JP4338425B2 - 虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラム - Google Patents

虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、虫歯を検出する技術に関し、特に、歯からの蛍光情報に基づいて非破壊的に初期段階の虫歯を検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて虫歯を検出する従来技術として、特許文献1に記載された装置がある。かかる装置は、赤色光(600〜670nm)を励起光として歯に照射し、その歯からの蛍光をフォトダイオードにより受光した光の強度のみを測定するものである。また、前記装置は口腔内細菌由来の蛍光により虫歯を検出するものであるため、虫歯が進行し歯に穴が開いてしまい、その中に細菌が繁殖しているような場合には虫歯の検出が可能である。
【0003】
しかしながら、初期虫歯の進行度合いは、必ずしも細菌の存在及びその量とは相関していない。特に初期虫歯の場合は、該当箇所に口腔用組成物内細菌が検出されないことがむしろ多いため、前記特許文献1に記載の装置でかかる初期虫歯を検出することは困難である。すなわち、このような蛍光情報によって解析した結果は、口腔内細菌の有無等によって左右されるため、初期虫歯の有無を正確に判断することが困難である。
【0004】
上記特許文献1の問題を解決すべく、非特許文献1、2に記載されたQLF(quantitative light-induced fluorescence)方法及びこの方法を実現させた装置が開発されている。この装置は、380±70nmの紫外線で照射し、得られた520nm以上の蛍光の強さのみ検出するものであり、虫歯部位からの蛍光強度が歯の健常部位からの蛍光強度に比較して弱くなるという現象を利用して虫歯を検出するものである。この場合の虫歯検出は、細菌の存在に影響を受けないため、特許文献1に開示の装置と比較して虫歯の有無の検出をより正確にできるようになっている。しかし、後述の比較例2に示すとおり、実際のミネラル減少率の変化と上記520nm以上蛍光強度の変化とは一致しないため、初期虫歯の進行度合を計測することは困難である。
【0005】
さらに、虫歯を検出する装置として、360〜580nmの紫外線を歯に照射し、歯からの620mn以上の蛍光を測定する装置がある(特許文献2)。この装置は虫歯部位に特異的な赤色蛍光のみを測定対象とするものであり、特許文献1のように、口腔内細菌まで検出してしまうことはない。しかし、特許文献2に記載の装置は、蛍光強度の弱い赤色蛍光のみを測定対象とするため、虫歯の有無を検出するのに蛍光強度が不十分で外光などの計測環境の影響を受けやすく検出感度が低くなるという問題がある。
【0006】
他方、虫歯の進行度合いを正確に検出し定量できる技術として、非特許文献3に記載された技術がある。この技術は、抜去した虫歯をスライスし、その断面をマイクロX線写真で撮影し、前記写真における情報に基づいて、健常歯と比較しつつ、ミネラル減少率を算出し、虫歯の進行状況を定量するものである。かかる方法は、確実に虫歯の進行状況を確認することが可能であるが、歯を抜去およびスライスしなければ、測定することができないという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−299699号公報
【特許文献2】
欧州特許出願公開第0555645号明細書
【非特許文献1】
Stookey,G.K.,et al. Dental caries diagnosis, Dent Clin North Am.,43;665−77,1999.
【非特許文献2】
Shi X.Q,et al. Comparison of QLF and DIAGNOdent for quantification of smooth surface caries, Caries Res., 35(1):21−6,2001.
【非特許文献3】
好川正ら,「エナメル質の脱灰におよぼす0.1M乳酸のpHならびに作用時間の影響」,口腔衛生学会雑誌,1990,第40巻,p.671〜677
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、初期虫歯を感度良くかつ正確に検出し、虫歯の進行度合をも検出できる虫歯を検出する虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、歯に紫外光(水銀ランプのi線365nm)を照射した場合、健常歯については、400〜500nm付近(青色相当)に強い蛍光が生じるのに対し、虫歯については、400〜500nm付近の蛍光が弱くなり、その一方で、600〜800nm付近(赤色相当)に蛍光が生じることを知見した。
【0010】
また、本発明者等は、紫外光の照射光強度を減少させた場合、虫歯については、青色相当及び赤色相当の蛍光が弱くなるのに対し、健常歯については、青色相当の蛍光が弱くなるものの、赤色相当の蛍光が強くなることを知見した。
【0011】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、紫外線光源と、該紫外線光源から照射された紫外線により歯からの蛍光を受光する蛍光受光部と、該蛍光受光部から送信された蛍光データを解析する蛍光データ解析部と、該蛍光データ解析部により解析されたデータを表示するデータ表示部とを備えた虫歯検出装置であって、前記蛍光データ解析部は、可視光の波長を分割数nで分割した領域毎に前記蛍光データを抽出する場合に基準となる抽出基準値M1、M2、M3、…Mnを記憶した記憶部を有し、前記蛍光データから前記抽出基準値M1、M2、M3、…Mnのそれぞれに対応した抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnを抽出し、前記抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnから選択した1又は2以上の選択蛍光データを演算し、この演算結果に基づいて虫歯の判定を行うように構成された虫歯検出装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0012】
本発明に係る虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラムにより、初期虫歯を感度よく検出することが出来るため、初期虫歯を削らずに非外科的な処置による治療がよりしやすくなる。さらに、本発明に係る虫歯検出装置は、虫歯の進行度合いも計測することができる。前記初期虫歯の治療経過の観察が可能になり、その回復の度合いの確認ができるため、患者に虫歯の進行状況や回復状況を具体的に示すことができる。さらに、虫歯予防処置の重要性や処置の効果に関する理解を得ることができ、口腔の健康の維持向上に貢献することが可能になる。
【0013】
本発明に係る虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラムにより、歯の表面を計測することによって、虫歯を精度良く検出できるのみならず、歯の隙間等のような計測が困難な部位や(1カ所で計測)、歯の健常部位と虫歯部位との対比測定(2カ所で計測)をも行うことが可能である。また、これらの蛍光データを可視光領域の2以上の波長帯における蛍光強度に基づいて解析をすることにより、虫歯(特に初期虫歯)とその進行度合いを感度良く正確に検出することができる。
【0014】
また、本発明に係る虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラムにより、紫外線の照射光強度の変化に伴って変化する歯からの蛍光データの中から、虫歯と健常歯とで異なる変化を示す波長帯を選択し、その波長帯における複数の蛍光強度に基づいて解析することができ、それによって虫歯(特に初期虫歯)とその進行度合いを感度良く正確に検出することができる。
【0015】
本出願において、「抽出基準値」は、特定波長の蛍光データを抽出する際に、波長の上限値及び下限値を示すもので、可視光波長を分割数nで分割した場合、M1、M2、M3…Mnとなる。虫歯度合CD1(単一部位測定処理)を演算する場合には、抽出基準値M1、M2、M3…Mnを用い、虫歯度合CD2(対比測定処理)を演算する場合には、第1抽出基準M11、M12、M13…M1n、及び第2抽出基準M21、M22、M23…M2nを用い、虫歯度合CD3、CD4(光強度変化測定処理)を演算する場合には、R抽出基準値MR、G抽出基準値MG、B抽出基準値MBを用いる。
【0016】
第1抽出基準M11、M12、M13…M1n、及び第2抽出基準M21、M22、M23…M2nは、互いに等しくても異なっていてもよく、それぞれ、抽出基準値M1、M2、M3…Mnに対応するものである。
R抽出基準値MRは、赤色相当の波長のみならず、緑色相当の波長まで含めた、550〜810nmの波長帯から選ばれる任意の波長幅を有するものである。B抽出基準値MBは、青色相当の波長のみならず、緑色相当の波長まで含めた、380〜500nmの波長帯から選ばれる任意の波長幅を有するものである。G抽出基準値MGは、緑色相当の波長のみならず、赤色相当の波長及び青色相当の波長まで含めた、450〜650nmの波長帯から選ばれる任意の波長幅を有するものである。
【0017】
上記R抽出基準値MRの波長幅は、0.1nm以上260nm以下の範囲から選ばれる1つ以上の任意の波長幅であって、好ましくは50nm以上260nm以下の範囲から選ばれる1つ以上の任意の波長幅である。B抽出基準値MBの波長幅は、0.1nm以上170nm以下の範囲から選ばれる1つ以上の任意の波長幅であって、好ましくは50nm以上270nm以下の範囲から選ばれる1つ以上の任意の波長幅である。G抽出基準値MGの波長幅は、0.1nm以上200nm以下の範囲から選ばれる1つ以上の任意の波長幅であって、好ましくは50nm以上200nm以下の範囲から選ばれる1つ以上の任意の波長幅である。なお、前記波長幅の範囲内であれば、波長幅の個数は複数であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の虫歯検出システム(虫歯検出装置)1は、紫外線照射装置(紫外線光源)2と、紫外線照射装置2から照射された紫外線により歯からの蛍光を受光する蛍光受光装置(蛍光受光部)3と、蛍光受光装置3から送信されたデータを解析するデータ解析部4と、データ解析部4により解析された解析データを表示する表示装置(解析データ表示部)5とを備えている。
【0019】
データ解析部4は、可視光の波長を分割数nで分割した領域毎に蛍光データを抽出する場合に基準となる抽出基準値M1、M2、M3、…Mnを記憶した内部メモリ(記憶部)16を有し、蛍光データから抽出基準値M1、M2、M3、…Mnのそれぞれに対応した抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnを抽出し、抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnから選択した1又は2以上の選択蛍光データを演算し、この演算結果に基づいて虫歯の判定を行うように構成されている。なお、抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnは、それぞれ抽出基準値M1、M2、M3、…Mnに対応する平均輝度値であってもよい。
まず、かかる虫歯検出システム1を詳細に述べる。
【0020】
虫歯検出システム1は、このシステム全体を統括的に制御する主制御部10(詳細後述)を有する。この主制御部10には、入出力部11を介して、紫外線照射装置2、及び蛍光受光装置3が接続されていると共に、記憶装置12、表示装置5、及び出力装置13が接続されている。
【0021】
紫外線照射装置2は、波長が300〜400nm程度の紫外線を照射するもので、照射光強度が調整可能に構成されていればよい。このような紫外線照射装置2には、例えば、紫外線LED、水銀ランプ、メタルハライドランプ等がある。紫外線LEDは、紫外線の照射光強度が調整されるように構成されている。例えば、通電量に関して入出力制御部11aで制御する、もしくは複数のLEDの点灯個数を変えることにより、光の強度調整を行う。
【0022】
水銀ランプ又はメタルハライドランプは、照射光が可視光カットフィルタを通過して紫外光になり、その紫外光の強度が調整できるようになっている。強度調整は例えば電流値の制御やNDフィルタを用いることにより行う。
そして、このような紫外線照射装置2から紫外線を導光するものとしては、紫外線吸収率が低いものであれば特に限定はないが、例えば石英ガラスや高分子材料からなるコアを有する光ファイバを通して歯に直接照射されるようになっている。
【0023】
蛍光受光装置3は、紫外線の照射により歯からの蛍光が、紫外線カットフィルタ14を通過することにより紫外線領域の光が吸収され、可視光領域の光のみが、光ファイバを通して光デバイスに受光されるように構成されている。
光デバイスは、可視光領域の蛍光から、色情報を含んだ情報を蛍光データとして取り込み、その情報を入出力部11に送信可能なものであればよい。入出力部11は、光デバイスからのアナログ情報をAD変換器11bによりデジタル値に変換するように構成されている。
【0024】
上述の光デバイスには、例えば、分光輝度計等がある。
具体的には、分光輝度計は、蛍光をプリズム等により分光し、分光された光を光センサによって取り込むことにより、それぞれの情報を得るように構成されている。
記憶装置は、データ解析部4により解析された解析データを保存できるものであればよく、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク等がある。
【0025】
表示装置5は、上記解析データや解析データの選択(測定部位の数、光強度の変化)に必要な情報を表示できるものであればよく、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等がある。
出力装置13は、上記解析データを出力できるものであればよく、例えば、プリンタ等がある。
【0026】
主制御部10は、CPU15及び内部メモリ16を備えた蛍光データ解析部4等から構成されている。入出力部11は、入出力制御部11aと、AD変換器11bとから構成されている。
CPU15は、OS(Operating System)等の制御プログラムや虫歯検出プログラムからの命令を解読して実行するように構成されている。
【0027】
内部メモリ16は、入出力制御部11aやAD変換器11bからの情報や、記憶装置12からの解析データを一時的に保存するものである。
また、内部メモリ16には、抽出基準値M1、M2、M3…Mn、第1抽出基準M11、M12、M13…M1n、第2抽出基準M21、M22、M23…M2n、R抽出基準値MR、G抽出基準値MG、B抽出基準値MBが記憶されている。
【0028】
本実施形態では、可視光波長の分割数nを3とし、抽出基準値M1は、波長が550〜810nmの基準値である。第1抽出基準値M11、第2抽出基準M21、及びR抽出基準値MRは、すべて、抽出基準値M1と等しいものとする。
【0029】
また、抽出基準値M2は、波長が450〜650nmの基準値である。第1抽出基準値M12、第2抽出基準M22、及びG抽出基準値MGは、すべて、抽出基準値M2と等しいものとする。
さらに、抽出基準値M3は、波長が380〜550nmの基準値である。第1抽出基準値M13、第2抽出基準M23、及びB抽出基準値MBは、すべて、抽出基準値M3と等しいものとする。
【0030】
蛍光データ解析部4は、虫歯検出プログラムがCPU15により実行されることにより、虫歯検出プログラムと、CPU15、内部メモリ16等のハードウエア資源とが協働した手段として構成されている。
【0031】
そして、虫歯検出プログラムは、CPU15に実現させる機能として、測定部位数選択機能、光強度変化機能、データ取込機能、蛍光データ抽出・選択機能、虫歯度合演算機能、虫歯有無・進行度合判断機能等を有し、これらの機能により、上述した虫歯検出システム1が実現される。
【0032】
次に、本実施形態の虫歯検出プログラムの処理を、図2〜図8を参照して説明する。
虫歯検出方法は、メイン処理(S1〜S3、S5)を共通にし、検出目的や検出方法の違いにより、単一部位測定処理(S4、S11〜S19)、対比測定処理(S21〜S30)、光強度変化測定処理(S31〜S35、S41〜S48、S51〜S58、S61〜S68)の3通りに大別される。
【0033】
単一部位測定処理は、外から見える虫歯部位又は虫歯と疑われる部位や、特に歯の隙間や噛み合わせ等のような見えない虫歯部位の虫歯の有無又はその虫歯の進行度合を検出する処理で、虫歯部位と思われる1箇所を1回以上測定する。
対比測定処理は、外から見える虫歯部位又は虫歯と疑われる部位(単に「虫歯部位」とする)の虫歯の有無又はその虫歯の進行度合を検出する処理で、同一の歯における虫歯部位と健常部位の2箇所をそれぞれ独立して測定する。
光強度変化測定処理は、外から見えるか否かにかかわらず虫歯の有無及びその虫歯の進行度合の検出する処理で、紫外線の照射光強度を変化させつつ、虫歯部位と思われる同一箇所を複数回測定する。
【0034】
具体的には、図2に示すように、CPU15が、測定するか否かを表示装置5に表示させ(S1)、測定する場合には、虫歯検出プログラムの測定部位数選択機能に基づき、測定部位の数が「1」であるか否かを表示させる(S2)。
測定部位の数が「1」でない場合には、「対比測定処理」に分岐し(分岐B、詳細後述)、測定部位の数が「1」である場合には、CPU15が、虫歯検出プログラムの光強度変化選択機能に基づき、光源の光強度を変化させるか否かを表示させる(S3)。
【0035】
光源の光強度を変化させる場合には、「光強度変化測定処理」に分岐し(分岐C、詳細後述)、光源の光強度を変化させない場合には、CPU15が、「単一部位測定処理」を実行する。
【0036】
ここで、単一部位測定処理においては、まず、測定者が、紫外線照射装置2を用いて、対象部位に照射し、蛍光受光装置3を用いて、歯からの蛍光より情報を得る。
次いで、CPU15が、虫歯検出プログラムのデータ取込機能に基づき、光デバイスからの蛍光データ(アナログ値)を、AD変換器11bによりAD変換されたデジタル信号として内部メモリ16に取り込む。
【0037】
そして、CPU15が、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、抽出基準値MR、MG、MBに対応させて、抽出蛍光データPR、PG、PBを抽出して内部メモリ16に記憶し、さらに、選択蛍光データPR、PBを選択して内部メモリ16に記憶する(S4)。
【0038】
ここに、抽出基準値MRは、可視光領域(380〜810nm)において、波長が、550〜810nmであることが好ましく、より好ましくは、580〜680nmである。
また、抽出基準値MBは、可視光領域において、波長が、380〜550nmであることが好ましく、より好ましくは、400〜500nmである。
さらに、抽出基準値MGは、可視光領域において、波長が、450〜650nmであることが好ましく、より好ましくは、500〜600nmである。
【0039】
その後、図3に示すように、CPU15が、虫歯検出プログラムの虫歯度合演算機能に基づき、選択蛍光データPR、PBのそれぞれの値を求め、その値を次の式(1)に従って虫歯度合CD1を演算する(S11)。
CD1=PR/PB…式(1)
この虫歯度合CD1は、虫歯の進行に伴って、虫歯部位につき、蛍光データPRが増加する一方で、蛍光データPB、蛍光データPGが減少するという特性を利用し、虫歯の進行度合を定量的な増加関数として表したものである。
【0040】
ここでは、蛍光データPBの絶対的強度が蛍光データPGより大きいため、外光等の影響を受けにくくノイズが小さいため、虫歯度合CD1をより高い精度で算出できる。
また、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、選択蛍光データPBの代わりに選択蛍光データPGを選択し、次の式(2)に従って虫歯度合CD1を演算してもよい。
CD1=PR/PG…式(2)
【0041】
S12〜S19の処理は、CPU15が虫歯検出プログラムの虫歯有無・進行度合判断機能に基づいて実行する処理である。
S12では、虫歯度合CD1を、下限しきい値E1と比較する。ここに、「下限しきい値」とは、健常歯と虫歯(特に初期虫歯、以下同じ)とを判別するための値で、紫外線照射装置2における照射光強度、照射面積等の条件や、蛍光受光装置3における光路長、受光素子の感度等の条件によって異なり、虫歯検出システム1におけるキャリブレーションによって決定される。
【0042】
虫歯度合CD1が、下限しきい値E1より小さい、又は下限しきい値E1と等しい場合には、健常歯である旨(解析データ)を表示してメイン処理のS1に戻り(S18、19)、虫歯度合CD1が下限しきい値E1より大きい場合には、虫歯である旨(解析データ)を表示する(S13)。
【0043】
S14では、虫歯度合CD1を、上限しきい値F1と比較する。ここに、「上限しきい値」とは、軽度の虫歯と重度の虫歯とを判別するための値で、上記下限しきい値と同様に決定される。
【0044】
虫歯度合CD1が上限しきい値F1より小さい場合には、軽度の初期虫歯である旨(解析データ)を表示し(S15)、虫歯度合CD1が、上限しきい値F1より大きい、又は下限しきい値F1と等しい場合には、重度の初期虫歯である旨(解析データ)を表示し(S16)、メイン処理のS1に戻る(S17)。
【0045】
上記S2において、測定部位の数が「1」でない場合には、CPU15が、「対比測定処理」を実行する。
ここで、対比測定処理においては、まず、測定者が、紫外線照射装置2を用いて、紫外線を、同一の歯において、虫歯部位(虫歯と疑われる部位)と、その近傍の健常部位とにそれぞれ照射し、蛍光受光装置3を用いて、虫歯部位の蛍光から第1情報の蛍光データを得ると共に、健常部位の蛍光から第2情報の蛍光データを得る。
【0046】
次いで、図4に示すように、CPU15が、虫歯検出プログラムのデータ取込機能に基づき、光デバイスからの第1、第2情報の蛍光データを、それぞれ、AD変換器11bによりAD変換されたデジタル信号として内部メモリ16に取り込む。
そして、CPU15が、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、第1抽出基準値M1R、M1G、M1Bに対応させて、抽出蛍光データP1R、P1G、P1Bを抽出して内部メモリ16に記憶し、さらに、選択蛍光データP1R、P1Bを選択して内部メモリ16に記憶する(S21)。
同様に、CPU15が、第2抽出基準値M2R、M2G、M2Bに対応させて、抽出蛍光データP2R、P2G、P2Bを抽出して内部メモリ16に記憶し、さらに、選択蛍光データP2R、P2Bを選択して内部メモリ16に記憶する(S21)。
【0047】
その後、CPU15が、虫歯検出プログラムの虫歯度合演算機能に基づき、選択蛍光データP1R、P1B、P2R、P2Bのそれぞれの値を求め、その値を次の式(3)に従って虫歯度合CD2を演算する(S22)。
CD2=|P1R−P2R|×|P1B−P2B|…式(3)
【0048】
蛍光データP1R、P1G、P1B(虫歯部位)、及び蛍光データP2R、P2G、P2B(健常部位)の大きさを、それぞれ、蛍光データPR1、PG1、PB1、及び蛍光データPR2、PG2、PB2で示した場合、この虫歯度合CD2は、虫歯の進行に伴って、虫歯部位の蛍光データPR1が健常部位の蛍光データPR2より大きくなり、かつ、虫歯部位の蛍光データPB1、PG1が健常部位の蛍光データPB2、PG2より小さくなるという特性を利用し、虫歯の進行度合を定量的な増加関数として表したものである。
【0049】
ここでは、蛍光データPBの絶対的強度が蛍光データPGより大きいため、外光等の影響を受けにくくノイズが小さいため、虫歯度合CD1の精度を高める観点から、抽出蛍光データPGを用いていないが、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、選択蛍光データP1B、P2Bの代わりに選択蛍光データP1G、P2Gを選択し、次の式(4)に従って虫歯度合CD2を演算してもよく、また、選択蛍光データP1B、P2B及び選択蛍光データP1G、P2Gの双方を選択し、次の式(4.1)に従って虫歯度合CD2を演算してもよい。
CD2=|P1R−P2R|×|P1G 2G |…式(4)
CD2=|P1R−P2R|×{|P1B−P2B|+|P1G 2G |}…式(4.1)
【0050】
S23〜S30の処理は、CPU15が虫歯検出プログラムの虫歯有無・進行度合判断機能に基づいて実行する処理であり、上記S12〜S19の処理とほぼ同様である。
【0051】
S23では、虫歯度合CD2を、下限しきい値E2と比較する。
虫歯度合CD2が、下限しきい値E2より小さい、又は下限しきい値E2と等しい場合には、健常歯である旨を表示してメイン処理のS1に戻り(S29、S30)、虫歯度合CD2が下限しきい値E2より大きい場合には、虫歯である旨を表示する(S24)。
【0052】
S25では、虫歯度合CD2を、上限しきい値F2と比較する。
虫歯度合CD2が上限しきい値F2より小さい場合には、軽度の初期虫歯である旨を表示し(S26)、虫歯度合CD2が、上限しきい値F2より大きい、又は上限しきい値F2と等しい場合には、重度の初期虫歯である旨を表示し(S27)、メイン処理のS1に戻る(S28)。
【0053】
上記S3において、光源の光強度を変化させる場合には、CPU15が、「光強度変化測定処理」を実行する。
ここで、光強度変化測定処理においては、まず、測定者が、紫外線照射装置2を用いて、光強度U1、U2(U1>U2)を変化させた紫外線を、同一歯の同一部位にそれぞれ照射し、蛍光受光装置3を用いて、光強度U1についての蛍光から第1情報の蛍光データを得ると共に、光強度U2についての蛍光から第2情報の蛍光データを得る。
【0054】
次いで、図5に示すように、CPU15が、虫歯検出プログラムのデータ取込機能に基づき、光デバイスからの第1、第2情報の蛍光データを、それぞれ、AD変換器11bによりAD変換されたデジタル信号として内部メモリ16に取り込む。
【0055】
そして、CPU15が、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、R、G、B抽出基準値MR、MG、MBに対応させて、第1情報の蛍光データから抽出蛍光データP1R、P1G、P1Bを抽出して内部メモリ16に記憶し、さらに、選択蛍光データP1R、P1Bを選択して内部メモリ16に記憶する(S31)。
【0056】
同様に、CPU15が、R、G、B抽出基準値MR、MG、MBに対応させて、第2情報の蛍光データから抽出蛍光データP2R、P2G、P2Bを抽出して内部メモリ16に記憶し、さらに、選択蛍光データP2R、P2Bを選択して内部メモリ16に記憶する(S32)。
なお、光強度は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
【0057】
その後、CPU15が、虫歯検出プログラムの虫歯有無・進行度合判断機能に基づき、光強度U1の選択蛍光データP1Rと、光強度U2の選択蛍光データP2Rとの大小関係、すなわち、次の式(5)の符号が「正(+)」であるか否かを判断し(S33)、「正(+)」の場合には、虫歯の可能性がある旨を表示し(S34)、「負(−)」の場合には、健常歯である旨を表示してメイン処理のS1に戻る(S35)。
(P1R―P2R)…式(5)
【0058】
なお、判別方法はこれに限らず、複数の抽出蛍光データP1R、P2R…と光強度U1、U2との相関関係を求め、その相関が「正」である場合は虫歯、「負」である場合は健常と判断する方法を用いてもよい。
【0059】
S33〜S35の処理は、虫歯部位については、蛍光データP2Rが蛍光データP1Rより小さくなる(紫外線照射強度に正の相関)のに対し、健常部位については、蛍光データP2Rが蛍光データP1Rより大きくなる(紫外線照射強度に負の相関)という特性を利用し、虫歯の進行度合を判断する前に、虫歯の有無を判断したものである。
【0060】
S34に進んだ後の処理は、虫歯度合の演算処理の違いにより、虫歯度合CD31の処理(分岐D1、S41〜S48)、虫歯度合CD32の処理(分岐D2、S51〜S58)、虫歯度合CD4の処理(分岐D3、S61〜S68)の3つに分岐する。
【0061】
図6に示すように、虫歯度合CD31の処理においては、CPU15が、虫歯検出プログラムの虫歯度合演算機能に基づき、光強度U1の選択蛍光データP1R、P1B、及び光強度U2の選択蛍光データP2R、P2Bのそれぞれの値を求め、その値を次の式(6)に従って虫歯度合CD31を演算する(S41)。
CD31=(P1R/P2R)×(P1B/P2B)…式(6)
【0062】
この虫歯度合CD31は、虫歯部位については、蛍光データP2R、P2G、P2Bが、それぞれ、蛍光データP1R、P1G、P1Bより小さくなるのに対し、健常部位については、PB2、PG2が、それぞれ、PB1、PG1より小さくなるものの、PR2がPR1より大きくなるという特性を利用し、虫歯の進行度合を関数として表したものである。
【0063】
S42〜S48の処理は、CPU15が虫歯検出プログラムの虫歯有無・進行度合判断機能に基づいて実行する処理であり、上記S23〜S30の処理とほぼ同様である。
S42では、虫歯度合CD31を、上限しきい値F31と比較する。虫歯度合CD31が、上限しきい値F31より大きい、又は上限しきい値F31と等しい場合には、健常歯である旨を表示してメイン処理のS1に戻り(S47、48)、虫歯度合CD31が、上限しきい値F31より小さい場合には、S43に進む。
【0064】
S43では、虫歯度合CD31を、下限しきい値E31と比較する。虫歯度合CD31が下限しきい値E31より大きい場合には、軽度の初期虫歯である旨を表示し(S44)、虫歯度合CD31が、下限しきい値E31より大きい、又は下限しきい値E31と等しい場合には、重度の初期虫歯である旨を表示し(S45)、メイン処理のS1に戻る(S46)。
【0065】
図7に示すように、虫歯度合CD32の処理においては、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、選択蛍光データP1B、P2Bの代わりに選択蛍光データP1G、P2Gを選択し、上記虫歯度合CD31の処理比較した場合、S51、S52、S53の処理のみが異なる。
【0066】
S51では、光強度U1の選択蛍光データP1R、P1G、及び光強度U2の選択蛍光データP2R、P2Gそれぞれの値を求め、その値を次の式(7)に従って虫歯度合CD32を演算する。
CD32=(P1R/P2R)×(P1G/P2G)…式(7)
S52では、上限しきい値F32の設定の仕方が異なり、S53では、下限しきい値E32の設定の仕方が異なる。
その他の処理は、上記同様であるので説明を省略する。
【0067】
図8に示すように、虫歯度合CD4の処理においては、虫歯検出プログラムの蛍光データ抽出・選択機能に基づき、選択蛍光データP1B、P2B、P1G、P2Gを選択し、上記虫歯度合CD31の処理比較した場合、S61、S62、S63の処理のみが異なる。
【0068】
S61では、光強度U1の選択蛍光データP1R、P1G、P1B、及び光強度U2の選択蛍光データP2R、P2G、P2Bのそれぞれの値を求め、その値を次の式(8)に従って虫歯度合CD4を演算する。
CD4=(P1R/P2R)×{(P1G/P2G)+(P1B/P2B)}…式(8)
S62では、上限しきい値F4の設定の仕方が異なり、S63では、下限しきい値E4の設定の仕方が異なる。その他の処理は、上記同様であるので説明を省略する。
【0069】
このような光強度変化測定処理においては、図示しないが、上記虫歯度合CD31、CD32、CD4のほか、次の式(9)に従って虫歯度合CD5を演算してもよい。
CD5=(P1R/P2R)×(P1G/P2G)×( 1B 2B )…式(9)
【0070】
以上述べたように、本実施形態によれば、虫歯検出方法において、虫歯度合CDを、エネルギ値の高低にわたる選択蛍光データPR、PB、PGに基づいて定量的な関数で表し、その虫歯度合CDを下限しきい値E及び上限しきい値Fと比較することにより、細菌の侵襲を受けていない初期段階の虫歯について、「健常歯」、「軽度の虫歯」又は「重度の虫歯」の何れであるかの判断を感度よく正確に行うことができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、虫歯検出方法を、1カ所から得られるデータを用いた測定処理、2カ所から得られるデータを対比する測定処理、光強度を変化させる測定処理の3つに大別できる、これらの方法を検出目的、計測部位により使い分ける、組み合わせることを可能にすることにより、効率的に精度良く虫歯の有無や虫歯の進行度合を検出できる。
【0072】
すなわち、1カ所から得られるデータを用いた測定処理にあっては、見えている部分のみならず歯の隙間や噛み合わせ等のような比較部位の得られにくい部位に用いることができ、その1箇所を測定するだけで、虫歯の有無や進行度合を検出できる。この測定方法は、得られた虫歯度合CD1に基づいて虫歯の検出を瞬時に行える方法としてあらゆる部位の測定に有利である。
【0073】
また、2カ所から得られるデータを対比する測定処理にあっては、見えている虫歯部位又は虫歯と疑われる部位について、健常部位との比較において、2箇所測定することにより、虫歯の有無や進行度合を検出できる。この測定処理は、虫歯部位と健常部位との比較を考慮に入れた虫歯度合CD2のみに基づいて瞬時に虫歯の進行度合を検出できる点で有利である。
【0074】
さらに、光強度変化測定処理にあっては、紫外線の光強度を変化させつつ、同一の虫歯部位について、少なくとも2回測定することにより、虫歯の進行度合を検出できる。この測定処理は、光強度の異なる選択蛍光データP1R、P2Rの大小を比較するだけで虫歯の有無を瞬時に判断できる点や、光強度の変化により歯の深度に応じた、虫歯の進行度合を得られる点で有利である。
【0075】
さらに、本実施形態によれば、虫歯検出プログラムを実行することにより、上記効果を奏する虫歯検出システム1を実現することができる。
特に、抽出基準値MR、MG、MB等を用いて、蛍光データPR、PG、PBを選択・抽出するようにしたため、受光蛍光装置3により蛍光データの取り込みを1回行うだけで、種々の虫歯度合CDを演算することができる。
また、抽出基準値MR、MG、MB等の設定値を変更するだけで、外光等やノイズの影響に適宜対応して虫歯度合CDの精度を高めることができる。
【0076】
本発明は、上記実施形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上記光強度測定方法においては、光強度を2種に変化させたが、これに限られず、光強度を3種以上に変化させ、虫歯度合CD31、CD32、CD4を演算してもよい。
また、虫歯度合CD31、CD32、CD4を演算するにあたって、光強度の異なる蛍光データの比(P1R/P2R)等を用いたが、この代わりに、蛍光データの変化の傾きや相関関係を用いることもできる。
【0077】
さらに、虫歯度合CDと、下限しきい値E及び上限しきい値Fとの比較のほか、さらに、別のしきい値を加えることにより、重度と軽度との中間的な程度の中等度を示すこともできる。さらにまた、表示装置5に解析データとして、健常歯である旨等のデータのほか、虫歯度合CD自体を表示してもよく、このような解析データを出力装置13に出力してもよい。
【0078】
さらにまた、抽出基準値MR、MG、MB等を、内部メモリ16に記憶せずに、直接、虫歯検出プログラムに書き込んでもよい。
【0079】
【実施例】
本発明者等は、現在のところ最も正確に虫歯の進行度合いを測定できる非特許文献3記載の方法と実施例1〜4と比較例1、2との相関関係を求めることにより本発明に係る虫歯検出装置の検出精度を評価した。
【0080】
実験に用いた抜去歯は、表層が脱落してなく非外科的処置で回復可能な初期虫歯であるものを選んだ。これらの抜去歯は経験を積んだ歯科医師の目視により、ごく初期のもの(軽度)、ある程度進んだもの(中等度)、穴のあく寸前のもの(重度)の3種類に分類した。
【0081】
分類した抜去歯をまず本発明に係る虫歯検出装置で計測した。その後、非特許文献3に記載の方法に基づき、前記の抜去歯をスライスし、マイクロX線写真撮影用の試料を作成した。実施例において、本発明に係る虫歯検出装置での計測結果と非特許文献3で示した方法で得られたミネラル減少率との相関係数を求めることにより本発明の虫歯検出装置の正確さを検証した。
【0082】
ミネラル減少率とは、虫歯の進行度合を示すもので、上記非特許文献3に従い、マイクロX線写真を用いて、表面から深さ300ミクロンまでの部位についてコンピュータ画像解析により得られた値であり、健常部位のミネラル減少率を0%とし、溶けて歯のすべてが無くなった場合はミネラル減少率を100%とする。
【0083】
本実施例で用いた虫歯検出システム1及びこれを用いた虫歯検出方法について説明する。紫外線照射装置2として水銀ランプを用いた。この水銀ランプは、400nm以下の波長の紫外線を透過する可視光カットフィルタの装着により、i線を効率よく照射できるようにした。また、水銀ランプは、NDフィルタの装着により、光強度をU1(=340mV/cm2)、U2(=94mV/cm2)の2段階に変化できるようにした。水銀ランプからの紫外線は、光ファイバにより直接歯に照射した。
【0084】
蛍光受光装置3として分光輝度計を用いた。分光輝度計は、400nm以上の光を透過するUVカットフィルタを装着し、可視光領域の蛍光データを取り込めるようにした。取り込んだ蛍光データはA/D変換を行い、16bitのスペクトルデータとして蛍光データ解析部に転送した。抽出基準値MRを600〜800nm、抽出基準値MGを500〜600nm、抽出基準値MBを400〜500nmとし、それぞれに対応した蛍光データPR、PG、PBを抽出した。
【0085】
歯の測定部位及び光強度U1、U2を変化させた測定について説明する。
虫歯部位について、軽度部位L、中等度部位M、重度部位Hの3箇所を測定の対象にすると共に、それぞれの近傍(同一歯の中)にある健常部位について、健常部位(軽)L’、健常部位(中)M’、健常部位(重)H’の3箇所を測定の対象とした。
【0086】
それぞれの測定部位について、光強度U1と、光強度U2とに対応して、測定部位の記号に添字「1」、「2」を付す。例えば、「L1」は、光強度U1の紫外線を照射した、虫歯の軽度部位についての測定部位を示し、「H2、1」は、光強度U1、U2の紫外線をそれぞれ照射した、虫歯の重度部位についての測定部位を示す。
本実施例において計測した、各測定部位毎の光強度U1、U2と蛍光データPR、PB、PGとの関係を図9に示し、光強度U1、U2、PR、PB、PGのデータ(最大216=65536)を表1、表2、表3に示した。
【0087】
【表1】
Figure 0004338425
【0088】
【表2】
Figure 0004338425
【0089】
【表3】
Figure 0004338425
【0090】
[実施例1]
実施例1では、上記実施形態で示した虫歯検出処理の「単一部位測定処理」に従い、光強度U1の測定部位L1、M1、H1、L1’、M1’、H1’について、それぞれ、虫歯度合CD1を算出し、虫歯度合CD1とミネラル減少率とのそれぞれの相関係数を求めた。
【0091】
[比較例1]
比較例1では、上記特許文献2に記載の技術に従い、紫外線の光強度をU1にし、測定部位L1、M1、H1、L1’、M1’、H1’について計測した。カラーCCDに、620nm以上の光を透過するカットフィルタを装着し、カラーCCDが赤色蛍光のみの画像を取り込めるようにした。この画像をグレー画像に変換し、各測定部位毎にPR(16bit)を得た。PRとミネラル減少率とのそれぞれの相関係数を求めた。実施例1と比較例1の計測結果を表4に示す。
【0092】
【表4】
Figure 0004338425
【0093】
表4に示したように、ミネラル減少率が高い場合は虫歯が進行していることを意味している。本発明に係る実施例1の虫歯度合CD1とミネラル減少率との相関係数が高く、虫歯度合CD1は、虫歯の進行度合を客観的に定量値することができることが実証された。
【0094】
虫歯の進行度合いを的確に捉えるためには、ミネラル減少率の値に応じて、蛍光データPRも高くならなければならない。しかし、これに対し比較例1の場合は、虫歯の中等度部位M1と重度部位H1の間で、蛍光データPRの大小関係が逆転しており、必ずしも虫歯の進行度合とは一致していないため、虫歯の進行度合いの検出は困難である。
【0095】
[実施例2]
実施例2では、上記実施形態で示した虫歯検出処理の「対比測定処理」に従い、光強度U1の測定部位(L1、L1’)、(M1、M1’)、(H1、H1’)について、それぞれ、虫歯度合CD2を算出し、虫歯度合CD2とミネラル減少率とのそれぞれの相関係数を求めた。
【0096】
[比較例2]
比較例2では、上記特許文献1で示した従来技術に従い、紫外線の光強度をU1にし、測定部位(L1、L1’)、(M1、M1’)、(H1、H1’)について計測した。カラーCCDに、520nm以上の光を透過するカットフィルタを装着し、カラーCCDが520〜800nmの画像を取り込めるようにした。この画像をグレー画像に変換し、各測定部位毎に、虫歯部位の輝度(16bit)と、健常部位の輝度(16bit)とを求め、その比を相対輝度として算出した。相対輝度とミネラル減少率とのそれぞれの相関係数を求めた。実施例2と比較例2の計測結果を表5に示す。
【0097】
【表5】
Figure 0004338425
【0098】
表5から、虫歯度合CD2とミネラル減少率との相関係数が高く、虫歯度合CD2は、虫歯の進行度合について客観的な定量値で示すことができることが実証された。その一方、虫歯の中等度部位(M1、M1’)と重度部位(H1、H1’)の間で、相対輝度の大小関係が逆転しており、単色光の輝度のみでは、必ずしも虫歯の進行度合とは一致していないため、虫歯の進行度合いの検出は困難である。
【0099】
[実施例3]
実施例3では、上記実施形態で示した虫歯検出処理の「光強度変化測定処理」に従い、光強度U1、U2の測定部位L2、1、M2、1、H2、1、L2、1’、M2、1’、H2、1’について、それぞれ、輝度変化(PR1―PR2)、(PG1―PG2)、(PB1―PB2)と、虫歯度合CD31、CD32とを演算し、虫歯度合CD31、CD32とミネラル減少率とのそれぞれの相関係数を求めた。実施例3の計測結果を表6、表7に示す。
【0100】
【表6】
Figure 0004338425
【0101】
【表7】
Figure 0004338425
【0102】
表6から、輝度変化(PR1―PR2)の符号は、虫歯の有無を示す客観的な判断基準であることが明らかになった。また、表7から、虫歯度合CD31、CD32とミネラル減少率との相関係数が高く、虫歯度合CD31、CD32は、虫歯の進行度合について客観的な定量値で示すことができることが実証された。
【0103】
[実施例4]
実施例4では、上記実施例3と同様に、虫歯度合CD4、CD5とを演算し、虫歯度合CD4、CD5とミネラル減少率とのそれぞれの相関係数を求めた。
上記虫歯度合CD31、CD32が、選択蛍光データPRと、選択蛍光データPB、選択蛍光データPGの何れか一方との二者を演算対象にしているのに対し、虫歯度合CD4、CD5は、蛍光データPR、PB、PGの三者を演算対象にしている点が異なる。実施例4の計測結果を表8に示す。
【0104】
【表8】
Figure 0004338425
【0105】
表8から、虫歯度合CD4、CD5とミネラル減少率との相関係数が高く、虫歯度合CD4、CD5は、虫歯の進行度合について客観的な定量値で示すことができることが実証された。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、初期虫歯を感度良く正確に検出し、しかもその進行度合をも検出できる虫歯検出装置及びこれを実現する虫歯検出プログラム得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の虫歯検出システムの概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(メイン処理及び単一部位測定処理)を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(単一部位測定処理、CD1)を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(対比測定処理、CD2)を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(光強度変化測定処理)を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(光強度変化測定処理、CD31)を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(光強度変化測定処理、CD32)を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の虫歯検出プログラムに基づいて虫歯検出処理(光強度変化測定処理、CD4)を示すフローチャートである。
【図9】(a)〜(f)は、実施例1〜4に用いられる光強度及び輝度の関係を、(a):健常歯部位(軽)、(b):健常歯部位(中)、(c):健常歯部位(重)、(d):虫歯の軽度部位、(e):虫歯の中等度部位、(f):虫歯の重度部位について示すグラフである。
【符号の説明】
1 虫歯検出システム(虫歯検出装置)
2 紫外線照射装置(紫外線光源)
3 蛍光受光装置(蛍光受光部)
4 蛍光データ解析部
5 表示装置(解析データ表示部)
CD1、CD2、CD31、CD32、CD4 虫歯度合

Claims (7)

  1. 紫外線光源と、該紫外線光源から照射された紫外線により歯からの蛍光を受光する蛍光受光部と、該蛍光受光部から送信された蛍光データを解析する蛍光データ解析部と、該蛍光データ解析部により解析されたデータを表示するデータ表示部とを備えた虫歯検出装置であって、
    前記蛍光データ解析部は、可視光の波長を分割数nで分割した領域毎に前記蛍光データを抽出する場合に基準となる抽出基準値M1、M2、M3、…Mnを記憶した記憶部を有し、
    異なる2以上の光強度U1、U2、…Un(U1>U2、…>Un)につき前記測定部位の蛍光データを取り込んだ蛍光データから前記抽出基準値M1、M2、M3、…Mnのそれぞれに対応した抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnを抽出し、前記抽出蛍光データP1、P2、P3…Pnから選択した1又は2以上の選択蛍光データを演算し、この演算結果に基づいて虫歯の判定を行うように構成された虫歯検出装置。
  2. 光源から紫外線を歯の測定部位に照射し、該測定部位からの蛍光により虫歯の検出を実行する虫歯検出プログラムであって、
    異なる2以上の光強度U1、U2、…Un(U1>U2、…>Un)につき前記測定部位の蛍光データをそれぞれ第1情報、第2情報、…第n情報として取り込む第1ステップと、
    可視光における波長が550〜810nmの領域に前記第1〜第n情報の蛍光データをそれぞれ抽出する場合に基準となるR抽出基準値MRを用い、該R抽出基準値MRに対応して抽出蛍光データP1R、P2R、P3R…PnRを抽出し、該抽出蛍光データP1R、P2R、P3R…PnRから選択蛍光データP1R、P2Rを選択する第2ステップと、
    次の式(5)に従って前記選択蛍光データから符号を演算する第3ステップと、
    (P1R−P2R) …式(5)
    (前記式(5)中、
    1R;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUi及びR抽出基準値MRに対応する第i情報の選択蛍光データ、
    2R;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUj(<Ui)及びR抽出基準値MRに対応する第j情報の選択蛍光データを示す)
    前記式(5)から得られる符号が正である場合には虫歯の可能性があると判断し、負又は零である場合には健常な歯であると判断する第4ステップとを虫歯検出装置に実行させる虫歯検出プログラム。
  3. 前記第4ステップで虫歯の可能性があると判断された場合において、
    可視光における波長が450〜650nmの領域に前記第1〜第n情報の蛍光データをそれぞれ抽出する場合に基準となるG抽出基準値MGを用い、該G抽出基準値MGに対応して抽出蛍光データP1G、P2G、P3G…PnGを抽出し、該抽出蛍光データP1G、P2G、P3G…PnGから選択蛍光データP1G、P2Gを選択すると共に、可視光における波長が380〜550nmの領域に前記第1〜第n情報の蛍光データをそれぞれ抽出する場合に基準となるB抽出基準値MBを用い、該B抽出基準値MBに対応して抽出蛍光データP1B、P2B、P3B…PnBを抽出し、該抽出蛍光データP1B、P2B、P3B…PnBから選択蛍光データP1B、P2Bを選択する第4.1ステップと、
    次の式(6)又は式(7)に従って前記選択蛍光データから虫歯度合CD3を演算する第4.2ステップと、
    CD3=(P1R/P2R)×(P1B/P2B) ・・・式(6)
    CD3=(P1R/P2R)×(P1G/P2G) ・・・式(7)
    (前記式(6)又は式(7)中、
    1G;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUi及びG抽出基準値MGに対応する第i情報の選択蛍光データ、
    2G;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUj(<Ui)及びG抽出基準値MGに対応する第j情報の選択蛍光データ、
    1B;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUi及びB抽出基準値MBに対応する第i情報の選択蛍光データ、
    2B;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUj(<Ui)及びB抽出基準値MBに対応する第j情報の選択蛍光データを示す)
    前記虫歯度合CD3の値と上限しきい値F3とを比較する第4.3ステップと、 前記虫歯度合CD3の値が、前記上限しきい値F3より大きい又は前記上限しきい値F3と等しい場合には健常な歯であると判断し、前記虫歯度合CD3の値が、前記上限しきい値F3より小さい場合には虫歯であると判断する第4.4ステップとを実行する請求項記載の虫歯検出プログラム。
  4. 前記第4.4ステップで虫歯であると判断された場合において、
    前記虫歯度合CD3の値と下限しきい値E3とを比較する第4.5ステップと、 前記虫歯度合CD3の値が、前記下限しきい値E3より大きい又は前記下限しきい値E3と等しい場合には軽度の虫歯であると判断し、前記虫歯度合CD3の値が、前記下限しきい値E3より小さい場合には重度の虫歯であると判断する第4.6ステップとを実行する請求項記載の虫歯検出プログラム。
  5. 前記第4ステップで虫歯の可能性があると判断された場合において、
    可視光における波長が450〜650nmの領域に前記第1〜第n情報の蛍光データをそれぞれ抽出する場合に基準となるG抽出基準値MGを用い、該G抽出基準値MGに対応して抽出蛍光データP1G、P2G、P3G…PnGを抽出し、該抽出蛍光データP1G、P2G、P3G…PnGから選択蛍光データP1G、P2Gを選択すると共に、可視光における波長が380〜550nmの領域に前記第1〜第n情報の蛍光データをそれぞれ抽出する場合に基準となるB抽出基準値MBを用い、該B抽出基準値MBに対応して抽出蛍光データP1B、P2B、P3B…PnBを抽出し、該抽出蛍光データP1B、P2B、P3B…PnBから選択蛍光データP1B、P2Bを選択する第4.1ステップと、
    次の式(8)に従って前記選択蛍光データから虫歯度合CD4を演算する第4.2ステップと、
    CD4=(P1R/P2R)×{(P1G/P2G)+(P1B/P2B)} ・・・式(8)
    (前記式(8)中、
    1G;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUi及びG抽出基準値MGに対応する第i情報の選択蛍光データ、
    2G;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUj(<Ui)及びG抽出基準値MGに対応する第j情報の選択蛍光データ、
    1B;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUi及びB抽出基準値MBに対応する第i情報の選択蛍光データ、
    2B;光強度U1、U2、…Unの何れか一つのUj(<Ui)及びB抽出基準値MBに対応する第j情報の選択蛍光データを示す)
    前記虫歯度合CD4値と上限しきい値F4とを比較する第4.3ステップと、
    前記虫歯度合CD4の値が、前記上限しきい値F4より大きい又は前記上限しきい値F4に等しい場合には健常の歯であると判断し、前記虫歯度合CD4の値が、前記上限しきい値F4より小さい場合には虫歯であると判断する第4.4ステップとを実行する請求項記載の虫歯検出プログラム。
  6. 前記第4.4ステップで虫歯であると判断された場合において、
    前記虫歯度合CD4の値と下限しきい値E4とを比較する第4.5ステップと、 前記虫歯度合CD4の値が、前記下限しきい値E4より大きい又は前記下限しきい値E4に等しい場合には軽度の虫歯であると判断し、前記虫歯度合CD4の値が、前記下限しきい値E4より小さい場合には重度の虫歯であると判断する第4.6ステップと実行する請求項記載の虫歯検出プログラム。
  7. 請求項乃至の何れか一つに記載の虫歯検出プログラムによる処理を実現させる虫歯検出装置。
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