JP4325327B2 - 薄膜基板、ナノ粒子膜、及び記憶媒体 - Google Patents

薄膜基板、ナノ粒子膜、及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁薄膜からなる薄膜基板、及びこの薄膜基板上にナノ粒子が層状に固定されたナノ粒子膜、並びに磁性のナノ粒子膜を有する記憶媒体に関する。
半導体電子素子の小型化および高集積化、記憶媒体の高記録密度化に伴い、物質あるいはデバイスを微小化する検討がなされている。これら微小なマイクロスケールやナノスケールの物質あるいはデバイスはほとんどがシリコンウエハやガラス板のような基板上に形成されており、記憶媒体の分野でも、次世代高密度磁気記録媒体として、ナノスケールの微小な磁性粒子群を基板上に層状に配置させる研究が盛んに行われている。マイクロスケールやナノスケールの物質あるいはデバイスに対して、これらを載置する基板の厚さは一般に百ミクロンからミリメートルのスケールであり、基板上に形成される物質あるいはデバイスは基板も含めると3次元の構造物と考えられる。今日、ナノテクノロジーの進歩は急速で、物質あるいはデバイスの大きさはナノスケールにまで至っている。それ故、デバイスサイズをさらに小さくした2次元的デバイスを実現するためには、より薄い基板を開発することが重要である。
通常のシリコンウエハは百ミクロンスケールの厚さであり、これと比較して厚さサブミクロンの薄膜は2次元的基板と考えることができる。なお、この薄膜基板は、絶縁性、数百度の温度に対する耐熱性、化学的安定性、耐水性、耐アルコール性、及び基板表面で物質を支持可能な物理的安定性を有する必要がある。
ところで、薄膜基板を作製する方法としては、例えば酸を用いる化学的エッチングあるいはイオンビーム照射等の物理的エッチングによって厚膜から削って薄膜化する方法がある。しかしながら、このようなエッチングプロセスはさらに時間を要することを意味し、製造効率の低下をもたらす。
また、薄膜基板をより直接的に作製する方法としては、化学原材料を用いて薄膜を形成し、熱処理して薄膜を固化する方法が考えられる。半導体技術では、SiO膜により微小回路を保護することが一般に行われているが、そのようなSiO膜を形成する方法の1つに、RnSi(OH)4−nと添加剤をアルコールベースの有機溶剤に溶解した市販の有機シリコン溶液を用いて形成する方法がある(例えば、特許文献1、2参照。)。このSiO膜は滑らかな表面を持つことができるとともに、絶縁性、耐熱性、耐酸化性、耐水性、耐アルコール性を有するが、基板上に配置される物質やデバイスの保護膜として形成されるものであり、それ自体基板として使用する試みはなされていない。
特開昭58−162041号公報 特開昭63−164342号公報
上述したように、2次元的デバイスを実現するためにはサブミクロンからミクロンのオーダーまで膜厚を薄くした薄膜基板が必要であるが、効率よく容易に作製可能な2次元的薄膜基板はまだ得られていない。また、SiO膜のような絶縁膜を薄膜基板に応用する技術はまだ開発されていない。
本発明は、かかる観点からなされたもので、パターン形成された基板枠によって絶縁薄膜を支持することによってナノスケールの物質あるいはデバイスを載置可能にした薄膜基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記薄膜基板上にナノ粒子群を層状に均一に配置したナノ粒子膜、及び磁性材料からなるナノ粒子膜を備えた記憶媒体を提供することを目的とする。
請求項1の発明の磁気記録媒体用の薄膜基板は、一定の形状のスペースが配列するようにパターン形成された基板枠と、この基板枠の各スペースに形成された絶縁薄膜とにより構成され、厚さが10 -1 μm以上10 1 μm未満であり、前記スペースは、縦横ともに10 -1 μm以上の長さを有する
本発明においては、基板枠によって一定の形状に仕切られ配列する絶縁薄膜が、それぞれ薄膜基板を構成し配列する単位基板として用いられる。このような絶縁薄膜としてはシリコン酸化膜(SiO膜)が挙げられる。SiO膜はRnSi(OH)4−n含有の市販の有機シリコン溶液を用いてスピンコート法等により、基板枠の間のスペースに生成することができる。形成された塗膜は非晶質のSiO膜となるよう加熱処理される。このため、基板枠には高融点金属を用いることが好ましい。基板枠はリソグラフィーによりパターン形成される。基板枠の厚みはサブミクロンかミクロンのオーダーであり、絶縁薄膜の膜厚はそれより薄くなる。これにより、2次元的な薄膜基板を得ることが可能となる。
請求項6の発明の磁気記録媒体用のナノ粒子膜は、一定の形状のスペースが配列するようにパターン形成された基板枠、及びこの基板枠の各スペースに形成された絶縁薄膜により構成され、厚さが10 -1 μm以上10 1 μm未満であり、前記スペースは、縦横ともに10 -1 μm以上の長さを有する薄膜基板と、薄膜基板の各絶縁薄膜上にカップリング剤からなるカップリング層と、カップリング剤に結合されること、または化学吸着もしくは物理吸着されることによってカップリング層上に単層で固定化されるナノ粒子群とを備えてなる
本発明においては、基枠によって仕切られたSiO膜のような絶縁薄膜が個々の単位基板として用いられ、それぞれの単位基板ごとにナノ粒子群が単層で固定化されたナノ粒子膜が作製される。絶縁薄膜上にナノ粒子群を単層で固定化するために、ナノ粒子を吸着する官能基を有するカップリング剤、好ましくは下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤を用いて絶縁薄膜上にカップリング層が形成される。
Figure 0004325327
式(1)中、A、B、Cはそれぞれ低級アルコキシ基、水酸基、低級アルキル基、フェニル基、ハロゲン元素からなる群から選択され、Xはナノ粒子を物理吸着あるいは化学吸着する官能基であり、アミノ基及びその誘導体を含む。
このカップリング層にナノ粒子を吸着させることで、ナノ粒子群が単層で均一に固定化されたナノ粒子膜が得られる。これにより、絶縁薄膜を含めて膜厚の均一な薄膜のナノ粒子膜が、薄膜基板の絶縁薄膜の配列パターンに合わせて配列した形態に作製される。なお、絶縁薄膜の両面にカップリング層を形成して、それぞれにナノ粒子群を固定化したナノ粒子膜も作製可能である。この場合、絶縁薄膜は基板枠の厚み方向の中段に形成されていることが好ましい。絶縁薄膜の両面にナノ粒子の層が形成されることにより、薄膜基板あたりのナノ粒子の密度を向上させることが可能となる。
請求項10の発明の記憶媒体は、一定の形状のスペースが配列するようにパターン形成された基板枠、及びこの基板枠の各スペースに形成された絶縁薄膜により構成され、厚さが10 -1 μm以上10 1 μm未満であり、前記スペースは、縦横ともに10 -1 μm以上の長さを有する薄膜基板と、薄膜基板の各絶縁薄膜上にカップリング剤からなるカップリング層と、カップリング剤に結合されること、または化学吸着もしくは物理吸着されることによってカップリング層上に単層で固定化される磁性材料からなるナノ粒子群とを備えてなる
本発明においては、請求項6のナノ粒子膜と同様に、薄膜基板の各絶縁薄膜上に磁性材料からなるナノ粒子がカップリング層に吸着されることによって単層で固定化される。ナノ粒子の磁性材料は、磁気異方性の強いものが好ましい。このような磁性材料としては、例えばFePt、CoPt、FePtM、CoPtM(ただし、M=Au、Ag、Cu、Pd等)等を挙げることができる。このような磁性材料からなるナノ粒子は、S/N比の高い記憶媒体を得るためには、粒径分布が極めて狭いことが望まれる。ナノ粒子を液相合成することにより粒径のばらつきを20%程度とすることができ、得られた粒子を分級することにより粒径のばらつきを5%以下にすることができる。また、ナノ粒子群は、結晶磁気異方性の高い結晶に転移させるための加熱処理が行われるが、カップリング層が存在することによって粒子間焼結が抑制され、ナノ粒子群が均一な厚さに形成された記憶媒体を得ることが可能となる。さらに、記憶媒体として耐磨耗性及び耐腐食性を付与するため、ナノ粒子群の層の上に無機質保護膜を形成することが好ましい。さらに、無機質保護膜はゾルゲル法により形成することが好ましい。ナノ粒子群の上にカップリング剤からなる層が存在すると、無機質保護膜がゾルゲル法により良好に形成することが可能となる。以上により、絶縁薄膜を含めて膜厚の均一な薄膜の記憶媒体が、薄膜基板の絶縁薄膜の配列パターンに合わせて配列した形態に作製される。
請求項1〜5の発明によれば、絶縁薄膜を格子パターンのようにスペースが配列する基板枠によって保持することにより、絶縁薄膜を基板として使用することができ、デバイスの膜厚方向の微小化を促進することができる。
請求項6〜9の発明によれば、絶縁薄膜を基板としてカップリング層を介してナノ粒子群を固定化することにより、基板を含めて薄膜でかつ膜厚の均一なナノ粒子膜を得ることができる。
請求項10〜15の発明によれば、絶縁薄膜を基板としてカップリング層を介して磁性材料からなるナノ粒子群を固定化することにより、基板を含めて薄膜でかつ膜厚の均一な記憶媒体を得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の薄膜基板の一実施の形態を示す平面図である。この図に示すように、本実施の形態の薄膜基板1は、格子状に形成される基板枠2と、基板枠2で仕切られた各スペースにそれぞれ形成される単位基板3とで構成されており、単位基板3が平面上に規則的に配列した形態となっている。なお、図1(b)は、同図(a)の円内部分を拡大して示す図である。
基板枠2は、一定の形状のスペースが規則的に配列するようにパターン形成される。基板枠2の厚さはサブミクロンからミクロンのスケールであり、全体の寸法はミリからセンチのスケールをとることができる。また、基板枠2で仕切られた各スペースの寸法、すなわち単位基板3の寸法は、サブミクロン以上のスケールとなっている。基板枠2としては、Cu、Mo等の高融点の金属材料が用いられる。一方、単位基板3としては、シリコン酸化膜(SiO)やシリコン窒化膜(SiN等)等の絶縁膜が用いられる。
次に、SiO膜を用いて上記薄膜基板1を製造する方法について図2〜4を参照しながら説明する。なお、図2〜4において、(a)は平面図、(b)は断面図である。
図2において、リソグラフィー技術を用いてパターン形成された金属製の基板枠2とシリコンウエハのような支持基板5をアルコール溶液中で超音波洗浄した後、基板枠2を支持基板5上に例えばカーボンテープを用いて設置し、この支持基板5を図示しない高速回転装置に固定する。ついで、支持基板5上に載置された基板枠2の上に、SiO系被膜生成用の市販のOCD塗料拡散液6を1滴滴下する。ここで、OCD塗料拡散液は、RnSi(OH)4−nと添加剤(拡散剤、ガラス形成剤、結合剤等)を有機溶媒(例えば、エステル、ケトン、アルコール等)に溶解した有機シリコン溶液である。
滴下した塗料拡散液6が支持基板5上で不動状態となるまで5分ほど放置した後、図3において、支持基板5を高速回転装置により最高速度2000〜5000rpmまで10秒間回転する。なお、SiO膜の膜厚は回転速度によって調整可能で、回転速度が大きいほど膜厚は薄くなる。ついで、塗膜を80、150、200℃の温度で各1分ずつ乾燥した後、400℃にて30分熱処理し硬化させる。得られるSiO膜7は基板枠2の厚さよりも薄く、基板枠2の下端側に形成される。
熱処理後、基板枠2を支持基板5から剥離することによって、図4に示すような基板枠2の下端側に単位基板3となるSiO膜7が形成された薄膜基板1を得ることができる。SiO膜7の膜厚は、基板枠2より薄い10−2μmから10−1μmのオーダーで、好ましい膜厚は0.05μm以上0.2μm以下である。0.2μm以下の膜厚であればSiO膜7上に形成されたナノスケールの物質を透過型電子顕微鏡でそのまま観察することができる。0.05μm以上であれば、ナノスケールの物質を支持可能な強度を得ることができる。また、SiO膜は800℃前後までの耐熱性があり、アルコール等の有機溶剤や水に対して耐性があり、搭載する物質に対して化学的に不活性であるなど、基板として必要な特性を有している。
上述した製造方法は一例で、これに限定されないことはもちろんである。上記SiO膜の生成方法では、熱処理前の回転速度を調整することによりSiO膜の膜厚を任意に制御することができる。塗膜の熱処理は、SiO膜を非晶質構造とするために必要で、熱処理温度の下限値は略300℃と考えられる。塗膜の熱処理が不十分であると、SiO膜の構造が均質とならず、粒子構造がいくつか混じって微小なクラックの発生しやすい膜となってしまう可能性がある。
図5は、SiO膜からなる単位基板3の大きさ及び形状が異なる薄膜基板1の光学視像を示すもので、(a)は直径85μmの円形の単位基板3を、(b)は横の長さが30μmの方形の単位基板3を示している。
上述したように、本実施の形態によれば、パターン形成された基板枠のスペースに公知の絶縁薄膜、例えばSiO膜が形成され、一定の形状の絶縁薄膜からなる単位基板が平面上に配列したほとんど2次元的な薄膜基板を得ることができる。
次に、上記薄膜基板1上にナノ粒子を層状に形成したナノ粒子膜の一実施の形態について説明する。なお、ここでは、記憶媒体として用いることができる磁性材料からなるナノ粒子膜を例に挙げて説明するが、本発明のナノ粒子膜は磁性材料に限定されない。
図6に、本実施の形態のナノ粒子膜の断面構造を模式的に示す。図6において、ナノ粒子11が薄膜基板1の各単位基板3上にカップリング層12を介して均一に単層で固定化されている。なお、図6では便宜上2つの単位基板3のみ示している。
カップリング層12は、ナノ粒子11を物理吸着あるいは化学吸着する官能基を有するカップリング剤を用いて形成される。なお、化学吸着は共有結合の形成を含み、物理吸着はイオン結合、配位結合、水素結合、分子間力による結合等、共有結合以外の形成を含む。カップリング剤としては、次式(1)に示すシランカップリング剤が好適である。
Figure 0004325327
式(1)中、A、B、Cはそれぞれ低級アルコキシ基、水酸基、低級アルキル基、フェニル基、ハロゲン元素からなる群から選択され、Xはナノ粒子を物理吸着あるいは化学吸着する官能基であり、アミノ基及びその誘導体を含み、より具体的には次式(2)で表される。
X=(CH)-(C)-(CH)-Y ……(2)
式(2)中、Yは-NH、-NH-(CH)-NH(x=2〜6)、-NH-(CH)-NH-(CH)-NH、-NH-CO-NH、-NH-(CH)-CH(y=0〜3)、-NH-CH-(CH)、-NH-C、-NH-(COH)、-NH-CH-CH=CH、-N-(CH)、-N-(C)、-NH-(COH)、-COOH、-OPO(OH)、-POOH、-SOOHまたは-SOOHを表し、l、m、nは0〜17の整数を表す。
単位基板3上へのカップリング層12の形成は、薄膜基板1を洗浄後、カップリング剤を溶解した溶液に薄膜基板1を一定時間浸漬するか、あるいはカップリング剤溶液を薄膜基板1上に塗布することによって行うことができる。また、ラングミュア・ブロジェット法によりカップリング層12を形成することもできる。
ナノ粒子11は、記憶媒体用としては磁気異方性の強い磁性材料が用いられる。このような磁性材料としては、例えばFePt、CoPt、FePtM、CoPtM(ただし、M=Au、Ag、Cu、Pd等)等を挙げることができる。
ナノ粒子11は液相合成されたものが好ましい。液相合成法とは、金属塩、有機金属などを液中に溶解させ、還元あるいは分解などにより、粒子を析出させる方法である。公知の液相合成法として、共沈法、アルコール還元法、有機金属化合物の熱分解、逆ミセル法、超音波法等がある。液相合成されたナノ粒子は、その表面を有機安定化剤で被覆された分散液として得られる。液相合成法によれば、粒径のばらつきを20%程度としてナノ粒子を合成でき、これを分級することにより、粒径のばらつきをさらに5%以下にすることができる。記憶媒体として用いる場合には、粒子径分布の標準偏差が狭いほど、再生時の媒体ノイズが低減し、高いS/N比が得られる。また、ナノ粒子の粒径は、記録密度の観点からは小さくすることが好ましいが、用いる磁性材料の結晶異方性エネルギーにより実用可能な下限値が異なり、例えば結晶異方性エネルギーが10J/m程度のFePt粒子の場合、平均粒径3〜7nmとなる。
有機安定化剤は、式R-Zで表すことができる長鎖有機化合物であり、式中Rは6〜22個の炭素原子を含む長鎖または分岐ハイドロカーボン鎖、あるいは6〜22個の炭素原子を含む長鎖または分岐フルオロカーボン鎖である。Zはカルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸、チオール、アミン、ジアミンからなる群から選択される。
ナノ粒子11のカップリング層12への固定化は、カップリング層12を形成した薄膜基板1をナノ粒子分散液中に一定時間するか、あるいはカップリング層12の上にナノ粒子分散液を塗布する。これにより、カップリング層12の表面に存在する官能基(例えば、式(1)中のX)が、ナノ粒子の表面を被覆する有機安定化剤の官能基Zと置き換わってナノ粒子11がカップリング層12の表面に吸着される。このとき、ナノ粒子1は、その表面の一部でカップリング層12の表面に存在する官能基に吸着し、残りの表面は有機安定化剤で被覆されているため、ナノ粒子11群は互いに接することなくカップリング層12に単層で固定化される。そのため、記憶媒体においてナノ粒子間の磁気的結合が極めて小さく、媒体の高記録密度化やノイズ特性の向上に寄与する。
図7は、上記のようにして作製されたナノ粒子膜の断面を示す透過型電子顕微鏡写真で、SiO膜の基板上に、APTS(3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン;(CHO)Si-(CH)-NH-CH-CH-NH)のカップリング層が形成されており、その上にFePtのナノ粒子群が単層で固定化されている。
上記のようにして各単位基板3上にカップリング層12によってナノ粒子群が固定化されたナノ粒子膜は、ナノ粒子11を高い結晶磁気異方性を有する結晶構造に転移させるために400℃以上に加熱処理される。このとき、カップリング層12のカップリング剤が例えばシランカップリング剤の場合は主にSiOに変化するため、加熱処理による粒子移動が抑えられ、粒子間焼結が抑制される。また、有機安定化剤は熱分解によってほぼ炭化・揮発する。
また、上記ナノ粒子膜は、記憶媒体として、耐磨耗性、耐腐食性を付与するための無機質膜層を形成することができる。無機質膜層は、ジルコニウム、シリコン、チタニウム、アルミニウムの酸化物、水酸化物および有機金属を含む混相からなる材料の何れか、あるいはそれらの組み合わせからなり、厚みは20nm以下であることが好ましい。厚みが20nm以上であると、信号強度の低下が顕著となり、S/N比に重大な支障をきたす。
このような無機質膜層の形成方法は、特願2003-13200号にて提案されている方法を適用することができる。例えばジルコニウム、シリコン、チタニウム、アルミニウムの金属アルコキシドを出発材料とし、溶液中での加水分解や脱水縮合を利用して、これらの金属を含む無機質膜層をゾルゲル法により形成することができる。また、ケイ酸ナトリウム溶液のようなケイ酸塩水溶液を出発材料とし、溶液中での脱水縮合により無機質膜層としてシリカ(SiO)膜を堆積させることもできる。
ただし、液相で無機質膜層を形成する場合、酸化されていない磁性金属材料からなるナノ粒子の表面や、それを被覆している有機安定化剤の表面には無機質膜層が成長しない。そこで、ナノ粒子11被覆している有機安定化剤を置換するように、ナノ粒子群の上にシランカップリング剤の層を形成した後、液相で無機質膜層を成長させる。シランカップリング剤の層の表面にはアルコキシドやシラノール基が存在するため、これらのアルコキシドやシラノール基が起点となって金属アルコキシドの加水分解や脱水縮合が起こり、無機質膜層が成長する。
上述したように、本実施の形態のナノ粒子膜においては、膜厚サブミクロン以下でかつサイズがサブミクロン以上の絶縁薄膜からなる単位基板が多数配列してなる薄膜基板の各単位基板上に、磁性材料からなるナノ粒子がカップリング層を介して単層で固定化されるため、単位基板ごとに磁気記録媒体となるナノ粒子膜を形成することができ、したがって磁気記録媒体が多数配列した2次元的な記憶媒体を得ることができる。
なお、上記実施の形態のナノ粒子膜は、カップリング層を介して磁性ナノ粒子群を単位基板上に固定化しているが、非磁性材料のナノ粒子も同様にカップリング層を介して単位基板上に固定化することができる。液相合成法によれば、磁性材料以外のナノ粒子、例えば半導体ナノ粒子、導電体ナノ粒子、強誘電体ナノ粒子、相変化ナノ粒子、フォトクロミックナノ粒子、サーモクロミックナノ粒子、エレクトロクロミックナノ粒子等も作製することができる。これらのナノ粒子をカップリング層を介して単位基板上に固定化することにより、加熱処理が必要な場合でも加熱処理による粒子間焼結が抑制され、ナノ粒子群が単層で均一に固定化されたナノ粒子膜を得ることができる。このようなナノ粒子膜は、例えばセンサーやアクチュエータ、メモリ等、広範な用途に応用することができる。
また、本発明の薄膜基板は、図8に示すように、マイクロスケールやナノスケールの粉状物質15あるいは膜状物質16を単位基板3上に直接保持することもできる。なお、図8において、(a)は平面図、(b)は断面図である。
さらに、本発明の薄膜基板は、図9に示すように単位基板3の両面にカップリング層12を形成してナノ粒子11群をそれぞれ固定化することもできる。この場合、薄膜基板の製造方法は図2〜4に示すような方法ではなく、パターン形成された基板枠を絶縁被膜形成用拡散液、例えばOCD塗料拡散液に浸漬して、基板枠2の厚さ方向の中段に単位基板3となるSiO膜が形成されるようにする。SiO膜の両面へのカップリング層12の形成及びナノ粒子11の固定化は前述した方法で行うことができる。このような薄膜基板においては、単位基板3に固定化されるナノ粒子11の密度をさらに向上させることが可能となる。また、単位基板の両面にカップリング層が形成された薄膜基板は、ナノ粒子の層を挟んで重ねることもできるため、ナノ粒子膜の多層形成も可能となる。
また、本発明の薄膜基板は、単位基板の膜厚を、10−2μmから10−1μmのオーダー、好ましくは0.05〜0.2μmの範囲とすることにより、単位基板上に形成されたマイクロスケールやナノスケールの物質を透過型電子顕微鏡(TEM)で何ら手を加えることなくそのまま観察し確認することができる。単位基板の膜厚を100nm以下とした場合には、単位基板上のナノ粒子の結晶格子まで高分解能電子顕微鏡(HREM)により観察することが可能となる。
本発明の薄膜基板の一実施の形態を示す平面図である。 本発明の薄膜基板を製造する工程例(その1)を示す平面図(a)及び断面図(a)である。 本発明の薄膜基板を製造する工程例(その2)を示す平面図(a)及び断面図(a)である。 本発明の薄膜基板を製造する工程例(その3)を示す平面図(a)及び断面図(a)である。 本発明の薄膜基板の光学視像を示す図である。 本発明のナノ粒子膜の一実施の形態を模式的に示す断面図である。 本発明のナノ粒子膜の断面を示す透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の薄膜基板上に粉状物質15あるいは膜状物質16を直接保持している例を模式的に示す平面図(a)及び断面図(b)である。 本発明の薄膜基板の両面にナノ粒子を固定化した例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…薄膜基板、2…基板枠、3…単位基板、5…支持基板、6…OCD塗料拡散液、7…SiO膜、11…ナノ粒子、12…カップリング層

Claims (15)

  1. 一定の形状のスペースが配列するようにパターン形成された基板枠と、この基板枠の各スペースに形成された絶縁薄膜とにより構成され
    厚さが10 -1 μm以上10 1 μm未満であり、
    前記スペースは、縦横ともに10 -1 μm以上の長さを有する磁気記録媒体用の薄膜基板。
  2. 前記絶縁薄膜がシリコン酸化膜である請求項1記載の磁気記録媒体用の薄膜基板。
  3. 前記シリコン酸化膜が、有機シリコン溶液を用いて形成され、300〜800℃で熱処理されてなる請求項2記載の磁気記録媒体用の薄膜基板。
  4. 前記基板枠が高融点金属からなる請求項1記載の磁気記録媒体用の薄膜基板。
  5. 前記絶縁薄膜の膜厚が前記基板枠の厚みより薄い請求項1記載の磁気記録媒体用の薄膜基板。
  6. 一定の形状のスペースが配列するようにパターン形成された基板枠、及びこの基板枠の各スペースに形成された絶縁薄膜により構成され、厚さが10 -1 μm以上10 1 μm未満であり、前記スペースは、縦横ともに10 -1 μm以上の長さを有する薄膜基板と、
    前記薄膜基板の各絶縁薄膜上にカップリング剤からなるカップリング層と、
    前記カップリング剤に結合されること、または化学吸着もしくは物理吸着されることによって前記カップリング層上に単層で固定化されるナノ粒子群と
    を備えた磁気記録媒体用のナノ粒子膜。
  7. 前記絶縁薄膜がシリコン酸化膜である請求項6記載のナノ粒子膜。
  8. 前記カップリング剤が、一般式(1)により表されるシランカップリング剤である請求項6記載の磁気記録媒体用のナノ粒子膜。
    Figure 0004325327

    (式中、Xはアミノ基及びその誘導体を含み、A、B、Cはそれぞれ低級アルコキシ基、水酸基、低級アルキル基、フェニル基、ハロゲン元素からなる群から選択される。)
  9. 前記カップリング層が前記薄膜基板の各絶縁薄膜の両面に形成され、前記ナノ粒子群がそれぞれのカップリング層に固定化される請求項6記載の磁気記録媒体用のナノ粒子膜。
  10. 一定の形状のスペースが配列するようにパターン形成された基板枠、及びこの基板枠の各スペースに形成された絶縁薄膜により構成され、厚さが10 -1 μm以上10 1 μm未満であり、前記スペースは、縦横ともに10 -1 μm以上の長さを有する薄膜基板と、
    前記薄膜基板の各絶縁薄膜上にカップリング剤からなるカップリング層と、
    前記カップリング剤に結合されること、または化学吸着もしくは物理吸着されることによって前記カップリング層上に単層で固定化される磁性材料からなるナノ粒子群と
    を備えた記憶媒体。
  11. 前記絶縁薄膜がシリコン酸化膜である請求項10記載の記憶媒体。
  12. 前記カップリング剤が、一般式(1)により表されるシランカップリング剤である請求項10記載の記憶媒体。
    Figure 0004325327

    (式中、Xはアミノ基及びその誘導体を含み、A、B、Cはそれぞれ低級アルコキシ基、水酸基、低級アルキル基、フェニル基、ハロゲン元素からなる群から選択される。)
  13. 前記磁性材料が、FePt、CoPt、FePtM、またはCoPtM(ただし、MはAu、Ag、CuまたはPdである。)である請求項10記載の記憶媒体。
  14. 前記ナノ粒子群が液相合成されたものである請求項10記載の記憶媒体。
  15. 前記ナノ粒子群上に形成され、シランカップリング剤からなるシランカップリング剤の層と、
    前記シランカップリング剤の層上に形成された無機質保護膜と
    を備えた請求項10記載の記憶媒体。
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