JP4335012B2 - 短い干渉RNA(shortinterferingRNA)による転写後抑制 - Google Patents

短い干渉RNA(shortinterferingRNA)による転写後抑制 Download PDF

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Description

本発明は、合成RNA、より具体的には、組織因子(TF)の発現を調節できる短い干渉RNA(short interfering RNA:siRNA)、ならびに合成siRNAを含む医薬製剤およびその使用に関する。
望ましくない遺伝子発現を抑制するメカニズムは、正常な細胞機能にとって重要であり、RNA抑制は、種々の生物での独立した研究からこの10年の間に融合された新しい研究分野である。相同DNAおよび/またはRNA配列間の相互作用が、遺伝子を抑制し、DNAメチル化を誘導できることはかなり以前から知られていた(1)。1988年のC.エレガンスにおけるRNA干渉(RNAi)の発見により、遺伝子抑制の誘発物として二本鎖RNA(dsRNA)が注意を集め、今では、植物における多数の遺伝子抑制作用がdsRNAによって媒介されていることが知られている(1)。
RNAiは、通常、細胞質においてdsRNAが相同mRNAの分解の誘因となる、転写後遺伝子抑制(PTGS)現象として記載されている(1)。しかしながら、核dsRNAが、相同DNA配列の後成的修飾および転写レベルでの抑制を導く経路に入る可能性は軽視されるべきではない。また、RNA抑制の核での側面は、主に植物で研究されてきたが、類似のRNAを標的とするDNAまたはクロマチン修飾が、同様に他の生物で起こる可能性があることが示唆される。
動物におけるRNAiと植物におけるPTGSという関連現象は、高度に保存された同じメカニズムによって生じ、このことは、古い起源を示唆する(1)。基本的なプロセスは、相同メッセンジャーRNA(mRNA)の認識および標的とされる切断を導く、短い単位(短い干渉RNA(short interfering RNA);siRNAと呼ばれる)へと加工されるdsRNAと関係している。(プロセシング後に)RNAi/PTGSを誘発するdsRNAは、多くの様式で核または細胞質で生じ得る。
dsRNAの、次いでmRNAを分解するsiRNAへの加工は、2段階のRNA分解プロセスである。第1段階は、dsRNAを21〜25ヌクレオチド(nt)長のセンスおよびアンチセンスRNA、すなわち、siRNAへと加工するdsRNAエンドヌクレアーゼ(リボヌクレアーゼIII様;RNase III様)活性と関係している。ショウジョウバエでは、このRNase III型タンパク質はダイサー(Dicer)と呼ばれている。第2のステップでは、生じた複数のアンチセンスsiRNAが結合し、RNA誘導型抑制複合体(RISC)と呼ばれる種々のリボヌクレアーゼ複合体のガイドとして働き、これが相同一本鎖mRNAを切断する。RISCは、mRNAをアンチセンスsiRNAと対合した領域のほぼ中央で切断し、その後mRNAはさらに分解される。
種々の供給源由来のdsRNAが、RNAi/PTGSを導く加工経路に入ることができる。さらに、最近の研究はまた、dsRNA切断については1つ以上の経路があり、機能的に同等でないこともある別の種類のsiRNAを生じる場合があることも示唆する。
RNA抑制(細胞質および核において、遺伝子発現の種々のレベルで活性である)は、転位因子およびウイルス(その多くは複製の際にdsRNAを生じる)などの異種の配列の増殖に立ち向かうために進化したと思われる。しかしながら、RNAi/PTGSは、離れた部位で抑制を誘導する可動性のシグナルを生じるので、タンパク質合成および/または機能を停止させるために、哺乳類細胞における治療ツールとしてsiRNAを直接注入するという可能性が考慮されるべきである。
今までのところ、siRNA配列中の突然変異または化学的修飾の一般的な作用については、ほとんど知られていない。Boutlaら(14)は、ショウジョウバエで、mRNA標的配列に対して、中央に位置する単一のミスマッチを含む突然変異したsiRNAが実質的な活性を保持することを報告した。対照的に、Elbashirら(15)は、試験管内ショウジョウバエ胚溶解物検定法において、単一のミスマッチが活性に対して有害であることを見出した。本願では、本発明者らは、いくつかの因子、中でも、siRNA標的位置、siRNA濃度、mRNA濃度、mRNA生成およびsiRNA固有の切断活性、ミスマッチ突然変異によって徐々に減少し得る活性が最終結果に影響を及ぼす動的プロセスとして、生体内でのRNAiプロセスを描くことによって、これら2つの相反する結果を調整しようと試みた。
いくつかの他の結果も報告されている。例えば、Jacqueら(16)は、HIVのLTRをターゲッティングするsiRNAにおける単一のミスマッチにより、活性の一部だけが失われたが、HIVのVIFをターゲティングする別のsiRNAは活性をほとんど全く失わなかったことを見出している。しかしながら、4種の突然変異により活性が完全に消失した。活性が完全に消失する他の例は、それぞれ5、6および7種の突然変異を用いて、Gitlinら(17)、Klahreら(18)およびGarrusら(19)によっても見られている。Boutlaおよび本発明者ら自身のグループ(14、15)によって用いられた中枢の二重突然変異は、活性の大きな喪失をもたらしたが、これはYuら(20)およびWildaら(21)(後者は17塩基対しかないsiRNAを用いた)についても同様であった。本発明者らの極めて活性な末端メチル化siRNAを考慮して興味深いことは、2’−OHが完全にメチル化されたsiRNAが不活性であるというTuschlの報告である。
さらに、単一の突然変異による活性の消失について2つの公開された報告が存在する。しかしながら、そのうちの一方、Brummelkampら(22)による研究は、Dicerの作用によってsiRNAが生じると仮定される短いヘアピン型RNA(short hairpin RNA)(shRNA)を用いるものである(23)。このshRNA構築物は、shRNAの推定上2番目のヌクレオチドの単一の突然変異によってか、または推定上9番目のヌクレオチドの単一のミスマッチによってのいずれかで不活性化された。他方、Gitlinら(17)は、ゲノムRNAの標的部位に単一の突然変異を含むsiRNA耐性ポリオウイルス株を単離することによって、双方ともセンス鎖の5’末端から数えてsiRNAの6番目のヌクレオチドまたは9番目のヌクレオチドのいずれかにおける、より強力な単一突然変異不活性化の事例を論じた。すべてを考慮すると、異なるsiRNAは、異なる程度に不活性化されると思われる。
従来、核酸の化学的修飾は、特に、一本鎖核酸配列をヌクレアーゼ分解から保護し、そのようにして半減期のより長い配列を得るために用いられてきた。例えば、WO91/15499には、アンチセンスプローブとして有用な2’O−アルキルオリゴヌクレオチドが開示されている。また、2−O−メチル化は、ハンマーヘッド型リボザイムを安定化させるために用いられてきた(4)。しかしながら、siRNAの化学的修飾の作用についてはほとんど知られていない。さらに、5’末端ヌクレオチドの2’ヒドロキシルにおける大きな置換基の存在は、siRNAの活性に必要であるとわかっているsiRNAの適切なリン酸化を妨害する可能性がある(24)。
したがって、個体群中の種々のsiRNAの固有の異なる活性は、異なるsiRNAが、異なる方法での化学的または突然変異によるsiRNA修飾によって影響を受けることを意味する。
組織因子(TF)は、血液凝固の最も強力な誘因であり(2)、アテローム硬化性プラークの破裂の際に動脈血栓症を引き起こすきっかけとなる。また、癌細胞における高含量のTFは、癌性血管形成および転移傾向と相関しているという十分な証拠もある。さらに、TFは敗血性播種性血管内血液凝固症候群(例えば、髄膜炎菌性敗血症)の場合には中心的な病原として重要なものである。したがって、TFを調節または抑制する方法には大きな価値がある。
特許出願WO01/75164(A2)には、dsRNAが21〜23ヌクレオチド(nt)長のRNAセグメントにプロセシングされることを証明するために用いられているショウジョウバエの試験管内検査システムが開示されており、これでは、これらの21〜23nt断片は、RNA分解の特異的媒介物質である。Caplenら(28)はCAT遺伝子およびC.エレガンスのunc−22遺伝子に対して向けられる合成siRNAが、それぞれ脊椎動物および無脊椎動物系で発現を減少させたことを報告している。しかしながら、WO01/75164もCaplenら(28)も、哺乳類においてTFの発現を直接調節できるsiRNAに関しては何ら開示していない。JanowskyおよびSchwenzer(26)は、特に、ハンマーヘッド型リボザイム構築物とhTFに対して向けられたオリゴヌクレオチド促進物(facilitator)とを用いて実例をあげて、オリゴヌクレオチド促進物によるハンマーヘッド型リボザイムの活性化を報告している。しかしながら、JanowskyおよびSchwenzer(26)によって用いられたような、ハンマーヘッド型リボザイムおよびオリゴヌクレオチド促進物を用いて遺伝子発現を阻害するメカニズムは、siRNAがTFコード遺伝子などのいずれかの遺伝子の発現を阻害するメカニズムとは明らかに異なる。
抗体に関する以前の研究は別として、臨床上有用なTFの直接の阻害因子は得られておらず、遺伝子発現レベルでうまく調節することもできていない。植物におけるトランス遺伝子の抑制に関する研究は、遺伝子発現を抑制するためのかなり一般的な機会をもたらし、dsRNAは、例えば、植物、C.エレガンス(elegans)およびショウジョウバエでは、遺伝子抑制のための日常的に用いられるツールとしてすでに確立されている(3)。しかしながら、dsRNAは、作用が特定されていないために哺乳類細胞では使用できない。さらに、すべての遺伝子発現が、例えば、オリゴヌクレオチド(合成鎖)、リボザイムまたはsiRNA分子の使用によって、ほぼ抑制され得るとしても、特定の遺伝子の抑制においてsiRNAとして活性であるsiRNAを合成するために用いられるべきであるmRNA配列の、どの部分がここでひどく位置依存的であるのかを正確に見出すことは極めて困難である。この特徴は、同一遺伝子の異なる配列に対して向けられたsiRNA配列が、異常な特徴は示さずに、全く異なる効率を示したという結果であったHarborthら(31)によって報告された結果によってさらに支持される。さらに、mRNA標的上の部位は、リボザイムにとって接近しやすさも異なり得る(4)ので、ほとんどまたはまったく毒性のない、TFに対して実際に有効なリボザイム同定しようとする試みは、まだ成功していない。したがって、哺乳類においてRNAiを利用しようとする本試みが、遺伝子治療における新規発展をもたらし得ること(5)、およびsiRNAが哺乳類TFの特異的抑制におけるツールを提供し得ることが望まれる。
したがって、本発明の目的は、RISCとともに、哺乳類においてTFの発現を直接調節できるsiRNAを提供することである。これらの目的は、開示される特許請求の範囲を特徴とする本発明によって達成された。一般に、本発明は、二本鎖または一本鎖であり、少なくとも21〜25ヌクレオチドを含み、TFの遺伝子発現を調節できる、siRNA分子に関する。
siRNAとは、配列特異的RNA分解の誘発において重要な中間体として機能するとわかっている約21〜25ヌクレオチドのdsRNAである。本発明者らは、siRNAおよび凝固誘発因子TFを用いた研究で、siRNAがRNase III様RNAi阻害因子Dicerを回避し、エフェクターヌクレアーゼRISCを直接チャージでき、その結果TF mRNAが分解されることを示している。本発明によれば、同一の標的に対する異なるsiRNAは効率が異なることが示されており、したがって、siRNAをTF mRNAの種々の部分に対して合成し、その後、これはRISCと結合し、次いで、TF mRNAの特異的分解/抑制が導かれる。
また、本発明のsiRNAは、本発明のsiRNA分子の野生型配列と比べて1つまたは2つの塩基対合突然変異を含み得る、すわなち、修飾された配列は、本発明の野生型siRNA分子と約90%相同である。
本発明はまた、本発明の野生型siRNAと比べて化学的に修飾された、すなわち、2’−OH位への低級アルキル、例えば、メチルの導入による、または配列へのホスホロチオエート架橋の導入により修飾されたsiRNA分子を開示する。
本発明は、siRNA抑制は比較的安定であるが、経時的に低下すること、および単一のsiRNAトランスフェクション後5日(120時間)の期間にわたって、TF凝固活性は5〜10倍低下するが、残存し得ることをさらに開示する。したがって、本発明はまた、本発明のsiRNAを含む医薬製剤、ならびに医薬製剤の使用に関する。本発明者らの知見によれば、本発明は、哺乳類細胞における複雑な生理学的系の根底にある遺伝子発現のsiRNA抑制をはじめて開示する。観察された位置的作用は、効率的なsiRNAの探索をより骨の折れるものにするが、同定されれば、効率的なsiRNAは、これからのインビボ検査にとってさらに大きな展望を示す。
より具体的には、本発明は、少なくとも19のヌクレオチドを含む二本鎖または一本鎖siRNAであることを特徴とし、組織因子(TF)コード核酸配列またはその断片に向けられ、以下からなる群から選択される短い干渉RNA分子(short interfering RNA)(siRNA)を開示する:
(a)配列番号1〜配列番号8に示される核酸配列を有するsiRNA分子、
(b)(a)のsiRNA分子と約90%相同である配列を有するsiRNA分子、
(c)配列番号1〜配列番号8の5’または3’末端方向のいずれかに7ヌクレオチドまで移動している標的部位を有する配列を含むsiRNA分子、
(d)(c)のsiRNA分子と約90%相同である配列を有するsiRNA分子、および
(e)配列中の1個以上の2’−OHヒドロキシル基へのC〜C−アルキル、C〜C−アルケニルまたはC〜C−アルキリル基の導入によって、および/またはリン酸ジエステル結合をホスホロチオ酸結合で置換することによって修飾されている、(a)〜(d)の核酸配列を有するsiRNA。
一態様によれば、本発明のsiRNAは二本鎖であることが好ましい。もう1つの態様によれば、本発明のsiRNAは21〜25ヌクレオチド長、より好ましくは21ヌクレオチド長であり、さらにより好ましくは、配列番号1〜配列番号8で特定される。
本発明のさらにもう1つの態様によれば、siRNAは、脊椎動物起源、好ましくは哺乳類起源、より好ましくはヒト起源であるTFまたはその断片を対象とする。
さらに、本発明のsiRNAはmRNAの切断を誘導することが好ましく、この事象は配列番号1または配列番号2によって特定されることがより好ましい。
さらに、もう1つの態様によれば、本発明のsiRNA分子は、配列番号1〜配列番号8に示されるsiRNA分子と約90%相同である配列を含むこと、またはsiRNAが1個以上の2’−OHヒドロキシル基にC〜C−アルキル、C〜C−アルケニルもしくはC〜C−アルキリル基が導入されている配列番号1配列〜配列番号8に示される配列を含むことが好ましい。好ましくは、siRNA分子は、配列番号9〜配列番号11に示される配列を有する。
さらに、もう1つの態様によれば、本発明のsiRNA分子が、リン酸ジエステル結合がチオホスホジエステル結合で置換されている配列番号1〜配列番号8に示される配列を含むことが好ましい。修飾された配列が、配列番号24、28または29の配列であることが好ましく、より好ましくは配列番号29である。
さらにもう1つの態様によれば、本発明はまた、望ましくない血液凝固を治療、予防または阻害する方法に関し、これでは、本発明の1種以上のsiRNAを含む医薬製剤を、そのような治療が必要な動物またはヒトに投与する。本発明の製剤は、配列番号1〜8のうちの1種以上を含むことが好ましく、配列番号1および/または配列番号2を含むことがより好ましい。
さらにもう1つの態様では、本発明は、本発明の1種以上のsiRNAを含む医薬製剤に関する。本製剤は、配列番号1または2に示されるsiRNAを含むことが好ましい。本発明の製剤が、配列番号9、10、11、24、28または29に示される配列のうち1種以上を含むことも好ましく、配列番号29を含むことががより好ましい。本発明の製剤はさらに、例えば、希釈剤、潤滑剤、結合剤、担体、分解手段、吸着手段、着色剤、甘味料および/または香味剤を含む。本製剤が、アジュバントおよび/または他の治療用成分を含むことも好都合である。
さらに、さらにもう1つの態様では、本製剤は、例えば、非経口的に(例えば、皮下、静脈内、筋内または腹腔内注射または注入による)、経口で、経鼻で、頬側に、直腸に、膣に、および/または吸入もしくはガス注入によって投与できる。本製剤は、従来の非毒性の製薬上許容される担体、アジュバントおよび/または賦形剤を含む投与製剤で、例えば、注入溶液または懸濁液、エアロゾル、カプセル剤、錠剤、丸剤、スプレー、座剤などとして製剤することがより好ましい。本発明の製剤は、一用量で、分割用量で、または徐放性装置によって、好ましくは、単独でまたは他の医薬とともに投与できることが好ましい。
さらに、本発明はまた、脊椎動物、好ましくは、哺乳類、より好ましくはヒトにおける、望ましくない血液凝固の治療、予防および/または阻害に適した医薬製剤を調製するための、1種以上の本発明のsiRNAの使用に関する。本発明の使用にしたがって調製した製剤は、例えば、非経口で(例えば、皮下、静脈内、筋内または腹腔内注射または注入による)、経口で、経鼻で、頬側に、直腸に、膣に、および/または吸入もしくはガス注入によって)投与できることが好ましい。
最後に、本発明はまた、本発明の医薬製剤の使用方法を開示し、これでは、望ましくない血液凝固の治療、予防および/または阻害に適した前記医薬製剤を、そのような処置が必要な動物またはヒトに投与する。本発明の方法にしたがう投与経路としては、例えば、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋内または腹腔内注射または注入による)、経口、経鼻、頬側に、直腸に、膣に、および/または吸入もしくはガス注入による経路がある。
本発明を以下、図および実施例を参照してより詳細に記載する。
ヒトTF(hTF)の抑制を得るためのsiRNAを提供するために、21ヌクレオチドのRNAを、Phosphoramidites(PharmaciaおよびABI)を用いて化学合成した。脱保護し、脱シリル化した合成オリゴリボヌクレオチドを、逆相HPLCで精製した。リボヌクレオチドを、500μlの10mM Tris−HCl pH7.5に溶かした10μMで、煮沸し、水槽で徐々に冷却することによってアニーリングさせた。アニーリングの成功は、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって確認した。各々、ヒトTF(受託番号M16553)mRNA内の部位をターゲッティングするsiRNA種を、2つのヌクレオチドデオキシチミジン3’オーバーハングを持たせて設計し、前記のGenbankエントリーの番号付けを用い、センス鎖の最初のヌクレオチドの位置にしたがって名づけた(図1a)。本発明にしたがって、hTF mRNAに対する13種のsiRNA(6)を合成した(図1a)。これらのうち8種(最初の8種)のsiRNAを、それぞれ、配列番号1〜配列番号8と命名し、hTF遺伝子上で選択された部位のいくつかは、本発明者らの先に記載したリボザイム検定法(4)で、2つの最も接近しやすいもの(配列番号1および2)および2つの最も接近しにくいもの(配列番号3および4)であった。本発明は、配列番号1〜配列番号8の合成siRNAに関する。
突然変異が全siRNA内で等しく許容されたかどうかを調べるために、本発明のsiRNAを、より体系的に位置づけた。siRNAの二本鎖安定性に影響を及ぼすことを避けるために、以下の実施例5で記載するように、GC対のみを、対の逆位による突然変異の標的とした。
さらに、ヒト細胞におけるsiRNAの作用は一過性であり、通常、細胞培養物中では2、3日で消滅する(NO 2002 0612,29,30)。有効な抑制期間を延長する能力は、siRNAの治療薬としての最終的な使用にとっては極めて重要であろう。したがって、本発明者らは、種々の化学修飾を、量を徐々に増加して、siRNAの両端に導入することによって、活性を損なうことなくsiRNAの細胞内安定性を高めることを目指した。本発明者らはこれまでに、ハンマーヘッド型リボザイムを安定化させるために、リン酸塩架橋ならびにメチル化およびアリル化の形の2’−O−修飾を使用しており(4)、siRNAの安定化に対する同様の戦略の可能性を調べることとした。
二重ルシフェラーゼ系(Promega)に用いるためのヒトTFのレポーター構築物を、ホタルルシフェラーゼ(LUC)遺伝子とフレーム単位でクローニングされたTFのコード領域を用いて設計し、融合構築物TF−LUC(受託番号AF416989)を得た。融合構築物の番号付けは、TFのgenbankエントリーのものおよびLUCのpGL3エンハンサープラスミド(Promega)を指す。ウミシイタケルシフェラーゼ(Rluc;示していない)をコードする、プラスミドpcDNA3−Rluc(受託番号AF416990)を内部対照として用いた。構築物内に含まれるTFおよびLUC cDNAの領域を図1bに示す。二重ルシフェラーゼ系は、レポーター系であり、これを用いてsiRNAによって分解されるTF mRNAがどの程度であるかを検出する。
HeLa、Cos−1および293細胞は、10%ウシ胎児血清(Gibco BRL)を添加した、ダルベッコの最小必須培地(DMEM)で維持した。ヒトケラチノサイト細胞株HaCaTは、2.5ng/mlの上皮細胞成長因子および25μg/mlのウシ下垂体抽出物を添加した、血清を含まないケラチノサイト培地で培養した。すべての細胞株は、サブコンフルエンスで定期的に継代した。実験の前日に、DMEM中で培養した細胞をトリプシン処理し、完全培地に再懸濁し、その後、プレーティングした。HaCaT細胞は、剥離するまでトリプシン処理した。次いで、トリプシン阻害剤を加え、細胞を400xgで5分間遠心分離し、その後、添加した培地に再懸濁し、プレーティングした。1または2日後に細胞をトランスフェクトした。
リポフェクタミン媒介性一過性同時トランスフェクションを、12ウェルプレートで、基本的に(4)に記載したとおりに、0.40μg/mlのプラスミド(0.38μg/mlのレポーターおよび20ng/mlの対照)および通常は30nMのsiRNA(0.43μg/ml)を用いて3連で実施した。ルシフェラーゼ活性レベルは、トランスフェクションの24時間後に25μlの細胞溶解物で二重ルシフェラーゼ検出法(Promega)を用いて測定した。まず、100nM siRNAを用いてトランスフェクトし、続いて、回収時点の前に、レポーターおよび内部対照プラスミドを用いてトランスフェクトすることによって、連続トランスフェクションを実施した。
ノーザン解析用に、6ウェルプレートに入れたHaCaT細胞を、血清を含まない培地で、100nM siRNAを用いてトランスフェクトした。リポフェクタミン2000(商標)を、より高いトランスフェクション効率のために用いた。ポリ(A)mRNAを、ダイナビーズ(Dyna−beads)オリゴ(dT)25(Dynal)を用いてトランスフェクションの24時間後に単離した。単離したmRNAを1.3%アガロース/ホルムアルデヒド(0.8M)ゲルで16〜18時間断片化し、ナイロン膜(Magna−Charge、Micron Separations Inc.)上にブロットした。膜を、ランダムプライムされたTF(cDNA中の位置61〜1217)およびGAPDH(1.2kb)cDNAプローブを用い、PerfectHybハイブリダイゼーションバッファー(Sigma)中で、製造業者によって推奨されるとおりにハイブリダイズさせた。
TF活性測定用には、HaCaT細胞単層を、氷冷バルビタール緩衝生理食塩水(BBS)pH7.4(BBS、3mM バルビタールナトリウム、140mM NaCl)で3回洗浄し、BBSにすくい入れた。活性は、回収し、均一化した直後、2個体のドナー由来の混合した、正常なクエン酸血小板の乏しい血漿および10mM CaClを用いて1段階の凝固検出法で測定した。活性を標準物質に関連付けた(6、7)。1ユニット(U)TFは、TF ELISAで測定される1.5ngのTFに相当する(6、7)。活性は、BioRad DC検出法によって測定される、細胞ホモジネート中のタンパク質含量に基準化された。
TF抗原を、Imubind Tisse Factor ELISAキット(American Diagnostica, Grrenwich, CT, USA)を用いて定量化した。このELISAは、TFアポタンパク質、TFおよびTF:凝固因子VII(FVII)複合体を認識する。サンプルを37℃で解凍させ、均一化した。各ホモジネートのアリコート(100μl)を、1% BSAおよび0.1% Triton X−100を含有するリン酸緩衝生理食塩水で希釈した。次いで、このサンプルをELISAウェルに加え、製造業者による手順を続けた。抗原レベルを、細胞ホモジネート中の全タンパク質含量に対して基準化した。
種々の突然変異siRNAのすべてを、本発明の野生型siRNA配列について先に記載したとおりに、リポフェクタミン2000媒介性トランスフェクションの24時間後に、HaCaT細胞における内因性TF mRNAの減少について解析した。
本発明のsiRNAは、哺乳類TFを抑制し、それによって望ましくない血液凝固を防ぐために使用できる。したがって、本発明はまた、医薬製剤の技術分野で十分に公知の技術に一致して、望ましくない血液凝固の治療、予防および/または阻害に適した医薬製剤を調製するための本発明のsiRNAの使用に関する。したがって、本発明の製剤は、1種以上の本発明のsiRNA、当技術分野ではすべて公知の、希釈剤、潤滑剤、結合剤、担体分解および/または吸着手段、着色剤、甘味料興味剤などを含むことができる。さらに、本製剤はまた、アジュバントおよび/または他の治療用成分を含むことができ、単独でまたは他の医薬とともに投与することができる。
本発明の医薬製剤は、例えば、非経口的に(例えば、滅菌溶液または懸濁液の、皮下、静脈内、筋内または腹腔内注射または注入によって)、経口的に(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、懸濁液または溶液の形で)、経鼻で(例えば、溶液/スプレーの形で)、頬側で、直腸に(例えば、座剤の形で)、膣に(例えば、座剤の形で)、吸入もしくはガス注入によって(例えば、エアロゾルまたは溶液/スプレーの形で)、埋込式リザーバーによって、またはいずれかの他の適した投与経路によって、従来の非毒性の製薬上許容される担体、アジュバントおよび/または賦形剤を含有する投与製剤で投与できる。本医薬製剤はさらに、一用量で、分割用量でまたは徐放性装置を介して投与できる。
本発明を、実施例として以下に記載する。実施例は、本発明の好ましい実施形態を表すが、それらは本発明の範囲を制限するものと考えられるべきではない。
ヒトTFの抑制をもたらすsiRNAを得るために、配列番号1〜配列番号8の21ヌクレオチドのRNAを、phosphoramidites(PharmaciaおよびABI)を用いて化学合成した。脱保護し、脱シリル化した合成オリゴヌクレオチドを、逆相HPLCで精製した。リボヌクレオチドを、500μlの10mM Tris−HCl pH7.5に溶かした10μMで、煮沸し、水浴中で徐々に冷却することによってアニーリングさせた。アニーリングの成功は、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって確認した。各々、ヒトTF(受託番号M16553)mRNA内の部位をターゲティングするsiRNA種を、2つのヌクレオチドデオキシチミジン3’オーバーハング持たせて設計し、前記のGenbankエントリーの番号付けを用い、センス鎖の最初のヌクレオチドの位置にしたがって名づけた(図1a)。
要するに、哺乳類細胞において、標的TF mRNA配列の特定の部分配列に対して相補的であるよう合成された二本鎖siRNAは、この特異的mRNAの分解を誘導することが証明される(実施例1参照)。この作用は、TF mRNAの2、3部位のみが、対応するsiRNAに高度に感受性であったように、下等生物におけるデータに反して、高度に配列依存的であった。実施例2からわかるように、TF mRNAの減少は、TFタンパク質および凝固活性の著しい減少をもたらし、これは本発明者らの知見によれば、毒性の副作用を伴わない、TFに対する再現性のあるそのような作用の初めての証明である。今日、RNAタンパク質複合体の推定3次元構造に関して入手可能な現行情報に基づいて、感受性のある標的配列を選択することは可能ではない。しかしながら、本発明によれば、TF mRNAに対して良好な感受性のある2つの位置が提供される。
また、本発明者らの最良のsiRNA候補hTF167iの広範な突然変異および化学修飾が十分に許容されることも証明される。化学修飾は、5’末端へのアリル修飾によっては幾分かの活性の喪失、およびより長いチオホスフェートによってはいくらかの予想された毒性を示したが、2’−OH−メチル化末端を有するsiRNAは、強力な活性と経時変化実験における寿命の延長の双方ともを示した。
hTF−LUCおよびhTF siRNAを用いて一過性に同時トランスフェクトした細胞におけるhTF siRNA効力の解析(すなわち、同時トランスフェクション検出法におけるsiRNA(s)によるRNAiの解析)
TF siRNA効力の最初の解析は、hTF−LUC(図1b)およびhTF siRNA(図1a)を用いて一過性に同時トランスフェクトしたHeLa細胞で、二重ルシフェラーゼ系(Promega)を使用して実施した。LUC対Rluc発現の比を、代表的な無関係なsiRNAであるプロテインセリンキナーゼ314i(PSK314i)を用いてトランスフェクトした細胞におけるレベルに対して基準化した。
siRNAは、最良の候補、hTF167iおよびhTF372iを用いた同時トランスフェクション検出法において、強力で、特異的な作用を有しており、HeLa細胞では10〜15%のルシフェラーゼ活性しか残らなかった(図1c)。さらにまた、hTF562iが中程度の作用しか示さず、hTF478iが極めて低い活性を有していたように、位置的な作用が見られた。このパターンはまた、293、COS−1およびHaCaT細胞でも、種々の合成バッチ由来のsiRNAを用いて、種々の濃度で(siRNAは、同時トランスフェクション検出法において1〜100nMの濃度範囲にわたって同程度の阻害を引き起こした、データは示していない)、見られた(図1c)。
siRNAでトランスフェクトした細胞をレポータープラスミドでトランスフェクトした細胞とともに同時培養することでは、HeLa細胞において、およびHaCaT細胞の接触阻害された増殖の双方において、細胞間のsiRNA移動は、他の研究者によってはこれまでに培地媒介性移動が報告されていた(8)にもかかわらず、全く示されなかった(データは示していない)。
コドンレベル分解能でのsiRNA位置依存性の検討
高分解能で最良のsiRNA(すなわち、hTF167i)の標的部位の周囲の領域の接触性を検討し、標的部位が3ntずつhTF167iの両側に移動し、その各々が21ntのうち18を隣りものと共有するsiRNA(hTF158i、hTF161i、hTF164i、hTF170i、hTF173iおよびhTF176i)を合成した(図1c参照)。驚くべきことに、これらsiRNA間の最小配列および位置の相違にもかかわらず、それらは広範な活性を示すことが判明した(図2)。hTF167iの完全活性から離れる段階的な変化があり、これは上流のsiRNAに関してより明らかであった。2種のsiRNA hTF158iおよびhTF161iは、それぞれ、hTF167iから9および6ヌクレオチドしか移動していなかったが、その活性は大幅に消失していた。これらの結果は、局所性因子が位置作用を引き起こしたことを示唆する。
内因性mRNAに対するhTF siRNA効力の解析
基質としてレポーター遺伝子の強制的な発現の使用を含む同時トランスフェクション検出法の結果は、解釈が難しい場合がある。したがって、siRNAの作用はまた、TFを常時発現するHaCaT細胞中の内因性mRNA標的で測定した(図3a)。2種の最良のTF siRNA、hTF167iおよびhTF372iは、基準化したTF mRNAがそれぞれ10%および26%に減少したようにこの検出法でも強力な活性を示した(図3a)。興味深いことに、RNAiをベースとしたmRNAの切断検出法は、それまで哺乳類系では失敗していたが(9)、その大きさが標的配列の一次切断と一致する切断産物が、減少した主なバンドの下に明らかに見られた。したがって、本発明はまた、哺乳類細胞においてmRNAを切断できるsiRNAに関する。さらに、観察された作用は、RISCは哺乳類でも活性であり得ることを示唆する。同時トランスフェクション検出法では、第3の最良のsiRNAであるhTF256iも、TF mRNAレベルの大幅な低下をもたらした(57%の残存する発現、データは示していない)。残りのTF siRNAは、ノーザン検出法によって測定されるような活性は示さず(図3b)、また、化学的に修飾されたリボザイムを用いたトランスフェクションがTF mRNAを3倍誘導し得るように(データは示していない)、興味のある点である、TF発現も刺激しなかった。したがって、この無関係なsiRNAの相対的不活性(すわなち、(非特異的)作用を有するsiRNA)により、siRNAベースの薬物の見込みがさらに増強される。
HaCaT細胞における凝固活性は、hTF167iおよびhTF372iを用いてトランスフェクトした細胞では、偽トランスフェクトした細胞と比較してそれぞれ5倍および2倍低下した(図3bおよび図5b)。siRNAの全細胞性TFタンパク質に対する作用も測定し(図3b)、概ね、凝固促進活性に対して認められた作用よりも大きな阻害作用が証明された。したがって、本発明により、本発明者らは、siRNA hTF167iおよびhTF372iは、複雑な生理学的系において特異性および効力を示すこと、および、同一標的mRNAに対して他のsiRNA分子は基本的に不活性であるように、位置的作用を証明したと結論する。新規の一連のTF siRNAのデータはこの結論を支持し(データは示していない)、特定のsiRNAのこの不活性はmRNA折り畳み構造または貫通できないタンパク質被覆による切断部位の封鎖によるものである可能性がある(10)。
siRNA抑制の経時変化および持続の解析
mRNA抑制の経時変化を測定し、トランスフェクションの開始後4、8、24および48時間後に回収した細胞のノーザン解析により、24時間後の最大siRNA抑制が示された(図5a)。hTF167iはmRNAレベルを、各時点でhTF173iよりも低下させたように、見かけの減少率には相違があると思われる。同様の観察結果は、誘導した突然変異(M1およびM2)が阻害活性の減少をもたらした修飾型のhTF167iにも見られた。アンチセンス鎖中の突然変異は、対応するセンス鎖中の突然変異よりも明らかな作用を有していた。siRNA誘導性標的分解は不完全であった(最も効率的なsiRNAを用いても、標的mRNAの約10%というレベルが残存した)という事実は、保護されたコンパートメント中、例えば、スプライセオソーム中、または他の核部位中にmRNAの画分が存在することによるものである可能性がある。しかしながら、前記のデータおよび比較実験のデータを考慮すると、転写と、時間のかかるプロセスである分解の間で動力学的に決定されるバランスである可能性が高い。
植物(11)および線虫(12、13)における実験により、特定のsiRNA遺伝子が誘導される表現型の遺伝力に関係している系の存在が示唆された。哺乳類細胞株におけるそのような伝播物の存在を調べるために、極めて低い細胞密度でトランスフェクトしたHaCaT細胞においてsiRNA抑制の持続を測定した。レポーター構築物の連続トランスフェクションに基づいた実験では、トランスフェクションの3日後と5日後の間に発現が徐々に回復し、内因性TF mRNAに対するsiRNA作用の時間依存性は同様であった(図5b)。偽トランスフェクトした対照細胞におけるTF mRNAのレベルは、実験の間徐々に低下し、ここで現れたものは発現の細胞増殖依存性ダウンレギュレーションである。興味深いことに、トランスフェクトした細胞では、凝固促進活性は対照レベルまでの回復をほとんど示さなかった(図5b、柱)。hTF372iを用いても、ならびにhTF167i、hTF372iおよびhTF562iの組合せを用いても、同様の知見が得られた(データは示していない)。
siRNA配列への塩基対合突然変異の導入の作用の解析
先に記載したように、突然変異が全siRNA内で等しく許容されたかどうかを調べるために本発明のsiRNAをより体系的に位置づけた。全部で8種の異なる新規単一突然変異siRNAを設計し、突然変異の位置(センス鎖の5’から出発する)にしたがって名づけた(s1、s2、s3、s4、s7、s11、s13、s16、すなわち、配列番号9〜17)。先に記載した中央の単一突然変異M1(実施例4)をこの解析に含め、s10と名前を付け直した。すべてのsiRNAを、変性PAGE(15%)によって増殖性アニーリングについて解析した。
種々の突然変異体siRNAのすべてを、先に記載したとおりに、リポフェクタミン2000媒介性トランスフェクションの24時間後に、HaCaT細胞における内因性TF mRNAの減少について解析した。データのまとめを図7に示す。陽性対照としての、野生型siRNAおよび突然変異体s10は、TF mRNAを、予想し、先に報告したように約10%および20%残存レベルまで減少させた。その他の突然変異体の活性は、siRNAに沿ったその位置に応じて3つの異なる群に分けられた。siRNAの5’最末端の突然変異(s1〜s3)は極めて良好に許容され、野生型と本質的に同等の活性を示した。さらに内側の、siRNAのほぼ中央までに位置する突然変異体(s4、s7、s10、S11)はその活性がわずかに損なわれており、その結果、mRNAの減少は25〜30%残存レベルまでであった。しかしながら、siRNAの3’側半分の両突然変異体は大幅に低下した活性を示した。このことにより、siRNA中の突然変異の許容における傾向が示唆された。1つのさらなる位置(s7、s11、s13、s16)とともに中央位置(s10)が突然変異されている、いくつかの二重突然変異体の活性も解析した。その活性の順位がその変異体位置の単一突然変異体の活性のものと酷似していたように、突然変異許容における傾向はまた、これらの二重突然変異ついても明らかであった。この知見は、突然変異体の活性の差は、siRNAの配列に沿った標的ミスマッチの許容における内因的傾向によるものであるという提案を強化するものである。そのような傾向の理由は、切断のために標的mRNAを「測定する」ためにRISC複合体によって主に用いられる、siRNA中の提案される支配領域の存在と関連している可能性がある(15)。
siRNA配列の化学修飾の作用
各々、siRNA鎖の5’および3’最末端に1つの修飾を含む一連のsiRNA(P1+1、M1+1、A1+1、すなわち、それぞれ、配列番号22、26および30)をまず合成した。化学合成したsiRNAの5’末端は、生体内で活性であるためにはリン酸化されなくてはならないので、修飾に対してより感受性である可能性がある(24)。したがって、本発明者らは、また、種々の種類の修飾にとって寛容性であると知られている(10、15、25)、非塩基対合3’オーバーハングのみに2つの修飾を含むsiRNA(siRNAP0+2、M0+2およびA0+2、すなわち、それぞれ、配列番号23、27および31、図6参照)を含めた。トランスフェクトしたHaCaT細胞のノーザン解析により、両末端のアリル化を含むsiRNAを除いて、すべての修飾されたsiRNAの本質的に減少していない活性が証明された(図8)。3’末端のみのアリル修飾は活性に影響を全く及ぼさなかった。5’末端ヌクレオチドの2’−ヒドロキシルにおける大きな置換基の存在が、Nykanenら(24)によって必要であると示されたsiRNAの適切なリン酸化を妨害する可能性がある。
本発明者らは、次いで、これらの突然変異のうちのどれがsiRNA媒介性抑制の持続性を増加させるのに十分であるかどうかを知ろうとした。内因性TF mRNAは、hTF167を標的とする野生型siRNAを用いたトランスフェクション後3〜5日で徐々に回復する。HaCaT細胞を、活性な、化学修飾されたsiRNAを用いて平行してトランスフェクトすることでは、本発明者らはトランスフェクション後3日および5日の抑制活性において有意な相違を証明できなかった(データは示していない)。したがって、本発明者らが導入した中央での修飾は、完全な最初の活性を示したが、生体内でsiRNAを実質的に安定化させるのに明らかに十分ではなかった。
本発明者らの最初の中央での修飾後の依然として損なわれていないsiRNAの活性を持ちながら、3’末端の4つと組合せて、両側に2つまたは5’末端に2つのいずれかを含むよう修飾度を広げた。最初のシリーズの、アリル化型を用いたあまり見込みのない結果とこれらの修飾に伴う高い費用のため、次のシリーズにはホスホロチオエート修飾およびメチル化に限定することとした。新規のsiRNAセットを、HaCaT細胞へのトランスフェクションの24時間後の初期活性について同様に解析した。修飾されたsiRNAを用いてトランスフェクトした細胞では、基準化された発現レベルが、野生型を用いてトランスフェクトした細胞における11%と比べて16〜18%残存レベルでわずかに上がった。最も大規模にホスホロチオエート化されたsiRNAは、細胞にとって毒性であることが判明し、偽トランスフェクトした細胞と比較して約70%の細胞死をもたらした(対照mRNA GAPDHの発現レベルとして測定して)。これらの複雑な問題によって、このsiRNA種はさらなる解析には含めなかった。残りのsiRNA種を、100nM siRNAの単一トランスフェクションの5日後のTF mRNA発現を解析することによって抑制の持続性の増加について評価した。この時点では、野生型siRNAを用いてトランスフェクトした細胞におけるTF発現は、ほぼ完全に回復していた(偽トランスフェクトした細胞と比較して80%の残存発現)(図9a)。しかしながら、最も広範囲に修飾したsiRNA(M2+4、配列番号29)を用いてトランスクフェクトした細胞では、強力な抑制が依然として明らかであった(32%の残存発現)。あまり広範囲でなく修飾したsiRNA種(P2+2、M2+2、それぞれ、配列番号24および配列番号28)は、Me2+4よりも効果的ではなかったが、一貫して、トランスフェクションの5日後に野生型よりも低いTF発現をもたらした(55〜60%)。経時変化実験により、野生型siRNAは、抑制が相対的に損なわれていないトランスフェクション後3日では、依然として最も効果的であるが、抑制がその後かなり速い速度で低下することが証明された(図9b)。
siRNA、レポーター構築物およびトランス遺伝子発現のRNAi;a)ヒトTF(Genbankエントリー受託番号M16553)mRNA内の8部位をターゲティングするsiRNA種のセンス鎖(上部)およびアンチセンス鎖(下部)を示す。b)ヒトTFのルシフェラーゼレポーター構築物およびc)同時トランスフェクション検出法におけるsiRNAによるRNAi(各々3連の3以上の独立した実験の平均、±標準偏差が示されている)。 HaCaT細胞における標準的な同時トランスフェクション検出法におけるsiRNAの効力。hTF167i siRNAの種々の合成バッチは同様の効率を示した。結果は、各々3連の、少なくとも3回の実験の平均である。 siRNAは、内因性TF発現の低下を媒介した;a)hTF167iおよびhTF372iは、トランスフェクトした細胞においてmRNAの切断を誘導した。HaCaT細胞のsiRNA(100nM)、対照としてGADPHを用いたトランスフェクションの後、TF mRNAのノーザン解析を実施した。矢印は、siRNAの作用によって生じる切断断片を示す。b)定常状態mRNAレベル(黒色棒)、凝血促進活性(ドットの棒)およびTFタンパク質(抗原)発現(斜線の棒)に対するsiRNAの作用の測定値は、siRNAがmRNA、TF抗原レベルおよび凝血促進活性を低下させることを示す。凝血促進活性および抗原の測定のために、細胞を、7〜8時間の半減期のTFタンパク質に対応するようsiトランスフェクションの48時間後に回収した。データは3連のうち代表的な実験のものである。 hTF167iの用量−応答曲線。 siRNA媒介性RNAiの時間依存性;a)siRNAに突然変異(M1およびM2は、それぞれ、1つまたは2つの突然変異を指す)が導入されると、阻害活性は低下する。細胞を100nM siRNAを用いてトランスフェクトし、4、8、24および48時間(それぞれ、黒色棒、線を引いた棒、黒いドットのある白色棒、斜線の棒)でmRNA単離のために回収した。発現レベルを、すべての時点で、GADPHに対して基準化し、偽トランスフェクトした細胞に対して標準化した。b)mRNAレベルに対する阻害作用の減衰の経時変化(菱形)、レポーター遺伝子活性(白色三角形)および凝血促進活性(黒色棒)。 siRNA修飾。(A)突然変異型および野生型のsiRNA hTF167i。野生型(wt)siRNAのセンス鎖の配列はヒト組織因子(受託番号M16553)の167〜187位に相当する。単一(s1、s2、s3、s4、s7、s10、s11、s13、s16)および二重突然変異(ds7/10、ds10/11、ds10/13、ds10/16)はすべて、センス鎖の5’末端から数えた、突然変異の位置にしたがって名づけられている。すべての突然変異(太字)は野生型に対するGC逆位である。(B)siRNA hTF167iの化学的修飾型。非修飾リボヌクレオチドは小文字である。ホスホロチオエート架橋がアスタリスク(*)で示されており、2’−O−メチル化および2’−O−アリル化リボヌクレオチドは、それぞれ、通常の大文字および下線を引いた太字の大文字である。 突然変異体の、内因性hTF mRNAに対する活性。HaCaT細胞を、トランスフェクションの24時間後、mRNA単離のために回収した。TF発現をGAPDHのものに対して基準化した。偽トランスフェクトした細胞における基準化した発現を100%とした。データは少なくとも3つの独立した実験の平均+標準偏差である。 化学的に修飾されたsiRNAの、内因性TF mRNAに対する活性。実験を実施し、図7に記載したように解析した。 化学的に修飾されたsiRNAによるTF抑制の持続。A)100nM siRNAのトランスフェクションの5日後の特異的TF発現。B)TF mRNA抑制の経時変化。100nM siRNAの単一トランスフェクションの1〜3〜5日後に回収した細胞。培地は2日毎に置換した。
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配列表
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Claims (29)

  1. 少なくとも19のヌクレオチドを有し、組織因子(TF)をコードする核酸配列または断片の方へ導かれており、そしてsiRNA分子は配列番号1〜配列番号4、配列番号6〜配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号22〜51で構成されるグループから選択され、又は、配列番号1〜配列番号4、配列番号6〜配列番号8、配列番号10、配列番号11の配列配列番号42〜45、47〜51とペアになり、配列番号32〜配列番号41が、配列番号22〜31とそれぞれペアになって二本鎖になるような、一本鎖または二本鎖siRNAであることを特徴とする短干渉性RNA(siRNA)分子。
  2. 前記分子は二本鎖であることを特徴とする請求項1記載のRNA(siRNA)分子。
  3. 前記分子が、21〜25ヌクレオチド長であることを特徴とする請求項1〜2記載のRNA(siRNA)分子。
  4. 前記分子が、21ヌクレオチド長であることを特徴とする請求項1〜3記載のRNA(siRNA)分子。
  5. 前記分子が、配列番号1〜配列番号4、配列番号6〜配列番号8によって示される配列から構成され、それらのペアとなる配列がそれぞれ、配列番号42〜配列番号45、配列番号47〜49であることを特徴とする請求項1〜4記載のRNA(siRNA)分子。
  6. 前記分子が、配列番号1、配列番号2によって示される、配列から構成され、それらのペアとなる配列がそれぞれ、配列番号42、配列番号43であることを特徴とする請求項1〜5記載のRNA(siRNA)分子。
  7. 配列番号1〜4、配列番号6〜8によって示されるsiRNA分子が、燐酸ジエステル結合をチオホスホジエステル結合で置換することによって修正(modify)されることを特徴とする請求項5および6に記載のRNA(siRNA)分子。
  8. 前記分子が、配列番号22〜25によって示される配列と、それらとペアになる配列番号32〜配列番号35から構成されることを特徴とする請求項7記載のRNA(siRNA)分子。
  9. 前記分子が、配列番号24および配列番号34によって示される配列で、配列番号34が、配列番号24とペアになること特徴とする請求項8記載のRNA(siRNA)分子。
  10. 配列番号1〜配列番号4、配列番号6〜配列番号8によって示される野生種に関して、一つ若しくはそれ以上の突然変異種が導入され、siRNA分子は、配列番号10、配列番号11、およびそれらとペアになる配列番号50、配列番号51によって示される核酸配列を有するsiRNA分子で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1〜4記載のRNA(siRNA)分子。
  11. 前記分子が、配列番号1〜配列番号4、配列番号6〜配列番号8、およびそれらとペアになる配列番号42〜配列番号45、配列番号47〜配列番号49で構成されるグループから選択され、分子が、C‐C‐アルキル基、C‐C‐アルキニル基またはC‐C‐アルキリル基グループを、配列中に存在する一つ若しくはそれ以上の2’OHヒドロキシル基グループに導入することによって分子が修正(modify)されることを特徴とする請求項1〜4記載のRNA(siRNA)分子。
  12. 前記siRNA分子が、配列番号26〜配列番号31、およびそれとペアになる配列番号36〜配列番号41で構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項10に記載のRNA(siRNA)分子。
  13. 前記分子が、配列番号26、配列番号28、配列番号29およびそれとペアになる配列番号36、配列番号38、配列番号39で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項12に記載のRNA(siRNA)分子。
  14. 前記siRNA分子が、配列番号29、およびそれとペアになる配列番号39からなる配列から構成されることを特徴とする、請求項12に記載のRNA(siRNA)分子。
  15. TFもしくはその断片が、脊椎動物を起源とするものであることを特徴とする請求項1−13に記載のRNA(siRNA)分子。
  16. TFもしくはその断片が、哺乳動物を起源とするものであることを特徴とする請求項1−13に記載のRNA(siRNA)分子。
  17. TFもしくはその断片が、ヒトを起源とするものであることを特徴とする請求項1−13に記載のRNA(siRNA)分子。
  18. 請求項1−17のいずれかに記載の短干渉性RNA(siRNA)分子を一つかもしくはそれ以上含んでいることを特徴とする医薬製剤。
  19. 配列番号1、配列番号2、およびそれとペアになる配列番号42、配列番号43からなる配列からなることを特徴とする請求項17に記載の医薬製剤。
  20. 配列番号10、配列番号11、およびそれとペアになる配列番号50、配列番号51からなることを特徴とする請求項17に記載の医薬製剤。
  21. 配列番号24、配列番号28、配列番号29およびそれとペアになる配列番号34、配列番号38、配列番号39からなるRNA分子、また単離された配列番号29、ペアとなる配列が配列番号39からなるグループから選択されるsiRNA分子であることを特徴とする、請求項16に記載の医薬製剤。
  22. 配列番号29、ペアとなる配列が配列番号39からなる単離されたsiRNA分子で、請求項21に記載の医薬製剤。
  23. 更に、希釈剤、潤滑剤、結合剤、担体分解手段、吸着手段、着色剤、甘味料および/または香味料を含むことを特徴とする請求項17−22に記載の医薬製剤。
  24. 補助薬(adjuvants)および/または他の治療成分(therapeutic principles)を含むことを特徴とする請求項17−23に記載の医薬製剤。
  25. 非経口的に、経口的に、経鼻的に、頬から、直腸から、膣から、および/または吸入もしくはガスを注入することによって投与されることを特徴とする請求項17−24に記載の医薬製剤。
  26. 一般的に無毒性の薬事上許可されている担体、補助薬および/または賦形剤を含む投薬製剤において、注入溶液または懸濁液、エアロゾル、カプセル剤、錠剤、丸薬、スプレー、座薬などとして処方されることを特徴とする請求項17−25に記載の医薬製剤。
  27. 望まれない血液凝固の治療、予防および/または抑制に備えて医薬製剤を適宜調合することを目的とした請求項1−13いずれかに記載のRNA(siRNA)分子の一つ若しくはそれ以上の使用。
  28. 非経口的に投与される医薬製剤の調合の、請求項27に記載の使用。
  29. 前記調合(preparation)が、皮下、静脈内、筋肉内または腹腔内注射または注入、経口的に、経鼻的に、頬から、直腸から、膣から、および/または吸入もしくはガスを注入することによって投与できるように処方されている請求項28に記載の使用。
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