以下、この発明の実施の一形態について、下記の順序に従い説明する。
1.UMDビデオ規格について
2.UMDビデオ規格のプレーヤモデルについて
3.ムービープレーヤのイベントモデルについて
4.ムービープレーヤオブジェクトについて
5.スクリプトプログラムの例
6.ファイルの管理構造について
7.ディスク再生装置について
8.ユーザオペレーションの制御について
1.UMDビデオ規格について
先ず、理解を容易とするために、この実施の一形態に適用可能なシステムについて概略的に説明する。この発明の実施の一形態では、ECMAスクリプトと呼ばれるスクリプト言語を用いてプレーヤモデルを記述している。ECMAスクリプトは、ECMA(European Computer Manufacturers Association)により定められた、JavaScript(登録商標)に基づいたクロスプラットフォーム用のスクリプト言語である。ECMAスクリプトは、HTML文書との親和性が高いことと、独自のオブジェクトの定義が可能であるため、この発明によるプレーヤモデルに用いて好適である。
また、以下では、このECMAスクリプトを元にしたスクリプト言語を用いた、この発明の実施の一形態に基づく規格を、UMD(Universal Media Disc:登録商標)ビデオ規格と呼ぶ。また、UMDビデオ規格のうち、特にスクリプトに関する部分をUMDビデオスクリプト規格と呼ぶ。
UMDビデオ規格について、概略的に説明する。図1は、UMDビデオ規格のレイヤ構成を示す。UMDビデオ規格では、スクリプトレイヤ、プレイリストレイヤおよびクリップレイヤの3層のレイヤ構造が定義され、この構造に基づきストリーム管理がなされる。
UMDビデオ規格においては、ディジタル符号化されたビデオ、オーディオおよび字幕を、MPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)のエレメンタリストリームとして多重化したMPEG2ストリームとして扱う。このビデオ、オーディオおよび字幕のエレメンタリストリームが多重化されたMPEG2ストリームを、クリップAVストリーム(Clip AV Stream)と呼ぶ。クリップAVストリームは、クリップAVストリームファイルに格納される。クリップAVストリームファイルの記録時に、当該クリップAVストリームファイルに1対1に対応して、クリップインフォメーションファイル(Clip Information File)が同時に作成される。これらクリップインフォメーションファイルと、対応するクリップAVストリームファイルとからなる組を、クリップ(Clip)と呼ぶ。
クリップは、ディスクへの記録の単位ともいうべきものであり、再生時にどのような順序でクリップを再生するかは、クリップの上位のレイヤであるプレイリストレイヤで管理する。プレイリストレイヤは、クリップの再生経路を指定するレイヤであり、1または複数のプレイリスト(PlayList)を含む。プレイリストは、プレイアイテムの(PlayItem)の集合からなる。プレイアイテムには、クリップの再生範囲を示した一組のイン(In)点およびアウト(Out)点が含まれており、プレイアイテムを連ねることによって、任意の順序でクリップを再生することができるようになる。プレイアイテムは、クリップを重複して指定することができる。クリップAVストリームファイルのイン点およびアウト点は、タイムスタンプ(クリップ内時刻)で指定され、タイムスタンプは、クリップインフォメーションファイルの情報によってクリップAVストリームファイル上のバイト位置に変換される。
プレイリストは、クリップの全部または一部を指すプレイアイテムを順序に従って再生していく構造だけを有しており、プレイリストのみを用いて再生順の分岐や、ユーザとの双方向性を実現することは、できない。この発明の実施の一形態では、複数のプレイリストが1つのファイル"PLAYLIST.DAT"にまとめられている。
スクリプトレイヤは、言語仕様のECMAスクリプトを拡張した、UMDビデオスクリプトによって構築されるレイヤである。UMDビデオスクリプトは、ECMAスクリプトを基本として、UMDビデオに特有な機能を実現するための拡張を加えたスクリプトである。
スクリプトレイヤは、プレイリストレイヤの上位のレイヤであり、プレイリストの再生指示や、プレーヤ設定を行うコマンド列から構成される。スクリプトレイヤのコマンドにより、複数の言語用に用意されたストリームのうち何れを選択する、ある条件に従って選択されるプレイリストに再生の流れが変化する、というような、条件分岐を伴うプレイリスト再生を実現することができる。このような条件分岐を伴うプレイリスト再生が用いられるアプリケーションの例としては、マルチストーリーが挙げられる。このスクリプトレイヤにより、ユーザとの双方向性機能(インタラクティブ機能)が導入されることになる。
なお、この発明の実施の一形態では、スクリプトレイヤは、1つのファイル"SCRIPT.DAT"から構成され、リソースとして管理される。ファイル"SCRIPT.DAT"は、実際のECMAスクリプトに基づき記述されるスクリプトデータ、ボタン操作の際の効果音などを出力するためのサウンドデータ、メニュー画面の背景画像などに用いる画像データからなるスクリーンデザイン、ならびに、ボタン画像などのGUI部品を表示させるための画像データ(ビットマップデータ)が含まれる。
2.UMDビデオ規格のプレーヤモデルについて
次に、UMDビデオ規格に従ったデータを再生する再生装置(プレーヤ)のモデル、すなわち、プレーヤモデルについて説明する。プレーヤは、先ず、ディスクからスクリプトプログラム、プレイリストおよびクリップインフォメーションファイルを読み出し、次に、これらにより定められている再生順序に従って、クリップAVストリームファイルを読み出し、ビデオ、オーディオおよび字幕などを再生する。
スクリプトプログラムの言語仕様においては、プレイリストを再生する機能ブロックを、スクリプトプログラム内のオブジェクトとして実装する。このプレイリスト再生を行うオブジェクトを、UMDビデオ規格では、ムービープレーヤ(Movie Player)オブジェクトと呼ぶ。プレイリストの再生指示や、プレーヤ設定を行うコマンドは、このムービープレーヤオブジェクトが有するメソッドとなる。ムービープレーヤオブジェクトは、スクリプトレイヤからのメソッドによって制御される。このとき、ムービープレーヤオブジェクトからスクリプトレイヤに対して、状態の変化や再生位置などを通知する機能が必要となる。これは、ムービープレーヤオブジェクトがスクリプトプログラムに対してイベントを発することに対応し、そのイベントに対応した処理は、イベントハンドラとして記述される。
このように、ムービープレーヤオブジェクトからスクリプトプログラムへの情報伝達は、イベントにより行い、スクリプトプログラムからムービープレーヤオブジェクトに対する制御をメソッドにより行うモデルを構築することにより、クリップAVストリームの再生をスクリプトプログラムで制御できるようになる。
図2は、上述した、この発明の実施の一形態による一例のプレーヤモデルを模式的に示す。ムービープレーヤ300は、UMDビデオ規格においてビデオ、オーディオおよび字幕の再生を司るモジュールである。上述したムービープレーヤオブジェクトは、ムービーオブジェクトをスクリプトプログラムから操作するためにスクリプトプログラム内のオブジェクトとしたものである。換言すれば、ムービープレーヤオブジェクトは、ムービープレーヤの機能を実現するためのスクリプトプログラムそのものである。
なお、ムービープレーヤ300とムービープレーヤオブジェクトは、実質的に同一の対象を表すと考えられるので、以下、これらを同一の符号を付して説明する。
図2において、ムービプレーヤ300は、ユーザ入力310などにより引き起こされる下位レイヤ(図2の例ではネイティブ実装プラットフォーム301)や、上位レイヤであるスクリプトレイヤ302からのメソッドに従って、プレイリストおよびクリップインフォメーションのデータベースに基づき、クリップAVストリームファイルの読み出し、読み出されたクリップAVストリームのデコードおよび表示を行う。
ムービープレーヤオブジェクト300の内部は、UMDビデオを再生するUMDビデオプレーヤの実装に依存するものであって、スクリプトレイヤ302からは、ブラックボックス化されたオブジェクトとして、メソッドやプロパティといったAPI(Application Programming Interface)が提供される。ここで、UMDビデオプレーヤは、ムービープレーヤを実装した実際の機器を指す。全てのUMDビデオプレーヤは、UMDビデオ規格の制約を守ってムービープレーヤを実装しており、再生互換を有する。
図2に示されるように、ムービープレーヤオブジェクト300は、ネイティブ実装プラットフォーム301からの制御コマンド311を受け付けるパス、スクリプトレイヤ302に対してイベント312を通知するパス、スクリプトレイヤ302からのメソッド313を受け付けるパスの、3本の入出力パスを有する。
制御コマンド311は、ネイティブ実装のプラットフォーム301からの、ムービープレーヤオブジェクト300の動作を制御するコマンドである。ネイティブ実装プラットフォーム301は、例えば、実際の機器としてのUMDビデオプレーヤにおける、機器に固有の部分とムービープレーヤ300とのインターフェイスである。イベント312は、ムービープレーヤ300からスクリプトレイヤ302に対するスクリプトイベントである。メソッド313は、スクリプトレイヤ302のスクリプトプログラムからムービープレーヤ300に指示されるメソッドである。
ムービープレーヤオブジェクト300は、内部に、UMDビデオ規格のプレイリストおよびクリップインフォメーションのデータベース320を有する。ムービープレーヤオブジェクト300は、このデータベース320を用いて、ユーザ入力310に対する無効化(mask)や、時刻で指定された再生位置をクリップAVストリーム内のバイト位置に変換する処理などを行う。
ムービープレーヤオブジェクト300内のプレイバックモジュール321は、ビデオ、オーディオおよび字幕が多重されたMPEG2 PS(Program Stream)であるクリップAVストリームのデコードを行う。プレイバックモジュール321は、プレイ、ストップおよびポーズの3状態を持ち、制御命令やメソッドによって、この3状態の間を遷移する(図3参照)。
スクリプトレイヤ302は、UMDビデオスクリプト規格に基づくスクリプトプログラムを実行し、ムービープレーヤオブジェクト300の制御や、画面表示を行うレイヤである。このスクリプトレイヤ302は、コンテンツ制作者側の意図したシナリオを実現する役割を果たす。スクリプトレイヤ302は、ムービープレーヤオブジェクト300に対してメソッド313を発行し、ムービープレーヤオブジェクト300からは、イベント312を受け取る。スクリプトレイヤ302は、ネイティブ実装プラットフォーム301との間で、ユーザ入力310に応じたキーイベント314や、画面描画などをネイティブ実装プラットフォーム301に対して指示するメソッド315などのやりとりを行う。
例えば、メニュー画面上に配置されるボタンは、スクリプトレイヤ302のスクリプトプログラムからネイティブ実装プラットフォーム301に渡されるメソッド315に基づき、ネイティブ実装プラットフォーム301により描画される。ユーザがそのボタンに対して選択や決定などの操作を行ったときには、ユーザ入力310に応じたキーイベント314がネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に通知され、スクリプトレイヤ302内のスクリプトプログラムは、キーイベント314に基づきキー入力310に応じた処理を行う。
このように、ビデオ、オーディオおよび字幕のデコードや表示制御はムービープレーヤ300が司り、ボタンなどのGUI(Graphical User Interface)を構成するための部品画像(以下、GUI部品と呼ぶ)の配置や表示、ならびに、GUI部品に対して選択や決定などの操作がなされたときの処理は、スクリプトレイヤ302が行うというように、役割分担がなされている。
ネイティブ実装プラットフォーム301は、ムービープレーヤオブジェクト300やスクリプトプログラムが動作するための基盤となるプラットフォームであって、例えば、実際のUMDビデオプレーヤがハードウェアである場合、ハードウェアとプレーヤモデルとの間の処理を仲介する役割を果たすように、ハードウェアに固有に実装される。
例えば、ネイティブ実装プラットフォーム301は、ユーザからのユーザ入力310を受け付け、受け付けたユーザ入力310がムービープレーヤ300に対する命令なのか、スクリプトレイヤ302で描画および表示しているボタンに対する命令なのかを判定する。ネイティブ実装プラットフォーム301は、ユーザ入力310がムービープレーヤ300に対する命令であると判定されれば、ユーザ入力310をムービープレーヤ300に対する内部制御命令である制御コマンド311に変換し、ムービープレーヤ300に対して制御命令を発する。
一方、ネイティブ実装プラットフォーム301は、ユーザ入力310がスクリプトレイヤ302で描画および表示しているGUI部品に対する命令であると判定されれば、ユーザ入力310に応じたキーイベント314をスクリプトレイヤ302に通知する。そして、このキーイベント314に応じてスクリプトレイヤ302から指示されたメソッド315に基づき、例えば画面上にボタン画像を表示させることができる。すなわち、ネイティブ実装プラットフォーム301とスクリプトレイヤ302とは、ムービープレーヤ300を介さずに、直接的にイベントおよびメソッドの受け渡しを行うことができる。
次に、ムービープレーヤ300についてより詳細に説明する。図3は、ムービープレーヤ300の一例の内部構成を示す。上述したように、ムービープレーヤ300は、データベース320およびプレイバックモジュール321とから構成される。データベース320は、ディスクから読み取ったプレイリストの情報と、クリップの情報すなわちクリップインフォメーションとを格納する領域である。
プレイバックモジュール321は、デコーダエンジン322と、プレイバックモジュール321の状態を表す値であるプロパティ323とからなる。プロパティ323は、例えば言語コードのように、ムービープレーヤ300の初期設定で値が決まるプロパティ323A(リードオンリーパラメータ)と、プレイバックモジュール321の状態によって値が変化するプロパティ323B(プレーヤステータス)の2種類がある。
初期設定で値が決まるプロパティ323Aは、ネイティブなシステム、例えば実際の機器によって値がセットされ、プレイリストやクリップインフォメーション、スクリプトプログラムから値を変更されることがない。プロパティ323Aは、スクリプトプログラムから値を読み出すことのみが可能とされる。一方、プレイバックモジュール321の状態を表すプロパティ323Bは、スクリプトプログラムから値を読み出すことができると共に、一部のスクリプトプログラムから値を書き込むことが可能とされる。
なお、この動作モデルにおいては、プレイリストおよびクリップインフォメーションは、クリップAVストリームの再生前にディスクからプリロードされていることを想定している。これに限らず、他の実装であっても、ムービープレーヤモデルで定めた動作を実現できていればよい。
ムービープレーヤオブジェクト300は、スクリプトレイヤ302またはネイティブ実装プラットフォーム301からの指示に従い、指定されたプレイリストを再生する。例えば、ムービープレーヤ300は、データベース320を参照し、指定されたプレイリストに対応するクリップAVストリームの再生位置をファイル中のバイト位置で得る。プレイバックモジュール321において、デコーダエンジン322は、この再生位置情報に基づき、クリップAVストリームのデコードを制御する。
ムービープレーヤ300は、図4に示されるように、プレイリストの再生状況に応じてプレイ(play)、ストップ(stop)およびポーズ(pause)の3状態を持つ。プレイ状態は、プレイリストの再生を行っており、時間が経過している状態を指す。通常再生の他、2倍速、1/2倍速といった変速再生や、順方向早送りおよび逆方向早送りもプレイ状態に含まれる。ポーズ状態は、プレイリストの再生を行っている状態で、時間軸が停止している状態である。再生をフレーム単位で進めたり戻したりする所謂コマ送り再生は、ポーズ状態とプレイ状態とを繰り返している状態である。ストップ状態は、プレイリストを再生していない状態である。
例えば、ムービープレーヤ300の状態は、ムービープレーヤ300内のデコーダエンジン322におけるプレイ、ポーズおよびストップの状態遷移に伴うもので、デコーダエンジン322の状態遷移に応じてプロパティ323Bの値が更新される。
リジュームインフォメーション324は、ストップ状態直前の状態を記憶する。例えば、ムービープレーヤ300があるプレイリストをデコードしプレイ状態となっているときに、状態がストップ状態に遷移すると、ストップ状態の直前の状態を記憶する。また、リジュームインフォメーション324は、ハードウェアとしてのプレーヤが持つ不揮発性メモリに、ディスクのタイトル毎に識別可能なように複数を記憶させることができる。例えば、ディスクは、ディスクのタイトル毎にユニークな識別情報(タイトルIDと呼ぶ)を有し、リジュームインフォメーション324をこの識別情報と関連付けて記憶する。こうすることで、リジュームインフォメーション324の情報に基づき、識別情報が対応するタイトルのディスクが次にストップ状態からプレイ状態に遷移したときに、当該ディスクの再生を、以前ストップ状態になった直前の位置から開始させることができる。
3.ムービープレーヤのイベントモデルについて
ムービープレーヤ300のイベントモデルについて説明する。ムービープレーヤ300は、プレイリストを再生するプレイ状態で、様々なイベントを発生する。このイベントは、イベントハンドラと呼ばれる、スクリプトで記述された処理プログラムの実行を引き起こす。イベントハンドラは、イベント発生によって呼び出されるメソッドである。このイベント発生によって処理プログラムの実行を開始するプログラム実行モデルを、イベントドリブンモデルと呼ぶ。イベントドリブンモデルでは、不定期なイベントが発生し、イベント発生をきっかけに用意しておいたプログラムが実行される。この実施の一形態においては、スクリプトプログラムは、イベントハンドラ群によってムービープレーヤオブジェクト300の動作を制御する。
図5は、この発明の実施の一形態によるムービープレーヤ300のイベントモデルを模式的に示す。図5において、イベントハンドラonEventA()、onEventB()およびonEventC()は、インターフェイスであって、それぞれのイベントハンドラの内容は、スクリプトで記述されている。イベントハンドラの内容は、例えばコンテンツ制作者側で作成され実装される。UMDビデオスクリプト規格においては、ムービープレーヤオブジェクト300からスクリプトプログラムに通知されるイベント毎に、イベントハンドラが用意される。図5の例では、イベントAが発生したときに実行される処理プログラムは、イベントハンドラonEventA()に決められている。イベントBおよびイベントCについても同様に、イベントBの発生時には対応するイベントハンドラonEventB()が実行され、イベントCの発生時には対応するイベントハンドラonEventC()が実行される。
イベント発生に応じて呼び出されるイベントハンドラは、システム側で選択されるため、コンテンツ制作者側では、どのイベントが発生したかを判断する処理を、スクリプトプログラム内に記述しておく必要が無い。
図6は、プレイリストの再生中に発生する一例のイベントを示す。プレイリストPlayListの先頭には、チャプタマークChapterMarkが設定されているので、プレイリストの先頭からの再生開始時には、先ず、チャプタマークに対応したイベントChapterが発生する。さらに、チャプタが変わる度にイベントChapterがスクリプトレイヤ302に通知され、対応するイベントハンドラonChapterが実行される。また、イベントマークEventMarkが設定されている時刻に再生が到達すると、対応するマークイベントが発生する。そして、プレイリストの最後まで再生が到達すると、プレイリストの最後で再生が一時停止し、イベントPlayListEndがムービープレーヤ300からスクリプトレイヤ302に通知される。スクリプトレイヤ302側では、対応するイベントハンドラonPlayListEnd()内で、別のプレイリストの再生開始が指示される。このようにして、コンテンツ制作者が意図した順序で、一連のプレイリスト再生が継続されていく。
このように、プレーヤの動作中にはさまざまなイベントが発生するものとし、イベント発生を上位プログラムに伝えることで、上位プログラムはプレーヤの状態を把握できるようになる。上位プログラムの方では、各イベント発生通知時に実行されるプログラム(イベントハンドラ)を用意しておくことで、各種イベント発生に対処する。イベントおよびイベントハンドラの詳細については、後述する。
イベントハンドラがコンテンツ制作者によって記述されていない場合には、規格で規定されているプレーヤ組み込みの動作(デフォルトのイベントハンドラ)を実行するか、あるいは、そのイベントが無視され何も実行されない。何も処理を行う必要がないときには、イベントに対応したイベントハンドラを記述しないようにすることで、積極的にイベントを無視することができる。
イベントモデルとしては、上述の他に、あるイベントに対応するリスナをオブジェクトがプレーヤオブジェクトに登録し、プレーヤオブジェクト内で発生したイベントが登録されたイベントであれば、プレーヤオブジェクトから当該イベントを登録したオブジェクトにイベントを送信し、当該オブジェクトで対応するメソッドを実行するようにしたイベントリスナのモデルや、どのようなイベントが発生しても一つのメソッドを呼び出すようにした単一メソッドのモデルなどが考えられる。
この実施の一形態によるイベントモデルは、イベント登録、イベント登録削除といった処理が必要なイベントリスナのモデルよりも簡単である。また、単一メソッドのモデルは、どのイベントが発生したかを知り、イベント毎に用意してある処理ルーチンを切り替えるという前処理を、そのメソッドの中に記述しておく必要がある。メソッドは、コンテンツ制作者側が実装するものであるから、モデルとしては簡単でも、コンテンツ制作者側の負担が大きくなる。さらに、大きな一つの処理プログラム(メソッド)がイベントの発生毎に呼ばれることになり、メモリの領域を多く占有し、実行速度も遅くなると考えられる。この発明の実施の一形態による、イベント毎に処理プログラム(イベントハンドラ)を用意するモデルでは、このような点について有利であるといえる。
4.ムービープレーヤオブジェクトについて
次に、ムービープレーヤオブジェクト300の外部的な仕様について説明する。一般に、ECMAスクリプト言語仕様に従う言語により定義されたオブジェクトは、プロパティとメソッドとを持つ。この実施の一形態によるムービープレーヤオブジェクト300も、図2および図3を用いて既に説明したように、同様にしてプロパティとメソッドとを有する。プロパティは、外部のオブジェクトから、対象となるオブジェクト名とプロパティ名とを指定することで、直接的に読み書きすることが可能である。これに限らず、プロパティ値の設定を行うメソッドsetXXX()(「XXX」は、対象のプロパティ名)や、プロパティ値の読み出しを行うメソッドgetXXX()を定義することで、他のオブジェクトのプロパティの読み書きを、メソッドで行うことが可能となる。
図7は、ムービープレーヤオブジェクト300が有する一例のプロパティを一覧して示す。これは、図3におけるプロパティ323に対応する。図3におけるリードオンリーパラメータ323Aに属するプロパティは、以下の通りである。プロパティscriptVersionは、UMDビデオスクリプトのバージョンを示す。プロパティlanguageCodeは、UMDビデオプレーヤに設定された、メニュー表示言語の言語コードを示す。プロパティaudioLanguageCodeは、UMDビデオプレーヤに設定された、オーディオ言語の言語コードを示す。プロパティsubtitleLanguageCodeは、UMDビデオプレーヤに設定された、字幕(サブタイトル)言語の言語コードを示す。
ディスクが装填された際には、このリードオンリーパラメータ323Aに設定されたプロパティlanguageCodeに示される言語コードに基づき、ディスクから読み出すスクリプトファイルが決められる。装填されたディスクに、当該言語に対応するスクリプトファイルがない場合は、デフォルトのスクリプトファイルが読み出される。例えば、複数のスクリプトファイルのうち、ディスク上で最も先頭側に配置されるファイルがデフォルトのスクリプトファイルとして読み出される。
図3におけるプレーヤステータス323Bに属するプロパティは、以下の通りである。プロパティplayListNumberは、現在再生中のプレイリストの番号を示す。プロパティchapterNumberは、現在再生中のチャプタの番号を示す。プロパティvideoNumberは、現在再生中のビデオストリームの番号を示す。プロパティaudioNumberは、現在再生中のオーディオストリームの番号を示す。プロパティsubtitleNumberは、現在再生中の字幕ストリームの番号を示す。プロパティplayListTimeは、プレイリスト先頭を0としたときの時刻を示す。プロパティaudioFlagは、オーディオ再生のON/OFFおよびデュアルモノLRの指定を示す。プロパティsubtitleFlagは、字幕表示のON/OFFを示す。
なお、デュアルモノは、ステレオオーディオの左右(L、R)チャンネルを、互いに独立したモノラルオーディオチャンネルとして用いるモードである。
このプレーヤステータス323Bに属する各プロパティは、ムービープレーヤ300が再生または一時停止状態のときに、これらの情報が存在する。停止状態に遷移した場合、その時点でプレーヤステータス323Bに属する各プロパティは、リジュームインフォメーション324としてバックアップされる。このとき、プレーヤステータス323Bの内容をクリアしてもよい。
図8は、ムービープレーヤオブジェクト300が有する一例のメソッドを一覧して示す。これは、図2におけるメソッド313に対応する。メソッドplay()は、ビデオを再生する。メソッドplayChapter()は、チャプタを指定してビデオを再生する。メソッドstop()は、ビデオの再生を停止する。メソッドpause()は、ビデオの再生を一時停止する。メソッドplayStep()は、ビデオをコマ送り再生する。メソッドchangeStream()は、ビデオストリーム、オーディオストリームおよび/または字幕ストリームを変更する。メソッドgetPlayerStatus()は、ムービープレーヤ300における再生、停止、一時停止などの状態を取得する。メソッドreset()は、ビデオの再生を停止し、リジュームインフォメーション324の内容をクリアする。
UMDビデオ規格では、表示画面上の一部分にビデオを表示することができるようになっている。以下の4つのメソッドは、この場合のビデオ表示に関するメソッドである。メソッドsetPos()は、ビデオの表示位置を設定する。メソッドgetPos()は、ビデオの表示位置を取得する。メソッドsetSize()は、ビデオの表示サイズを設定する。メソッドgetSize()は、ビデオの表示サイズを取得する。
なお、実際には、ムービープレーヤ300とネイティブ実装プラットフォーム301とは、一体的に構成される。すなわち、実際にディスクが装填され、これを再生するハードウェアとしてのUMDプレーヤと、UMDプレーヤを制御するソフトウェアとの関係に対応付けられ、どの部分をハードウェアで行い、どの部分をソフトウェアで行うかは、実装時の構成に依存する。例えば、UMDプレーヤをパーソナルコンピュータなどで構成する場合は、ディスクドライブ以外は、ソフトウェア的に構成することができる。また、単体のUMDプレーヤとして構成する場合は、ディスクドライブ以外に、例えばビデオデコーダやオーディオデコーダなどをハードウェア的に構成することができる。したがって、ムービープレーヤ300とネイティブ実装プラットフォーム301との間でなされるメソッドやコマンド、イベントは、図2に一例が示されるような明示的なやりとりに限られない。
一方、ユーザからのキー入力については、図2を用いて既に説明したように、ユーザ入力310をネイティブ実装プラットフォーム301が先ず、受け取る。つまり、ネイティブ実装プラットフォーム301は、ユーザからのキー入力をユーザ入力310として受け取り、ユーザ入力310がムービープレーヤ300に対するコマンドなのか、スクリプトレイヤ302のスクリプトプログラムに対するイベントなのかを判定し、判定結果に応じて、制御コマンド311またはキーイベント314を発生し、対応する上位レイヤ(ムービープレーヤ300またはスクリプトレイヤ302)に通知する。
図9および図10は、ユーザ入力310による一例のキー入力を示す。なお、図9および図10に示される「VK」で始まる各キーは、実装に依存しない抽象化した仮想的なキーである。図9は、ムービープレーヤ300の操作に関する一例のキー入力を示す。キーVK_POWERは、電源キーに対応する機能を提供する。キーVK_POWER_ONは、電源ONキーに対応する機能を提供する。キーVK_POWER_OFFは、電源OFFキーに対応する機能を提供する。キーVK_MENUは、メニューを表示させるメニューキーに対応する機能を提供する。キーVK_ENTERは、「決定」を指示する決定キーに対応する機能を提供する。キーVK_RETURNは、処理のステップを一つ戻す戻るキーに対応する機能を提供する。
キーVK_PLAYは、再生を指示する再生キーに対応する機能を提供する。キーVK_STOPは、再生の停止を指示する停止キーに対応する機能を提供する。キーVK_PAUSEは、再生の一時停止を指示する一時停止キーに対応する機能を提供する。キーVK_FAST_FORWARDは、早送り再生を指示する早送りキーに対応する機能を提供する。キーVK_FAST_REVERSEは、早戻し再生を指示する早戻しキーに対応する機能を提供する。キーVK_SLOW_FORWARDは、順方向のスロー再生を指示するスロー(順方向)キーに対応する機能を提供する。キーVK_SLOW_REVERSEは、逆方向のスロー再生を指示するスロー(逆方向)キーに対応する機能を提供する。キーVK_STEP_FORWARDは、順方向のコマ送り再生を指示するコマ送り(順方向)キーに対応する機能を提供する。キーVK_STEP_REVERSEは、逆方向のコマ送り再生を指示するコマ送り(逆方向)キーに対応する機能を提供する。
図10は、メニュー操作に関する一例のキー入力を示す。キーVK_NEXTは、「次」を意味する値を入力する次指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_PREVIOUSは、「前」を意味する値を入力する前指定キーに対応する機能を提供する。例えば、キーVK_NEXTおよびキーVK_PREVIOUSを用いて、前後のチャプタへの移動を指示することができる。
キーVK_UPは、「上」を意味する値を入力する上方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_DOWNは、「下」を意味する値を入力する下方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_RIGHTは、「右」を意味する値を入力する右方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_LEFTは、「左」を意味する値を入力する左方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_UP_RIGHTは、「右上」を意味する値を入力する右上方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_UP_LEFTは、「左上」を意味する値を入力する左上方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_DOWN_RIGHTは、「右下」を意味する値を入力する右下方向指定キーに対応する機能を提供する。キーVK_DOWN_LEFTは、「左下」を意味する値を入力する左下方向指定キーに対応する機能を提供する。これらの方向キーを用いることで、例えば画面上のカーソル表示の移動を指示することができる。
キーVK_ANGLEは、マルチアングルのビデオに対するアングル切り替えを指示するアングル切り替えキーに対応する機能を提供する。キーVK_SUBTITLEは、英語字幕、日本語字幕、字幕表示/非表示などを切り替える字幕切り替えキーに対応する機能を提供する。キーVK_AUDIOは、サラウンドやバイリンガルなどオーディオ設定を切り替えるオーディオ切り替えに対応する機能を提供する。キーVK_VIDEO_ASPECTは、ビデオのアスペクト比切り替えを指示するアスペクト切り替えキーに対応する機能を提供する。キーVK_COLORED_KEY_1は、色つきファンクションキー1、キーVK_COLORED_KEY_2は、色つきファンクションキー2、キーVK_COLORED_KEY_3は、色つきファンクションキー3、キーVK_COLORED_KEY_4は、色つきファンクションキー4、キーVK_COLORED_KEY_5は、色つきファンクションキー5、キーVK_COLORED_KEY_6は、色つきファンクションキー6にそれぞれ対応する機能を提供する。
上述の図9に示したキー入力と図10に示したキー入力とでは役割が異なるため、通知先をネイティブ実装プラットフォーム301で振り分ける必要がある。上述したように、図9に示されるキー入力により、ビデオ、オーディオおよび字幕の再生に関する指示がなされる。ネイティブ実装プラットフォーム301は、ユーザ入力310として図9に示されるキー入力を受け取ると、受け取ったキー入力を、図11に示すコマンドに変換してムービープレーヤ300に通知する。
一方、図10に示されるキー入力は、GUIに対するユーザ入力310であるので、このユーザ入力は、画面構成やボタンを配置するスクリプトレイヤ302に通知されて処理される必要がある。ネイティブ実装プラットフォーム301は、ユーザ入力310として図10に示されるキー入力を受け取ると、図2におけるイベント314に変換してスクリプトレイヤ302に通知する。図12は、このキー入力に対応する一例のイベント314を示す。
なお、上述した図9および図10には、キーVK_ANGLE、キーVK_SUBTITLE、キーVK_AUDIOという、ストリーム切り替えに関するキー入力も含まれているが、これらは、スクリプトプログラムからムービープレーヤ300に対するストリーム切り替えのメソッドと同様の機能を実現するためのキー入力である。
上述した図11のコマンドについて、より詳細に説明する。コマンドuo_timeSearch(playListTime)は、再生中のプレイリストの指定時刻からの再生を指示する。引数playListTimeは、プレイリストの先頭を0としたときの時刻を表す。このコマンドでは、プレイリスト番号の指定はできないため、引数playListTimeで表される時刻は、現在再生中のプレイリストの範囲内での指定時刻となる。コマンドuo_play()は、1倍速での再生開始を指示する。開始位置は、リジュームインフォメーション324に基づき決められる。リジュームインフォメーション324に対応する情報が無い場合は、このユーザ操作は無効とされる。このコマンドは、プレイリスト番号の指定の無いメソッドplay()を実行したときに対応する。また、このコマンドにおいて、ユーザ操作ではプレイリスト番号を指定できない。
コマンドuo_playChapter(chapterNumber)は、再生中のプレイリストの、引数chapterNumberで指定されたチャプタからの再生開始を指示する。チャプタの指定がない場合には、現在再生中のチャプタの先頭からの再生開始を指示する。これは、チャプタ番号の指定の無いメソッドplayChapter()に対応する。コマンドuo_playPrevChapter()は、現在よりも一つ前のチャプタからの再生開始を指示する。コマンドuo_playNextChapter()は、現在の次のチャプタからの再生開始を指示する。コマンドuo_stop()は、再生の停止を指示する。
コマンドuo_jumpToEnd()は、プレイリストの最後へのジャンプを指示する。このコマンドは、ムービープレーヤ300に対して、現在の再生を中止してイベントplayListEndを発生させるように指示するユーザ操作に対応する。このコマンドに対応して、スクリプトレイヤ302では、イベントハンドラonPlayListEndが実行される。コマンドuo_forwardScan(speed)は、引数speedで指定された再生速度での順方向再生を指示する。コマンドuo_backwardScan(speed)は、引数speedで指定された再生速度での逆方向再生を指示する。これらコマンドuo_forwardScan(speed)およびコマンドuo_backwardScan(speed)における引数speedは、UMDビデオプレーヤの実装に依存する。
コマンドuo_playStep(forward)は、順方向のコマ送り再生を指示する。コマンドuo_playStep(backward)は、逆方向のコマ送り再生を指示する。コマンドuo_pauseOn()は、ユーザ操作に基づき再生の一時停止を指示する。コマンドuo_pauseOff()は、ユーザ操作に基づき再生の一時停止状態を解除する。
コマンドuo_changeAudioChannel(value)は、オーディオのチャンネル切り換えまたはデュアルモノ再生時の片チャンネル切り替えを指示する。このコマンドの実行時に、フラグaudioFlagの値も対応した内容に変更する。コマンドuo_setAudioEnabled(boolean)は、オーディオストリームのON/OFFを指定する。このコマンドの実行時に、フラグaudioFlagの値も対応した内容に変更する。コマンドuo_setSubtitleEnabled(boolean)は、字幕ストリームのON/OFFを指定する。このコマンドの実行時に、フラグsubtitleFlagの値も対応した内容に変更する。コマンドuo_angleChange()は、表示アングルの変更を指示する。このコマンドによるユーザ操作がムービープレーヤ300に伝えられると、ムービープレーヤ300は、スクリプトレイヤ302に対してイベントangleChangeを通知する。コマンドuo_audioChange(audioStreamNumber)は、再生するオーディオストリームの変更を指示する。コマンドuo_subtitleChange(subtitleStreamNumber)は、再生する字幕ストリームの変更を指示する。
上述した図12に示すイベントおよびイベントのムービープレーヤ300のメソッドとの関係について、より詳細に説明する。イベントmenuは、メニューにジャンプする。このイベントは、ムービープレーヤ300に対してではなく、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に通知される。このイベントmenuがスクリプトレイヤ302に受け取られると、スクリプトレイヤ302は、イベントハンドラonMenuを実行する。イベントexitは、ネイティブ実装プラットフォーム301がUMDビデオアプリケーションを終了させる際に、ネイティブ実装プラットフォーム301から発せられるイベントである。このイベントexitがスクリプトレイヤ302に受け取られると、スクリプトレイヤ302は、イベントハンドラonExitを実行する。
イベントup、イベントdown、イベントleft、イベントright、イベントfocusIn、イベントfocusOut、イベントpushおよびイベントcancelは、画面に表示されているGUI部品であるボタン画像にフォーカスが当たっている場合に発生するイベントである。このイベントは、ムービープレーヤ300に対してではなく、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に通知される。なお、ボタン画像にフォーカスが当たった場合とは、例えば、画面上の位置を指示するためのカーソルがボタン画像の表示座標を示し、当該ボタン画像が選択可能となっているような状態である。イベントup、イベントdown、イベントleftおよびイベントrightは、ボタン画像に対するフォーカスが、それぞれ上、下、左および右のボタン画像に移動した場合に発生する。イベントfocusInは、あるボタン画像にフォーカスが当たった場合に発生し、イベントfocusOutは、フォーカスの当たっていたボタン画像からフォーカスが外れた場合に発生する。また、イベントpushは、フォーカスの当たっているボタン画像に対して押下操作が行われた際に発生する。イベントcancelは、ボタン画像の押下操作に対してキャンセル操作が行われた際に発生する。
イベントautoPlayおよびイベントcontinuePlayは、スクリプトレイヤ302におけるスクリプトの実行開始を指示するイベントである。イベントautoPlayは、ディスクの装填時に自動的にスクリプトの実行を開始するように指示するイベントである。イベントcontinuePlayは、ディスク装填時に、例えばリジュームインフォメーション324に基づき、以前中止された時点からのスクリプトの実行再開を指示する。
図12で示したイベントに対しては、イベントが発生したときに実行されるプログラムが存在する。このイベントに対応したプログラムをイベントハンドラと称する。イベントとイベントハンドラとは、例えば名前で対応関係をつけることができる。一例として、イベント名の先頭に「on」を付加したものがイベントハンドラ名となる。図13および図14は、一例のイベントハンドラを示す。イベントハンドラの内容をコンテンツ制作者が記述することにより、UMDビデオプレーヤにコンテンツ制作者が意図する様々な動作を実行させることが可能になる。
図13は、ムービープレーヤオブジェクト300が持つ一例のイベントの一部と、対応するイベントハンドラとを示す。この図13のイベントは、上述した図2のイベント312に対応し、ムービープレーヤ300からスクリプトレイヤ302に通知される。イベントハンドラは、一種のインターフェイスであって、その内容は、例えばコンテンツ制作者がスクリプト言語を用いて実装する。イベントハンドラをこのように構成することで、イベント発生時に、コンテンツ制作者の意図する動作を実現することができる。
イベントmarkおよびイベントハンドラonMark()は、イベントマークが検出された際に実行される。イベントマークは、例えば、プレイリスト中に埋め込まれ、プレイリストの再生中にムービープレーヤ300により検出される。ムービープレーヤ300によりイベントマークが検出されると、ムービープレーヤ300からスクリプトレイヤ302に対してイベントmarkが通知される。スクリプトレイヤ302は、このイベントmarkに対応するイベントハンドラonMark()を実行する。同様にして、イベントpalyListEndおよびイベントハンドラonPlayListEnd()は、プレイリストが終了した際に実行される。イベントchapterおよびイベントハンドラonChapter()は、チャプタマーク検出時に実行される。チャプタマークは、例えば、プレイリスト中に埋め込まれ、プレイリストの再生中にムービープレーヤ300により検出される。
イベントangleChangeおよびイベントハンドラonAngleChange()は、ユーザ操作によりアングル変更が指示されたときに実行される。例えば、ユーザ操作に応じてキー入力VK_ANGLEがユーザ入力310としてネイティブ実装プラットフォーム301に入力されると、ネイティブ実装プラットフォーム301は、当該ユーザ入力310をコマンドuo_angleChange()に変換してムービープレーヤ300に渡す。ムービープレーヤ300は、このコマンドuo_angleChange()に応じてイベントangleChangeを発生させ、スクリプトレイヤ302に渡す。スクリプトレイヤ302は、このイベントangleChangeに対応したイベントハンドラonAngleChange()を実行する。同様にして、イベントaudioChangeおよびイベントハンドラonAudioChange()は、ユーザ操作によりオーディオの変更が指示されたときに実行される。イベントsubtitleChangeおよびイベントハンドラonSubtitleChange()は、ユーザ操作により字幕変更が指示されたときに実行される。
図14は、システムオブジェクトが有する一例のイベントハンドラの一部を示す。この図14に示されるイベントハンドラは、ネイティブ実装プラットフォーム301が予め持っているイベントハンドラであり、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に通知される。
イベントmenuおよびイベントハンドラonMenu()は、メニューにジャンプする。イベントmenuは、例えば、ユーザ操作などでメニューキーが押下されたときに、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に通知されるイベントである。スクリプトレイヤ302は、このイベントを受けて、対応するイベントハンドラonMenu()を実行し、イベントハンドラonMenu()内でメニュー画面を構成するGUI部品の配置や表示などを行う。イベントexitおよびイベントハンドラonExit()は、ネイティブ実装プラットフォーム301がUMDビデオアプリケーションを終了させる際に、ネイティブ実装プラットフォーム301から発せられるイベントおよび対応するイベントハンドラである。
イベントexitは、例えば、ユーザ操作などによりUMDビデオプレーヤの動作の終了が指示された際に、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に通知される。スクリプトレイヤ302のスクリプトは、通知されたイベントexitを受けて、イベントハンドラonExit()内で終了処理を行うことができる。イベントautoPlayおよびイベントハンドラonAutoPlay()、ならびに、イベントcontinuePlayおよびイベントハンドラonContinuePlay()は、それぞれスクリプトの実行を開始する。
なお、システムオブジェクトのイベントハンドラ以外に、ボタンに関するイベントハンドラがある。このボタンに関するイベントハンドラは、この発明と関連性が低いので、説明を省略する。
図15のフローチャートを用いて、ユーザ入力イベントをきっかけとして、用意されたプログラムが実行される一例の処理について、概略的に説明する。図15は、UMDビデオプレーヤにおいてディスクを通常再生中に、ユーザにより、次のチャプタを再生することを指示するための"next"キーが押されたときに、このキー入力に対応して、次のチャプタにジャンプして再生を開始すると共に、用意されたメッセージを画面上に表示する例である。
例えば、UMDビデオプレーヤによりディスクを通常再生中に、ユーザがUMDビデオプレーヤのリモートコントロールコマンダを用いてキー"next"を押下すると(ステップS10)、ネイティブ実装プラットフォーム301に対するユーザ入力310として、キーVK_NEXTが渡される。ネイティブ実装プラットフォーム301では、このユーザ入力310に対応してユーザコマンドuo_playNextChapter()が発生する(ステップS11)。このユーザコマンドuo_playNextChapter()は、ムービープレーヤ300に通知される。
このコマンドuo_playNextChapter()を受け取ったムービープレーヤ300は、データベース320を検索し、プレイリスト情報から現在再生している位置を基準として、次のチャプタマークの位置を取得する(ステップS12)。ステップS13で、次のチャプタマークが存在するか否かが判断され、若し、存在しないと判断された場合、チャプタジャンプを行わず、現在の再生が継続される。
一方、ステップS13で、次のチャプタマークが存在すると判断されれば、処理はステップS14に移行する。ステップS14では、ムービープレーヤ300は、現在の再生を中止し、次のチャプタマークが指し示す、クリップAVストリームファイル内でのバイト位置を、データベース320のクリップインフォメーションファイルの特徴点情報から取得する。そして、ステップS15で、取得されたファイル内バイト位置にアクセスし、その位置からストリームの読み込みを開始して再生を開始する。
ステップS16以下は、チャプタが切り替わったことを知らせるメッセージを画面上に表示するための一連の手順である。チャプタが切り替わりチャプタの先頭からの再生が開始されると、チャプタイベントが発生する(ステップS16)。例えば、チャプタの先頭に設けられたチャプタマークがムービープレーヤ300に検出され、イベントchapterが発生される。このチャプタイベントは、ムービープレーヤ300からスクリプトレイヤ302に通知される。ムービープレーヤ300は、このイベントの通知時に、ジャンプするチャプタのチャプタ番号も共に、スクリプトレイヤ302に対して通知する。スクリプトレイヤ302は、通知されたイベントに対応するイベントハンドラ、例えばイベントハンドラonChapter()の実行を開始する(ステップS17)。
この例では、イベントハンドラ内には、チャプタが切り替わった際に画面上にその旨を知らせるメッセージを表示する動作が記述されているものとする。スクリプトレイヤ302のスクリプトは、このイベントハンドラを実行し、イベント発生時にムービープレーヤ300から通知されたジャンプ先のチャプタ番号を取得し(ステップS18)、ネイティブ実装プラットフォーム301に対して、例えば取得したチャプタ番号のチャプタの先頭であるなど、所定のメッセージを画面上に表示する指示を出す。ネイティブ実装プラットフォーム301は、この指示に応じて、画面上にメッセージを表示し(ステップS19)、イベントハンドラによる処理が終了される(ステップS20)。
上述のような処理により、ユーザが次のチャプタの再生開始を指示するキー"next"を操作することによりチャプタジャンプが行われ、ジャンプ先である次のチャプタの再生開始時にチャプタの先頭であることを示すメッセージが画面上に表示されることになる。
このように、ユーザ入力イベントは、ムービープレーヤ300の状態を変化させ、また、新たなイベントを発生させる契機ともなり、新たに発生したイベントを利用して様々な処理を行わせることができる。
図16は、UMDビデオプレーヤにディスクがロードされてからイジェクトされるまでの処理を概略的に示す。なお、図16中、斜線を付したブロックで記述された処理は、スクリプトが実行されている状態を示す。
先ず、ユーザによりUMDビデオプレーヤにディスクが装填されると、UMDビデオプレーヤは、所定の動作によりディスクをロードし、再生可能な状態にする(ステップS30)。ディスクがロードされると、ネイティブ実装プラットフォーム301によりリジュームインフォメーション324が参照され、当該ディスクに対応する続き再生情報がロードされる(ステップS31)。
次に、当該ディスクに対応するリジュームインフォメーション324内が参照され、続き再生情報が存在するか否かが判断され(ステップS32)、存在すれば、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤに対してイベントcontinuePlayが通知される。スクリプトレイヤ302は、通知されたイベントcontinuePlayに対応するイベントハンドラonContinuePlayを実行する(ステップS33)。ステップS32で、当該ディスクに対応する続き再生情報が存在しないと判断されれば、処理はステップS34に移行し、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に対してイベントautoPlayが通知され、スクリプトレイヤ302は、対応するイベントハンドラonAutoPlayを実行させる。
ステップS35では、イベントハンドラonAutoPlayやイベントハンドラonContinuePlayの記述内容に基づきディスクの再生動作などが行われ、ディスクの再生動作に伴い発生されたイベントや、当該イベントに対応するイベントハンドラが実行される。
ここで、ネイティブ実装プラットフォーム301からイベントexitが発生されると、ステップS36で、スクリプトレイヤ302において対応するイベントハンドラonExitが実行され、UMDビデオアプリケーションを終了させるための処理が実行される。イベントexitは、例えばリモートコントロールコマンダに対する所定の操作に応じたユーザ入力310に基づき、ネイティブ実装プラットフォーム301で発生される。
イベントハンドラonExitに基づくスクリプト処理が終了すると、ネイティブ実装プラットフォーム301に処理が移る。そして、ステップS37で、ムービープレーヤ300において、再生動作を停止する処理が実行される。このとき、停止された直前の状態が続き再生情報としてリジュームインフォメーション324に記憶される。そして、ディスクの再生が終了され(ステップS38)、同じディスクを再び再生しない際には(ステップS39)、ステップS40で、ネイティブ実装プラットフォーム301によりディスクがイジェクトされ、一連の処理が終了される。また、同じディスクを再び再生する際には、処理はステップS31に戻される。
図17は、スクリプトファイルの構成例を示す。図1を用いて既に説明したように、スクリプトファイルは、スクリプトレイヤ302を構成するファイル"SCRIPT.DAT"内のファイルとして存在する。スクリプトファイルは、イベントハンドラ群とメイン処理部とからなる。イベントハンドラ群は、1または複数のイベントハンドラが並べられる。イベントの発生がスクリプトレイヤ302に通知される毎に、通知されたイベントに対応したイベントハンドラが検索され、実行される。メイン処理部は、例えば各イベントハンドラに共通して用いられるグローバル変数などの定義が記述され、通常、最初に1回だけ実行される。
図18は、イベントハンドラonAutoPlay()を実行する一例の手順を示す。UMDビデオプレーヤにディスクを装填する際に、ユーザにより、始めから再生を行うように、ムービープレーヤ300に対して再生指示がなされた場合(ステップS50)に、この処理が行われる。ネイティブ実装プラットフォーム301は、ステップS51で、スクリプト中にイベントハンドラonAutoPlay()が存在するか否かが調べられる。若し、存在すれば、ネイティブ実装プラットフォーム301は、イベントautoPlayをスクリプトレイヤ302に対して通知する(ステップS52)。これを受けて、ステップS54で、スクリプトレイヤ302は、イベントハンドラonAutoPlay()を実行する。これにより、装填されたディスクが自動的に再生開始される。
一方、ステップS51で、スクリプト中にイベントハンドラonAutoPlay()が存在しないとされれば、処理はステップS53に移行し、ネイティブ実装プラットフォーム301は、イベントexitをスクリプトレイヤ302に対して通知する。この場合、例えば、メニューキーなどを操作して、ネイティブ実装プラットフォーム301に実装されているメニュー画面から再生指示を与えることで、ディスクの再生を開始することができる。スクリプトレイヤ302がイベントハンドラonExit()を持っている場合、このイベントハンドラonExit()が実行される。
図19は、イベントハンドラonContinuePlay()を実行する一例の手順を示す。UMDビデオプレーヤにディスクを装填する際に、ユーザにより、続き再生を行うように、ムービープレーヤ300に対して再生指示がなされた場合(ステップS60)に、この処理が行われる。ネイティブ実装プラットフォーム301は、ステップS61で、装填されたディスクに対応するリジュームインフォメーション324が存在するか否かが調べられる。若し、存在しなければ、処理はステップS62に移行し、先頭からの再生となる。
装填されたディスクに対応するリジュームインフォメーション324が存在する場合には、処理はステップS63に移行し、スクリプト中にイベントハンドラonContinuePlay()が存在するか否かが調べられる。若し、存在すれば、ネイティブ実装プラットフォーム301は、イベントcontinuePlayをスクリプトレイヤ302に対して通知する。これを受けて、スクリプトレイヤ302は、イベントハンドラonContinuePlay()を実行する(ステップS64)。これにより、装填されたディスクが、イベントハンドラonContinuePlay()に従い再生が再開される。
一方、ステップS63で、スクリプト中にイベントハンドラonContinuePlay()が存在しないとされれば、処理はステップS65に移行し、デフォルトのイベントハンドラonContinuePlay()が実行される。デフォルトのイベントハンドラonContinuePlay()は、例えば、リジュームインフォメーション324の情報に基づき前回の再生終了位置から、単純に再生を開始する。
なお、これらの、イベントハンドラonAutoPlayおよびイベントハンドラonContinuePlayによるユーザインターフェイスは、上述の例に限られず、様々な方法が考えられる。例えば、上述の図19においては、ステップS60でユーザにより続き再生が指示されてから、装填されたディスクに対応するリジュームインフォメーション324が存在するか否かを調べているが、これは、順序を逆にし、リジュームインフォメーション324が存在するか否かを先に調べ、存在する場合に、続き再生を行うか否かの選択をユーザに促してもよい。
図20は、再生終了時の一例の処理を示す。ディスクの再生中に、例えばユーザにより、ムービープレーヤ300に対して再生を終了する指示がなされた場合(ステップS70)に、この処理が行われる。再生終了を指示するユーザ入力310がネイティブ実装プラットフォーム301に対して入力されると、ネイティブ実装プラットフォーム301は、終了処理を開始する(ステップS71)。終了処理は、例えば下記の3つの処理である。
(1)新たなイベント発生の抑止
(2)キューに溜まったイベントハンドラの破棄
(3)ムービープレーヤ300に対する制御コマンドuo_stop()の発行
ステップS71の処理が実行され、現在実行されているイベントハンドラが終了すると(ステップS72)、次のステップS73で、ネイティブ実装プラットフォーム301からスクリプトレイヤ302に対して、イベントexitが通知される。スクリプトレイヤ302は、これを受けて、スクリプトレイヤ302は、イベントハンドラonExit()を実行する(ステップS74)。イベントハンドラonExit()により、例えば、再生終了時の所定の後処理や、ユーザによる設定データを記憶するメソッドsetUserDataなどが実行される。
そして、次のステップS75で、ネイティブ実装プラットフォーム301により、終了処理がなされる。この終了処理では、例えば、不揮発性メモリに対する続き情報の保存(すなわち、再生終了直前の状態のリジュームインフォメーション324に対するバックアップ)や、システムメニューへの遷移などが行われる。
以上のようなプレーヤモデルにより、ビデオ、オーディオおよび字幕の再生が可能となる。また、コンテンツ制作者が予め設定しておいた、再生中のある時刻にあるイベントを発生させて、コンテンツ制作者が予め用意しておいたイベントハンドラを実行するようにしているため、コンテンツ制作者が意図する動作を実現できる。さらに、UMDビデオプレーヤによるディスクの再生中にユーザ操作があった場合は、ネイティブ実装プラットフォーム301からムービープレーヤ300に対して、ユーザ操作に応じたコマンドが通知され、ユーザの意図する通りにプレーヤの状態を変化させることができる。さらにまた、ユーザ操作によるユーザ入力を受けたネイティブ実装プラットフォームが、スクリプトレイヤ302に対してユーザ入力に対応するイベントを通知することにより、ユーザ操作に応じてコンテンツ制作者が用意した動作を実現することが可能となる。このようにプレーヤモデルを構築することで、ビデオ、オーディオおよび字幕の再生と、インタラクティブな操作とをユーザに提供することが可能となる。
5.スクリプトプログラムの例
次に、スクリプトレイヤ302のスクリプトプログラムの例について説明する。先ず、図21に示されるようなコンテンツ再生の流れが、コンテンツ制作者により作られているものとする。図21に示されるコンテンツは、表示される要素としては、プレイリスト400および401、トップメニュー402、ならびに、メッセージ403から構成される。プレイリスト400は、ディスクが装填されると自動的に表示される警告文画面を表示するためのものである。プレイリスト401は、例えばこのコンテンツの主眼である映画の本編である。トップメニュー画面402は、プレイリスト401の再生を指示できるように、ボタンなどのGUI部品が配置される。また、メッセージ403は、プレイリスト401の再生中の任意の時刻に表示される。
さらに、この図21の構成では、幾つかのイベントハンドラが用意されている。イベントハンドラonAutoPlay()は、ディスクがUMDプレーヤに装填されると、プレイリスト400を自動的に再生し、警告文を表示させる。イベントハンドラonPlayListEnd()は、プレイリストの再生が終了すると呼び出されるイベントハンドラで、この図21の例では、プレイリスト400やプレイリスト401の終了で呼び出される。すなわち、イベントハンドラonPlayListEnd()は、どのプレイリストが終了したかを判定し、プレイリスト400の再生が終了した場合には、プレイリスト401の再生開始を指示する。また、プレイリスト401の再生が終了した場合には、トップメニュー画面402を呼び出す。
イベントハンドラonMenu()は、ユーザがメニューキーを操作したときに呼び出され、トップメニュー402を呼び出して画面に表示する。イベントハンドラonMark()は、再生中にマークMarkが指し示す時刻に到達したときに実行される。この図21の例では、プレイリスト401に対してマークMarkが設定されており、プレイリスト401の再生がマークMarkの指し示す時刻に到達すると、画面上にメッセージ403が表示されるようになっている。
すなわち、図21の例では、UMDビデオプレーヤにディスクが装填されると、イベントハンドラonAutoPlayが呼び出されてプレイリスト400が再生され、警告画面が表示される。プレイリスト400の再生時間が経過し、プレイリスト400の最後に到達すると、イベントハンドラonPlayListEndが呼び出され、プレイリスト400が最後まで再生されたことが判定され、次のプレイリスト401が再生される。ここで、プレイリスト401の再生中に、ユーザによりメニューキーが操作されると、イベントハンドラonMenuが呼び出され、トップメニュー画面402が表示される。また、イベントハンドラonMenuにより、トップメニュー画面402に対する所定の操作に応じて、プレイリスト401の先頭から再生が開始される。さらに、プレイリスト401の再生時刻がマークMarkが指し示す時刻に到達したら、イベントハンドラonMarkが呼び出され、メッセージ403が画面上に表示される。プレイリスト401が最後まで再生されると、イベントハンドラonPlayListEndが呼び出され、プレイリスト401が最後まで再生されたことが判定され、トップメニュー画面402が表示される。
図22は、この図21に示すような動作を実現するための一例のスクリプトプログラムを示す。上述したように、スクリプトプログラムは、イベントハンドラが並べられ、イベントの発生に応じて対応するイベントハンドラが実行されるようになっている。スクリプトプログラムは、後述するファイル"SCRIPT.DAT"に格納される。
ムービープレーヤ300に対してプレイリストの再生を指示するメソッドは、「movieplayer.play()」である。括弧内には、引数として、再生するプレイリストの番号を記述する。プレイリストの再生が終了すると、イベントplayListEndが発生する。このイベントplayListEndが発生すると、スクリプトからイベントハンドラmovieplayer.onPlayListEnd()が呼び出される。このとき、スクリプトには、イベントplayListEndと共に、オブジェクトevent_infoが渡される。オブジェクトevent_infoには、どのプレイリストが終了したかを表すプレイリスト番号などが格納される。スクリプトでは、このオブジェクトevent_infoの内容により、次の動作を変えることができる。
6.ファイルの管理構造について
次に、UMDビデオ規格に適用されるファイルの管理構造について、図23を用いて説明する。ファイルは、ディレクトリ構造により階層的に管理されて、ディスク上に記録される。ディスクのファイルシステムは、ISO(International Organization for Standarization)−9660あるいはUDF(Universal Disk Format)などで規定されたファイルシステムを適用することができる。
ルートディレクトリの下に、ファイル"TITLEID.DAT"およびディレクトリ"VIDEO"が置かれる。ディレクトリ"VIDEO"の下には、さらに、ディレクトリ"RESOURCE"、ディレクトリ"CLIP"およびディレクトリ"STREAM"、ならびに、ファイル"PLAYLIST.DAT"が置かれる。
ファイル"TITLEID.DAT"は、タイトル(コンテンツの種類)毎に異なるタイトル識別子が格納されるファイルである。1つのディスクに対し、1つのファイル"TITLEID.DAT"を有する。
ディレクトリ"RESOURCE"の下には、ファイル"SCRIPT.DAT"が置かれる。このファイル"SCRIPT.DAT"は、上述したように、スクリプトレイヤ302を構成するスクリプトプログラムが格納される。ディレクトリ"RESOURCE"の下には、通常、1個のファイル"SCRIPT.DAT"が置かれる。これに限らず、ディレクトリ"RESOURCE"の下に、複数のファイル"SCRIPT.DAT"を置くこともできる。このときは、例えばファイル名の一部をそれぞれ変更し、互いに重複しないようにする。複数のファイル"SCRIPT.DAT"は、例えば、表示言語の異なる複数のメニューなどを用意する際に、言語毎に1つファイル"SCRIPT.DAT"が用いられる。この場合でも、実際に使用されるファイル"SCRIPT.DAT"は、1つとされる。
ディレクトリ"CLIP"の下には、1以上のクリップインフォメーションファイルが置かれる。クリップインフォメーションファイルは、ファイル名を、デリミタであるピリオドの前が「00001」などの5文字乃至数文字からなる文字列(この例では数字)、ピリオドの後ろの拡張子が「CLP」とされる。拡張子「CLP」により、当該ファイルがクリップインフォメーションファイルであることを識別できる。
ディレクトリ"STREAM"の下には、1以上のクリップAVストリームファイルが置かれる。クリップAVストリームファイルは、ファイル名を、デリミタであるピリオドの前が「00001」などの5文字乃至数文字からなる文字列(この例では数字)、ピリオドの後ろの拡張子が「PS」とされる。拡張子「PS」により、当該ファイルがクリップAVストリームファイルであることを識別できる。この実施の一形態では、クリップAVストリームファイルは、ビデオストリーム、オーディオストリームおよびサブタイトル(字幕)ストリームが多重化され、MPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)のプログラムストリームとして、上述の拡張子「PS」で識別されるファイルに格納される。
上述したように、クリップAVストリームファイルは、ビデオデータおよびオーディオデータを圧縮符号化および時分割多重して得られるファイルであって、このファイルを読み込み、デコード処理を行うことで、ビデオデータおよびオーディオデータが得られる。また、クリップインフォメーションファイルは、このクリップAVストリームファイルの性質などが記述されるファイルであって、クリップAVストリームファイルと対応する。この実施の一形態では、クリップインフォメーションファイルと対応するクリップAVストリームファイルとで、ファイル名における、拡張子の前の、5文字乃至数文字からなる文字列を一致させておくことで、両者の対応関係を容易に把握できる。
ファイル"SCRIPT.DAT"は、上述したように、スクリプトプログラムが記述されたスクリプトファイルであり、この実施の一形態が適用されるディスクの再生形態をインタラクティブなものとするために用いるプログラムが格納されている。ファイル"SCRIPT.DAT"は、ディスクに格納される他のファイルに先立って読み出される。
ファイル"PLAYLIST.DAT"は、クリップAVストリームの再生順を指定するプレイリストが記述されたプレイリストファイルである。図24〜図26を用いて、ファイル"PLAYLIST.DAT"の内部構造について説明する。図24は、ファイル"PLAYLIST.DAT"の全体構造を表す一例のシンタクスを示す。ここでは、シンタクスをコンピュータ装置などのプログラムの記述言語として用いられるC言語の記述法に基づき示す。これは、他のシンタクスを表す図において、同様である。
フィールドname_lengthは、8ビットのデータ長を有し、このプレイリストファイルに付された名称の長さを示す。フィールドname_stringは、255バイトのデータ長を有し、このプレイリストファイルに付された名称を示す。フィールドname_stringは、その先頭から、フィールドname_lengthが表すバイト長までが、有効な名称として使用される。例えば、フィールドname_lengthが値"10"を持つ場合には、フィールドname_stringの先頭から10バイト分が有効な名称として解釈される。
フィールドnumber_of_PlayListsは、16ビットのデータ長を有し、続けて記述されるブロックPlayList()の個数を示す。次行のforループによりフィールドnumber_of_PlayListsに示される回数分だけ、当該個数のブロックPlayList()が記述される。ブロックPlayList()は、プレイリストそのものである。
ブロックPlayList()の一例の内部構造について説明する。ブロックPlayList()の先頭には、フィールドPlayList_data_lengthが配される。フィールドPlayList_data_lengthは、32ビットのデータ長を有し、当該フィールドPlayList_data_lengthを含むブロックPlayList()のデータ長を示す。続いて、15ビットのデータ長を有するフィールドreserved_for_word_alignmentと、1ビットのデータ長を有するフラグcapture_enable_flag_PlayListとが配される。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ長が1ビットのフラグcapture_enable_flag_PlayListと組み合わせて、ブロックPlayList()内での配置を16ビットの位置に揃えるために用いられる。
フラグcapture_enable_flag_PlayListは、当該capture_enable_flag_PlayListを含むブロックPlayList()に属する動画像の二次利用を許可するか否かを示すフラグである。例えば、このフラグcapture_enable_flag_PlayListの値が"1"であれば、当該PlayList()に属する動画像の、再生機内での2次利用を許可することを示す。
なお、上述では、フラグcapture_enable_flag_PlayListを1ビットのフラグとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、フラグcapture_enable_flag_PlayListを複数ビット構成として、2次利用の段階的な許可を記述するようにしてもよい。一例として、フラグcapture_enable_flag_PlayListを2ビット構成とし、値が"0"の場合には2次利用を完全禁止とし、値が"1"の場合には例えば64画素×64ラインなど、所定の解像度以下に圧縮符号化した場合のみ2次利用を可能とする。また、値が"2"であれば、制限無く2次利用を許可するといった利用が考えられる。これに限らず、2ビット構成のうちビット0が値"1"の場合にはコンテンツ再生アプリケーションでの2次使用を許可し、ビット1が値"1"の場合には同一筐体内の他のアプリケーション(例えば壁紙画像やスクリーンセーバ)での2次使用を許可する。この場合には、ビット0およびビット1の値を組み合わせて用いることができる。
フィールドPlayList_name_lengthは、8ビットのデータ長を有し、このブロックPlayList()に付された名称の長さを示す。フィールドPlayList_name_stringは、255ビットのデータ長を有し、このブロックPlayList()に付された名称を示す。フィールドPlayList_name_stringは、その先頭から、フィールドPlayList_name_stringが表すバイト長までが、有効な名称として使用される。
フィールドnumber_of_PlayItemsは、16ビットのデータ長を有し、続けて記述されるブロックPlayItem()の個数を示す。次行のforループによりフィールドnumber_of_PlayItem2に示される回数分だけ、当該個数のブロックPlayItem()が記述される。ブロックPlayItem()は、プレイアイテムそのものである。
ブロックPlayList()内の各ブロックPlayItem()には、識別情報(ID)が付与される。例えば、ブロックPlayList()内の最初に記述されるブロックPlayItem()は、0番とされ、以降、ブロックPlayItem()の出現順に、1番、2番、・・・と通し番号が付される。この通し番号が各ブロックPlayItem()の識別情報として用いられる。ブロックPlauItem()の個数だけ繰り返されるforループの引数iを、対応するブロックPlayItem()の識別情報として用いることができる。ブロックPlayItem()の次に、ブロックPlayListMark()が配置される。
図25を用いて、ブロックPlayItem()の一例の内部構造について説明する。ブロックPlayItem()の先頭には、フィールドlengthが配される。フィールドlengthは、16ビットのデータ長を有し、当該ブロックPlayItem()の長さを示す。続いて、フィールドClip_Information_file_name_lengthが配される。フィールドClip_Information_file_name_lengthは、16ビットのデータ長を有し、このブロックPlayItem()に対応するクリップインフォメーションファイルの名称の長さを示す。フィールドClip_Information_file_nameは、バイト単位で可変長のデータ長を有し、このブロックPlayItem()に対応するクリップインフォメーションファイルの名称を示す。フィールドClip_Information_file_nameは、その先頭から、フィールドClip_Information_file_name_lengthが表すバイト長までが、有効な名称として使用される。フィールドClip_Information_file_nameでクリップインフォメーションファイルが指定されると、上述したファイル名の対応関係により、当該クリップインフォメーションファイルに対応するクリップAVストリームファイルが特定できる。
フィールドIN_timeおよびフィールドOUT_timeは、それぞれ32ビットのデータ長を有し、ブロックPlayItem()内においてフィールドClip_Information_file_nameで指定したクリップインフォメーションファイルに対応するクリップAVストリームファイルの再生開始位置および再生終了位置を指定する時刻情報である。これらフィールドIN_timeおよびフィールドOUT_timeの情報を用いることで、クリップAVストリームファイルの先頭以外の部分からの再生開始を指定することができる。同様に、クリップAVストリームファイルの後端以外の再生終了を指定することができる。
図26を用いて、ブロックPlayListMark()の一例の内部構造について説明する。ブロックPlayListMark()の先頭には、フィールドlengthが配される。フィールドlengthは、32ビットのデータ長を有し、当該ブロックPlayListMark()の長さを示す。続いて、フィールドnumber_of_PlayList_marksが配される。フィールドフィールドnumber_of_PlayList_marksは、16ビットのデータ長を有し、続くブロックMark()の個数を示す。次行のforループによりフィールドnumber_of_PlayList_marksに示される回数分だけ、当該個数のブロックMark()が記述される。
ブロックMark()の一例の内部構造について説明する。ブロックMark()は、先頭にフィールドmark_typeが配される。フィールドmark_typeは、8ビットのデータ長を有し、当該フィールドmark_typeを含むブロックMark()の種類を示す。この実施の一形態では、図27に一例が示されるように、チャプタマーク、インデックスマークおよびイベントマークの3種類のマークが規定されている。チャプタは、プレイリスト(ブロックPlayList())を分割する頭出し単位であり、インデックスは、チャプタをさらに分割する頭出し単位である。チャプタマークおよびインデックスマークは、それぞれ、これらチャプタ位置およびインデックス位置を時刻情報で示す。イベントマークは、マークイベントを発生させるマークである。
フィールドmark_name_lengthは、8ビットのデータ長を有し、このブロックMark()に付された名称の長さを示す。ブロックMark()の最下行に配されるフィールドmark_name_stringは、このブロックMark()に付された名称を示す。フィールドmark_name_stringは、その先頭から、フィールドmark_name_lengthが表すバイト長までが、有効な名称として使用される。
フィールドref_to_PlayItem_id、フィールドmark_time_stamp、フィールドentry_ES_stream_idおよびフィールドentry_ES_private_stream_idの4要素は、ブロックPlayList()上で定義されるブロックMark()を、クリップAVストリームファイルと対応付ける。すなわち、フィールドref_to_PlayItem_idは、16ビットのデータ長を有し、ブロックPlayItem()の識別情報を示す。これにより、クリップインフォメーションファイルと、クリップAVストリームファイルとが特定される。
フィールドmark_time_stampは、32ビットのデータ長を有し、クリップAVストリームファイル内でのマークの時刻を指定するために用いられる。図28を用いて、概略的に説明する。図28において、プレイリストは、番号0、1および2がそれぞれ指定された3つのプレイアイテム(PlayItem(#0)、PlayItem(#1)およびPlayItem(#2))からなり、プレイリスト上の時刻t0は、番号1のプレイアイテム(PlayItem(#1))に含まれるものとする。また、番号0、1および2の各プレイアイテムは、それぞれ対応するクリップインフォメーションファイルを介してクリップAVストリームファイルのプログラムストリーム(Program Sream)A、BおよびCにそれぞれ対応しているものとする。
このような場合において、プレイリスト上の時刻t0にマークを指定する場合、フィールドref_to_PlayItem_idの値を、時刻t0を含むプレイアイテムを示す"1"とし、さらに、対応するクリップAVストリームファイルB上で時刻t0に相当する時刻を、フィールドmark_time_stampに記述する。
図26の説明に戻り、フィールドmark_time_stampに続けてフィールドentry_ES_stream_idおよびフィールドentry_ES_private_stream_idが配される。フィールドentry_ES_stream_idおよびフィールドentry_ES_private_stream_idは、それぞれ8ビットのデータ長を有し、当該ブロックMark()が特定のエレメンタリストリームに関連付けられている場合に、そのエレメンタリストリームを特定するために用いられる。フィールドentry_ES_stream_idおよびフィールドentry_ES_private_stream_idは、それぞれ該当するエレメンタリストリームが多重化されているパケット(packet())のストリームID(stream_id)と、プライベートパケットヘッダ(private_packet_header())のプライベートストリームID(private_stream_id)を示す。
なお、これらパケット(packet())のストリームID(stream_id)、プライベートパケットヘッダ(private_packet_header())のプライベートストリームID(private_stream_id)は、例えばMPEG2システムのプログラムストリームの規定に基づく。
これらフィールドentry_ES_stream_idおよびフィールドentry_ES_private_stream_idは、例えば、クリップAVストリーム#0とクリップAVストリーム#1とで異なるチャプタ構成である場合などに用いられる。該当するブロックMark()が特定のエレメンタリストリームに関連付けられていない場合には、これら2つのフィールドの値がそれぞれ"0"とされる。
次に、図29〜図33を用いて、クリップインフォメーションファイルの内部構造について説明する。クリップインフォメーションファイル"XXXXX.CLP"は、上述したように、ディレクトリ"STREAM"の下に置かれた、対応するクリップAVストリームファイル"XXXXX.PS"の性質などを記述する。
図29は、クリップAVストリームファイル"XXXXX.CLP"の全体構造を表す一例のシンタクスを示す。クリップAVストリームファイル"XXXXX.CLP"は、先頭に、フィールドpresentation_start_timeおよびフィールドpresentation_end_timeがそれぞれ配される。フィールドpresentation_start_timeおよびフィールドpresentation_end_timeは、それぞれ32ビットのデータ長を有し、対応するクリップAVストリームファイルの先頭と後端の時刻を示す。時刻情報は、MPEG2システムにおけるPTS(Presentation Time Stamp)を用いることができる。PTSは、90kHzの精度を有する。
次に、7ビットのデータ長を有するフィールドreserved_for_word_alignmentと、1ビットのデータ長を有するフラグcapture_enable_flag_Clipとが配される。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ長が1ビットのフラグcapture_enable_flag_Clipと組み合わせて、ファイル"XXXXX.CLP"内での配置を16ビットの位置に揃えるために用いられる。フラグcapture_enable_flag_Clipは、当該ファイル"XXXXX.CLP"に対応するクリップAVストリームファイルに含まれる動画像の2次利用を許可するか否かを示すフラグである。例えば、このフラグcapture_enable_flag_Clipの値が"1"であれば、当該ファイル"XXXXX.CLP"に対応するクリップAVストリームファイルの動画像の、再生機内での2次利用を許可することを示す。
フィールドnumber_of_streamsは、8ビットのデータ長を有し、続くブロックStreamInfo()構造の個数を示す。フィールドnumber_of_streamsの次から、forループによりフィールドnumber_of_streamsで示される回数分だけ、ブロックStreamInfo()が記述される。forループの後には、ブロックEP_map()が配される。
ブロックStreamInfo()の一例の内部構造について説明する。ブロックStreamInfo()の先頭には、フィールドlengthが配される。フィールドlengthは、16ビットのデータ長を有し、当該ブロックStreamInfo()の長さを示す。続いて、それぞれ8ビットのデータ長を有するフィールドstream_idおよびフィールドprivate_stream_idが配され、図30に一例が示されるように、当該ブロックStreamInfo()をエレメンタリストリームに関連付けている。この図30の例では、当該ブロックStreamInfo()は、フィールドstream_idが値"0xE0"〜値"0xEF"でビデオストリームに関連付けられ、値"0xBD"でATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)オーディオストリーム、LPCM(Linear Pulse Code Modulation)オーディオストリームまたは字幕ストリームと関連付けられる。また、当該ブロックStreamInfo()は、フィールドprivate_stream_idが値"0x00"〜値"0x0F"、値"0x10"〜値"0x1F"および値"0x80"〜値"0x9F"で、ATRACオーディオストリーム、LPCMオーディオストリームおよび字幕ストリームにそれぞれ関連付けられる。
なお、図30での値の表記において、「0x」は、後続する数値が16進表記であることを示す。これは、以下の同様な表現において、共通である。
ここで、ブロックStreamInfo()は、大別して、ストリーム中で変化しない情報とストリーム中で変化する情報との2種類の情報が記述されている。ストリーム中で変化しない情報は、ブロックStaticInfo()に記述される。一方、ストリーム中で変化する情報は、変化点を時刻情報で指定して、ブロックDynamicInfo()に記述される。
ブロックStreamInfo()において、ブロックStaticInfo()の後ろにバイト位置を揃えるための、8ビットのデータ長を有するフィールドreserved_for_word_alignmentが配され、その次に、フィールドnumber_of_DynamicInfoが配される。フィールドnumber_of_DynaminInfoは、8ビットのデータ長を有し、ブロックStreamInfo()内にその後に記述されるブロックDynamicInfo()の個数が示される。forループにより、フィールドnumber_of_DynamicInfoで示される回数分だけ、フィールドpts_change_pointおよびブロックDynamicInfo()が記述される。
フィールドpts_change_pointは、32ビットのデータ長を有し、対応するブロックDynamicInfo()の情報が有効になる時刻をPTSにより示す。ストリーム毎に先頭となる時刻も、フィールドpts_change_pointで示され、これは、ファイル"XXXXX.CLP"内で定義される、上述したフィールドpresentation_start_timeと等しくなる。
図31を用いて、ブロックStaticInfo()の一例の内部構造について説明する。ブロックStaticInfo()は、対応するエレメンタリストリームの種類により内容が異なる。対応するエレメンタリストリームの種類は、図30を用いて説明した、フィールドstream_idおよびフィールドprivate_stream_idの値に基づき判断できる。図31では、ブロックStaticInfo()が対応するエレメンタリストリームの種類がビデオストリーム、オーディオストリームおよびサブタイトル(字幕)ストリームの何れであるかを、if構文を用いてそれぞれ記述している。以下、ブロックStaticInfo()について、エレメンタリストリーム毎に説明する。
エレメンタリストリームがビデオストリームであった場合、ブロックStaticInfo()は、それぞれ4ビットのデータ長を有するフィールドpicture_sizeおよびフィールドframe_rate、1ビットのデータ長を有するフラグcc_flagからなる。フィールドpicture_sizeおよびフィールドframe_rateは、当該ビデオストリームの画像のサイズおよびフレーム周波数をそれぞれ示す。フラグcc_flagは、当該ビデオストリームがクローズドキャプションを含むか否かを示す。例えば、フラグcc_flagの値が"1"で、当該ビデオストリームがクローズドキャプションを含む。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ配置を16ビットに揃えるために用いられる。
エレメンタリストリームがオーディオストリームであった場合、ブロックStaticInfo()は、16ビットのデータ長を有するフィールドaudio_language_code、8ビットのデータ長を有するフィールドchannel_configuration、1ビットのデータ長を有するフラグlfe_exsistanceおよび4ビットのデータ長を有するフィールドsampling_frequencyからなる。フィールドaudio_language_codeは、当該オーディオストリームに含まれている言語を表すコードを示す。フィールドchannel_configurationは、モノラル、ステレオ、マルチチャンネルなど、オーディオデータのチャンネル属性を示す。フィールドlfe_existanceは、低域強調チャンネルが含まれているか否かを示し、例えば値が"1"で、含まれていることを示す。フィールドsampling_frequencyは、オーディオデータのサンプリング周波数を示す。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ配置を16ビットに揃えるために用いられる。
エレメンタリストリームがサブタイトル(字幕)ストリームであった場合、ブロックStaticInfo()は、16ビットのデータ長を有するフィールドsubtitle_language_codeおよび1ビットのデータ長を有するフラグconfigurable_flagからなる。フィールドsubtitle_language_codeは、当該字幕ストリームに含まれている言語を表すコードを示す。フラグconfigurable_flagは、当該字幕ストリームを行事する際に、文字の大きさや位置の変更を許可するか否かを示し、例えば値が"1"で、許可することを示す。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ配置を16ビットに揃えるために用いられる。
図32を用いて、ブロックDynamicInfo()の一例の内部構造について説明する。ブロックDynamicInfo()は、先頭に、8ビットのデータ長を有するフィールドreserved_for_word_alignmentが配される。続く内容は、対応するエレメンタリストリームの種類により異なる。対応するエレメンタリストリームの種類は、図30を用いて説明した、フィールドstream_idおよびフィールドprivate_stream_idの値に基づき判断できる。図32では、ブロックDynamicInfo()が対応するエレメンタリストリームの種類がビデオストリーム、オーディオストリームおよびサブタイトル(字幕)ストリームの何れであるかを、if構文を用いてそれぞれ記述している。以下、ブロックDynamicInfo()について、エレメンタリストリーム毎に説明する。
エレメンタリストリームがビデオストリームであった場合、ブロックDynamicInfo()は、4ビットのデータ長を有するフィールドdisplay_aspect_ratioからなる。フィールドdisplay_aspect_ratioは、ビデオの表示出力アスペクト比が16:9か4:3かを示す。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ配置を16ビットに揃えるために用いられる。
エレメンタリストリームがオーディオストリームであった場合、ブロックDynamicInfo()は、4ビットのデータ長を有するフィールドchannel_assignmentからなる。フィールドchannel_assignmentは、当該オーディオストリームが2チャンネルで構成されている場合に、出力がステレオかデュアルモノかを示す。デュアルモノは、例えば2ヶ国語の音声を再生可能とする際に用いられる。フィールドreserved_for_word_alignmentは、データ配置を16ビットに揃えるために用いられる。
エレメンタリストリームが字幕ストリームであった場合、ブロックDynamicInfo()は、データ配置を16ビットに揃えるために用いられる、フィールドreserved_for_word_alignmentで構成される。すなわち、字幕ストリームに関しては、動的に変化する属性が定義されていない。
図33を用いて、ブロックEP_map()の一例の内部構造について説明する。ブロックEP_map()は、エレメンタリストリーム毎に、ビットストリーム内のデコード開始可能位置(エントリポイント)を、時刻情報と位置情報とを用いて表したものである。位置情報は、例えばエレメンタリストリームが記録される記録媒体における、アクセスの最小単位を用いることができる。各エレメンタリストリームは、ブロックEP_map()で示された位置からのデコード処理が可能であるものとする。
固定レートのストリームでは、デコード開始可能位置を計算で求めることができるので、このブロックEP_map()のような情報は、不要である。一方、可変レートのストリームや、MPEG系のビデオの圧縮符号化方式のようにアクセスユニット毎にデータのサイズが変わるようなストリームの場合には、ランダムアクセスを行うために重要な情報となる。
ブロックEP_map()は、先頭に、配置を16ビットに揃えるために、8ビットのデータ長を有するフィールドreserve_for_word_alignmentが配される。続いて、フィールドnumber_of_stream_id_entriesが配される。フィールドnumber_of_stream_id_entriesは、8ビットのデータ長を有し、このブロックEP_map()に記述されているエレメンタリストリームの数を示す。第1のforループにより、フィールドstream_id、フィールドprivate_stream_idおよびフィールドnumber_of_EP_entriesが、フィールドnumber_of_stream_id_entriesで示される回数分だけ、記述される。さらに、第1のforループの1回の記述毎に、第2のforループにより、フィールドnumber_of_EP_entriesで示される回数分だけ、フィールドPTS_EP_startおよびフィールドRPN_EP_startが配される。
第1のforループ内において、最初に、それぞれ8ビットのデータ長を有するフィールドstream_idおよびフィールドprivate_stream_idが配され、図30に一例が示されるようにして、エレメンタリストリームを特定している。次に、配されるフィールドnumber_of_EP_entriesは、32ビットのデータ長を有し、当該エレメンタリストリームに対して記述されているエントリポイントの数を示す。その後、第2のforループにて、フィールドnumber_of_EP_entriesが示す数だけ、フィールドPTS_EP_startおよびフィールドRPN_EP_startがそれぞれ配される。
フィールドPTS_EP_startおよびフィールドRPN_EP_startは、それぞれ32ビットのデータ長を有し、エントリポイント自体を表す。フィールドPTS_EP_startは、エントリポイントのクリップAVストリームファイル内での時刻をPTSで示す。一方、フィールドRPN_EP_startは、エントリポイントのクリップAVストリームファイル内での位置を例えば2048バイト単位で示す。
この実施の一形態においては、ディスク状のアクセス単位である1セクタが2048バイトとされる。そのため、エントリポイントのクリップAVストリームファイル内での位置は、フィールドRPN_EP_startにより、セクタ単位で示されることになる。
ここで、ビデオストリームの再生開始可能位置の直前には、必ず、パケットprivate_stream_2が配される。このパケットprivate_stream_2は、ビデオストリームをデコードするために利用可能な情報が格納されるパケットである。そのため、ビデオストリームのエントリポイントの位置は、当該パケットprivate_stream_2が格納されるパックpack()の位置とされる。
ブロックEP_map()は、上述のようにして、クリップAVストリーム上の時刻と、クリップAVストリームファイル内での位置とを対応付けている。これにより、クリップAVストリームへのアクセスポイントの時刻情報(タイムスタンプ)が与えられたときに、クリップAVストリームファイルの中でデータの読み出しを開始すべきデータアドレスを検索することが容易となり、ディスクのランダムアクセスをスムースに行うことができる。
なお、この実施の一形態では、ブロックEP_map()において、エレメンタリストリーム毎の時刻情報と位置情報との組(第2のforループ内のフィールドPTS_EP_startとフィールドRPN_EP_startとの組)は、フィールドPTS_EP_startおよびRPN_EP_startの両方に対して昇順(または降順)に予め並べて登録するようにしている。換言すれば、時刻情報と位置情報とは、予め所定の方向に並べ替えられている。このため、このままのデータに対して二分検索を実行することが可能である。
なお、この発明の実施の一形態では、ビデオのエレメンタリストリームは、MPEG2−Videoの規格に基づくエレメンタリストリームであるとして説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、ビデオのエレメンタリストリームは、MPEG4−Visualや、MPEG4−AVCによるものでもよい。また、オーディオのエレメンタリストリームは、ATRACオーディオのエレメンタリストリームであるとして説明したが、これもこの例に限らず、例えばMPEG1/2/4オーディオにも適用可能である。
7.ディスク再生装置について
次に、この発明の実施の一形態を適用可能なディスク再生装置について説明する。図34は、この発明を適用可能なディスク再生装置100の一例の構成を概略的に示す。バス111に対して、CPU(Central Processing Unit)112、メモリ113、ドライブインターフェイス114、入力インターフェイス115、ビデオデコーダ116、オーディオデコーダ117、ビデオ入出力インターフェイス118およびオーディオ入出力インターフェイス119がそれぞれ接続される。このディスク再生装置100の各部は、バス111を介してビデオストリーム、オーディオストリーム、各種コマンドやデータなどを互いにやりとりできるようになっている。
ドライブインターフェイス114には、さらに、ディスクドライブ102が接続される。ディスクドライブ102は、ドライブインターフェイス114を介してバス111とデータやコマンドのやりとりを行う。
CPU112は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有し(図示しない)、ROMに予め記憶されたプログラムやデータに従い、バス111を介してこのディスク再生装置100の各部とデータやコマンドのやりとりを行い、このディスク装置100の全体を制御する。RAMは、CPU112のワークメモリとして用いられる。
入力インターフェイス115は、ユーザにより実際に入力操作が行われる入力装置からの入力信号が供給される。入力装置は、例えば、赤外線信号などで遠隔的にディスク再生装置100を操作するリモートコントロールコマンダや、このディスク再生装置100に直接的に設けられたキーなどである。入力インターフェイス115は、これらの入力装置から供給された入力信号を、CPU112に対する制御信号に変換して出力する。
ディスク101は、図23以降で説明したようなフォーマットで以て、プレイリスト、スクリプトプログラム、クリップインフォメーションファイル、クリップAVストリームファイルなどが記録されている。ディスク101がディスクドライブ102に装填されると、自動再生またはユーザの入力操作に従いディスク101が再生される。ディスク101から読み出されたスクリプトファイルやプレイリストファイル、クリップインフォメーションファイルは、CPU112に供給され、例えばCPU112が有するRAMに記憶される。CPU112は、RAMに記憶されたこれらのデータやスクリプトプログラムに基づき、ディスク101からクリップAVストリームファイルを読み出す。
ディスク101から読み出されたクリップAVストリームファイルは、メモリ113に一旦格納される。ビデオデコーダ116は、CPU112の命令に基づき、メモリ113に格納されたクリップAVストリームファイルのビデオストリームや字幕ストリームをデコードする。デコードされたビデオデータや字幕データは、例えばCPU112によりそれぞれ拡大、縮小処理などの画像処理を施されると共に、合成、加算処理を施され、1本のビデオデータとされる。これらの画像処理は、これに限らず、ビデオデコーダ116やビデオ出力インターフェイス118において行うこともできる。このビデオデータは、メモリ113にバッファリングされ、ビデオ出力インターフェイス118に供給される。ビデオ出力インターフェイス118は、例えば、供給されたビデオデータをアナログビデオ信号に変換して、ビデオ出力端子120に導出する。
同様に、オーディオデコーダ117は、CPU112の命令に基づき、メモリ113に格納されたクリップAVストリームファイルのオーディオストリームをデコードする。デコードされたオーディオデータは、メモリ113にバッファリングされ、オーディオ出力インターフェイス119に供給される。オーディオ出力インターフェイス119は、供給されたオーディオデータを、例えばアナログオーディオ信号に変換してオーディオ出力端子121に導出する。
なお、ここでは、図34に示される各部がそれぞれ独立したハードウェアで構成されているように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、ビデオデコーダ116および/またはオーディオデコーダ117は、CPU112上で動作するソフトウェアにより構成することができる。
図35は、図34に示したディスク再生装置100における動作をより詳細に説明するための機能ブロック図である。ディスク再生装置100は、概略的には、オペレーションシステム201と、ビデオコンテンツ再生部210とからなる。ビデオコンテンツ再生部210は、実質的には、オペレーションシステム201上で動作するソフトウェアプログラムである。これに限らず、ビデオコンテンツ再生部210は、ソフトウェアとハードウェアが統合的に動作するものとしてもよい。以下では、ビデオコンテンツ再生部210がソフトウェアであるものとして説明する。なお、図35では、ディスクドライブ102は、省略されている。
オペレーションシステム201は、ディスク再生装置100に電源が投入されるとCPU112において最初に起動し、各部の初期設定など必要な処理を行い、アプリケーションプログラム(ここではビデオコンテンツ再生部210)をROMから呼び出す。オペレーションシステム201は、ビデオコンテンツ再生部210の動作中に、ビデオコンテンツ再生部210に対して、ディスク101からのファイルの読み出しやファイルシステムの解釈といった、基本的なサービスを提供する。例えば、オペレーションシステム201は、ビデオコンテンツ再生部210から渡されたファイル読み出しリクエストに応じて、ドライブインターフェイス114を介してディスクドライブ102を制御し、ディスク101に記録されているデータを読み出す。読み出されたデータは、オペレーションシステム201の制御により、ビデオコンテンツ再生部210に渡される。
また、オペレーションシステム201は、マルチタスク処理機能を備え、複数のソフトウェアモジュールを、例えば時分割制御により見かけ上並列的に制御することができる。すなわち、図35に一例が示される、ビデオコンテンツ再生部210を構成する各モジュールは、オペレーションシステム201のマルチタスク処理機能により、全て、並列的な動作が可能である。
以下、ビデオコンテンツ再生部210の動作について、より具体的に説明する。ビデオコンテンツ再生部210は、内部にさらに幾つかのモジュールを有しており、下記の機能を実現する。
(1)装填されたディスク101がUMDビデオの規格に準じたディスク(以下、UMDビデオディスクと呼ぶ)であるか否かを判断する。
(2)装填されたディスク101がUMDビデオディスクであると判断した場合、ディスク101からスクリプトファイルを読み出して、スクリプト制御モジュール211に渡す。
(3)装填されたディスク101がUMDビデオディスクであると判断した場合、さらに、データベースを構成するファイル(プレイリストファイル、クリップインフォメーションファイルなど)を読み出して、プレーヤ制御モジュール212に渡す。
以下、ビデオコンテンツ再生部210の各モジュールの動作について説明する。
スクリプト制御モジュール211は、スクリプトファイル"SCRIPT.DAT"に記述されているスクリプトプログラムを解釈して実行する。プレーヤモデルの説明で既に述べたように、メニュー画面などの画像の作成および出力や、ユーザ入力に応じたカーソル移動、メニュー画面の変更といったGUIは、スクリプトプログラムによりグラフィクス処理モジュール219を制御することで実現する。また、スクリプト制御モジュール211は、スクリプトプログラムの実行により、プレーヤ制御モジュール212の制御などが可能である。
プレーヤ制御モジュール212は、ディスク101から読み出された、プレイリストファイル"PLAYLIST.DAT"や、クリップインフォメーションファイル"XXXXX.CLP"といったファイルに格納されたデータベース情報を参照して、ディスク101に記録されているビデオコンテンツの再生に関わる、以下のような制御を行う。
(1)プレイリストやクリップインフォメーションといったデータベース情報を解析する。
(2)コンテンツデータ供給モジュール213、デコード制御モジュール214およびバッファ制御モジュール215を制御する。
(3)スクリプト制御モジュール211または入力インターフェイス115からの指示に従い、再生、再生停止、再生一時停止といったプレーヤの状態遷移制御や、ストリーム切り替えなどの再生制御処理を行う。
(4)デコード制御モジュール214から、再生中のビデオストリームについて、時刻情報を取得し、時刻表示やマークイベントの生成などを行う。
コンテンツデータ供給モジュール213は、プレーヤ制御モジュール212の指示に従い、ディスク101からクリップAVストリームファイルといったコンテンツデータを読み出し、バッファ制御モジュール215に渡す。バッファ制御モジュール215は、渡されたコンテンツデータをバッファの実体215Aとしてのメモリ113に溜め込む。コンテンツデータ供給モジュール213は、バッファ制御モジュール215を制御し、ビデオデコーダ制御モジュール216、オーディオデコーダ制御モジュール217および字幕デコーダ制御モジュール218からの要求に従い、メモリ113に溜め込まれたコンテンツデータを、これらのモジュール216、217および218に所定に供給する。また、コンテンツデータ供給モジュール213は、バッファ制御モジュール215により溜め込まれるコンテンツデータの量を所定に制御するように、ディスク101からコンテンツデータの読み込みを行う。
デコード制御モジュール214は、プレーヤ制御モジュール212の指示に従い、ビデオデコーダ制御モジュール216、オーディオデコーダ制御モジュール217および字幕デコーダ制御モジュール218の動作を制御する。また、デコード制御モジュール214は、内部に時計機能を有し、ビデオデータとオーディオデータとが同期的に出力されるように、各デコーダ制御モジュール216、217および218の動作を制御する。
バッファ制御モジュール215は、バッファの実体215Aとして、メモリ113の一部を排他的に用いる。また、バッファ制御モジュール215は、データ先頭ポインタおよびデータ書き込みポインタを記憶する。バッファ制御モジュール215は、さらに、内部モジュールとしてビデオ読み出し機能、オーディオ読み出し機能および字幕読み出し機能を有する。ビデオ読み出し機能の内部には、ビデオ読み出しポインタを有する。また、ビデオ読み出し機能の内部には、アクセスユニット情報である情報au_information()を蓄積するためのレジスタを備える。オーディオ読み出し機能の内部には、オーディオ読み出しポインタを有する。字幕読み出し機能の内部には、字幕読み出しポインタと字幕読み出し機能フラグとを有する。字幕読み出し機能フラグは、書き込む値に応じて字幕読み出し機能の有効/無効を制御する。例えば、字幕読み出し機能フラグに"1"を書き込むと、字幕読み出し機能が有効とされ、"0"を書き込むと、字幕読み出し機能が無効とされる。
バッファ制御モジュール215の内部モジュールであるビデオ読み出し機能、オーディオ読み出し機能および字幕読み出し機能は、さらに、ビデオストリーム、オーディオストリームおよび字幕ストリームが多重化されたクリップAVストリームから、それぞれのストリームを分離するデマルチプレクサ機能を有する。この発明の実施の一形態では、MPEG2システムのプログラムストリームの形式で複数のエレメンタリストリームが時分割多重されて、クリップAVストリームが形成されている。したがって、ビデオ読み出し機能、オーディオ読み出し機能および字幕読み出し機能は、MPEG2システムのプログラムストリームに対するデマルチプレクサ機能を有する。
このため、ビデオ読み出し機能は、ストリーム内に所定に配置されるフィールドstream_id(図30参照)の値を読み取り、保持する。同様に、オーディオ読み出し機能および字幕読み出し機能は、フィールドstream_idおよびフィールドprivate_stream_id(図30参照)の値を読み取り、保持する。これらフィールドstream_idやフィールドprivate_stream_idの値は、供給されたビットストリームを解析する際に用いる。
ビデオデコーダ制御モジュール216は、メモリ113からビデオストリームの単一のビデオアクセスユニットを読み出してビデオデコーダ116に供給するように、バッファ制御モジュール215内のビデオ読み出し機能に対して指示を出す。そして、ビデオデコーダ制御モジュール216は、ビデオデコーダ116を制御して、ビデオデコーダ116に供給されたビデオストリームをアクセスユニット単位でデコードする。ビデオストリームをデコードして生成されたビデオデータは、グラフィクス処理モジュール219に供給される。
同様に、オーディオデコーダ制御モジュール217は、メモリ113からオーディオストリームの単一のオーディオアクセスユニットを読み出してオーディオデコーダ117に供給するように、バッファ制御モジュール215内のオーディオ読み出し機能に対して指示を出す。なお、この実施の一形態では、オーディオストリームを構成するアクセスユニット(オーディオフレーム)は、既知の固定長とする。そして、オーディオデコーダ制御モジュール217は、オーディオデコーダ117を制御して、オーディオデコーダ117に供給されたオーディオストリームをアクセスユニット単位でデコードする。オーディオストリームをデコードして生成されたオーディオデータは、オーディオ出力モジュール242に供給される。
さらに、字幕デコーダ制御モジュール218は、メモリ113から字幕ストリームの単一の字幕アクセスユニットを読み出して字幕デコーダ制御モジュール218に供給するように、バッファ制御モジュール215内の字幕読み出し機能に対して指示を出す。なお、この実施の一形態では、字幕ストリームを構成する字幕アクセスユニットは、ユニットの先頭に当該ユニットの長さ情報が格納されている。字幕デコーダ制御モジュール218は、字幕デコード機能を有し、供給された字幕ストリームをデコードすることができる。字幕デコーダ制御モジュール218の字幕デコード機能により字幕ストリームがデコードされた字幕の画像データは、グラフィクス処理モジュール219に供給される。
グラフィクス処理モジュール219は、上述したように、ビデオデコーダ制御モジュール216の制御に基づきビデオデコーダ116でデコードされたビデオデータと、字幕デコーダ制御モジュール218によりデコードされた字幕の画像データとが供給される。グラフィクス処理モジュール219は、供給されたこれらビデオデータに対して字幕の画像データを所定に加算し、出力するためのビデオ信号を生成する。グラフィクス処理モジュール219では、さらに、スクリプト制御モジュール211やプレーヤ制御モジュール212の指示に従い、メニュー画像やメッセージ画像を生成し、出力ビデオ信号に対して合成(オーバーレイ)する。
例えば、グラフィクス処理モジュール219は、供給された字幕の画像データに対して、スクリプト制御モジュール211からの指示に従い拡大処理や縮小処理を行い、ビデオデータに対して所定に加算する。
また、グラフィクス処理モジュール219は、予め指定された出力ビデオデバイスのアスペクトレシオと、ディスク101から再生されたコンテンツ内で指定された出力アスペクトレシオとに基づき、出力信号のアスペクト変換を行う。例えば、出力ビデオデバイスのアスペクトレシオが16:9である場合、出力アスペクトレシオが16:9であれば、ビデオデータをそのまま出力し、出力アスペクトレシオが4:3であれば、出力されるビデオデータを、画像の高さが出力ビデオデバイスの画面高さに一致するようにスクイーズ(縮小)処理し、画像の左右に黒画像を挿入して出力する。出力ビデオデバイスが4:3である場合には、出力アスペクトレシオが4:3であれば、ビデオデータをそのまま出力し、出力アスペクトレシオが16:9であれば、出力されるビデオデータを、画像の幅が出力ビデオデバイスの画面幅に一致するようにスクイーズ処理し、画像の上下に黒画像を挿入して出力する。
グラフィクス処理モジュール219は、さらに、プレーヤ制御モジュール212からの要求に応じて、現在処理中のビデオ信号をキャプチャし、プレーヤ制御モジュール212に返すような処理も行う。
ビデオ出力モジュール241は、メモリ113の一部を排他的に占有してFIFO(First In First Out)のバッファとして用い、グラフィクス処理モジュール219により処理されたビデオデータをこのバッファに一時的に溜め込み、所定のタイミングで読み出す制御を行う。バッファから読み出されたビデオデータは、ビデオ出力インターフェイス118から出力される。
オーディオ出力モジュール242は、メモリ113の一部を排他的に占有してFIFOのバッファとして用い、オーディオデコーダ119から出力されたオーディオデータをこのバッファに溜め込み、所定のタイミングで読み出す制御を行う。バッファから読み出されたオーディオデータは、オーディオ出力インターフェイス119から出力される。
また、オーディオ出力モジュール242は、コンテンツのオーディオモードがデュアルモノ(例えば2ヶ国語)であった場合、予め指定された音声出力モードに従いオーディオデータを出力する。音声出力モードが「主音声」に指定されている場合、例えばメモリ113において左チャンネルのオーディオデータを右チャンネルにもコピーして、2チャンネルの出力を両方とも左チャンネルのオーディオデータとして出力する。音声出力モードが「副音声」であった場合には、例えばメモリ113において右チャンネルのオーディオデータを左チャンネルにもコピーして、2チャンネルの出力を両方とも右チャンネルのオーディオデータとして出力する。音声出力モードが「主・副音声」である場合や、コンテンツがステレオである場合には、オーディオデータをそのまま出力する。
このような音声出力モードの設定は、ビデオコンテンツ再生部210が生成するメニュー画面などにより、ユーザが対話的に行うことができるようになっている。
不揮発性メモリ制御モジュール250は、プレーヤ制御モジュール212からの指示により、ビデオコンテンツ再生部210が終了しても消去されない領域へのデータの書き込みや、当該領域からのデータの読み出しを行う。タイトル識別ID(Title_ID)をキーとして、データSaved_Player_StatusおよびデータSaved_User_Dataの組を複数件、当該領域に記憶する機能を有する。データSaved_Player_Statusとして、プレーヤ制御モジュール212の持つデータBackup_Player_Statusが記憶される。このデータBackup_Player_Statusは、例えば上述したプレーヤステータス323Bの、プレーヤ制御モジュール212が終了する直前のデータに対応し、データSaved_Player_Statusは、リジュームインフォメーション324に対応する。また、データSaved_User_Dataとして、プレーヤ制御モジュール212が持つデータUser_Dataが記憶される。データUser_Dataは、ユーザによりプレーヤ制御モジュール212に対して設定された所定のデータである。
例えば、ディスク再生装置100が不揮発性のメモリであるフラッシュメモリなどを有する場合、不揮発性メモリ制御モジュール250は、このフラッシュメモリの所定領域にこれらデータSaved_Player_StatusおよびデータSaved_User_Dataの組を、ディスク101のタイトルIDと関連付けて記憶する。不揮発性メモリ制御モジュール250がデータを記憶する記憶媒体は、フラッシュメモリに限らず、例えばハードディスクなどでもよい。
8.ユーザオペレーションの制御について
次に、この発明の実施の一形態によるユーザオペレーション制限について説明する。この発明の実施の一形態では、ユーザオペレーションに対する制限の組み合わせを、モード(ユーザオペレーションマスクモード:UOP mask modeと呼ぶ)として定義する。すなわち、その操作を許可するか否かを示すフラグをユーザオペレーション毎に設けるのではなく、頻繁に使用されると考えられるユーザオペレーションのセットを予めプレーヤ側で用意しておき、コンテンツ制作者側では、用意されたモードを選択することで、ユーザオペレーションに対する制限を実現する。
ユーザオペレーションマスクモードの情報は、プレイリストのシンタクスにおいてフィールドUOP_mask_modeとして定義し、プレイリスト毎に持つものとする。このユーザオペレーションマスクモード情報は、プレイリストの階層でのみ持ち、複数の階層で持つことはしない。
これによれば、ユーザオペレーションに対する制限の組み合わせは、ユーザオペレーションマスクモードとして、プレーヤ側に実装されてコンテンツ制作者側に提供される。そのため、コンテンツ制作者側による動作検証の負担が軽減される。
また、コンテンツ制作者がユーザオペレーションの制限を行いたい場合、予め用意されたユーザオペレーションマスクモードを選択するだけでよいため、ユーザオペレーションをより容易に制御することができる。そのため、コンテンツ制作者側の制作および検証の負担が軽減されると共に、プレーヤ側の実装時の検証の負担も軽減される。
以下、この発明の実施の一形態におけるユーザオペレーション制限について、より詳細に説明する。図36は、この発明の実施の一形態によるファイル"PLAYLIST.DAT"の一例のシンタクスを示す。図36に一例が示されるように、この実施の一形態では、図24を用いて既に説明したUMDビデオ規格によるファイル"PLAYLIST.DAT"に対して、フィールドUOP_mask_modeが追加されている。図36の例では、フィールドUOP_mask_modeは、図24のファイル"PLAYLIST.DAT"におけるフィールドPlayList_data_lengthの後のフィールドreserve_for_word_alignmentと、フィールドcapture_enable_flag_PlayListの間に追加されている。したがって、フィールドUOP_mask_modeは、ファイル"PLAYLIST.DAT"に含まれるプレイリスト毎に記述される。
なお、このフィールドUOP_mask_modeの位置は一例であって、この例に限定されるものではない。
図3を用いて既に説明したように、ムービープレーヤ300は、ディスク101の再生開始時にファイル"PLAYLIST.DAT"を読み込み、このディスク101の再生中は、読み込んだプレイリストの情報を内部のメモリに保持している。したがって、フィールドUOP_masu_modeの情報も、該当するプレイリストを再生中は、メモリに保持されている。
フィールドUOP_mask_modeは、4ビットのデータ長を有し、このファイル"PLAYLIST.DAT"に含まれるプレイリスト毎に定義される、ユーザオペレーションマスクモードを示す。図37は、フィールドUOP_mask_modeが表す値の意味を例示する。値「0x0」は、当該プレイリストのユーザオペレーションマスクモードが、全てのユーザオペレーションが可能であるモードであることを示す。
フィールドUOP_mask_modeが値「0x1」とされているときは、当該プレイリストに対して、ユーザオペレーションマスクモード「1」が設定されていることを示す。ユーザオペレーションマスクモード「1」が設定されたプレイリストは、ユーザオペレーションとしては、再生停止(stop)のみが有効とされる。当該プレイリストの再生中にその他のユーザオペレーションが行われても、プレーヤ側は、無視する。
また、ユーザオペレーションマスクモードが「1」に設定されているプレイリストに対し、当該プレイリスト中の任意の時刻からの再生を開始する、所謂「飛び込み再生」のユーザオペレーションがなされたときは、当該プレイリストの先頭から、順方向の1倍速再生として再生を開始しなければいけないように、定義する。すなわち、他のプレイリストを再生中に、ユーザオペレーションマスクモードが「1」に設定されているプレイリストに対する飛び込み再生が発生した場合、当該プレイリストの先頭から順方向の1倍速での再生が行われる。
このユーザオペレーションマスクモード「1」は、例えば映画コンテンツなどが収録されたディスク101において、映画コンテンツに先立って再生される、無断複製や無断放送などを禁止するメッセージが表示される警告画面(FBI WARNING)を再生するためのプレイリストに対して用いられることが想定されている。
フィールドUOP_mask_modeが値「0x2」とされているときは、当該プレイリストに対して、ユーザオペレーションマスクモード「2」が設定されていることを示す。ユーザオペレーションマスクモード「2」が設定されたプレイリストは、ユーザオペレーションとしては、当該プレイリストを再生中に、ユーザ操作により当該プレイリストの末尾にジャンプすることが禁止される。ただし、再生の停止は、常に許可される。また、順方向への高速再生や、逆方向への高速再生は、許可される。
このユーザオペレーションマスクモード「2」は、上述のモード「1」よりはユーザオペレーションの制限に対する強制力が弱い。このユーザオペレーションマスクモード「2」は、例えば、レンタル用のコンテンツが収録されたディスク101の、先頭や末尾に収録されている宣伝用映像(トレーラ)を再生するプレイリストに対して用いられることが想定されている。
なお、フィールドUOP_mask_modeにおいて、値「0x3」〜「0xF」は、将来のための予約値である
次に、上述したフィールドUOP_mask_modeの値を用いて行われるユーザオペレーションの制御について説明する。図38は、ムービープレーヤ300内でユーザオペレーション制限機能を実現するための一例の機能ブロック図を示す。ムービープレーヤ300は、ディスク101から読み込まれたプレイリストの属性情報500、すなわちフィールドUOP_mask_modeが示す値に基づきコマンドフィルタテーブル501を生成する。
一方、ユーザオペレーションは、ネイティブ実装プラットフォーム301に対するユーザ入力310として入力される。ネイティブ実装プラットフォーム301は、入力されたユーザ入力310を制御コマンド311に変換し、ムービープレーヤ300に供給する。この制御コマンド311は、ムービープレーヤ300内のコマンドフィルタ502に渡される。コマンドフィルタ502は、コマンドフィルタテーブル501を参照し、渡された制御コマンド311をプレイバックモジュール321に渡すか否かを判断する。フィールドUOP_mask_modeにより制限されるユーザオペレーションは、コマンドフィルタテーブル501でフィルタリングされ、プレイバックモジュール321に渡されない制御コマンド311に対応するユーザオペレーションである。
図39は、コマンドフィルタテーブル501の一例の作成手順を示すフローチャートである。例えばディスク再生装置100においてディスク101がロードされると(ステップS80)、ムービープレーヤ300は、ディスク101からプレイリストやクリップインフォメーションファイルを読み込む。そして、読み込んだプレイリストの属性情報から、フィールドUOP_mask_modeを読み込む(ステップS81)。そして、読み込んだフィールドUOP_mask_modeに示されるユーザオペレーションマスクモードに対応したコマンドフィルタテーブル501を作成する(ステップS82)。コマンドフィルタテーブル501は、プレイリスト毎に作成される。
図40は、ユーザオペレーションマスクモード「1」に対応する一例のコマンドフィルタテーブル501を示す。このコマンドフィルタテーブル501では、当該プレイリストの先頭以外からの再生開始が「禁止」とされると共に、許可される制御コマンド311は、コマンドuo_stop()(図11参照)のみとされる。
図41は、ユーザオペレーションマスクモード「2」に対応する一例のコマンドフィルタテーブル501を示す。当該プレイリストの先頭以外からの再生開始が「許可」されると共に、図11を用いて説明した各制御コマンド311中、コマンドuo_jumpToEnd()だけが禁止される。換言すれば、ユーザオペレーションマスクモード「2」では、コマンドuo_jumpToEnd()以外の制御コマンド311が全て許可される。
図40および図41で説明したようなコマンドフィルタテーブル501は、コンテンツ制作者側で用意するものではなく、ムービープレーヤ300の内部で生成されるものである。コマンドフィルタテーブル501をどのような形式でプレーヤ内部に持つかは、任意であって、プレーヤの実装に依存する。
なお、図40および図41では、コマンドフィルタテーブル501をユーザオペレーションマスクモード「1」および「2」についてそれぞれ示したが、これはこの例に限定されない。例えば、コマンドフィルタテーブル501は、ユーザオペレーションマスクモードを一覧してまとめて生成してもよい。また、if構文を用いて記述することもできる。if構文を用いる場合は、コマンドフィルタテーブル501の機能をスクリプト自体によって実現することが可能である。
図42は、コマンドフィルタテーブル501を用いてユーザオペレーションを制限する一例の処理を示すフローチャートである。なお、このフローによる処理が開始されるのに先立って、ディスク101がプレーヤにロードされ、ロード時に読み込まれたファイル"PLAYLIST.DAT"に基づき、コマンドフィルタテーブル501が生成されているものとする。
ステップS100で、プレーヤに対するユーザ操作が発生すると、このユーザ操作に対応したユーザ入力310がネイティブ実装プラットフォーム301に入力される。ステップS101で、ネイティブ実装プラットフォーム301がこのユーザ入力310を受け付けると、次のステップS102で、ネイティブ実装プラットフォーム301は、受け付けたユーザ入力310をムービープレーヤ300に対する制御コマンド311に変換し、ムービープレーヤ300に通知する。
ムービープレーヤ300は、この制御コマンド311を受け取ると、現在再生中のプレイリストのコマンドフィルタテーブル501を参照する(ステップS103)。そして、ステップS104で、コマンドフィルタテーブル501に基づき、通知された制御コマンド311の実行が許可されているか否かを判断する。若し、当該制御コマンド311の実行が許可されていないと判断されれば、処理はステップS105に移行し、ムービープレーヤ300は、当該制御コマンド311による処理を実行しない。
一方、ステップS104で、当該制御コマンド311の実行が許可されていると判断されれば、処理はステップS106に移行する。ステップS106では、当該制御コマンド311が現在再生中のプレイリスト内において実行されるものであるか否かが判断される。すなわち、ステップS106では、例えば、制御コマンド311が当該プレイリスト内の他のチャプタにジャンプするチャプタジャンプや、ストリーム切り替えのような動作を指示する、現在再生中のプレイリスト内で実行されるものであるか、他のプレイリストの所定のチャプタからの再生開始を指示するような、現在のプレイリスト再生を中断して新たに他のプレイリストの再生を開始するものであるかを判断する。
若し、ステップS106で、当該制御コマンド311が現在再生中のプレイリスト内で実行されるものであると判断されれば、処理はステップS107に移行され、当該制御コマンド311が実行される。なお、この制御コマンド311の実行に対して、イベントハンドラにより制限を与えることができる。すなわち、ユーザオペレーションに対して、ユーザオペレーションマスクによるフィルタリングを行った後に、さらにイベントハンドラによるフィルタリングを行うことができる。
一方、ステップS106で、当該制御コマンド311が現在再生中のプレイリストで実行されるものではないと判断されれば、処理はステップS108に移行される。ステップS108では、新たに再生が開始されようとしている他のプレイリストのコマンドフィルタテーブル501が参照される。例えば、上述のステップS102でムービープレーヤ300に通知された制御コマンド311が、現在再生中のプレイリストから他のプレイリストにジャンプする動作を指示するコマンドであるような場合、ジャンプ先のプレイリストのコマンドフィルタテーブル501が参照される。
処理はステップS109に移行され、新たに再生が開始されようとしている他のプレイリストのコマンドフィルタテーブル501に基づき、当該他のプレイリストにおいて、先頭からの再生のみが許可されているか否かが判断される。若し、先頭からの再生のみが許可されていると判断されれば、処理はステップS110に移行される。そして、ムービープレーヤ300は、当該制御コマンド311が当該他のプレイリストの先頭以外の位置からの再生を指示するものであっても、当該他のプレイリストの先頭から再生開始するように、プレイバックモジュール321に対して指示する。
一方、ステップS109で、当該他のプレイリストが先頭以外の位置からの再生が許可されていると判断されれば、処理はステップS111に移行される。そして、ムービープレーヤ300は、当該制御コマンド311に従い、制御コマンド311により指定された時刻やチャプタから当該他のプレイリストを再生するように、プレイバックモジュール321に対して指示する。
以上説明したようにして、この発明の実施の一形態によるユーザオペレーションの制御が実現される。