JP4331367B2 - フレーム同期装置及びフレーム同期方法 - Google Patents

フレーム同期装置及びフレーム同期方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレーム同期装置及びフレーム同期方法に関し、特に、無線回線等のように伝送誤りの発生しやすい環境において、フレーム化された通信データを受信する際に、最も少ない誤り率でフレーム同期確立を行うフレーム同期装置及びフレーム同期方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像や音声等のマルチメディアデータ通信を行う場合、通常、それらの通信データは複数のデータを多重化して伝送される。そして、通信データを多重伝送する場合、多重化の単位としてフレーム構造が用いられ、各マルチメディア通信データはフレーム単位で伝送される。
【0003】
図4は多重伝送データの伝送フレーム構造の例を示している。伝送フレームの構造は同図の(A)に示すように、通常、フレーム同士の区切りを示す同期フラグ4−1と、多重方式等を定義したヘッダ4−2と、そして音声・動画像情報等のマルチメディアデータ4−3とから構成される。
【0004】
図4(A)に示す伝送フレームは、図の(B)に示すように伝送路上に連続して送信される。このようにフレーム単位に送信される通信データを受信して音声・動画像情報等のデータを取出す場合、まず、多重化データの分離方式の定義等を記述したヘッダ4−2を正確に抽出する必要があり、そのためには、正しく且つ確実に同期フラグ4−1を検出してフレーム同期確立を行う必要がある。
【0005】
しかしながら、通信データは無線回線等のような伝送誤りが発生しやすい通信路を介して伝送されることがあるため、伝送誤りによって同期フラグ4−1を正しく検出することができず、フレーム同期確立に失敗することがしばしば発生する。
【0006】
そのため、伝送誤りが発生しやすい通信路を経てフレーム単位の通信データが伝送された場合に、伝送誤りに対していかに正しく且つ確実に同期フラグ4−1を検出してフレーム同期確立を行うことができるかが、多重伝送データの受信(多重分離)性能の向上において重要である。
【0007】
以下に代表的なマルチメディアデータの多重化方式である国際電気通信連合電気通信標準化部門の勧告ITU−T H.223AnnexBを例に採って説明する。図4の(C)に上記勧告H.223AnnexBで定義された多重化プロトコルデータユニット(MUX−PDU、以下「多重データユニット」と称す)のフレーム構造を示す。このフレーム構造は、複数のマルチメディアデータを多重化するためのフレーム構造であって、図4の(A)に示したフレーム構造もこのフレーム構造と同様のものである。
【0008】
図4(C)に示すように、1フレームの多重データユニット(MUX−PDU)は、PNフラグ(16ビット)4−11と、多重方式情報(MC:Mu1tip1ex Code;4ビット)4−12と、現フレームの多重データユニット(MUX−PDU)の長さ(MPL:Mu1tip1ex Pay1oad Length ;8ビット)4−13と、ゴレイ(Golay )符号のパリティ(12ビット)4−14と、多重化されたデータ(Payload;MPLで指定されたバイト数)4−15とから構成される。
【0009】
上記多重方式情報(MC)4−12と現フレームの多重化データの長さ(MPL)4−13とゴレイ符号のパリティ4−14は、ヘッダフィールドに格納され、多重化データ4−15はペイロードに格納される。
【0010】
PNフラグ4−11は、同期フラグとして用いられる、例えば“0100 1101 1110 0001 ”等の16ビットのPN(Pseudo-Noise:擬似雑音) パターンである。一般的な同期確立の手法としては、同期検査位置のビットストリームと同期フラグの既定のビットパターンとを比較し、16ビット中、一致しているビット数を閾値と比較し、その比較結果により、同期検査位置のビットストリームが真正の同期フラグかどうかを判断する。
【0011】
例えば、16ビットの同期フラグに対して、閾値が14と設定されている場合、同期検査位置の16ビットのビットストリーム中、一致したビット数が14以上ならば同期フラグと判断し、一致したビット数が14未満の場合は同期フラグではないと判断する。
【0012】
多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダは、多重データの分離に必要な情報を含む24ビットの情報を含み、多重方式情報( MC) と、現フレームの多重化データの長さ( MPL) と、ゴレイ符号のパリティの三つの部分から構成される。
【0013】
多重方式情報( MC) は、例えばH.245等の端末制御信号プロトコルで定義された最大16種類の多重分離フォーマットのうち、どのフォーマットを使用して現多重データユニット(MUX−PDU)が多重化されているか等の多重化方法に関する情報を表す。
【0014】
多重化データの長さ( MPL) は、現多重データユニット(MUX−PDU)中のペイロードに格納された多重化データの長さ( バイト数) を記述する。このフィールド長が8ビットであることから、ペイロードの多重化データの最大長は255バイトである。
【0015】
ゴレイ符号のパリティは、前述の多重方式情報( MC) 4ビットと多重化データの長さ( MPL) 8ビットとを合わせた12ビットのデータを、伝送誤りから保護するために、拡張ゴレイ符号で符号化したときの誤り訂正用のパリティビットである。拡張ゴレイ符号は、該符号の24ビット中、最大3ビットまでの誤り訂正が可能で4ビットまでの誤り検出が可能である。
【0016】
ペイロードに格納された多重化データは、上位レイヤでアプリケーションプロトコルデータユニット(AL−PDU)に変換された音声・画像・データ等の通信データを、多重方式情報( MC) で定義されたフォーマットに従って多重化したものである。全体の長さはヘッダフィールドの多重化データの長さ( MPL) によって指定される。
【0017】
上記勧告H.223AnnexBによる従来の同期フラグ検出の手順を以下に説明する。前述したように、この勧告による一般的な同期フラグ検出の手順は、同期フラグの検査位置のビットストリームと既知の同期フラグのビットパターンとを比較し、16ビット中、一致しているビット数を判定基準にして同期フラグの存否を判定する。
【0018】
更に、同期確立の精度を向上させるため、現フレームの多重化データ長(MPL)の記述内容の復号値を利用し、次のフレームの同期フラグの検出位置を推定する。この推定を行って同期判定を行う手法を以下に説明する。
【0019】
図5は、同期フラグ検出位置を推定して同期判定を行う手法の説明図である。図5の▲1▼に示す例は、拡張ゴレイ符号の復号結果から得られた現フレームの多重化データ長(MPL)を基に、次フレームの同期フラグ検出位置を推定し、該推定位置に正しく所期のPNパターンの同期フラグが出現し、かつ、該同期フラグのビットストリームを正しく同期フラグと判定して正常に同期確立が行われた場合を示す。
【0020】
しかしながら、上記判定手法を用いても同期確立に失敗する場合がある。その状況を次に説明する。図5の▲2▼に示す例は、伝送誤りにより現多重データユニット(MUX−PDU)中の拡張ゴレイ符号に訂正可能な個数を超える4ビット以上の誤りが生じ、その結果、多重化データ長(MPL)の値を誤って復号化した場合を示している。
【0021】
この場合、次フレームの同期フラグの推定位置が本来の同期フラグ位置と異なる誤った位置であるため、該推定位置のビットストリームを同期フラグと判定してはいけない場合であるが、偶々、該推定位置のビットストリームに同期フラグパターンと類似したパターンが出現した場合、前述の判定基準の閾値が低すぎると、該ビットストリームを同期フラグと判定してしまい、誤った同期検出を行ってしまう。この誤同期検出を防ぐためには、判定基準の閾値を或る程度高く設定しなければならない。
【0022】
図5の▲3▼に示す例は、現フレーム中の多重化データ長(MPL)の値は正しいものの、該多重化データ長(MPL)により推定した正規の次フレームの同期フラグ検出位置で、同期フラグビットストリームに伝送エラーを含み、その結果、既定の同期フラグパターンと一致するビット数が判定基準の閾値未満となり、同期フラグと判定することなく、同期フラグを見逃してしまう場合である。この同期見逃しを防ぐためには、判定基準の閾値を或る程度低く設定しなければならない。
【0023】
ところで、図5の▲2▼に示す状況が起こり得るのは、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)中の拡張ゴレイ符号に誤りが有った場合である。また図5の▲3▼に示す状況が起こり得るのは、この拡張ゴレイ符号に誤りの無い場合である。
【0024】
ここで、多重化データ長(MPL)の確からしさについて考察する。多重化データ長(MPL)に誤りが含まれる場合は、拡張ゴレイ符号に誤り訂正・検出可能個数である3又は4 ビット以上の誤りが含まれる場合である。
【0025】
この場合、誤りを含む符号は、元の符号とのハミング距離よりも近い別の符号として復号される。そして、別の符号として復号される場合、その確率は4又は3といった大きな誤りビット数が観測される場合の方が、0、1、2といった小さな誤りビット数が観測される場合より大きい。このことより、多重化データ長(MPL)の確からしさは、観測された誤りのビット数が多いほど低く、少ないほど高いということができる。
【0026】
以上のことから、従来は、拡張ゴレイ符号の復号で検出された誤り個数が多い場合は、多重化データ長(MPL)が誤っている確率が高いと見なし、前述の図5の▲2▼に示す状況を起こさないようにするために、判定基準の閾値を高めに設定し、拡張ゴレイ符号の復号で検出された誤り個数が少ない場合は、多重化データ長(MPL)が誤っている確率は低いと見なして、前述の図5の▲3▼に示す状況が発生しないように、判定基準の閾値を低く設定する操作を行っていた。
【0027】
即ち図6に示すように、拡張ゴレイ符号の復号で検出された誤り個数が多い場合は判定基準の閾値を高めに設定し、検出された誤り個数が少ない場合は判定基準の閾値を低く設定する。このようにすれば、判定基準の閾値を固定値とした場合に比べて、より正確に同期フラグの検出を行うことができる。
【0028】
さらに、同期確立時に、同期確立対象となる多重データユニット(MUX−PDU)自体のヘッダ中に含まれる拡張ゴレイ符号の尤度を利用して、同期確立の精度を向上させる手法も検討されている。
【0029】
一般に、同期検査対象となる多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダの拡張ゴレイ符号を復号したときに、観測された誤り個数が少ないほど、同期検査対象の多重データユニット(MUX−PDU)が正しく受信された確率が高い。
【0030】
このことから、同期確立の検査時に当該多重データユニット(MUX−PDU)内の拡張ゴレイ符号に相当する部分を復号したときの観測された誤り個数を、同期の確立時の判定基準に追加することにより、同期判定の精度を向上させることが可能となる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
同期確立時の判定基準に不適当な閾値を用いると、却って同期確立の成功確率を低化させてしまう。また、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダにおける拡張ゴレイ符号によって観測されたビットエラーの個数を基に、次フレームの同期検出における判定基準の閾値を決定すれば、同期判定の精度が向上することは定性的には知られているものの、エラーパターンの統計量が既知の条件下で、該エラーパターンを基にした最適な同期判定を行う手法については解明されていなかった。
【0032】
そのため、ある特定の伝送路での伝送を想定して、その特徴的なエラーパターンが与えられたとしても、該エラーパターンに対する同期判定基準の閾値の導出は経験的な手法に頼らざるを得ず、必ずしも最適ではない閾値を設定して、同期確立の成功確率を低化させてしまうことがあった。
【0033】
特に、同期検出時に同期確立対象となる多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダ中の拡張ゴレイ符号誤りを尤度として用いる場合には、判定基準のバリエーションが多いことから、最適な判定基準を経験的手法で求めることは事実上困難であり、この拡張ゴレイ符号の尤度を用いて同期確立の成功確率を向上させることに結び付けることは行われていなかった。
【0034】
本発明は、特定の伝送路におけるエラーパターンの特徴量が与えられたときに、該エラーパターンの特徴量を基に同期外れを抑制し、同期確立の成功確率を向上させるとともに、少ない演算量で最尤同期検査を行うことができる最尤同期装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明のフレーム同期装置は、(1)フレーム化された多重データユニットのビットストリームを観測し、多重データユニットの同期語が存在するかどうかを検査して最尤同期確立を行うフレーム同期装置において、同期検査位置における同期検査用の測定可能な検査値(例えば、PNパターン同期フラグの誤りビット数又はゴレイ符号復号時の誤り検出数)から、該同期検査位置に同期語が存在する場合に該検査値が観測される確率である同期時観測確率と、同期検査位置に同期語が存在しない場合に該検査値が観測される確率であるエミュレーション時観測確率とを求め、それらの比より計算される、同期検査位置における同期語が存在する度合いを表す値である同期語尤度を求める同期語尤度計算手段と、同期検査位置に同期語が存在しない確率である同期語非存在確率と、同期検査位置に同期語が存在する確率である同期語存在確率を求め、それらの比により計算される、同期検査位置に同期語が存在しない度合いを表す値である同期語非存在度を求める同期語非存在度計算手段と、前記同期語尤度と同期語非存在度との大小を比較し、同期語尤度の値が同期語非存在度の値より大きい場合に、同期検査位置に同期語が存在すると判定する同期判定手段と、を備えたものである。
【0036】
また、(2)前記同期語尤度計算手段は、同期語尤度の計算に用いる、同期検査位置における前記検査値として、複数の符号化規則から求められる複数の検査値の組を用い、前記同期時観測確率及び前記エミュレーション時観測確率を、該複数の検査値の組が同時に観測される同時確率として算出する構成を有し、前記同期語非存在度計算手段は、前記同期語非存在確率及び前記同期語存在確率を、前回に同期確立したフレームの同期検査時の検査値又は複数の検査値の組を用いて算出する構成を有するものである。これにより、符号の同期確立の精度を向上させることができる。
【0037】
また、(3)前記多重データユニットは、擬似乱数パターンの同期フラグと、該同期フラグに引き続いて配置されたヘッダ中に格納され、誤り訂正符号で保護された次のフレームの同期フラグまでのデータ長の情報とを含むものであって、同期検査時に測定する検査値として、同期フラグと一致するビット数を示す相関値、及び前記誤り訂正符号を復号した結果得られる誤り個数の2種類の検査値の組を用いるものである。これにより、符号の同期確立の精度を向上させることができる。
【0038】
また、(4)前記同期語尤度計算手段は、予め全ての観測され得る検査値又は複数の検査値の組に対して計算した同期語尤度を記録した同期語尤度テーブルを有し、同期検査時に観測された検査値又は複数の検査値の組から、前記同期語尤度テーブルに記録された対応する同期語尤度の値を読み出して同期語尤度を導出する構成を有し、前記同期語非存在度計算手段は、予め前回の同期確立時に観測され得る全ての検査値又は複数の検査値の組に対して計算した同期語非存在度を記録した同期語非存在度テーブルを有し、前回同期確立時に観測された検査値又は複数の検査値の組から、前記同期語非存在度テーブルに記録された対応する同期語非存在度の値を読み出して同期非存在度を導出する構成を有するものである。全ての同期語尤度及び同期語非存在度を、起こり得る検査値の事象(シンボル)毎に予めテーブル化し、同期検査時には、これらのテーブルから同期語尤度及び同期語非存在度を読み出すことにより、同期語尤度及び同期語非存在度の演算量を削減することができる。
【0039】
また、(5)前記同期語尤度テーブル及び前記同期語非存在度テーブルは、それぞれのテーブルに記録する値として、観測され得る全ての検査値に対する同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素について、該同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素の値の大小関係を保持したまま再スケーリングした値を記録したものである。再スケーリングすることにより、テーブルの値を単純な整数で整数化することができ、テーブルのメモリ容量を削減することができる。
【0040】
また、(6)前記同期語尤度テーブル及び前記同期語非存在度テーブルは、それぞれのテーブルに記録する値として、観測され得る全ての検査値に対する同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素について、該同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素の値の大小関係を反転するよう再スケーリングした値を記録したものであり、再スケーリングした同期語尤度が再スケーリングした同期語非存在度の値より小さい場合に、同期検査位置に同期語が存在すると判定するように判定条件を変更した同期判定手段を有するものである。
【0041】
また、(7)前記同期語尤度計算手段は、前記相関値と前記誤り個数の両検査値を引数とする同期語尤度テーブルを有し、観測された両検査値から該同期語尤度テーブルを読み出して同期語尤度を求める構成を有するものである。これにより演算量を大幅に削減することができる。
【0042】
また、(8)前記同期語尤度計算手段は、観測された前記相関値を引数とし、該相関値の下で、前記誤り個数が変化した場合の最大同期語尤度を記録した最大同期語尤度テーブルを有し、前記同期判定手段は、観測された相関値により最大同期語尤度テーブルから求めた最大同期尤度と前記同期語非存在度とを比較し、無条件で同期確立不可能かどうかを判定し、無条件で同期確立不可と判断される場合は、現検査位置での以降の同期判定処理をスキップする手段を更に含むものである。
【0043】
また、(9)前記同期語非存在度計算手段は、前回に同期確立した同期検査時に観測した前記相関値と前記誤り個数の両検査値を引数とする同期語非存在度テーブルを有し、観測された両検査値から該同期語非存在度テーブルを読み出して同期語非存在度を求める構成を有するものである。これにより演算量を大幅に削減することができる。
【0044】
また、(10)本発明のフレーム同期方法は、フレーム化された多重データユニットのビットストリームを観測し、多重データユニットの同期語が存在するかどうかを検査して同期確立を行うフレーム同期方法において、同期検査位置における同期検査用の測定可能な検査値から、該同期検査位置に同期語が存在する場合に該検査値が観測される確率である同期時観測確率と、同期検査位置に同期語が存在しない場合に該検査値が観測される確率であるエミュレーション時観測確率とを求め、それらの比より計算される、同期検査位置における同期語が存在する度合いを表す値である同期語尤度を求める過程と、同期検査位置に同期語が存在しない確率である同期語非存在確率と、同期検査位置に同期語が存在する確率である同期語存在確率を求め、それらの比により計算される、同期検査位置に同期語が存在しない度合いを表す値である同期語非存在度を求める過程と、前記同期語尤度と同期語非存在度との大小を比較し、その大小関係に基づいて、同期検査位置に同期語が存在するか否かを判定する過程と、を有するものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明は、フレームから構成されるデータの同期検出において、最尤解を与えるものである。図5を参照して説明したとおり、同期誤りとしては、同期フラグパターンに類似したビットストリームを同期フラグと判断してしまう誤同期(図5の▲2▼)と、多重化データ長(MPL)を基に推定した同期フラグ位置に伝送エラーが含まれ、同期フラグとして認識されない同期見逃し(図5の▲3▼)とがある。
【0046】
そして、同期判定基準を厳しくしすぎると同期見逃しが発生しやすくなり、逆に同期判定基準を緩和すると誤同期が起こりやすくなる。このことより、同期判定基準としては、誤同期と同期見逃しの双方に対する考慮する必要となる。
【0047】
ここで、
G:同期確立と見なす同期フラグ及びヘッダの観測シンボルの集合
error sync(G):誤同期確率(同期確立基準即ち集合Gに依存)
pass sync (G):同期見逃し確率(同期確立基準即ち集合Gに依存)
Mux Flag exist:検査する位置に多重データユニット(MUX−PDU)の先頭が存在する確率(予め与えられる)
fail(G):同期失敗確率
と定義する。
【0048】
集合Gの定義は、具体的には同期フラグ検査の時にPNパターンと一致するビット数や拡張ゴレイ符号復号時に得られる誤り個数といった観測シンボルから得られた評価基準を基に、同期が確立された(即ち、MUX−PDUの先頭が見つかった)と見なすシンボルの集合である。即ち、該集合Gに含まれるシンボルが観測(受信)されたときに同期確立されたとものと見なされる。
【0049】
上記集合Gを同期確立基準とした場合に、同期失敗確率Pfail(G)は以下の式(1)で表現される。
【数1】
Figure 0004331367
【0050】
ここで、式(1)の第1項は、図5の▲2▼に示したように多重データユニット(MUX−PDU)の誤り等の理由により誤同期検出する確率に相当し、検査部分に同期フラグが存在しない確率(1−PMux Flag exist)に、本来、同期フラグではないのに同期フラグとして誤認識してしまう誤同期確率Perror sync(G)を乗じたものである。
【0051】
また、式(1)の第2項は、図5の▲3▼に示したように、検査する位置に本来の同期フラグが存在するにも拘わらず、伝送誤りにより同期フラグではないと判断する同期見逃しの確率に相当し、検査する位置に同期フラグが存在する確率PMux Flag existに、本来の同期フラグが同期フラグではないと判定される同期見逃し確率Ppass sync (G)を乗じたものである。
【0052】
ここで、最も同期失敗確率を小さくするためには、式(1)によるPfail(G)を最小とすればよく、それを実現する最尤同期確立基準Gopt を求めればよいことになる。つまり、
【数2】
Figure 0004331367
となる最尤同期確立基準Gopt を求めばよい。
【0053】
ここで、誤同期確率Perror sync(G)は、以下の式(3)ように記述することができる。
【数3】
Figure 0004331367
【0054】
ここで、Sは観測されるシンボルを示し、Ppretend (S)(S∈G)は、多重データユニット(MUX−PDU)の先頭ではないにも拘わらず、ランダムなビットストリーム中で集合Gに含まれるシンボルSが観測されてしまう(つまりシンボルSが“多重データユニットの先頭の振りをする”) 確率である。
【0055】
式(3)に示すように、誤同期確率Perror sync(G)は、多重データユニット(MUX−PDU)の先頭ではないところで集合Gに含まれるシンボルが観測されてしまう確率の和である。
【0056】
また同期見逃し確率Ppass sync (G)は以下の式(4)ように記述することができる。
【数4】
Figure 0004331367
ここで、Sは同様に観測されるシンボルを示し、Pappearance(S)(S∈G)は、実際に多重データユニット(MUX−PDU)の先頭で同期検査を行ったときに、集合Gに属するシンボルSが観測される確率である。
【0057】
式(4)の第1項は、多重データユニット(MUX−PDU)の同期検査すべき位置で、同期確立基準となる集合Gに含まれないシンボルが観測される確率の和である。そして当然のことながら、Pappearance(S)の全てのシンボルSについての和は1になることから、式( 4) の第2項が導かれる。
【0058】
ここで、式(3)と式(4)を式(1)に代入すると、同期失敗確率Pfail(G)は、以下のように書直すことができる。
【数5】
Figure 0004331367
【0059】
ここで、集合Gに、シンボルθを加えた集合をG' とする。つまり、
【数6】
Figure 0004331367
となる。ここで、新たにシンボルθを加えた結果、同期失敗確率Pfail(G)が減少する条件について調べる。
【0060】
新たにシンボルθを加えたときの同期失敗確率Pfail(G' )と同期失敗確率Pfail(G)との差分δPfail(G)は、以下の式(7)のように記述される。
【数7】
Figure 0004331367
【0061】
式(7)で表される差分δPfail(G)が負となるシンボルを同期確立基準の集合Gに加えたときのみ、同期失敗確率Pfail(G)が減少することとなる。このことから、同期確立基準の集合Gを空集合から始めて、全ての発生し得るシンボルについて、式(7)で表される差分δPfail(G)が負となるシンボルのみを再帰的に集合Gに追加していくことにより、同期失敗確率Pfail(G)を最小にする最尤同期確立基準Gopt を求めることができる。
【0062】
また、式(7)における第3式のうち、最初の二つの係数は明らかに正である。このことより、同期失敗確率Pfail(G)を最小にする最尤同期確立基準Gopt は、
【数8】
Figure 0004331367
と表される。
【0063】
このことは、同期検査時に或るシンボルSが観測されたときに、以下の式(9)を満たしていれば、そのシンボルSは最尤同期確立基準Gopt に含まれることになるので、同期確立したと判断して良いこととなる。
【数9】
Figure 0004331367
【0064】
つまり、観測されたシンボルSに対して上記式(9)の左辺の値を計算し、結果が負となる場合のみ同期が確立したと判断すれば、与えられた同期フラグ存在確立PMux Flag existの下で同期失敗確率Pfail(G)を最小とすることができる。
【0065】
ここで、上記式(9)の左辺の第1項、即ち、(1−PMux Flag exist)/PMux Flag existを同期語非存在度(同期語非存在確率と同期語存在確率の比)と定義し、上記式(9)の左辺の第2項、即ち、Pappearance(S)/Ppretend (S)を同期語尤度(同期位置のシンボルSの観測確率とエミュレーション位置のシンボルSの観測確率の比)と定義する。
【0066】
なお、同期語とは多重データユニット(MUX−PDU)内の同期フラグ及び多重化データ長(MPL)等の同期検出に用いる符号語であり、エミュレーション位置とは同期位置ではない位置(同期位置の振りをする可能性のある位置)である。
【0067】
そして、同期語非存在度と同期語尤度との大小比較の結果に基づいて、検査位置にフレーム同期語が存在するかどうかを判定する同期判定手段を備えることにより、最尤同期確立が可能となる。
【0068】
図1は上記同期判定手段による最尤同期確立の説明図である。同図に示すように、多重化されたビットストリームから、前フレーム(既検出)のフレーム同期語を観測し、観測されたシンボルSprevを基に、同期語非存在度計算手段1−1により同期語非存在度を導出する。
【0069】
また、前フレーム(既検出)のフレーム同期語に含まれる多重化データ長(MPL)等による次フレーム同期語へのポインタを基に、次フレームの同期検出対象のフレーム同期語候補を観測し、観測されたシンボルScur を基に、同期語尤度計算手段1−2により同期語尤度を導出する。
【0070】
そして、導出された同期語非存在度と同期語尤度との大小を同期判定手段1−3により比較し、同期語非存在度より同期語尤度の方が大きい場合に、検出対象の同期語候補が同期語であると判定して、同期確立を行う。
【0071】
以下に、本発明を勧告H.223AnnexBで定義された多重データユニット(MUX−PDU)の同期確立に適応した場合の実施例を示す。既に説明した通り、観測したシンボルから同期確立の判断を行うには、同期語尤度と同期語非存在度との大小比較の結果のみを評価すれば良い。
【0072】
ここでは、実際に測定し得るエラー環境の統計量から、多重データユニット(MUX−PDU)の同期判断に必要な評価基準の式(9)に用いられる値PMux Flag exist、Ppretend (S)、Pappearance(S)を具体的に求める手法を説明する。
【0073】
多重データユニット(MUX−PDU)の同期検査時には、観測シンボルから測定される値として以下の値がある。
flag mes err:同期フラグのPNパターン検査時に観測される誤りの個数
golay mes err :ゴレイ符号の復号時に観測される誤りの個数
【0074】
ここで、観測シンボルSを上記の測定値を用いて、
S=(nflag mes err,ngolay mes err
と表すものとする。
【0075】
また、同期フラグ存在確立PMux Flag existは、実際には前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)で観測されたシンボルに依存する。このことより、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)の同期確立時に観測されたシンボルと現在同期確立しようとしている多重データユニット(MUX−PDU)とのシンボルを区別するために以下のように定義する。
cur =(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur ):現フレームの同期確立の検査時に観測されるシンボルの集合
prev=(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev):前フレームの同期確立時に観測されたシンボルの集合
【0076】
すると式(9)は、以下の式(10)のように書き直される。
【数10】
Figure 0004331367
ここで、式(10)の左辺第1項は、前フレーム多重データユニット(MUX−PDU)の同期確立時に観測された同期語シンボルにのみ依存し、左辺第2項は、同期判定を行おうとしている現フレーム多重データユニット(MUX−PDU)の同期語侯補の検査時における観測シンボルのみに依存する。
【0077】
このことより、実際のインプリメントは、式(10)の左辺の第1項の値と第2項の値に、それぞれ独立に各観測シンボルに対応したテーブル等を用意することで簡単に実現することができる。
【0078】
ここでは、まず式(10)のPappearance(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を導出する。そのために、実際の伝送路のエラーパターンから、同期フラグと拡張ゴレイ符号とに含まれる各誤りの個数の同時確率
err (nflag err,ngolay err
を測定する。ここでnflag errは同期フラグ中に含まれる誤りの個数、ngolay err は拡張ゴレイ符号中に含まれる誤りの個数であり、Perr (nflag err,ngolay err )はそれぞれの誤り個数nflag err及びngolay err が同時に観測される確率である。
【0079】
具体的には図2に示すように、あるエラーパターンの部分で同期フラグ相当分の16ビットの部分及び拡張ゴレイ符号相当分の24ビットの部分に含まれる誤りの個数を測定し、さらに測定個所を順次ずらして累積することにより同時誤り観測確立Perr (nflag err,ngolay err )を得る。
【0080】
次に、拡張ゴレイ符号に誤りがngolay err 個あった場合に、実際にngolay mes err 個の誤りが観測される条件付き確率
golay mes err golay err (ngolay mes err |ngolay err
を求める。
【0081】
そのために、全ての224種類のエラーパターンにおいて、24ビットの拡張ゴレイ符号に誤りがngolay err 個、かつ、その場合に観測される誤りがngolay mes err 個となる場合の数を、
golay (ngolay mes err ,ngolay err
と定義する(この値は論理的に一意に求まる)。
【0082】
ところで、このNgolay (ngolay mes err ,ngolay err )の場合の数において、実際にngolay err 個の誤りが24ビット中に起こり得るとした場合、明らかにその場合の数は、24個の中からngolay err 個を取る組合せの数24ngolay errとなり、かつ、当然のことながら、全ての和は224になる。
【0083】
前述の拡張ゴレイ符号に誤りがngolay err 個あった場合に、実際にngolay mes err 個の誤りが観測される条件付き確率Pgolay mes err golay err (ngolay mes err |ngolay err )は、このNgolay (ngolay mes err ,ngolay err )を用いて、以下のように表現することができる。
【数11】
Figure 0004331367
【0084】
また、同期フラグ中で実際に観測される誤りの個数nflag mes err,curは、実際に誤りが発生した数nflag errと同一であることを利用すると、式(10)のPappearance(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )は以下のように記述できる。
【数12】
Figure 0004331367
【0085】
そして、式(11)を式(12)に代入すると、
【数13】
Figure 0004331367
となり、具体的にPappearance(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を計算することができることとなる。
【0086】
次に、式(10)におけるPpretend (nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を導出する。ランダムなビットストリーム中では、同期フラグの誤り検査時と拡張ゴレイ符号の復号検査時とで観測される誤りの個数は独立な事象であるので、
pretend (nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur
は、同期フラグの誤り検査によりランダムストリーム中でnflag mes err,cur個の誤りが観測される確率
pretend flag(nflag mes err,cur
と、拡張ゴレイ符号の復号時にランダムストリーム中でngolay mes err,cur の誤りが観測される確率
pretend golay (ngolay mes err,cur
を用いて
【数14】
Figure 0004331367
と表される。
【0087】
ここで、Ppretend flag(nflag mes err,cur)は単純に16ビット中nflag mes err,curビットが同期フラグと一致する確率であるから、
【数15】
Figure 0004331367
と表すことができる。
【0088】
また、Ppretend golay (ngolay mes err,cur )は、拡張ゴレイ符号の性質から、以下の通りとなる。
【数16】
Figure 0004331367
【0089】
以上のことより、式(15)と式(16)を式(14)に代入すると、具体的なPpretend (nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )の値を計算することができる。
【0090】
最後に、検査する位置に多重データユニット(MUX−PDU)が存在する確率PMux Flag exist(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)を導出する。まず最初は、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダ中の拡張ゴレイ符号の復号時に観測された符号誤り個数ngolay mes err,prevが3以下と判断され、多重化データ長(MPL)を求めることができる場合について導出する。
【0091】
この場合は、観測されたゴレイ符号中の誤りの下で、多重化データ長(MPL)が正しい確率を求めればよい。このことから、
【数17】
Figure 0004331367
となる。ここで、Pgolay err flag mes err(ngolay err |nflag mes err)は、同期フラグにnflag mes err個の誤りが観測された場合に、拡張ゴレイ符号中に実際にngolay err 個の誤りが存在する確率である。また、Pgolayg mes errflag mes err(ngolay mes err |nflag mes err)は、同期フラグにnflag mes err個の誤りが観測された場合に、拡張ゴレイ符号を復号した時にngolay mes err 個の誤りが観測される確率である。
【0092】
このことから式(17)は、同期フラグ中の誤り個数がnflag mes err個の条件下で、拡張ゴレイ符号を復号した結果の誤り個数がngolay mes err 個と観測された場合に、実際の誤り個数もngolay mes err 個であり、結果として正しく多重化データ長(MPL)が復号できた確率を示している。
【0093】
ここで、Pgolay err flag mes err(ngolay err |nflag mes err)は、先にPappearance(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を求めるときに導入した、エラー分布の測定値であるPerr (nflag err,ngolay err )を用いて、以下の式で求めることができる。
【0094】
【数18】
Figure 0004331367
また、Pgolay mes err flag mes err(ngolay mes err |nflag mes err)は、式(18 )及び式(11)で求めたPgolay mes err golay err (ngolay mes err |ngolay err )を用いて以下のように表される。
【0095】
【数19】
Figure 0004331367
以上のことより、式(18)と式(19)を式(17)に代入することにより、拡張ゴレイ符号の復号時に観測された符号誤り個数ngolay mes err,prevが3以下の場合の多重データユニット(MUX−PDU)存在確率
Mux Flag exist(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)を求めることができる。
【0096】
次に拡張ゴレイ符号の復号時に観測された符号誤り個数ngolay mes err,prevが4以上の時、通信開始時の第一回目の引き込み時、又は多重化データ長(MPL)を用いて式(10)に基づいて同期検査した結果、同期確立されずに同期引き込み状態となったときの多重データユニット(MUX−PDU)存在確率PMux Flag existについて説明する。
【0097】
この場合は多重化データ長(MPL)の情報は全く利用できない。しかしながら、多重データユニット(MUX−PDU)のペイロードの平均符号長Lavg packet(オクテット)が分かれば、最低Lavg packet回の同期検査を行うと、最低平均一回は多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダが存在する。
【0098】
このことから、上記の場合は、多重データユニット(MUX−PDU)存在確率PMux Flag exist(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)は定数となり、
【数20】
Figure 0004331367
となる。
【0099】
以上のことより、エラーパターンの誤りの統計量である同期フラグと拡張ゴレイ符号とに含まれる各誤りの個数の同時確率Perr (nflag err,ngolay err )と、多重データユニット(MUX−PDU)のペイロードの平均符号長Lavg packetさえ予め測定できれば、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)同期確立時に観測された誤りの個数と、現フレームの多重データユニット(MUX−PDU)の同期確立の検査時に観測されるシンボルとから、式(10)の計算が可能となり、最尤同期確立を実現することができることとなる。
【0100】
ここで、前述のとおり、式(10)の左辺第1項は、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)の観測シンボルにのみ依存し、左辺第2項は、同期判定を行おうとする現フレームの多重データユニット(MUX−PDU)の同期語侯補の検査時における観測シンボルのみに依存する。
【0101】
このことにより、左辺の第1項と第2項とに、独立に各観測シンボルに対応した値を格納したテーブル等を用意し、その各テーブルを索引して得られた値の大小を比較することにより、簡単に最尤同期確立を実現することができる。
【0102】
具体的には、左辺第1項を
【数21】
Figure 0004331367
左辺第2項を
【数22】
Figure 0004331367
とおき、それぞれ同期語非存在度テーブル及び同期語尤度テーブルとして予め作成しておく。
【0103】
そして同期検査時には、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)同期確立時に観測されたシンボル(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)によりテーブルを索引して同期語非存在度
Mux Flag non exist(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)を求める。
【0104】
次に、現フレームの同期検査時に観測されたシンボル(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )によりテーブルを索引して同期語尤度
Mux Flag Likelyhood (nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)を求める。
【0105】
最後に、それらの差
【数23】
Figure 0004331367
の正負(大小関係)を判定し、負の場合に同期が確立したと見なして最尤同期確立を行うことができる。
【0106】
図3は上記本発明の実施例の同期確立手順のフローチャートである。まず、同期引き込み用に用いるポインタPsearchを初期化する(3−1)。これは既に復号が終了している多重データユニット(MUX−PDU)のフレーム同期語の次のバイトとする。この値は、多重化データ長(MPL)が指し示す先で同期語判定を行ったときに同期語が存在しないと判定された時のみ使用される。
【0107】
次に、前フレームで検出した多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダ内のゴレイ符号を復号して、次のフレームの多重データユニット(MUX−PDU)へのポインタである多重化データ長(MPL)を取得する。但し、この多重化データ長(MPL)は伝送誤りにより正しくない場合がある。そして、このポインタが指し示す先に、次のフレームの多重データユニット(MUX−PDU)のヘッダ(フレーム同期語)を検査するポインタを移動する(3−2)。
【0108】
そして、前フレームの多重データユニット(MUX−PDU)同期確立時に観測された、PNパターン同期フラグと一致しないビットの数nflag mes err,prev とゴレイ符号の復号時に観測された誤りの数ngolay mes err,prevのシンボルの集合Sprev=(nflag mes err,prev ,ngolay mes err,prev)を取得し(3−3)、同期語非存在度LMux Flag non existを、(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を引数としてテーブルから取得する(3−4)。
【0109】
次に、同期検査時に観測されるシンボルの集合Scur =(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を、次のフレームの同期語候補であるポインタの位置に置いて、対応する同期フラグと一致しないビットの数、ゴレイ符号を復号した時の誤りの数、からそれぞれ求める(3−5)。
【0110】
そして、同期語尤度LMux Flag Likelyhood を、(nflag mes err,cur,ngolay mes err,cur )を引数としてテーブルから取得し(3−6)、同期語非存在度LMux Flag non existと同期語尤度LMux Flag Likelyhood の大小を比較し(3−7)、同期語非存在度の方が小さければ同期確立と見なして処理を終了する(3−8)。
【0111】
上記フロー(3−7)の大小比較で、同期語非存在度の方が大きい場合は引き込み処理に進む。引き込み処理では、引き込み用の同期語非存在度を式(20)、式(21)及び平均パケット長Lavg packetから取得する(3−9)。
【0112】
次に、引き込み用のポインタPsearchに、同期検査の処理を行うべき多重データユニット(MUX−PDU)候補位置を移動し(3−10)、引き込み用のポインタPsearchをインクリメントし(3−11)、前述のフロー(3−5)に戻り、同様の処理を繰り返す。以上が本発明による同期確立手順のフローである。
【0113】
前述の式(21)、式(22)の右辺は,通常は小数点を含む実数となり、それらの数値をテーブル化した場合、DSP(Digital Signal Processor)等の処理装置にインプリメントするのにはなじまない。しかしながら、式(23)による判定は、大小関係のみの判定となるため、式(21)と式(22)の各要素間の大小関係さえ正確に保持していれば、同期判定の結果は変わらない。
【0114】
このことより、式(21)及び式(22)により求めた値を格納した両方のテーブルの各要素の値を併せてソートし、その小さい方から0、1、2、3…と順番に整数の番号を割当て、再度、同期語非存在度LMux Flag non existと同期語尤度LMux Flag Likelyhood の各テーブルの要素の値を、前述の番号を割当てて整数化し、再構成することにより、式(23)による正負の関係(大小関係)を保ったまま、テーブル要素のビット幅の削減、つまりテーブルサイズの削減を図ることが可能となる。
【0115】
また、前記同期語尤度テーブル及び前記同期語非存在度テーブルは、それぞれのテーブルに記録する値として、観測され得る全ての検査値に対する同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素について、該同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素の値の大小関係を反転するよう再スケーリングした値を記録し、再スケーリングした同期語尤度が再スケーリングした同期語非存在度の値より小さい場合に、同期検査位置に同期語が存在すると判定するように判定条件を変更することができる。
【0116】
なお、前述のテーブルには同期フラグの誤り個数nflag errの代わりにPNパターン同期フラグとの一致数を示す相関値を用いることができる。そして、観測された該同期フラグとの相関値を引数とし、該相関値の下で、ゴレイ符号の誤り個数が変化した場合の最大同期語尤度を記録した最大同期語尤度テーブルを更に備え、それらのテーブルを用いて同期判定を行うことにより、同期判定処理を高速化することができる。
【0117】
即ち、観測された同期フラグとの相関値により最大同期語尤度テーブルから求めた最大同期尤度と同期語非存在度とを比較し、最大同期尤度が同期語非存在度より小さい場合は、無条件で同期確立不可能であると判断することができることから、現検査位置での以降の同期判定処理をスキップすることができる。即ち、明らかにヘッダと異なるところで同期語判定を行った場合に、比較的演算量の多い拡張ゴレイ符号の復号を行わずに済ませることができる。
【0118】
特に勧告H.223AnnexBあるいは類似の多重方式において、前述の拡張ゴレイ符号の誤り個数の演算の方が相関値の計算より演算量が多い。このことから、同期検査時において、同一の相関値を有する同期語尤度の中で、最大及び最小の同期語尤度を予めテーブル化しておくことにより、同期判定及び同期確立の処理を高速化することができる。
【0119】
ここで、本発明による最尤同期確立と従来の同期確立との演算量の増加について説明する。本発明による最尤同期確立を行うために必要な同期フラグと拡張ゴレイ符号の各誤り個数の観測は、勧告H.223AnnexBの多重データユニット(MUX−PDU)の復号では必須であり、この点での演算量の増加はない。
【0120】
つまり、演算量が増加するとすれば、この同期語非存在度と同期語尤度の2次元テーブルから値を求める程度であり、予めテーブルさえ用意しておけば、従来に比べても演算のオーバーヘッドはとても小さいといえる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特定の伝送路におけるエラーパターンの特徴量が与えられたとときに、該エラーパターンの特徴量を基にした同期判定を行うことにより、誤同期及び同期見逃しによる同期外れを抑制し、最尤同期確立を行うことができる。
【0122】
また、エラーパターンの特徴量に基づいて同期判断を行う際に必要なパラメータをテーブル化しておくことにより、少ない演算量で最尤同期検査を行うことができ、最尤同期確立を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による最尤同期確立の説明図である。
【図2】同期フラグとゴレイ符号に含まれる誤り数の同時観測確率の測定の説明図である。
【図3】本発明の実施例の同期確立手順のフローチャートである。
【図4】多重伝送データの伝送フレーム構造の例を示す図である。
【図5】同期フラグ検出位置を推定して同期判定を行う手法の説明図である。
【図6】従来のゴレイ符号の誤り個数と同期フラグ一致閾値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1−1 同期語非存在度計算手段
1−2 同期語尤度計算手段
1−3 同期判定手段

Claims (7)

  1. フレーム化された多重データユニットのビットストリームを観測し、多重データユニットの同期語が存在するかどうかを検査して同期確立を行うフレーム同期装置において、
    同期検査位置における同期検査用の測定可能な検査値から、該同期検査位置に同期語が存在する場合に該検査値が観測される確率である同期時観測確率と、同期検査位置に同期語が存在しない場合に該検査値が観測される確率であるエミュレーション時観測確率とを求め、それらの比より計算される、同期検査位置における同期語が存在する度合いを表す値である同期語尤度を求める同期語尤度計算手段と、
    同期検査位置に同期語が存在しない確率である同期語非存在確率と、同期検査位置に同期語が存在する確率である同期語存在確率を求め、それらの比により計算される、同期検査位置に同期語が存在しない度合いを表す値である同期語非存在度を求める同期語非存在度計算手段と、
    前記同期語尤度と同期語非存在度との大小を比較し、同期語尤度の値が同期語非存在度の値より大きい場合に、同期検査位置に同期語が存在すると判定する同期判定手段と、
    を備えたことを特徴とするフレーム同期装置。
  2. 前記同期語尤度計算手段は、同期語尤度の計算に用いる、同期検査位置における前記検査値として、複数の符号化規則から求められる複数の検査値の組を用い、前記同期時観測確率及び前記エミュレーション時観測確率を、該複数の検査値の組が同時に観測される同時確率として算出する構成を有し、前記同期語非存在度計算手段は、前記同期語非存在確率及び前記同期語存在確率を、前回に同期確立したフレームの同期検査時の検査値又は複数の検査値の組を用いて算出する構成を有することを特徴とする請求項1に記載のフレーム同期装置。
  3. 前記多重データユニットは、擬似乱数パターンの同期フラグと、該同期フラグに引き続いて配置されたヘッダ中に格納され、誤り訂正符号で保護された次のフレームの同期フラグまでのデータ長の情報とを含むものであって、
    同期検査時に測定する検査値として、同期フラグと一致するビット数を示す相関値、及び前記誤り訂正符号を復号した結果得られる誤り個数の2種類の検査値の組を用いることを特徴とした請求項2に記載のフレーム同期装置。
  4. 前記同期語尤度計算手段は、予め全ての観測され得る検査値又は複数の検査値の組に対して計算した同期語尤度を記録した同期語尤度テーブルを有し、同期検査時に観測された検査値又は複数の検査値の組から、前記同期語尤度テーブルに記録された対応する同期語尤度の値を読み出して同期語尤度を導出する構成を有し、
    前記同期語非存在度計算手段は、予め前回の同期確立時に観測され得る全ての検査値又は複数の検査値の組に対して計算した同期語非存在度を記録した同期語非存在度テーブルを有し、前回同期確立時に観測された検査値又は複数の検査値の組から、前記同期語非存在度テーブルに記録された対応する同期語非存在度の値を読み出して同期非存在度を導出する構成を有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のフレーム同期装置。
  5. 前記同期語尤度テーブル及び前記同期語非存在度テーブルは、それぞれのテーブルに記録する値として、観測され得る全ての検査値に対する同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素について、該同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素の値の大小関係を保持したまま再スケーリングした値を記録したものであることを特徴とする請求項4に記載の最尤フレーム同期装置。
  6. 前記同期語尤度テーブル及び前記同期語非存在度テーブルは、それぞれのテーブルに記録する値として、観測され得る全ての検査値に対する同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素について、該同期語尤度及び同期語非存在度の全ての要素の値の大小関係を反転するよう再スケーリングした値を記録したものであり、再スケーリングした同期語尤度が再スケーリングした同期語非存在度の値より小さい場合に、同期検査位置に同期語が存在すると判定するように判定条件を変更した同期判定手段を有することを特徴とする請求項4に記載のフレーム同期装置。
  7. フレーム化された多重データユニットのビットストリームを観測し、多重データユニットの同期語が存在するかどうかを検査して同期確立を行うフレーム同期方法において、
    同期検査位置における同期検査用の測定可能な検査値から、該同期検査位置に同期語が存在する場合に該検査値が観測される確率である同期時観測確率と、同期検査位置に同期語が存在しない場合に該検査値が観測される確率であるエミュレーション時観測確率とを求め、それらの比より計算される、同期検査位置における同期語が存在する度合いを表す値である同期語尤度を求める過程と、
    同期検査位置に同期語が存在しない確率である同期語非存在確率と、同期検査位置に同期語が存在する確率である同期語存在確率を求め、それらの比により計算される、同期検査位置に同期語が存在しない度合いを表す値である同期語非存在度を求める過程と、
    前記同期語尤度と同期語非存在度との大小を比較し、その大小関係に基づいて、同期検査位置に同期語が存在するか否かを判定する過程と、
    を有することを特徴とするフレーム同期方法。
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