JP4346882B2 - 吸収性の骨アンカー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に医療装置および処置に関する。さらに、本発明は硬質の骨に対して軟質の組織を固定するための吸収性のアンカー・システムおよび軟質組織を硬質の骨に固定するための方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
靭帯、腱および筋肉等の軟質組織はヒトの骨格の大部分に付着している。特に、多くの靭帯および腱が肩および膝の関節等の関節を形成している骨に付着している。種々の傷害および状況が骨に対する軟質組織の付着または再付着を必要とする。例えば、処置を施さなければ健康な組織が骨から既に剥がれている場合に、治癒および自然の再付着が生じることを可能にするためにその組織を骨に再付着するための手術が必要とされる場合が多い。
【０００３】
多数の装置および方法が軟質組織を骨に固定するために開発されている。これらはスクリュー、ステープル、セメント、縫合糸アンカー、および縫合糸単独等を含む。さらに有効な方法の幾つかは縫合糸を骨に取り付けて縫合糸をその骨に対して近接している場所に保持する様式でその縫合糸を結び付けるための縫合糸アンカーの使用を含む。
【０００４】
切開式の手術中、または閉鎖式（例えば、関節鏡式）の手術の処置中に組織を骨に対して固定できる。閉鎖式の手術処置はこれらが侵襲性が少なく患者の傷害を引き起こす可能性が少ないために好まれる。閉鎖式の外科処置において、外科医は目的に応じて特別に設計されている各器具を用いて、門脈または肝門と呼ばれる小さい切開部分を通してその手術部位において診断および治療の各処置を行なう。このような侵襲性の少ない閉鎖式の外科処置において見られる問題の一例は外科医がその手術部位において必要とされる各操作を行なうための実質的な空間部分が少ないことである。従って、外科医が侵襲性の少ない外科処置により提供される小さい空間部分の中において効果的且つ容易に組織を骨に固定することを可能にする装置および方法が要望されている。
【０００５】
軟質組織の適当な固定はその組織が最適な治癒を促進するために解剖構造学的に適正な位置に配置されることを必要とする。骨に軟質組織を固定するための従来的な方法は縫合糸を取り付けたトグル・アンカーを一般的に使用している。これらの縫合糸はアンカーを予めドリルにより穴あけした骨のキャビティ内に挿入した後にその骨の表面の近くに調節可能に結び付けることを可能にする。しかしながら、この骨アンカーから延出しているこれらの縫合糸はその骨アンカーが導入される領域を塞ぐ可能性のある場合が多く、キャビティ内におけるそのアンカーの理想的な係合に劣る傾向がある。これらの縫合糸およびアンカーの両方のための隙間を備えるために上記骨のキャビティを骨アンカーよりも大きくすることが必要である状況において、その後においてその骨に対するアンカーの十分な係合を行なうことが困難である。
【０００６】
【特許文献１】
米国特許第４，２０８，５１１号明細書
【特許文献２】
米国特許第４，１４１，０８７号明細書
【特許文献３】
米国特許第４，１３０，６３９号明細書
【特許文献４】
米国特許第４，１４０，６７８号明細書
【特許文献５】
米国特許第４，１０５，０３４号明細書
【特許文献６】
米国特許第４，２０５，３９９号明細書
【特許文献７】
米国特許第５，４６４，９２９号明細書
【特許文献８】
米国特許第５，５９５，７５１号明細書
【特許文献９】
米国特許第５，５９７，５７９号明細書
【特許文献１０】
米国特許第５，６０７，６８７号明細書
【特許文献１１】
米国特許第５，６１８，５５２号明細書
【特許文献１２】
米国特許第５，６２０，６９８号明細書
【特許文献１３】
米国特許第５，６４５，８５０号明細書
【特許文献１４】
米国特許第５，６４８，０８８号明細書
【特許文献１５】
米国特許第５，６９８，２１３号明細書
【特許文献１６】
米国特許第５，７００，５８３号明細書
【特許文献１７】
米国特許第５，８５９，１５０号明細書
【特許文献１８】
米国特許第４，０４５，４１８号明細書
【特許文献１９】
米国特許第４，０５７，５３７号明細書
【特許文献２０】
米国特許第５，４６８，２５３号明細書
【非特許文献１】
ケムニッツァー（Kemnitzer）およびコーン（Kohn），ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマー（Handbook of Biodegradable Polymers），ドーム（Domb）他編集，ハードウッド・アカデミック・プレス（Hardwood Academic Press），ｐ．２５１−２７２，１９９７年
【非特許文献２】
コーン（Cohn）およびユーンズ（Younes），ジャーナル・オブ・バイオマテリアルズ・リサーチ，第２２巻，ｐ．９９３−１００９，１９８８年
【非特許文献３】
コーン（Cohn），ポリマー・プレプリンツ（Polymer Preprints）（ＡＣＳデイビジョン・オブ・ポリマー・ケミストリー（ACS Divisions of Polymer Chemistry）），第３０(１)巻，ｐ．４９８，１９８９年
【非特許文献４】
アルコック（Allcock），ジ・エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス（The Encyclopedia of Polymer Science），第１３巻，ｐ．３１−４１，ワイリー・インターサイエンスズ（Wiley Intersciences），ジョン・ワイリー・アンド・サンズ（John Wiley & Sons），１９８８年
【非特許文献５】
バンドープ（Vandorpe）他，ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマー（Handbook of Biodegradable Polymers），ドーム（Domb）他編集，ハードウッド・アカデミック・プレス（Hardwood Academic Press），ｐ．１６１−１８２，１９９７年
【非特許文献６】
ヘラー（Heller），ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマー（Handbook of Biodegradable Polymers），ドーム（Domb）他編集，ハードウッド・アカデミック・プレス（Hardwood Academic Press），ｐ．９９−１１８，１９９７年
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従って、骨のキャビティ内におけるアンカーの緩みを防止するために骨の中への最適な保持を行なう骨に対して軟質組織を固定するための改善されたシステムが要望されている。さらに、軟質組織を硬質の骨に対して固定するための改善されたシステムが要望されており、このシステムは骨に対して係合する骨アンカーの先端の表面部分の領域を最大化するためにそのアンカーの本体部分の同一面側に縫合糸を配置することを可能にして、係合面積を増加して張力に対する抵抗性を高める。さらに、完全に吸収性の縫合糸アンカーおよびシステムを提供することも有利であると考えられる。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は骨のキャビティの中における確実な固定のために２個の平面内において掛け留めできる骨アンカーを提供することにより従来的なトグル・アンカーに付随する上記の問題を回避する。この骨アンカーは骨に係合する先端の表面部分の領域を最大化するために各縫合糸をアンカーの本体部分の同一面側に配置することにより係合面積を増加して張力に対する抵抗性を高めることができるように構成されている。
【０００９】
本発明の例示的な実施形態において、第１の先端部および第２の後端部の間に延在している細長い本体部分を有する骨に対して組織を固定するための骨アンカーが提供される。この細長い本体部分は上記アンカーの一定の長手軸を定めている。上記第１の端部および第２の端部の間に２個の対向している表面部分およびこれら２個の対向している表面部分に近接してこれらの間に延在している複数の側壁部が存在している。これらの側壁部の１個から骨の中に係合して固定するように構成されているフレア状の部分が延出している。上記細長い本体部分はさらに内部に縫合糸を通すための少なくとも１個の縫合糸通路を有している。この縫合糸通路は当該縫合糸通路の中に延在している縫合糸に張力を加えることにより骨アンカーを２個の平面内において掛け留めするように上記長手軸に対して斜めに角度付けされている。この２方向の掛け止めまたはトグル作用は骨のキャビティの中における上記骨アンカーの良好な締り嵌めを可能にする。
【００１０】
本発明の態様の一例において、上記骨アンカーは縫合糸の一部分を係合するためのノッチ部分を有することができる。このアンカーは２個の縫合糸通路を有することもできる。好ましくは、これらの縫合糸通路は上記本体部分の長手軸に対して整合していない。さらに、上記側壁部の１個から延出しているフィンも備えることができる。
【００１１】
本発明の別の態様において、上記骨アンカーは上記本体部分の第１の先端部の近くに余分の材料を有する上昇した領域を備えることができる。この骨アンカーはさらに上記第２の後端部の近くに凹状の領域を有することもでき、この場合に、材料が当該凹状の領域から除去されて上記縫合糸のための隙間が形成される。
【００１２】
好ましい実施形態において、上記骨アンカーは完全に生体吸収性にすることができる。しかしながら、この骨アンカーは非吸収性のポリマーまたは材料により形成することも可能である。本発明の骨アンカーにより解剖構造学的に適正な位置における骨に対して分離している組織を確実に固定できる方法も提供される。
【００１３】
さらに、本発明の特徴、その性質および種々の利点が各添付図面、およびこれらの図面および好ましい各実施形態の以下における詳細な説明によりさらに明らかになる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１（Ａ）において、本発明の例示的な骨アンカー１０が示されており、一定の長手軸Ｌを定めている第１の先端部１４と第２の後端部１６との間に延在している細長い本体部分１２を有している。第１の先端部１４は図示の如くテーパー状にすることができる。細長い本体部分１２は、図１（Ｃ）において示されているように、上記各端部１４，１６の間に延在している２個の対向している面部１８、およびこれら２個の対向面部１８に近接してこれらの間に延在している複数の側壁部２０を有している。フレア状の部分２２が上記第２の後端部１６の近くにおいて複数の側壁部２０の１個から延出している。このフレア状の部分２２は骨アンカー１０に非対称形の形状を与えていて、骨のキャビティ内に挿入した後に骨アンカー１０の掛け止めまたはトグル作用を容易にしている。このフレア状の部分２２は骨の中に進入するための鋭いエッジ部分を有することができるが、このエッジ部分は、骨のキャビティの各壁部に対して効果的に係合するためには、ナイフ・エッジ部分ほどにする必要はない。
【００１５】
上記各面部１８は平坦状であるとして示されているが、これらが他の形状または輪郭でもよいことが当然に理解されると考える。例えば、これらは湾曲状または丸みを付けた状態にすることができる。また、各面部１８は上記骨アンカー１０の骨のキャビティ内への固定を容易にする荒さを付けた部分または突出部等の表面特徴を有することもできる。各面部１８に近接している各側壁部２０は湾曲状、丸みを付けた状態、または平坦状にすることもできる。
【００１６】
上記細長い本体部分１２はさらに骨アンカー１０の中に縫合糸を通すための縫合糸通路２４も有している。図１（Ｂ）において示されているように、縫合糸通路２４は骨アンカー１０の各対向面部１８を貫通している貫通孔２６により構成されている。この貫通孔２６は、図１（Ｃ）において最良に示されているように、各面部１８における凹状の開口部２８の中に延在している。各凹状の開口部２８は、図１（Ａ）において示されているように、楕円の形状、または卵形である。この凹状の開口部２８は可能な限り骨アンカー１０の面部１８に対して同一面状に多数の縫合糸が延在できるように作用して、アンカー１０と骨のキャビティとの間における縫合線の拘束および縫合糸の詰りを軽減する。また、これら凹状の開口部２８は張力が加えられる時に縫合糸に対する摩擦も軽減する。縫合糸通路２４は、図１（Ａ）および図１（Ｂ）において示されているように、本体部分１２の長手軸Ｌに対して斜めに配向されている。従って、各対向面部１８における縫合糸通路２４の凹状開口部２８は整列していない。
【００１７】
上記骨アンカー１０における独特に角度付けされた縫合糸通路２４により、この通路２４の中に延在している縫合糸は張力が加えられる時に２個の平面内において骨アンカー１０の中でトグル作用を行なうことができる。このトグル作用または掛け留め作用は各側面部２０よりもアンカー１０における各面部１８の中に縫合糸を通すことにより高めされる。加えて、上記縫合糸通路２４の構成により得られる２方向のトグル作用により、従来的な骨係合エッジ部分を有する骨アンカーの場合におけるようなアンカー１０の角部のみ、またはフレア状の部分２２における小さな部分ではなく、フレア状の部分２２の全長を骨の中に保持できる。このような骨の中に固定できる増大された表面積により、張力により引き出されることに対するアンカー１０の抵抗力が高められる。また、この増大された表面積は、骨の中への係合力が本発明の段階においてさらに広い表面積にわたり分布可能になるので、小さな骨の係合エッジ部分を有する従来的な骨アンカーの場合に生じるようなフレア状の部分２２の剪断によるずれ、または骨の中への切り込み等の可能性を伴わずに、広範囲の骨の硬質部分の中において骨アンカー１０を保持することも可能にする。さらに、これらの特徴は骨の最適な保持を達成可能にしながら従来的な骨アンカーよりも小さい全体の寸法を有する骨アンカー１０を実現している。例えば、本発明のアンカー１０は約３．０ｍｍの範囲内の直径を有することができる。
【００１８】
上記斜めに角度付けされた縫合糸通路２４から延出している縫合糸２における引っ張り動作に加えて、上記骨アンカー１０は挿入工具（図示せず）により掛け留めすることもできる。図１（Ａ）において示されているように、挿入工具の先端部に対して係合するように構成されているボア（中ぐり穴）３０が上記第２の後端部１６から細長い本体部分１２の中に延在している。このボア３０は上記挿入工具に対してねじにより係合するためにねじ付けできる。アンカーが骨の中に配置された後に、この挿入工具により張力および偏向作用が骨アンカー１０に加えられると、このアンカー１０はトグル作用または回転作用を受けて、アンカー１０が上記アンカー支持用のボア３０の長手軸に対して平行でない方向に配向される。このアンカー１０におけるトグル作用によりアンカー１０が骨の中に留まるようになる。従って、この骨アンカー１０のトグル作用は上記縫合糸通路２４内の縫合糸を引っ張ることおよび／または上記挿入工具により骨アンカー１０を機械的に偏向することにより達成できる。両方の技法が同時的に作用してアンカー１０の骨のキャビティ内における最適な締り嵌めを形成することが可能である。
【００１９】
本発明の骨アンカー１０は生体吸収性の材料により形成できる。このことは長時間にわたり体内に異物を有していることに付随する免疫学的な問題を減少するという利点を提供する。骨アンカー１０はＰＧＡの支配的部分に対するポリ乳酸−ポリグリコール酸（ＰＬＡ−ＰＧＡ）等の適当なコポリマーの組み合わせにより構成できる。上記以外の生体吸収性のポリマーもまた本発明による上記環状部材の作成に使用できる。適当な生体相容性で生体吸収性のポリマーの例は脂肪族ポリエステル、ポリ（アミノ酸）、コポリ（エーテル−エステル）、ポリアルキレン・オキサレート、ポリアミド、チロシン誘導型ポリカーボネート、ポリ（イミノカーボネート）、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、アミン基を含有しているポリオキサエステル、ポリ（無水物）、ポリホスファゼン、生体分子（すなわち、コラーゲン、エラスチン、生体吸収性のデンプン等）、およびこれらの混合物から成る群から選択されるポリマーを含む。本発明の目的において、上記脂肪族ポリエステルはラクチド（Ｄ−，Ｌ−およびメソ型のラクチドを含む）のホモポリマーおよびコポリマー、グリコリド（グリコール酸を含む）、ε−カプロラクトン、ｐ−ジオキサノン（１，４−ジオキサン−２−オン）、トリメチレン・カーボネート（１，３−ジオキサン−２−オン）、トリメチレン・カーボネートのアルキル誘導体、γ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、１，４−ジオキセパン−２−オン（この二量体の１，５，８，１２−テトラオキサシクロテトラデカン−７，１４−ジオンを含む）、１，５−ジオキセパン−２−オン、６，６−ジメチル−１，４−ジオキサン−２−オン、２，５−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、アルファ，アルファ−ジエチルプロピオラクトン、エチレン・カーボネート、エチレン・オキサレート、３−メチル−１，４−ジオキサン−２，５−ジオン、３，３−ジエチル−１，４−ジオキサン−２，５−ジオン、６，８−ジオキサビシクロオクタン−７−オン、およびこれらのポリマー混合物を含むがこれらに限らない。上記ポリ（イミノカーボネート）は、本発明の目的において、ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマー（Handbook of Biodegradable Polymers），ドーム（Domb）他編集，ハードウッド・アカデミック・プレス（Hardwood Academic Press），ｐ．２５１−２７２，（１９９７年）においてケムニッツァー（Kemnitzer）およびコーン（Kohn）により記載されているようなポリマーを含むと考えられる。上記コポリ（エーテル−エステル）は、本発明の目的において、ジャーナル・オブ・バイオマテリアルズ・リサーチ，第２２巻，ｐ．９９３−１００９，１９８８年におけるコーン（Cohn）およびユーンズ（Younes）、およびポリマー・プレプリンツ（Polymer Preprints）（ＡＣＳデイビジョン・オブ・ポリマー・ケミストリー（ACS Division of Polymer Chemistry）），第３０(１)巻，ｐ．４９８，１９８９年におけるコーン（Cohn）（例えば、ＰＥＯ／ＰＬＡ）により記載されているようなコポリエステル−エーテルを含むと考えられる。上記ポリアルキレン・オキサレートは、本発明の目的において、米国特許第４，２０８，５１１号、同第４，１４１，０８７号、同第４，１３０，６３９号、同第４，１４０，６７８号、同第４，１０５，０３４号、および同第４，２０５，３９９号において記載されている物質を含む。また、上記ポリホスファゼン、Ｌ−ラクチド、Ｄ，Ｌ−ラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、パラ−ジオキサノン、トリメチレン・カーボネートおよびε−カプロラクトン等によるコ−（二元重合）、ター−（三元共重合）、およびさらに高次の混合モノマーを基材とするポリマーがジ・エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス（The Encyclopedia of Polymer Science），第１３巻，ｐ．３１−４１，ワイリー・インターサイエンスズ（Wiley Intersciences），ジョン・ワイリー・アンド・サンズ（John Wiley & Sons），１９８８年におけるアルコック（Allcock）、およびハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマー（Handbook of Biodegradable Polymers），ドーム（Domb）他編集，ハードウッド・アカデミック・プレス（Hardwood Academic Press），ｐ．１６１−１８２，（１９９７年）におけるバンドープ（Vandorpe）他により記載されている。上記ポリ酸無水物はHOOC-C₆ H₄ -O-(CH₂ )_m -O-C₆ H₄ -COOHの形態の二酸により誘導される物質を含み、この場合のｍは２乃至８の範囲内の整数であり、さらに、この物質と１２個までの炭素の脂肪族アルファ−オメガ二酸とのコポリマーを含む。さらに、上記ポリオキサエステル、ポリオキサアミドおよびアミンおよび／またはアミドの各基を含むポリオキサエステルが以下の各米国特許、すなわち、米国特許第５，４６４，９２９号、同第５，５９５，７５１号、同第５，５９７，５７９号、同第５，６０７，６８７号、同第５，６１８，５５２号、同第５，６２０，６９８号、同第５，６４５，８５０号、同第５，６４８，０８８号、同第５，６９８，２１３号、同第５，７００，５８３号、および同第５，８５９，１５０号の１個以上において記載されている。また、上記ポリオルトエステルはハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマー（Handbook of Biodegradable Polymers），ドーム（Domb）他編集，ハードウッド・アカデミック・プレス（Hardwood Academic Press），ｐ．９９−１１８，（１９９７年）においてヘラー（Heller）により記載されているような物質を含む。
【００２０】
例示的な生体吸収性で生体相容性のエラストマーは約３５：６５乃至約６５：３５、さらに好ましくは４５：５５乃至３５：６５のε−カプロラクトン対グリコリドのモル比率を有するε−カプロラクトンおよびグリコリド（ポリグリコール酸を含む）の弾性コポリマー、ε−カプロラクトン対ラクチドのモル比率が約３５：６５乃至約６５：３５、さらに好ましくは４５：５５乃至３０：７０または約９５：５乃至約８５：１５であるε−カプロラクトンおよびラクチド（Ｌ−ラクチド、Ｄ−ラクチド、これらの混合物、および乳酸のポリマーおよびコポリマーを含む）の弾性コポリマー、ｐ−ジオキサノン対ラクチドのモル比率が約４０：６０乃至約６０：４０であるｐ−ジオキサノン（１，４−ジオキサン−２−オン）およびラクチド（Ｌ−ラクチド、Ｄ−ラクチド、これらの混合物、および乳酸のポリマーおよびコポリマーを含む）の弾性コポリマー、ε−カプロラクトン対ｐ−ジオキサノンのモル比率が約３０：７０乃至約７０：３０であるε−カプロラクトンおよびｐ−ジオキサノンの弾性コポリマー、ｐ−ジオキサノン対トリメチレン・カーボネートのモル比率が約３０：７０乃至約７０：３０であるｐ−ジオキサノンおよびトリメチレン・カーボネートの弾性コポリマー、トリメチレン・カーボネート対グリコリドのモル比率が約３０：７０乃至約７０：３０であるトリメチレン・カーボネートおよびグリコリド（ポリグリコール酸を含む）の弾性コポリマー、トリメチレン・カーボネート対ラクチドのモル比率が約３０：７０乃至約７０：３０であるトリメチレン・カーボネートおよびラクチド（Ｌ−ラクチド、Ｄ−ラクチド、これらの混合物、および乳酸のポリマーおよびコポリマーを含む）の弾性コポリマー、およびこれらの混合物を含むがこれらに限らない。適当な生体吸収性のエラストマーの例が米国特許第４，０４５，４１８号および同第４，０５７，５３７号および同第５，４６８，２５３号において記載されている。
【００２１】
好ましくは、上記アンカー１０はポリ乳酸、あるいはリン酸三カルシウムおよびポリ乳酸の複合混合物により形成されている。しかしながら、本発明の骨アンカー１０は非生体吸収性の材料により作成することも可能であると考えられる。例えば、この骨アンカー１０はポリスルホン、あるいは、チタン６Ａｌ−４Ｖ等の金属により作成できる。
【００２２】
上記第１の先端部１４において閉鎖状のノーズ部分を有する代わりに、上記骨アンカー１０は開口状のノーズ部分を有することができる。図２（Ｂ）および図２（Ｃ）において示されているように、骨アンカー１１０は上記アンカー１０と同一の特徴を有しており、その類似の各要素は前置数の「１」を付けた同一の参照番号または符号により示されている。最も注目すべき点は、この骨アンカー１１０がその先端部１１４において縫合糸係合用のノッチ部分１３２を有していることである。この縫合糸係合用のノッチ部分１３２は、図２（Ａ）および図２（Ｃ）において示されているように、縫合糸２を縫合糸通路１２４の中に通してこの骨アンカーの同一の側から出し入れすることを可能にしている。
【００２３】
図３（Ａ）乃至図３（Ｃ）は本発明のさらに別の実施形態を示しており、この場合の骨アンカー２１０は２個の縫合糸通路２２４を有している。これら２個の縫合糸通路２２４は、図３（Ａ）乃至図３（Ｃ）において示されているように、縫合糸２が同一の側において骨アンカー２１０から出入することを可能にしている。その他の全ての点については、この骨アンカー２１０は上記アンカー１０と同一の特徴を有しており、その類似の各要素は前置数の「２」をつけた同一の参照番号または符号により示されている。
【００２４】
本発明の別の態様において、骨アンカー１０’は上記骨アンカー１０の全ての特徴を備えており、その類似の各要素は後置符号「’」を付けた同一の参照番号または符号により示されていて、図４（Ａ）において示されているように、さらにフィン３４も備えることができる。このフィン３４は骨アンカー１０’における先端部１４’と基端部１６’との間のほぼ中間における側壁部２０’から延出している。フィン３４はシャベルのように作用し、骨を掘り込んでアンカー１０’が偶発的に引き出されることを防ぐ付加的な押縁を提供する。余分の硬質の骨の中において、上記フィン３４は圧縮嵌め要素として作用できる。上記フィン３４はナイフ・エッジ部分を必ずしも必要としないが、このフィン３４は骨組織の中に進入するための鋭いエッジ部分を有している必要がある。
【００２５】
骨アンカー１０’もまた挿入工具に対する係合のための長手軸Ｌに対して一定の角度で延在しているボア３０’を備えている。このボア３０’は骨アンカー１０’の長手軸Ｌから約１５°の範囲内の一定の角度を有することができる。このように角度付けしたボア３０’は挿入工具を取り付けた時に骨のキャビティの中に骨アンカー１０’を掛け留めするための付加的なてこの作用を提供できる。
【００２６】
上記骨アンカー１０’において存在している付加的な特徴は、図４（Ｂ）において示されている、骨アンカー２１０’においても備えることができる。この骨アンカー２１０’もまたフィン２３４および長手方向にずれていて角度付けされているボア２３０’を有することができる。さらに、この骨アンカー２１０’における各縫合糸通路２２４’は長手軸Ｌに対して不整合な状態である。すなわち、上記縫合糸通路２２４’の各凹状の開口部２２８’は上記長手軸に沿って整列しておらず、むしろ、この長手軸Ｌに対して千鳥足状になっている。なお、上記骨アンカー２１０’が上記骨アンカー２１０と類似の特徴を分け持っていて、これらの類似の特徴が後置符号「’」を付けた同一の参照番号または符号により示されていることが理解されると考える。
【００２７】
上記の各骨アンカー２１０，２１０’は２本の縫合糸２と共に使用できると考えられる。図５において示されているように、上記骨アンカー２１０’は各縫合糸通路２２４の中に縫合糸を通すことができる。この骨アンカー２１０’に２本の縫合糸を備えることにより、個々の縫合糸２が別の時間に異なる量の張力により操作されるので、さらに正確で調整された掛け留めが達成できる。上記縫合糸通路２２４’が長手方向に整合していないので、このことが各縫合糸２の全ての自由端部が出ている骨アンカー２１０’の面部２１８’におけるこれら縫合糸２の実質的な重合または障害を生じることなくこれら２本の縫合糸２を通すことを可能にする。
【００２８】
図６（Ａ）乃至図６（Ｃ），図７（Ａ）および図７（Ｂ）は本発明の骨アンカー３１０のさらに別の実施形態を示している図である。上記骨アンカー２１０’の特徴に加えて、この骨アンカー３１０はフィン３３４および２個の縫合糸通路３２４を備えている。加えて、この骨アンカー３１０は先端部３１４を囲む上昇した領域３３８を備えている。この上昇した領域３３８は両方の面部３１８および各側壁部３２０を含む。この上昇した領域３３８内において増加されている材料により、骨のキャビティ内における骨アンカー３１０の過度の回転またははじき飛びが防止できる。さらに、この付加的な材料はアンカー３１０を上記キャビティの中に挿入する再の骨の破片を除去することに役立つ。
【００２９】
図６（Ａ）において示されているように、上記２個の縫合糸通路３２４を囲む上記付加的な材料を形成している上昇した領域３３８は当該上昇した領域３３８の中にトラフ３３６を形成している。このトラフ３３６は一方の縫合糸通路３２４の開口部３２８と第２の縫合糸通路３２４の別の開口部３２８を接続している。このトラフ３３６は一方の開口部３２８から別の開口部３２８を通る縫合糸２の一部分が骨アンカー３２０の本体部分３１２に支持されることを可能にしている。図７（Ａ）は各通路３２４の中を通る縫合糸２を有する骨アンカー３１０の斜視図を示している図である。図７（Ｂ）において示されているように、上記２個の縫合糸通路３２４およびトラフ３３６の組み合わせにより、過度の摩擦を生じることなく、縫合糸を内部において通過させるための滑らかな通路が備えられている。この通路の滑らかさおよび角度付けされた通路の各開口部３２８はその中における縫合糸の摺動性を高めている。加えて、上記２個の縫合糸通路３２４およびトラフ３３６により形成される縫合糸通路の大きな曲率半径が容易な縫合糸の移動を可能にしている。
【００３０】
本発明のさらに別の実施形態において、骨アンカー４１０は上昇した領域４３６のみでなく、凹状の領域４３８も備えることができる。図８（Ａ）および図８（Ｂ）において示されているように、この骨アンカー４１０はその第２の後端部４１６の近くに凹状の領域４４０を備えており、この場所において、各面部４１８の一方から材料が除去されている。２個の縫合糸通路４２４の内の１個の開口部４２８は上記凹状の領域４４０の中に配置されている。この凹状の領域４４０は縫合糸が骨アンカー４１０の本体部分に対して延在するための隙間を提供している。図８（Ｃ）において示されている、反対側の面部４１８におけるトラフ４３４と共に、上記凹状領域４３８は本発明の骨アンカー・システムにおける削減した外形を維持することに役立つ。
【００３１】
本発明の上記各アンカー１０，１０’、１１０，２１０，２１０’、３１０および４１０は組織を骨に固定するための本発明において以下に説明する方法において使用できる。例示の目的のために、図９（Ａ）乃至図１０（Ｂ）は関節鏡による肩関節の修復、特に肩甲骨の関節窩縁に対する分離した関節唇（バンカート（Bankart）外傷または回旋腱板の断裂により生じたと考えられる）の固定に関連する縫合糸４１０の使用方法を示している図である。しかしながら、本明細書において説明されているシステムおよび方法が上記以外の関連の分離した組織を接続するためにも同等に適用可能であることが理解されると考える。さらに、この説明されている方法は本発明の各アンカーの実施形態のいずれかを使用することに関連している各工程の単なる例示であり、各アンカー１０，１０’，１１０，２１０，２１０’および３１０に対して同等に適している。
【００３２】
図９（Ａ）において、ボア５０２が患者の骨５００の中に形成されている。このボア５０２の直径は、例えば、約３．０ｍｍ等の骨アンカー４１０の最大外径とほぼ同一の寸法である必要がある。また、このボア５０２の長さは縫合糸アンカー４１０の完全な支持を可能にするのに十分な長さである必要がある。図９（Ｂ）において示されているように、挿入工具４００を骨アンカー４１０に取り付けることによりこのアンカー４１０をボア５０２の中にねじ込むことができる。この骨アンカー４１０は開口状の縫合糸、すなわち、その中を貫通している縫合糸、あるいは再付着のために軟質組織５１０を骨構造体５００の近くに運ぶために既に取り付けられている針を有する縫合糸を備えることができる。この縫合針は第１の組織進入用の端部および第２の骨アンカー４１０を貫通している縫合糸のループに取り付けられている後端部を有することができる。
【００３３】
さらに、図１０（Ａ）において、上記骨アンカー４１０から延出している縫合糸２が外科業界において既知の任意の従来的な方法により分離した関節唇５１０の遊離端部に縫い通されている。その後、骨アンカー４１０をボア５０２の中にねじ込んで、分離した関節唇５１０を肩関節の骨５００の近くに運ぶことができる。このアンカー４１０の上部が骨のキャビティ５０２の直径に極めて近い大きさであるので、アンカー４１０がこのボア５０２の中に配置されると、この領域内に一定の締り嵌めが生じる。また、この締り嵌めは一定の張力が各縫合糸に加えられる際にアンカー４１０がこの場所において旋回することも可能にする。なお、上記挿入工具４００に力を加えることによりアンカー４１０がボア５０２の中にある状態で掛け留めできると考えられる。特定の状況において、上記縫合糸を引っ張ることによりさらに付加的な掛け留め作用を行なう前にこのような骨アンカー４１０の付加的な固定を行なうための工程を実行することが望ましいと考えられる。
【００３４】
上記骨アンカー４１０を適正に挿入して、分離した関節唇５１０を固定した後に、上記挿入工具４００が除去できる。上記縫合糸２の自由端部を引っ張ることにより骨アンカー４１０の中に支持されている縫合糸２に張力を加えることができる。この結果、上記アンカーは縫合糸２の位置に対して、例えば、約９０°で掛け留めされる。この掛け留め作用は上記骨のキャビティ５０２の側面の中に留まっているアンカー４１０の上記フレア状の部分４２２において生じることができる。このアンカー４１０の本体部分４１２はその第２の後端部４１６の表面積を最大にするように設計されている。従って、この骨アンカー４１０は上記ボア５０２の中における締り嵌めにより安定化され、これにより上記分離した関節唇５１０が、図１０（Ｂ）において示されているように、所望の位置において肩関節の骨５００に固定される。その後、この手術を完了するために各状況において一般的であるように、縫合糸２の自由端部を一体に固定し、余分な部分を切り取って整形する。
【００３５】
上記の説明が本発明の各原理の単なる例示であること、および種々の変更が本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく当該技術分野における熟練者により行なえることが理解されると考える。本明細書において引用した全ての文献はそれらの全体が本明細書に参考文献として含まれる。
【００３６】
本発明の実施態様は以下の通りである。
（Ａ）骨に組織を固定するための骨アンカーにおいて、
一定の長手軸、第１の先端部および第２の後端部により定められる細長い本体部分を備えており、当該細長い本体部分が前記第１の端部および第２の端部の間における２個の対向している面部、およびこれら２個の対向している面部の間に延在している複数の側壁部を有しており、さらに、
前記第２の端部において形成されていて前記複数の側壁部の１個から延出しているフレア状の部分を備えており、当該フレア状の部分が骨の中に係合および固定されることに適合しており、さらに、
前記細長い本体部分の中に形成されていて中に縫合糸を通すための少なくとも１個の縫合糸通路を備えており、当該縫合糸通路が前記２個の対向している面部の間に延在していて前記長手軸に対して傾斜して角度付けされている骨アンカー。
（１）前記少なくとも１個の縫合糸通路が前記本体部分の各表面において凹状の開口部を有している実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（２）前記開口部が楕円形である実施態様（１）に記載の骨アンカー。
（３）前記２個の対向している面部が実質的に平坦である実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（４）さらに、縫合糸に係合するための前記骨アンカーの第１の端部におけるノッチ部分を備えている実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（５）さらに、前記フレア状の部分と反対の方向における複数の側壁部の１個から延出しているフィンを備えている実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
【００３７】
（６）前記フィンが前記第１の端部および第２の端部の間の実質的に中ほどに配置されている実施態様（５）に記載の骨アンカー。
（７）さらに、前記細長い本体部分の第２の後端部から当該細長い本体部分の中に延在しているねじ付きのボアを有している実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（８）前記ねじ付きのボアが前記長手軸に対して一定の角度で延在している実施態様（７）に記載の骨アンカー。
（９）前記アンカーが２個の縫合糸通路を備えている実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（１０）前記縫合糸通路が前記長手軸に対してそれぞれ整合していない実施態様（９）に記載の骨アンカー。
【００３８】
（１１）前記第１の縫合糸通路および第２の縫合糸通路が前記細長い本体部分における各面部の１個に沿って延在しているトラフにより接続されており、当該トラフが前記縫合糸の一部分を支持することに適合している実施態様（１０）に記載の骨アンカー。
（１２）前記対向している各面部が前記第１の先端部において上昇している領域を有している実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（１３）さらに、前記第２の後端部における凹状の領域を備えており、当該凹状の領域が前記対向している面部の１個において配置されている実施態様（１２）に記載の骨アンカー。
（１４）前記第１の縫合糸通路の凹状の開口部が前記凹状の領域の中に延在している実施態様（１３）に記載の骨アンカー。
（１５）前記アンカーが生体吸収性である実施態様（Ａ）に記載の骨アンカー。
（１６）前記アンカーがポリ乳酸、リン酸三カルシウムおよびポリ乳酸の複合混合物、およびこれらの組み合わせ物から成る群から形成されている実施態様（１５）に記載の骨アンカー。
（Ｂ）骨に組織を固定するためのシステムにおいて、
一定の長手軸、第１の先端部および第２の後端部により定められている細長い本体部分を有する骨アンカーを備えており、当該細長い本体部分が、
前記第１の端部および第２の端部の間における２個の対向している面部、およびこれら２個の対向している面部の間に延在している複数の側壁部と、
前記第２の端部において形成されていて前記複数の側壁部の１個から延出しているフレア状の部分を有しており、当該フレア状の部分が骨の中に係合および固定されることに適合しており、さらに、
前記細長い本体部分の中に形成されていて中に縫合糸を通すための少なくとも１個の縫合糸通路を有しており、当該縫合糸通路が前記２個の対向している面部の間に延在していて前記長手軸に対して傾斜して角度付けされており、さらに、
前記骨アンカーに対して取り付けられることに適合している縫合糸のループと、
第１の組織進入用の端部、および第２の後端部を有する縫合針を備えており、当該縫合針の第２の後端部が前記縫合糸のループに取り付けられているシステム。
（Ｃ）骨に対して組織を固定するための方法において、
一定の骨構造体の中に一定の骨キャビティを形成する工程と、
一定の長手軸、第１の先端部および第２の後端部により定められている細長い本体部分を備えている骨アンカーを供給する工程を含み、当該細長い本体部分が前記第１の端部および第２の端部の間における２個の対向している面部、およびこれら２個の対向している面部の間に延在している複数の側壁部と、前記第２の端部において形成されていて前記複数の側壁部の１個から延出しているフレア状の部分、および前記細長い本体部分の中に形成されていて中に縫合糸を通すための少なくとも１個の縫合糸通路を有しており、当該縫合糸通路が前記２個の対向している面部の間に延在していて前記長手軸に対して傾斜して角度付けされており、前記骨アンカーがさらに当該骨アンカーに対して取り付けられている縫合糸のループと、第１の組織進入用の端部、および第２の後端部を有する縫合針を備えており、当該縫合針の第２の後端部が前記縫合糸のループに取り付けられており、さらに、
前記針を前記組織の遊離端部に通す工程と、
挿入工具を前記骨アンカーに取り付ける工程と、
前記骨アンカーを前記骨キャビティの中に挿入する工程と、
前記挿入工具を除去する工程と、
前記縫合糸に張力を加えて前記骨アンカーを掛け留めして骨の中への進入を行なう工程と、
前記縫合糸を結び付けて、前記組織の遊離端部を前記骨構造体のすぐ近くに運ぶ工程を含む方法。
（１７）前記骨アンカーを前記骨キャビティの中に挿入する工程が前記挿入工具により前記アンカーを掛け留めする処理を含む実施態様（Ｃ）に記載の方法。
【００３９】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、骨のキャビティ内におけるアンカーの緩みを防止するために骨の中への最適な保持を行なう骨に対して軟質組織を固定するための改善されたシステムが提供できる。さらに、軟質組織を硬質の骨に対して固定するための改善されたシステムが提供できる。このシステムは骨に対して係合する骨アンカーの先端の表面部分の領域を最大化するためにそのアンカーの本体部分の同一面側に縫合糸を配置することを可能にして、係合面積を増加して張力に対する抵抗性を高める。さらに、完全に吸収性の縫合糸アンカーおよびシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（Ａ）は本発明の骨アンカーの実施形態の断面図であり、（Ｂ）は線１Ｂ−１Ｂにおける図１（Ａ）の骨アンカーの側面を通る別の断面図であり、（Ｃ）は図１（Ａ）の骨アンカーの斜視図である。
【図２】（Ａ）は本発明の骨アンカーの別の実施形態の側面図であり、（Ｂ）は図２（Ａ）の骨アンカーの面図であり、（Ｃ）は図２（Ａ）の骨アンカーの斜視図である。
【図３】（Ａ）は本発明の骨アンカーのさらに別の実施形態の側面図であり、（Ｂ）は図３（Ａ）の骨アンカーの面図であり、（Ｃ）は図３（Ａ）の骨アンカーの斜視図である。
【図４】（Ａ）は本発明の骨アンカーの別の実施形態の断面図であり、（Ｂ）は本発明の骨アンカーの別の実施形態の断面図である。
【図５】２本の縫合糸を伴う図４（Ｂ）の骨アンカーの概略図である。
【図６】（Ａ）は本発明の骨アンカーのさらに別の実施形態の平面図であり、（Ｂ）は図６（Ａ）の骨アンカーの側面図であり、（Ｃ）は図６（Ａ）の骨アンカーの別の面図である。
【図７】（Ａ）は縫合糸を伴う図６（Ａ）の骨アンカーの斜視図であり、（Ｂ）は線７Ｂ−７Ｂにおける図６（Ａ）の骨アンカーの断面図である。
【図８】（Ａ）は本発明の骨アンカーのさらに別の実施形態の面図であり、（Ｂ）は図８（Ａ）の骨アンカーの側面図であり、（Ｃ）は図８（Ａ）の骨アンカーの別の面図である。
【図９】（Ａ）は本発明の骨アンカーを配備する方法における一つの工程を示している概略図であり、（Ｂ）は本発明の骨アンカーを配備する方法における別の工程を示している概略図である。
【図１０】（Ａ）は本発明の骨アンカーを配備する方法におけるさらに別の工程を示している概略図であり、（Ｂ）は本発明の骨アンカーを配備する方法における最終工程を示している概略図である。
【符号の説明】
１０ 骨アンカー
１２ 本体部分
１４ 第１の先端部
１６ 第２の後端部
１８ ２個の対向面部
２０ 複数の側壁部
２２ フレア状の部分
２４ 縫合糸通路
２６ 貫通孔
２８ 凹状開口部
３０ ボア
Ｌ 長手軸

Claims (13)

1. 骨に組織を固定するための骨アンカーにおいて、
   長手軸、第１の先端部および第２の後端部により定められる細長い本体部分であって、当該細長い本体部分が前記第１の端部および第２の端部の間における２個の対向している面部、およびこれら２個の対向している面部の間に延在している複数の側壁部を有している、細長い本体部分と、
   前記第２の端部に形成されていて前記複数の側壁部の１個から延出しているフレア状の部分であって、当該フレア状の部分が骨の中に係合および固定されることに適合している、フレア状の部分と、
   前記細長い本体部分の中に形成されていて中に縫合糸を通すための少なくとも１個の縫合糸通路であって、当該縫合糸通路が前記２個の対向している面部の間に延在していて前記長手軸に対して傾斜して角度付けされている、少なくとも１個の縫合糸通路と、
   を具備する骨アンカー。
2. 請求項１に記載の骨アンカーであって、
   前記骨アンカーの第１の端部に縫合糸に係合するためのノッチ部分を備えている、骨アンカー。
3. 請求項１または２に記載の骨アンカーであって、
   複数の側壁部の１個から前記フレア状の部分と反対の方向に延出しているフィンを備えている、骨アンカー。
4. 請求項３に記載の骨アンカーであって、
   前記フィンが前記第１の端部および第２の端部の間の中ほどに配置されている、骨アンカー。
5. 請求項１〜４のいずれかに記載の骨アンカーであって、
   前記細長い本体部分の第２の後端部から当該細長い本体部分の中に延在しているねじ付きのボアをさらに有している、骨アンカー。
6. 請求項５に記載の骨アンカーであって、
   前記ねじ付きのボアが前記長手軸に対して角度をなして延在している、アンカー。
7. 請求項１〜６のいずれかに記載の骨アンカーであって、
   前記アンカーが２個の縫合糸通路を備えている、骨アンカー。
8. 請求項７に記載の骨アンカーであって、
   前記縫合糸通路が前記長手軸に対して整合していない、骨アンカー。
9. 請求項８に記載の骨アンカーであって、
   前記第１の縫合糸通路および第２の縫合糸通路が前記細長い本体部分の面部の１個に沿って延在しているトラフにより接続されており、当該トラフが前記縫合糸の一部分を支持するように形成されている、骨アンカー。
10. 請求項１〜９のいずれかに記載の骨アンカーであって、
    前記対向している各面部が前記第１の先端部に上昇している領域を有している、骨アンカー。
11. 請求項１０に記載の骨アンカーであって、
    前記第２の後端部に凹状の領域を備えており、当該凹状の領域が前記対向している面部の１個に配置されている、骨アンカー。
12. 請求項１１に記載の骨アンカーであって、
    前記第１の縫合糸通路の凹状の開口部が前記凹状の領域の中に延在している、骨アンカー。
13. 骨に組織を固定するためのシステムにおいて、
    長手軸、第１の先端部および第２の後端部により定められている細長い本体部分を有する骨アンカーであって、当該細長い本体部分が、
    前記第１の端部および第２の端部の間における２個の対向している面部、およびこれら２個の対向している面部の間に延在している複数の側壁部と、
    前記第２の端部に形成されていて前記複数の側壁部の１個から延出しているフレア状の部分であって、当該フレア状の部分が骨の中に係合および固定されることに適合している、フレア状の部分と、
    前記細長い本体部分の中に形成されていて中に縫合糸を通すための少なくとも１個の縫合糸通路であって、当該縫合糸通路が前記２個の対向している面部の間に延在していて前記長手軸に対して傾斜して角度付けされている、少なくとも１個の縫合糸通路と、を有する、
    骨アンカーと、
    前記骨アンカーに対して取り付けられることに適合している縫合糸のループと、
    第１の組織進入用の端部、および第２の後端部を有する縫合針であって、当該縫合針の第２の後端部が前記縫合糸のループに取り付けられている、縫合針と、
    を具備するシステム。

Images