JP4330062B2 - Cancer treatment apparatus and method, and body fluid treatment apparatus and method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍細胞などの癌細胞に起因する疾患を治療するのに適した治療装置および方法並びに体液処理装置および方法に関する。さらに詳述すると、本発明は癌細胞を加熱して破壊する治療装置および方法並びに体液を濾過して癌細胞を除去する体液処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、癌組織は熱に弱く、正常組織よりも熱感受性が高いという性質が知られている(例えば非特許文献1参照)。癌が腫瘍を作ればそこは血流が十分でなく酸素不足で乳酸が作られ酸性に傾く。一般に細胞は環境が酸性になるほど温度感受性が高くなり死に易い。また血流が少ないと温度も上がり易い。
【0003】
この性質を利用して癌細胞のような腫瘍細胞を死滅するために、誘電加熱により腫瘍細胞を加熱して破壊する方法が多く提案されている(例えば非特許文献2及び特開2001−314519参照)。この方法では、患部を挟むように電極を設置して、電極間に高周波の電場を生じさせる。これにより、癌細胞が例えば42℃程度に誘電加熱されてアポトーシスを起こすことにより死滅する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−314519号
【非特許文献1】
放射線医学大系、特別巻3、田坂皓編、中山書店1987
【非特許文献2】
「サーモトロン」温熱療法、菅原努編、健康新聞社1998
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した誘電加熱を利用する方法では、癌細胞以外の正常な細胞も誘電加熱されて破壊されてしまう虞があるので、実施時には電極の位置や大きさ、電場の周波数や出力等の諸条件の設定に細かい注意が必要になり処理が煩雑になってしまう。このため、癌細胞のみを選択的に死滅させたり除去できる方法が望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、腫瘍細胞等の癌細胞のみを選択的に加熱して破壊できる治療装置および方法、並びに体液処理装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項2記載の本発明の治療方法は、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子を、被加療体(人体を除く)の癌細胞から成る患部に注入し、前記発熱素子を被加療体の癌細胞から成る患部に結合させた状態で前記発熱素子に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射して、前記発熱素子を誘導加熱し前記癌細胞を加熱して破壊するようにしている。かかる治療方法は、例えば請求項1記載の治療装置によって実施できる。請求項1記載の治療装置は、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子と、前記発熱素子が被加療体の癌細胞から成る患部に結合した状態で前記発熱素子に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射する誘導加熱手段とを備え、前記発熱素子を誘導加熱し前記癌細胞を加熱して破壊するようにしている。また、尚、本明細書中で「リガンド」とは、抗体やペプチドやDNA及び糖鎖、糖脂質等、癌細胞の外面に結合するもの全般を含んだ概念としている。
【0008】
この場合、リガンドの利用により発熱体を被加療体(人体を除く)の正常な細胞等に結合させること無く患部たる癌細胞のみをターゲッティングして選択的に結合することができる。そして、特定の周波数・出力の電磁波を短時間照射することで、癌細胞に結合された発熱体のみを誘導加熱して、癌細胞を瞬間的に高温加熱することにより、細胞膜を破壊して細胞膜以外の原形質を流出させる、あるいは細胞がアポトーシスに陥る。よって、加熱される癌細胞の周囲に熱が伝導する前に発熱が終わるので、正常な部分を破壊すること無く癌細胞のみを加熱して破壊することができるようになる。
【0009】
また、請求項5記載の体液処理方法は、採取された体液と電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子とを混合して前記発熱素子を前記癌細胞に結合させる混合工程と、前記混合工程で得られた前記体液および前記発熱素子の混合液に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射して前記発熱素子を誘導加熱することにより前記癌細胞を加熱して破壊する誘導加熱工程と、破壊された前記癌細胞を除去して前記癌細胞が取り除かれた体液を得る除去工程とを備えるようにしている。この体液処理方法は、例えば請求項3記載の体液処理装置によって実施される。この請求項3記載の体液処理装置は、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子と、採取された前記体液と前記発熱素子とを混合して前記発熱素子を前記癌細胞に結合させる混合部と、前記混合部で得られた前記体液および前記発熱素子の混合液に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射して前記発熱素子を誘導加熱することにより前記癌細胞を加熱して破壊する誘導加熱手段と、破壊された前記癌細胞を除去して前記癌細胞が取り除かれた体液を得る除去部とを備えるようにしている。
【0010】
これらの場合、採取した体液中の癌細胞を選択的に加熱破壊し除去しているので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞のみを破壊して除去した体液を得ることができるようになる。
【0011】
更に、請求項6記載の体液処理方法は、被加療体(人体を除く)から体液を採取する採液工程と、採取された前記体液と電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子とを混合して前記発熱素子を前記癌細胞に結合させる混合工程と、前記混合工程で得られた前記体液および前記発熱素子の混合液に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射して前記発熱素子を誘導加熱することにより前記癌細胞を加熱して破壊する誘導加熱工程と、破壊された前記癌細胞を除去して前記癌細胞が取り除かれた体液を得る除去工程と、該除去部で浄化された前記体液を前記生体に戻す返液工程とを備えるようにしている。この体液処理方法は、例えば請求項4記載の体液処理装置によって実施できる。この請求項4記載の体液処理装置は、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子と、被加療体から体液を採取する採液部と、採取された前記体液と前記発熱素子とを混合して前記発熱素子を前記癌細胞に結合させる混合部と、前記混合部で得られた前記体液および前記発熱素子の混合液に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射して前記発熱素子を誘導加熱することにより前記癌細胞を加熱して破壊する誘導加熱手段と、破壊された前記癌細胞を除去して前記癌細胞が取り除かれた体液を得る除去部と、該除去部で浄化された前記体液を前記生体に戻す返液部とを備えるようにしている。
【0012】
これらの場合、被加療体から採取した体液中の癌細胞を選択的に加熱破壊し除去しているので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞のみを破壊して除去して元の被加療体に戻すことができるようになる。これにより、被加療体に直接電磁波をかけることなく、治療効果の高い体液循環システムを実現することができる。
【0013】
また、請求項9記載の体液処理方法は、採取された体液と癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた磁性体微粒子とを混合して前記磁性体微粒子を前記癌細胞に結合させる混合工程と、前記混合工程で得られた前記体液および前記磁性体微粒子の混合液に磁場をかけて前記磁性吸着素子を吸着することにより前記癌細胞のみを集めて他の成分を通過させる濾過工程とを備えるようにしている。この体液処理方法は、例えば請求項7記載の体液処理装置によって実施できる。この請求項7記載の体液処理装置は、癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた磁性体微粒子と、採取された前記体液と前記磁性体微粒子とを混合して前記磁性体微粒子を前記癌細胞に結合させる混合部と、前記混合部で得られた前記体液および前記磁性体微粒子の混合液に磁場をかけて前記磁性吸着素子を吸着することにより前記癌細胞のみを集めて他の成分を通過させる濾過部とを備えるようにしている。
【0014】
したがって、リガンドの利用により磁性体を正常な細胞等に結合させること無く癌細胞のみをターゲッティングして選択的に結合することができる。そして、癌細胞に結合された磁性体に磁場を与えることにより磁性体が吸着されて癌細胞が集められる。よって、癌細胞のみを集めて濾過等の処理を施すことができ、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞のみを除去した体液を得ることができるようになる。
【0015】
更に、請求項10記載の体液処理方法は、被加療体(人体を除く)から体液を採取する採液部と、採取された前記体液と癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた磁性体微粒子とを混合して前記磁性体微粒子を前記癌細胞に結合させる混合工程と、前記混合工程で得られた前記体液および前記磁性体微粒子の混合液に磁場をかけて前記磁性吸着素子を吸着することにより前記癌細胞のみを集めて他の成分を通過させる濾過工程と、前記濾過工程で前記癌細胞が濾過されて取り除かれた体液を前記被加療体に戻す返液工程とを備えるようにしている。この体液処理方法は、請求項8記載の体液処理装置によって実施できる。この請求項8記載の体液処理装置は、癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた磁性体微粒子と、被加療体から体液を採取する採液部と、採取された前記体液と前記磁性体微粒子とを混合して前記磁性体微粒子を前記癌細胞に結合させる混合部と、前記混合部で得られた前記体液および前記磁性体微粒子の混合液に磁場をかけて前記磁性吸着素子を吸着することにより前記癌細胞のみを集めて他の成分を通過させる濾過部と、前記濾過部で前記癌細胞が濾過されて取り除かれた体液を前記被加療体に戻す返液部とを備えるようにしている。
【0016】
これらの場合、被加療体から採取した体液を濾過して癌細胞を分離することができるので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞だけを除去して濾過後の体液を元の被加療体に戻すことができる。これにより、被加療体に直接磁場をかけることなく、治療効果の高い体液循環システムを実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本発明の治療装置は、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子と、この発熱素子が被加療体の癌細胞から成る患部に結合した状態で当該発熱素子に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射する誘導加熱手段とを少なくとも含み、前記発熱素子を誘導加熱手段から照射される電磁波で誘導加熱して選択的に癌細胞を加熱して破壊するようにしたものである。
【0019】
図1に本発明に用いる発熱素子1の一実施形態を示す。この発熱素子1は、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体2と、発熱体に付着されると共に癌細胞3に対して選択的に結合するリガンド4とを有するようにしている。このため、リガンド4より発熱体2を正常な細胞7等に結合させること無く癌細胞3のみをターゲッティングして選択的に結合することができる。そして、癌細胞3に結合された発熱体2を誘導加熱することにより、発熱体2の熱が癌細胞3に伝導して癌細胞3が加熱される。よって、癌細胞3のみを加熱して破壊することができる。
【0020】
本実施形態では、癌細胞3は血液腫瘍細胞を対象としている。このため、当該腫瘍細胞の細胞膜5に選択的に結合するリガンド4を有する発熱素子1を使用して、癌細胞3のみを加熱して死滅させることができる。この癌細胞3は血液腫瘍細胞であることから、細胞表面にいくつかの特異的抗原6を発現している。例えば、多発性骨髄腫細胞では、細胞表面にCD38抗原、CD54抗原、CD138抗原、HM1.24抗原などを発現している。このため、リガンド4としては、これらの抗原6に対する抗体を使用している。
【0021】
発熱体2としては、マグネタイト(Fe3O4)製の直径約10nmの真球粒子を使用している。マグネタイトは被加療体毒性が無いので、発熱素子1を被加療体内に注入しても安全性を確保することができる。また、マグネタイトは強磁性体であるので、癌細胞3に結合した発熱体2の周りに他の発熱体2が磁化架橋により付着する。これにより、図1に示すように癌細胞3の周囲を覆うように発熱素子1が付着するようになる。尚、発熱体としては、マグネタイトに限られるものではなく、電磁誘導により発熱する材質から成るものであれば使用可能であり、このようなものとしてはタングステン、アルミナ、ニッケル−クロム合金、ステンレススチール、金、炭素などが挙げられるが、中でも生体に無毒な金粒子の使用は好ましい。
【0022】
また、直径が10nmほどの真球形状であるので、毛細血管に詰まることや血管内凝固の発生を抑制することができる。発熱体2の大きさは例えば10nm〜4.5μm程度であることが好ましい。10nmより小さいと発熱量が不十分になるおそれがあり、4.5μmより大きいと毛細血管に詰まり、かつ流動抵抗がリガンドによる吸着力より大きくなるという理由により好ましくない。また、発熱体2の大きさとしては、より好ましくは10nm〜250nm程度であり、最も好ましくは10nmである。
【0023】
この発熱素子1を生成するときは、使用する抗体と発熱体2とを一定時間だけ混合して、発熱体表面に抗体を吸着させて抗体吸着発熱素子1を得る。そして、この発熱素子1と細胞とを混合することにより細胞に発熱素子1を吸着させて、癌細胞3の細胞膜に結合された状態の発熱素子1を得ることができる。さらに、この発熱素子1に抗-F(ab)2断片抗体を作用させて癌細胞3から取り外して、単体の発熱素子1を得ることができる。
【0024】
また、発熱素子1を誘導加熱する誘導加熱手段は、発熱素子1を結合させた癌細胞3に電磁波を照射可能なコイル(図示省略)と、該コイルに通電して電磁波を発生させ発熱素子1を誘導加熱し癌細胞3を加熱して破壊する励磁回路(図示省略)とを少なくとも有する。この誘導加熱手段から照射される電磁波は、周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWであり、20分以下1秒以上照射するようにしている。上記条件の電磁波の照射を実現して誘電加熱ではなく誘導加熱により発熱体2を加熱することができる。
【0025】
そして、上記条件の電磁波の照射により、癌細胞3を瞬間的に高温加熱することができるので、細胞膜5を破壊して細胞膜5以外の原形質を流出させることができる。よって、加熱される癌細胞3の周囲に熱が伝導する前に発熱が終わるので、正常な部分を破壊すること無く癌細胞3のみを加熱して破壊することができるようになる。照射する電磁波の条件としては、より好ましくは周波数10kHz〜2MHz、出力100W〜1kW、照射時間3分以下であり、最も好ましくは周波数400kHz〜2MHz、出力100〜300W、照射時間1〜5秒となる。
【0026】
また、コイルは、直径3mmの銅線を直径800mmで一巻きにして形成している。これにより、発熱素子1を例えば人間のような大型の被加療体に注入した場合に、被加療体ごとコイルの内部に載置することができるようになる。勿論、被加療体から採取された体液を発熱素子1と混合状態として貯留する容器のような混合部あるいは犬、猫のような小さな被加療体を対象とする場合には、それに応じたコイル直径ないし巻き数のコイルが選択されることは言うまでもない。
【0027】
さらに、コイルは1巻きであるので、コイルのインダクタンスを小さく抑えることができる。そして、コイルおよび励磁回路のLCRの各値は、コイルが発振し易くなるようにマッチングを取って設定する。これにより、電磁波を照射するときに発振し易くなるので、小さな入力で大きな出力を得ることができるようになり、大きな被加療体に電磁波を照射して誘電加熱するときでも電源の負荷を小さくすることができる。
【0028】
上述した発熱素子1および治療装置を利用して被加療体内の癌細胞3を加熱して死滅させる手順を以下に説明する。ここで、本実施形態で「被加療体」とは例えば人間を除いた動物としている。ただし、被加療体はこれに限られるものではなく、人間を含めた動物全般の他に、植物等を含んだ生物全般とすることができる。
【0029】
予め生成した発熱素子1を被加療体内に投与する。投与の方法としては、例えば注射により注入する。注入された発熱素子1は、被加療体内で癌細胞3の細胞膜5に発現した抗原6に対してリガンド4により結合する。さらに、結合した発熱素子1の周囲に他の発熱素子1が磁化架橋により付着して、発熱素子1により癌細胞3の全体が覆われるようになる。
【0030】
そして、この被加療体を誘導加熱手段のコイルの内部に載置して、励磁回路によりコイルに通電して被加療体に向けて電磁波を照射する。これにより、発熱素子1の発熱体2が誘導加熱されて、癌細胞3の細胞膜5が加熱される。発熱素子1は癌細胞3の全体を覆っているので、癌細胞3は全体的に加熱されるようになる。そして、細胞膜5が42℃を超える温度に加熱されると、その一部Hが熱破壊されて細胞膜5以外の原形質が流出して死滅する。あるいは、細胞膜5が42℃以上に加熱されると、癌細胞3がアポトーシスに陥ることにより死滅する。
【0031】
発熱素子1のリガンド4は癌細胞3に発現した抗原6に対してのみ結合するので、正常な細胞7を加熱して破壊してしまうおそれを減らすことができる。特に本実施形態では周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kW、照射時間20分以下としているので、癌細胞3を瞬間的に高温加熱することができる。よって、加熱される癌細胞3の周囲に熱が伝導する前に発熱が終わり、正常な細胞7を破壊することをより確実に防止することができる。
【0032】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、癌細胞3を血液腫瘍細胞にしているが、これには限られず固形腫瘍細胞としても良い。これにより例えば骨髄や臓器に発現した固形腫瘍細胞でも対象とすることができる。この場合も、癌細胞3である腫瘍細胞の近傍に発熱素子1を注入することにより、癌細胞3の細胞膜に発熱素子1を結合させて誘導加熱により死滅させることができる。
【0033】
また、上述した実施形態では被加療体内に発熱素子1を注入しているが、これには限られず体外において体液中の癌細胞3に発熱素子1を結合させて誘導加熱するようにしても良い。例えばあらかじめ採取された体液あるいは被加療体から採取された体液に、電磁誘導により発熱する材質から成る発熱体に癌細胞に対して選択的に結合するリガンドを付着させた発熱素子とを混合して発熱素子と癌細胞とを結合させ、この混合液に周波数50Hz〜3GHz、出力50W〜100kWの電磁波を1秒以上20分以下照射して発熱素子を誘導加熱することにより、癌細胞を加熱して破壊し、破壊された癌細胞を除去して癌細胞が取り除かれた体液を得、さらにはこの浄化体液を被加療体に還流させるようにしても良い。
【0034】
例えば、被加療体から体液を採取しながら癌細胞を死滅させる処置を行う場合には、被加療体8から体液を採取する採液工程と、採取した体液に発熱素子1を混合して該体液19中の癌細胞に結合させる混合工程と、混合工程で得られた体液19および発熱素子1の混合液に電磁波を照射して発熱素子1を誘導加熱することにより癌細胞3を加熱して破壊する誘導加熱工程と、破壊された癌細胞3を除去する除去工程と、該除去工程で浄化された体液を被加療体8に戻す返液工程とによって実施される。
【0035】
この体液処理方法を実現するための体液処理装置14は、例えば図2に示すように、被加療体8から体液19を採取して発熱素子1を混合し誘導加熱により癌細胞3のみを死滅させ除去し被加療体8に返液する体液処理装置14を使用する。すなわち、この体液処理装置14は、被加療体8から体液19を採取する採液部9と、採取した体液19に発熱素子1を混合して該体液19中の癌細胞3に結合させる混合部10と、混合部10で得られた体液および発熱素子1の混合液に電磁波を照射して発熱素子1を誘導加熱することにより癌細胞3を加熱して破壊する誘導加熱部11と、破壊された癌細胞3を除去する除去部11と、該除去部11で浄化された体液を被加療体8に戻す返液部13とを備えるようにしている。
【0036】
体液処理装置14を使用するときは、採液部9により採液工程を実施し、被加療体8から血液やリンパ液や組織液のような体液19を採取する。例えば血液を採取する場合は、連続的に血液成分分離採血が可能なヘモネティクス装置を使用することが好ましい。また、ヘモネティクス装置で分離された血小板及び血漿は、処理を加えずに元の被加療体8に戻すようにする。
【0037】
そして、混合部10により混合工程を実施し、採取した体液19に発熱素子1を混合して体液19中の癌細胞3に結合させる。このとき、保温器によって混合液を被加療体8の体温程度に維持しておくことが好ましい。さらに、誘導加熱部11により誘導加熱工程を実施し、混合液に電磁波を照射して発熱素子1を誘導加熱することにより癌細胞3を加熱して破壊する。また、除去部12により除去工程を実施し、破壊された癌細胞3を除去して、返液部13により返液工程を実施して体液を被加療体8に戻す。
【0038】
この場合、被加療体8から採取した体液19中の癌細胞3を選択的に加熱破壊し除去しているので、体液中の正常な部分7を破壊すること無く、癌細胞3のみを破壊して除去して元の被加療体8に戻すことができるようになる。これにより、治療効果の高い体液循環システムを実現することができる。
【0039】
また、上述した各実施形態では発熱体2の材質としてマグネタイトを使用しているが、これには限られず誘導加熱される材質、即ち導体であれば良く、金あるいはそれ以外の各種の金属や導電性セラミックス等を使用することができる。
【0040】
一方、上述した各実施形態では導体から成る発熱体2をリガンド4により癌細胞3に結合させる発熱素子1を使用しているが、これには限られず磁性体をリガンド4により癌細胞3に結合させる磁性吸着素子を使用することもできる。この場合、癌細胞3に選択的に結合された磁性体に磁場を与えることにより、磁性体が吸着されて癌細胞3を集めることができる。よって、癌細胞3のみを集めて濾過等の処理を施して除去することができる。
【0041】
例えば、被加療体8から体液19を採取しながら癌細胞3のみを除去する処置を行う場合には、被加療体8から体液19を採取する採液工程と、採取した体液19に磁性吸着素子15を混合して該体液19中の癌細胞3に結合させる混合工程と、混合工程で得られた体液および磁性吸着素子15の混合液に磁場を与えて磁性吸着素子15を吸着することにより癌細胞3のみを集めて他の成分を通過させる濾過工程と、該濾過工程で濾過された体液を被加療体8に戻す返液工程とによって実施される。
【0042】
この体液処理方法は、例えば図3に示すような体液処理装置16によって実現される。この体液処理装置16は、被加療体8から体液19を採取する採液部9と、採取した体液19に磁性吸着素子15を混合して該体液19中の癌細胞3に結合させる混合部10と、混合部10で得られた体液および磁性吸着素子15の混合液に磁場を与えて磁性吸着素子15を吸着することにより癌細胞3のみを集めて他の成分を通過させる濾過部17と、該濾過部17で濾過された体液を被加療体8に戻す返液部13とを備えるものとしている。
【0043】
体液処理装置16を使用するときは、採液部9により採液工程を実施し、被加療体8から体液19を採取する。そして、混合部10により混合工程を実施し、採取した体液19に磁性吸着素子15を混合して体液19中の癌細胞3に結合させる。さらに、濾過部17により濾過工程を実施し、混合液に磁場を与えて磁性吸着素子15を吸着することにより癌細胞3のみを集めて他の成分を通過させて、混合液の濾過を行う。また、返液部13により返液工程を実施して体液を被加療体8に戻す。
【0044】
この場合、被加療体8から採取した体液19を濾過して癌細胞3を分離することができるので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞3だけを除去して濾過後の体液を元の被加療体8に戻すことができる。これにより、治療効果の高い体液循環システムを実現することができる。また、癌細胞3を必ずしも破壊する必要が無いので、使用エネルギを低減することができる。
【0045】
さらに、上述した各体液処理方法並びに体液処理装置14,16では被加療体8から体液を採液しながら癌細胞3を死滅ないし除去する処置をして再び被加療体8に還流させるようにしているが、これには限られず不特定の生体から予め採取された体液あるいは被加療体から予め採取された体液に対して上述の処理を行うようにしても良い。すなわち、予め採取された体液19に発熱素子1を混合して体液19中の癌細胞3に結合させる混合工程と、混合工程で得られた体液および発熱素子1の混合液に電磁波を照射して発熱素子1を誘導加熱することにより癌細胞3を加熱して破壊する誘導加熱工程と、破壊された癌細胞3を除去する除去工程とを少なくとも実施することによって、癌細胞3を死滅させた体液19を得るようにしても良い。
【0046】
この体液処理方法は、例えば図4に示す体液処理装置18によって実施できる。この体液処理装置18は、体液19例えば不特定の生体から予め採取された体液あるいは被加療体から採取された体液に発熱素子1を混合して体液19中の癌細胞3に結合させる混合部10と、混合部10で得られた体液および発熱素子1の混合液に電磁波を照射して発熱素子1を誘導加熱することにより癌細胞3を加熱して破壊する誘導加熱部11と、破壊された癌細胞3を除去する除去部12とを備え、採取された体液から癌細胞を死滅させて癌細胞を含まない体液を得ることができる。
【0047】
また、予め採取された体液19に磁性吸着素子15を混合して体液19中の癌細胞3に結合させる混合工程と、混合工程で得られた体液および磁性吸着素子15の混合液に磁場を与えて磁性吸着素子15を吸着することにより癌細胞3のみを集めて他の成分を通過させる濾過工程とを少なくとも実施することによって、癌細胞3を除去した体液を得るようにしても良い。
【0048】
この体液処理方法は、例えば図5に示す体液処理装置20によって実施できる。体液処理装置20は、予め採取された体液19に磁性吸着素子15を混合して体液19中の癌細胞3に結合させる混合部10と、混合部10で得られた体液および磁性吸着素子15の混合液に磁場を与えて磁性吸着素子15を吸着することにより癌細胞3のみを集めて他の成分を通過させる濾過部17とを備え、採取された体液から癌細胞を分離・除去した体液を得ることができる。
【0049】
これらの場合、採取された体液19の癌細胞3を選択的に加熱あるいは分離して体液から取り除いているので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞3のみを除去した体液を得ることができるようになる。よって、最終的に得られた体液を元の被加療体とは別の被加療体に利用することができるようになる。また、磁性吸着素子15を用いて癌細胞を除去する方法については、予め採取された体液に対して処置する場合について主に説明しているが、これに特に限定されるものではなく、流動性のある癌細胞などに対しては被加療体8の体内に磁性吸着素子15を注入して磁場をかけたポイントに磁性吸着素子15と結合した癌細胞などを集めて、前述の電磁波照射や放射線照射などを実施しても良い。
【0050】
また、上述した各実施形態では、リガンド4として抗体を使用しているが、これには限られず癌細胞3に選択的に結合するものであれば良い。例えば、ペプチドやDNAなどを使用することもできる。
【0051】
そして、上述した各実施形態では、発熱素子1や磁性吸着素子15の被加療体への投与方法として注射による注入を採用しているが、これには限られず患部に直接塗りこむ塗り薬状としても良い。
【0052】
更に、本実施形態では、癌細胞を対象にした例を主に挙げて説明しているが、場合によってはウィルスやタンパク質などを対象としても良い。例えば、アデノウィルスに対し抗ウィルス抗体をリガンドとして発熱素子1や磁性吸着素子15に結合させて用いることで、ウィルスに対して選択的発熱素子1や磁性吸着素子15を結合させて、誘導加熱による瞬間的加熱で破壊ないし弱体化したり、磁気吸引による選別で体液などをウィルスの少ないあるいは全く存在しない状態に浄化することも可能である。
【0053】
【実施例】
(実施例1)
上述した発熱素子1を使用して癌細胞3を加熱破壊する実験を行った。癌細胞3としてはCD54抗原を80%以上発現している多発性骨髄腫細胞株KMS28PE細胞を使用した。発熱体2としては直径4.5μm、ダイナルバイオテック社製のダイナビーズ(Pan Mouse IgG)を使用した。癌細胞3に発熱体2を付着させて、多数の発熱体2が付着した癌細胞3をマイクロマニピュレータで拾い上げ、IMDM入り寒天培地に撒いた。
【0054】
コイルとしては、直径3mmの銅線を直径30mmで5巻きしたものを使用して、発熱体2に電磁波を照射した。その後、培養しながら癌細胞3の増殖や死滅の状態を観察した。その結果、図6に示す電磁波照射前の状態では、癌細胞3の周囲に発熱体2が付着している様子が確認できた。そして、図7に示す電磁波照射2日後の状態では、癌細胞3の細胞膜が破壊された様子が確認できた。
【0055】
また、電磁波の照射条件としては、周波数450MHz、出力1,0.5kW、照射時間1,2,3,4,5,10,20秒とした。この結果、周波数450MHz、出力1kW、照射時間2〜5秒としたときが最も良く死滅した。
【0056】
(実施例2)
直径4.5μm、ダイナルバイオテック社製のダイナビーズ(Pan Mouse IgG)200個を1mlに混合して10Wの熱を2秒間与えたときの温度変化を測定した。その結果を図8に示す。同図に示すように、僅か2秒の加熱であっても癌細胞3の加熱には十分な高温化を実現することができた。したがって、ダイナビーズのような微粒子を使用しても癌細胞3を瞬時に加熱することが十分可能であることが確認できた。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1または2記載の発明によれば、リガンドの利用により発熱体を被加療体の正常な細胞等に結合させること無く患部たる癌細胞のみをターゲッティングして選択的に結合することができ、癌細胞に結合された発熱体のみを誘導加熱して癌細胞を瞬間的に高温加熱することにより、細胞膜を破壊して細胞膜以外の原形質を流出させる、あるいは細胞がアポトーシスに陥らせることができる。しかも、加熱される癌細胞の周囲に熱が伝導する前に発熱が終わるので、正常な部分を破壊すること無く癌細胞のみを加熱して破壊することができるようになる。
【0058】
さらに、請求項3または5記載の発明によれば、採取した体液中の癌細胞を選択的に加熱破壊し除去しているので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞のみを破壊して除去した体液を得ることができるようになる。よって、最終的に得られた体液を元の被加療体とは別の被加療体に利用することができるようになる。
【0059】
さらに、請求項4または6記載の発明によれば、被加療体から採取した体液中の癌細胞を選択的に加熱破壊し除去しているので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞のみを破壊して除去して元の被加療体に戻すことができるようになる。これにより、被加療体に直接電磁波をかけることなく、治療効果の高い体液循環システムを実現することができる。
【0060】
更に、請求項7及び9記載の発明によると、リガンドの利用により磁性体を正常な細胞等に結合させること無く癌細胞のみをターゲッティングして選択的に結合することができる。そして、癌細胞に結合された磁性体に磁場を与えることにより磁性体が吸着されて癌細胞が集められる。よって、癌細胞のみを集めて濾過等の処理を施すことができ、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞のみを除去した体液を得ることができるようになる。
【0061】
また、請求項8及び10記載の発明によると、被加療体から採取した体液を濾過して癌細胞を分離することができるので、体液中の正常な部分を破壊すること無く、癌細胞だけを除去して濾過後の体液を元の被加療体に戻すことができる。これにより、被加療体に直接磁場をかけることなく、治療効果の高い体液循環システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発熱素子の使用状態を示す概念図である。
【図2】体液処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】体液処理装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【図4】体液処理装置の別の実施形態を示すブロック図である。
【図5】体液処理装置の更に他の実施形態を示すブロック図である。
【図6】電磁波照射前の状態を示す顕微鏡写真である。
【図7】電磁波照射後の状態を示す顕微鏡写真である。
【図8】加熱時の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 発熱素子
2 発熱体
3 癌細胞
4 リガンド
8 被加療体
9 採液部
10 混合部
11 誘導加熱部(誘導加熱手段)
12 除去部
13 返液部
14 体液処理装置
15 磁性吸着素子
16 体液処理装置
17 濾過部
18 体液処理装置
19 体液
20 体液処理装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a treatment apparatus and method and a body fluid treatment apparatus and method suitable for treating diseases caused by cancer cells such as tumor cells. More specifically, the present invention relates to a treatment apparatus and method for heating and destroying cancer cells and a body fluid treatment apparatus and method for removing body cancer cells by filtering the body fluid.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, it is known that cancer tissues are weak against heat and have higher heat sensitivity than normal tissues (see, for example, Non-Patent Document 1). If cancer makes a tumor, there is insufficient blood flow, and lactic acid is produced due to lack of oxygen, which tends to be acidic. In general, cells become more sensitive to temperature and become more susceptible to death as the environment becomes more acidic. Also, if the blood flow is low, the temperature tends to rise.
[0003]
In order to kill tumor cells such as cancer cells using this property, many methods for destroying the tumor cells by heating with dielectric heating have been proposed (see, for example, Non-Patent
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-314519 A
[Non-Patent Document 1]
Department of Radiology,
[Non-Patent Document 2]
"Thermotron" hyperthermia, Tsutomu Sugawara, Health Newspaper 1998
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described method using dielectric heating, normal cells other than cancer cells may be destroyed due to dielectric heating, so that various parameters such as the position and size of the electrode, the frequency and output of the electric field, etc. may be used at the time of implementation. A detailed attention is required for setting conditions, and the processing becomes complicated. Therefore, a method capable of selectively killing or removing only cancer cells is desired.
[0006]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a treatment apparatus and method, and a body fluid treatment apparatus and method that can selectively heat and destroy only cancer cells such as tumor cells.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, the treatment method of the present invention according to
[0008]
In this case, by using the ligand, it is possible to target and selectively bind only the cancer cells as the affected part without binding the heating element to normal cells or the like of the treatment target (excluding the human body). Then, by irradiating electromagnetic waves with a specific frequency and output for a short time, only the heating element coupled to the cancer cells is inductively heated, and the cancer cells are instantaneously heated to a high temperature, thereby destroying the cell membrane and cell membranes. Drain protoplasms other than or cells fall into apoptosis. Therefore, since heat generation ends before heat is conducted around the heated cancer cell, only the cancer cell can be heated and destroyed without destroying the normal part.
[0009]
The body fluid treatment method according to claim 5 is a mixture of the collected body fluid and a heating element in which a ligand that selectively binds to cancer cells is attached to a heating element made of a material that generates heat by electromagnetic induction. A mixing step for binding the heating element to the cancer cells, and an electromagnetic wave having a frequency of 50 Hz to 3 GHz and an output of 50 W to 100 kW is irradiated for 1 second to 20 minutes to the mixture of the body fluid and the heating element obtained in the mixing step. An induction heating step of heating and destroying the cancer cells by induction heating the heating element, and a removal step of removing the destroyed cancer cells and obtaining a body fluid from which the cancer cells have been removed. I am doing so. This body fluid treatment method is carried out, for example, by a body fluid treatment apparatus according to
[0010]
In these cases, since the cancer cells in the collected body fluid are selectively destroyed by heating, the body fluid can be obtained by destroying only the cancer cells without destroying normal parts of the body fluid. become able to.
[0011]
Furthermore, the body fluid treatment method according to claim 6 is a method of collecting a body fluid from a body to be treated (excluding a human body), and a heating element composed of the collected body fluid and a material that generates heat by electromagnetic induction. A heating step in which a heating element to which a ligand that selectively binds is attached is mixed to bind the heating element to the cancer cell, and the body fluid obtained in the mixing step and the mixed solution of the heating element An induction heating step of heating and destroying the cancer cells by irradiating the heating element with induction waves of a frequency of 50 Hz to 3 GHz and an output of 50 W to 100 kW for 1 second to 20 minutes, and the destroyed cancer cells Is removed to obtain a body fluid from which the cancer cells have been removed, and a returning step for returning the body fluid purified by the removal unit to the living body. This body fluid treatment method can be carried out, for example, by the body fluid treatment apparatus according to claim 4. The body fluid treatment device according to claim 4 includes a heating element in which a ligand that selectively binds to cancer cells is attached to a heating element made of a material that generates heat by electromagnetic induction, and a sampling for collecting body fluid from a treated body. A liquid part, a mixing part that mixes the collected body fluid and the heating element to bind the heating element to the cancer cells, and a frequency of the body fluid and the mixed liquid of the heating element obtained in the mixing part. An induction heating means for heating and destroying the cancer cell by irradiating an electromagnetic wave of 50 Hz to 3 GHz and an output of 50 W to 100 kW for 1 second to 20 minutes to induce heating of the heating element, and the destroyed cancer cell A removing unit that obtains a body fluid from which the cancer cells have been removed is provided, and a return unit that returns the body fluid purified by the removing unit to the living body.
[0012]
In these cases, cancer cells in the body fluid collected from the treated body are selectively destroyed by heating, so that only the cancer cells can be destroyed and removed without destroying normal parts of the body fluid. It becomes possible to return to the original treatment object. As a result, a body fluid circulation system having a high therapeutic effect can be realized without directly applying electromagnetic waves to the body to be treated.
[0013]
The body fluid treatment method according to
[0014]
Therefore, by using a ligand, only a cancer cell can be targeted and selectively bound without binding a magnetic substance to normal cells or the like. And a magnetic body is adsorb | sucked by giving a magnetic field to the magnetic body couple | bonded with the cancer cell, and a cancer cell is collected. Therefore, only cancer cells can be collected and subjected to a treatment such as filtration, and a body fluid from which only cancer cells have been removed can be obtained without destroying normal parts in the body fluid.
[0015]
Furthermore, the body fluid treatment method according to
[0016]
In these cases, the body fluid collected from the treated body can be filtered to separate the cancer cells, so that only the cancer cells are removed and the filtered body fluid can be recovered without destroying normal parts of the body fluid. Can be returned to the treated body. Thereby, a bodily fluid circulation system with a high therapeutic effect can be realized without directly applying a magnetic field to the treatment object.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail based on an example of an embodiment shown in the drawings.
[0018]
The therapeutic device of the present invention includes a heating element in which a ligand that selectively binds to cancer cells is attached to a heating element made of a material that generates heat by electromagnetic induction, and an affected area in which the heating element is composed of cancer cells of a treatment object. And at least an induction heating means for irradiating the heating element with an electromagnetic wave having a frequency of 50 Hz to 3 GHz and an output of 50 W to 100 kW for 1 second to 20 minutes, and the heating element is an electromagnetic wave irradiated from the induction heating means. The cancer cells are selectively heated and destroyed by induction heating.
[0019]
FIG. 1 shows an embodiment of a heating element 1 used in the present invention. The heating element 1 includes a
[0020]
In the present embodiment, the
[0021]
As the
[0022]
Moreover, since it has a true spherical shape with a diameter of about 10 nm, it is possible to suppress clogging of capillaries and occurrence of intravascular coagulation. The size of the
[0023]
When generating the heating element 1, the antibody to be used and the
[0024]
The induction heating means for inductively heating the heating element 1 includes a coil (not shown) that can irradiate the
[0025]
And by irradiation with electromagnetic waves under the above conditions, the
[0026]
Further, the coil is formed by winding a copper wire having a diameter of 3 mm with a diameter of 800 mm. As a result, when the heating element 1 is injected into a large body to be treated such as a human, the body to be treated can be placed inside the coil. Of course, in the case where a mixed part such as a container for storing bodily fluid collected from the body to be treated in a mixed state with the heating element 1 or a small body to be treated such as a dog or cat is targeted, the coil diameter corresponding thereto Needless to say, a coil having a number of turns is selected.
[0027]
Furthermore, since the coil has one turn, the inductance of the coil can be kept small. Each value of the LCR of the coil and the excitation circuit is set by matching so that the coil can easily oscillate. This makes it easy to oscillate when radiating electromagnetic waves, so that a large output can be obtained with a small input, and the load on the power source can be reduced even when a large treatment object is irradiated with electromagnetic waves and dielectrically heated. be able to.
[0028]
A procedure for heating and killing the
[0029]
The heating element 1 generated in advance is administered into the body to be treated. As an administration method, for example, injection is performed. The injected heating element 1 is bound by the ligand 4 to the antigen 6 expressed on the cell membrane 5 of the
[0030]
And this to-be-treated body is mounted inside the coil of the induction heating means, and the coil is energized by the excitation circuit to irradiate the treated body with electromagnetic waves. Thereby, the
[0031]
Since the ligand 4 of the heating element 1 binds only to the antigen 6 expressed in the
[0032]
The above-described embodiment is an example of a preferred embodiment of the present invention, but is not limited thereto, and various modifications can be made without departing from the scope of the present invention. For example, in the present embodiment, the
[0033]
In the above-described embodiment, the heating element 1 is injected into the body to be treated. However, the present invention is not limited to this, and the heating element 1 may be coupled to the
[0034]
For example, in the case of performing a treatment for killing cancer cells while collecting body fluid from the body to be treated, a fluid collection step for collecting body fluid from the body to be treated 8, and mixing the heating element 1 with the collected body fluid The
[0035]
For example, as shown in FIG. 2, the body
[0036]
When using the bodily
[0037]
Then, a mixing process is performed by the mixing
[0038]
In this case, since the
[0039]
In each of the embodiments described above, magnetite is used as the material of the
[0040]
On the other hand, in each of the above-described embodiments, the heating element 1 that binds the
[0041]
For example, in the case of performing a treatment to remove only the
[0042]
This body fluid treatment method is realized by a body
[0043]
When using the bodily
[0044]
In this case, since the
[0045]
Furthermore, in each of the body fluid treatment methods and the body
[0046]
This body fluid treatment method can be carried out by, for example, the body
[0047]
Further, a mixing step of mixing the
[0048]
This body fluid treatment method can be carried out by, for example, the body
[0049]
In these cases, since the
[0050]
Moreover, in each embodiment mentioned above, although the antibody is used as the ligand 4, it is not restricted to this, What is necessary is just to selectively bind to the
[0051]
In each of the above-described embodiments, injection by injection is adopted as a method of administering the heating element 1 and the
[0052]
Furthermore, in the present embodiment, an example mainly targeting cancer cells has been described, but in some cases, viruses, proteins, and the like may be targeted. For example, by using an antiviral antibody as a ligand for adenovirus and bound to the heating element 1 or the
[0053]
【Example】
Example 1
An experiment was conducted in which the
[0054]
As the coil, a copper wire having a diameter of 3 mm and having 5 turns with a diameter of 30 mm was used, and the
[0055]
The electromagnetic wave irradiation conditions were a frequency of 450 MHz, an output of 1,0.5 kW, and an irradiation time of 1, 2, 3, 4, 5, 10, 20 seconds. As a result, it was best killed when the frequency was 450 MHz, the output was 1 kW, and the irradiation time was 2 to 5 seconds.
[0056]
(Example 2)
A change in temperature was measured when 200 dynabiotech (Pan Mouse IgG) 200 beads having a diameter of 4.5 μm were mixed in 1 ml and 10 W heat was applied for 2 seconds. The result is shown in FIG. As shown in the figure, it was possible to realize a sufficiently high temperature for heating the
[0057]
【The invention's effect】
As is clear from the above explanation, according to the invention described in
[0058]
Furthermore, according to the invention of
[0059]
Furthermore, according to the invention of claim 4 or 6, since cancer cells in the body fluid collected from the body to be treated are selectively destroyed by heating, without destroying normal parts in the body fluid, Only cancer cells can be destroyed and removed to return to the original treatment object. As a result, a body fluid circulation system having a high therapeutic effect can be realized without directly applying electromagnetic waves to the body to be treated.
[0060]
Furthermore, according to the inventions of
[0061]
In addition, according to the inventions of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing a usage state of a heating element of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing an embodiment of a body fluid treatment apparatus.
FIG. 3 is a block diagram showing another embodiment of the body fluid treatment device.
FIG. 4 is a block diagram showing another embodiment of the body fluid treatment device.
FIG. 5 is a block diagram showing still another embodiment of the body fluid treatment device.
FIG. 6 is a photomicrograph showing a state before electromagnetic wave irradiation.
FIG. 7 is a photomicrograph showing a state after irradiation with electromagnetic waves.
FIG. 8 is a graph showing a temperature change during heating.
[Explanation of symbols]
1 Heating element
2 Heating element
3 Cancer cells
4 Ligand
8 To be treated
9 Liquid collection part
10 mixing section
11 Induction heating unit (induction heating means)
12 Removal section
13 Liquid return part
14 Body fluid treatment equipment
15 Magnetic adsorption element
16 Body fluid treatment equipment
17 Filtration unit
18 Body fluid treatment equipment
19 Body fluid
20 Body fluid treatment equipment
Claims (6)
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