JP4344091B2 - 前立腺の超音波造影法 - Google Patents
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Description
本発明は超音波造影剤で増強される超音波造影法、例えば直腸経由(transrectal)の超音波造影法を用いることにより前立腺の異常を診断しまた特性化する方法に関する。特に本発明は、このような診断および特性化のための手段として、造影剤の流入カイネティックスの測定、従って前立腺内の血管形成の状態の測定に関する。
【0002】
前立腺の異常、特に前立腺の癌は、中年以降の多数の男性を襲う。この癌は今、米国における男性の癌死亡の第二の主要原因でありまた、寿命の延びの結果、老年男性の数が増すとともにますます優勢になっている。米国では50歳以上の男性の約1/3が前立腺癌を有すると考えられており、またその結果、この約1/10が死亡する。
【0003】
前立腺異常は、デジタル直腸検査(DRE)と、超音波技術または磁気共鳴造影(MRI)技術によって場合により強化されている、前立腺特異性抗原(PSA)の評価とを組み合わせることにより主として調べられている。直腸経由の超音波造影法(TRUS)は、診断の助けとして時々使用されるが、造影強化剤の使用により強化されているか否かに拘わらず、現在、この方法は前立腺異常について明確な診断情報または特性化情報を与えるものとして信頼されてはいない。
【0004】
DRE、PSA評価およびTRSまたはMRI検査の所見がいかなるものであれ、癌、前立腺炎、肉牙腫性前立腺炎、結核性前立腺炎、前立腺上皮内腫瘍形成、梗塞およびのう腫が最も普通なものである前立腺異常に関する診断は、現在、ニードルバイオプシーによって前立腺から採取された試料に基づいてのみ信頼されている。現在、臨床医による試料採取のために、10個所までのバイオプシーの場所が前立腺の全体にわたって不規則に選ばれる。試料採取個所を不規則に選定すると、癌性の病変を見落とし、従って致死的な可能性のある疾患の診断に失敗するおそれが排除されないので、この状況は満足できない。さらにまた、このような方式は、多数の試料の詳細な研究室分析を必要とし、従って費用が嵩みまた労働集約的である。このような侵襲的方法が患者にとって不愉快なことはいうまでもない。
【0005】
TRUS技術および造影増強剤が、異常な組織から正常な組織を十分に良く識別し、臨床医がバイオプシー個所を選定するための参考として機能することが少なくともできるように、これらを改善しようと多くの試みが模索されてきた。
造影剤の増強能力の改善および造影方法そのものの進歩にもかかわらず、TRUSはその性質が非特異性でありまたこの分野における臨床的影響力は失望的であるといまだ広く見なされている(Downey(1997年)、Current Opinion in Urology,7,93〜99ページ)。やはりまた、前立腺腫瘍の25〜40%は等反響性(isoechoic)であり、従って現用の方法による超音波検出になじまないので、専門家の一部は、前立腺異常の診断および特性化にたいする超音波造影法の今日までの貢献は最小であり、失望的であると未だに感じている(上記のDowneyの文献;Bude & Rubin(1996年)、Radiology、200、21〜23ページ)。
【0006】
腫瘍細胞による新脈管形成の誘導に基づく血管構造の変化は、全体が固形の腫瘍の確立をともなうことが知られており、また腫瘍の増殖および転移を許容するにはこの変化が必要である。腫瘍の確立および増殖を伴う脈管形成における変化の研究では、目的とする組織または器官の区画された領域内にある微細血管の数が定量化され、そして新脈管形成の程度を評価するのにこれが使用される。この数は、メラノーマ、非小型細胞肺癌および乳癌のような症状における疾患の進行と相関することが示されており、また転移型の疾患を予測するのに用いることができる。
【0007】
バイオプシーで採取される試料または前立腺切除術試料について顕微鏡で得られる微細血管計測値(MVC)によると、大きなMVCと前立腺疾患の病理学的段階の進展とには正の相関があることが示されている(Fregneら(1993年)、Anticancer Research、13、2377〜2382ページ)。このような研究によると、MVCの測定により良性腫瘍と悪性腫瘍とが効果的に識別でき、また前立腺の癌性の患部が転移性になる蓋然性を自信をもって推定するのにこの測定を用いうることが示される。
【0008】
一般に、体の他の部分と同様に前立腺の悪性の組織は、正常な組織または過形成組織より多い微細血管を随伴し、従ってMVCがより大きい。そこで、前立腺の画定された領域における血管形成の状態を測定すると、検査される組織の状態との相関が得られる。血管の変化した形状と組織の異常との相関は十分に密接であるので、前立腺の組織異常の診断、特性化、モニタリングおよび予後に、血管形成の解析を利用することができよう。残念ながら、前立腺組織における血管の構成またはMVCの決定はバイオプシーにより採取される試料についてエクスビボでしか実施できない。
【0009】
TRUSを用いて血管の構造をその場で視覚化する試みは、前立腺異常の診断/モニタリングにこの技術を自信をもって使用できるようにするのに必要な詳細さおよび解像度を与えるのに失敗している。
従って、前立腺における血管形成の状態を、臨床的検討および解釈になじむ仕方で詳細に評価するための信頼できる非侵襲的方法に対する必要性は大きい。
【0010】
本発明は、造影剤を含む血液が前立腺を通過する際の造影剤の或るフローパラメータを超音波造影法で測定することにより、血管の状態の異常が評価できるという予想外の発見に基づいている。
従って1つの態様によるとき本発明は、前立腺の少なくとも1つの領域への、血管内に投与される超音波造影剤の流入カイネティックスを超音波造影法で測定することにより前立腺の血管形成の状態を評価する方法を提供する。
このようにして得られる超音波画像は、前立腺全体に関する情報が得られるように、造影される前立腺の1つまたはそれ以上の領域における血流、血液量または血液灌流の1つまたはそれ以上を評価するのに使用できる。
【0011】
前立腺の組織を通過する血液の体積および流量は、血液を運ぶ血管の数および性質を測定することにより主として測定される。たとえ前立腺の小さい領域においても、例えば、傷害または腫瘍で誘発される新脈管形成に由来する前立腺の正常な血管構造からの変異は、体積および流量のような血流パラメータおよび/または器官内の血管の数、寸法および伸展性(compliance)の変化を生じる。これらの変化は、流動パラメータおよび組織の灌流の程度に反映し、従って前立腺の血管網を通過する超音波造影剤の流入カイネティックスに反映する。
別な態様から見ると本発明は、上記の方法で使用するための画像増強組成物として超音波造影剤を使用することそしてこの組成物の製造にこの超音波造影剤の使用を提案する。
【0012】
本発明に関連して「灌流」(perfusion)という用語は、血液の体積/組織の重量/単位時間の測定値と定義される。これは、直接定量化するのが困難なパラメータであり、また前立腺に関しては、現在知られているいずれの技術によってもその場(in situ)で測定することはできない。しかしながら、領域的な灌流の程度は、本発明によれば注入されるボーラスの到着時の、組織の異なる領域における造影効果の時間的進展をモニターすることにより評価することができる。組織の灌流の大きな領域への造影剤の到着は、灌流の小さい領域より一層早く起きることが期待される。しかしながら、組織の異なる領域に至る血管の容積のような重要な変数が知られているならば、結果を灌流の定量的な尺度と解釈することができる。
【0013】
領域的灌流の相対的度合いは、パワードップラー(「ドップラー血管」または「ドップラー振幅」とも称される)造影によっても評価できる。壁面運動フィルターの特性を適切に選ぶことにより、流速が増加しつつ流れる造影剤の信号成分の前進的重みづけを実施することができる。領域的灌流率は血管の容積と平均流速との積で十分に近似されるので、この重みづけを、血管の容積と戻ってくるエコーの強度とに固有な直線的な関係とともに用いると灌流率で重みづけされた画像が生じる。こうして得られる画像データは、灌流の異なる組織領域を別な色で表示するように提示される。
【0014】
本発明で用いる場合、「測定」および「評価」という用語には、測定されまたは評価されるパラメータに関する絶対値を得、そしてまた半定量的および定性的な測定または評価を行うという意味での定量化が含まれる。前立腺の画定された領域の血管構造を通じて流れる超音波造影剤を造影することにより作成される、この領域の灌流の流入カイネティックスに関する指数、比率、百分率または類似する指標を得ることができる。
【0015】
本発明の方法には、超音波造影剤を患者に投与し、次いで患者の前立腺を適当な任意の超音波造影技術、例えば技術上既知のものによって超音波造影法により造影することが本質的に含まれる。こうして作成される画像データは、体積、流量、血管直径などのような1つまたはそれ以上のパラメータを決定するために使用され、これらのパラメータから流入カイネティックス、従って灌流の程度が決定される。
【0016】
組織の灌流の程度に関する情報は、異常な血管形成の個所を同定するために使用されることができ、これによって前立腺異常の診断、存在する疾患の程度または状態の評価、同定されたなんらかの病変の特性化、最良または最適な治療形態に関する考察および予後の評価が容易になる。あるいは別に、このような情報は治療の効率または疾患の進行または退行を評価するのに使用されうる。
【0017】
この情報から決定される流入カイネティックスデータおよび灌流データは、血管形成の変化に随伴する前立腺のなんらかの異常を診断し、特性化しそしてモニターするのに使用される。しかしながら殊に、傷害、炎症、過形成または腫瘍で誘発される血管発生に由来する異常な血管形成に関連する状態は、本発明に従って同定するのに特に適合する。悪性腫瘍および良性腫瘍に関する流入カイネティックスおよび血管形状を同定しまた決定することは、本発明の特に好ましい態様をなす。
【0018】
造影剤の流入カイネティックスの評価により、前立腺内の血流の経時的変化に関する情報が与えられる。従って、コントラストの増加、減少、および信号の発生の継続時間を測定することによって流れの時間的経過を吟味することにより、検討を加える1つまたはそれ以上の領域からの情報を、癌性の、炎症性の、または良性の前立腺過形成(BPH)組織のような異常な組織から正常な柔組織を区別しまた程度の異なる異常を区別するために用いることができる。
【0019】
病理学的症状によって惹起される血管形状の変化は通常、小さい血管を特に冒す。前立腺の血管のパターンの自然な対称性からの隔たりもまた、病変を同定するのに用いることができる。本発明の実施においては、小さな血管およびその幾何学的配置を可視化しそしてまた血管内の血液の速度および/または体積を記録することが、望むなら実際に可能である。従って本発明は、流入カイネティックスを調べるのと同時にあるいはこれとは関係なく、前立腺の血管の組織および構造のマッピングを実施することを可能にする。
【0020】
本発明の方法により、スポーク状の血管パターンの存在が明らかにされ、正常な前立腺組織においては、これを通って血液および造影剤が内側に、時間依存的に、放射的に流れることを認めることができる。従って、この対称的なパターンからのずれは前立腺疾患を評価しそして/あるいはモニターするための有用なマーカーであろう。このため、更なる態様として本発明は患者の前立腺異常を検出するための方法を提供し、これは、この患者の血管系に超音波造影剤を投与し、この患者の前立腺の少なくとも一部を超音波で造影し、そしてこのようにして得た超音波画像データを、前立腺のスポーク状の血管パターンにおける疾患に関連のある非対称性に関して解析することからなる。
【0021】
本発明には適当な任意の超音波造影剤が使用できること、また異なる造影剤が、異なる造影技術に対して使用するのに多少なりとも好適であり、あるいはまた、同じ造影技術を用いるがパラメータまたは機器の設定が異なる際にも同様であることは、当業者にとって明らかである。一般に、自由流動性のトレーサーが使用できる。
【0022】
前立腺の灌流を評価するには、WO-A-9817324中に例示されているような蓄積性の造影剤が特に有用である。造影剤の沈積は灌流と関係し、従って灌流と相関するであろう。このため、癌の場所または異常な血管構造を生じる他の異常の場所を同定し、従って組織中の血流の局所的変化を認識することが容易である。
【0023】
本発明に従って有用である好ましい1群の超音波造影剤は、ガス、例えばパーフルオロカーボンガス、両親媒性物質で安定化された微細気胞からなり、この両親媒性物質は、内容が参照によって本記載に加入されているWO-A-9729783に記載のように、全体として正味の正電荷を個々に有する分子を主として含むリン脂質から本質的になる。含まれるリン脂質の少なくとも70%を、1つまたはそれ以上のホスファチヂルセリンが占める薬剤であって、そこに含有されるガスが、6弗化硫黄または、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタンまたはパーフルオロペンタン のようなC1〜C6のフッ素化(例えば、パーフルオロ化)炭化水素からなるものが特に好ましい。
【0024】
本発明の方法には適当な任意の超音波造影技術、例えば、基本波Bモード造影法;低調波、第二高調波および一層高次の高調波そして特定の高調波の差および和の受信を含む高調波Bモード造影法;そして、基本波、高調波または低調波のエコー振動数の選択的受信を場合によっては含む組織ドップラー造影法;基本波、高調波または低調波のエコー振動数の選択的受信を場合によっては含むカラ−ドップラー造影法;基本波、高調波または低調波のエコー振動数の選択的受信を場合によっては含むパワードップラー造影法;自発的なまたは超音波で誘発される破壊、分解、成長または融合によって惹起されるような造影剤微細気胞の音響特性の変化によってもたらされる相関の喪失または見かけのドップラーシフトを利用するパワーまたはカラードップラー造影法のようなドップラー技術;基本波、高調波または低調波のエコー振動数の選択的受信を場合によっては含み、そしてまた各方向に発射されるパルスの数が2を越えない技術もまた含むパルス反転造影法;自発的なまたは超音波で誘発される破壊、分解、成長または融合によって惹起されるような造影剤微細気胞の音響特性の変化によってもたらされる相関の喪失を利用するパルス反転造影法;例えば、1997年のIEEE Ultrasonics Symposium、1567〜1570ページに記載のようなパルス逆歪み(pre-distortion)造影法;ガス気胞の存在によって惹起される非線形な効果を検出するために放射出力の異なる振幅または波形によって得られるエコーを比較することに基礎をおく超音波造影技術;異なる音響出力水準で画像が得られる超音波造影技術、例えば、1つの画像が高い出力で得られそして10個まで(例えば2または3個)が低い出力でえられる技術;いくつかの高エネルギー超音波パルスの一つによって、例えば、高いフレーム速度の一連の高エネルギーパルスを、続いて低いフレーム速度の一連の小振幅のパルスを送ることによって造影剤が破壊または変性された後に、造影剤のウォッシュイン(例えば、時間−強度プロフィル)を吟味するために、上記した技術の任意の一つによって得られるエコーを比較することに基づく超音波造影技術;WO-A-9712551に記載のように造影剤の注入の後のスペックルの空間的および時間的変動を吟味するために、上記した技術の任意の一つによって得られるエコーを比較することに基づく超音波造影技術;英国特許出願第9726773.6号を基礎とし、同日付である本発明者の国際特許出願に記載されているような、動脈の脈動を表す波形を発生しそして灌流および/または伸展性の局所的異常を特徴づける変動に関してこの波形を解析することにより、血管形成された組織の灌流および/または伸展性の局所的な異常を検出することに基づく超音波造影技術;そして、例えば、US-A-5735281に記載のような、画像が心臓の周期、例えばECGに対して、または呼吸のような身体的運動に対してゲートされている超音波造影技術が使用されてよい。
【0025】
上述した技術のうちパワードップラーが好ましい技術である。好ましい他の技術は、造影剤で誘発されるスペックルの時間的変動の解析と特に組み合わせられ、局所的な血管構造および血管形成を高い解像度および感度で評価することができる、パルス反転造影および第二高調波Bモード造影である。これらの技術は、組織のバックグラウンド信号を差し引くことと組み合わせてよい。
【0026】
上記の任意の技術を、3次元的な取得および再構成と組み合わせることにより超音波画像を得ることができ、三次元の血管構造および血管の状態の評価を実施することが可能になる。この目的のために、ドップラーをベースとする方法が使用できるが、パルス反転造影および第二高調波Bモード造影は優れた空間解像度を与えまた流れの方向および流速とは独立であり、従って血管の形状および血管の状態に関する情報を優れた解像度で与えるとともに微細循環に関する情報を与えるであろうから、これらの造影法が好ましい。スペックル変動解析と組み合わせまた組織バックグラウンドの差し引きを採用することにより一層の改善を行うことができ、このような態様においてはパワードップラーの使用が好ましい。
【0027】
本発明の方法を実施するのに単一の造影技術が使用されてよく、あるいは流入カイネティックを測定するための単一の検討セッションに、異なる造影技術の組み合わせが使用されてよい。検査される前立腺内の特定の個所に従って、例えば、表面の領域、尿道周辺の領域または柔組織領域のいずれが検査されるかによって、異なる造影剤、造影技術またはこれらの組み合わせが、一層良い解像度または精細度を与え、あるいはノイズ、または運動によって誘発されるアーティファクトを一層すくなくする。このような融通性は本発明の方法の利点であり、またこの方法を実施するのに、1つまたはそれ以上の超音波造影剤および/または1つまたはそれ以上の造影技術によってつくられる情報が使用されることができる。
【0028】
英国特許出願第9726773.6号を基礎とし、同日付である本発明者の上記の国際特許出願に開示されている技術には、パワードップラー造影つまり、血管形成された組織の灌流および/または伸展性の局所的な異常を同定するために血管内に投与される造影剤とともに、ある水準を越える速度に関する信号強度が測定されるドップラー造影の使用が含まれる。造影剤の存在は、極めて小さい血管内の血流の可視化を可能にする信号強度を一般的に増加するとともに、造影剤なしでの造影に比べて信号対ノイズ比を改善することにより、パワードップラー造影で通常用いられるものより小さい時間的画像平均時定数の使用を可能にする。このことはまた、灌流される組織の動脈の脈動性を、例えば心臓に同期する脈動性フラッシングとして顕す波形の可視化を可能にする。ドップラー信号の変動の時間的および空間的パターンを検出するためにこのような脈動的パターンを解析すると、ドップラー速度波形指数をベースとし、従来使用されいぇ来た方法に比べて、組織の灌流および/またはコンプライアンスにおける局所的な異常を著しく一層精細に検出しまた造影することができる。悪性腫瘍血管における血管組織の分化の欠如は、正常な組織とは異なる抵抗および伸展性の状態を惹起するであろうから、このような態様は、腫瘍の検出を容易にする。
【0029】
Bモード造影、特に第二高調波Bモード造影のような高調波技術のごとき造影技術は例えば、心臓周期によって前立腺の血管系内に誘発される体積脈動の結果として発生される動脈の脈動波形を記録するのに使用できる。
【0030】
強度モードで操作される適当な任意の造影機器、例えば、フェイズドアレイセクター(phased array sector)または線形アレイ超音波スキャナーを含むものが使用されてよい。ドップラー検査においては、組織運動のアーティファクトのフィルターは比較的高い値に設定されるのが有利であり、また速度がゼロに近づくにつれて、信号の感度の滑らかな減少を生む特性を有するように設定するのが有利である。パワー対振動数のカーブが直線的であるフィルターが特に好ましい。このような高域フィルターリングは、表示される信号の強度を直線状に変調し、また動脈血液の速度が閾値の上方からそして下方から変化するにつれて脈動状パターンを発生するであろう。強度信号は対数コンプレッションを行わずに線形的に処理されるのが好ましい。このような処理はバックグラウンド組織エコー特性に配慮することなく実施されてよい。
【0031】
移相検出の感度を増大するために信号検出は、例えば、心電図(ECG)または類似の心臓同期信号から得られる振動数および位相の参照値に関して実施されるのが好ましい。呼吸周期のような別な自然のリズムも同様に用いられてよく、末梢抵抗血管の交感神経支配がそうであるように、静脈流の速度は呼吸によって変調される。あるいは別にまたは追加的に、例えば、100Hzまでの振動数を有する、外部から加えられる参照パルスが使用されてよく、従って例えば、圧力の脈動を血流中に伝達するために主動脈の上に機械的振動機が置かれてよい。
【0032】
信号処理は、画像の当該の各ピクセルについて、参照振動数またはその整数倍における強度信号の脈動の位相および振幅を、例えばフーリエ変換を用いて計算することにより実施でき、所望ならば画像は二次元の低域フィルターリングおよび再サンプリングによって最初にデシメートされてよい。心臓の参照周期内にある一連のドップラー強度画像(I1,I2.....IN)が、時間t1,t2....tNで得られ、またこの周期を形作る、連続する2つのECGのr−波の検出事象がT1およびT2で起きるならば、所与のピクセル(x,y)に対する、心拍度数の第p高調波における複素フーリエ和は
【式1】
として算出されることができる。この計算は、連続する多数の心拍周期について反復されてよく、また信号対ノイズ比を改善するために得られるフーリエ係数は平均されてよい。あるいは別に、このような平均化は、時定数低域フィルターリングによって、実時間的応用のために実施されることができる。
【0033】
グレースケールの組織画像上に所望ならば重畳されてよい着色されている画像を形成するために、例えば、複素フーリエ係数が使用されてよい。従って例えば、心拍度数の基本振動数(p=1)のためのフーリエ係数をベースとする複素数値は、絶対値を輝度としてまた位相を色彩として(例えば、連続する円形のレインボースケールを使用して)エンコードされてよい。こうすると、検出可能な灌流は多少とも明るく、一方、妥協循環(compromised circulation)の領域は、位相ひずみを示す色彩の変化によって認識されよう。心拍度数の振動数(p>1)のより高次の高調波に含まれる情報は、移相の検出感度を増加するために追加的にあるいは別に使用されてよい。
【0034】
あるいはまた、いくつかの連立変数が算出されそして多変数による組織の統計的特性化に使用されてよい。このようにして使用されてよい代表的変数は、心拍度数またはその高調波における位相および振幅、信号強度の時間的平均値および1心拍周期内のピーク信号強度である。
【0035】
画像全体にわたって領域的な脈動性の詳細なマップを構成するために、ECGでゲートされるコヒーレントな平均化のような技術が使用されてよく、所望ならば、経験的な脈動指数が算出されそして例えば色彩重畳画像として表示されてよい。限定された一組のpの値に関する離散的な係数を逆フーリエ変換することにより、あるいは時間領域でコヒーレントな平均化を行ない、時間軸で内挿することによって心拍周期の様々な長さに対して補償を行うことにより、コヒーレントな平均化が行なわれた周期に関してほどほどな推定を行うことができる。
【0036】
上記に述べた技術のいずれかを、超音波画像の三次元的な取得および再構成と組み合わせ、三次元的な血管構造および血管の状態の評価を実施することを可能にすることにより、一層の改善が達成できる。この目的のためにドップラーをベースとする方法が使用できるが、第二高調波Bモード造影のようなパルス反転造影技術および高調波造影技術は、優れた空間解像度を与えまた方向および流量とは無関係であり、従ってこれらの方法は、微細循環に関する情報を含む、血管の形状および血管の状態に関する解像度の優れた情報を与えるであろうから上記の両技術が選好されるであろう。スペックル変動解析および/または組織バックグラウンドの差し引きと組み合わされて一層の改善を図ることができる。
【0037】
一般に、本発明の方法にあっては、超音波信号を伝送しそして受け取るための手段は当業者に知られた適当な任意の手段であってよいが、直腸通過式(transrectal)の変換器であるのが好ましい。このような変換器は標的領域の間近に送り込むことができ、介在する組織などによる信号の減衰が最小になるという利点が結果として伴う。このことは、解像度の増加した画像を得るように比較的大きい振動数の超音波の照射の採用を可能にするが、これは、減衰が振動数とともに増加するからである。
【0038】
超音波信号が伝送されそして/あるいは受け取られる振動数は、例えば0.1〜18Hz、例えば4〜1Hzそして一層望ましくは6〜9Hzの範囲にあるであろう。造影技術の性格に応じて、受け取られる信号の振動数は、例えば基本Bモードにおけるように伝送される信号の振動数と同じであってよく、あるいは例えば第二高調波造影におけるようにこの振動数の高調波であってよく、この場合、伝送される信号が4Hzの振動数を有する場合、受け取られる振動数は8Hzである。
【0039】
本発明の重要な利点は、前立腺の本質的に任意の領域からの超音波画像が解析されることができまた評価される領域の流入カイネティックスおよび灌流の度合いが測定されることである。これまで得ることのできなかった完璧さと明確性が得られ、また前立腺全体の本質的にすべての領域が、異常な血管形成の領域に関して解析されることができる。不規則なニードルバイオプシーサンプリングと比べたこの方法の利点が、特に臨床的信頼性、精度および信頼度の点で相当なものであることは明らかである。
【0040】
例えばTRUS技術を用いて血管形成を確実に評価する能力は、前立腺の上または中の本質的に任意の個所を医師が非侵襲的な仕方で可視化することを可能ならしめることにより、この分野における大きな一歩を意味し、また質の高い画像を作成する能力は、血管形成の状態を間接的な仕方で詳細に評価することを可能にする。従って、前立腺のランダムに選んだ領域でなくすべての領域が、ただ一回のスクリーニング手続きで解析され、また前立腺全体の一層完全な検査が実施される。本発明の方法が、臨床的見地から著しく一層満足なものであり、また患者にとって一層よく受け入れられることは明らかである。病変の性質を明確に同定するためにバイオプシーサンプリングがやはり必要な場合でさえ、本発明の方法は、バイオプシーの必要な個所を医師が特定的に同定するのを可能にし、またランダムな『ヒットアンドミス』サンプリングの必要をなくする。
以下の非限定的な実施例は本発明を例示するのに役立つ。
【0041】
調製例 1
a) パーフルオロブタンガス分散体
プロピレングリコール(0.3g)およびグリセロール(1.0g)の水溶液20ml中の水素化ホスファチヂルセリン(100mg)を80℃で20分撹拌しそして得られる液状混合物を室温に放冷した。液体上の空間をパーフルオロブタンでフラッシングしそして超音波処理すると、乳白色の微細気胞の分散体が生成した。
【0042】
b) 凍結乾燥されたパーフルオロブタンガスの分散体の分散
上記の(a)で調製した乳白色の分散体の試料を浮遊および上澄み液(infranatant)の除去によって5〜10回洗浄した。この試料を注射用水中に再度分散した。洗浄したガス分散体を等容の蔗糖の10%溶液と混合した。50μmの開口を備えたCoulter Counter計測器を使用して、体積が中位数である直径が3〜4μmの範囲にあることを知った。電解液としてIsoton IIを使用した。
5%の蔗糖中の洗浄したガス分散体の1mlの部分を2mlのバイアルに移し入れそして凍結乾燥した。微細気胞の濃度が5〜15μl/mlになるまで、注射のための再分散を水中で行った。
【0043】
実施例 1
超音波造影剤を注射した後の正常な前立腺の造影
0.04mg/kgのアトロピンサルフェート、0.75mg/kgのアセプロマジンおよび23mg/kgのケタミンハイドロクロライドの混合物を筋肉内に投与することにより鎮静された24kgのオスの雑種犬を検査するためにC9−5 ICT直腸通過型のプローブを有するHDI 3000超音波スキャナーを使用した。8mg/kgのペントバルビタールを静脈内に注射することにより、鎮静を維持した。
前肢の静脈内に18ゲージの血管カテーテルを入れ、1kgあたり0.0125μlの微細気胞の投与量の調製例1からの造影剤を注射し、そして注射の前後にパワードップラー画像を記録した。画像のコントラストを最適にするように計測器の設定を調整した。
造影剤を注射して13秒の後、極めて僅かな血管をみることができ、またコントラストの増強は顕著でなかった。注射して15秒に、前立腺の両側の表面領域にコントラストが現れ始め、前立腺への血液の供給が始まることが示された。注射して16秒にコントラストが表面領域から前立腺の中央部に向かって進み、またスポーク状の血管形成パターンが明らかであった。次の数秒にわたって、このことが一層よく視覚化されてきた。
【0044】
実施例 2
前立腺の切除
0.04mg/kgのアトロピンサルフェート、0.75mg/kgのアセプロマジンおよび23mg/kgのケタミンハイドロクロライドの混合物を筋肉内に投与することにより鎮静された25kgのオスの雑種犬を検査するために、C9−5 ICT直腸通過型のプローブを有するHDI 3000超音波スキャナーを使用した。8mg/kgのペントバルビタールを静脈内に注射することにより、鎮静を維持した。
前肢の静脈内に18ゲージの血管カテーテルを入れ、1kgあたり0.006μlの微細気胞の投与量の調製例1からの造影剤を注射し、そして基本Bモード画像およびパワードップラー画像を記録した。画像のコントラストを最適にするように計測器の設定を調整した。実施例1に記載したスポーク状の血管パターンは、造影剤の注射後約3分して明瞭に確認できた。
直腸通過式の方法を用いることにより、前立腺の標的領域に組織を切除するレーザー針をいれ、そして3分間10ワットのレーザーを照射して切除を行なった。造影剤なしのBモード造影またはパワードップラー造影を採用すると、切除の行われた位置も切除寸法も可視化できなかった。しかしながら、造影剤の注射後約2分すると、前立腺の左側に正常なスポーク状の血管形成パターンを、また右側に正常な血管形成の乱れを検出することができ、これは切除を表した。
【0045】
実施例 3
第二高調波Bモード造影
0.04mg/kgのアトロピンサルフェート、0.75mg/kgのアセプロマジンおよび23mg/kgのケタミンハイドロクロライドの混合物を筋肉内に投与することにより鎮静された24kgのオスの雑種犬を検査するために、L10−5 ICTという腹部通過型(transabdominal)の線形配置のプローブを有するHDI 3000超音波スキャナーを使用した。8mg/kgのペントバルビタールを静脈内に注射することにより、鎮静を維持した。
前肢の静脈内に18ゲージの血管カテーテルを入れ、1kgあたり0.1μlの微細気胞の投与量の調製例1からの造影剤を注射し、そして第二高調波Bモード造影を実施した。画像のコントラストを最適にするように計測器の設定を調整した。
すべての領域が灌流されている正常な前立腺について期待されるように、造影剤の存在により惹起されるコントラストの強化が前立腺全体にわたって認められた。画像が比較的均一にみえることによって、小さい血管および毛細血管中に存在する造影剤が検出されることが示された。
【0046】
実施例 4
志願者の正常な前立腺の造影
物理的検査および医学的履歴分析を含む予備調査の後、前立腺の血管パターンを評価するために、18〜25歳の健康な5人の男子がフェーズIIの研究に組み入れられた。
最初、横および縦の両方向の投影で、前立腺のベースライン検査を実施した。異なる3つの造影方式すなわち、基本波Bモード、これに逐次続くカラードップラー次いでパワードップラー、あるいは基本モードに逐次続くパワードップラー次いでカラードップラーを用いた。造影剤(調製例1)の注射の後、同じ手順を反復した。
基本Bモード造影のために、1kgあたり微細気胞0.3μlの投与量を与えた。感度の一層高いドップラー技術のためには、より少ない投与量(1kgあたり微細気胞0.03μl)を与えた。異なる3つの造影方式を用いる観察のそれぞれ(横方向および縦方向の投影)の前に一回づつ複数の注射を行った。
注射器をベンフロン(18Gカニュウラ)の孔に直接連結することにより、毎秒約1mlの速さで造影剤を注射した。
【0047】
エンドキャビタル(endocavital)変換器を有するAcuson Sequoia No.512超音波装置を7MHzで操作し、造影剤の注射の前後に画像を記録した。画像のコントラストを最適にするように計測器の設定を最適化するように調整した。通例の4段階の指標(劣る、可、良好、優秀)を用いて、前立腺の血管パターンの主観的な評価を行なった。
以下の所見によって、正常な血管形成についてさらに記述した。
・ 表面から中央への充満(有り/無し)
・ 放射状パターン(有り/無し)
・ 対称性(有り/無し)
【0048】
得られる画像を評価すると、実施例1に似た結果が示された。正常な前立腺の血管パターンの可視化は、造影剤が前立腺に現れた後、明らかに一層よかった。コントラストは最初、表面領域に出現し、引き続いて前立腺の中央に向かって徐々に進行した。前立腺のスポーク状の血管パターンが観察された。カラードップラー画像およびパワードップラー画像は、明らかに一層よく、またこれらにより、基本Bモード造影に比べ一層の詳細が明らかになった。
【0049】
実施例 5
前立腺癌があることの疑われる患者での前立腺の造影
この研究には、前立腺癌があることが疑われ、また外来部門において超音波でガイドされる直腸経由の前立腺のコアバイオプシーが予定さている男性患者が組み入れられた。前立腺癌の陽性の指標は、前立腺特異性抗原の増加、デジタル直腸検査が陽性および微細針吸引バイオプシーのいずれか1つまたはこれらの組み合わせであった。
最初、横および縦の両方向の投影で、前立腺のベースライン検査を実施した。異なる3つの造影方式すなわち、基本Bモード、これに逐次続くカラードップラー次いでパワードップラー、あるいは基本モードに逐次続くパワードップラー次いでカラードップラーを用いた。ベースライン検査の後、造影剤(調製例1)を注射した後に、同じ手順を反復した。
基本Bモード造影のために、1kgあたり微細気胞0.3μlの投与量を与えた。感度の一層高いドップラー技術のためには、より少ない投与量(1kgあたり微細気胞0.03μl)を与えた。
注射器をベンフロン(18Gカニュウラ)の孔に直接連結することにより、毎秒約1mlの速さで造影剤の注射を行った。
【0050】
エンドキャビタル変換器を有するAcuson Sequoia No.512超音波装置を7MHzで操作した。画像のコントラストを最適にするように計測器の設定を最適化するように調整した。
代表的なパワードップラー造影処理においては、造影剤を注射した約20秒後に、前立腺の右側の表面の帯域にコントラストの増強が始まるのが認められた。造影剤を注射して28秒後に、この領域は、前立腺の左側の対応する領域と比べて、著しく顕著なコントラストの増強を示した。さらに、前立腺の右側の領域内の血管構造は、この領域に病的な組織が含まれることを示した。造影剤を注射して40秒後に、コントラストの増強は、前立腺全体にわたって一層均一に分布していた。
【0051】
バイオプシーによる前立腺癌の確認
コントラストが最初に現れた領域から採取したコアバイオプシーは、顕著な増強を示し、また前立腺の左側と比べて異なる血管構造を有した。患者が、前立腺の右側の表面の帯域内のある領域に前立腺癌を有することを、バイオプシーによって確認した。
【0052】
造影方式の間の比較
パワードップラーが用いられる、上述と同じ患者の造影を、基本Bモード造影およびカラードップラー造影を用いてやはり実施した。カラードップラーおよびパワードップラーの画像は本質的に同じ情報を与え、またこれらの方法は明らかに一層良く、基本Bモード造影より一層詳細な情報を明らかにした。
従って、造影剤の注射の後、ヒトの前立腺の様々な領域の流入カイネティックスおよび血管構造を評価することができた。この情報は、正常な組織と病的な組織とを識別するのに用いることができる。
【0053】
実施例 6
前立腺癌の有る患者での前立腺の造影
前立腺癌腫のあることの知られた患者について、高調波パワードップラー超音波によって造影した。計測器のフレームを画像のパーシステンスが無い高速度に調整し、患者のECGを同時に記録した。
次いで、調製例1に記載の造影剤のボーラス(1kgあたり微細気胞0.03μl)を注射しそして、造影剤の定常状態の血液プール循環相において、10秒シーケンスの超音波画像をデジタル手段によって記録した。ECG r−波から心拍度数の精細な振動数および位相を抽出し、また画像の各ピクセルについて、輝度の時間的変化の離散的な複素フーリエ係数を算出することにより画像を解析した。次いで、新たな画像を計算したが、この場合、フーリエ係数の大きさから局所的な輝度を得また位相から色彩を得た。微細血管の抵抗に差がありまた組織間のコンプライアンスに差があるため、病変の輝度および色彩は、周囲の正常な前立腺組織とは異なる。
Claims (17)
- 画像増強組成物を対象に血管内投与し、少なくとも前立腺の一つの領域に流入し、通過する造影剤を含む血液の流れ及び/又は体積のカイネティックスデータを超音波造影法により測定して、コントラストの増加、減少及び信号発生の持続時間から流れの時間的経過を測定し、前記カイネティックスデータを前立腺内での血管形成における疾患に誘発された変化を同定するために分析する方法によって、対象の前立腺の血管形成の状態を評価するための超音波造影剤を含む画像増強組成物。
- 画像増強組成物がボーラスとして投与され、また前記カイネティックスデータが、前立腺組織の異なる領域にこのボーラスが到着することにより惹起されるコントラスト効果の時間的進展をモニターすることにより測定される請求項1に記載の画像増強組成物。
- 前立腺のスポーク状の血管パターン内の、造影剤で強化された血液の内側への放射状の流れに関する超音波画像データがつくられる請求項1または2に記載の画像増強組成物。
- 灌流率で重みづけされた超音波画像データが、パワードップラー造影を用いて作成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 動脈の脈動を表す波形が生成するように超音波画像データが処理され、そして前立腺内の組織の灌流および/または伸展性の局所的異常を特徴づける変動に関してこの波形が解析される請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 超音波画像データがパワードップラー造影により生成される請求項5に記載の画像増強組成物。
- 動脈の血流速度がある閾値を上回ってまた下回って変化するのにつれて脈動パターンが生成されるように、この閾値での超音波画像データが高域フィルターリングを行うことにより処理される請求項6に記載の画像増強組成物。
- 超音波画像データが、振動数および位相の参照値に関して処理される請求項5に記載の画像増強組成物。
- 振動数および位相の参照値が心臓に同期する信号である請求項8に記載の画像増強組成物。
- 超音波画像データを処理して位相情報を生成させ、そして移相の検出が行われて前立腺内の組織の灌流および/または伸展性における局所的な異常を同定する、請求項8または9に記載の画像増強組成物。
- 超音波画像データがパワードップラー造影法、高調波造影法造影またはパルス極性反転造影法によって、生成される請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 造影剤流れ及び/又は流量カイネティックスデータの前記超音波画像測定は、超音波画像データの三次元捕捉および再構成を組み合わされた請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 前記画像増強組成物が、超音波造影剤が全体として正味の正電荷を個々に有する分子を主として含むリン脂質から本質的になる両親媒性物質で安定化されたガスの微細気胞からなるように製造される請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 直腸経由型の変換器を用いることにより超音波画像データが生成される請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 前立腺内の血管における前記疾患に誘発された変化の同定が、前立腺異常の診断、疾患の程度又は状態の評価、同定された病変の特性化、最良又は最適な治療形態に関する考察、予後の評価、治療の効率の評価、疾患の進行又は退行の評価、傷害、炎症、過形成又は腫瘍で誘発される血管発生に由来する異常な血管形成に関する状態の同定、あるいはバイオプシーサンプリングの必要な個所の同定に利用される請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 超音波画像データは、前立腺のスポーク状の血管パターンにおける疾患に関連のある非対称性に関して解析される請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
- 前記流れ及び/又は体積のカイネティックスデータは、前立腺内の造影剤を破壊又は変性するために高エネルギー超音波パルスの少なくとも一つの適用し、少なくとも前立腺の一部に造影剤のウォッシュインの超音波画像を吟味することによって決定される請求項1〜16のいずれか一項に記載の画像増強組成物。
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