JP4338733B2 - 波面合成装置およびラウドスピーカアレイの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、波面合成システム、特に、限られた数のラウドスピーカしかもたないラウドスピーカアレイによるアーティファクトの防止に関する。
エンターテインメントエレクトロニクスの分野において、新規技術や革新的製品に対する必要性が増加している。新たなマルチメディアシステムの成功にとって、最適な機能性あるいは能力をもたらすということが重要な前提条件である。これは、デジタル技術、とりわけコンピュータ技術の活用により達成される。この例としては、よりいっそう現実に近い音響映像効果をもたらすようなアプリケーションがある。以前の音響システムでは、自然のものだけでなく、仮想環境における空間音声再生の品質でかなり不利な面がある。
音響信号のマルチチャネルラウドスピーカ再生方法は長年にわたって知られており、標準化されてきた。利用可能なあらゆる技術は、ラウドスピーカの設置場所とリスナーの位置の両方が転送様式において付加されているという点で不利である。リスナーに対してラウドスピーカを誤って配置すると、音響品質が大きく損なわれる。最適の音声は、いわゆるスウィートスポットと呼ばれる小さな再生空間エリア内だけで可能である。
良好な自然の空間効果や音響再生における包囲空間すなわち範囲を大きくすることは新規技術の助けを借りることで達成できる。いわゆる波面合成(WFS)と呼ばれるこういった技術の原理は、デルフト工科大学で研究されており、80年代後半に始めて発表された(バークアウト,A.J.;ドゥブリーズ,D.;フォーゲル,P.:波面合成による音響制御,JASA93,993)。
この方法ではコンピュータ出力および伝送速度に対して非常に大きな要求があるため、これまでのところ波面合成が実際に用いられることはまれであった。マイクロプロセッサ技術や音響符号化の分野における進歩があって、初めて、この技術を現在の具体的適用例に用いることが可能となる。専門家向けの最初の製品が来年予定されている。数年以内に、消費者向けの最初の波面合成の適用例も市場に現れると考えられている。
WFSの基本的な考え方は、波動理論におけるホイヘンスの原理を応用したものに基づく。
波動で捕捉される各点は、球状あるいは円状に伝播する素元波の基点である。
音響学に適用すると、入射波面の任意の各形状がお互い隣同士に配置される大量のラウドスピーカ(いわゆるラウドスピーカアレイ)により再現される。もっとも単純な場合、再生される単点音源やラウドスピーカの線形配置、各ラウドスピーカの音響信号は、個々のラウドスピーカの放射音声場が正しくオーバレイするよう時間遅延および増幅スケーリングを用いて供給される。各音源に対して、複数の音源を用いて、各ラウドスピーカに対する寄与が別個に計算され、計算で得られる信号が追加される。再生される音源が反射壁をもつ室内にある場合、追加音源としてラウドスピーカアレイを通る反射についても再生されなければならない。このように、計算コストは音源の数、録音室の反射特性、ラウドスピーカの数に大きく依存する。
特に、この技術の利点は、広範囲の再生空間にわたって自然の空間音声効果が可能であるという点である。既知の技術と対照的に、音源の方向と距離が非常に正確に再生される。限度はあるが、仮想音源を実ラウドスピーカアレイとリスナー間に置くこともできる。
波面合成は、特性のわかっている環境に対してはよく機能するものの、環境の実際の特性に合致しない環境特性に基づいて特性が変化する場合や波面合成が実行される場合、不規則性が生じる。
ただし、波面合成技術は、対応する空間音響知覚による視覚を補うよう有利な利用も可能である。かつて、仮想スタジオでの再生において、仮想場面の信頼できる視覚の伝播はフォアグラウンドであった。画像に一致する音響知覚は、通常、後でポストプロダクションと呼ばれる工程で手動ステップにより音響信号に対して付加される、あるいは実現に当って高価すぎて時間がかかりすぎるものと分類されるため無視される。したがって、通常の場合、個々の感覚との矛盾が生じ、これにより設計空間、すなわち信頼しにくいものと認識されるような設計場面になってしまう。
技術文献「視聴覚システムにおける空間化された音響と二次元ビデオ投射との結合効果に関する主観的実験」,W.ドゥブルイジン,M.ブーン,AES会議資料5582,2002年5月10−13日,ミュンヘンにおいて、視聴覚システムにおける空間音響と二次元ビデオ投射との結合効果に関する主観的実験が示されている。特に、互いに前後に並ぶ2人の人が見え、波面合成の助けを借りて異なる仮想音源とみなされて再構築されるのであれば、カメラからの距離が異なっている距離にあってお互いがほぼ前後の位置にある2人の話し手は、視聴者によりよく理解されるということが強調される。この場合、主観的実験により、お互い別々の場所から同時に話をしている2人の話し手をリスナーが良好に理解して聞き分けられるということが明らかとなった。
2001年9月24日から27日にかけてイルメナウで開催された第46回国際科学セミナーにおけるU.ロイタ,F.メルヒオール,C.ザイデルらによる「仮想空間における音響効果の自動適用」という件名の会議投稿において、音のポストプロダクション処理を自動化する方法が提示されている。最後に、部屋のサイズ、表面テクスチャあるいはカメラ位置、役者の位置といった視覚化に必要なフィルムセットのパラメータが音響関連性に対して確認され、その上で対応する制御データが生成される。これはその後、話し手の音量のカメラまでの距離の依存性の活用、あるいは部屋のサイズや壁のテクスチャに対する依存性の残響時間といったポストプロダクションに対して用いられる効果やポストプロダクション工程に対して自動的に影響を及ぼす。ここで、目的は、現実性の認識度の高い仮想場面の視覚を向上させることである。
場面がさらに現実味を帯びるようにするため、「カメラの耳を用いて聞くこと」が可能にならなければならない。ここで、映像の音声事象位置とサラウンドフィールドにおける聴取事象位置との間の関連性が可能な限り高くなることが求められる。つまり、音源位置が常に映像に適合することが想定される。ズームといったカメラパラメータもまた、LとRの2つのラウドスピーカの位置として音声設計に含まれる。最後に、仮想スタジオのトラッキングデータがシステムに伴う時間コードとともにファイル内に書き込まれる。同時に、映像、音声および時間コードがMAZに記録される。カムダンプファイルは、音響ワークステーション用の制御データを生成しMIDIインターフェイスを通してMAZからの映像に対して同期的に出力するコンピュータに伝送される。サラウンドフィールドにおける音源の位置づけや早期の反射や残響を挿入するといった実際の音響処理はオーディオワークステーション内で行われる。信号は5.1サラウンドラウドスピーカシステムに対して供給される。
捕捉セッティングにおける音源位置といったカメラトラッキングパラメータは実際の映画セットに記録される場合もある。このようなデータは仮想スタジオでも生成される。
仮想スタジオでは、役者あるいはプレゼンタが単独で記録室内にいる。特に、役者あるいはプレゼンタは、ブルーボックスあるいはブルーパネルとも呼ばれるブルーウォールの前に立つ。このブルーウォールに対して、青色ストライプおよび薄青色ストライプのパターンがあてられる。この様式の特別な点は、ストライプが異なる幅をもつため複数ストライプの組み合わせが生じるということである。ブルーウォールを仮想背景に置き換える際に、ポストプロダクションにおいてブルーウォールでのストライプの組み合わせが1つであることから、カメラがどの方向を向いているかを正確に決めることが可能である。この情報を用いて、コンピュータが現在のカメラ視野角に対する背景を決定する。さらに、追加のカメラパラメータを検知して出力するカメラからのセンサが調べられる。センサ手段によるカメラの典型的なパラメータとしては、回転、傾き、パン、焦点距離あるいはズームとも呼ばれるx,y,zという3段階の移動、3段階の回転があるが、これはカメラのアパーチャ角に関する情報と同じ意味をもつものである。
カメラの正確な位置は、画像認識や高度なセンサ技術なしに決定されることから、カメラに取り付けられた赤外線センサの位置を決定する複数の赤外線カメラで構成されるトラッキングシステムも用いられる。このようにしてカメラの位置を決定することもできる。センサ技術からもたらされるカメラパラメータや画像認識で調べられるストライプ情報を用いて、ここでコンピュータがリアルタイムに現在の映像に対する背景を計算する。ここで、青背景のもつ青の色合いが映像から除去され、これにより青背景の代わりに仮想背景が映写される。
ほとんどの場合、1つの考え方に従うが、これは視覚的にイメージされた場面の全体的な音響的効果を得るということに関するものが全てである。これは画像設計に由来する「フルショット」という用語でうまく記述される。あるものに対する光学的視覚の多くが激しく変化するものの、「フルショット」音声効果の多くは場面の全てのショットにわたって一定である。このように、光学的な詳細部分はショットを対応させることで強調される、もしくは背景に置かれる。映像ダイアログ設計におけるカウンターショットも音声で再現されない。
したがって、視聴者を音響視覚場面内に音響的に埋め込む必要がある。ここで、スクリーンあるいは画像エリアは視覚方向および視聴者の視覚を形成する。つまり、場面の画像と常に一致する形態で音声が画像を追う。特に、これは仮想スタジオでさらに重要になるが、その理由は、例えば、典型的には表現者が実際にいる表現部や周辺部で音声間の関連性がないためである。場面の音響映像の全体的な効果を得るため、表示された画像に一致する空間効果がシミュレートされなければならない。例えば、映像スクリーンの視聴者が認識するのに応じて、これに関連する音声概念における実質的な主観的特性は音源位置になる。
音響フィールドにおいて、波面合成(WFS)技術により、大規模なリスナーエリアに対する良好な空間音響が達成可能である。上述のように、波面合成はホイヘンスの原理をベースにするが、これによると素元波の重畳により波面が形成・構成される。数学的に厳密な理論的説明によれば、素元波の生成には無限小距離の無限数音源を用いなければならない。しかし実際上、お互いに有限の短い距離においた有限個のラウドスピーカが用いられる。WFSの原理によれば、これらのラウドスピーカのおのおのは、ある遅延とあるレベルをもつ仮想音源からの音響信号で制御される。レベルと遅延は通常、全てのラウドスピーカで異なる。
上述のように、波面合成システムはホイヘンスの原理に基づいて作動し、例えば、表示エリアもしくは多数の個別波による表示エリアのリスナーまでのある距離に配置された仮想音源に対する所定の波形を再構築する。波面合成アルゴリズムはこのように、ラウドスピーカアレイから個々のラウドスピーカの実際の位置に関する情報を得て、その後、この個別ラウドスピーカに対してコンポーネント信号を計算する。このラウドスピーカはその後、最終的に放射を行うが、これにより1つのラウドスピーカからのラウドスピーカ信号と他のアクティブなラウドスピーカからのラウドスピーカ信号との重畳により、リスナーが多数の個別のラウドスピーカにより「音声が放射されている」という感覚をもつのではなく、仮想音源位置にある1つのラウドスピーカにより放射されているという感覚をもつよう再構築を行う。
波面合成セッティングにおける複数の仮想音源に対して、各ラウドスピーカに対する各仮想音源の寄与、すなわち第1のラウドスピーカに対する第1の仮想音源、第1のラウドスピーカに対する第2の仮想音源、等のコンポーネント信号が計算され、その後、コンポーネント信号を追加し、最終的に実際のラウドスピーカ信号が得られる。例えば、3つの仮想音源の場合、リスナーにおける全てのアクティブなラウドスピーカのラウドスピーカ信号の重畳により、リスナーに対して、多数のラウドスピーカアレイからの音声で放射されるのではなく、仮想音源と等価な特殊位置にある3つの音源からだけリスナーが聞いているという印象をもつようにする。
実際上、1つの仮想音源だけがある場合に即座にラウドスピーカ信号を表示する、あるいは他の仮想音源から関連のあるラウドスピーカに対してさらに追加のコンポーネント信号を追加した後に関連のあるラウドスピーカに対するラウドスピーカ信号に寄与する仮想音源の遅延および/またはスケーリング音響信号を得るため、仮想音源位置およびラウドスピーカ位置に応じて、ある時点における遅延およびスケーリング因子を用いて付与される仮想音源と関連付けられた音響信号によりコンポーネント信号の計算が行われることが多い。
典型的な波面合成アルゴリズムは、ラウドスピーカアレイでいくつのラウドスピーカがあるかに関係なく働く。波面合成の元になる理論は、お互いが無限に近く配置されている無限に近い数の個別ラウドスピーカにより各任意音場が正確に再構成されるというものである。しかし実際上、無限に近い数あるいは無限に近い配列は実現不可能である。それに代わり、限られた数のラウドスピーカしかなく、これらのラウドスピーカはさらにお互いにある距離をもって配列されている。これにより、実際のシステムでは、仮想音源が実際に存在する、すなわち実音源である場合に発生する実際の波形に対して、常に近似的なものしか得られない。
さらに、映画劇場を考えた場合、ラウドスピーカアレイだけが例えば、映画スクリーンの横に配置されているというようなさまざまなシナリオがある。この場合、波面合成モジュールはこれらのラウドスピーカに対するラウドスピーカ信号を発生させる。これらのラウドスピーカに対するラウドスピーカ信号は、例えば、スクリーンが配置されている映画劇場の横に渡って延伸するだけでなく、観客室の左側、右側、後部にも配置されているようなラウドスピーカアレイの対応ラウドスピーカに対しても、通常の場合、同一である。こういった「360°」ラウドスピーカアレイは当然ながら、例えば、聴取者の前にある1面だけのアレイよりも正確な音場の良好な近似をもたらす。しかしながら、聴取者の前にあるラウドスピーカに対するラウドスピーカ信号は両方のケースで同じである。つまり、典型的には、いくつのラウドスピーカがあるか、あるいは一面だけ、あるいは多面、あるいは360°のアレイであるかどうかということに関するフィードバックを波面合成モジュールは取得しない。言い換えると、波面合成手段は、ラウドスピーカの位置により、さらにそれ以上のラウドスピーカがあるかどうかということに関係なく、ラウドスピーカに対するラウドスピーカ信号を計算する。
続いて、図9によると、図9で示される実施例においてアレイグループ904a,904b,904c,904dで構成される音響室902周りに配置されるラウドスピーカアレイ904により規定される音響室に仮想音源900がある場合のアーティファクトの問題がある。
図9で示されない計算手段により、ラウドスピーカサブアレイ904a,904b,904c,904d(1つが代表して906として示されている)に属するラウドスピーカに対して駆動信号が生成される。図9で示される映像において、スポット形状で放射する音源とみなされる仮想音源900の再構築に対して、ラウドスピーカから出る音声信号あるいは波面が、仮想音源900の仮想位置に対して焦点が絞られるよう、個別ラウドスピーカ904に対する駆動信号が供給される。当然ながら、各ラウドスピーカ904はまず、主放射方向、すなわち典型的にはラウドスピーカ膜と垂直に音声信号を発する。しかし、波面合成の規則に基づいて駆動信号により起こるここでのラウドスピーカの音声信号の相互重畳により、個々のラウドスピーカから伸びる点線(例えば、910)で示されているとおり、波面は仮想音源900の仮想位置に焦点をあわせる。点線910の基点となるラウドスピーカは、他の全てのラウドスピーカとまったく同様に、図9で点線910に対応する912の番号が振られた矢印付きの実線が仮想音源の有用信号ということも示すよう仮想音源に向かって移動するラウドスピーカ信号を発生する。
同様に、仮想音源900に向かって動く波面はさらに点線914で表示されるが、矢印付きの実線916で図示されるとおり、仮想音源900の有用信号916につらなる。つまり、原理として、2つの音場が音響室内でお互いにオーバレイする。図9で示される実施例において、1つの音場は、ラウドスピーカ信号が仮想音源900の位置に焦点を合わせる様子を図示する全点線である。一方、図9の矢印付きの実線(例えば、912および916)で図示される「有用」音場がある。これら2つの音場、すなわち一方が「発生音場」、他方が「有用音場」の重畳により、全音響室902内でアーティファクトが進展する。こういったアーティファクトはシステムに誘引されるものであるが、その理由は、仮想音源900がアレイ内に位置づけられ、スポットビーム特性をもつラウドスピーカが仮想音源位置に配置されないためである。
言い換えると、有用信号発生のためには、ラウドスピーカサブアレイ904aの信号と、ラウドスピーカアレイ904bと904dの少なくとも下部からのラウドスピーカ信号とが、図9に実線916で示される仮想音源900側面で生成される。しかし一方、実線912で示される仮想音源の側面における有用信号として仮想音源900の信号を生成するため、ラウドスピーカサブアレイ904cからだけでなく、典型的には仮想音源上にあるラウドスピーカアレイ904dおよび904bの少なくとも一部からの波面が生成される。これにより、説明したとおり、全音響室902内でアーティファクトが進展するが、その理由は、リスナーが、図9における点線で輪郭の示される発生音場と、図9の実線で特徴付けられる有用音場との両方を聴くためである。
しかし実際上、リスナーは有用音場、すなわち矢印付きの実線で示される音場だけを聞くこと望むが、その一方で、当然ながら図9の点線で示される発生音場には興味を示さない。しかし説明したとおりリスナーは両音場を聴くため、望ましくないアーティファクトが生じることになる。
バークアウト,A.J.;ドゥブリーズ,D.;フォーゲル,P.著、「波面合成による音響制御」、JASA93,993 W.ドゥブルイジン,M.ブーン著、「視聴覚システムにおける空間化された音響と二次元ビデオ投射との結合効果に関する主観的実験」、AES会議資料5582,2002年5月10−13日,ミュンヘン U.ロイタ,F.メルヒオール,C.ザイデル著、「仮想空間における音響効果の自動適用」、第46回国際科学セミナー,2001年9月24日−27日,イルメナウ
本発明の目的は、少なくとも低アーティファクトの波面合成概念を提供することである。
この目的は、請求項1の波面合成装置、請求項15のラウドスピーカアレイの駆動方法、あるいは請求項16のコンピュータプログラムにより達成される。
本発明は、図9を参照しながら説明したとおり、「発生音場」によるアーティファクトの減少あるいは除去が、駆動信号コンポーネントとともに供給されるラウドスピーカアレイの全ラウドスピーカによるのではなく仮想音源の音場の部分的再構成を行うだけ、ただし、最初に仮想音源の位置に基づいてラウドスピーカアレイの関連のあるラウドスピーカを判定し、その後、関連があるものと判定されたラウドスピーカに対する駆動信号コンポーネントが仮想音源に対する音響信号に基づいて計算され、さらに計算された駆動信号コンポーネントを用いて関連のあるラウドスピーカだけが利用される一方、関連のないラウドスピーカは、仮想音源と関連付けられた音響信号による駆動信号コンポーネントで利用されないということを見出したことに基づいている。
これにより、仮想音源の有用音場の一部だけが再構築されるが、この再構築される部分音波は任意に決定できる。特に、本発明により、あるリスナー位置において、リスナー位置が仮想音源とラウドスピーカとの間になるようリスナー位置と仮想音源とに対して配置されたラウドスピーカの音声放射が抑制される。
この場合のラウドスピーカは関連のないラウドスピーカであるため、同様に、リスナー位置のある部分室における発生音場を抑制するよう制御されないことから、リスナーは、そのリスナー位置において仮想音源の有用音場だけを認識し、これによりアーティファクトのない聴取を楽しむことができる。
しかし、これにより、仮想音源の反対側、すなわち仮想音源の側面で関連のあるラウドスピーカがある位置においては発生音場だけということになり、その場所では有用音場が非活性化される。したがって、リスナーはこの側面では明らかに聴取の楽しみが減退するが、その理由は、発生音場だけが存在するものの仮想音源に対する有用音場がないためである。
しかし、典型的には複数の仮想音源が複数位置にあり、仮想位置が音響室の真中になく周辺部にあるという場合が多いことから、音響室の「悪い」側、すなわち仮想音源に対する関連性決定のために用いられる所定リスナー位置の反対側の音響室エリア内における聴取効果の低下はあまり深刻ではないため、こういった品質の低下は、全音響室あるいはリスナーの大部分に対する全メリットに比べて受け入れ可能である。
言い換えると、仮想音源の位置およびラウドスピーカの所定位置に基づいてラウドスピーカアレイの関連のあるラウドスピーカを判定する手段は、仮想音源から所定リスナー位置の方向と逆に動く「発生音場」のラウドスピーカ信号によるアーティファクトを低下させるよう作動できる。
本発明の好ましい実施例において、音響室外の音源に対して、全ラウドスピーカが仮想音源に対して関連がないと判定され、ここで音源の主放射方向と、ラウドスピーカを通る仮想音源からの方向との間の角度が90°超である。つまり、仮想音源からラウドスピーカまでのベクトルがラウドスピーカの主放射方向と平行な方向コンポーネントをもたない。こういった場合、ラウドスピーカは関連がないと判定されるが、その理由は、このラウドスピーカが仮想音源からリスナー位置には延伸するがその反対には延伸しないとみなされる音場の再構築に寄与できないためである。
この時点で、主放射方向になる、すなわちラウドスピーカの前方向にあるラウドスピーカの半円状の放射場を上述の検討内容で考慮に入れることを指摘しなければならない。後部への追加放射の可能性については考慮に入れない。そういった「後ろ側への」追加放射に方向コンポーネントが含まれても、これは無視されるため、ラウドスピーカの判定においては重要ではない。
エドウィンN.G.ベアヘイエンが1998年に発表した博士論文『波面合成による音声再生』で示されている、ラウドスピーカアレイとしてラインアレイが用いられ、原則として任意の様式で音響室においていわゆる受信ラインが生成される本発明の好ましい実施例において、音響室は受信ラインに基づいて2つの半分ずつの部屋に分割され、これにより音場再構築が最適になる。受信ラインと平行で仮想位置を通るラインが音響室を第1の半分の部屋と第2の半分の部屋とに分ける。リスナー位置のある半分の部屋内において、全ラウドスピーカは、良好な音響効果があるとみなされる半分の部屋の仮想音源により発生音場を非活性化するため関連がないと判定される。しかし、他の半分の部屋の中では、リスナー位置のある半分の部屋で良好な音響効果を得る上で必要な仮想音源の有用音場を生成するため、全ラウドスピーカが関連があると判定される。
上述の検討内容は音響室に仮想位置をもつ仮想音源に関するものである。しかし仮想音源が音響室外の仮想位置にある場合は、受信ラインを超えて並ぶ全ラウドスピーカを関連のないラウドスピーカと判定することが好ましい。同時に、本発明の好ましい実施例において、仮想音源の有用音場だけが音響室内にあるよう音響室から離間する音響室外の仮想音源のコンポーネントに対する発生音場をここでも除去するため、ラウドスピーカ軸、すなわち主放射方向と、一方で仮想音源を、他方で関連のあるラウドスピーカとを通るラインとの間の角度が90°を超えないラウドスピーカが関連がないと判定される。言い換えると、ここでも、仮想音源からリスナー位置までの方向に対して反対の方向のラウドスピーカ信号を放射するラウドスピーカが非活性化される。
図1は新たな波面合成装置のブロック回路図を示す。波面合成装置は駆動信号を用いてラウドスピーカアレイを駆動するよう機能する。ラウドスピーカは、図8に基づいて説明するが、波面合成分野で知られているとおり、音響室の異なる所定位置に配設される。ラウドスピーカ用駆動信号は、一方でラウドスピーカアレイに対して、他方で駆動信号が示すラウドスピーカの所定位置に対する仮想位置をもつ仮想音源と関連付けられた音響信号に基づく。
ここで、波面合成セッティングにおいて、典型的にはさまざまな仮想位置に配設される複数の仮想音源があることが指摘される。この場合、波面合成装置は、各仮想音源に対するラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントを計算するよう構成され、その後、このようにして複数の仮想音源と関連付けられた複数の仮想音源あるいは音響信号が入力されるラウドスピーカ用駆動信号を最終的に得るため、さまざまな仮想音源により計算された関連のあるラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントが合計される。
図1で示される本発明による波面合成装置は、ラウドスピーカアレイの関連のあるラウドスピーカを判定するための手段10を含む。手段10は、第1入力12を通して供給される仮想音源の仮想位置に基づいて判定を行うよう構成される。さらに、判定手段10は、図1で示される主ブロック回路図の別の入力14を通して同手段に供給される関連のあるラウドスピーカの位置に基づいて動作する。ラウドスピーカアレイ中のラウドスピーカ位置は、典型的には決まっており、例えば表形式で手段10内に保存される、すなわちそれ自体の入力14を通して供給される必要がないということを指摘しておく必要がある。最後に、関連のあるラウドスピーカの判定手段10は、他の入力16を通して供給される当該リスナー位置に基づいて動作する。ここでさらに、好ましい実施例において、リスナー位置、あるいはアーティファクトがないように機能するリスナー位置の半分の部屋は常に変化するわけではなく、固定的に調節される場合があるということも指摘しておく必要がある。実施例によっては、発生音場が非活性化されるリスナー位置あるいは複数のリスナー位置が、これにより常に変化したり、あるいは固定的に決まったりする。
後に説明するとおり、リスナー位置入力16を用いてラウドスピーカアレイの関連のあるラウドスピーカを決定するよう、好ましくは音響室の中央を通る受信ラインに基づいて、一方は各仮想音源の所定リスナー位置を、他方は各仮想音源の各位置を決定することが好ましい。
手段10は、仮想音源からリスナー位置に向かう方向と反対に動くラウドスピーカ信号を出力するラウドスピーカによるアーティファクトを低減あるいは除去するよう構成される。ここで、本発明の実施例において、仮想音源からリスナー位置に向かう方向と逆に放射するラウドスピーカが不活性化されるだけでなく、照射方向が仮想音源からリスナー位置に向かう方向と反対のコンポーネントをもつ、あるいは仮想音源からリスナー位置に向かう方向と垂直な1つのコンポーネントだけをもつラウドスピーカが関連がないと判定されるということを指摘しておかなければならない。
手段10は、関連のあるラウドスピーカを特定し、この情報を、関連のあるラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントを計算するための手段20に出力18を通して伝送するよう構成される。手段20は、波面合成技術に基づいてラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントを計算する通常の波面合成モジュールとして構成されるが、ここでラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントは遅延やスケーリング、すなわち減衰/増幅でお互いに異なるが、一方で遅延とは別に、他方でスケーリングとは別に駆動信号コンポーネントのサンプリング結果は仮想音源に対して与えられたものと同じ、すなわち仮想音源と関連付けられた音響信号に等しい。
計算手段20は、出力22で関連のあるラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントを出力し、これを手段24に供給するよう構成される。手段24は仮想音源用駆動信号コンポーネントを関連のあるラウドスピーカに供給するよう機能する一方、仮想音源用駆動信号コンポーネントは関連のないラウドスピーカに伝送されないが、これにより、所定リスナー位置のある音響室のエリア内において図9に基づいて説明した「発生音場」を抑制する。
続いて図2および3を参照して、一般的な波面合成モジュールの一般的機能性、あるいはラウドスピーカ用駆動信号の計算法、すなわち駆動信号コンポーネントあるいはコンポーネント信号に基づくラウドスピーカ信号の計算に移る。しかし最初に、図8に基づいて通常の波面合成の全般的環境を示す。
本発明のさらに詳細に移る前に、波面合成システムの主要構成を図8に基づいて次に示す。波面合成システムにはラウドスピーカアレイ800を含むが、このアレイはプレゼンテーションエリア802に対応して配置される。特に、図8で示されるラウドスピーカアレイは360°のアレイであるが、4つのアレイ面800a,800b,800c,800dを含む。プレゼンテーションエリア802が例えば映画劇場である場合、慣例の前後あるいは左右に対して、部分アレイ800cも配設されたプレゼンテーションエリア802の同一面に映画スクリーンがあるということが仮定される。この場合、プレゼンテーションエリア802のいわゆる最適点Pに座る視聴者は前方、すなわちスクリーンを見る。視聴者の後ろには部分アレイ800aがある一方、部分アレイ800dが視聴者の左にあり、部分アレイ800bが視聴者の右側にある。各ラウドスピーカアレイは多数のさまざまな個別ラウドスピーカ808で構成されるが、おのおののラウドスピーカは、図8で概略だけ示されているデータバス812を通して波面合成モジュール810から供給される専用のラウドスピーカ信号で制御される。波面合成モジュールは、例えばプレゼンテーションエリア802に関するラウドスピーカ、すなわちラウドスピーカ情報(LS情報)の形式や位置、さらに必要に応じて他の入力を用いて、既知の波面合成アルゴリズムに基づいて位置情報が同様に関連付けられている仮想音源に対する音響トラックからそれぞれ導出された個々のラウドスピーカ808用ラウドスピーカ信号を計算するよう構成される。波面合成モジュールはさらにまた、プレゼンテーションエリア等の部屋の音響効果に関する情報といった他の入力を得る。
本発明に関する次の記述は原則として、プレゼンテーションエリアの各点Pに対して行う。最適点はこのため、プレゼンテーションエリア802の任意の場所にある。また、例えば最適ライン上に複数の最適点がある。しかし、プレゼンテーションエリア802においてできるだけ多くの点に対してできるだけ良好な条件を得るため、ラウドスピーカ部分アレイ800a,800b,800c,800dで規定される波面合成システムの真中あるいは重心に最適点あるいは最適ラインを想定することが好ましい。
波面合成モジュール800のさらに詳細な説明は、図2の波面合成モジュール200あるいは図3で詳細に示されている配置に関して、図2および3に基づいて次に示される。
図2は、本発明が実施される波面合成環境を示す。波面合成環境の中心は、さまざまな入力202,204,206,208やさまざまな出力210,212,214,216を含む波面合成モジュール200である。入力202〜204を通して、仮想音源に対するさまざまな出力信号が波面合成モジュールに供給される。このように、入力202は、例えば、仮想音源1の音響信号とともに、仮想音源の関連位置情報を受信する。例えば映画劇場セッティングにおいて、音響信号1は、例えばスクリーンの左側からスクリーンの右側に、さらに視聴者から離れる、あるいは視聴者に向かって役者が移動する音声である。音響信号1はその後、この役者の実際の音声になる一方、位置情報は時間の関数としてある時点における捕捉セッティングにおける第1役者の位置を示す。一方、音響信号nは、例えば、第1役者と同様に、あるいは異なる動きをする他の役者の音声である。音響信号nが関連付けられた他の役者の現在位置は、音響信号nと同期される位置情報により波面合成モジュール200に伝達される。実際上、捕捉セッティングに応じてさまざまな仮想音源があり、各仮想音源の音響信号が、波面合成モジュール200自体の音響トラックとしてモジュールに供給される。
上述の通り、波面合成モジュールは、出力210〜216を通してラウドスピーカ信号の出力により複数のラウドスピーカLS1,LS2,LS3,LSmを個々のラウドスピーカに給電する。映画劇場といった再生セッティングにおける個々のラウドスピーカの位置は、入力206を通して波面合成モジュール200に報告される。映画劇場において、映画視聴者の周りにグループ化され、好ましくは視聴者の前、つまり例えばスクリーンの後ろと視聴者の後ろの両方、さらに視聴者の左右にラウドスピーカがあるよう、アレイ状に多数の個別ラウドスピーカが配設される。さらに、映画劇場における捕捉セッティング中の実際の部屋音響を模擬できるようにするため、部屋音響等に関する情報といった他の入力が波面合成モジュール200に伝達される。
一般に、出力210を通して、例えば、ラウドスピーカLS1に対して供給されるラウドスピーカ信号は、仮想音源のコンポーネント信号の重畳であり、ラウドスピーカLS1に対するラウドスピーカ信号は仮想音源1に戻る第1コンポーネント、仮想音源2に戻る第2コンポーネント、仮想音源nに戻る第nコンポーネントを含む。リスナーの耳で線形重畳を再現するため、個々のコンポーネント信号は線形に重畳される、すなわち計算後に追加されるが、リスナーは、実セッティングにおいてリスナーにより認識可能な音源の線形重畳を聴く。
次に、図3を参照すると、波面合成モジュール200のさらに詳細な実施例が図示されている。波面合成モジュール200は完全に平行な構成であり、各仮想音源に対する音響信号から、さらに、対応する仮想音源に対する位置情報から、まず遅延情報ViおよびスケールファクタSFiが計算されるが、これは、位置情報と、関連のあるラウドスピーカ、例えば順番jをもつラウドスピーカ、すなわちLSjの位置とに依存する。仮想音源の位置情報および関連のあるラウドスピーカjの位置による遅延情報ViおよびスケールファクタSFiの計算は、手段300,302,304,306で実施される既知のアルゴリズムにより行われる。遅延情報Vi(t)およびSFi(t)に基づき、さらに個々の仮想音源に関連付けられた音響信号ASi(t)に基づき、最終的に得られるラウドスピーカ信号におけるコンポーネント信号Kijに対する離散値AWi(tA)は現時点tAに対して計算される。これは、図3で概略が示されているとおり、手段310,312,314,316により行われる。図3はさらに、個々のコンポーネント信号に対する時点tAにおける「フラッシュショット」について示している。個々のコンポーネント信号はその後、加算器320により合計され、ラウドスピーカjに対するラウドスピーカ信号の現時点tAに対する離散値が決定され、これはその後、出力(例えば、ラウドスピーカjがラウドスピーカLS3である場合には出力214)に対するラウドスピーカに供給される。
図3でわかるとおり、各仮想音源に対して、まず遅延および現時点におけるスケールファクタをもつスケーリングにより有効な値が個別に計算され、その後、ラウドスピーカに対する全コンポーネント信号がさまざまな仮想音源により合計される。例えば、1つの仮想音源だけがある場合、加算器は無視され、仮想音源1が唯一の仮想音源である場合、図3の加算器の出力にある信号は、例えば、手段310からの信号出力に対応する。
ここで、図3の出力322において、さまざまな仮想音源1,2,3,・・・,nによるこのラウドスピーカに対するコンポーネント信号の重畳であるラウドスピーカ信号の出力が得られるということを指摘しておく必要がある。実際的な理由から常に2,4,8台の隣接するラウドスピーカが同一のラウドスピーカ信号で制御されるというのでなければ、図3で示されるとおり、波面合成モジュール810の各ラウドスピーカ808に対して1つの配置が原則として与えられる。
本発明の好ましい実施例において、仮想音源が音響室内にあるか、あるいは仮想音源が音響室外にあるかを区別する。音響室の仮想音源の状況は図4に基づいて示されているが、音響室内の仮想音源の状況は図6に基づいて説明される。
図4において、音響室902が示されているが、ここで仮想音源900は音響室外にある。さらに、図4において、受信ライン400が図示されているが、これは最適音波合成が行われるよう設計されている。本発明の好ましい実施例において、一方で音響室の中心402を通過し、他方で音響室の中心402に向けて仮想音源900から延伸するライン404と垂直になるよう各仮想音源に対して個別に計算される受信ライン400が決められる。受信ライン400は、仮想音源900に面する受信ライン400の側面にある関連のあるラウドスピーカと、受信ラインの他面にある関連のないラウドスピーカとの間の境界を形成する。受信ライン400上にあるラウドスピーカを、関連のあるラウドスピーカと(好ましくは、後に述べる部屋外の仮想音源に対する90°の基準を考慮して)判定することにより、ライン404と平行のコンポーネントをもちながら音響室の中心に対して仮想音源900からの方向と反対に向いたラウドスピーカ信号を放射するラウドスピーカサブアレイ904aの少なくとも全ラウドスピーカが駆動信号コンポーネントを付与されないということが確実になる。仮想音源が図4で示される位置にあるため、所定リスナー位置402にいるリスナーが仮想音源900の方向を見ている場合に、例えば受信ライン上、特に所定リスナー位置として音響室の中心にいるリスナーが、音声が仮想音源900方向から来ており、決して「後ろから」来ているのではないと感じれば、低アーティファクトあるいは、無アーティファクトの再生が達成できていることになる。このように、これは、リスナーの前にある仮想音源をリスナーが見ているとしても、リスナーが、その後部から前部に伝播する波動を感知するというアーティファクトである。
さらに、受信ラインを超えておかれる全ラウドスピーカ、すなわち、仮想音源900から離間する受信ライン400の側面にあるラウドスピーカについて、スケール計算に対する通常の波面合成形態の適用には問題があることを指摘しておく。
さらに、部屋外の音源に対して、ラウドスピーカ軸500と、仮想音源900からラウドスピーカまでのラインとの間の角度が90°を超えないラウドスピーカだけが関連のあるラウドスピーカと判定されることが好ましいが、その理由は、図5に基づいて示されるとおり、このラウドスピーカは、その他の場合、仮想音源900に対して無アーティファクトの寄与を行うためである。図5で示されているとおり、角度αが90°以下であるようなラウドスピーカだけが関連のあるラウドスピーカであると判定することが好ましい。
続いて、図6に基づき、仮想音源900が音響室内にある状況で話を進める。この点で、図6の状況は図9で示された全般的な問題と類似している。図9と同様に、図6においても、「発生音場」は点線で示され、「有用音場」は矢印付きの実線で示される。さらに、図6ではまた、音響室の中心402が所定リスナー位置とした例として描かれている。また、下部ラウドスピーカサブアレイ904aのラウドスピーカはアーティファクト発生ラウドスピーカとして示されている。特に、図6で示される例において、音響室は、例えば、基準ライン600により、関連のあるラウドスピーカの本発明の判定により有用音場だけがある無アーティファクトエリア600aと、発生音場だけがあるものの、仮想音源に対するアーティファクト発生ラウドスピーカの不活性化により仮想音源900の有用音場がなく、有用音場の方向と反対の発生音場だけがあるアーティファクトエリア600bとに分割される。
図5により示される90°の境界は、仮想音源900が音響室902内にある図6で示されるシナリオでは存在しないが、その理由は、原則として全ラウドスピーカが寄与できるためである。しかし、本発明により、「発生」音場を聞かないよう対応方向で伝播する音場のアーティファクトのためリスナーがラウドスピーカと仮想音源との間にあると仮定されないことから、図7に基づいて次に示されるとおり、関連のあるラウドスピーカの判定が進められる。また、受信ライン400は、関連のないラウドスピーカから関連のあるラウドスピーカを分離するために用いられる。特に、仮想音源900に対する受信ラインは、図4に基づいてすでに説明したとおり、ここでも、音響室あるいは波面合成ラウドスピーカアレイの中心402を通るよう配設されることが好ましい。さらに、図7でわかるとおり、仮想音源900から例えば所定リスナー位置である中心402までのライン404は、その後、受信ライン400と平行であるものの仮想音源900の仮想位置を通る基準ライン600を形成するよう構成される。これにより、音響室はまた、無アーティファクトエリア600aとアーティファクト付与エリア600bとに分割されるが、ここで無アーティファクトエリア600aは、基準ライン600に対して所定リスナー位置402のある音響室のエリアである一方、アーティファクト付与エリア600bは、所定リスナーのいない音響室のエリアである。
一方で関連のあるラウドスピーカ、他方で関連のないラウドスピーカを生じる基準ライン600規定のベースは、図7に示す実施例において、比較的自由におかれる波面合成用受信ラインの設置である。すでに説明したとおり、振幅エラーのないラインは受信ラインである一方、ラウドスピーカアレイが完全に三次元でないということから受信ラインの前および後ろにおけるシステム上の理由により若干のエラーが生じる。さらに、図7の実施例において、少なくとも音響室の真中では振幅エラーがないように、アレイ中心は、特に受信ラインが通過するものとみなされるリスナー位置として選択される。その上、上で述べたとおり任意の受信ライン形状が可能であるものの、受信ラインを直線上に引くことが好ましい。
さらに、このように単純化された幾何学的条件により波面合成に対する計算がさらに効率的に実施できるよう、仮想音源から中心402までの直線404で垂直な基準ライン600を引くことが好ましい。
さらに、関連のあるラウドスピーカに対する限度としてアレイ中心を通る代わりに、受信ラインと平行のラインであって、仮想音源を通るものを選択することが好ましい。
すでに述べたとおり、仮想音源のおのおのの新たな位置に対するラウドスピーカの状況を判定する、すなわち、少なくとも音響室の最大エリアにおける最適な低アーティファクト状況を達成するため、関連のあるラウドスピーカと関連のないラウドスピーカとの間の区別を行うことが好ましい。しかし、これにより、仮想音源の移動において、関連のあるラウドスピーカと関連のないラウドスピーカ間の境界の変化によりラウドスピーカのスイッチがオンあるいはオフにされる。特に音響室における仮想音源からの移動や正弦波音響信号において若干のクラックノイズが発生する可能性を低下させるため、ラウドスピーカが前時点において関連のあるラウドスピーカをまだもたないが、仮想音源の移動により関連のあるラウドスピーカになるような場合に、この「新たな」関連のあるラウドスピーカを「ソフトに」スイッチオンすることが好ましい。
言い換えると、新たに関連があると認識されたラウドスピーカのレベルは、ゆっくりと規定レベルにもっていかれる。ここにおける規定レベルは、駆動信号コンポーネントを計算する手段が通常の波面合成規則により判定を行うレベルあるいはスケールである。これにより、特に、例えば音響室内の音源において、位置が大きくかわり、このため、ある時点から次時点まで、前時点になかった仮想音源による強力な信号コンポーネントをラウドスピーカが突然もつような場合にレベルジャンプが起こらないようにできる。
実施方法に応じて、「ソフトな」スイッチオンは、例えば、ラウドスピーカのスイッチオン時点、すなわちラウドスピーカが関連がある判定時点におけるゼロレベルから、波面合成計算による規定レベルまでの10時点の時間間隔、すなわち音響信号の10個の時間サンプル内で行われる。
「スイッチオン時間分」、すなわち上述のとおり10時点であるか、あるいは2時点だけであるか、もしくは20時点であるかといったことの詳細な選択は、特に具体的な実施法による。その理由は、波面合成の他の要求事項が考慮されなければならない、つまり、それでもやはり仮想音源の全レベルは正しくなければならず、仮想音源の駆動信号コンポーネントのレベルへの依存が強く作用しすぎる場合に仮想音源の配置の可能性が失われてはならないためである。
これに関連して、本発明の処置により、上述のとおりラウドスピーカに供給されないが波面合成手段で計算される関連のないラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントにより仮想音源から全般に知覚されるレベルの音響信号が進展するということを指摘しておく必要がある。この問題は、リスナーの「耳」における方法とともに仮想音源のある目標レベルを再び達成するため、関連のあるラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントが増加されることで防がれる。これに関連して、そのようなレベルが上がってから、仮想音源のレベルが、一方でレベル変動なしで認識されるが、他方で「ソフトな」スイッチオンが危険にさらされることのないように、スイッチオン処理中の、つまり例えば10個の連続した時点に対して関連のないラウドスピーカ用駆動信号を除外することが好ましい。
ソフトなスイッチオンに関して、現時点でスイッチオンの処理中のラウドスピーカ用駆動信号コンポーネントの振幅は、現時点の計算資源や実施の意思に応じて、所定数の時点にわたって、階段状、直線状、正弦波状、あるいはその他の単調な様式で増加することを指摘しておく。
全般的条件に応じて、駆動信号を用いてラウドスピーカアレイを駆動する本発明の方法はハードウェアまたはソフトウェア内で提供される。提供は、デジタル保存媒体、特に、この方法が実行されるようプログラム可能なコンピュータシステムと作動することの可能な電子的に読み込み可能な制御信号をもつフロッピー(登録商標)ディスクあるいはCD上で行われる。一般に、本発明は、このように、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行される際に、本発明の方法を実施するための機械読み込み可能なキャリア上に保存されたプログラムコードを用いてコンピュータプログラム製品内でも構成される。言い換えると、本発明はこのように、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される際、ラウドスピーカアレイを駆動する方法を実施するためのプログラムコードを用いてコンピュータプログラムとしても実現される。
本発明による波面合成装置のブロック回路図である。 波面合成環境の原理回路図である。 図2で示される波面合成環境をさらに詳細に図示したものである。 仮想音源に対する関連のあるラウドスピーカおよび関連のないラウドスピーカの特性決定のために音響室外に仮想音源をもつ状況を図示したものである。 仮想音源とラウドスピーカ軸との間の角度関係を図示したものである。 音響室内に仮想音源をもつ状況を図示したものである。 音響室内に仮想音源をもつ状況をさらに詳細に図示したものである。 表示エリア内に波面合成モジュールおよびラウドスピーカアレイをもつ波面合成システムの原理ブロック回路図である。 スポット状に放射する仮想音源の音場の再構築を説明するための原理図である。

Claims (9)

  1. ラウドスピーカが所定の異なる位置に配設され、ラウドスピーカアレイおよびラウドスピーカの所定位置に対して第1の仮想位置にある第1の仮想音源(900)と関連付けられた第1の音響信号、およびラウドスピーカアレイおよびラウドスピーカの所定位置に対して第1の仮想位置とは異なる第2の仮想位置にある第2の仮想音源(900)と関連付けられた第2の音響信号に基づく駆動信号を用いてラウドスピーカ(904)のアレイ(904a,904b,904c,904d)を駆動するための波面合成装置であって、
    第1の仮想音源位置、所定リスナー位置、ラウドスピーカの所定位置に基づいてラウドスピーカアレイの第1群の関連のあるラウドスピーカを判定する手段であって、第1群の関連のあるラウドスピーカを制御するだけで仮想音源から所定リスナー位置に向かう方向と反対に動くラウドスピーカ信号によるアーティファクトが減少するように関連のある第1群のラウドスピーカが判定され、第1群の関連のあるラウドスピーカとは異なる第2群のラウドスピーカについて、第2の仮想音源位置、所定リスナー位置、ラウドスピーカの所定位置に基づいてラウドスピーカアレイの第2群の関連のあるラウドスピーカを判定する手段であって、第2群の関連のあるラウドスピーカを制御するだけで仮想音源から所定リスナー位置に向かう方向と反対に動くラウドスピーカ信号によるアーティファクトが減少するように関連のある第2群のラウドスピーカが判定される判定手段(10)と、
    第1の仮想音源に関連する第1の音響信号を用いて第1群の関連のあるラウドスピーカに対する第1のコンポーネント信号(Kij)を計算し、第2の仮想音源に関連する第2の音響信号を用いて第2群の関連のあるラウドスピーカに対する第2のコンポーネント信号(Kij)を計算し、第1群および第2群に生じる各々の関連のあるラウドスピーカごとに、第1の音響信号に基づいており関連のあるラウドスピーカに関係のある第1のコンポーネント信号と、第2の音響信号に基づいており同じ関連のあるラウドスピーカに関係のある第2のコンポーネント信号とを合計することにより、第1群および第2群の関連のあるラウドスピーカに対する駆動信号を計算するための手段(20)と、
    第1群および第2群の関連のあるラウドスピーカに対して、第1群および第2群の関連のあるラウドスピーカに対する駆動信号を供給するための手段(24)であって、ラウドスピーカが仮想音源に対する関連のあるラウドスピーカ群に属さないとき、ラウドスピーカに対する駆動信号がこの仮想音源に関係のある音響信号に基づくコンポーネント信号を含まないものである手段とを備え
    判定手段(10)が第1の仮想音源に対する第1の受信ライン(400)と、第2の仮想音源に対する第2の受信ラインとを計算するように形成され、受信ラインが仮想音源に対する最適な音場の再構築位置を規定し、
    判定手段(10)は、それぞれの仮想音源に対して仮想音源の仮想位置がラウドスピーカアレイによって規定される音響室の外側にあるか内側にあるかを判定し、
    仮想音源の仮想位置が音響室の外側にある場合、仮想音源(900)の仮想位置と仮想音源に対する受信ライン(400)との間に位置するラウドスピーカのみが仮想音源に対して関連のあるラウドスピーカとして判定され、
    仮想音源の仮想位置が音響室の内側にある場合、受信ライン(400)と平行で仮想音源(900)の仮想位置を通る基準ラインについて、基準ラインの仮想音源に対する受信ラインが配置された側とは異なる仮想音源の基準ライン(600)の側に位置するラウドスピーカのみが関連あるものと判定される、波面合成装置。
  2. それぞれの仮想音源に対して受信ライン(400)が音響室(902)の中心(402)を通って延伸することを特長とする、請求項1に記載の波面合成装置。
  3. 受信ライン直線である、請求項2に記載の波面合成装置。
  4. 仮想音源(900)の仮想位置が時間可変であることを特徴とし、
    仮想音源(900)とラウドスピーカとに対する駆動信号コンポーネントを計算するよう前記計算手段(20)が形成され、それにより前時点に関連がなく、現時点に関連のあるラウドスピーカに対する駆動信号コンポーネントが基準レベルを参照して所定減衰量により減衰されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の波面合成装置。
  5. 最大減衰から0に等しい減衰まで所定数の時点内で段階を追って減衰量を減らすよう前記計算手段(20)が形成されることを特徴とする、請求項4に記載の波面合成装置。
  6. 所定数の時点が2より大きく、40より小さいことを特徴とする、請求項5に記載の波面合成装置。
  7. 目標レベルが仮想音源と関連付けられ、
    仮想音源レベルに関する所定減衰量による減衰に対する補償を行うため、前時点と現時点とにおける関連のあるラウドスピーカであるラウドスピーカに対する仮想音源に対する駆動信号コンポーネントがレベル増幅されることを特徴とする、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の波面合成装置。
  8. ラウドスピーカが所定の異なる位置に配設され、ラウドスピーカアレイおよびラウドスピーカの所定位置に対して第1の仮想位置にある第1の仮想音源(900)と関連付けられた第1の音響信号、およびラウドスピーカアレイおよびラウドスピーカの所定位置に対して第1の仮想位置とは異なる第2の仮想位置にある第2の仮想音源(900)と関連付けられた第2の音響信号に基づく駆動信号を用いてラウドスピーカ(904)のアレイ(904a,904b,904c,904d)を駆動するための方法であって、
    第1の仮想音源位置、所定リスナー位置、ラウドスピーカの所定位置に基づいてラウドスピーカアレイの第1群の関連のあるラウドスピーカを判定するステップであって、第1群の関連のあるラウドスピーカを制御するだけで、第1の仮想音源から所定リスナー位置に向かう方向と反対に動くラウドスピーカ信号によるアーティファクトが減少するように第1群の関連のあるラウドスピーカが判定されるステップ(10)と、
    第1群の関連のあるラウドスピーカとは異なる第2群の関連のあるラウドスピーカについて、第2の仮想音源位置、所定リスナー位置、ラウドスピーカの所定位置に基づいてラウドスピーカアレイの第2群の関連のあるラウドスピーカを判定するステップであって、第2群の関連のあるラウドスピーカを制御するだけで、第2の仮想音源から所定リスナー位置に向かう方向と反対に動くラウドスピーカ信号によるアーティファクトが減少するように第2群の関連のあるラウドスピーカが判定されるステップ(10)と、
    第1の仮想音源に関連する第1の音響信号を用いて第1群の関連のあるラウドスピーカに対する第1のコンポーネント信号(Kij)を計算するステップ(20)と、
    第2の仮想音源に関連する第2の音響信号を用いて第2群の関連のあるラウドスピーカに対する第2のコンポーネント信号(Kij)を計算するステップと、
    第1群および第2群に生じる各々の関連のあるラウドスピーカごとに、第1の音響信号に基づいており関連のあるラウドスピーカに関係のある第1のコンポーネント信号と、第2の音響信号に基づいており同じ関連のあるラウドスピーカに関係のある第2のコンポーネント信号とを合計することにより、第1群および第2群の関連のあるラウドスピーカに対する駆動信号を計算するステップと、
    第1群および第2群の関連のあるラウドスピーカに対して、第1群および第2群の関連のあるラウドスピーカに対する駆動信号を供給するためのステップ(24)であって、ラウドスピーカが仮想音源に対する関連のあるラウドスピーカ群に属さないとき、ラウドスピーカに対する駆動信号がこの仮想音源に関係のある音響信号に基づくコンポーネント信号を含まないものであるステップとを含み、
    判定するステップが第1の仮想音源に対する第1の受信ライン(400)と、第2の仮想音源に対する第2の受信ラインとを計算するステップを含み、受信ラインが仮想音源に対する最適な音場の再構築位置を規定し、
    判定するステップは、それぞれの仮想音源に対して仮想音源の仮想位置がラウドスピーカアレイによって規定される音響室の外側にあるか内側にあるかを判定するステップを含み、
    仮想音源の仮想位置が音響室の外側にある場合、仮想音源(900)の仮想位置と仮想音源に対する受信ライン(400)との間に位置するラウドスピーカのみが仮想音源に対して関連のあるラウドスピーカとして判定され、
    仮想音源の仮想位置が音響室の内側にある場合、受信ライン(400)と平行で仮想音源(900)の仮想位置を通る基準ラインについて、基準ラインの仮想音源に対する受信ラインが配置された側とは異なる仮想音源の基準ライン(600)の側に位置するラウドスピーカのみが関連あるものと判定される、方法。
  9. 請求項8に記載の方法を実施するためのプログラムコードを有し、そのプログラムがコンピュータ上で実行される、コンピュータプログラム。
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