JP4323630B2

JP4323630B2 - Acrylic emulsion coated inorganic board

Info

Publication number: JP4323630B2
Application number: JP22411699A
Authority: JP
Inventors: 功田中
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1999-08-06
Filing date: 1999-08-06
Publication date: 2009-09-02
Anticipated expiration: 2019-08-06
Also published as: JP2001047547A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁材、屋根材等の建築材料用の化粧板等として好適に用いられるアクリルエマルジョン塗装無機質板に関する。さらに詳しくは、屋外曝露による塗装面の光沢低下を抑制し得る耐候性に優れたアクリルエマルジョン塗装無機質板に関する。
【０００２】
【従来の技術】
外壁材、屋根材等の建築材料用の化粧板等として硬質木片セメント板、石綿スレート板等の表面に塗料を塗布して保護層を形成し、防汚性、耐久性を向上させた塗装無機質板が用いられている。
このような塗装無機質板としては、例えば、コンクリート、石綿スレート等のセメント製品に、含フッ素共重合体を主成分とする重合体組成物及び架橋剤を含むフッ素樹脂塗料を塗布し、常温〜加温下で架橋硬化させることにより、防汚性、可撓性に優れた保護層を施したものが提案されている（特開昭６１―２１９７８０号公報）。
【０００３】
また、石綿スレート等の無機質板をアクリル樹脂液槽に浸漬して表面に内部に至るまでの樹脂層を形成し、次いで塗料を塗布することにより、耐凍害性の向上した無機質化粧板の製造方法が提案されている（特開昭６２―２７３８４号公報）。
【０００４】
しかしながら、このような塗装無機質板は、長期間の屋外曝露によって、基材である無機質板から塗料層に水分が移動、浸透し、塗装無機質板の光沢低下を生じて、建築材料用の化粧板として外観上の不都合を来たすため、必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたもので、屋外曝露による塗装面の光沢低下を抑制し得る耐候性に優れたアクリルエマルジョン塗装無機質板を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、無機質板上に、アクリルエマルジョン系シーラー層及びアクリルエマルジョン系塗料をこの順に積層することにより、上記目的を達成することができることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のアクリルエマルジョン塗装無機質板を提供する。
請求項１記載の発明は、［１−１］〜［１−４］の要件を備えたアクリルエマルジョン塗装無機質板であり、請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明であって更に［２］の要件を備えたアクリルエマルジョン塗装無機質板である。
【０００７】
［１−１］無機質板が、硬質木片セメント板である。
【０００８】
［１−２］無機質板上に、アクリルエマルジョン系シーラー層及び下塗り塗料層と上塗り塗料層とからなるアクリルエマルジョン系塗料層をこの順に積層してなる。
【０００９】
［１−３］前記アクリルエマルジョン系塗料（固形分濃度４０重量％）の塗布量が、３１０〜４５０ｇ／ｍ ² であり、かつ前記アクリルエマルジョン系シーラー（固形分濃度３０重量％）の塗布量が、５０〜１５０ｇ／ｍ ² である。
【００１０】
［１−４］前記アクリルエマルジョン系塗料のうちの下塗り塗料（固形分濃度４０重量％）の塗布量が、１８０〜２８０ｇ／ｍ²であり、かつ上塗り塗料（固形分濃度４０重量％）の塗布量が、１３０〜１７０ｇ／ｍ²である。
【００１１】
［２］前記アクリルエマルジョン系塗料層が、アクリル酸アルキルエステル共重合アクリルエマルジョンとビスフェノールＡ型エポキシエマルジョンとの混合物を主成分として含有する下塗り塗料層、及びアクリル酸アルキルエステル共重合アクリルエマルジョンを主成分として含有する上塗り塗料層からなる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図１は、本発明のアクリルエマルジョン塗装無機質板の一実施例を模式的に示す断面図である。
【００１３】
本発明のアクリルエマルジョン塗装無機質板は、無機質板１上に、アクリルエマルジョン系シーラー層２及びアクリルエマルジョン系塗料層３を積層してなることを特徴とする。
また、アクリルエマルジョン系塗料層３は、下塗り塗料層３１及び上塗り塗料層３２から構成することが好ましい。
【００１４】
以下、本発明のアクリルエマルジョン塗装無機質板を、各構成要素ごとに具体的に説明する。
【００１５】
１．無機質板
本発明に用いられる無機質板としては特に制限はないが、例えば、硬質木片セメント板、石綿スレート板等を挙げることができる。中でも、硬質木片セメント板が好ましい。
ここで、硬質木片セメント板は、例えば、ポルトランドセメント５０〜９６重量部、アルミナセメント２〜２５重量部、無水石膏と半水石膏とのいずれか一方又は両方からなる石膏１．５〜１５重量部、１０重量部以下の消石灰、及び有機カルボン酸のアルカリ金属塩０．２〜２．０重量部を混合してなる混合物に、細分化された木質材料及び水を混練し、これを加熱プレスすることによって製造することができる。有機カルボン酸としては、例えば、クエン酸、りんご酸、グルコン酸、グルタール酸、又はグルコール酸を好適例として挙げることができる。また、アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩を好適例として挙げることができる。
この硬質木片セメント板は、外壁材、屋根材等の建築材料用化粧板等に好適に用いることができる。
【００１６】
２．アクリルエマルジョン系シーラー層
本発明に用いられるアクリルエマルジョン系シーラー層は、無機質板、例えば、硬質木片セメント板の表面を保護、強化し、それが剥離又は破壊するのを防止することができる。
【００１７】
以下、本発明に用いられるアクリルエマルジョン系シーラー層に用いられるシーラーについて具体的に説明する。
このようなアクリルエマルジョン系シーラーとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂及びその共重合体、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、アクリル−塩化ビニル共重合体、アクリル−エチレン共重合体等のエマルジョンを主成分として含有するシーラーを挙げることができるが、基材の綴密性、上層との付着性、基材から溶出する強アルカリヘの耐性の面からポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂及びその共重合体を主成分として含有するシーラーが好ましい。
【００１８】
また、上記のほかに、アクリルエマルジョン系シーラーとして、アクリル酸エステルと、メタクリル酸エステルと、芳香族ビニル化合物とを共重合して得られる共重合体を主成分として含有するシーラーを用いることができる。
【００１９】
このような共重合体としては、例えば、アクリル酸エステル１５〜８０重量％、メタクリル酸エステル１０〜７５重量％、及び芳香族ビニル化合物１０〜７５重量％の配合割合のものを挙げることができる。
【００２０】
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸Ｎ−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸２−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどを挙げることができる。
これらは１種単独で又は２種以上を組合わせて用いることができる。
【００２１】
アクリル酸エステルの配合割合が、１５重量％未満であると、塗膜の成膜温度が高くなり、かっ塗膜の伸びが低下することがあり、８０重量％を超えると、塗膜の機械強度が低下することがある。
【００２２】
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸Ｎ−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸２−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
これらは１種単独で又は２種以上を組合わせて用いることができる。
【００２３】
メタクリル酸エステルの配合割合が、１０重量％未満であると、塗膜の機械強度が低下することがあり、７５重量％を超えると、塗膜の成膜温度が高くなり、伸びが低下することがある。
【００２４】
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、メトキシスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、シクロヘキシルスチレン、ペンタフルオロスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ヨードスチレン等を挙げることができる。
これらは１種単独で又は２種以上を組合わせて用いることができる。
【００２５】
芳香族ビニル化合物の配合割合が、１０重量％未満であると、塗膜の防水性、耐アルカリ性が低下することがあり、７５重量％を超えると、塗膜の成膜温度が高くなり、伸びが低下することがある。
【００２６】
また、上記のほかに、アクリルエマルジョン系シーラーとして、アクリル系共重合体と、エチレン系不飽和カルボン酸とを含む水溶性重合体又は水溶性共重合体とを主成分として含有するシーラーを用いることができる。
【００２７】
ここで、アクリル系共重合体とは、アルキル基の炭素数が１〜１８のアクリル酸アルキルエステル及び／又はアルキル基の炭素数が１〜１８のメタクリル酸アルキルエステルと、これらの単量体と共重合可能な単量体とを乳化重合して得られるものを意味する。このアクリル系共重合体は水に不溶である。
【００２８】
アルキル基の炭素数が１〜１８のアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ｎ−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸２−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。中でも、アルキル基の炭素数が１〜８のアクリル酸アルキルエステルが好ましい。
【００２９】
また、アルキル基の炭素数が１〜１８のメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ｎ−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸２−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。中でも、アルキル基の炭素数が１〜８のメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
【００３０】
これらのアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸を包含するエチレン系不飽和カルボン酸、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、Ｎ−メチルアクリルアミド、Ｎ−メチルメタクリルアミド、Ｎ−メチロールアクリルアミド、Ｎ−メチロールメタクリルアミド等のアミド化合物を挙げることができる。
【００３１】
一方、水溶性（共）重合体に含まれるエチレン系不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸を挙げることができる。このエチレン系不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体としては、上記アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ビニル化合物、アミド化合物等を挙げることができる。
【００３２】
この水溶性（共）重合体のアクリルエマルジョン系シーラー中に占める割合は、５〜３０重量％が好ましい。５重量％未満であると、無機質板への含浸性、密着性が低下し、３０重量％を超えると、防水性が低下することがある。
【００３３】
上述のアクリルエマルジョン系シーラーは、主に乳化重合により得ることができる。
【００３４】
上述のアクリルエマルジョン系シーラーが、そのエマルジョンの中に含むアクリル系樹脂又はアクリル系共重合体の粒子径は、０．０１〜０．３μｍが好ましい。０．０１μｍ未満であると、塗料粘度が増大し塗布及び取り扱いが困難となることがあり、０．３μｍを超えると、無機質板の表面への含浸性が低下し、綴密性、基材との密着性（剥離防止性）が低下することがある。
【００３５】
これらのアクリルエマルジョン系シーラーは、合成樹脂成分を単独で用いてもよく、また顔料及びその他の添加剤を併用してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乳化剤、成膜助剤、可塑剤、増粘剤、変性剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、防錆剤等を挙げることができる。
【００３６】
これらのアクリルエマルジョン系シーラーを無機質板の表面に塗布、積層する方法としては、エアスプレー、コールドスプレー、ホットスプレー、エアレススプレー、エアゾルスプレー等の噴霧塗装、ローラーコータ、タンブリング等の転がし塗り、フローコート、シャワーコート等の流し塗り、静電塗装、電着塗装、粉体塗装等の電気的特性を利用した塗装、ディッピング、真空圧入塗り、しごき塗り、粉体溶射塗装、刷毛塗り、へら塗り、タンポ塗り等を挙げることができるが、凹凸のあるセメント基材へ均一な塗膜を形成させる塗布方法としては、噴霧塗装、静電塗装、フローコート、シャワーコートが好ましい。
【００３７】
これらのアクリルエマルジョン系シーラーの塗布、積層後、塗膜の乾燥方法としては、例えば、塗布された被塗物を大気中に自然に放置して乾燥する自然乾燥、塗布された被塗物又は被塗面を加熱して乾燥する焼き付け乾燥を挙げることができ、焼き付け乾燥においては、乾燥装置として、熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉、ジェット乾燥炉、対流乾燥炉等を用いることができる。
【００３８】
本発明に用いられるアクリルエマルジョン系シーラーの塗布量は、固形分濃度３０重量％の場合、５０〜１５０ｇ／ｍ²が好ましく、８０〜１２０ｇ／ｍ²がさらに好ましい。５０ｇ／ｍ²未満であると、剥離防止性が不十分になることがあり、１５０ｇ／ｍ²を超えると、シーラーの乾燥が不十分になり、下塗・上塗の塗膜ふくれを生じることがある。
【００３９】
無機質板の表面に、無機質板への含浸性に優れたアクリルエマルジョン系シーラーを塗布することにより、無機質板に内在する気泡によって形成される巣孔が充填されて、無機質板表面の綴密性が増加し、無機質板そのものが強化される。
【００４０】
これらのアクリルエマルジョン系シーラーの表面は、平坦性が良好で、後述する薄膜の下塗り塗膜層及び上塗り塗膜層を形成しても、略平坦に表面を保持することが出来、外観品質を向上させることが出来る。
【００４１】
これらのアクリルエマルジョン系シーラーを用いることによって、無機質板及びアクリルエマルジョン系シーラー間、並びにアクリルエマルジョン系シーラー及び後述する下塗り塗膜層間の付着性を向上させることができる。
【００４２】
このため、無機質板が、細分化された木質材料を多数含む硬質木片セメント板の場合であっても、このセメント板そのものが、剥離又は破壊されることはなく、また透水も防止される。従って、後述する下塗り及び上塗り塗膜層によって外観品質及び耐候性を良好なものとしつつ、無機質板、例えば、セメント板表面の剥離又は全体の破壊を防止し、かつ塗装面の光沢の低下を抑制することができる。
【００４３】
３．アクリルエマルジョン系塗料層
以下、アクリルエマルジョン系塗料層に用いられるアクリルエマルジョン系塗料について説明する。
本発明に用いられるアクリルエマルジョン系塗料は、無機質板の窯業系基材表面を風雨や光、熱による侵食から保護したり、希望する色彩や光沢を与えて外観を装飾するために用いられる。
【００４４】
塗料層として用いられるアクリルエマルジョンとしては、前記アクリルエマルジョン系シーラーに用いたものと同様のものを用いることができる。
【００４５】
このようなアクリルエマルジョン系塗料の塗布量は、固形分濃度が４０重量％の場合、２５０〜５００ｇ／ｍ²が好ましく、３１０〜４５０ｇ／ｍ²がさらに好ましい。
【００４６】
本発明に用いられるアクリルエマルジョン系塗料層は、機能性の異なる塗膜を複層形成させる観点から、下塗り塗料層及び上塗り塗料層から構成することが好ましい。
以下、下塗り塗料層及び上塗り塗料層について具体的に説明する。
【００４７】
（１）下塗り塗料層
本発明に用いられる下塗り塗料層は、前記アクリルエマルジョン系シーラーと後述する上塗り塗膜層との間の中間層を形成するもので、その主目的は、塗膜に肉厚を与えて塗膜の平坦性をよくすることと前記無機質板への透水を防止することにある。
下塗り塗料として用いられるアクリルエマルジョンとしては、前記アクリルエマルジョン系シーラーに用いたものと同様のものを用いることができる。
【００４８】
例えば、アクリル酸アルキルエステル共重合アクリルエマルジョンとビスフェノールＡ型エポキシエマルジョンとの混合物を主成分として含有するものを好適例として挙げることができる。
【００４９】
下塗り塗料とアクリルエマルジョン系シーラーとは、体質顔料の配合量によって区別することができる。すなわち、アクリルエマルジョン系シーラーの場合、体質顔料の配合量を少なくし、無機質板の表面への含浸量を増大させることによって、剥離防止層としての機能を十分に発揮させることができる。下塗り塗料の場合は、体質顔料の配合量を多くすることによって、塗膜に肉厚を与えて塗膜の平坦性をよくする機能を十分に発揮させることができる。
例えば、アクリルエマルジョン系シーラーの粘度は、７〜１３秒（フォードカップＮｏ．４法：ＪＩＳ−Ｋ５４００４．５．４準拠）であることが好ましく、アクリルエマルジョン系シーラーにおける体質顔料の配合量（顔料濃度）は、１重量％以下であることが好ましい。
下塗り塗料における体質顔料の配合量（顔料濃度）は、１重量％を超えるものであることが好ましい。
なお、着色顔料の配合量の多少は、体質顔料の配合量のように無機質板の表面への含浸量に対しての寄与は少ない。
【００５０】
下塗り塗料は、アクリル系樹脂又はアクリル系共重合体成分を単独で用いてもよく、また顔料及びその他の添加剤を併用してもよい。その他添加剤としては、乳化剤、成膜助剤、可塑剤、増粘剤、変性剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、防錆剤等を挙げることができる。
【００５１】
本発明に用いられる下塗り塗料の塗布量は、固形分濃度４０重量％の場合、１５０〜３００ｇ／ｍ²が好ましく、１８０〜２８０ｇ／ｍ²がさらに好ましい。
【００５２】
（２）上塗り塗料層
本発明に用いられる上塗り塗料層は、塗膜が外界に接する最上層の上塗り塗膜層を構成し、その主目的は、無機質板に、色、光沢等の装飾効果を付与するとともに、日光、風雨もしくは各種蒸気等による塗膜の老化又は侵食を防止することにある。
【００５３】
上塗り塗料として用いられるアクリルエマルジョンとしては、前記アクリルエマルジョン系シーラーに用いたものと同様のものを用いることができるが、両者は、体質顔料等の配合量によっても区別できる。すなわち、上塗り塗料の場合は、前記下塗り塗料の場合と同様に、体質顔料等の配合量（顔料濃度）を多くすること等によって、色、光沢等の装飾効果、及び塗膜の老化又は侵食の防止機能を十分に発揮させることができる。
例えば、上塗り塗料の場合の体質顔料の配合量（顔料粘度）は、１重量％を超えるものであることが好ましい。
【００５４】
上塗り塗料は、アクリル系樹脂又はアクリル系共重合体成分を単独で用いてもよく、また顔料及びその他の添加剤を併用してもよい。その他添加剤としては、乳化剤、成膜助剤、可塑剤、増粘剤、変性剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、防錆剤等を挙げることができる。
【００５５】
本発明に用いられる上塗り塗料の塗布量は、固形分濃度４０重量％の場合、１００〜２００ｇ／ｍ²が好ましく、１３０〜１７０ｇ／ｍ²がさらに好ましい。
【００５６】
（３）下塗り塗料層及び上塗り塗料層の形成方法
下塗り塗料及び上塗り塗料を、この順に、アクリルエマルジョン系シーラーの表面に塗布して、下塗り塗料層及び上塗り塗料層を形成する方法としては、例えば、エアスプレー、コールドスプレー、ホットスプレー、エアレススプレー、エアゾルスプレー等の噴霧塗装、ローラーコータ、タンブリング等の転がし塗り、フローコート、シャワーコート等の流し塗り、静電塗装、電着塗装、粉体塗装等の電気的特性を利用した塗装、ディッピング、真空圧入塗り、しごき塗り、粉体溶射塗装、刷毛塗り、へら塗り、タンポ塗り等を挙げることができる。中でも、凹凸のある無機質材、例えば、セメント基材へ均一な塗膜を形成させる塗布方法としては、噴霧塗装、静電塗装、フローコート、シャワーコートが好ましい。
【００５７】
下塗り及び上塗り塗料の塗布後、塗膜の乾燥方法としては、例えば、塗布した被塗物を大気中に自然に放置して乾燥する自然乾燥、塗布した被塗物又は被塗面を加熱して乾燥する焼き付け乾燥を挙げることができ、焼き付け乾燥では、乾燥装置として、熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉、ジェット乾燥炉、対流乾燥炉等を挙げることができる。
【００５８】
【実施例】
以下、本発明のアクリルエマルジョン塗装無機質板を実施例によってさらに具体的に説明するが、この実施例によって本発明は、何等制限を受けるものではない。なお、この実施例中における「部」、「％」は、「重量部」、「重量％」を意味する。
【００５９】
（実施例１）
早強ポルトランドセメント：アルミナセメント：焼石膏：消石灰＝８０：１０：６：４（重量比）で混合した混合物１００重量部に０．２重量部のクエン酸ナトリウムを加えたセメント組成物を用い、セメント組成物：木質材料：水＝１０：３．５：６（重量比）で混練した。この混合物を加飾模様の付いた型板上に均一に散布しその上に金網を置いた。これを上下９０〜９７℃の加熱盤にて３０ｋｇｆ／ｃｍ²で加熱加圧成型した後、脱型しセメント板を得た。
【００６０】
このセメント板を１００℃の乾燥機に１０分間放置した後取り出して、セメント板の温度が６０℃の時に表面に粒子径０．１μｍ、塗料粘度８秒（フォードカップＮｏ．４法：ＪＩＳ−Ｋ５４００４．５．４準拠）のアクリルエマルジョン系シーラー（Ｓ１）（アクリル酸ブチル／メタクリル酸メチル共重合体（固形分濃度３０％）及び添加剤として成膜助剤からなるシーラー）をエアガンで１００ｇ／ｍ²塗布しシーラー層を形成した。その後、１００℃で１０分間乾燥した後に室温で３時間以上冷却した。
【００６１】
次に、上記同様な方法で基材の保温を行い、板の温度が６０℃の時に、下塗り塗膜層を形成するため、アクリルエマルジョン系塗料（Ｐ１）（アクリル酸アルキルエステル共重合アクリルエマルジョンとビスフェノールＡ型エポキシエマルジョンとの混合物（混合比は、アクリル：エポキシ＝２４：７）（固形分濃度４０％）、添加剤として成膜助剤、増粘剤及び分散剤、並びに顔料として酸化チタンからなる塗料）を２００ｇ／ｍ²塗布し１００℃で１０分間乾燥した。
【００６２】
さらに、同様の操作で上塗り層としてアクリルエマルジョン系塗料（Ｐ２）（アクリル酸ブチル／メタクリル酸メチル共重合体エマルジョン（固形分濃度４０％）、添加剤として成膜助剤、増粘剤及び分散剤、並びに顔料として酸化チタンからなる塗料）を１５０ｇ／ｍ²塗布し１００℃で１０分間乾燥し室温で３時間以上冷却した。
【００６３】
その後、塗装硬質木片セメント板の耐候性（光沢保持率（％））の評価のため、実施例１で得られた塗装硬質木片セメント板を下記アリゾナ集光曝露紫外線積算量（６６０ＭＪ／ｍ²）を測定したところ、光沢保持率は８０％であった。
【００６４】
（実施例２）
実施例１で用いたのと同様のセメント板を１００℃の乾燥機に１０分間放置した後取り出して、基材板温が６０℃の時に表面に粒子径０．１μｍ、塗料粘度８秒（フォードカップＮｏ．４法：ＪＩＳ−Ｋ５４００４．５．４準拠）のアクリルエマルジョン系シーラー（Ｓ２）（アクリル酸ブチル／メタクリル酸メチル／スチレン共重合体＝４０／３０／３０重量％（固形分濃度３０％）及び添加剤として成膜助剤からなるシーラー）をエアガンで１００ｇ／ｍ²塗布しシーラー層を形成した。その後、１００℃で１０分間乾燥した後に室温で３時間以上冷却した。
【００６５】
次に、実施例１と同様な方法で基材の保温を行い、板温６０℃の時に下塗りとして前記アクリルエマルジョン系塗料（Ｐ１）を２００ｇ／ｍ²塗布し、１００℃で１０分間乾燥した。
【００６６】
さらに、実施例１と同様の操作で上塗りとしてアクリルエマルジョン系塗料（Ｐ２）を１５０ｇ／ｍ²塗布し１００℃で１０分間乾燥し室温で３時間以上冷却した。得られた塗装硬質木片セメント板の光沢保持率は９０％であった。
【００６７】
（実施例３）
実施例１で用いたのと同様のセメント板を１００℃の乾燥機に１０分間放置した後取り出して、セメント板の温度が６０℃の時に表面に粒子径０．１μｍ、塗料粘度８秒（フォードカップＮｏ．４法：ＪＩＳ−Ｋ５４００４．５．４準拠）の前記アクリルエマルジョン系シーラー（Ｓ１）をエアガンで１００ｇ／ｍ²塗布し、シーラー層を形成した。その後、１００℃で１０分間乾燥した。
【００６８】
次に、実施例１と同様な方法でセメント板の保温を行い、板の温度が６０℃の時に下塗り塗料として前記アクリルエマルジョン系塗料（Ｐ２）を２００ｇ／ｍ²塗布し１００℃で１０分間乾燥した。
【００６９】
さらに、実施例１と同様の操作で上塗り塗料として前記アクリルエマルジョン系塗料（Ｐ２）を１５０ｇ／ｍ²塗布し、１００℃で１０分間乾燥し室温で３時間以上冷却した。得られた塗装硬質木片セメント板の光沢保持率は８７％であった。
【００７０】
（比較例１）
実施例１において、シーラー層を形成しなかったこと以外は実施例１と同様にして塗装硬質木片セメント板を得た。得られた塗装硬質木片セメント板の光沢保持率は６５％であった。
【００７１】
以上の結果を表１にまとめて示す。
【００７２】
【表１】

【００７３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、屋外曝露による塗装面の光沢低下を抑制し得る耐候性に優れたアクリルエマルジョン塗装無機質板を提供することができる。
【００７４】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のアクリルエマルジョン塗装無機質板の一実施例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
１：無機質板
２：アクリルエマルジョン系シーラー層
３：アクリルエマルジョン系塗料層
３１：下塗り塗料層
３２：上塗り塗料層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an acrylic emulsion-coated inorganic board suitably used as a decorative board for building materials such as outer wall materials and roof materials. More specifically, the present invention relates to an acrylic emulsion-coated inorganic board having excellent weather resistance that can suppress a decrease in gloss of a painted surface due to outdoor exposure.
[0002]
[Prior art]
Painted inorganic material with improved antifouling properties and durability by applying paint to the surface of hard wood cement boards, asbestos slate boards, etc., as decorative panels for building materials such as exterior wall materials and roofing materials A board is used.
As such a coated inorganic board, for example, a fluororesin paint containing a polymer composition mainly composed of a fluorinated copolymer and a crosslinking agent is applied to a cement product such as concrete and asbestos slate, and the temperature is increased from room temperature to A material having a protective layer excellent in antifouling property and flexibility by crosslinking and curing under temperature has been proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 61-219780).
[0003]
Also, a method for producing an inorganic decorative board with improved frost resistance by immersing an inorganic board such as asbestos slate in an acrylic resin bath to form a resin layer on the surface and then applying a paint Has been proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 62-27384).
[0004]
However, such a coated inorganic board is subject to a long-term outdoor exposure, moisture moves and penetrates from the base inorganic board to the paint layer, resulting in a decrease in gloss of the coated inorganic board, and a decorative board for building materials. As a result, it was not always satisfactory.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
This invention is made | formed in view of the above-mentioned problem, and it aims at providing the acrylic emulsion coating inorganic board excellent in the weather resistance which can suppress the gloss fall of the coating surface by outdoor exposure.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
  As a result of diligent research to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found that the above object can be achieved by laminating an acrylic emulsion sealer layer and an acrylic emulsion paint in this order on an inorganic plate. As a result, the present invention has been completed.
  That is, the present invention provides the following acrylic emulsion-coated inorganic board.
The invention according to claim 1 is an acrylic emulsion-coated inorganic board having the requirements [1-1] to [1-4], and the invention according to claim 2 is the invention according to claim 1, An acrylic emulsion-coated inorganic board having the requirement of [2].
[0007]
[1-1] The inorganic board is a hard wood piece cement board.
[0008]
[1-2] An acrylic emulsion-based sealer layer and an acrylic emulsion-based paint layer composed of an undercoat paint layer and an overcoat paint layer are laminated in this order on an inorganic plate.
[0009]
[1-3] The coating amount of the acrylic emulsion paint (solid content concentration: 40% by weight) is 310 to 450 g / m. ² And the coating amount of the acrylic emulsion sealer (solid content concentration 30% by weight) is 50 to 150 g / m. ² It is.
[0010]
  [1-4] The coating amount of the undercoat paint (solid content concentration: 40% by weight) of the acrylic emulsion paint is 180 to280g / m²And the coating amount of the top coat (solid content concentration 40% by weight) is 130 to170g / m²It is.
[0011]
[2] The acrylic emulsion-based paint layer is mainly composed of an undercoat paint layer mainly containing a mixture of an acrylic acid alkyl ester copolymer acrylic emulsion and a bisphenol A type epoxy emulsion, and an acrylic acid alkyl ester copolymer acrylic emulsion. It consists of the top coat layer contained as
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be specifically described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing an embodiment of the acrylic emulsion-coated inorganic board of the present invention.
[0013]
The acrylic emulsion-coated inorganic board of the present invention is characterized in that an acrylic emulsion sealer layer 2 and an acrylic emulsion paint layer 3 are laminated on an inorganic board 1.
The acrylic emulsion paint layer 3 is preferably composed of an undercoat paint layer 31 and a topcoat paint layer 32.
[0014]
Hereinafter, the acrylic emulsion coating inorganic board of this invention is demonstrated concretely for every component.
[0015]
1. Inorganic board
Although there is no restriction | limiting in particular as an inorganic board used for this invention, For example, a hard wood piece cement board, an asbestos slate board, etc. can be mentioned. Among them, a hard wood cement board is preferable.
Here, the hard wood piece cement board is, for example, 50 to 96 parts by weight of Portland cement, 2 to 25 parts by weight of alumina cement, 1.5 to 15 parts by weight of gypsum made of one or both of anhydrous gypsum and hemihydrate gypsum. A finely divided wooden material and water are kneaded into a mixture obtained by mixing 10 parts by weight or less of slaked lime and 0.2 to 2.0 parts by weight of an alkali metal salt of an organic carboxylic acid, and this is heated and pressed. Can be manufactured. Preferred examples of the organic carboxylic acid include citric acid, malic acid, gluconic acid, glutaric acid, and glycolic acid. Moreover, as an alkali metal salt, a sodium salt or potassium salt can be mentioned as a suitable example.
This hard wood piece cement board can be suitably used for a decorative board for building materials such as an outer wall material and a roof material.
[0016]
2. Acrylic emulsion sealer layer
The acrylic emulsion sealer layer used in the present invention can protect and strengthen the surface of an inorganic board, for example, a hard wood cement board, and prevent it from peeling or breaking.
[0017]
Hereinafter, the sealer used in the acrylic emulsion sealer layer used in the present invention will be specifically described.
Examples of such acrylic emulsion sealers include acrylic resins such as polyacrylates and polymethacrylates and copolymers thereof, acrylic-styrene copolymers, acrylic-vinyl acetate copolymers, acrylic-chlorides. Examples include sealers containing emulsions such as vinyl copolymers and acrylic-ethylene copolymers as the main component, but the tightness of the base material, adhesion to the upper layer, resistance to strong alkali elution from the base material In view of the above, a sealer containing an acrylic resin such as polyacrylic acid ester or polymethacrylic acid ester and a copolymer thereof as a main component is preferable.
[0018]
In addition to the above, a sealer containing as a main component a copolymer obtained by copolymerizing an acrylic ester, a methacrylic ester and an aromatic vinyl compound can be used as the acrylic emulsion sealer. .
[0019]
As such a copolymer, the thing of the mixture ratio of 15-80 weight% of acrylic ester, 10-75 weight% of methacrylic acid ester, and 10-75 weight% of aromatic vinyl compounds can be mentioned, for example.
[0020]
Examples of the acrylate ester include methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, N-butyl acrylate, isobutyl acrylate, amyl acrylate, isoamyl acrylate, hexyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, and acrylic acid. Examples include lauryl.
These can be used singly or in combination of two or more.
[0021]
If the blending ratio of the acrylate ester is less than 15% by weight, the film forming temperature of the coating film becomes high, and the elongation of the coating film may be reduced. May decrease.
[0022]
Examples of the methacrylic acid ester include methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, N-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, amyl methacrylate, isoamyl methacrylate, hexyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, and methacrylic acid. Lauryl etc. can be mentioned.
These can be used singly or in combination of two or more.
[0023]
When the blending ratio of the methacrylic acid ester is less than 10% by weight, the mechanical strength of the coating film may be reduced. There is.
[0024]
Examples of the aromatic vinyl compound include styrene, methyl styrene, α-methyl styrene, dimethyl styrene, methoxy styrene, isopropyl styrene, bromo styrene, cyclohexyl styrene, pentafluoro styrene, chloro styrene, dichloro styrene, iodo styrene, and the like. Can do.
These can be used singly or in combination of two or more.
[0025]
When the blending ratio of the aromatic vinyl compound is less than 10% by weight, the waterproofness and alkali resistance of the coating film may be deteriorated. When it exceeds 75% by weight, the film forming temperature of the coating film becomes high and the elongation is increased. May decrease.
[0026]
In addition to the above, as an acrylic emulsion sealer, a sealer containing an acrylic copolymer and a water-soluble polymer or a water-soluble copolymer containing an ethylenically unsaturated carboxylic acid as main components is used. Can do.
[0027]
Here, the acrylic copolymer is an alkyl acrylate ester having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl group and / or a methacrylic acid alkyl ester having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl group, and these monomers. It means what is obtained by emulsion polymerization of a copolymerizable monomer. This acrylic copolymer is insoluble in water.
[0028]
Examples of the alkyl acrylate ester having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl group include, for example, methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, amyl acrylate, isoamyl acrylate, acrylic Examples include acid hexyl, 2-ethylhexyl acrylate, and lauryl acrylate. Of these, alkyl acrylates having 1 to 8 carbon atoms in the alkyl group are preferred.
[0029]
Examples of the alkyl methacrylate having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl group include, for example, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, amyl methacrylate, and isoamyl methacrylate. Hexyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, lauryl methacrylate and the like. Among these, methacrylic acid alkyl esters having 1 to 8 carbon atoms in the alkyl group are preferable.
[0030]
Examples of monomers that can be copolymerized with these acrylic acid alkyl esters and methacrylic acid alkyl esters include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid, maleic anhydride, fumaric acid, fumaric anhydride, crotonic acid, Ethylenically unsaturated carboxylic acids including unsaturated carboxylic acids such as aconitic acid and citraconic acid, vinyl acetate, butadiene, isoprene, styrene, α-methylstyrene, halogenated styrene, divinylbenzene, acrylonitrile, methacrylonitrile and other vinyl Examples thereof include amide compounds such as compounds, acrylamide, methacrylamide, N-methylacrylamide, N-methylmethacrylamide, N-methylolacrylamide, and N-methylolmethacrylamide.
[0031]
On the other hand, examples of the ethylenically unsaturated carboxylic acid contained in the water-soluble (co) polymer include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid, maleic anhydride, fumaric acid, fumaric anhydride, crotonic acid, and aconite. Examples thereof include unsaturated carboxylic acids such as acid and citraconic acid. Examples of the monomer copolymerizable with the ethylenically unsaturated carboxylic acid include the above alkyl acrylate esters, alkyl methacrylate esters, vinyl compounds, amide compounds and the like.
[0032]
The proportion of the water-soluble (co) polymer in the acrylic emulsion sealer is preferably 5 to 30% by weight. When the amount is less than 5% by weight, the impregnation property and adhesion to the inorganic plate are lowered, and when it exceeds 30% by weight, the waterproof property may be lowered.
[0033]
The above acrylic emulsion sealer can be obtained mainly by emulsion polymerization.
[0034]
The particle diameter of the acrylic resin or acrylic copolymer contained in the above-mentioned acrylic emulsion sealer is preferably 0.01 to 0.3 μm. If it is less than 0.01 μm, the viscosity of the paint may increase and it may be difficult to apply and handle. If it exceeds 0.3 μm, the impregnation property on the surface of the inorganic plate will decrease, and the tightness, Adhesiveness (anti-peeling property) may be reduced.
[0035]
In these acrylic emulsion sealers, the synthetic resin component may be used alone, or a pigment and other additives may be used in combination. Examples of other additives include emulsifiers, film forming aids, plasticizers, thickeners, modifiers, dispersants, wetting agents, antifoaming agents, antiseptics, antifungal agents, antifreezing agents, and rust inhibitors. Etc.
[0036]
Applying and laminating these acrylic emulsion sealers on the surface of inorganic plates includes spray coating such as air spray, cold spray, hot spray, airless spray, and aerosol spray, roller coater, rolling coating such as tumbling, and flow coating. Flow coating such as shower coat, electrostatic coating, electrodeposition coating, powder coating, etc. using electrical characteristics, dipping, vacuum press-fitting, ironing, powder spray coating, brush coating, spatula coating, tampo Examples of the application method for forming a uniform coating film on an uneven cement base material include spray coating, electrostatic coating, flow coating, and shower coating.
[0037]
After the acrylic emulsion sealer is applied and laminated, the coating film can be dried by, for example, natural drying in which the coated object is left to stand in the air and dried, or the coated object or coating. Examples of the baking and drying include heating and drying the coating surface. In the baking and drying, a hot air drying furnace, an infrared drying furnace, a jet drying furnace, a convection drying furnace, or the like can be used.
[0038]
The coating amount of the acrylic emulsion sealer used in the present invention is 50 to 150 g / m when the solid content concentration is 30% by weight.²Is preferred, 80-120 g / m²Is more preferable. 50 g / m²If it is less than 150 g / m, the peel resistance may be insufficient.²If it exceeds, drying of the sealer will be insufficient, which may result in blistering of the undercoat or topcoat.
[0039]
By applying an acrylic emulsion-based sealer with excellent impregnation to the inorganic plate to the surface of the inorganic plate, the pores formed by the bubbles present in the inorganic plate are filled, and the tightness of the inorganic plate surface is improved. Increases and strengthens the inorganic board itself.
[0040]
The surface of these acrylic emulsion-based sealers has good flatness, and even if a thin film undercoating layer and topcoating coating layer described later are formed, the surface can be maintained almost flat, improving the appearance quality. It can be made.
[0041]
By using these acrylic emulsion-based sealers, adhesion between the inorganic plate and the acrylic emulsion-based sealer, and between the acrylic emulsion-based sealer and the undercoat film layer described later can be improved.
[0042]
For this reason, even if the inorganic board is a hard wood piece cement board containing a large number of subdivided wood materials, the cement board itself is not peeled off or broken, and water permeability is also prevented. Therefore, while improving the appearance quality and weather resistance by the undercoat and topcoat layer described later, it prevents the peeling of the surface of the inorganic board, for example, the cement board or the entire destruction, and suppresses the decrease in the gloss of the painted surface. can do.
[0043]
3. Acrylic emulsion paint layer
Hereinafter, the acrylic emulsion paint used for the acrylic emulsion paint layer will be described.
The acrylic emulsion paint used in the present invention is used to protect the surface of a ceramic base material of an inorganic plate from erosion by wind, rain, light, and heat, and to decorate the appearance by giving a desired color and gloss.
[0044]
As the acrylic emulsion used as the coating layer, the same one as that used for the acrylic emulsion sealer can be used.
[0045]
The coating amount of such an acrylic emulsion paint is 250 to 500 g / m when the solid content concentration is 40% by weight.²Is preferably 310 to 450 g / m.²Is more preferable.
[0046]
The acrylic emulsion paint layer used in the present invention is preferably composed of an undercoat paint layer and an overcoat paint layer from the viewpoint of forming a plurality of coating films having different functionalities.
Hereinafter, the undercoat paint layer and the topcoat paint layer will be specifically described.
[0047]
(1) Undercoat paint layer
The undercoat paint layer used in the present invention forms an intermediate layer between the acrylic emulsion-based sealer and a top coat film layer described later, and its main purpose is to give the coat a thickness and There exists in improving flatness and preventing the water permeability to the said inorganic board.
As the acrylic emulsion used as the undercoat paint, the same one as that used for the acrylic emulsion sealer can be used.
[0048]
For example, what contains the mixture of an acrylic acid alkylester copolymerization acrylic emulsion and a bisphenol A type epoxy emulsion as a main component can be mentioned as a suitable example.
[0049]
The undercoat paint and the acrylic emulsion sealer can be distinguished by the amount of extender pigment. That is, in the case of an acrylic emulsion sealer, the function as a peeling prevention layer can be sufficiently exhibited by reducing the amount of extender pigment and increasing the amount of impregnation on the surface of the inorganic plate. In the case of the undercoat paint, by increasing the blending amount of the extender pigment, it is possible to sufficiently exert the function of giving the coating film thickness and improving the flatness of the coating film.
For example, the viscosity of an acrylic emulsion sealer is preferably 7 to 13 seconds (Ford Cup No. 4 method: JIS-K5400 4.5. 4 compliant), and the amount of extender pigment in the acrylic emulsion sealer (pigment) The concentration is preferably 1% by weight or less.
The amount of the extender pigment in the undercoat paint (pigment concentration) is preferably more than 1% by weight.
Note that the amount of the color pigment added does not significantly contribute to the amount of impregnation on the surface of the inorganic plate as the amount of the extender pigment added.
[0050]
For the undercoat paint, an acrylic resin or an acrylic copolymer component may be used alone, or a pigment and other additives may be used in combination. Other additives include emulsifiers, film-forming aids, plasticizers, thickeners, modifiers, dispersants, wetting agents, antifoaming agents, preservatives, fungicides, antifreeze agents, rust inhibitors, etc. be able to.
[0051]
The coating amount of the undercoat used in the present invention is 150 to 300 g / m when the solid concentration is 40% by weight.²Is preferred, 180-280 g / m²Is more preferable.
[0052]
(2) Top coat layer
The top coating layer used in the present invention constitutes the top coating layer of the uppermost layer where the coating is in contact with the outside world, and its main purpose is to impart decorative effects such as color and gloss to the inorganic plate, as well as sunlight, It is to prevent aging or erosion of the coating film due to wind and rain or various vapors.
[0053]
As the acrylic emulsion used as the top coat, those similar to those used for the acrylic emulsion sealer can be used, but both can be distinguished by the blending amount of extender pigments and the like. That is, in the case of a top coat, as in the case of the undercoat paint, by increasing the blending amount (pigment concentration) of extender pigments, etc., decoration effects such as color and gloss, and aging or erosion of the coating film The prevention function can be exhibited sufficiently.
For example, the amount of the extender pigment (pigment viscosity) in the case of the top coat is preferably more than 1% by weight.
[0054]
For the top coating material, an acrylic resin or an acrylic copolymer component may be used alone, or a pigment and other additives may be used in combination. Other additives include emulsifiers, film-forming aids, plasticizers, thickeners, modifiers, dispersants, wetting agents, antifoaming agents, preservatives, fungicides, antifreeze agents, rust inhibitors, etc. be able to.
[0055]
The coating amount of the top coating used in the present invention is 100 to 200 g / m when the solid concentration is 40% by weight.²Is preferred, 130-170 g / m²Is more preferable.
[0056]
(3) Method of forming undercoat paint layer and topcoat paint layer
For example, air spray, cold spray, hot spray, airless spray, aerosol can be used as a method of applying the base coat and top coat in this order to the surface of the acrylic emulsion sealer to form the base coat layer and the top coat layer. Spray coating such as spray, rolling coating such as roller coater and tumbling, flow coating such as flow coating and shower coating, painting using electrostatic characteristics such as electrostatic coating, electrodeposition coating, powder coating, dipping, vacuum press-fitting Examples thereof include coating, ironing, powder spray coating, brush coating, spatula coating and tampo coating. Among these, spray coating, electrostatic coating, flow coating, and shower coating are preferable as the coating method for forming a uniform coating film on an uneven inorganic material, for example, a cement substrate.
[0057]
After applying the undercoat and topcoat, the coating film can be dried by, for example, natural drying in which the coated object is naturally left in the air to dry, or heating the coated object or coated surface. Examples of the drying apparatus include a hot air drying furnace, an infrared drying furnace, a jet drying furnace, and a convection drying furnace.
[0058]
【Example】
Hereinafter, the acrylic emulsion-coated inorganic board of the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples. In this example, “parts” and “%” mean “parts by weight” and “% by weight”.
[0059]
Example 1
Use a cement composition in which 0.2 parts by weight of sodium citrate is added to 100 parts by weight of a mixture of early strength Portland cement: alumina cement: calcined gypsum: slaked lime = 80: 10: 6: 4 (weight ratio) Cement composition: woody material: water = 10: 3.5: 6 (weight ratio). This mixture was evenly spread on a template with a decorative pattern, and a wire mesh was placed on it. This is 30 kgf / cm on the upper and lower heating plates of 90-97 ° C.²After heating and pressing with a mold, the mold was removed to obtain a cement board.
[0060]
This cement board was left for 10 minutes in a dryer at 100 ° C. and then taken out. When the temperature of the cement board was 60 ° C., the particle diameter was 0.1 μm and the viscosity of the paint was 8 seconds (Ford Cup No. 4 method: JIS-K5400). 4.5.4) acrylic emulsion sealer (S1) (butyl acrylate / methyl methacrylate copolymer (solid content concentration 30%) and a sealant comprising a film-forming aid as an additive) with an air gun at 100 g / m²This was applied to form a sealer layer. Then, after drying at 100 degreeC for 10 minutes, it cooled at room temperature for 3 hours or more.
[0061]
  Next, the base material is kept warm in the same manner as described above, and when the temperature of the plate is 60 ° C., an undercoat coating film layer is formed, so that an acrylic emulsion paint (P1) (acrylic acid alkyl ester copolymer acrylic emulsion and Mixture with bisphenol A type epoxy emulsion (mixing ratio is acrylic: epoxy = 24: 7) (solid content concentration 40%), film forming aid, thickener and dispersant as additive, and titanium oxide as pigment 200 g / m²Apply100 ° CFor 10 minutes.
[0062]
Further, in the same operation, an acrylic emulsion paint (P2) (butyl acrylate / methyl methacrylate copolymer emulsion (solid content concentration 40%) as an overcoat layer, and a film forming aid, a thickener and a dispersant as additives. And a paint made of titanium oxide as a pigment) 150 g / m²It was applied, dried at 100 ° C. for 10 minutes, and cooled at room temperature for 3 hours or more.
[0063]
Thereafter, for the evaluation of the weather resistance (gloss retention (%)) of the coated hard wood piece cement board, the coated hard wood piece cement board obtained in Example 1 was subjected to the following Arizona light condensing exposure UV integrated amount (660 MJ / m).²) Was measured, and the gloss retention was 80%.
[0064]
(Example 2)
A cement plate similar to that used in Example 1 was left in a dryer at 100 ° C. for 10 minutes and then removed. When the substrate plate temperature was 60 ° C., the particle diameter was 0.1 μm on the surface, and the viscosity of the paint was 8 seconds (Ford Cup No. 4 method: JIS-K5400 4.55.4 compliant acrylic emulsion sealer (S2) (butyl acrylate / methyl methacrylate / styrene copolymer = 40/30/30 wt% (solid content concentration 30) %) And a sealer comprising a film-forming aid as an additive) with an air gun at 100 g / m²This was applied to form a sealer layer. Then, after drying at 100 degreeC for 10 minutes, it cooled at room temperature for 3 hours or more.
[0065]
Next, the substrate was kept warm in the same manner as in Example 1, and the acrylic emulsion-based paint (P1) was 200 g / m as an undercoat when the plate temperature was 60 ° C.²It was applied and dried at 100 ° C. for 10 minutes.
[0066]
Furthermore, 150 g / m of acrylic emulsion paint (P2) was applied as a top coat by the same operation as in Example 1.²It was applied, dried at 100 ° C. for 10 minutes, and cooled at room temperature for 3 hours or more. The gloss retention of the obtained coated hard wood piece cement board was 90%.
[0067]
(Example 3)
A cement board similar to that used in Example 1 was left in a dryer at 100 ° C. for 10 minutes and then taken out. When the temperature of the cement board was 60 ° C., the particle diameter was 0.1 μm on the surface, and the viscosity of the paint was 8 seconds (Ford 100 g / m of the acrylic emulsion sealer (S1) of cup No. 4 method: JIS-K5400 4.5.4)²The sealer layer was formed by coating. Then, it dried at 100 degreeC for 10 minutes.
[0068]
Next, the cement board was kept warm in the same manner as in Example 1. When the board temperature was 60 ° C., 200 g / m of the acrylic emulsion paint (P2) was used as an undercoat paint.²It was applied and dried at 100 ° C. for 10 minutes.
[0069]
Furthermore, 150 g / m of the acrylic emulsion-based paint (P2) was applied as a top coat by the same operation as in Example 1.²It was applied, dried at 100 ° C. for 10 minutes, and cooled at room temperature for 3 hours or more. The gloss retention of the obtained coated hard wood piece cement board was 87%.
[0070]
(Comparative Example 1)
In Example 1, a coated hard wood chip cement board was obtained in the same manner as in Example 1 except that the sealer layer was not formed. The gloss retention of the obtained coated hard wood piece cement board was 65%.
[0071]
The above results are summarized in Table 1.
[0072]
[Table 1]

[0073]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide an acrylic emulsion-coated inorganic board excellent in weather resistance that can suppress a decrease in gloss of a painted surface due to outdoor exposure.
[0074]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing one embodiment of an acrylic emulsion-coated inorganic board of the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Inorganic board
2: Acrylic emulsion sealer layer
3: Acrylic emulsion paint layer
31: Undercoat paint layer
32: Top coat layer

Claims

An acrylic emulsion-based sealer layer and an acrylic emulsion-based paint layer composed of an undercoat paint layer and an overcoat paint layer are laminated in this order on an inorganic board, which is a hard wood cement board, and the acrylic emulsion-based paint (solid content concentration of 40 the coating amount of weight%) is a 310~450g / m ^2, and the coating amount of the acrylic emulsion-based sealer (solid concentration 30 wt%) is a 50 to 150 g / m ^2, said acrylic emulsion-based paint The coating amount of the undercoat paint (solid content concentration 40% by weight) is 180 to 280 g / m ² , and the coating amount of the top coating material (solid content concentration 40% by weight) is 130 to 170 g / m 2. ^2. An acrylic emulsion-coated inorganic board characterized by being ² .

The acrylic emulsion-based paint layer contains an undercoat paint layer containing a mixture of an alkyl acrylate copolymer acrylic emulsion and a bisphenol A epoxy emulsion as a main component, and an alkyl acrylate copolymer acrylic emulsion as a main component. The acrylic emulsion-coated inorganic board according to claim 1, comprising an upper coating layer.