JP4338265B2 - Clothing worn in contact with the skin - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直接肌に接して着用される衣料であって、乳房カップ部を有する衣料、あるいはクロッチ部を有する衣料、ないしはこの両者を有する衣料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、肌に接して着用される衣料であって、ブラジャー、ボディスーツ、レオタードなどの乳房カップ部を有する衣料は、乳房の形を美しく整える造形機能を有する乳房カップを備えた衣料として、広く普及している。また、肌に接して着用される衣料であって、ショーツ、ガードル、ボディスーツ、レオタードなどは、クロッチ部を有している衣料として広く普及している。
【０００３】
ところで上述のような乳房カップ部を有する衣料の乳房カップの構成素材としては、従来よりもっとも一般的に用いられている素材は、不織布ないしはポリウレタン発泡体である。通常これらの素材を用いる場合には、これらの素材がそのまま直接に肌に接触すると不織布の場合には、チクチクして肌触りが悪いし、ポリウレタン発泡体の場合も見栄えも悪く、ゴムに直接肌が接触する感触になり、あまり肌触りの点で好ましいものではないので、通常は、少なくともこれらの肌側には、編物ないしは織物などの通常のプレーンな生地が接着積層されるか縫合されて用いられることが実際には行われている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発汗時の状況を想定すると、ポリウレタン発泡体の場合は、通気性が不織布よりかなり悪く、蒸れやすく、肌側に設けられたプレーンな生地に肌がべとついてぴったりとくっついたような状態になり、肌へのはりつきが生じ、不快感が生じる。不織布を使用した場合も、不織布自体の通気性はポリウレタン発泡体に比べれば良好であるが、不織布を構成する繊維は大部分が厚み方向に立っているものではなく、むしろ大部分が不織布平面方向にほぼ沿った、厚み方向とは直角方向に配向している繊維が大部分であり、従って、通気性が良好とは言えず、蒸れやすく、不織布が直接肌に接触しないように肌側に設けられたプレーンな生地の汗によるべとつきにより、肌へのはりつきが生じ、不快感が生じる点では、ポリウレタン発泡体を用いた場合と同様である。
【０００５】
また、クロッチ部分を有する衣料についても、クロッチ部分は、比較的通気性のよい、生地が用いられることが多いが、あまり、織密度や編密度の低い、目の粗い生地を用いると、外から陰部が透けて見えてしまう恐れがあり、どうしても陰部が透けて見えないように、ある程度緻密な組織の編物ないしは織物を用いるか、織密度や編密度の低い、目の粗い生地を用いた場合には、その外側をより緻密な組織の編物ないしは織物でカバーし二重構造にする場合が多く、いずれにせよ、発汗時には、上述のごとき、プレーンな生地の汗によるべとつきにより、肌へのはりつきが生じ、不快感が生じる。
【０００６】
乳房カップを有する衣料において、特開平８−１２７９０５号にはポリウレタン発泡体などの軟質合成樹脂発泡体や不織布からなる隆起部（突起や畝状の隆起部）を有するクッション性を持ったシートが用いられている乳房カップが提案されている。これらは、曲面に沿いやすく自然な丸みを実現でき、バストボリュームを大きく豊かに見せるための乳房カップおよびそれを具備した衣料に関するものである。
【０００７】
しかしながら、これらの素材は、ポリウレタン発泡体などの軟質合成樹脂発泡体や不織布からなるので、上述したように通気性が悪いかあまりよくないと言う問題点が依然として残っていると共に、現実に衣料へ適用する場合には、これらの素材がそのまま直接に肌に接触すると不織布の場合には、チクチクして肌触りが悪いし、ポリウレタン発泡体の場合も見栄えも悪く、ゴムに直接肌が接触する感触になり、あまり肌触りの点で好ましいものではないので、通常は、少なくともこれらの肌側には、編物ないしは織物などの通常のプレーンな生地が接着積層されるか縫合されて用いられることが実際には行われている。従って、前述したように、汗をかいた場合には、内側のプレーンな生地は、通常の生地すなわち、特別剛軟性の大きな（はりのある、腰のある）生地が用いられているわけではないので、内側の生地に肌がべとついてぴったりとくっついたような状態になり、肌へのはりつき感が生じ、不快感が生じる。
【０００８】
また、特開平１０−２９８８５４号には、裏面に凹凸を有する水着用編時及びそれを用いた水着が開示されている。この水着は、水中から上がった後のベタツキ感に伴う冷感性が軽減されることが示されている。そして、実際に示されている生地はポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有する丸編地、トリコット地、ラッシェル地が使用できることが開示されている。実施例に開示されているのは、丸編地、トリコット地の場合のみで、ラッシェル地に関しては具体的に開示されていない。しかして、特開平１０−２９８８５４号は水着であるから、必然的に伸びる素材で身体に密着する必要があり、従って、上記の実施例などでは、現実にはポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有するものが記載されており、これらから解釈して、ラッシェル地とは、通常のシングルラッシェル編物地であることが明らかである。ダブルラッシェル編物でかつ、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有していない素材は、伸びもなく水着には全く使用できないからである。
【０００９】
ところで通常のシングルラッシェル地の場合、厚みはそれほど厚くなく、したがって剛軟性がそれほど大きくなく、従って生地の汗によるべとつきにより、肌へのはりつきが生じにくいとは言えないし、また、シングルラッシェル地を構成する繊維糸は、大部分がラッシェル編地平面方向にほぼ沿った、すなわち厚み方向とは直角方向に配向している繊維糸が大部分であり、従って、この意味ではこのまま厚みを厚くすると蒸れやすくなると言う問題点を有しており、また、厚みがあまり厚くならないので、シングルラッシェル編物では、クッション性も小さく、造形性も小さくなるので、乳房カップに用いた場合に、乳頭の形状がそのまま反映して外側に現れわれやすく、また、剛軟性がやや小さく、クッション性も小さいので、造形性も十分でなく、乳房の形を整える造形性が十分発揮できないなどの問題がある。また、前記特開平１０−２９８８５４号は、トリコットについては、ダブルトリコットと考えられるトリコット編物が使用されているが、ダブルトリコット編物では厚みが最大でも１ｍｍにならず、これ以上厚くすることはできず、従ってダブルトリコットでこの程度の厚みでははりがなく（剛軟性が小さいこと）、造形性が低くなる。通常、ダブルトリコット編物は、スリップなどのランジェリーの身生地に使用されるどちらかと言えばドレープ製のある生地だからである。また、仮にこれらの編物をクロッチ部に適用したとしても、比較的剛軟性が小さい（ハリが小さい）ため、発汗時等にベタツキ感が十分解消できないと言う問題がある。
【００１０】
また、乳房カップとして用いる不織布やポリウレタン発泡体の肌側に積層する布として、畝のある編物として典型的なリブ編物を用いてみたが、リブ編物では着用時の応力によって畝の凹凸構造が変化してしまいやすく、発汗時の肌へのはり付きが生じてしまい、不快感を防止できないことがわかった。
【００１１】
本発明はこれらの問題点を解決し、発汗時においても、乳房カップ部及び／またはクロッチ部におけるベタツキ感が低減され、通気性、吸水性がよく、蒸れも改良され、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じる不快感が生ずるのを軽減でき、清涼感を保ち、耐洗濯性が良好で、しかも、乳房カップ部などに適用する場合に、必要な造形性も発揮し得る性能を有する直接肌に接して着用される衣料であって乳房カップ部及び／またはクロッチ部を有する衣料を提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、以下に示すような、乳房カップ部及び／またはクロッチ部を有する肌に接して着用される衣料を提供するものである。
【００１３】
（１）乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料において、乳房カップ部の肌に接する側に畝状凹凸面が現れるように、厚みが１ｍｍ〜１０ｍｍで弾性繊維を含有しない畝状凹凸立体模様を少なくとも片面に有するダブルラッシェル編物であって、前記ダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様の凹部表面からの凸部の高さが、５０〜１０００μｍであり、凸部の幅が０．７〜３ｍｍ、凹部の幅が０．１〜３ｍｍであり、前記ダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様が、ジグザク状または波状の畝模様を有する凹凸立体模様であるダブルラッシェル編物を用いたことを特徴とする衣料。
【００１４】
（２）乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料がブラジャーであり、前記ブラジャーの土台布の部分にも更にその肌に接する側に畝状凹凸面が現れるように、厚みが１ｍｍ〜１０ｍｍで弾性繊維を含有しない畝状凹凸立体模様を少なくとも片面に有するダブルラッシェル編物を用いてなる前記（１）項に記載の衣料。
【００１５】
（３）乳房カップ部を有する衣料が、ブラジャー、ボディスーツ、レオタードから選ばれた衣料である前記（１）項に記載の衣料。
【００１７】
（４）ダブルラッシェル編物の、ＪＩＳ Ｌ−１０９６ Ｅ法（ハンドルオメータ法）による剛軟性が、２〜８０ｇである前記（１）〜（３）項のいずれかに記載の衣料。
【００１８】
（５）ダブルラッシェル編物の、目付けが１００〜８００ｇ／ｍ2である前記（１）〜（４）項のいずれかに記載の衣料。
【００１９】
（６）ダブルラッシェル編物が、ポリエステルフィラメント糸からなるダブルラッシェル編物である前記（１）〜（５）項のいずれかに記載の衣料。
【００２２】
（７）ダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様の畝の向きが衣料縦方向である前記（１）〜（６）項のいずれかに記載の衣料。
【００２４】
（８）ダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様の凸部表面の面積が、凸部表面と凹部表面の合計面積の２５〜８０％である前記（１）〜（７）項のいずれかに記載の衣料。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的実施の形態例について説明するが、本発明は、これらの具体例にのみ限定されるものではない。
【００２６】
図１は本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の一例の畝状凹凸立体模様を有する側から見た平面図、図２は本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の別の一例の畝状凹凸立体模様を有する側から見た平面図、図３は本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の更に別の一例の畝状凹凸立体模様を有する側から見た平面図である。いずれの図においても、１が畝状の凸部を示しており、２が凹部を示している。そして図１に示すダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様は、ほぼストレ−トなストライプ状であり、図２に示すダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様は、ジグザク状模様であり、図３にに示すダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様は、波状模様である。
【００２７】
なお、図においては、畝状の凸部１はその長手方向に切れ目なく連続しているものを示してあるが、必ずしも連続せずに比較的少ない面積割合で小さな面積の切れ目が複数個存在してもよい。すなわち斑点状の凹凸立体模様となってしまうのではなく、実質上畝状であれば畝に切れ目が入ってもよい。
【００２８】
乳房カップに用いて乳房にあてがった場合に、図１のものに比べて、図２や図３に示したようなタイプのジグザク状または波状の畝状凹凸立体模様の方が、凹凸の間隔や凸部高さがほぼ同じ場合で比べると乳房の柔らかい肉が凹部に入り込みにくく、長時間着用した場合に乳房の表面に畝状凹凸立体模様の跡がつきにくいと言う点で好ましい。しかも剛軟性についても凸部長手方向に沿った方向とそれと直角方向の剛軟性が、図２や図３に示したタイプの方が図１に示したタイプに比べてその差異が少なくなってくる点でも好ましい。
【００２９】
そして、これらの畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様の畝の向きが衣料縦方向になるように取り付ることが、べとつき感を軽減する上で好ましい。すなわち、乳房カップ部において、畝の向きが衣料縦方向になるように取り付けられていると、着用者の肌と乳房カップ部との間で、暖められた湿った空気が、畝の凹部を通って上方に逃げ易くなり、したがって通気性がよく、蒸れが軽減され、さらさらした感じを保つことができるためである。
【００３０】
ここで畝の向きとは、畝の長手方向の向きであり、図１の場合には、図の上下方向であり、図２、図３のように畝の凹凸立体模様がジグザグ状や波状模様であっても、巨視的な全体的な観点から見た畝の長手方向を意味し、従ってこの場合も図の上下方向になる。
【００３１】
ここで衣料縦方向とは、衣料の縦方向（垂線方向）並びに衣料の縦方向から±４０度までの角度の範囲で傾いている場合も含む意味である。しかしなるべく衣料の垂線方向に沿った方向からあまり角度がつかないほど好ましい。また、クロッチ部に適用する場合には、クロッチ部は股の下になるが、この場合の衣料縦方向とは、衣料の前後方向に沿った方向であり、衣料の前中心と後中心を股下で結ぶ仮想の直線に沿った方向並びにその仮想線の方向から±４０度までの角度の範囲で傾いている場合も含む意味である。しかしなるべく仮想線方向に沿った方向からあまり角度がつかないほど好ましい。クロッチ部においても、前述で定義した畝の向きが衣料縦方向が好ましいのは、着用者の肌とクロッチ部との間で、暖められた湿った空気が、身体の前後方向に向いて伸びている畝の凹部を通り、逃げ易くなり、したがって通気性が保たれ、蒸れが軽減され、さらさらした感じを保つことができるためである。
【００３２】
図４と図５は本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の一例の例えば図２のそれぞれＡ−Ａ´方向ならびにＢ−Ｂ´方向の断面模式図である。
【００３３】
これらの図に示されるように畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物は、裏面を構成する糸で編まれて形成されている裏面３（この場合、裏面３が衣料の肌側になる。）と、表面を構成する糸で編まれて形成されている表面４と、この裏面３と表面４との間をほぼ縦方向（厚み方向）に走ってこの間を充填し繋ぎ合わせているつなぎ糸（充填糸）５、６からなっている。このつなぎ糸（充填糸）５、６がダブルラッシェル編物に厚みを持たせ、そのためクッション性も付与される。しかも、弾性繊維を使用していないので、より剛軟度（剛性）を高くしている。そしてすべて正確に規則的にマルチフィラメント糸またはモノフィラメント糸が編まれてしっかりした編み組織を形成しているので、不規則な繊維の絡み合いしか期待できない不織布に比べて耐洗濯性が高く、例えば繰り返し洗濯による剛軟性の低下はほとんどない。そしてダブルラッシェル編物においては、このつなぎ糸（充填糸）５、６がほぼ厚み方向に向いているので、通気性が極めて良好になり、蒸れも少なくなる。しかも、一般にポリウレタン繊維などの弾性繊維糸を用いる場合には、通常のポリエステル繊維糸などの非弾性繊維糸に比べてかなり大幅に太い糸が用いられるのがかかる衣料への弾性繊維糸の適用の場合の一般的傾向であるが、本発明では、このように太く、従って通気性を低下させる要因の一つともなる弾性繊維糸を用いていないので、この点からも通気性は良好である。また、裏面３と表面４との間をほぼ縦方向（厚み方向）に走っているつなぎ糸（充填糸）５、６が存在し、且つ厚みもあるので、この部分に汗を吸収しやすく、吸水速度が速いため、発汗しても肌に接する面をサラッとした状態の清涼感を保つことができ、ベトツキ感を軽減するのである。そして発汗時、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じる不快感が生ずるのを軽減できる。すなわち通気性のある立体構造によって、液相の汗は立体構造の網目から内部に短時間ですばやく吸い込まれ、組織内部に水分が吸収され、そこで気化され、気相の汗は、高通気性の網目を透過して外部に放出され、乾きやすい特徴を有している。しかも肌に接する側に畝状凹凸面が存在するので、畝状の凸部１のみが実質的に肌に接することになり、肌との接触面積が少なくなり、この点でも発汗時の生地の肌へのはりつき感を少なくすることができる。また、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じ不快感が生ずるのを軽減できる。しかも、剛軟度が高い（はりがあること）ので、剛軟度の低い薄っぺらい生地に比べて、発汗時の肌へのはりつきが少なくできるのである。また、不織布と異なり、しっかりした組織の編物であるので、耐洗濯性が極めて優れており、洗濯によるへたりが極めて少なく、長期間の造形性、剛軟性（はり）を維持することができ、従って、繰り返し洗濯しても、前述した優れた性能を長期間維持でき、耐久性に優れている。
【００３４】
また、通常の生地に比べて厚みも厚く、剛軟度があるので、乳房カップ部などに適用する場合に、乳房の形を美しく整えるなど、必要な造形性も発揮し得ると共に、シングルラッシェル編物に比べて、クッション性も大きく、造形性も大きいので、シングルラッシェル編物を用いた場合に生じる、乳頭の形状がそのまま反映して外側に現れわれやすくなると言う問題点が解消されるのである。
【００３５】
尚、図示したダブルラッシェル編物は、畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物を示したが、畝状凹凸立体模様を両面に有するダブルラッシェル編物を用いることも可能である。しかし、特に両面に畝状凹凸立体模様を設ける必要はなく、むしろ肌に接しない面は、比較的凹凸が少ない方が、見栄えもよく、コストも両面に畝状凹凸立体模様を設ける場合に比べて安くなるので、片面に畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物を用いることが好ましい。
【００３６】
用いるダブルラッシェル編物は、厚みが１〜１０ｍｍの範囲のものを用いる必要があり、厚みが１ｍｍよりも薄いものを用いた場合には、発汗時の肌へのはりつき感が生じ易くなり、吸水速度や吸水量が低下し、十分な清涼感を保つことができず、造形性も十分でなく、また、乳房カップに用いた場合に、乳頭の形状がそのまま反映して外側に現れわれやすくなるので好ましくない。また、厚みが１０ｍｍよりも厚いものを用いた場合には、着用感も低下し、この編物の使用部分のみかなり厚くなり、衣料として美しい形に仕上がりにくくなり、通気性も低下し好ましくない。なお、厚みは３〜７ｍｍの範囲がより好ましく、発汗時の肌へのはりつき感が一層生じにくくなり、吸水速度や吸水量がも十分で、良好な清涼感を保持し、造形性も十分であり、また、乳房カップに用いた場合に、乳頭の形状がそのまま反映して外側に現れわれることもなく、しかも着用感も良好であり、ごわごわしすぎることがなく衣料として美しい形に仕上げる事ができ、通気性も良好で好ましい。そしてブラジャーの乳房カップ部や土台布に用いる場合には、厚みとしては、特に３〜７ｍｍの範囲が好ましい。尚、ここで、ダブルラッシェル編物の厚みは、図４、図５の裏面３（畝の凸部の表面）と表面４との間の厚みを意味するものである。
【００３７】
また、用いるダブルラッシェル編物は、ＪＩＳ Ｌ−１０９６ Ｅ法（ハンドルオメータ法）による剛軟性が、好ましくは２〜８０ｇ、より好ましくは２〜５０ｇであることが好ましく、あまりにも剛軟性が小さすぎると、生地のはりがなくなり、発汗時の肌へのはりつきが生じ易くなる傾向にあり、また、造形性も低下する傾向にあり、あまりに剛軟性が大きすぎると、こわばった感じになり着用感が低下する傾向になる。従って、前述の範囲であれば、発汗時の肌へのはりつきが生じる事はなく、造形性も良好で、着用感も良好であり、好ましい。
【００３８】
また、用いるダブルラッシェル編物は、好ましくは目付けが１００〜８００ｇ／ｍ2、より好ましくは３００〜６００ｇ／ｍ2であることが好ましく、あまりにも目付けが小さすぎると、生地の厚みが低下し、生地のはり、厚み方向のクッション性が低下する傾向にあり、発汗時の肌へのはりつきが生じ易くなり、吸水速度や吸水量が低下して十分な清涼感を保ちにくくなる傾向になる。造形性も低下する傾向にあり、また、乳房カップに適用した場合に、乳頭の形状がそのまま反映して外側に現れわれやすくなる傾向にある。あまりに目付けが大きすぎると、こわばった感じになるか、あるいは分厚い感じになり着用した時の外観や着用感が低下する傾向になる。従って、前述の範囲であれば、発汗時の肌へのはりつきが生じる事はなく、良好な吸水速度、吸水量を保持し、十分な清涼感を発揮でき、造形性も良好で、乳房カップに適用した場合にも、乳頭の形状が反映して外側に現れわれる事を確実に防止でき、着用感も良好であり、着用時の外観の低下もなく好ましい。
【００３９】
また、用いるダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様の凹部表面からの凸部の高さが、１０〜３０００μｍ、より好ましくは５０〜１０００μｍであり、凸部の幅が０．５〜５ｍｍ、より好ましくは０．７〜３ｍｍ、凹部の幅が０．１〜５ｍｍ、より好ましくは０．１〜３ｍｍであることが好ましく、あまりに凸部の高さが低すぎると、凹凸立体模様を付与した効果が発現しにくくなる傾向になり、蒸れが生じ易くなる傾向になり、肌へのはりつき感も生じ易くなる傾向になる。凸部の幅が大きすぎ、凹部の幅が小さすぎる場合も同様な傾向になる。また、あまりに凸部の高さが高すぎると、着用感が低下する傾向になり、乳房カップに適用した場合など、柔らかい乳房の肉に凹凸立体模様が転写されやすくなり、その跡が残りやすくなる傾向になる。凸部の幅が小さすぎ、凹部の幅が大きすぎる場合も同様な傾向になると共に、凹部へも肌が接しやすくなり、凹凸立体模様を付与した効果が発現しにくくなる傾向になり、従って蒸れが生じ易くなる傾向になり、肌へのはりつき感も生じ易くなる傾向になる。従って、前述の範囲であれば、蒸れにくく、発汗時の肌へのはりつきもなく、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じる不快感が生ずるのを軽減でき清涼感を保ち、凹凸立体模様の肌への転写が生じる事もなく、着用感も良好であり好ましい。
【００４０】
また、用いるダブルラッシェル編物の肌に接する側の畝状凹凸立体模様の凸部表面の面積が、凸部表面と凹部表面の合計面積の２５〜８０％であることが好ましく、より好ましくは、４０〜６０％である。あまりに凸部表面の面積が大きすぎても、小さすぎても凹凸立体模様を付与した効果が発現しにくくなる傾向になり、蒸れが生じ易くなる傾向になり、肌へのはりつき感も生じ易くなる傾向になる。従って、上記の好ましい範囲とすることにより、発汗時にもサラサラした感触をより一層保ちやすく、蒸れがより生じにくく、肌へのはりつき感もより少なくなり、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じる不快感が生ずるのを軽減でき清涼感を保つことができ好ましい。
【００４１】
また、用いるダブルラッシェル編物の吸水性（ＪＩＳ Ｌ−１０９６ Ａ法（滴下法））は、好ましくは０〜８０秒、より好ましくは０〜６０秒のものが、汗を直ちに編物内部に吸い込み、サラサラ感、清涼感をを保つことから好ましい。
【００４２】
また、用いるダブルラッシェル編物の通気抵抗（カトーテック株式会社製「ＫＥＳ−Ｆ８−ＡＰ１ 通気性試験機」によるＫＥＳ法）が、好ましくは０．００１〜０．２Ｋｐａ・ｓｅｃ／ｃｍ2、より好ましくは０．００２〜０．１５Ｋｐａ・ｓｅｃ／ｃｍ2であることが、通気性が良好で、蒸れも少なく、編物内部に吸収した汗を気化させて除去する点でも好ましい。
【００４３】
本発明で用いるダブルラッシェル編物を構成する素材は、ポリウレタン繊維糸などの弾性繊維糸を含まないものであれば、特に限定するものではなく、ポリエステルフィラメント糸、ナイロンフィラメント糸など各種の合成繊維糸や、綿糸や絹糸などの天然繊維、或いはこれらの合成繊維と天然繊維の併用などが用い得るが、特にポリエステルフィラメント糸が、発汗時でもサラサラした肌触りを保ちやすく、適宜の剛軟性（はり）が出しやすく、厚み方向のクッション性も良好であり、特に好ましい。フィラメント糸を用いる場合には、マルチフィラメント糸ないしモノフィラメント糸のいずれも使用可能である。特に肌触りが良好な点から、マルチフィラメント糸が好ましく用いられる。しかし、モノフィラメント糸を用いた場合には、はりがが出しやすく（剛軟性が大きく）、通気性もマルチフィラメント糸使いのものに比べてより向上する利点がある。
【００４４】
次に、以上説明したような畝状凹凸立体模様を少なくとも片面に有するダブルラッシェル編物を用いた乳房カップ部及び／またはクロッチ部を有する肌に接して着用される衣料について、いくつかの具体例を挙げて説明する。この具体例は、本発明の理解を容易にするために挙げられたものであり、この具体例に示されたもののみに限定されるものではない。
【００４５】
図６は本発明の乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料である３／４カップのブラジャーの斜視図である。
【００４６】
図６において、１１が乳房カップ部であり、１１ａが上カップ部、１１ｂが下カップ部を示している。１２は土台布、１３はバック布、１４は肩紐を示している。本例においては、乳房カップ部１１の上カップ部１１ａ、下カップ部１１ｂが弾性繊維を含有しない畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物からなり、乳房カップ部１１の肌に接する側に畝状凹凸面が現れるように前記ダブルラッシェル編物が使用されている。ここで、乳房カップ部１１の表面に畝状凹凸立体模様の畝の向きを示す線１５を記載してあるが、この線１５は、図示の通りにブラジャーの表側から見えるわけではなく、本来は乳房カップ部１１の裏側に現れるものであるが、理解を容易にするために畝の向きを示す線１５を記載したものである。そして、この畝の向きを示す線１５は、畝の向きを示しているだけであって、前述したように巨視的な全体的な観点から見た畝の長手方向を示しているものであり、図１に示されたようなダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様がほぼストレ−トなストライプ状であることを意味しているものではない。したがって、ここでは図１〜図３などに示されたいずれの畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物を用いてもよいが、前述したような理由により、図２または図３に示したような畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物が好ましく、特に図２に示したようなジグザグ状の畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物が好ましく用いられる。なお、必要に応じて、乳房カップ部１１の表面側には、意匠上の美観の観点などから、外観の良好な適宜の布やレース地などから構成された表カップが更に取りつけられていてもよい。
【００４７】
かくして得られたブラジャーは、乳房カップ部において、発汗時のベタツキ感が低減され、サラッとした感触が保て、通気性、吸水性がよく、蒸れも改良され、また、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じ不快感が生ずるのを軽減でき、清涼感を保持できる。更に乳房の形を美しく保つに必要な造形性も発揮出来、しかも、乳房の表面に畝状凹凸立体模様の跡がつきにくいブラジャーが提供できる。また、ダブルラッシェル編物からなるので、不織布に比べて、耐洗濯性が良好で、洗濯によるへたりが少なく、長期間の造形性、剛軟性（はり）を維持することができ、耐久性に優れている乳房カップ部を有するブラジャーが提供できる。
【００４８】
次に図７に本発明の乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料である１／２カップのブラジャーの斜視図を示した。
【００４９】
図７において、１１は乳房カップ部であり、１１ａが上カップ部、１１ｂが下カップ部、１２は土台布、１３はバック布、１４は肩紐を示している。本例においては、乳房カップ部１１の上カップ部１１ａ、下カップ部１１ｂ、更には土台布１２が弾性繊維を含有しない畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物からなり、乳房カップ部１１並びに土台布１２の肌に接する側に畝状凹凸面が現れるように前記ダブルラッシェル編物が使用されている。ここで、乳房カップ部１１並びに土台布１２の表面に畝状凹凸立体模様の畝の向きを示す線１５を記載してあるが、これも、図示した通りにブラジャーの表側から見えるわけではなく、本来は乳房カップ部１１並びに土台布１２の裏側に現れるものであるが、理解を容易にするために畝の向きを示す線１５を記載したものである。そして、この畝の向きを示す線１５は、畝の向きを示しているだけであって、前述したと同様に巨視的な全体的な観点から見た畝の長手方向を示しているものであり、図１に示されたようなダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様がほぼストレ−トなストライプ状であることを意味しているものではない。したがって、ここでは図１〜図３などに示されたいずれの畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物を用いてもよいが、前述したような理由により、図２または図３に示したような畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物が好ましく、特に図２に示したようなジグザグ状の畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物が好ましく用いられる。なお、必要に応じて、乳房カップ部１１の表面側には、意匠上の美観の観点などから、外観の良好な適宜の布やレース地などから構成された表カップが更に取りつけられていてもよい。
【００５０】
かくして得られたブラジャーは、乳房カップ部並びに土台布において、発汗時のベタツキ感が低減され、サラッとした感触が保て、通気性、吸水性がよく、蒸れも改良され、また、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じ不快感が生ずるのを軽減でき、清涼感を保持できる。更に乳房の形並びに胸回りの贅肉などを補正造形し、形を美しく保つに必要な造形性、補正機能も発揮出来、しかも、乳房の表面や土台布があてがわれた胸回りに畝状凹凸立体模様の跡がつきにくいブラジャーが提供できる。また、ダブルラッシェル編物からなるので、不織布に比べて、耐洗濯性が良好で、洗濯によるへたりが少なく、長期間の造形性、剛軟性（はり）を維持することができ、耐久性に優れている乳房カップ部並びに土台布を有するブラジャーが提供できる。
【００５１】
次に図８に参考発明のクロッチ部を有する肌に接して着用される衣料であるショーツの斜視図を示した。
【００５２】
図８において、１８はショーツ本体であり、１９がクロッチ部である。そして、図９に図８に示したショーツのクロッチ部分近傍をショーツ内側から見た平面図を示した。
【００５３】
このショーツのクロッチ部１９が弾性繊維を含有しない畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物からなり、クロッチ部１９の肌に接する側に畝状凹凸面が現れるように前記ダブルラッシェル編物が使用されている。ここで、クロッチ部１９に畝状凹凸立体模様の畝の向きを示す線１５を記載してあるが、これも、理解を容易にするために畝の向きを示す線１５を記載したものである。そして、この畝の向きを示す線１５は、畝の向きを示しているだけであって、前述したと同様に巨視的な全体的な観点から見た畝の長手方向を示しているものであり、図１に示されたようなダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様がほぼストレ−トなストライプ状であることを意味しているものではない。したがって、ここでは図１〜図３などに示されたいずれの畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物を用いてもよい。そしてクロッチ部に用いる場合には、ダブルラッシェル編物の畝状凹凸立体模様が、陰部に転写されることはそれほど気にならない部分であるので、図１に示したような畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物も、好ましく用いることができる。しかし、クロッチ部が長めのもので、下腹部や臀部に畝状凹凸立体模様が転写されることを特に避けたい場合には、図２または図３に示したような畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物が好ましく、特に図２に示したようなジグザグ状の畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物が好ましく用いられる。
【００５４】
なお、必要に応じて、クロッチ部１９の表面側には、意匠上の美観の観点などから、外観の良好な適宜の布地などで構成された表カバーが更に取りつけられていてもよい。
【００５５】
かくして得られたショーツは、最もジメジメしやすいクロッチ部において、発汗時のベタツキ感が低減され、サラッとした感触が保て、通気性、吸水性がよく、蒸れも改良され、また、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じ不快感が生ずるのを軽減でき、清涼感を保ち、気持ちのよい着用感を有するショーツが提供できる。また、ダブルラッシェル編物からなるので、不織布と異なり、耐洗濯性が良好で、洗濯によるへたりが少なく、長期間の造形性、剛軟性（はり）を維持することができ、耐久性に優れているクロッチ部を有するショーツが提供できる。
【００５６】
尚、上述した衣料は、少数の具体例を示したが、これらにに限られる物ではなく、前述のような畝状凹凸立体模様を少なくとも片面に有するダブルラッシェル編物を乳房カップ部などに適用する場合には、ブラジャーのみならず、ボディスーツ、レオタードその他の各種の乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料に適用可能であり、また、クロッチ部に適用する場合には、ショーツのみならず、ガードル、ボディスーツ、レオタードその他の各種のクロッチ部を有する肌に接して着用される衣料に適用可能であることは、容易に理解されるところである。
【００５７】
ところで、前記所定部分に適用される弾性繊維を含有しない畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の性能についての具体的な試験結果を以下に説明するため、次の畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物を作成し、前記衣料に適用すると共に、その物性を測定した。
【００５８】
通常の市販のポリエステルマルチフィラメント（５０ｄ−２４ｆ）、ポリエステルマルチフィラメント（１００ｄ−１２ｆ）、ポリエステルマルチフィラメント（３０ｄ−６ｆ）、ポリエステルマルチフィラメント（７５ｄ−３６ｆ）並びにポリエステルマルチフィラメント（１５０ｄ−４８ｆ）を使用し、２２ゲージのダブルラッシェル編機で６枚筬（以下第１〜第６の筬と名づける）にて編み、生地の外側面（畝状凹凸面でない平坦面側）にあたる面を形成するための第１〜第２の筬の２枚の筬にはポリエステルフィラメント（５０ｄ−２４ｆ）を１本づつ２本通し、この２本で生地の外側面を形成し、第３の筬にポリエステルフィラメント糸（１００ｄ−１２ｆ）、第４の筬にポリエステルフィラメント糸（３０ｄ−６ｆ）を通し、この２本で充填糸を構成し、第５の筬にポリエステルフィラメント糸（７５ｄ−３６ｆ）、第６の筬にポリエステルフィラメント糸（１５０ｄ−４８ｆ）を通し、肌側に接する面の畝状凹凸面を形成させるべく、各筬にそれぞれのマルチフィラメント糸を配して図２（断面は図４、図５）に示されるような裏面にジグザグ状の畝状凹凸立体模様を有するダブルラッシェル編物を作成した。
【００５９】
このダブルラッシェル編物の厚みは３ｍｍ、ＪＩＳ Ｌ−１０９６ Ｅ法（ハンドルオメータ法）による剛軟性が１８ｇ、目付けは５０７ｇ／ｍ2、畝の存在する面の凹部表面からの凸部の高さが７４μｍ、凸部の幅が１ｍｍ、凹部の幅が１ｍｍ、畝状凹凸立体模様の凸部表面の面積が、凸部表面と凹部表面の合計面積の５１％であつた。
【００６０】
表１に乳房カップ用素材として用いられているポリエステル繊維８５重量％と綿１５重量％からなる不織布で、その片面にポリエステル繊維からなるトリコット編物が積層され、反対面に綿２５重量％とポリエステル繊維７５重量％の綿混ポリエステルトリコット編物が積層された目付け２９５ｇ／ｍ2の積層不織布（ＮＦと略称する）や、同じく乳房カップ用素材として用いられている両面にポリエステル繊維からなるトリコット編物が積層された目付け３６３ｇ／ｍ2のポリウレタンフォーム（ＰＵと略称する）と共に、上記で得られたダブルラッシェル編物（ＤＲと略称する）についての評価結果を参考として示す。
【００６１】
【表１】
素材 目付 厚さ 通気抵抗 吸水性（秒） 剛軟性
（ｇ／ｍ 2 ） （ｍｍ） （Ｋｐａ・ｓ／ｍ 2 ） （滴下法） （ｇ）
ＤＲ ５０７ ３．０ ０．０３ ５０．１ １８．０
ＰＵ ３６３ ３．０ ０．８５ ７．９ ２６．４
ＮＦ ２９５ ４．０ ０．０４ ８５．７ ２６．６
なお、洗濯繰り返しによる剛軟性の変化を上記のダブルラッシェル編物と、不織布とで測定したところ、ダブルラッシェル編物は、５０回洗濯後でも剛軟性はほぼ１８．０ｇであり、１００回洗濯後も１７．８ｇでありほとんど低下が見られないのに対し、不織布の場合は、５０回洗濯後に１．２ｇに低下してしまい、剛軟性の低下が極めて大きい。
【００６２】
なお、上記物性の測定法はそれぞれ次の方法によった。
（厚さ）
ＪＩＳ Ｌ−１０１８に従って測定した。：単位（ｍｍ）
（畝の凸部の高さ）、（畝の凸部の幅）及び（畝の凹部の幅）
カトーテック株式会社製 表面試験機“ＫＥＳ−ＦＢ４ 表面試験機”を用い、表面粗さ検出用接触子を取り付けて、試料の畝の長手方向に対しそれと直角方向に畝を横切るように表面粗さ検出用接触子を走査し、表面粗さを測定した。得られた表面特性のチャートのうち表面粗さのチャートからチャートに記録されたすべての畝の凸部の高さ、畝の凸部の幅、凹部の幅を読み取り、それぞれその平均値を持って、畝の凸部の高さ、畝の凸部の幅、凹部の幅とした。
（畝の凸部表面の面積）
試料のダブルラッシェル編物の肌に接する側に用いられる畝状凹凸模様が現れている面の画像をエプソン株式会社製 スキャナー“ＧＴ−６０００”を用いて読み込み白黒写真画像とし、その白黒を反転させた後、二値化処理し、画像の黒く表示された部分の面積を計算し、畝の凸部表面の面積とした。
（剛軟性）
ＪＩＳ Ｌ−１０９６ 剛軟性 Ｅ法（ハンドルオメータ法）：単位（ｇ）
（吸水性）
ＪＩＳ Ｌ−１０９６ 吸水性 Ａ法（滴下法）：単位（秒）
（通気抵抗）
カトーテック株式会社製「ＫＥＳ−Ｆ８−ＡＰ１ 通気性試験機」によるＫＥＳ法による。尚、ピストンからの通気量Ｖは４ｃｃ／ｃｍ2・ｓｅｃで測定。
【００６３】
単位はＫｐａ・ｓｅｃ／ｃｍ2、なお、表１ではｓｅｃをｓと表示している。
【００６４】
【発明の効果】
本発明の乳房カップ部及び／またはクロッチ部を有する肌に接して着用される衣料は、発汗時においても、乳房カップ部及び／またはクロッチ部におけるベタツキ感が低減され、サラッとした清涼感を保持し、通気性、吸水性がよく、蒸れも改良され、また、暑い環境から涼しい環境へ移動した場合でも、生地表面に付着した汗によって皮膚が冷やされ冷たく感じる不快感が生ずるのを軽減できる。また、耐洗濯性が良好で、繰り返し洗濯してもこれらの性質を長期間維持できる。しかも、乳房カップ部などに適用する場合に、必要な造形性も発揮し得る性能を有する直接肌に接して着用される衣料であって乳房カップ部及び／またはクロッチ部を有する衣料を提供することができる。従って、ブラジャー、ボディスーツ、レオタード、ショーツ、ガードルなどの乳房カップ部及び／またはクロッチ部を有し肌に接して着用される衣料に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 参考発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の一例の畝状凹凸立体模様を有する側から見た平面図。
【図２】 本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の別の一例の畝状凹凸立体模様を有する側から見た平面図。
【図３】 本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の更に別の一例の畝状凹凸立体模様を有する側から見た平面図。
【図４】 図２に示した本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の図２のＡ−Ａ´方向の断面模式図。
【図５】 図２に示した本発明で用いる畝状凹凸立体模様を片面に有するダブルラッシェル編物の図２のＢ−Ｂ´方向の断面模式図。
【図６】 本発明の乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料である３／４カップのブラジャーの斜視図。
【図７】 本発明の乳房カップ部を有する肌に接して着用される衣料である１／２カップのブラジャーの斜視図。
【図８】 参考発明のクロッチ部を有する肌に接して着用される衣料であるショーツの斜視図。
【図９】 図８に示したショーツのクロッチ部分近傍をショーツ内側から見た平面図。
【符号の説明】
１ 畝状の凸部
２ 畝状の凹部
３ ダブルラッシェル編物の裏面
４ ダブルラッシェル編物の表面
５ つなぎ糸（充填糸）
６ つなぎ糸（充填糸）
１１ 乳房カップ部
１１ａ 上カップ部
１１ｂ 下カップ部
１２ 土台布
１３ バック布
１４ 肩紐
１５ 畝状凹凸立体模様の畝の向きを示す線
１８ ショーツ本体
１９ クロッチ部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a garment that is worn in direct contact with the skin and has a breast cup part, a garment having a crotch part, or a garment having both.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, clothing that is worn in contact with the skin and has a breast cup portion such as a brassiere, body suit, leotard, etc., is widely used as a clothing with a breast cup that has a modeling function to shape the shape of the breast beautifully. It is popular. Moreover, it is the clothing worn in contact with skin, Comprising: Shorts, a girdle, a body suit, a leotard, etc. are prevailing widely as clothing which has a crotch part.
[0003]
By the way, as a constituent material of the breast cup of the clothing having the breast cup portion as described above, the most commonly used material from the past is a nonwoven fabric or a polyurethane foam. Normally, when these materials are used, if these materials come into direct contact with the skin, the non-woven fabric will tingle and feel unsatisfactory, and the polyurethane foam will also look bad and the skin will not touch the rubber directly. Since it feels touching and is not preferable in terms of touch, usually, at least on these skin sides, a normal plain fabric such as knitted fabric or woven fabric is adhesively laminated or stitched. Is actually done.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, assuming the situation when sweating, in the case of polyurethane foam, the breathability is considerably worse than the nonwoven fabric, it is easy to stuffy, and the skin is sticky to the plain fabric provided on the skin side Becomes sticky to the skin and causes discomfort. Even when the nonwoven fabric is used, the breathability of the nonwoven fabric itself is better than that of the polyurethane foam, but most of the fibers constituting the nonwoven fabric do not stand in the thickness direction. Most of the fibers are oriented along the direction perpendicular to the thickness direction, and therefore, the breathability is not good, and it is easy to stuffy, so that the nonwoven fabric does not come into direct contact with the skin. This is the same as the case of using polyurethane foam in that the plain fabric is sticky to the skin and causes stickiness to the skin, resulting in discomfort.
[0005]
In addition, as for the clothing having a crotch part, a cloth having a relatively good breathability is often used for the crotch part. There is a possibility that the pubic part may be seen through, and when using a knitted fabric or woven fabric with a dense structure to some extent so that the genital part cannot be seen through, or when using a coarse fabric with low woven density or knitting density In many cases, the outer side is covered with a denser knitted fabric or woven fabric to form a double structure. In any case, when sweating, as described above, stickiness due to sweat of plain fabric causes sticking to the skin. Cause discomfort.
[0006]
In a garment having a breast cup, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-127905 uses a soft synthetic resin foam such as a polyurethane foam or a cushioned sheet having a raised portion (protrusion or ridge-like raised portion) made of a nonwoven fabric. Breast cups have been proposed. These are related to a breast cup for easily following a curved surface and realizing a natural roundness and making the bust volume large and rich, and a garment equipped with the breast cup.
[0007]
However, since these materials are made of a soft synthetic resin foam such as polyurethane foam or a non-woven fabric, there still remains a problem that the air permeability is not good or not good as described above, and it is actually applied to clothing. In the case of application, if these materials are in direct contact with the skin, the nonwoven fabric will be tingled and unsatisfactory, and in the case of polyurethane foam, it will not look good and the skin will be in direct contact with the rubber. In general, it is not preferable in terms of touch, so usually, at least on the skin side, a normal plain fabric such as a knitted fabric or a fabric is bonded and laminated or stitched. Has been done. Therefore, as described above, when sweating, the plain fabric on the inside does not use a normal fabric, that is, a fabric with a large stiffness (with a beam or waist). Therefore, the skin becomes sticky to the inner fabric, and the skin becomes sticky, causing a feeling of sticking to the skin and causing discomfort.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-298854 discloses a swimsuit using a knitted swimsuit having irregularities on the back surface and a swimsuit using the same. This swimsuit has been shown to reduce the cooling sensation associated with the sticky feeling after rising from the water. In addition, it is disclosed that a circular knitted fabric, a tricot fabric, and a raschel fabric containing elastic fibers such as polyurethane fibers can be used as the fabric actually shown. Only the circular knitted fabric and the tricot fabric are disclosed in the examples, and the raschel fabric is not specifically disclosed. Therefore, since JP-A-10-298854 is a swimsuit, it must be in close contact with the body with a material that inevitably stretches. Therefore, in the above-described embodiments and the like, it actually contains elastic fibers such as polyurethane fibers. From this, it is clear that the raschel fabric is a normal single raschel knitted fabric. This is because a double raschel knitted fabric and a material that does not contain elastic fibers such as polyurethane fibers does not stretch and cannot be used for swimwear at all.
[0009]
By the way, in the case of ordinary single raschel ground, the thickness is not so thick, and therefore the stiffness is not so great, so it can not be said that sticking to the skin due to the stickiness of the fabric is difficult, and also constitutes a single raschel ground Most of the fiber yarns are substantially along the plane direction of the Raschel knitted fabric, that is, the fiber yarns oriented in the direction perpendicular to the thickness direction. In addition, since the thickness is not so thick, the single raschel knitted fabric has a low cushioning property and a small formability, so the shape of the nipple is reflected as it is when used for a breast cup. It is easy to appear on the outside, and the rigidity is slightly small and the cushioning property is also small, so the formability is also good Not a minute, there are problems such as can not be sufficiently exhibited modeling lead to adjust the shape of the breast. Moreover, in the above-mentioned JP-A-10-298854, a tricot knitted fabric considered to be a double tricot is used for the tricot, but the double tricot knitted fabric does not have a maximum thickness of 1 mm, and cannot be made thicker than this. Therefore, with a double tricot, there is no beam at such a thickness (because the bending resistance is small), and the formability becomes low. This is because a double tricot knitted fabric is usually used as a fabric for a lingerie such as a slip. Further, even if these knitted fabrics are applied to the crotch portion, there is a problem that the stickiness cannot be sufficiently eliminated when sweating or the like because of relatively small stiffness (small elasticity).
[0010]
In addition, as a fabric laminated on the skin side of a nonwoven fabric or a polyurethane foam used as a breast cup, I tried using a typical rib knitted fabric as a knitted knitted fabric. It has been found that the skin tends to stick to the skin when sweating, and discomfort cannot be prevented.
[0011]
The present invention solves these problems, and even when sweating, the feeling of stickiness in the breast cup part and / or crotch part is reduced, air permeability and water absorption are improved, and stuffiness is improved, from a hot environment to a cool environment. Even when it is moved, it can reduce the discomfort that the skin feels cold due to sweat adhering to the surface of the fabric, keeps it cool, has good washing resistance, and is applied to breast cups etc. An object of the present invention is to provide a garment that is worn in direct contact with the skin and has a performance capable of exhibiting necessary formability, and has a breast cup part and / or a crotch part.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a garment to be worn in contact with the skin having a breast cup part and / or a crotch part as shown below.
[0013]
(1) Breast cupPartBreast cup in clothing worn in contact with skinPartDouble raschel knitted fabric having a ridge-like uneven three-dimensional pattern having a thickness of 1 mm to 10 mm and containing no elastic fiber on at least one side so that a ridge-like uneven surface appears on the side in contact with the skinThe height of the convex part from the concave surface of the ridge-like irregular three-dimensional pattern on the side in contact with the skin of the double raschel knitted fabric is 50 to 1000 μm, the convex part width is 0.7 to 3 mm, A double raschel knitted fabric having a width of 0.1 to 3 mm, and the ridge-like uneven three-dimensional pattern on the side contacting the skin of the double raschel knitted fabric is a three-dimensional uneven pattern having a zigzag or wavy ridge patternClothing characterized by using.
[0014]
(2) Breast cupPartWearing in contact with skinClothingIt is a brassiere and has a hook-shaped uneven three-dimensional pattern that has a thickness of 1 mm to 10 mm and does not contain elastic fibers on at least one side so that a hook-shaped uneven surface appears on the side of the base cloth of the brassiere that is in contact with the skin. The clothing according to item (1), comprising a double raschel knitted fabric.
[0015]
(3)milkClothing with a tuft cupBut,The clothing according to (1) above, which is a clothing selected from a brassiere, a body suit, and a leotard.
[0017]
(4)The double raschel knitted fabric has a bending resistance of 2 to 80 g according to JIS L-1096 E method (handle ohmmeter method).(3)Clothing according to any of the paragraphs.
[0018]
(5)Double raschel knitted fabric with a basis weight of 100 to 800 g / m2(1) to(4)Clothing according to any of the paragraphs.
[0019]
(6)The double raschel knitted fabric is a double raschel knitted fabric made of polyester filament yarn (1) to(5)Clothing according to any of the paragraphs.
[0022]
(7)(1) to (1) in which the direction of the ridges of the ridge-like uneven three-dimensional pattern on the side in contact with the skin of the double raschel knitted fabric is the clothing longitudinal direction(6)Clothing according to any of the paragraphs.
[0024]
(8)The area of the convex surface of the hook-shaped uneven three-dimensional pattern on the side in contact with the skin of the double raschel knitted fabric is 25 to 80% of the total area of the convex surface and the concave surface (1) to (1) to(7)Clothing according to any of the paragraphs.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, specific embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings, but the present invention is not limited to these specific examples.
[0026]
FIG. 1 is a plan view of an example of a double raschel knitted fabric having a saddle-like uneven three-dimensional pattern used in the present invention from the side having a saddle-like uneven three-dimensional pattern, and FIG. FIG. 3 is a plan view of another example of a double raschel knitted fabric having a ridge-like uneven three-dimensional pattern, and FIG. 3 shows another example of a double raschel knitted fabric having a ridge-shaped uneven three-dimensional pattern used in the present invention on one side. It is the top view seen from the side which has a three-dimensional uneven | corrugated solid pattern. In any of the drawings, 1 indicates a bowl-shaped convex portion, and 2 indicates a concave portion. The rugged three-dimensional pattern of the double raschel knitted fabric shown in FIG. 1 is a substantially straight stripe shape, and the rugged three-dimensional pattern of the double raschel knitted fabric shown in FIG. 2 is a zigzag shaped pattern. The rugged three-dimensional pattern of the double raschel knitted fabric shown in FIG.
[0027]
In the figure, the ridge-like
[0028]
When used on a breast cup and applied to the breast, the zigzag or wavy corrugated concave-convex three-dimensional pattern as shown in FIG. 2 or FIG. Compared with the case where the heights of the convex portions are almost the same, soft meat of the breast is less likely to enter the concave portions, and it is preferable in that the traces of the three-dimensional pattern on the surface of the breast are difficult to leave when worn for a long time. In addition, regarding the bending resistance, the difference between the direction shown in FIG. 2 and FIG. 3 in the direction along the longitudinal direction of the convex portion and the direction perpendicular thereto is smaller than the type shown in FIG. This is also preferable.
[0029]
And, in order to reduce the feeling of stickiness, the double raschel knitted fabric having these three-dimensional uneven patterns can be attached so that the direction of the ridges on the side contacting the skin of the double raschel knitted fabric is the vertical direction of the clothing. preferable. In other words, if the breast cup is attached so that the direction of the heel is in the longitudinal direction of the clothing, the warm moist air passes between the wearer's skin and the breast cup part through the recess of the heel. This is because it is easy to escape upward, and therefore the air permeability is good, the stuffiness is reduced, and the feeling of freezing can be maintained.
[0030]
Here, the direction of the eyelid is the direction of the longitudinal direction of the eyelid, and in the case of FIG. 1, it is the vertical direction of the figure, and the uneven three-dimensional pattern of the eyelid is a zigzag or wavy pattern as shown in FIGS. Even so, it means the longitudinal direction of the cocoon as seen from a macroscopic viewpoint, and in this case, it is also the vertical direction of the figure.
[0031]
Here, the clothing longitudinal direction includes the case where the clothing is inclined in the range of the vertical direction (perpendicular direction) and the angle of ± 40 degrees from the longitudinal direction of the clothing. However, it is preferable that the angle is not so much from the direction along the normal direction of the clothes. In addition, when applied to the crotch part, the crotch part is located under the crotch. In this case, the clothing longitudinal direction is a direction along the longitudinal direction of the clothing, and the front center and the back center of the clothing are inseam. This also includes the case of tilting in the direction along the imaginary straight line connected by the angle and the angle range of ± 40 degrees from the direction of the imaginary line. However, it is preferable that the angle is not so much from the direction along the virtual line direction. Also in the crotch part, the direction of the heel as defined above is preferably in the longitudinal direction of the clothing because the warm moist air stretches in the front-rear direction of the body between the wearer's skin and the crotch part. This is because it is easy to escape through the recesses of the ridges, so that the air permeability is maintained, the stuffiness is reduced, and the smooth feeling can be maintained.
[0032]
4 and 5 are schematic cross-sectional views of an example of a double raschel knitted fabric having a saddle-like uneven three-dimensional pattern used in the present invention on one side, for example, in the AA ′ direction and the BB ′ direction in FIG. 2, respectively.
[0033]
As shown in these drawings, the double raschel knitted fabric having the hook-shaped uneven three-dimensional pattern is formed by knitting with the yarn constituting the back surface (in this case, the
[0034]
In addition, since it is thicker and more flexible than ordinary fabrics, it can be used for breast cups and other parts, and it can also be used to make the shape of the breast beautiful. Compared to the above, since the cushioning property is large and the modeling property is also large, the problem that the shape of the nipple is reflected as it is and easily appears outside when the single raschel knitted fabric is used is solved.
[0035]
The illustrated double raschel knitted fabric is a double raschel knitted fabric having a ridge-like uneven three-dimensional pattern on one side, but a double raschel knitted fabric having a ridge-shaped uneven three-dimensional pattern on both sides can also be used. However, it is not necessary to provide a wrinkle-like uneven three-dimensional pattern on both sides. Rather, the surface that does not touch the skin has better appearance, and the cost is lower than the case of providing a wrinkle-like uneven three-dimensional pattern on both sides. Therefore, it is preferable to use a double raschel knitted fabric having a hook-shaped uneven three-dimensional pattern on one side.
[0036]
The double raschel knitted fabric to be used must have a thickness in the range of 1 to 10 mm. When a knitted fabric having a thickness of less than 1 mm is used, the feeling of sticking to the skin during sweating is likely to occur, and the water absorption speed The amount of water absorption is reduced, and a sufficient refreshing feeling cannot be maintained, and the formability is not sufficient, and when used in a breast cup, the shape of the nipple is reflected as it is and appears outside. It is not preferable. In addition, when a material having a thickness of more than 10 mm is used, the feeling of wearing is also lowered, and only the used part of the knitted fabric is considerably thick. In addition, the thickness is more preferably in the range of 3 to 7 mm, the feeling of sticking to the skin during sweating is less likely to occur, the water absorption speed and the amount of water absorption are sufficient, a good refreshing feeling is maintained, and the moldability is also sufficient. In addition, when used in a breast cup, the shape of the nipple is reflected as it is and does not appear on the outside, and the wearing feeling is also good, and it can be finished in a beautiful shape as clothing without being too stiff The air permeability is good and preferable. And when using for the breast cup part and base fabric of a brassiere, as thickness, the range of 3-7 mm is especially preferable. Here, the thickness of the double raschel knitted fabric means the thickness between the back surface 3 (surface of the convex portion of the ridge) and the surface 4 in FIGS. 4 and 5.
[0037]
In addition, the double raschel knitted fabric used has a bending resistance of JIS L-1096 E method (handle ohmmeter method), preferably 2 to 80 g, more preferably 2 to 50 g, and the bending resistance is too small. When the fabric is not sticky, it tends to stick to the skin when sweating, and the formability also tends to decrease.If the stiffness is too high, it will feel stiff and worn. It tends to decrease. Therefore, if it is the above-mentioned range, the sticking to the skin at the time of perspiration does not arise, a modeling property is also favorable, and a feeling of wear is also favorable, and it is preferable.
[0038]
The double raschel knitted fabric used preferably has a basis weight of 100 to 800 g / m.2, More preferably 300 to 600 g / m2If the fabric weight is too small, the thickness of the fabric tends to decrease, the fabric stretch and the cushioning property in the thickness direction tend to decrease, and the skin tends to stick to the skin when sweating. It tends to be difficult to maintain a sufficient refreshing feeling due to a decrease in speed and water absorption. Formability also tends to be reduced, and when applied to a breast cup, the shape of the nipple is reflected as it is and tends to appear outside. If the basis weight is too large, the feeling will be stiff or thick, and the appearance and feeling when worn will tend to decrease. Therefore, if it is within the above range, there will be no sticking to the skin during sweating, it will maintain a good water absorption rate and water absorption, a sufficient refreshing feeling, good formability, and a breast cup. Even when it is applied, it is possible to surely prevent the appearance of the nipple from appearing on the outside, and the feeling of wearing is good, and the appearance is not deteriorated when worn.
[0039]
Moreover, the height of the convex part from the concave surface of the saddle-like irregular three-dimensional pattern on the side in contact with the skin of the double raschel knitted fabric used is 10 to 3000 μm, more preferably 50 to 1000 μm, and the convex part width is 0.5. -5 mm, more preferably 0.7-3 mm, the width of the recess is preferably 0.1-5 mm, more preferably 0.1-3 mm. If the height of the projection is too low, the three-dimensional pattern The effect of imparting a tendency to become difficult to develop, tends to cause stuffiness, and tends to cause a feeling of sticking to the skin. The same tendency occurs when the width of the convex portion is too large and the width of the concave portion is too small. Also, if the height of the convex part is too high, the feeling of wear tends to decrease, and when applied to a breast cup, the concave and convex three-dimensional pattern tends to be transferred to the soft breast meat, and the trace tends to remain. Become a trend. The same tendency occurs when the width of the convex part is too small and the width of the concave part is too large, the skin tends to come into contact with the concave part, and the effect of imparting the concave and convex three-dimensional pattern tends to be difficult to be manifested, and therefore stuffy Tends to occur, and a tendency to stick to the skin tends to occur. Therefore, if it is within the above-mentioned range, it is difficult to stuffy, does not stick to the skin when sweating, and even when moving from a hot environment to a cool environment, the skin is cooled by sweat adhering to the fabric surface, causing discomfort that feels cold Therefore, it is preferable to maintain a refreshing feeling, to prevent the uneven three-dimensional pattern from being transferred to the skin, and to have a good wearing feeling.
[0040]
Moreover, it is preferable that the area of the convex part surface of the hook-shaped uneven | corrugated solid pattern on the side which touches the skin of the double raschel knitted fabric used is 25 to 80% of the total area of the convex part surface and the concave part surface, more preferably 40 ~ 60%. Even if the surface area of the convex part is too large or too small, the effect of imparting the uneven three-dimensional pattern tends to be difficult to be manifested, tends to cause stuffiness, and tends to cause a feeling of sticking to the skin. Become a trend. Therefore, by setting the above preferable range, it is easier to maintain a smooth feel even when sweating, it is less likely to stuffy, and there is less stickiness to the skin, even when moving from a hot environment to a cool environment, It is preferable because the skin is cooled by the sweat adhering to the surface of the fabric and the discomfort that feels cold can be reduced and the refreshing feeling can be maintained.
[0041]
Further, the water absorption of the double raschel knitted fabric used (JIS L-1096 A method (drop method)) is preferably 0 to 80 seconds, more preferably 0 to 60 seconds. It is preferable because it keeps feeling and refreshing feeling.
[0042]
Further, the airflow resistance of the double raschel knitted fabric used (KES method by “KES-F8-AP1 air permeability tester” manufactured by Kato Tech Co., Ltd.) is preferably 0.001 to 0.2 Kpa · sec / cm.2, More preferably 0.002 to 0.15 Kpa · sec / cm2It is preferable that the air permeability is good, the stuffiness is small, and the sweat absorbed in the knitted fabric is vaporized and removed.
[0043]
The material constituting the double raschel knitted fabric used in the present invention is not particularly limited as long as it does not include elastic fiber yarns such as polyurethane fiber yarns, and various synthetic fiber yarns such as polyester filament yarns and nylon filament yarns, Natural fibers such as cotton yarn and silk yarn, or a combination of these synthetic fibers and natural fibers can be used. Polyester filament yarns, in particular, are easy to maintain a smooth feel even when sweating, and give appropriate stiffness (hardness). It is easy and the cushioning property in the thickness direction is also good, which is particularly preferable. When using a filament yarn, either a multifilament yarn or a monofilament yarn can be used. In particular, a multifilament yarn is preferably used from the viewpoint that the touch is good. However, when monofilament yarn is used, there is an advantage that it is easy to generate a beam (high rigidity and flexibility) and the air permeability is improved more than that using multifilament yarn.
[0044]
Next, some specific examples of clothing worn in contact with the skin having a breast cup portion and / or a crotch portion using a double raschel knitted fabric having at least one side of the ridge-like uneven three-dimensional pattern as described above I will give you a description. This specific example is given for facilitating the understanding of the present invention, and is not limited to the one shown in this specific example.
[0045]
FIG. 6 is a perspective view of a 3/4 cup brassiere, which is clothing worn in contact with the skin having the breast cup portion of the present invention.
[0046]
In FIG. 6, 11 is a breast cup part, 11a is an upper cup part, 11b has shown the lower cup part.
[0047]
The brassiere thus obtained reduces the sticky feeling when sweating in the breast cup part, maintains a smooth feel, improves air permeability and water absorption, improves sultry, and from a hot environment to a cool environment Even when it moves, it can reduce that the skin is cooled by the sweat adhering to the cloth surface and feels cold and uncomfortable, and the refreshing feeling can be maintained. Furthermore, it is possible to provide a brassiere that can exhibit the formability necessary to keep the shape of the breast beautiful, and that the surface of the breast is less likely to have a rugged three-dimensional pattern. In addition, because it is made of double raschel knitted fabric, it has better washing resistance, less hang-up due to washing, and can maintain long-term formability and stiffness (beam), and has excellent durability. A brassiere having a breast cup portion can be provided.
[0048]
Next, FIG. 7 shows a perspective view of a 1/2 cup brassiere, which is a clothing worn in contact with the skin having the breast cup portion of the present invention.
[0049]
In FIG. 7, 11 is a breast cup part, 11a is an upper cup part, 11b is a lower cup part, 12 is a base cloth, 13 is a back cloth, 14 is a shoulder strap. In this example, the
[0050]
The brassiere thus obtained has a reduced stickiness when sweating on the breast cup and the base fabric, maintains a smooth feel, has good breathability, good water absorption, improved sultry, and also from a hot environment. Even when moving to a cool environment, it is possible to reduce the feeling that the skin is cooled and feels uncomfortable by sweat attached to the surface of the fabric, and the refreshing feeling can be maintained. In addition, the shape of the breast and the breasts around the chest can be corrected and shaped, and the formability and correction functions necessary to keep the shape beautiful can be demonstrated. In addition, saddle-shaped irregularities around the breast surface and the base cloth are applied. We can provide a brassiere that is less likely to have a 3D pattern. In addition, because it is made of double raschel knitted fabric, it has better washing resistance, less hang-up due to washing, and can maintain long-term formability and stiffness (beam), and has excellent durability. A brassiere having a breast cup portion as well as a base fabric can be provided.
[0051]
Next, in FIG.referenceThe perspective view of the shorts which are the clothes worn in contact with the skin which has the crotch part of invention is shown.
[0052]
In FIG. 8, 18 is a shorts body, and 19 is a crotch part. FIG. 9 is a plan view in which the vicinity of the crotch portion of the shorts shown in FIG. 8 is viewed from the inside of the shorts.
[0053]
The
[0054]
If necessary, a front cover made of an appropriate fabric having a good appearance may be further attached to the surface of the
[0055]
The shorts obtained in this way have the most sticky crotch part with reduced stickiness when sweating, a smooth feel, good breathability, good water absorption, improved stuffiness, and a hot environment. Even when moved to a cool environment, it is possible to reduce the feeling that the skin is cooled and feel uncomfortable by sweat attached to the surface of the fabric, and it is possible to provide shorts that maintain a refreshing feeling and have a comfortable wearing feeling. In addition, because it is made of double raschel knitted fabric, unlike non-woven fabrics, it has good washing resistance, little sag due to washing, can maintain long-term formability and stiffness (beam), and has excellent durability Shorts having a crotch portion can be provided.
[0056]
In addition, although the above-mentioned garment showed few specific examples, it is not restricted to these, The double raschel knitted fabric which has the above-mentioned hook-shaped uneven | corrugated three-dimensional pattern at least on one side is applied to a breast cup part etc. It can be applied not only to bras, but also to bodysuits, leotards, and other clothing worn in contact with the skin that has various breast cups. First, it is easily understood that the present invention can be applied to clothing worn in contact with the skin having various crotch portions such as a girdle, a body suit, a leotard, and the like.
[0057]
By the way, in order to explain the specific test results on the performance of the double raschel knitted fabric having a ridge-like uneven three-dimensional pattern that does not contain elastic fibers applied to the predetermined portion on one side, the following ridge-like uneven three-dimensional pattern is used. A double raschel knitted fabric on one side was prepared and applied to the clothing, and its physical properties were measured.
[0058]
Use normal commercially available polyester multifilament (50d-24f), polyester multifilament (100d-12f), polyester multifilament (30d-6f), polyester multifilament (75d-36f) and polyester multifilament (150d-48f) And knitting with a 22 gauge double raschel knitting machine (hereinafter referred to as first to sixth ridges) to form a surface corresponding to the outer side surface (the flat surface side that is not the ridge-like uneven surface) of the fabric. Pass two polyester filaments (50d-24f) one by one through the two folds of the first and second folds, and these two form the outer surface of the fabric, and polyester filament yarn ( 100d-12f), and pass the polyester filament yarn (30d-6f) through the 4th thread. The filling yarn is composed of two pieces, the polyester filament yarn (75d-36f) is passed through the fifth heel, the polyester filament yarn (150d-48f) is passed through the sixth heel, and the ridge-like uneven surface on the surface in contact with the skin side is formed. In order to form, a double raschel knitted fabric having a zigzag ridge-like uneven three-dimensional pattern on the back surface as shown in FIG. 2 (sections are shown in FIGS. 4 and 5) by arranging each multifilament yarn on each ridge. .
[0059]
This double raschel knitted fabric has a thickness of 3 mm, a bending resistance of 18 g according to the JIS L-1096 E method (handle ohmmeter method), and a basis weight of 507 g / m.2The height of the convex portion from the concave surface of the surface on which the wrinkles are present is 74 μm, the width of the convex portion is 1 mm, the width of the concave portion is 1 mm, and the area of the convex surface of the three-dimensional pattern of the concave and convex is the convex surface and the concave portion It was 51% of the total surface area.
[0060]
Table 1 shows a non-woven fabric consisting of 85% polyester fiber and 15% cotton by weight, and a tricot knitted fabric made of polyester fiber is laminated on one side, and 25% cotton and polyester fiber on the other side. A fabric weight of 295 g / m with 75% by weight cotton-blended polyester tricot knitted fabric2Laminated fabric (abbreviated as NF) and tricot knitted fabric made of polyester fiber on both sides, which is also used as a breast cup material, has a basis weight of 363 g / m2The evaluation results for the double raschel knitted fabric (abbreviated as DR) obtained above are shown for reference together with the polyurethane foam (abbreviated as PU).
[0061]
[Table 1]
Material basis weight Thickness Ventilation resistance Water absorption (second) Stiffness
(G / m 2 (Mm) (Kpa · s / m 2 (Drip method) (g)
DR 507 3.0 0.03 50.1 18.0
PU 363 3.0 0.85 7.9 26.4
NF 295 4.0 0.04 85.7 26.6
In addition, when the change in the bending resistance due to repeated washing was measured for the above-mentioned double raschel knitted fabric and the nonwoven fabric, the double raschel knitted fabric had a bending resistance of approximately 18.0 g even after 50 washes, and 17 after 100 washes. In contrast, the nonwoven fabric is reduced to 1.2 g after washing 50 times, and the decrease in stiffness is extremely large.
[0062]
In addition, the measuring method of the said physical property was based on the following method, respectively.
(thickness)
It measured according to JIS L-1018. : Unit (mm)
(Height of the convex part of the heel), (width of the convex part of the heel) and (width of the concave part of the heel)
Using a surface tester “KES-FB4 surface tester” manufactured by Kato Tech Co., Ltd., attach a contact for detecting surface roughness, and surface roughness so as to cross the ridge in a direction perpendicular to the longitudinal direction of the ridge of the sample. The detection contact was scanned and the surface roughness was measured. Read the height of all the ridges, the width of the ridges and the width of the ridges recorded on the surface roughness chart from the surface roughness chart, and have the average value of each. The height of the ridges of the ridges, the width of the ridges of the ridges, and the width of the recesses.
(Area of convex surface of ridge)
The image of the surface on which the ridge-like unevenness pattern used on the side of the double raschel knitted fabric in contact with the skin appears was read using an Epson scanner “GT-6000” to obtain a black and white photographic image, and the black and white were reversed. After that, binarization processing was performed, and the area of the portion of the image displayed in black was calculated as the area of the surface of the convex portion of the eyelid.
(Flexibility)
JIS L-1096 Rigidity / softness E method (handle ohmmeter method): Unit (g)
(Water absorption)
JIS L-1096 Water Absorption Method A (Drip Method): Unit (seconds)
(Ventilation resistance)
According to the KES method using “KES-F8-AP1 Breathability Tester” manufactured by Kato Tech Co., Ltd. The air flow rate V from the piston is 4cc / cm.2・ Measured in sec.
[0063]
The unit is Kpa · sec / cm2In Table 1, sec is displayed as s.
[0064]
【The invention's effect】
The clothes worn in contact with the skin having the breast cup part and / or the crotch part of the present invention are less sticky in the breast cup part and / or the crotch part and maintain a refreshing refreshing feeling even during sweating. In addition, the breathability and water absorption are good, the stuffiness is improved, and even when moving from a hot environment to a cool environment, it is possible to reduce the discomfort that the skin is cooled by sweat attached to the fabric surface and feel cold. Moreover, the washing resistance is good, and these properties can be maintained for a long time even after repeated washing. In addition, when applied to a breast cup portion or the like, the present invention provides clothing that is worn in direct contact with the skin and has a performance capable of exhibiting the required formability, and has a breast cup portion and / or a crotch portion. Can do. Therefore, it can be suitably applied to clothing having a breast cup portion and / or crotch portion such as a bra, body suit, leotard, shorts, girdle and the like and worn in contact with the skin.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]referenceThe top view seen from the side which has the hook-shaped uneven | corrugated solid pattern of an example of the double raschel knitted fabric which has the hook-shaped uneven | corrugated solid pattern used by invention on one side.
FIG. 2 is a plan view of another example of a double raschel knitted fabric having a hook-shaped uneven three-dimensional pattern used in the present invention, as viewed from the side having the hook-shaped uneven three-dimensional pattern.
FIG. 3 is a plan view of a double raschel knitted fabric having a hook-shaped uneven three-dimensional pattern used in the present invention as viewed from the side having a hook-shaped uneven three-dimensional pattern as another example.
4 is a schematic cross-sectional view in the AA ′ direction of FIG. 2 of a double raschel knitted fabric having a hook-shaped uneven three-dimensional pattern used in the present invention shown in FIG. 2 on one side.
5 is a schematic cross-sectional view in the BB ′ direction of FIG. 2 of the double raschel knitted fabric having a hook-shaped uneven three-dimensional pattern used in the present invention shown in FIG. 2 on one side.
FIG. 6 is a perspective view of a 3/4 cup brassiere, which is clothing worn in contact with the skin having a breast cup portion of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view of a 1/2 cup brassiere, which is a garment worn in contact with the skin having a breast cup portion of the present invention.
[Fig. 8]referenceThe perspective view of the shorts which are the clothing worn in contact with the skin which has the crotch part of invention.
9 is a plan view of the vicinity of the crotch portion of the shorts shown in FIG. 8 as viewed from the inside of the shorts.
[Explanation of symbols]
1 bowl-shaped convex part
2 bowl-shaped recess
3 Back of double raschel knitted fabric
4 Surface of double raschel knitted fabric
5 splicing yarn (filling yarn)
6 Tying yarn (filling yarn)
11 Breast cup
11a Upper cup part
11b Lower cup part
12 Base cloth
13 Back cloth
14 Shoulder strap
15 A line indicating the direction of the ridge of the ridge-shaped uneven pattern
18 Shorts
19 Crotch part
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