JP4332055B2 - 配管図面認識方法、配管図面認識装置およびそのプログラム - Google Patents
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例えば、地図上に上下水道の配管および配管器具に関する情報(以下、配管情報と呼ぶ)が重ね書きされた水道配管図面の多くは紙で保存されおり、このような水道配管図面から、配管情報だけを抽出して、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)などに適用することで、市販の地図データや衛星写真などと組み合わせて使うことができ、水道配管図面の利用価値を高めることができる。
配管図面の画像データから構成要素を抽出して記憶手段に記憶する手順と、予め記憶された配管設備の接続に関するルールを参照して、抽出した構成要素間の接続関係を評価することで、配管を認識する手順とを含んで実行する配管図面認識方法を提供する。
前記した配管認識部は、配管接続データベースを参照して、探索開始点からの線の接続形態に応じた評価値を各線に付与して、各線に付与した評価値をそれぞれ合計して、評価値の合計が、所定のしきい値以上である線を、配管と認識することもできる。
図1は、本実施の形態の配管図面認識装置の機能ブロック図の例を示している。図1を参照して配管図面認識装置の各構成要素を説明する。
画像データ入力部1は、紙などに描かれた配管図面から、図示しないスキャナなどを用いて変換した画像データを入力するインターフェイスである。なお、画像データ入力部1には、入力された画像データを、0または1で表される2値化された画像データに変換する機能、ノイズ除去および傾き補正などの処理を行う機能を有することが望ましい。
線認識部3では、画像記憶部2の画像データから、線を認識する。この認識された線には、主に地図を構成するものと配管を構成するものとが含まれている。
記号認識部4では、画像記憶部2の画像データから、記号を認識する。記号には配管の記述に用いられる記号の他に、配管の属性を示す記号なども含まれる。
文字認識部5では、画像記憶部2の画像データから文字を認識する。文字は主に地図中の名称や位置などを表すものと、配管番号や配管規格などの属性を表すものとが含まれている。なお、この線認識部3、記号認識部4および文字認識部5は、請求項の構成要素抽出部に相当している。
図形データ記憶部6には、線認識部3、記号認識部4および文字認識部5が認識した線、記号および文字が格納されている。
配管接続データベース7には、配管同士や、配管と配管器具との接続ルール、および配管とその属性を表す文字または記号との位置関係に関する情報が格納されている。
配管認識部9では、探索開始点指定部8で指定された記号または線を探索開始点として、配管接続データベース7で与えられる接続ルールにしたがい、他の図面構成要素への接続状態を探索、評価して配管を認識して、配管のCADデータに配管と識別できる情報を付与する。
属性認識部10では、配管接続データベース7を参照し、配管とその属性を表す文字または記号とを比較、評価する。また対応関係の見つかった配管のCADデータにその配管の属性情報を付与する。
データ出力部11は、配管の認識結果を図示しないディスプレイに出力したり、CADデータのファイルとして出力するインターフェイスである。
図2は、前記した配管図面認識装置を用いて、本実施の形態の配管図面認識方法を実行する手順を示すフローチャートの例である。図2に示したフローチャートを参照して、配管図面の認識の手順を説明する(適宜、図1参照)。
これは、例えば、水道配管設備が記載された配管図面では、弁やメータの記号は、必ず配管と接続されているため、このような記号を探索開始点とすることで、配管を探索することができるためである。また、記号が用いられないような配管設備の場合には、例えば、線認識部3が認識した太い線を配管とみなして探索開始点とすることも可能である。
(第1実施形態例:下水道配管)
第1実施形態例では、下水道配管図面から配管を探索・認識する方法を説明する。ここで、図3は、本実施形態例で配管の探索・認識を実行する下水道配管図面の例を示している。
ここで、図4は、本実施形態例の配管接続データベース7に格納された接続ルールの例を示している。図4に示した接続ルールは、接続元となる記号に該当するマンホールや桝などの設備器具と、その接続先である設備器具または線に該当する配管(線に該当)との位置に応じて、接続元と接続先とを接続する線が、幹線または枝線であるかを分別して格納している。なお、配管接続データベース7には、前記した接続規則だけでなく、後記する配管とその属性を表す文字または記号との相対位置関係に関する情報も含んで格納されている。
ここで、例えば、マンホールが探索開始点として指定された場合、配管認識部9は、探索開始点以外の記号を探索し、例えば、それが、マンホールであれば、2つのマンホールを結ぶ直線上にある画素のうち、黒い画素数を計測して、この黒い画素の割合が、しきい値以上であれば、2つのマンホールを接続する線が存在すると認識し、配管接続データベース7に基づいて、2つのマンホールを接続する線を、配管(幹線)と認識して、この配管と認識された線のCADデータに、配管(幹線)であることを示す情報を付与する。
なお、本実施形態例では、画像データ入力部1において、配管図面の画像データを2値化(画像データの画素を、白または黒に変換)して用いた場合を想定しており、2値化していない配管図面の画像データを用いる場合は、2つのマンホールを結ぶ直線上の画素の濃淡比を計測することで、一定値以上(または以下)の濃淡比を有する画素の割合が、しきい値以上であれば、2つのマンホールを接続する線が存在すると認識することができる。また、この所定のしきい値は、配管図面の種類などに応じて操作者が任意に設定することができる。
さらに、前記した過程において、幹線である配管を認識すると、桝から幹線である配管への垂線上の画素のうち、黒い画素数を計測して、この黒い画素の割合が、しきい値以上ならば、桝と幹線である配管が接続しているとして、配管接続データベース7に基づいて、桝と幹線を接続する線を、枝線である配管と認識して、この配管と認識された線のCADデータに、配管(枝線)であることを示す情報を付与する。このとき、それぞれの配管の認識の信頼度は、この黒い画素数の割合から与えることができる。
図3に示した下水道配管図面のように単純で規則正しく描かれた配管図面については、第1実施形態例の方法により配管を探索・認識することができる。しかし、下水道配管図面であっても、図5に示したような、図面の歪みにより配管が折れ曲がって表示された場合、図面が手書きである場合、または幹線と枝線との接続が垂直になっていない場合などには、配管の探索・認識の漏れが発生するという問題が生じる。
そして、例えば、図6に示した入水道配管図の弁Aが探索開始点として指定された場合、配管認識部9は、弁Aを基準として、弁Aに接続された線の評価値を順次計算する。
前記した第1実施形態例および第2実施形態例のように、本実施の形態の配管図面認識方法では、探索開始点から近い線から、配管の探索を実行していくため、図8(a)ないし図8(d)に例示するように、配管の探索を段階的に表示し、インターフェイスとなる表示画面を用いて、操作者が確認しながら配管を認識させることも可能である。
なお、図9に示したフローチャートは、図2に示したフローチャートのステップS105ないしステップS107に相当している。
次に、ステップS202では、配管設備の一部である記号または線を探索開始点として指定する。ここでは、図8(a)に示した表示画面において、操作者が、マウスなどの入力手段を用いて、探索開始点となる記号または線を、矢印で示したカーソルで指定することで、探索開始点が設定される。
次に、ステップS203では、前記した第1実施形態例または第2実施形態例のいずれかの方法を用いて配管の探索を実行し、ステップS204では、その探索の結果を図8(b)に示した表示画面のように表示する。
ステップS205では、操作者が、図8(b)に示した表示画面を見て、配管の探索結果の確認・修正を実施する。ここで、図8(b)に示した表示画面では、探索の途中段階で誤認識があれば修正することが可能なインターフェイスを備えており、配管認識の段階ごとに配管の探索結果を修正して認識させることで、その後の誤認識を低減させることができる。
そして、ステップS203ないしステップS205に係る手順を繰り返すことで、(ステップS206、図8(c)参照)、図8(d)に示すように、配管全体の認識が完了する。
再び、図2に示したフローチャートに戻って、前記した第1実施形態例または第2実施形態例に係る配管の認識が終了すると(ステップS107でYesの場合)、ステップS108では、属性認識部10が、配管接続データベース7に基づいて、認識した配管とその属性を表す文字または記号とを比較する。
例えば、図3に示した下水道配管では、それぞれの桝に対し、配管の延長線上に、この配管と同じ角度で属性文字と属性記号が記述されている。
ここで、図10は、属性認識部10が参照する配管接続データベース7に格納された、配管とその属性を表す文字または記号との相対位置関係に関する情報の例を示している。図10に示した、配管とその属性を表す文字または記号との相対位置関係に関する情報には、配管とその属性を表す文字または記号との対応関係について、図面上の相対位置などにより与えられている。属性認識部10は、この配管接続データベース7を参照して、配管と記号または文字との対応関係の有無を評価する。
一般に、図3に示すような下水道配管図面では、全ての桝に属性が記述されているので、配管と記号または文字との対応関係の見つからない配管は、認識信頼度を下げて誤認識として除去することや、あるいは、桝の位置から配管接続データベース7で与えられた相対位置に文字が存在すると推定して文字を再認識させることもできる。
2 画像記憶部
3 線認識部
4 記号認識部
5 文字認識部
6 図形データ記憶部
7 配管接続データベース
8 探索開始点指定部
9 配管認識部
10 属性認識部
11 データ出力部
Claims (9)
- 電子化された画像データとして、コンピュータに入力された配管図面から、配管設備を抽出する配管図面認識方法であって、
前記コンピュータの記憶手段は、
配管器具に相当する記号または配管に相当する線を配管経路の探索開始点としたときの、線の接続形態に応じた評価値が含まれる接続に関するルールを備え、
前記コンピュータの演算手段は、
入力された前記画像データから前記配管図面の、線、記号、文字およびそれらを組み合わせたものを含む構成要素を抽出し、
任意の1つの記号又は任意の複数の記号を配管経路の探索開始点として受け付け、
前記接続に関するルールを参照して、前記探索開始点からの線の接続形態に応じた評価値を、前記探索開始点ごとかつ前記線ごとに算出し、
前記線ごとに、前記探索開始点ごとに算出した評価値を合計し、
前記合計が、所定のしきい値以上である前記線を、配管と認識すること
を特徴とする配管図面認識方法。 - 電子化された画像データとして、コンピュータに入力された配管図面から、配管設備を抽出する配管図面認識方法であって、
前記コンピュータの記憶手段は、
前記配管設備の接続元の記号と接続先の記号または接続元の記号と接続先の線との位置に応じた、接続元と接続先とを結ぶ配管に関するルールが含まれる接続に関するルールを備え、
前記コンピュータの演算手段は、
入力された前記画像データから前記配管図面の、線、記号、文字およびそれらを組み合わせたものを含む構成要素を抽出し、
任意の記号を配管経路の探索開始点として受け付け、
前記受け付けた探索開始点と線または記号とを結ぶ直線上の画素の数のうち、所定の値よりも大きな画素の濃淡を示す情報を有する画素の数が占める比率が、所定のしきい値以上である場合は、前記直線上に線が存在すると認識し、
前記接続に関するルールを参照して、前記認識した線を配管と認識すること
を特徴とする配管図面認識方法。 - 前記コンピュータの記憶手段は、
前記配管と属性記号または属性文字との位置に関するルールをさらに備え、
前記コンピュータの演算手段は、
前記配管と属性記号または属性文字との位置に関するルールを参照して、前記認識された配管と記号または文字との位置関係に基づいて、当該配管の認識の信頼度を算出するとともに、前記位置に関するルールに該当した場合は、当該配管に前記属性記号および/または前記属性文字からなる属性情報を付与すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の配管図面認識方法。 - 前記配管設備は、上下水道配管、ガス管、電線およびこれらと同じ記述方法の設備であること、
を特徴とする請求項3に記載の配管図面認識方法。 - 電子化された画像データとして入力された配管図面から、配管設備を抽出する配管図面認識装置であって、
前記配管図面認識装置の記憶手段は、
配管器具に相当する記号または配管に相当する線を配管経路の探索開始点としたときの、線の接続形態に応じた評価値が含まれる接続に関するルールを備え、
前記配管図面認識装置の演算手段は、
入力された前記画像データから前記配管図面の、線、記号、文字およびそれらを組み合わせたものを含む構成要素を抽出し、
任意の1つの記号又は任意の複数の記号を配管経路の探索開始点として受け付け、
前記接続に関するルールを参照して、前記探索開始点からの線の接続形態に応じた評価値を、前記探索開始点ごとかつ前記線ごとに算出し、
前記線ごとに、前記探索開始点ごとに算出した評価値を合計し、
前記合計が、所定のしきい値以上である前記線を配管と認識すること
を特徴とする配管図面認識装置。 - 電子化された画像データとして入力された配管図面から、配管設備を抽出する配管図面認識装置であって、
前記配管図面認識装置の記憶手段は、
前記配管設備の接続元の記号と接続先の記号または接続元の記号と接続先の線との位置に応じた、接続元と接続先とを結ぶ配管に関するルールが含まれる接続に関するルールを備え、
前記配管図面認識装置の演算手段は、
入力された前記画像データから前記配管図面の、線、記号、文字およびそれらを組み合わせたものを含む構成要素を抽出し、
任意の記号を配管経路の探索開始点として受け付け、
前記受け付けた探索開始点と線または記号とを結ぶ直線上の画素の数のうち、所定の値よりも大きな画素の濃淡を示す情報を有する画素の数が占める比率が、所定のしきい値以上である場合は、前記直線上に線が存在すると認識し、
前記接続に関するルールを参照して、前記認識した線を配管と認識すること、
を特徴とする配管図面認識装置。 - 前記配管図面認識装置の記憶手段は、
前記配管と属性記号または属性文字との位置に関するルールをさらに備え、
前記配管図面認識装置の演算手段は、
前記配管と属性記号または属性文字との位置に関するルールを参照して、前記認識された配管と記号または文字との位置関係に基づいて、当該配管の認識の信頼度を算出するとともに、前記位置に関するルールに該当した場合は、当該配管に前記属性記号および/または前記属性文字からなる属性情報を付与すること、
を特徴とする請求項5または6に記載の配管図面認識装置。 - 前記配管図面認識装置の演算手段は、
配管経路の探索開始点となる任意の記号を指定可能に作成され、前記配管の認識の過程を、段階的に表示する表示画面を出力すること、
を特徴とする請求項7に記載の配管図面認識装置。 - コンピュータを、請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の配管図面認識装置として機能させるためのプログラム。
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