JP4324266B2

JP4324266B2 - α1A adrenergic receptor mutant, measurement method using the mutant, and therapeutic agent for dysuria associated with prostatic hypertrophy

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Publication number: JP4324266B2
Application number: JP05116399A
Authority: JP
Inventors: 郁延村松; 隆信谷口; 聡村田; 聡立道; 克良秋山
Original assignee: Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1999-02-26
Filing date: 1999-02-26
Publication date: 2009-09-02
Anticipated expiration: 2019-02-26
Also published as: JP2000247998A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒトα_1Aアドレナリン受容体の第２７１アミノ酸のアラニンをスレオニンに置換したα_1Aアドレナリン受容体の新規変異体、当該α_1Aアドレナリン受容体の変異体を用いたα_1Aアドレナリン受容体アンタゴニストのインバースアゴニスト活性の測定方法および当該測定方法においてインバースアゴニスト活性を示さないα_1Aアドレナリン受容体アンタゴニストを有効成分として含有する前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
α₁アドレナリン受容体（以下α₁−ＡＲという）サブタイプについては、これまでに薬理学的研究および受容体遺伝子のクローニングによりα_1Aアドレナリン受容体サブタイプ（以下α_1A−ＡＲという）、α_1Bアドレナリン受容体サブタイプ（以下α_1B−ＡＲという）およびα_1Dアドレナリン受容体サブタイプの３種のアドレナリン受容体サブタイプの存在が確認されている。
【０００３】
種々の動物及びヒトの各種臓器におけるこれらのα₁−ＡＲサブタイプの局在及び機能について多くの研究がなされ、ヒト前立腺組織にはα_1A−ＡＲが優位に存在し、α_1A−ＡＲ選択的アンタゴニストがノルアドレナリン収縮を最もよく抑制することからヒト前立腺はα_1A−ＡＲを介して収縮すると考えられている。また、ヒトの末梢血管はα_1B−ＡＲを介して収縮することが報告されている（British Journal of Pharmacology, Vol. 113, pp. 723-728 (1994))。更に、ヒト大網動脈およびヒト腸間膜動脈もα_1B−ＡＲを介するとされている。
【０００４】
最近、αアドレナリン受容体、βアドレナリン受容体、ヒスタミンＨ受容体を始めとするＧ蛋白質共役型受容体は、不活性型と活性型がある一定の平衡状態で存在し、活性型のみがプロテインキナーゼＣなどの細胞内情報伝達系を介した生理反応を引き起こすことが報告されている。
【０００５】
一方、これらの受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニストの作用についても研究が行われており、アンタゴニストには不活性型と活性型の平衡状態に影響しないニュートラルアンタゴニストと平衡状態を不活性側に移動させるインバースアゴニストがあり、インバースアゴニスト活性の強いアンタゴニストを長期使用した場合は、一過性に細胞内情報伝達系が抑制された結果、代償性に受容体数が増加することが報告されている。
【０００６】
例えば、胃・十二指腸潰瘍治療剤として知られているヒスタミンＨ₂受容体アンタゴニストのシメチジンやラニチジンはインバースアゴニストであるため、これらヒスタミンＨ₂受容体アンタゴニストを長期連用するとヒスタミンＨ₂受容体数が増加し、その結果、耐性発現（作用減弱）や使用中断により胃酸分泌亢進などのリバウンド現象を起こすことが問題点として指摘されている。このように、インバースアゴニストは耐性発現やリバウンド現象により予期せぬ症状を引き起こすため、医薬品として使用するアンタゴニストはニュートラルアンタゴニストが望ましいとして種々の研究がなされている。ヒスタミンＨ₂受容体の他にβ₂アドレナリン受容体やα_1B−ＡＲについても変異体を用いて種々の研究が活発に行われており、アンタゴニストの性質が受容体の活性を左右することが報告されている。（Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol. 93, pp. 6802-6807 (1996); Biochem. J., Vol. 325, pp. 733-739 (1997))しかしながら、α_1A−ＡＲについてはこれまでニュートラルアンタゴニストかインバースアゴニストであるかを判定する実験手段自体が開発されていなかったため、今まで何ら報告がなされていない。
【０００７】
ヒト前立腺の収縮はα_1A−ＡＲを介し、ヒト末梢血管の収縮はα_1B−ＡＲを介する事が報告されていることより、起立性低血圧などの副作用を軽減するため前立腺肥大症治療剤として選択的α_1A−ＡＲアンタゴニストが開発されているが、当該アンタゴニストがインバースアゴニストの場合は耐性発現による増量を余儀なくされることが懸念される。即ち、各臓器の主要な受容体の活性化状態が異なると、インバースアゴニスト活性を持つアンタゴニストの作用強度が臓器によって変化することが考えられ、場合によっては起立性低血圧などの副作用が強く発現するようになることが懸念される。
【０００８】
特に、心臓においてもα_1A−ＡＲが発現していることが確認されており、α₁−ＡＲ刺激により心肥大が誘導されることが報告されている。α_1A−ＡＲは細胞内情報伝達経路の一つであるイノシトール１，４，５−三リン酸（以下ＩＰ₃という）を産生してプロテインキナーゼＣを活性化させることが知られており、プロテインキナーゼＣ活性の亢進が心肥大誘導の一因を担っているものと考えられる。それ故、心筋細胞においてα_1A−ＡＲが増加すると、心肥大が起こる危険性が増大する。（血管と内皮，Vol. 5, No. 6, pp. 81-86 (1995);医学のあゆみ，Vol. 172, No. 3, pp.151-154 (1995)；The Journal of Biological Chemistry, Vol. 271, No. 10, pp. 5839-5843 (1996))従って、α_1A−ＡＲアンタゴニストとして、インバースアゴニストを使用すると受容体数が増加した場合、心肥大の危険性が増加することが予想される。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、連用による耐性発現を抑え、また心肥大など他の臓器における副作用を回避することのできる前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤を提供することである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、α_1A−ＡＲに関して鋭意研究を重ねた結果、インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストの判定に適したα_1A−ＡＲ変異体を確立することができ、そのα_1A−ＡＲ変異体を発現させたＣｈｉｎｅｓｅＨａｍｓｔｅｒＯｖａｒｙ（ＣＨＯ）細胞を用いる事により、α_1A−ＡＲにおいてもインバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストが存在する事を見出した。更に、当該ＣＨＯ細胞を用いた実験でインバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲ対するニュートラルアンタゴニストが前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤として非常に優れた薬剤となり得ることを見出し、本発明を成すに至った。
【００１１】
本発明者らは、α_1A−ＡＲの平衡状態を活性型優位にすべく研究した結果、野生型α_1A−ＡＲの２７１番目であるアミノ酸のアラニンをスレオニンに置換した４６６個のアミノ酸から構成されるα_1A−ＡＲ変異体をＣＨＯ細胞に発現させ、細胞内ＩＰ₃量を測定したところ、野生型に比べＩＰ₃量が顕著に上昇しており、活性型が優位であるα_1A−ＡＲ変異体の確立に成功した（Ｂｉｏｃｈｅｍ．Ｂｉｏｐｈｙｓ．Ｒｅｓ．Ｃｏｍｍｕｎ．，Ｖｏｌ．１９５，Ｎｏ．２，ｐｐ．９０２−９０９（１９９３）；ＦＥＢＳＬｅｔｔｅｒｓ，Ｖｏｌ．４２，ｐｐ．２７９−２８３（１９９８））。
【００１２】
更に、本発明者らは、上記α_1A−ＡＲ変異体を発現させたＣＨＯ細胞を用いて実験することにより、細胞内ＩＰ₃量を減少させ、その結果としてα_1A−ＡＲ数を増加させるインバースアゴニスト活性を示すアンタゴニストと、細胞内ＩＰ₃量およびα_1A−ＡＲ数を変化させないニュートラルアンタゴニストを判定する事ができ、医薬品として有用なニュートラルアンタゴニストの開発が可能である事を見出した。
【００１３】
そして、上記実験でインバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲアンタゴニストは長期投与で耐性を発現せず、しかも心臓においてα_1A−ＡＲ数を変化させず好適な前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤として期待できることを見出した。
【００１４】
即ち、本発明者らが確立した活性型が優位にある上記α_1A−ＡＲ変異体を発現させたＣＨＯ細胞を用いた実験において、α_1A−ＡＲに対して高親和性を示すプラゾシンは細胞内ＩＰ₃量を３０％程度減少させ、その結果α_1A−ＡＲ数を約３倍に増加させたのに対し、α_1A−ＡＲに対して高親和性を示す選択的な尿道平滑筋収縮抑制作用を有する排尿困難症治療剤として開発されたインドリン誘導体（特開平６−２２００１５号公報）の中の一化合物である（−）−（Ｒ）−１−（３−ヒドロキシプロピル）−５−〔２−〔〔２−〔２−（２，２，２−トリフルオロエトキシ）フェノキシ〕エチル〕アミノ〕プロピル〕インドリン−７−カルボキサミド（以下ＫＭＤ−３２１３という）はＩＰ₃量には影響を与えず、α_1A−ＡＲ数も変化させなかった。以上の事から、プラゾシンはα_1A−ＡＲに対して強いインバースアゴニスト活性を示すアンタゴニスト（インバースアゴニスト）であり、一方、ＫＭＤ−３２１３はα_1A−ＡＲに対するインバースアゴニスト活性を示さないニュートラルアンタゴニストであることが確認された。
【００１５】
次に、本発明者らは、上記α_1A−ＡＲに対するインバースアゴニストであるプラゾシンとα_1A−ＡＲに対するニュートラルアンタゴニストであるＫＭＤ−３２１３をラットを用いてインバースアゴニスト活性と耐性に関する相関性を確認すべく各被験薬物を４週間連続経口投与した後、フェニレフリン誘発尿道内圧上昇に対する阻害活性を各被験薬物の静脈内投与により検討したところ、プラゾシンは５０％阻害量（ＩＤ₅₀値）として対照群に比し約１．７倍の高値を示し、耐性を発現したのに対し、ＫＭＤ−３２１３は耐性を発現しなかった。
【００１６】
また、同様にラットを用いて塩酸プラゾシンおよびＫＭＤ−３２１３を２週間連続腹腔内投与して、心臓におけるα_1A−ＡＲ発現に対する影響を調べたところ、プラゾシン連続投与群ではα_1A−ＡＲ数は約１．７倍に増加した。一方、ＫＭＤ−３２１３連続投与群ではα_1A−ＡＲ数は変化しなかった。
【００１７】
従って、α_1A−ＡＲ変異体発現ＣＨＯ細胞でインバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲに対するニュートラルアンタゴニストは、連続投与によりフェニレフリン誘発尿道内圧上昇の阻害活性を減弱させないため、耐性が生じることなく、また薬物使用中断によるリバウンド現象を示すことがなく、前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤として極めて有用である。
【００１８】
更に、上記α_1A−ＡＲに対するインバースアゴニスト活性を示さないニュートラルアンタゴニストは、心肥大との関連性が示されている心臓におけるα_1A−ＡＲ数に関しても何ら影響を示さないことから、薬物使用中の耐性獲得および使用中断によるリバウンド現象などα_1A−ＡＲ数増加に起因する心臓に対する副作用を回避できる。
【００１９】
このように、本発明のα_1A−ＡＲ変異体を用いる事により、このような前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤として有用なインバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲに対するニュートラルアンタゴニストを開発することができる。
【００２０】
本発明において、有効成分として含有されるインバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲに対するアンタゴニストとは、全くインバースアゴニスト活性を示さないニュートラルアンタゴニストに限定されるものではなく、４６６個のアミノ酸から構成されるα_1A−ＡＲ変異体を用いた本発明のインバースアゴニスト活性測定方法におけるプラゾシンによるα_1A−ＡＲ数の増加量をインバースアゴニスト活性１００％とした場合、実質的にα_1A−ＡＲに対する影響がないと考えられるインバースアゴニスト活性が概ね３０％以下のアンタゴニストであればよく、概ね１０％以下のアンタゴニストであれば更に好適である。ＫＭＤ−３２１３のインバースアゴニスト活性は０％であり、極めて優れたニュートラルアンタゴニストとして挙げられる。
【００２１】
また、ＫＭＤ−３２１３はＳＤ系ラットでの単回経口投与による毒性試験において、５０％致死量（ＬＤ₅₀値）が雌雄共に８７８ｍｇ／ｋｇであり、特に重篤な副作用もなく、安全な化合物である。
【００２２】
従って、インバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲアンタゴニスト、例えば、ＫＭＤ−３２１３またはその薬理学的に許容される塩を活性成分として含有させることにより、連用による耐性発現を抑え、また使用中断後の心肥大などの他の臓器における副作用を回避することのできる極めて好適な前立腺肥大に伴う排尿困難症治療剤を得る事が出来る。
【００２３】
本発明の排尿困難症治療剤の活性成分の一つであるＫＭＤ−３２１３およびその薬理学的に許容される塩は公知化合物であり、文献記載の方法により製造することができる（特開平６−２２００１５号公報）。
【００２４】
本発明の排尿困難症治療剤において活性成分として含有される化合物は遊離体のままで使用してもよく、薬理学的に許容される塩として使用してもよい。例えば、ＫＭＤ−３２１３の薬理学的に許容される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ｐ−トルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、２，４−ジメチルベンゼンスルホン酸、２，５−ジメチルベンゼンスルホン酸、２，４，６−トリメチルベンゼンスルホン酸、（＋）−カンファースルホン酸、（−）−カンファースルホン酸、４−クロロベンゼンスルホン酸、２−ナフタレンスルホン酸、１−ブタンスルホン酸、フマル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等とのモノまたはジ酸付加塩等を挙げることが出来る。
【００２５】
また、本発明の排尿困難症治療剤において活性成分として含有される化合物には、上記の塩の他、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【００２６】
本発明の医薬品組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤などの経口投与剤、注射剤、貼付剤あるいは坐剤などの非経口投与剤を挙げることができる。
【００２７】
これらの医薬品組成物は、その剤型に応じ調剤学上使用される手法により、適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解し、常法に従い調剤することにより製造することができる。
【００２８】
例えば、散剤は活性成分、例えば、ＫＭＤ−３２１３またはその薬理学的に許容される塩に、必要に応じ、適当な賦形剤、滑沢剤等を加えよく混和して散剤とする。
【００２９】
錠剤は、活性成分、例えば、ＫＭＤ−３２１３またはその薬理学的に許容される塩に、必要に応じ、適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を加え常法に従い打錠して錠剤とする。錠剤はまた必要に応じ、コーティングを施し、フィルムコート錠、糖衣錠等にすることができる。
【００３０】
カプセル剤は、活性成分、例えば、ＫＭＤ−３２１３またはその薬理学的に許容される塩に、必要に応じ、適当な賦形剤、滑沢剤等を加えよく混和した後、適当なカプセルに充填してカプセル剤とする。また、常法により顆粒あるいは細粒とした後あるいは分散剤、乳化剤、安定化剤、溶解補助剤などを加え液状とした後充填してもよい。
【００３１】
また、本製剤は徐放性製剤として投与してもよい。通常の徐放性製剤として錠剤もしくは顆粒中に徐放性基剤を配合したマトリックス型徐放性製剤、あるいは常法により得た錠剤または顆粒またはマトリックス型徐放性製剤を徐放性基剤によりコーティングした皮膜制御型徐放性製剤として経口投与することができる。徐放性基剤としては、硬化油、ステアリルアルコール、セチルアルコール、パラフィン、脂肪酸モノグリセリン等のワックス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エチルメタクリル酸メチルコポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマーなどを挙げることが出来る。
【００３２】
本発明の医薬品組成物を実際の治療に用いる場合、その活性成分であるインバースアゴニスト活性を示さないα_1A−ＡＲアンタゴニストの投与量は対象となる患者の性別、年齢、体重、症状の度合などによって適宜決定されるが、例えば活性成分としてＫＭＤ−３２１３またはその薬理学的に許容される塩を用いる場合、経口的に、概ね成人１日当たり０．１〜１００mg、非経口的に、概ね成人１日当たり０．０１〜１００mgの範囲内で投与される。
【００３３】
【実施例】
本発明の内容を以下の試験例および処方例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
【００３４】
試験例１
α_1A−ＡＲ変異体発現ＣＨＯ細胞における細胞内ＩＰ₃の定量及びα_1A−ＡＲ数の測定
▲１▼目的
ヒトα_1A−ＡＲ変異体（ヒトα_1A−ＡＲの第３細胞内ループにある第２７１番目のアラニンをスレオニンに置換した４６６個のアミノ酸から構成される受容体）を発現したＣＨＯ細胞を用いて、塩酸プラゾシンおよびＫＭＤ−３２１３のα_1A−ＡＲ活性に対する影響を細胞内ＩＰ₃量および受容体発現量を指標として検討した。
【００３５】
▲２▼方法
ヒト前立腺ｃＤＮＡライブラリーに対してウシα_1A−ＡＲ遺伝子（３３３ｂｐ）をプローブとしてスクリーニングを行い、全長１．５ｋｂｐのヒトα_1A−ＡＲｃＤＮＡ断片（５’非翻訳領域７ｂｐおよび３’非翻訳領域≦１００ｂｐも含む）を単離した。また、α_1A−ＡＲ変異体はｍｏｄｉｆｉｅｄｓｉｔｅ−ｓｐｅｃｉｆｉｃＰＣＲ法を用いて、得られたヒトα_1A−ＡＲ（野生型）の第２７１アミノ酸のアラニンをスレオニンに置換することにより作製した。α_1A−ＡＲ遺伝子は制限酵素ＥｃｏＲＩを用いて哺乳類発現ベクターｐＣＲ３に挿入し、リポフェクトアミン（ＧＩＢＣＯ社製）を用いてＣＨＯ細胞に導入した。細胞は、５００μｇ／ｍｌのＧ−４１８の存在下、αＭＥＭ（１０％ウシ胎児血清，１００ｕｎｉｔｓ／ｍｌペニシリンＧ，１００μｇ／ｍｌ硫酸ストレプトマイシンを含む）を用いて３７℃で培養し、恒常的にα_1A−ＡＲを発現する細胞を得た。
【００３６】
上述した方法によりα_1A−ＡＲを発現させたＣＨＯ細胞を各被験薬物（１０^-7Ｍ）存在下で３７℃で１６時間培養し、培養終了３０分前に細胞をＰＢＳで洗浄し、血清除去培地に交換した。その後、ＣＨＯ細胞に０．８Ｍ過塩素酸処理を施し、氷上で３０分間放置後、６０ｍＭのＨＥＰＥＳ、６０ｍＭのＥＤＴＡを含む４Ｍ水酸化ナトリウムで中和し、遠心分離を行い沈渣を除去した。得られた細胞抽出液を用いてＩｎｏｓｉｔｏｌ−１，４，５−ｔｒｉｓｐｈｏｓｐｈａｔｅ〔³Ｈ〕ＲａｄｉｏｒｅｃｅｐｔｏｒＡｓｓａｙＫｉｔ（ＮＥＮ社製）により細胞内ＩＰ₃量を測定した。一方、受容体発現量を検討する実験においては、α_1A−ＡＲ変異体を発現させたＣＨＯ細胞を各被験薬物（１０^-12〜１０^-7Ｍ）の存在下で４８時間３７℃で培養した。その後、Ａｓｓａｙｂｕｆｆｅｒ（Ｔｒｉｓ−ＨＣｌ５０ｍＭ，ＥＤＴＡ１ｍＭ，ｐＨ７．４）にて細胞を回収し、Ｓｏｎｉｃａｔｏｒを用いて破砕し、８００００ｘｇで３０分間遠心分離後、得られた沈渣をＡｓｓａｙｂｕｆｆｅｒで懸濁して膜分画とした。膜分画（１０μｇｐｒｏｔｅｉｎ／ｔｕｂｅ）を〔³Ｈ〕−プラゾシン（１０〜２０００ｐＭ）共存下４５分間３０℃でインキュベーション後、Ｃｅｌｌｈａｒｖｅｓｔｅｒ（Ｍ−３０Ｔ，Ｂｒａｎｄｅｌ社製）を用いて膜分画をＧＦ／Ｃフィルター（Ｗｈａｔｍａｎ社製）上に回収し、５０ｍＭのＴｒｉｓ−ＨＣｌｂｕｆｆｅｒ（ｐＨ７．４）で数回洗浄後、液体シンチレーションカウンターを用いて結合量を測定した。非特異的結合は１μＭ塩酸タムスロシン存在下での結合とした。得られた実験結果を非線形近似プログラムＰＲＩＳＭ（登録商標）（ＧｒａｐｈｐａｄＳｏｆｔｗａｒｅ社製）を用いて解析し、受容体量を算出した。
【００３７】
▲３▼結果
野生型と比べて変異体を発現した細胞は細胞内ＩＰ₃量が上昇しており、α_1A−ＡＲ変異体では活性型が優位であることが確認された。この様なα_1A−ＡＲ変異体を用いた実験において、塩酸プラゾシン処置は細胞内ＩＰ₃量を減少させ、受容体発現量を増加させたが、ＫＭＤ−３２１３処置では細胞内ＩＰ₃量および受容体量いずれにおいても影響が認められなかった。また、ＫＭＤ−３２１３は塩酸プラゾシンのＩＰ₃減少作用に拮抗した。このことから、α_1A−ＡＲにおいてプラゾシンはインバースアゴニストとして、ＫＭＤ−３２１３はニュートラルアンタゴニストとして作用していることが判明した。
【００３８】
【図１】
【００３９】
【図２】
【００４０】
試験例２
ラットの尿道内圧に対するα₁−ＡＲアンタゴニストの影響
▲１▼目的
ＳＤ系雄性ラットを用いたフェニレフリン誘発尿道内圧上昇に対するＫＭＤ−３２１３及び塩酸プラゾシンの抑制作用の程度を各被験薬物非投与群と４週間連続投与群で比較検討した。
【００４１】
▲２▼方法
最低６日間の検疫後、ＫＭＤ−３２１３及び塩酸プラゾシンを０．５％メチルセルロース水溶液に懸濁または溶解し、各３００μｇ／ｋｇの用量で２８日間連続経口投与した。また、それぞれの被験薬物投与群（ＫＭＤ−３２１３連続投与群，プラゾシン連続投与群）に対して０．５％メチルセルロース水溶液のみを投与した対照群を設けた。最終投薬日の２日後、ラットをウレタン（１．２５ｇ／ｋｇ，腹腔内投与）で麻酔した。下腹部切開を施し、尿道に沿って恥骨結合部を切開した。膀胱頂部より生理的食塩水を満たしたカニューレ（ポリエチレンチューブＮｏ．５，ヒビキ社製）を挿入し、先端部を前立腺部尿道に位置するよう留置した。さらに、膀胱頸部および遠位尿道部を結紮した。尿道内圧はカニューレ後端に接続した圧力トランスデューサー（ＤＴ−ＸＸ，オメダ株式会社製）および変換器増幅ユニット（１８２９，日本電気三栄株式会社製）を介して測定し、レコーダー（ＲＥＣＴＩ−ＨＯＲＩＺ−８Ｋ又はＲＴ−３２００Ｎ，日本電気三栄株式会社製）上に記録した。尿道内圧上昇は、塩酸フェニレフリン（３０μｇ／ｋｇ）を左大腿部静脈よりシリンジポンプ（Ｍｏｄｅｌ１００，室町機械株式会社製）を用いて３６ｍｌ／ｈｒの速度で注入する事により惹起した。
【００４２】
ＫＭＤ−３２１３連続投与群では静脈内投与のＫＭＤ−３２１３の尿道内圧上昇抑制作用、プラゾシン連続投与群では静脈内投与の塩酸プラゾシンの尿道内圧上昇抑制作用を検討した。被験薬物を右大腿静脈より用量増加法により１時間ごとに投与（ＫＭＤ−３２１３：０．３，１，３および１０μｇ／ｋｇ；塩酸プラゾシン：１，３，１０および３０μｇ／ｋｇ）し、各用量投与５分後に尿道内圧上昇を惹起して被験薬物投与前の尿道内圧上昇値と比較した。これより、各投与用量の尿道内圧上昇抑制率を算出し、その用量−抑制曲線よりＩＤ₅₀値（被験薬物投与前の尿道内圧上昇反応を５０％抑制する被験薬物の投与用量）を算出して、それぞれの対照群におけるＩＤ₅₀値と比較した。尚、ＫＭＤ−３２１３連続投与群およびその対照群はＫＭＤ−３２１３二臭化水素酸塩を乳酸リンゲル液に溶解して静脈内投与し、プラゾシン連続投与群およびその対照群は塩酸プラゾシンを生理食塩水に溶解して静脈内投与した。
【００４３】
▲３▼結果
α_1A−ＡＲに対するニュートラルアンタゴニストであるＫＭＤ−３２１３連続投与群のＩＤ₅₀値は対照群に比し増加は示さなかった。一方、α_1A−ＡＲに対するインバースアゴニストであるプラゾシン連続投与群では対照群に比し約１．７倍の高値を示した。
【００４４】
【表１】

【００４５】
試験例３
ラット心臓のα_1A−ＡＲ発現に対するα₁−ＡＲアンタゴニストの影響
▲１▼目的
ラット心臓におけるα_1A−ＡＲ発現量に対する塩酸プラゾシンおよびＫＭＤ−３２１３投与の影響を被験薬物非投与群と２週間連続投与群で比較検討した。
【００４６】
▲２▼方法
Ｗｉｓｔａｒ系雄性ラット（７週齢）に各被験薬物２ｍｇ／ｋｇを１４日間腹腔内投与した。投与終了から２４時間後、心臓を摘出し、ｂｕｆｆｅｒ（Ｔｒｉｓ−ＨＣｌ５０ｍＭ，ＮａＣｌ１００ｍＭ，ＥＤＴＡ２ｍＭ，ｐＨ７．４）内で細断後、Ｐｏｌｙｔｒｏｎを用いてホモジナイズし、ガーゼでろ過した。ろ過した上清は８００００ｘｇで３０分間遠心分離後、沈渣をＡｓｓａｙｂｕｆｆｅｒ（Ｔｒｉｓ−ＨＣｌ５０ｍＭ，ＥＤＴＡ１ｍＭ，ｐＨ７．４）に懸濁して再び８００００ｘｇで３０分間遠心分離し、得られた沈渣をＡｓｓａｙｂｕｆｆｅｒで再懸濁して膜分画とした。〔³Ｈ〕−ＫＭＤ−３２１３（１０〜２０００ｐＭ）および膜分画（２００μｇｐｒｏｔｅｉｎ／ｔｕｂｅ）を３０℃で４５時間インキュベーション後、Ｃｅｌｌｈａｒｖｅｓｔｅｒ（Ｍ−３０Ｔ，Ｂｒａｎｄｅｌ社製）を用いて膜分画をＧＦ／Ｃフィルター（Ｗｈａｔｍａｎ社製）上に回収し、５０ｍＭのＴｒｉｓ−ＨＣｌｂｕｆｆｅｒ（ｐＨ７．４）で数回洗浄後、液体シンチレーションカウンターを用いて結合量を測定した。非特異的結合は１μＭ塩酸タムスロシン存在下での結合とした。得られた実験結果を非線形近似プログラムＰＲＩＳＭ（登録商標）（ＧｒａｐｈｐａｄＳｏｆｔｗａｒｅ社製）を用いて解析し、α_1A−ＡＲ数を算出した。
【００４７】
▲３▼結果
塩酸プラゾシン２週間連続投与はラット心臓におけるα_1A−ＡＲ数を１．７倍に増加させたのに対し、ＫＭＤ−３２１３連続投与はα_1A−ＡＲ数に影響を与えなかった。
【００４８】
【表２】

【００４９】
試験例４
単回投与毒性試験
▲１▼方法
１群当たり５週齢のＳＤ系ラット、雌雄各５匹を用い、それぞれに４００、８００および１６００ｍｇ／ｋｇを単回経口投与した後、１４日間観察した。
【００５０】
▲２▼結果
死亡率は、雌雄とも４００ｍｇ／ｋｇ投与群で５例中０、８００ｍｇ／ｋｇ投与群で５例中３例、１６００ｍｇ／ｋｇ投与群で５例中４例であり、５０％致死量（ＬＤ₅₀）は雌雄とも８７８ｍｇ／ｋｇ、最小致死量は雌雄とも８００ｍｇ／ｋｇであった。
【００５１】
処方例
以下に処方例の１例として、活性成分としてＫＭＤ─３２１３を含有させたカプセル製剤の１処方例を示す。
【００５２】
ＫＭＤ−３２１３１．０ｍｇ含有カプセル製剤
処方

以上をよく混和し、１カプセル中ＫＭＤ−３２１３を１．０ｍｇ含有するように充填し、ＫＭＤ−３２１３の１．０ｍｇ含有カプセル製剤を製する。
【図面の簡単な説明】
【図１】α_1A−ＡＲ（変異体および野生型）発現ＣＨＯ細胞の薬物非処置群およびα_1A−ＡＲ変異体発現細胞の各被験薬物投与群（単独または併用）における細胞内ＩＰ₃量を示したグラフである。縦軸は細胞内ＩＰ₃量（ｐｍｏｌ／１０⁶細胞）を示す。横軸は使用したα_1A−ＡＲおよび使用薬物の種類を示す。
【図２】α_1A−ＡＲ変異体発現ＣＨＯ細胞における受容体発現量に対する各被験薬物の濃度−反応曲線を示したグラフである。縦軸は薬物非処置時の受容体数を１００％とした場合の薬物処置後のα_1A−ＡＲ数の変化（％）を示す。横軸は被験薬物処置濃度（Ｌｏｇ〔Ｍ〕）を示す。尚、−○−は塩酸プラゾシンを示し、−●−はＫＭＤ−３２１３を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to human α _1A Alanine of the 271st amino acid of the adrenergic receptor is replaced with threonine α _1A A novel variant of the adrenergic receptor, α _1A Α using an adrenergic receptor mutant _1A Method for measuring inverse agonist activity of adrenergic receptor antagonist and α not showing inverse agonist activity in the measurement method _1A The present invention relates to a therapeutic agent for dysuria associated with prostatic hypertrophy containing an adrenergic receptor antagonist as an active ingredient.
[0002]
[Prior art]
α ₁ Adrenergic receptor (α ₁ For the subtype (AR), α has been obtained through pharmacological studies and receptor gene cloning. _1A Adrenergic receptor subtype (α _1A -AR), α _1B Adrenergic receptor subtype (α _1B -AR) and α _1D The presence of three adrenergic receptor subtypes has been confirmed.
[0003]
These α in various animal and human organs ₁ -Many studies have been done on the localization and function of the AR subtype, and human prostate tissue _1A -AR is dominant, α _1A The human prostate is alpha because AR selective antagonists best suppress noradrenaline contraction _1A -It is believed to contract through the AR. In addition, human peripheral blood vessels _1B -It has been reported to contract via AR (British Journal of Pharmacology, Vol. 113, pp. 723-728 (1994)). In addition, human omental artery and human mesenteric artery are _1B -It is supposed to be via AR.
[0004]
Recently, G protein-coupled receptors such as α-adrenergic receptor, β-adrenergic receptor, and histamine H receptor exist in a certain equilibrium state, inactive and active forms, and only active forms are protein kinases. It has been reported to cause a physiological response via an intracellular information transmission system such as C.
[0005]
On the other hand, studies have also been conducted on the effects of agonists and antagonists on these receptors. Neutral antagonists that do not affect the equilibrium state of the inactive type and active type antagonists and inverse agonists that shift the equilibrium state to the inactive side It has been reported that when an antagonist with strong inverse agonist activity is used for a long period of time, the number of receptors increases compensably as a result of transiently suppressing the intracellular signal transduction system.
[0006]
For example, histamine H, which is known as a therapeutic agent for gastric / duodenal ulcer ₂ Since the receptor antagonists cimetidine and ranitidine are inverse agonists, these histamine H ₂ Histamine H after long-term use of a receptor antagonist ₂ It has been pointed out as a problem that the number of receptors increases, and as a result, rebound phenomena such as increased gastric acid secretion occur due to the development of tolerance (attenuation of action) and interruption of use. Thus, since inverse agonists cause unexpected symptoms due to the development of resistance and rebound phenomenon, various studies have been conducted on the assumption that neutral antagonists are desirable as antagonists used as pharmaceuticals. Histamine H ₂ Β in addition to receptors ₂ Adrenergic receptors and alpha _1B Various studies have also been actively conducted on mutants using -AR, and it has been reported that the properties of antagonists affect the activity of receptors. (Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol. 93, pp. 6802-6807 (1996); Biochem. J., Vol. 325, pp. 733-739 (1997)) However, α _1A -Until now, no experimental means for determining whether it is a neutral antagonist or an inverse agonist has been developed so far, and thus no reports have been made so far.
[0007]
The contraction of the human prostate is α _1A -Contraction of human peripheral blood vessels via α _1B -Since it has been reported that it is mediated through AR, it is selectively used as a treatment for prostatic hypertrophy to reduce side effects such as orthostatic hypotension. _1A -Although an AR antagonist has been developed, there is a concern that if the antagonist is an inverse agonist, the dose is increased due to the development of resistance. That is, if the activation state of the main receptor in each organ is different, the action strength of the antagonist having inverse agonist activity may vary depending on the organ, and in some cases, side effects such as orthostatic hypotension are strongly expressed. There is concern about becoming.
[0008]
Especially in the heart _1A -It has been confirmed that AR is expressed, α ₁ -It has been reported that cardiac hypertrophy is induced by AR stimulation. α _1A -AR is inositol 1,4,5-triphosphate (hereinafter referred to as IP) which is one of intracellular signal transduction pathways. _Three It is known that protein kinase C is activated and the increase in protein kinase C activity is considered to contribute to the induction of cardiac hypertrophy. Therefore, α _1A -When AR increases, the risk of cardiac hypertrophy increases. (Vessel and Endothelial, Vol. 5, No. 6, pp. 81-86 (1995); History of Medicine, Vol. 172, No. 3, pp. 151-154 (1995); The Journal of Biological Chemistry, Vol 271, No. 10, pp. 5839-5843 (1996)) _1A As an AR antagonist, the use of inverse agonists is expected to increase the risk of cardiac hypertrophy when the number of receptors increases.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a therapeutic agent for dysuria associated with prostatic hypertrophy that can suppress the development of tolerance due to continuous use and can avoid side effects in other organs such as cardiac hypertrophy.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
We have α _1A -As a result of earnest research on AR, α suitable for determination of inverse agonist and neutral antagonist _1A -AR mutants can be established and their α _1A -By using Chinese Hamster Over (CHO) cells expressing the AR mutant, _1A -We have found that there are also inverse agonists and neutral antagonists in AR. Furthermore, α that does not show inverse agonist activity in experiments using the CHO cells _1A The present inventors have found that a neutral antagonist for AR can be a very excellent drug as a therapeutic agent for dysuria associated with benign prostatic hyperplasia.
[0011]
We have α _1A -As a result of studying the equilibrium state of AR to make active type dominant, wild type α _1A -Α composed of 466 amino acids obtained by substituting threonine for alanine of amino acid 271 of AR _1A -AR mutants are expressed in CHO cells and intracellular IP _Three When the amount was measured, IP compared to the wild type _Three The amount is significantly increased and the active form is dominant α _1A -Successful establishment of AR variants (Biochem. Biophys. Res. Commun., Vol. 195, No. 2, pp. 902-909 (1993); FEBS Letters, Vol. 42, pp. 279-283 (1998) )).
[0012]
Furthermore, the present inventors have made the above α _1A -Intracellular IP by experimenting with CHO cells expressing AR mutants _Three Decrease the amount and consequently α _1A An antagonist exhibiting inverse agonist activity to increase the number of ARs and intracellular IP _Three Quantity and α _1A -A neutral antagonist that does not change the number of ARs can be determined, and it has been found that a neutral antagonist useful as a pharmaceutical can be developed.
[0013]
In the above experiment, α does not show inverse agonist activity. _1A -AR antagonists do not develop tolerance with long-term administration and are _1A -It has been found that it can be expected as a therapeutic agent for dysuria associated with prostatic hypertrophy without changing the AR number.
[0014]
That is, the above-mentioned α that the active form established by the present inventors is dominant. _1A In experiments using CHO cells expressing AR mutants, α _1A -Prazosin with high affinity for AR is intracellular IP _Three Reduce the amount by about 30%, resulting in α _1A -Increased the number of AR by about 3 times, while α _1A -A compound among indoline derivatives (Japanese Patent Laid-Open No. 6-220015) developed as a dysuria therapeutic agent having a selective urethral smooth muscle contraction inhibitory action exhibiting high affinity for AR (- )-(R) -1- (3-hydroxypropyl) -5- [2-[[2- [2- (2,2,2-trifluoroethoxy) phenoxy] ethyl] amino] propyl] indoline-7- Carboxamide (hereinafter referred to as KMD-3213) is IP _Three Does not affect the amount, α _1A -The number of AR was not changed. From the above, prazosin is α _1A -An antagonist (inverse agonist) showing strong inverse agonist activity against AR, whereas KMD-3213 is an α _1A -It was confirmed to be a neutral antagonist that does not show inverse agonist activity against AR.
[0015]
Next, the present inventors have made the above α _1A -Prazosin and α which are inverse agonists for AR _1A -KMD-3213, a neutral antagonist to AR, was administered orally for 4 weeks to confirm the correlation between inverse agonist activity and tolerance in rats, and then the inhibitory activity against phenylephrine-induced increase in urethral pressure was observed in each test. When examined by intravenous administration of the drug, prazosin is 50% inhibitory (ID ₅₀ Value) was about 1.7 times higher than the control group, and developed resistance, whereas KMD-3213 did not develop resistance.
[0016]
Similarly, prazosin hydrochloride and KMD-3213 were intraperitoneally administered continuously for 2 weeks using rats, and α _1A -When the effect on AR expression was examined, α was observed in the prazosin continuous administration group. _1A -The number of AR increased about 1.7 times. On the other hand, in the KMD-3213 continuous administration group, α _1A -The AR number did not change.
[0017]
Therefore, α _1A -Α not showing inverse agonist activity in CHO cells expressing AR mutant _1A -Neutral antagonists to AR do not attenuate the inhibition activity of phenylephrine-induced increase in urethral pressure by continuous administration, so that resistance does not occur and rebound phenomenon due to drug use interruption does not occur, and treatment for dysuria associated with prostatic hypertrophy It is extremely useful as an agent.
[0018]
Furthermore, α _1A -Neutral antagonists that do not show inverse agonist activity against AR are those in the heart that have been shown to be associated with cardiac hypertrophy _1A -Since there is no effect on the number of ARs, it is possible to obtain resistance during drug use and rebound phenomenon due to use interruption. _1A -Avoid side effects on the heart due to increased AR numbers.
[0019]
Thus, the α of the present invention _1A By using the AR mutant, α does not exhibit an inverse agonist activity useful as a therapeutic agent for dysuria associated with prostatic hypertrophy. _1A -Neutral antagonists for AR can be developed.
[0020]
In the present invention, α which does not show inverse agonist activity contained as an active ingredient _1A -An antagonist for AR is not limited to a neutral antagonist that does not exhibit any inverse agonist activity, and is an α composed of 466 amino acids. _1A -Α by prazosin in the method for measuring inverse agonist activity of the present invention using AR mutant _1A -When the increase in the number of ARs is defined as 100% inverse agonist activity, _1A An antagonist with an inverse agonist activity that is considered to have no influence on AR may be about 30% or less, and more preferably about 10% or less. KMD-3213 has an inverse agonist activity of 0%, and can be cited as an extremely excellent neutral antagonist.
[0021]
In addition, KMD-3213 is a 50% lethal dose (LD) in a single oral dose toxicity test in SD rats. ₅₀ The value) is 878 mg / kg for both males and females, and it is a safe compound without particularly serious side effects.
[0022]
Therefore, α showing no inverse agonist activity _1A -By containing an AR antagonist such as KMD-3213 or a pharmacologically acceptable salt thereof as an active ingredient, the development of tolerance due to continuous use is suppressed, and side effects in other organs such as cardiac hypertrophy after discontinuation of use are prevented. It is possible to obtain an extremely suitable therapeutic agent for dysuria associated with prostatic hypertrophy that can be avoided.
[0023]
KMD-3213 and pharmacologically acceptable salts thereof, which are one of the active ingredients of the therapeutic agent for dysuria according to the present invention, are known compounds and can be produced by a method described in the literature (Japanese Patent Laid-Open No. 6-1994). No. 220015).
[0024]
The compound contained as an active ingredient in the therapeutic agent for dysuria of the present invention may be used as it is, or may be used as a pharmacologically acceptable salt. For example, pharmacologically acceptable salts of KMD-3213 include hydrochloric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid, methanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, acetic acid, citric acid, succinic acid, tartaric acid, 2,4-dimethylbenzenesulfonic acid, 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, (+)-camphorsulfonic acid, (-)-camphorsulfonic acid, 4-chlorobenzenesulfonic acid And mono- or diacid addition salts with 2-naphthalenesulfonic acid, 1-butanesulfonic acid, fumaric acid, glutamic acid, aspartic acid and the like.
[0025]
In addition, the compound contained as an active ingredient in the therapeutic agent for dysuria of the present invention includes solvates with pharmaceutically acceptable solvents such as hydrates and ethanol in addition to the above-mentioned salts.
[0026]
When the pharmaceutical composition of the present invention is used for actual treatment, various dosage forms are used depending on the usage. Examples of such dosage forms include oral administration agents such as powders, granules, fine granules, dry syrups, tablets and capsules, and parenteral administration agents such as injections, patches and suppositories. .
[0027]
These pharmaceutical compositions are prepared according to the method used in pharmacology depending on the dosage form, and are suitable excipients, disintegrants, binders, lubricants, diluents, buffers, isotonic agents, preservatives. , Wetting agents, emulsifiers, dispersants, stabilizers, solubilizing agents, and other pharmaceutical additives can be mixed or diluted / dissolved as appropriate, and prepared according to conventional methods.
[0028]
For example, a powder is added to an active ingredient, for example, KMD-3213 or a pharmacologically acceptable salt thereof, and if necessary, an appropriate excipient, lubricant or the like is added and mixed well to obtain a powder.
[0029]
Tablets may be compressed according to conventional methods by adding appropriate excipients, disintegrants, binders, lubricants, etc. to the active ingredient, for example, KMD-3213 or a pharmacologically acceptable salt thereof, if necessary. Into tablets. Tablets may be coated as necessary to form film-coated tablets, sugar-coated tablets, and the like.
[0030]
Capsules are mixed with active ingredients such as KMD-3213 or a pharmacologically acceptable salt thereof, if necessary, with appropriate excipients, lubricants, etc., mixed well, and then filled into appropriate capsules. To make capsules. Further, it may be filled after granulation or fine granulation by a conventional method, or after adding a dispersant, an emulsifier, a stabilizer, a solubilizing agent or the like to make it liquid.
[0031]
The preparation may be administered as a sustained release preparation. A matrix-type sustained-release preparation in which a sustained-release base is mixed in a tablet or granule as a normal sustained-release preparation, or a tablet, granule or matrix-type sustained-release preparation obtained by a conventional method using a sustained-release base It can be orally administered as a coated film-controlled sustained-release preparation. Sustained release bases include hardened oil, stearyl alcohol, cetyl alcohol, paraffin, fatty acid monoglycerin wax, hydroxypropylmethylcellulose, hydroxypropylcellulose, ethylcellulose, carboxyvinyl polymer, vinyl acetate resin, ethyl acrylate methyl methacrylate Mention may be made of copolymers, aminoalkyl methacrylate copolymers, methacrylic acid copolymers and the like.
[0032]
When the pharmaceutical composition of the present invention is used for actual treatment, α which does not show an inverse agonist activity as an active ingredient thereof _1A -The dose of the AR antagonist is appropriately determined depending on the sex, age, weight, degree of symptoms, etc. of the subject patient. For example, when KMD-3213 or a pharmacologically acceptable salt thereof is used as an active ingredient, It is administered orally, generally within the range of 0.1-100 mg per day for adults, and parenterally, generally within the range of 0.01-100 mg per day per adult.
[0033]
【Example】
The contents of the present invention will be described in more detail with reference to the following test examples and formulation examples, but the present invention is not limited to the contents.
[0034]
Test example 1
α _1A -Intracellular IP in CHO cells expressing AR mutant _Three Quantification and α _1A -Measurement of number of AR
(1) Purpose
Human α _1A -AR mutant (human α _1A -Recombination of prazosin hydrochloride and KMD-3213 using CHO cells expressing a receptor composed of 466 amino acids in which the 271nd alanine in the third intracellular loop of AR is replaced with threonine) _1A -Influence on AR activity by intracellular IP _Three Amount and receptor expression level were examined as indicators.
[0035]
(2) Method
Bovine α against human prostate cDNA library _1A -Screening using the AR gene (333 bp) as a probe, human α having a total length of 1.5 kbp _1A -AR cDNA fragment (including 5 'untranslated region 7 bp and 3' untranslated region ≤ 100 bp) was isolated. Α _1A -AR mutants were obtained using a modified site-specific PCR method and the human α _1A -Prepared by substituting alanine of the 271st amino acid of AR (wild type) with threonine. α _1A -AR gene was inserted into mammalian expression vector pCR3 using restriction enzyme EcoRI and introduced into CHO cells using Lipofectamine (GIBCO). Cells were cultured in αMEM (10% fetal calf serum, 100 units / ml penicillin G, containing 100 μg / ml streptomycin sulfate) in the presence of 500 μg / ml G-418 at 37 ° C. _1A -Cells expressing AR were obtained.
[0036]
Α _1A -AR cells expressing CHO cells for each test drug (10 ^-7 M) The cells were cultured at 37 ° C. for 16 hours in the presence, and the cells were washed with PBS 30 minutes before completion of the culture and replaced with serum-removed medium. Thereafter, 0.8 M perchloric acid treatment was performed on CHO cells, and after standing for 30 minutes on ice, the cells were neutralized with 4 M sodium hydroxide containing 60 mM HEPES and 60 mM EDTA, and centrifuged to remove sediment. Using the obtained cell extract, Inositol-1,4,5-trisphosphate [ ^Three H] Intracellular IP using Radioceptor Assay Kit (manufactured by NEN) _Three The amount was measured. On the other hand, in experiments to examine receptor expression level, α _1A -CHO cells in which AR mutant was expressed were treated with each test drug (10 ^-12 -10 ^-7 The cells were cultured at 37 ° C. for 48 hours in the presence of M). Thereafter, the cells are collected using an assay buffer (Tris-HCl 50 mM, EDTA 1 mM, pH 7.4), disrupted using a sonicator, centrifuged at 80,000 × g for 30 minutes, and the resulting precipitate is suspended in an assay buffer. The membrane fraction was used. Membrane fraction (10 μg protein / tube) [ ^Three After incubation at 30 ° C. for 45 minutes in the presence of H] -prazosin (10 to 2000 pM), the membrane fraction was recovered on a GF / C filter (Whatman) using Cell harvester (M-30T, Brandel). After washing several times with 50 mM Tris-HCl buffer (pH 7.4), the binding amount was measured using a liquid scintillation counter. Nonspecific binding was defined as binding in the presence of 1 μM tamsulosin hydrochloride. The obtained experimental results were analyzed using a nonlinear approximation program PRISM (registered trademark) (manufactured by Graphpad Software) to calculate the receptor amount.
[0037]
(3) Results
Cells expressing the mutant compared to the wild type _Three The amount is rising, α _1A It was confirmed that the active form is dominant in the -AR mutant. Α like this _1A In experiments with the -AR mutant, prazosin hydrochloride treatment was treated with intracellular IP _Three Decreased the amount and increased receptor expression, but KMD-3213 treatment resulted in intracellular IP _Three There was no effect on either dose or receptor level. KMD-3213 is an IP of prazosin hydrochloride. _Three Antagonized the decreasing effect. From this, α _1A -In AR, prazosin was found to act as an inverse agonist and KMD-3213 was acting as a neutral antagonist.
[0038]
[Figure 1]
[0039]
[Figure 2]
[0040]
Test example 2
Α for intraurethral pressure in rats ₁ -Influence of AR antagonist
(1) Purpose
The degree of inhibitory action of KMD-3213 and prazosin hydrochloride on phenylephrine-induced increase in urethral pressure using SD male rats was compared in each test drug non-administered group and the 4-week continuous administration group.
[0041]
(2) Method
After quarantine for a minimum of 6 days, KMD-3213 and prazosin hydrochloride were suspended or dissolved in a 0.5% aqueous solution of methylcellulose, and orally administered at a dose of 300 μg / kg for 28 consecutive days. Moreover, the control group which administered only 0.5% methylcellulose aqueous solution with respect to each test drug administration group (KMD-3213 continuous administration group, prazosin continuous administration group) was provided. Two days after the last dosing day, the rats were anesthetized with urethane (1.25 g / kg, ip). A lower abdominal incision was made and the pubic junction was incised along the urethra. A cannula (polyethylene tube No. 5, manufactured by Hibiki Co., Ltd.) filled with physiological saline was inserted from the top of the bladder, and the tip was placed so as to be located in the prostate urethra. In addition, the bladder neck and distal urethra were ligated. The urethral pressure was measured via a pressure transducer (DT-XX, manufactured by Omeda Co., Ltd.) and a transducer amplification unit (1829, manufactured by NEC Sanei Co., Ltd.) connected to the rear end of the cannula, and a recorder (RECTI-HORIZ-8K). Or RT-3200N, manufactured by NEC Sanei Co., Ltd.). The increase in urethral pressure was induced by injecting phenylephrine hydrochloride (30 μg / kg) from the left femoral vein using a syringe pump (Model 100, manufactured by Muromachi Kikai Co., Ltd.) at a rate of 36 ml / hr.
[0042]
In the KMD-3213 continuous administration group, the urinary pressure increase inhibitory effect of intravenously administered KMD-3213 was examined, and in the prazosin continuous administration group, the urethral pressure increase inhibitory effect of intravenous prazosin hydrochloride was examined. Administer the test drug from the right femoral vein every hour by dose escalation (KMD-3213: 0.3, 1, 3 and 10 μg / kg; prazosin hydrochloride: 1, 3, 10 and 30 μg / kg) Five minutes after administration, an increase in urethral pressure was induced and compared with the increase in urethral pressure before administration of the test drug. From this, the rate of suppression of the increase in urethral pressure at each dose was calculated, and the ID was determined from the dose-suppression curve. ₅₀ Value (dose of test drug that suppresses 50% of increase in urethral pressure before test drug administration) was calculated, and the ID in each control group ₅₀ Compared with value. In the KMD-3213 continuous administration group and its control group, KMD-3213 dihydrobromide was dissolved in Lactated Ringer's solution and administered intravenously, and the prazosin continuous administration group and its control group contained prazosin hydrochloride in physiological saline. Dissolved and administered intravenously.
[0043]
(3) Results
α _1A -ID of KMD-3213 continuous administration group, which is a neutral antagonist for AR ₅₀ The value showed no increase compared to the control group. Meanwhile, α _1A -The prazosin continuous administration group, which is an inverse agonist for AR, showed a value about 1.7 times higher than that of the control group.
[0044]
[Table 1]

[0045]
Test example 3
Α of rat heart _1A -Α for AR expression ₁ -Influence of AR antagonist
(1) Purpose
Α in rat heart _1A -The effects of prazosin hydrochloride and KMD-3213 administration on the expression level of AR were compared in the test drug non-administration group and the 2-week continuous administration group.
[0046]
(2) Method
Wistar male rats (7 weeks old) were intraperitoneally administered with each test drug at 2 mg / kg for 14 days. Twenty-four hours after the end of administration, the heart was excised, shredded in buffer (Tris-HCl 50 mM, NaCl 100 mM, EDTA 2 mM, pH 7.4), homogenized using Polytron, and filtered with gauze. The filtered supernatant was centrifuged at 80,000 × g for 30 minutes, the precipitate was suspended in Assay buffer (Tris-HCl 50 mM, EDTA 1 mM, pH 7.4), and centrifuged again at 80,000 × g for 30 minutes, and the obtained precipitate was assayed by Assay buffer. And resuspended to form a membrane fraction. [ ^Three H] -KMD-3213 (10 to 2000 pM) and membrane fraction (200 μg protein / tube) were incubated at 30 ° C. for 45 hours, and then the membrane fraction was obtained using Cell harvester (M-30T, Brandel) using GF / After collecting on a C filter (manufactured by Whatman), washing several times with 50 mM Tris-HCl buffer (pH 7.4), the amount of binding was measured using a liquid scintillation counter. Nonspecific binding was defined as binding in the presence of 1 μM tamsulosin hydrochloride. The obtained experimental results were analyzed using a nonlinear approximation program PRISM (registered trademark) (manufactured by Graphpad Software), and α _1A -The number of AR was calculated.
[0047]
(3) Results
Prazosin hydrochloride continuous administration for 2 weeks _1A -While the AR number was increased 1.7 times, continuous administration of KMD-3213 _1A -It did not affect the AR number.
[0048]
[Table 2]

[0049]
Test example 4
Single dose toxicity study
(1) Method
Each group used 5 week-old SD rats and 5 males and 5 females, and 400, 800, and 1600 mg / kg were orally administered to each group, followed by observation for 14 days.
[0050]
(2) Results
The mortality rate was 0 in 5 cases in the 400 mg / kg group for both males and females, 3 in 5 cases in the 800 mg / kg group, and 4 in 5 cases in the 1600 mg / kg group. 50% lethal dose (LD ₅₀ ) Was 878 mg / kg for both sexes, and the minimum lethal dose was 800 mg / kg for both sexes.
[0051]
Formulation example
An example of a capsule formulation containing KMD-3213 as an active ingredient is shown below as an example of a formulation example.
[0052]
KMD-3213 1.0mg capsule formulation
Prescription

The above is mixed well and filled to contain 1.0 mg of KMD-3213 in one capsule to prepare a capsule preparation containing 1.0 mg of KMD-3213.
[Brief description of the drawings]
[Fig. 1] α _1A -Drug-untreated group of α (mutant and wild type) expressing CHO cells and α _1A -Intracellular IP in each test drug administration group (alone or in combination) of AR mutant-expressing cells _Three It is the graph which showed quantity. Vertical axis is intracellular IP _Three Amount (pmol / 10) ⁶ Cell). The horizontal axis is the α used _1A -Indicates AR and type of drug used.
[Fig. 2] α _1A -It is the graph which showed the concentration-response curve of each test drug with respect to the receptor expression level in AR variant expression CHO cell. The vertical axis represents α after drug treatment when the number of receptors at no drug treatment is 100%. _1A -Indicates the change in AR number (%). The horizontal axis represents the test drug treatment concentration (Log [M]). In addition,-(circle)-shows prazosin hydrochloride and-●-shows KMD-3213.

Claims

Variants of the 271 the amino acid alanine is substituted with threonine alpha _{1A-adrenergic} receptors in the human alpha _{1A-adrenergic} receptor.

A method for measuring an inverse agonist activity of an α _1A adrenergic receptor antagonist using the mutant of α _1A adrenergic receptor according to claim 1.