅより径の大きい第１ガイド孔２ｆ、第２ガイド孔２ｇ、第３ガイド孔２ｈ、第４ガイド孔２ｉ、第５ガイド孔２ｊ、第６ガイド孔２ｋ、第７ガイド孔２ｌが貫通している直方体状のガイド部２と、ガイド部２を保持する枠から握り部３ｃが外側に傾斜して伸びている保持部材３と、先端４ｃが尖った芯棒４ｂの上に径の太いストッパ部４ａを設けることでガイド孔２ｆ、２ｇ、２ｈ、２ｉ、２ｊ、２ｋ、２ｌに差し込んだ際に段差４ｄで止まるストッパ付ドリル４と、ピン孔２ｂ、２ｃ、２ｄ、２ｅに挿入する固定ピン４ｅとからなり、保持部材３を握ってガイド部２を患部にあて、各ピン孔２ｂ、２ｃ、２ｄ、２ｅに固定ピン４ｅを差し込んで固定した状態で、いずれかのガイド孔２ｆ、２ｇ、２ｈ、２ｉ、２ｊ、２ｋ、２ｌにストッパ付ドリル４を挿入して、目的箇所に骨髄液を注入するための穴を開けることを特徴とする骨髄液注入ガイド１の構成とした。

本発明の骨髄液注入ガイドは固定ピンにより骨髄液注入ガイドと患部を固定することができるため、目的箇所に安全に穴を設け、骨髄液を注入することができる。

また、ストッパ付ドリルを挿入する複数のガイド孔が平行に穿設されているため、目的箇所に骨髄液を注入するための複数の穴を設けることができる。

安全に骨髄液注入手術を行うという目的を、複数個の固定ピンを用いて患部に確実に固定すること、及びガイド孔を複数平行に穿設することによって実現した。

図１は本発明である骨髄液注入ガイドの正面図、図２は骨髄液注入ガイドの左側面図、図３は骨髄液注入ガイドの右側面図、図４は骨髄液注入ガイドの平面図、図５は骨髄液注入ガイドの底面図、図６は骨髄液注入ガイドのＡ−Ａ線に沿った断面斜視図である。

図１から図６に示すように、本発明である骨髄液注入ガイド１は、ガイド部２と保持部材３からなる。前記ガイド部２は、略直方体状のガイド本体２ａとガイド本体２ａに形成されている貫通孔であり小径の第１ピン孔２ｂ〜第４ピン孔２ｅと大径の第１ガイド孔２ｆ〜第７ガイド孔２ｌからなる。ガイド本体２ａの上面から下面にかけては、第１ピン孔２ｂ〜第４ピン孔２ｅ及び第１ガイド孔２ｆ〜第７ガイド孔２ｌが貫通して穿設されている。

図４及び図５に示すように、ストッパ付ドリル４を挿入する第１ガイド孔２ｆ〜第７ガイド孔２ｌの径より小径の第１ピン孔２ｂ〜第４ピン孔２ｅは、ガイド本体２ａの上面の四隅から下面の四隅に向かって垂直かつ互いに平行になるように穿設されている。

また、図６に示すように、ガイド本体２ａには、複数のガイド孔２ｆ、２ｇ、２ｈ、２ｉ、２ｊ、２ｋ、２ｌがガイド本体２ａの上面から下面にかけて貫通し、かつ前記ピン孔２ｂ〜２ｅと平行になるように穿設されている。前記第１ガイド孔２ｆ〜第７ガイド孔２ｌの径は、前記第１ピン孔２ｂ〜第４ピン孔２ｅの径よりも大きく、図４及び図５に示すような位置で穿設されている。

即ち、図４に示すように、ガイド本体２ａ上面より見て中央部に左方から第１ガイド孔２ｆ、第４ガイド孔２ｉ、第７ガイド孔２ｌの３つのガイド孔が等間隔に穿設されている。前記第１ガイド孔２ｆ及び第４ガイド孔２ｉとの間の位置の上側には第２ガイド孔２ｇが、その反対の下側には第３ガイド孔２ｈが穿設されている。また、前記第４ガイド孔２ｉと第７ガイド孔２ｌの間の位置の上面には第５ガイド孔２ｊが、その反対の下側には第６ガイド孔２ｋが穿設されている。

図４に示すように、前記第２ガイド孔２ｇ及び第５ガイド孔２ｊと、前記第３ガイド孔２ｈ及び第６ガイド孔２ｋは、一直線上に並んだ前記第１ガイド孔２ｆ及び第４ガイド孔２ｉ及び第７ガイド孔２ｌを中心として上下対称の位置に穿設されている。

前記第１ガイド孔２ｆの上下には第１ピン孔２ｂ、第２ピン孔２ｃが穿設されており、第７ガイド孔２ｌの上下には第３ピン孔２ｄ、第４ピン孔２ｅが穿設されている。

図１から図６に示すように、保持部材３は前記ガイド部２を保持する保持部３ａと傾斜部３ｂと握り部３ｃとからなる。前記保持部３ａは上面よりみると略長方形状をしている枠であり、枠の内側に前記ガイド部２を保持している。

図１に示すように前記保持部３ａの左面の上部からは外側に向かって傾斜部３ｂが伸びており、傾斜部３ｂからは更に外側に向かって握り部３ｃが伸びている。前記傾斜部３ｂ及び握り部３ｃは共に外側に向かって傾斜しているが、傾斜部３ｂの床面に対する傾斜角のほうが握り部３ｃの傾斜角よりも大きい。

図７は本発明である骨髄液注入ガイドで使用するストッパ付ドリルの正面斜視図、図８は骨髄液注入ガイドにストッパ付ドリルを取り付けた状態を示した図、図９は骨髄液注入ガイドにストッパ付ドリルを取り付けた状態を示した断面図である。

図７に示すように、目的箇所に穴を開けるためのストッパ付ドリル４は、ストッパ部４ａと芯棒４ｂとからなる。前記ストッパ部４ａ及び芯棒４ｂは芯が同一の円柱状の細い棒で、ストッパ部４ａの径の方が芯棒４ｂの径よりも太くなっている。そのため、大径のストッパ部４ａと小径の芯棒４ｂの連結部分には段差４ｄが形成されている。前記芯棒４ｂの先端４ｃは鋭く尖っている。

図８及び図９に示すように、前記骨髄液注入ガイド１の任意のガイド孔２ｆ〜２ｌに前記ストッパ付ドリル４を差し込んで使用する。ストッパ付ドリル４には途中に段差４ｄが設けられている。

この段差４ｄの径はどのガイド孔２ｆ〜２ｌよりも大きいため前記任意のガイド孔２ｆ〜２ｌに差し込んだ際に段差４ｄで止まるようになっている。前記段差４ｄの位置は、骨髄液注入ガイド１の下面より芯棒４ｂが１０ｍｍ突出して止まる位置に設けられている。

図１０は本発明である骨髄注入ガイドを使用している状態を示した図、図１１及び図１２は骨髄注入ガイドを使用している状態を示した断面図である。図１０及び図１１に示すように、まず手根骨５ｂ上部の皮膚を切開し本発明である骨髄液注入ガイド１を手根骨５ｂ近くにあてる。第１ピン孔２ｂ〜第４ピン孔２ｅに固定ピン４ｅ各１本計４本を手根骨５ｂまで差し込んで、手根骨５ｂと骨髄液注入ガイド１を固定する。尚、符号４ｆは固定ピン４ｅの先端である。

ガイド本体２ａ上面より差し込んだ４本の固定ピン４ｅの余った部分は、ガイド本体２ａの上面より数ミリ残して切り落とす。手根骨５ｂと骨髄液注入ガイド１を固定したら、ガイド本体２ａの任意のガイド孔２ｆ〜２ｌの何れかにストッパ付ドリル４を挿入し、目的箇所に骨髄液を注入するための穴を開ける。

図１２に示すように、手根骨５ｂの目的箇所に穴を開けた後、ストッパ付ドリル４を骨髄液注入ガイド１より抜き、骨髄液の入った注射器６の針６ｂを前記ストッパ付ドリル４を挿入したガイド孔に差し込み骨髄液注入のために開けた穴から骨髄液を注入する。尚、符号５は腕を表し、符号５ａは腕の骨を表している。

骨髄液の注入が終わったら注射器６を骨髄液注入ガイド１から外し、４本の固定ピン４ｅを骨髄液注入ガイド１より外す。最後に骨髄液注入ガイド１を腕５から外して完了である。尚、符号６ａは筒を表し、符号６ｃはピストンを表す。

本発明である骨髄液注入ガイドの正面図である。 本発明である骨髄液注入ガイドの左側面図である。 本発明である骨髄液注入ガイドの右側面図である。 本発明である骨髄液注入ガイドの平面図である。 本発明である骨髄液注入ガイドの底面図である。 本発明である骨髄液注入ガイドのＡ−Ａ線に沿った断面斜視図である。 本発明である骨髄液注入ガイドで使用するストッパ付ドリルの正面斜視図である。 本発明である骨髄液注入ガイドにストッパ付ドリルを取り付けた状態を示した図である。 本発明である骨髄液注入ガイドにストッパ付ドリルを取り付けた状態を示した断面図である。 本発明である骨髄注入ガイドを使用している状態を示した図である。 本発明である骨髄注入ガイドを使用している状態を示した断面図である。 本発明である骨髄注入ガイドを使用している状態を示した断面図である。

１ 骨髄液注入ガイド
２ ガイド部
２ａ ガイド本体
２ｂ 第１ピン孔
２ｃ 第２ピン孔
２ｄ 第３ピン孔
２ｅ 第４ピン孔
２ｆ 第１ガイド孔
２ｇ 第２ガイド孔
２ｈ 第３ガイド孔
２ｉ 第４ガイド孔
２ｊ 第５ガイド孔
２ｋ 第６ガイド孔
２ｌ 第７ガイド孔
３ 保持部材
３ａ 保持部
３ｂ 傾斜部
３ｃ 握り部
４ ストッパ付ドリル
４ａ ストッパ部
４ｂ 芯棒
４ｃ 先端
４ｄ 段差
４ｅ 固定ピン
４ｆ 先端
５ 腕
５ａ 骨
５ｂ 手根骨
６ 注射器
６ａ 筒
６ｂ 針
６ｃ ピストン

Claims (1)

1. 上面から下面にかけて四隅にピン孔が貫通し、上面から下面にかけて前記ピン孔より径の大きいガイド孔が複数貫通している直方体状のガイド部と、
   前記ガイド部を保持する枠から握り部が外側に傾斜して伸びている保持部材と、
   先端が尖った芯棒の上に径の太いストッパ部を設けることで前記ガイド孔に差し込んだ際に段差で止まるストッパ付ドリルと、
   前記ピン孔に挿入する固定ピンとからなり、
   前記保持部材を握って前記ガイド部を患部にあて、各ピン孔に固定ピンを差し込んで固定した状態で、いずれかのガイド孔にストッパ付ドリルを挿入して、目的箇所に骨髄液を注入するための穴を開けることを特徴とする骨髄液注入ガイド。

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