JP4329170B2 - Method for producing N-alkyl-N'-methylcycloamidinium salt solution - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩は、帯電防止剤、静電荷調整剤、繊維柔軟剤、シャンプー基剤、インクジェット用薬剤、樹脂硬化用触媒、相間移動触媒等として様々な分野で広範に使用されている有用な化合物である。通常、N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩は、使用目的に応じて特定の溶媒に溶解して使用する。このため、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を高収率で提供することが必要とされている。
【0003】
N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法として、例えば特開平10−17554号公報に記載される方法がある。この方法は、N−アルキル−シクロアミジン類と炭酸ジメチルとをメタノール溶媒中で反応系内の水分を1重量%未満に保ちながら反応させ、生成した炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムのメタノール溶液を有機酸のメタノール液に添加してN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム有機酸塩を製造するものである。
【0004】
この方法によれば、反応時の水によるN−アルキル−シクロアミジン類および炭酸メチル塩の加水分解が抑制され、かつ、メタノールを反応系溶媒にしているので炭酸メチル塩が安定化され高純度なN’−メチルシクロアミジニウム塩が反応液として得られるという利点がある。しかしながらその一方で、メタノールと未反応の炭酸ジメチルの留去工程時に生成する不純物を精製除去することが容易ではないために、最終的に高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩を得ることができないという問題も抱えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決することを課題とした。
すなわち本発明は、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を高収率で得ることができる方法を提供することを解決すべき課題とした。特に、上記特開平10−17554号公報に記載される方法の精製工程を改良することによって、所望の純度を有するN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を得ることを解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩の精製時に所定の沸点を有する溶媒を添加し、温度条件を制御しながら特定の手順にしたがって溶媒留去を行うことによって、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を提供し得ることを見出し、本発明を提供するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、N−アルキル−N'−メチルシクロアミジニウム塩、炭酸ジメチル、メタノールおよび酸を含む混合溶液から、メタノールより高沸点の希釈溶媒に溶解したN−アルキル−N'−メチルシクロアミジニウム塩溶液を製造する方法であって、前記混合溶液にメタノールより沸点が高くて前記希釈溶媒よりも沸点が低く、かつ操作条件下で酸および前記希釈溶媒と反応しない中沸点溶媒を添加してメタノールと炭酸ジメチルを70℃以下で留去した後、さらに前記希釈溶媒を添加して前記中沸点溶媒を留去することにより、希釈溶媒に溶解したN−アルキル−N'−メチルシクロアミジニウム塩溶液を得ることを特徴とする方法を提供する。
【0008】
本発明の好ましい実施態様として、前記混合溶液が、N−アルキル−シクロアミジン類と炭酸ジメチルをメタノール溶媒中で反応させた後、酸と反応させることによって得られた溶液である態様;前記酸がカルボン酸である態様;前記希釈溶媒がラクトン類である態様;前記中沸点溶媒が水である態様;メタノールと炭酸ジメチルを70℃以下で留去してメタノールと炭酸ジメチルの総濃度を50%以下にした後に、前記中沸点溶媒を添加し、残存するメタノールと炭酸ジメチルを70℃以下で留去する態様を挙げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の製造方法を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩、炭酸ジメチル、メタノールおよび酸を含む混合溶液から、メタノールより高沸点の希釈溶媒に溶解したN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を製造する方法である。
【0010】
本発明の製造方法で使用する混合溶液は、少なくともN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩、炭酸ジメチル、メタノールおよび酸を含むものであれば、各成分の含有量、他の成分の存在の有無などは特に制限されない。この混合溶液を、加熱して溶媒を留去しようとすると、メタノールと酸が反応した不純物などが生成するために高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩を取得することができない。本発明は、このような不純物の生成を抑制して、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を取得することを可能にするものである。
【0011】
本発明の製造方法で使用する混合溶媒の典型例として、N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩の合成反応で得られた反応混合物を挙げることができる。N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩の典型的な合成反応は、N−アルキル−シクロアミジン類と炭酸ジメチルとをメタノール溶媒中で炭酸ジメチルによってメチル化し、炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムを製造する式(1)で示される四級化反応工程(第1工程)と、炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムのメタノール溶液を酸のメタノール液に添加し、脱炭酸反応によりN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩を得る式(2)のアニオン交換反応工程(第2工程)からなる。
【0012】
【化1】
(式中、R1は、炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が1〜19のアルキル基または水素原子を表し、R1とR2が互いに結合して環構造を形成してもよい。R3およびR4はそれぞれ独立してメチル基、エチル基または水素原子である。Xはエチレン基またはプロピレン基を表す。HYは有機酸または無機酸を示す。)
【0013】
前記式(1)で示されるN−アルキル−シクロアミジン類としては、例えば、1−メチルイミダゾリン、1−エチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1−エチル−2−メチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1−エチル−2,4−ジメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1,5−ジアザビシクロノネン、1,8−ジアザビシクロウンデセンなどを挙げることができる。
【0014】
第一工程は、N−アルキル−シクロアミジン類、炭酸ジメチルおよびメタノールを耐圧反応器内に仕込み、反応器内を窒素置換した後に反応する方法;N−アルキル−シクロアミジン類とメタノールを反応器内に仕込み窒素置換した後に窒素置換された炭酸ジメチルを滴下しながら反応する方法;または炭酸ジメチルとメタノールを反応器内に仕込み窒素置換した後に窒素置換されたN−アルキル−シクロアミジン類を滴下しながら反応する方法のいずれの方式でも反応することができる。反応系内の水分は少ないほど好ましいが、実際的には、系内の水分量を1重量%に保てば、充分に高純度な炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムを得ることができる。使用する炭酸ジメチルの量は、N−アルキル−シクロアミジン類1モルに対して1〜5モル、好ましくは1〜3モルである。また、メタノール溶媒の量は、N−アルキル−シクロアミジン類1モルに対して1〜20モル、好ましくは2〜15モル、さらに好ましくは3〜10モルである。反応温度は110〜170℃、好ましくは130〜150℃である。上記条件下での反応圧力は常圧以上、好ましくは5〜20気圧(ブルドン管圧力計等にて測定したゲージ圧力)である。反応時間は反応温度および仕込み組成によって異なるが、おおよそ、2〜24時間である。
【0015】
第一工程で生成する炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムは単独では不安定で分解してしまう為、メタノールを溶媒として用いることにより炭酸メチル塩を水素結合によって安定化させることができる。このとき、非プロトン性溶媒を使用すると水素結合による安定化効果がないので、炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムが分解しやすく、その収率は非常に低くなる。また、エタノール、イソプロパノールなどのプロトン性溶媒も炭酸メチル塩を安定化させる効果を有するが、炭酸メチルとアルコールとのエステル交換反応等の副反応により目的物の収率が低下する。
【0016】
第二工程は第一工程で得られた炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムのメタノール溶液を酸のメタノール液に添加し脱炭酸反応によりN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩を得るアニオン交換反応工程である。
第二工程で使用する溶媒としては炭酸メチル N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウムの安定性の観点から、メタノールを使用するのが好ましい。
【0017】
反応方法としては、第一工程の反応液に酸を添加しても、あるいは、酸に第一工程の反応液を添加しても良い。酸にメタノールを加えて操作性を向上させることもできる。反応温度は10〜100℃、好ましくは20〜60℃である。本反応は吸熱反応であるため、所定温度を維持するには加温する必要がある。この反応は炭酸より酸強度の高い酸であれば定量的に進行し、炭酸ガスの発生が終わった時点で反応は完結する。
【0018】
メタノール溶媒の使用量は、炭酸メチル塩1モルに対して1〜20モル、好ましくは2〜10モル、さらに好ましくは、3〜7モルである。メタノールの含水量は少ないほど好ましいが、実際的には、系内の水分量を1重量%以下に保てば、充分に高純度なN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩を得ることができる。また、第一工程で使用したメタノールをそのまま第二工程の反応溶媒として使用すれば、簡単で経済的であり好ましい。この際、メタノールおよび未反応の炭酸ジメチルが第一工程の反応液中に含まれていても第二工程の反応には悪影響を及ぼさないので問題はない。
【0019】
第二工程で用いる一般式HYで表される酸の例としては炭酸より酸強度の高い酸であれば特に限定されない。具体的には、有機酸の例としては、各種のカルボン酸、スルホン酸、燐酸アルキルおよびフェノール類などがあるが、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフロロ酢酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、2,3−ジブチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸類;マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸類;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、γ−レゾルシン酸、アニス酸などの芳香族モノカルボン酸類;フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ナノフロロブタンスルホン酸などのスルホン酸類;燐酸モノメチル、燐酸ジメチルなどの燐酸アルキル類;フェノール、2,4−ジニトロフェノール、ピクリン酸などのフェノール類;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンなどの窒素酸類や炭素酸類を挙げることができる。
また、一般式HYで表される無機酸の例としては過塩素酸、ホウフッ化水素酸、六フッ化燐酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ酸、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、燐酸、ホウ酸などを挙げることができる。
【0020】
本発明の特徴は、上記第1工程および第2工程を経るなどして得られたN−アルキル−N'−メチルシクロアミジニウム塩、炭酸ジメチル、メタノールおよび酸を含む混合溶液に、メタノールより沸点が高くて前記希釈溶媒よりも沸点が低く、かつ操作条件下で酸および前記希釈溶媒と反応しない中沸点溶媒を添加してメタノールと炭酸ジメチルを70℃以下で留去した後、さらに前記希釈溶媒を添加して前記中沸点溶媒を留去することにより、希釈溶媒に溶解したN−アルキル−N'−メチルシクロアミジニウム塩溶液を得ることにある。
【0021】
混合溶媒に添加する中沸点溶媒は、N−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩を溶解する物質で、操作条件下で酸および希釈溶媒であるラクトン類等と反応しないものであれば特に限定されない。中でも水を用いる場合が、沸点、溶解性の面から特に好ましい。
中沸点溶媒は、混合溶液内のメタノールと炭酸ジメチルを完全に留去する前であれば、その添加段階は特に制限されない。例えば、メタノールと炭酸ジメチルの留去を行う前にあらかじめ添加しておいてもよいし、メタノールと炭酸ジメチルの一部を70℃以下で留去してから添加してもよい。好ましいのは後者であり、特に系内のメタノール及び未反応炭酸ジメチルの総濃度が50%以下、好ましくは35%以下になった段階で中沸点溶媒を添加することが好ましい。また、中沸点溶媒は複数回に分けて添加しても構わない。
中沸点溶媒の添加量は特に限定されないが、好ましくは系内に残存するメタノール及び未反応炭酸ジメチルの総量と同程度が好ましい。中沸点溶媒の添加後、更に内部温度を70℃以下に保ち留去を実施し、系内に残存しているメタノール及び未反応炭酸ジメチルとほぼ同量を中沸点溶媒添加前と同一条件下で留去することが好ましい。
【0022】
系内に存在する中沸点溶媒は、所望濃度になるまで留去する。最終的に製造しようとしている溶液が中沸点溶媒を含有することが望まれていない場合は、系内に存在する中沸点溶媒の全量を留去する。中沸点溶媒の留去の条件は特に制限されず、留去の温度も70℃以上であっても構わない。例えば、中沸点溶媒として水を選択した場合は、内部温度が100℃以下となる様に減圧度を調整して所定の水分濃度に達するまで留去することができる。なお、中沸点溶媒は所望濃度以下になるまで留去して、留去後に所望濃度になるようにさらに中沸点溶媒を添加して調整してもよい。
【0023】
希釈溶媒としては、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のカーボネート類;エチレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ等のアルコール類;3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル類;およびトリメチルホスフェート等の燐酸エステル類の単独あるいは混合系を挙げることができる。これらの中でもブチロラクトン類又はこれを主成分とする溶媒が好ましく、特にγ−ブチロラクトンが好ましい。
【0024】
希釈溶媒の添加量は、製造しようとしている溶液に存在する希釈溶媒の量を勘案しながら適宜決定する。希釈溶媒を少なめに添加しておいて本発明の方法実施後に希釈溶媒をさらに添加することによって所望濃度に調節してもよいし、希釈溶媒を多め目に添加しておいて本発明の方法実施後に留去して所望濃度に調節してもよい。
【0025】
本発明の方法にしたがって、メタノールおよび未反応の炭酸ジメチルの留去工程において、中沸点溶媒を添加して内部温度を70℃以下にして蒸留を行うことにより、系内のメタノールをほぼ完全に留去することができる。また、酸とメタノールが反応した不純物の生成や、希釈溶媒であるラクトン類とメタノールが反応した不純物の生成を抑制することもできる。このため、本発明の方法を用いることによって、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を得ることができる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0027】
(実施例1)
1Lのオートクレーブ内に、1−エチル−2−メチルイミダゾリン169.4g(1.51モル)、メタノール411.0g(12.83モル)を仕込み、145℃まで昇温したところ8.5気圧(ブルドン圧力計にて測定したゲージ圧)になった。さらに、炭酸ジメチル272.0g(3.02モル)を1.5時間かけて滴下した後、6時間反応させて反応液Aを得た。この反応液Aを液体クロマトグラフで分析した結果、1−エチル−2−メチルイミダゾリンの転化率は100%で、炭酸メチル 1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムの収率は99%であった。
【0028】
次に、2Lフラスコにフタル酸255.9g(1.54モル)、メタノール383.9g(11.98モル)を仕込んで撹拌し、反応液Aを35℃で約1時間かけて滴下した後、35℃で1時間熟成させることにより反応液Bを得た。
【0029】
この反応液Bより、圧力70mmHg(水銀マノメーターにて測定した絶対圧力)で内部温度が40℃の条件下で系内のメタノール及び未反応の炭酸ジメチルの総濃度が32%になるまで留去を実施した。次に水を180g添加して、圧力70mmHgで留出液量が180gになるまで留去を行った後、γ−ブチロラクトンを1324g添加し、20mmHgまで徐々に減圧度を上げ、内部温度が60℃になるまで昇温したところ、留出がなくなった。次に圧力20mmHgの条件下で内部温度が100℃になるまで昇温し留去を終了した。残液をイオンペアードクロマトグラフで分析した結果、副成分はほとんど検出されず純度は99%以上、残存メタノール60ppm、残存水分105ppmであった。
【0030】
(比較例1)
実施例1と同様にして反応を行って得られた反応液Bを、内部温度が85℃以下で圧力を5mmHgまでの条件下で10時間留去を行った。残液をイオンペアードクロマトグラフで分析した結果、副成分としてフタル酸モノメチルが多量に検出され、純度は90%であった。残存メタノールは550ppmであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩の溶液を高収率に製造できる。このため、本発明の方法を用いれば、帯電防止剤、静電荷調整剤、繊維柔軟剤、シャンプー基剤、インクジェット用薬剤、樹脂硬化用触媒、相間移動触媒、電気化学的素子用電解質等として様々な分野で広範に使用されうる高純度のN−アルキル−N’−メチルシクロアミジニウム塩溶液を効率よく提供することができる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a method for producing a highly pure N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution.
[0002]
[Prior art]
N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salts are used in various fields as antistatic agents, electrostatic charge modifiers, fiber softeners, shampoo bases, ink jet agents, resin curing catalysts, phase transfer catalysts, etc. It is a useful compound that has been widely used. Usually, N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt is used after being dissolved in a specific solvent according to the purpose of use. Therefore, it is necessary to provide a high-purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution in high yield.
[0003]
As a method for producing an N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, for example, there is a method described in JP-A-10-17554. In this method, N-alkyl-cycloamidines and dimethyl carbonate are reacted in a methanol solvent while keeping the water content in the reaction system below 1% by weight, and the resulting methyl carbonate N-alkyl-N′-methylcycloamido is produced. A methanol solution of dinium is added to a methanol solution of an organic acid to produce an N-alkyl-N′-methylcycloamidinium organic acid salt.
[0004]
According to this method, hydrolysis of N-alkyl-cycloamidines and methyl carbonate by water during the reaction is suppressed, and since methanol is used as a reaction solvent, the methyl carbonate is stabilized and highly purified. There exists an advantage that N'-methylcycloamidinium salt is obtained as a reaction liquid. However, on the other hand, since it is not easy to purify and remove impurities generated during the distillation step of methanol and unreacted dimethyl carbonate, finally high purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium There was also a problem that salt could not be obtained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art.
That is, an object of the present invention is to provide a method capable of obtaining a high-purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution in a high yield. In particular, it should be solved to obtain an N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution having a desired purity by improving the purification step of the method described in JP-A-10-17554. It was an issue.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors added a solvent having a predetermined boiling point during purification of N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, and controlled temperature conditions. However, the present inventors have found that a high-purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution can be provided by evaporating the solvent according to a specific procedure.
[0007]
That is, the present invention relates to N-alkyl-N′-methylcyclohexane dissolved in a diluting solvent having a boiling point higher than that of methanol from a mixed solution containing N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, dimethyl carbonate, methanol and an acid. a method of manufacturing a amidinium salt solution, the mixed solution boiling point than the diluent solvent higher boiling point than methanol is rather low in and mid-boiling do not want to react with the acid and the diluent solvent under the operating conditions After adding a solvent and distilling off methanol and dimethyl carbonate at 70 ° C. or lower, N-alkyl-N′— dissolved in the diluting solvent was further added by distilling off the medium boiling solvent. A method is provided which comprises obtaining a methylcycloamidinium salt solution.
[0008]
In a preferred embodiment of the present invention, the mixed solution is a solution obtained by reacting an N-alkyl-cycloamidine and dimethyl carbonate in a methanol solvent and then reacting with an acid; An embodiment in which the solvent is a carboxylic acid; an embodiment in which the diluting solvent is a lactone; an embodiment in which the medium-boiling solvent is water; and methanol and dimethyl carbonate are distilled off at 70 ° C. or less to give a total concentration of methanol and dimethyl carbonate of 50% or less. In this case, the medium boiling point solvent is added and the remaining methanol and dimethyl carbonate are distilled off at 70 ° C. or lower.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Below, the manufacturing method of this invention is demonstrated in detail.
The production method of the present invention comprises N-alkyl-N′-dissolved in a diluting solvent having a boiling point higher than that of methanol from a mixed solution containing N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, dimethyl carbonate, methanol and an acid. A method for producing a methylcycloamidinium salt solution.
[0010]
If the mixed solution used in the production method of the present invention contains at least N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, dimethyl carbonate, methanol and an acid, the content of each component, other components Presence / absence of existence is not particularly limited. When this mixed solution is heated to distill off the solvent, impurities such as a reaction between methanol and an acid are produced, so that a highly pure N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt can be obtained. Can not. The present invention makes it possible to obtain a high-purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution by suppressing the generation of such impurities.
[0011]
As a typical example of the mixed solvent used in the production method of the present invention, a reaction mixture obtained by a synthesis reaction of N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt can be exemplified. A typical synthesis reaction of N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt is the methylation of N-alkyl-cycloamidines and dimethyl carbonate with dimethyl carbonate in methanol solvent to produce methyl carbonate N-alkyl-N A quaternization reaction step (first step) represented by the formula (1) for producing '-methylcycloamidinium, and a methanolic solution of methyl carbonate N-alkyl-N'-methylcycloamidinium with methanol of acid It consists of an anion exchange reaction step (second step) of the formula (2) which is added to the liquid and obtains an N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt by decarboxylation.
[0012]
[Chemical 1]
Wherein R 1 represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, R 2 represents an alkyl group having 1 to 19 carbon atoms or a hydrogen atom, and R 1 and R 2 are bonded to each other to form a ring structure. R 3 and R 4 are each independently a methyl group, an ethyl group or a hydrogen atom, X represents an ethylene group or a propylene group, and HY represents an organic acid or an inorganic acid.)
[0013]
Examples of the N-alkyl-cycloamidines represented by the formula (1) include 1-methylimidazoline, 1-ethylimidazoline, 1,2-dimethylimidazoline, 1-ethyl-2-methylimidazoline, 1,2, And 4-trimethylimidazoline, 1-ethyl-2,4-dimethylimidazoline, 1,4-dimethyl-2-ethylimidazoline, 1,5-diazabicyclononene, 1,8-diazabicycloundecene it can.
[0014]
The first step is a method in which N-alkyl-cycloamidines, dimethyl carbonate and methanol are charged into a pressure-resistant reactor and the reactor is reacted after nitrogen substitution; the N-alkyl-cycloamidines and methanol are reacted in the reactor. The reaction is carried out while dropping nitrogen-substituted dimethyl carbonate after charging into the reactor; or while adding dimethyl carbonate and methanol into the reactor and substituting with nitrogen and then dropping the nitrogen-substituted N-alkyl-cycloamidines. The reaction can be carried out by any method of reacting. Although less water in the reaction system is preferable, in practice, if the water content in the system is kept at 1% by weight, sufficiently high-purity methyl carbonate N-alkyl-N′-methylcycloamidinium is obtained. Obtainable. The amount of dimethyl carbonate used is 1 to 5 moles, preferably 1 to 3 moles per mole of N-alkyl-cycloamidines. The amount of the methanol solvent is 1 to 20 moles, preferably 2 to 15 moles, more preferably 3 to 10 moles per mole of N-alkyl-cycloamidines. The reaction temperature is 110 to 170 ° C, preferably 130 to 150 ° C. The reaction pressure under the above conditions is normal pressure or higher, preferably 5 to 20 atmospheres (gauge pressure measured with a Bourdon tube pressure gauge or the like). The reaction time varies depending on the reaction temperature and charged composition, but is approximately 2 to 24 hours.
[0015]
Since the methyl carbonate N-alkyl-N′-methylcycloamidinium produced in the first step is unstable and decomposes alone, the methyl carbonate salt is stabilized by hydrogen bonding by using methanol as a solvent. Can do. At this time, if an aprotic solvent is used, since there is no stabilization effect due to hydrogen bonding, methyl carbonate N-alkyl-N′-methylcycloamidinium is easily decomposed, and the yield is very low. Protic solvents such as ethanol and isopropanol also have the effect of stabilizing methyl carbonate, but the yield of the desired product is reduced by side reactions such as transesterification of methyl carbonate and alcohol.
[0016]
In the second step, the methanol solution of methyl carbonate N-alkyl-N′-methylcycloamidinium obtained in the first step is added to the methanol solution of the acid, and decarboxylation reaction is performed to remove N-alkyl-N′-methylcycloamido. This is an anion exchange reaction step for obtaining a dinium salt.
As the solvent used in the second step, it is preferable to use methanol from the viewpoint of the stability of methyl carbonate N-alkyl-N′-methylcycloamidinium.
[0017]
As a reaction method, an acid may be added to the reaction solution of the first step, or a reaction solution of the first step may be added to the acid. Methanol can be added to the acid to improve operability. The reaction temperature is 10 to 100 ° C, preferably 20 to 60 ° C. Since this reaction is an endothermic reaction, it must be heated to maintain a predetermined temperature. This reaction proceeds quantitatively if the acid strength is higher than that of carbonic acid, and the reaction is completed when the generation of carbon dioxide gas is finished.
[0018]
The amount of the methanol solvent to be used is 1 to 20 mol, preferably 2 to 10 mol, more preferably 3 to 7 mol, per 1 mol of methyl carbonate. Although the moisture content of methanol is preferably as low as possible, in practice, a sufficiently high purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt can be obtained if the water content in the system is kept at 1% by weight or less. be able to. In addition, if methanol used in the first step is used as it is as a reaction solvent in the second step, it is preferable because it is simple and economical. At this time, even if methanol and unreacted dimethyl carbonate are contained in the reaction liquid of the first step, there is no problem because the reaction of the second step is not adversely affected.
[0019]
Examples of the acid represented by the general formula HY used in the second step are not particularly limited as long as the acid has higher acid strength than carbonic acid. Specific examples of organic acids include various carboxylic acids, sulfonic acids, alkyl phosphates, and phenols, and specific examples include saturated fats such as formic acid, acetic acid, propionic acid, butyric acid, and trifluoroacetic acid. Monocarboxylic acids: oxalic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, undecanedioic acid, dodecanedioic acid, tridecanedioic acid, dimethylmalonic acid, diethylmalon Acid, dipropylmalonic acid, 2-methylglutaric acid, 3-methylglutaric acid, 3,3-dimethylglutaric acid, 3-methyladipic acid, 1,6-decanedicarboxylic acid, 5,6-decanedicarboxylic acid, 2 Saturated aliphatic dicarboxylic acids such as 1,3-dibutylsuccinic acid and cyclohexanedicarboxylic acid; maleic acid, citraconic acid, di Unsaturated aliphatic dicarboxylic acids such as tilmaleic acid and 1,2-cyclohexene dicarboxylic acid; aromatic monocarboxylic acids such as benzoic acid, toluic acid, cumic acid, t-butylbenzoic acid, salicylic acid, γ-resorcinic acid and anisic acid Aromatic dicarboxylic acids such as phthalic acid, 4-methylphthalic acid and 4-nitrophthalic acid; sulfonic acids such as benzenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid and nanofluorobutanesulfonic acid; monomethyl phosphate, dimethyl phosphate Examples thereof include alkyl phosphates such as: phenols such as phenol, 2,4-dinitrophenol, and picric acid; nitrogen acids such as bis (trifluoromethanesulfonyl) imide and tris (trifluoromethanesulfonyl) methane, and carbon acids.
Examples of the inorganic acid represented by the general formula HY include perchloric acid, borofluoric acid, hexafluorophosphoric acid, hexafluoroantimonic acid, hexafluoroarsenic acid, hydrofluoric acid, hydrochloric acid, bromide. Examples include hydroacid, hydroiodic acid, nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, and boric acid.
[0020]
A feature of the present invention is that a mixed solution containing N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, dimethyl carbonate, methanol and an acid obtained through the first step and the second step described above is obtained from methanol. after distilling off the boiling point than the diluent solvent is rather low, and the mid-boiling solvent has a reacted with the acid and the diluent solvent under operating conditions the methanol and dimethyl carbonate at 70 ° C. below added high boiling point, Furthermore, it is to obtain an N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution dissolved in a diluting solvent by adding the diluting solvent and distilling off the medium boiling solvent.
[0021]
The medium boiling point solvent added to the mixed solvent is a substance that dissolves the N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, and is particularly suitable as long as it does not react with the acid and the lactone as a diluting solvent under the operating conditions. It is not limited. Of these, the use of water is particularly preferred from the viewpoint of boiling point and solubility.
The medium boiling point solvent is not particularly limited as long as it is before the methanol and dimethyl carbonate in the mixed solution are completely distilled off. For example, methanol and dimethyl carbonate may be added in advance before distilling off methanol or dimethyl carbonate, or methanol and dimethyl carbonate may be added after distilling off at 70 ° C. or less. The latter is preferred, and it is particularly preferred to add the medium boiling point solvent when the total concentration of methanol and unreacted dimethyl carbonate in the system is 50% or less, preferably 35% or less. Further, the medium boiling point solvent may be added in a plurality of times.
The amount of medium-boiling solvent added is not particularly limited, but is preferably about the same as the total amount of methanol and unreacted dimethyl carbonate remaining in the system. After the addition of the medium boiling point solvent, the internal temperature is kept at 70 ° C. or lower, and distillation is carried out. Almost the same amount of methanol and unreacted dimethyl carbonate remaining in the system is used under the same conditions as before the addition of the medium boiling point solvent. It is preferable to distill off.
[0022]
The medium boiling solvent present in the system is distilled off to the desired concentration. If it is not desired that the solution to be finally produced contains a medium boiling solvent, all of the medium boiling solvent present in the system is distilled off. The conditions for distilling off the medium boiling solvent are not particularly limited, and the distilling temperature may be 70 ° C. or higher. For example, when water is selected as the medium-boiling solvent, the degree of vacuum can be adjusted so that the internal temperature becomes 100 ° C. or lower, and the solvent can be distilled off until a predetermined moisture concentration is reached. The medium boiling point solvent may be distilled off to a desired concentration or lower, and further adjusted by adding a medium boiling point solvent so that the desired concentration is obtained after the distillation.
[0023]
Diluent solvents include N-methylformamide, N-ethylformamide, N, N-dimethylformamide, N, N-diethylformamide, N-methylacetamide, N-ethylacetamide, N, N-dimethylacetamide, N, N- Amides such as diethylacetamide and N-methylpyrrolidinone; Lactones such as γ-butyrolactone, γ-valerolactone and δ-valerolactone; Carbonates such as ethylene carbonate, propylene carbonate and butylene carbonate; Ethylene glycol, glycerin and methyl cellosolve Examples thereof include alcohols such as: nitriles such as 3-methoxypropionitrile; and phosphate esters such as trimethyl phosphate alone or in a mixed system. Among these, butyrolactones and solvents containing these as main components are preferable, and γ-butyrolactone is particularly preferable.
[0024]
The addition amount of the dilution solvent is appropriately determined in consideration of the amount of the dilution solvent present in the solution to be produced. The diluted solvent may be added in a small amount and the concentration may be adjusted to a desired concentration by further adding the diluted solvent after the method of the present invention is performed. Alternatively, the diluted solvent may be added more frequently and the method of the present invention may be performed. It may be distilled off later to adjust the desired concentration.
[0025]
According to the method of the present invention, in the step of distilling off methanol and unreacted dimethyl carbonate, by adding a middle boiling point solvent and performing distillation at an internal temperature of 70 ° C. or less, the methanol in the system is almost completely distilled. Can be left. Moreover, the production | generation of the impurity which the acid and methanol reacted, and the production | generation of the impurity which the lactone and methanol which are dilution solvents reacted can also be suppressed. Therefore, by using the method of the present invention, a highly pure N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution can be obtained.
[0026]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples. The materials, reagents, ratios, operations, and the like shown in the following examples can be appropriately changed without departing from the spirit of the present invention. Therefore, the scope of the present invention is not limited to the specific examples shown below.
[0027]
Example 1
In a 1 L autoclave, 169.4 g (1.51 mol) of 1-ethyl-2-methylimidazoline and 411.0 g (12.83 mol) of methanol were charged, and when heated to 145 ° C., 8.5 atm (Bourdon) Gauge pressure measured with a pressure gauge). Further, 272.0 g (3.02 mol) of dimethyl carbonate was added dropwise over 1.5 hours, and then reacted for 6 hours to obtain a reaction solution A. As a result of analyzing this reaction liquid A by liquid chromatography, the conversion rate of 1-ethyl-2-methylimidazoline was 100%, and the yield of methyl carbonate 1-ethyl-2,3-dimethylimidazolinium was 99%. there were.
[0028]
Next, 255.9 g (1.54 mol) of phthalic acid and 383.9 g (11.98 mol) of methanol were charged into a 2 L flask and stirred, and the reaction solution A was added dropwise at 35 ° C. over about 1 hour. The reaction solution B was obtained by aging at 35 ° C. for 1 hour.
[0029]
From this reaction solution B, distillation was performed until the total concentration of methanol and unreacted dimethyl carbonate in the system reached 32% under the conditions of an internal temperature of 40 ° C. under a pressure of 70 mmHg (absolute pressure measured with a mercury manometer). Carried out. Next, 180 g of water was added and distilled off at a pressure of 70 mmHg until the amount of the distillate reached 180 g. Then, 1324 g of γ-butyrolactone was added, the pressure was gradually increased to 20 mmHg, and the internal temperature was 60 ° C. Distillation stopped when the temperature was raised to. Next, the temperature was raised until the internal temperature reached 100 ° C. under a pressure of 20 mmHg, and the distillation was completed. As a result of analyzing the residual liquid with an ion pair chromatograph, almost no subcomponent was detected, the purity was 99% or more, the residual methanol was 60 ppm, and the residual water was 105 ppm.
[0030]
(Comparative Example 1)
The reaction solution B obtained by carrying out the reaction in the same manner as in Example 1 was distilled off for 10 hours under the conditions of an internal temperature of 85 ° C. or lower and a pressure up to 5 mmHg. As a result of analyzing the residual liquid by ion-paired chromatography, a large amount of monomethyl phthalate was detected as a secondary component, and the purity was 90%. Residual methanol was 550 ppm.
[0031]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, a high-purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution can be produced in high yield. For this reason, when the method of the present invention is used, it is variously used as an antistatic agent, an electrostatic charge adjusting agent, a fiber softener, a shampoo base, an ink jet agent, a resin curing catalyst, a phase transfer catalyst, an electrolyte for an electrochemical element, and the like. It is possible to efficiently provide a high-purity N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution that can be widely used in various fields.
Claims (6)
前記混合溶液にメタノールより沸点が高くて前記希釈溶媒よりも沸点が低く、かつ操作条件下で酸および前記希釈溶媒と反応しない中沸点溶媒を添加してメタノールと炭酸ジメチルを70℃以下で留去した後、さらに前記希釈溶媒を添加して前記中沸点溶媒を留去することにより、希釈溶媒に溶解したN−アルキル−N'−メチルシクロアミジニウム塩溶液を得ることを特徴とする方法。N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution dissolved from a mixed solution containing N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt, dimethyl carbonate, methanol and acid in a diluent having a boiling point higher than that of methanol A method for manufacturing
The mixed solution boiling point than the diluent solvent higher boiling point than methanol is rather low in and 70 ° C. or less of methanol and dimethyl carbonate was added to the medium boiling point solvents do not want to react with the acid and the diluent solvent under the operating conditions After distilling off, an additional N-alkyl-N′-methylcycloamidinium salt solution dissolved in the diluting solvent is obtained by adding the diluting solvent and distilling off the medium boiling solvent. how to.
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