JP4323217B2 - 測定器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定器に関する。
【0002】
【背景技術】
デジタル式の表示部を持つ測定器としては、例えば、ダイヤルゲージが知られている。ダイヤルゲージの中には、本体ケースに対して、表示部を有する枠ケースを回動可能に構成したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
従来、ダイヤルゲージの表示部回動機構は、枠ケースの内周面と、本体ケースの外周面に溝部を形成し、これらの溝部の間にOリングなどの弾性部材を介して本体ケースと枠ケースを嵌合させ、枠ケースを本体ケースに対して回動可能に形成した構成である(例えば特許文献2)。また、このとき間に挟んだOリングを弾性変形させ、本体ケースおよび枠ケースの溝部に密着させることで防塵、防水機能を実現していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−12243号公報(図2)
【特許文献2】
特開平10−111102号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような特許文献1や特許文献2では、ダイヤルゲージの防塵、防水性能はあまり高いものではない。これは、枠ケースに回動機能を持たせていることに原因がある。
ダイヤルゲージなどでは、枠ケースの内周面と、本体ケースの外周面に溝部を形成し、これらの溝部の間にOリングなどの弾性部材を介して本体ケースと枠ケースを嵌合させているが、枠ケースのスムーズな回動を可能とするためにOリングを強くつぶしすぎないような寸法構造がとられている。つまり枠ケースを回動させるためにOリングが本体ケースおよび枠ケースの溝部に強く密着しすぎないように設計されており、そのことが防塵、防水性能を損なう要因となっていた。以上から、高い防塵、防水性能と枠ケースの回動機能とを同時に持たせることは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、高い防塵、防水性能と、枠ケースの回動機能とを同時に持たせることができる測定器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の測定器は、測定手段を有する本体ケースと、前記本体ケースの開口部に装着され、前記測定手段による測定結果を表示する表示手段を有する枠ケースとを備えた測定器において、前記枠ケースを本体ケースに対して近接する方向へ締付け可能かつ、前記本体ケースに対して前記枠ケースを回動可能に保持する締付け手段と、前記枠ケースが接近する方向において、前記本体ケースと前記枠ケースとの対向面間に挿入された弾性部材とを備え、前記締付け手段は、前記枠ケースの外周面に形成されたおねじと、前記本体ケースに回動自在に設けられ、前記おねじに螺合されるめねじを有するナット部材とを備え、前記ナット部材は、内周面の一端側に前記めねじを有し、かつ他端側に内部へ向かって突出する凸部を有する袋ナットであり、前記本体ケースの外周に回動可能に設けられ、前記本体ケースの開口端側には、外周面に向かって突出し、前記袋ナットの前記凸部と当接する凸部を有するアダプタが設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、本体ケースと枠ケースとの対向面間に弾性部材を挟んだ上で締付け手段によってこれらを締付けると、弾性部材は締付け力に応じて弾性変形され、本体ケースおよび枠ケースに密着された状態となることから、高い防塵、防水性能を持たせることができる。また、締付け手段による締付けを緩めると、弾性部材は元の形状に復元するので、枠ケースを本体ケースに対してスムーズに回動させることができる。よって、枠ケースの向き、つまり表示部の向きが所望の向きになる位置に枠ケースを回動させてから締付け手段を再度締付けると、弾性部材は再び本体ケースおよび枠ケースの溝部に密着させられた状態となるので、高い防塵、防水性能と枠ケースの回動機能を同時に持たせることができる。
また、本体ケースに設けられたナット部材を、枠ケースのおねじに対して緩める方向に回すと、本体ケースに対して枠ケースが回動できる状態となり、この状態で枠ケースを回すことにより表示部の向きを変えることができる。
加えて、枠ケースの外周面に形成されたおねじに対して螺合されている袋ナットの内周面に形成されためねじが外れたとしても、袋ナット側の凸部とアダプタ側の凸部が当接しているため、袋ナットが本体ケースから脱落することを防止できる。これにより、本体ケースから枠ケースを取り外しても本体ケースおよび枠ケースから部品が外れることはなく、部品の紛失といったことがなくなり、内部の掃除や修理といったメンテナンス作業を容易にすることができる。
【0010】
本発明の測定器において、前記アダプタは、前記弾性部材を保持するための溝部を備える構成であるのが好ましい。
この発明によれば、アダプタに溝部を形成することで、本体ケースには余計な加工を加える必要がなく、アダプタを別部材とすることで、同じ寸法を持つ全ての製品に同様のアダプタを使用することができるので、生産ラインを一本化でき、生産コストの削減になるという効果がある。
【0011】
【本発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す正面図である。
図2は、図1のII−II線断面である。
【0012】
ダイヤルゲージ1は、一端面が開口された円筒形状で測定手段を持つ本体ケース2と、この本体ケース2の一端面に回動自在に装着された円筒形状で測定手段の測定した測定結果を表示する表示手段を持つ枠ケース3とから構成されている。
【0013】
本体ケース2には、他端面略中央にダイヤルゲージ支持鍔4が一体形成されているとともに、外周壁上部に連結部材5を介してスピンドル保護筒6が、外周壁下部にステム7が、互いに同一軸線上でかつ本体ケース2の中心を通る軸線上に沿ってそれぞれ取り付けられている。ステム7には、上端のヘッド部8Aがスピンドル保護筒6内に嵌合されたスピンドル8が摺動自在に挿入されている。スピンドル8には、ステム7の下方より突出した下端に測定子9が設けられているとともに、本体ケース2内に位置する略中央位置にスケール取付台10およびスプリング係止ピン11がそれぞれ取り付けられている。スプリング係止ピン11と本体ケース2の内周壁との間には、スピンドル8を図中下方へ付勢するとともにスピンドル8の回動を規制する役目も果たす引張ばね12が張設されている。また、スケール取付台10には、メインスケール13がスピンドル8の軸線に対して平行に取り付けられている。
【0014】
また、本体ケース2の一端面内周壁には、スピンドル8の軸線方向を直径とする段上の円周縁31が形成され、この円周縁31には保持部材32が数本のビスにより固定されている。保持部材32には、図3に示すように、略中央に切り欠き33が形成されているとともに、この切り欠き33の位置に、ホルダ34が保持されている。
【0015】
ホルダ34には、メインスケール13の光学格子面と対向する位置にインデックススケール35および受光器36が設けられているとともに、インデックススケール35の両側(図3中インデックススケール35を挟んだ上下方向)にメインスケール13上を滑動するための駒37が形成されている。なお、インデックススケール35にも、メインスケール13の光学格子と対応する光学格子が形成されている。また、ホルダ34は、一端が保持部材32に固定された片持ちばね38によりメインスケール13に接する方向へ常時付勢されている。さらに、メインスケール13を挟んで受光器36と反対側位置に発光器39が支持台40を介して保持部材32に固定されている。保持部材32の正面側には、スペーサ51を介して基盤52が基盤22と平行に固定されている。
基盤52には、スピンドル8の軸方向変位量を検出するためのエンコーダ53および電池54が取り付けられている。
【0016】
一方、枠ケース3の正面には、中央にスピンドル8の移動量に基づく測定値をデジタル表示するデジタル表示部21が設けられている。枠ケース3の内部には、スピンドル8の変位量に基づく測定値をデジタル表示部21に表示するための表示用電装品23を有する基盤22が固定されている。
【0017】
また、本体ケース2と枠ケース3との間には、本体ケース2を枠ケース3に対して近接する方向に締付け可能、かつ本体ケース2に対して枠ケース3を回動可能に保持する締付け手段60が設けられているとともに、本体ケース2と枠ケース3とが近接する方向において、本体ケース2と枠ケース3との対向面間には弾性部材としてのOリング61が挿入されている。
締付け手段60は、図4に示すように、枠ケース3の外周部に形成されたおねじ部62と、本体ケース2に回動可能に設けられ、おねじ部62に螺合されるめねじ部65を有するナット部材としての袋ナット63と、本体ケース2の開口面側に取り付けられ、Oリング61を保持するためのアダプタ64とを備える。
【0018】
袋ナット63は、円筒形状で一端側の内周面にめねじ部65が形成されている。また、他端側は内部方向に向かって突出した袋ナット側凸部66を有する。この袋ナット側凸部66の内周円の寸法は本体ケース2の開口端側外周円の寸法よりもわずかに大きくなるように設計されている。
アダプタ64は、円筒形状で本体ケース2の開口面側に設けられており、本体ケース2の外周面側に袋ナット側凸部66の内側の高さ寸法と略同じ寸法分だけ突出し、袋ナット側凸部66と当接するアダプタ側凸部67と、枠ケース3との対向面間にOリング61を保持するためのアダプタ側溝部68と、アダプタ64の内周面側でアダプタ側溝部68の反対側に突出し、本体ケース2の内周面と隙間なく嵌合する筒部69とを備える。
Oリング61は、アダプタ64に形成されたアダプタ側溝部68に沿うようにして保持されている。また枠ケース3にはアダプタ側溝部68に対向する位置に断面V字状に形成された枠ケース側溝部70が形成されており、アダプタ側溝部68と同様にOリング61を保持する。
【0019】
このように構成されているダイヤルゲージ1は、袋ナット63の内周部に形成されているめねじ部65と、枠ケース3の外周部に形成されているおねじ部62とを螺合させ、袋ナット63を回動させることで本体ケース2と枠ケース3とを近接方向に締付ける。その際に、袋ナット63によって本体ケース2と枠ケース3とを近接方向に締付けるとOリング61も締付け力に応じて弾性変形し、アダプタ側溝部68と枠ケース側溝部70に密着させられ、高い防塵、防水性能を実現する。
また、袋ナット63による締付けを緩めると、アダプタ側凸部67と袋ナット側凸部66との間、アダプタ64と枠ケース3との間に隙間ができ、枠ケース3をスムーズに回動させることができるようになる。これによりデジタル表示部21を使用目的にあった向きに動かすことができ、デジタル表示部21の向きを決めたら再び袋ナット63により本体ケース2と枠ケース3とを近接方向へ締付ける。
【0020】
このような実施の形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)本体ケース2に取り付けられたアダプタ64のアダプタ側溝部68と枠ケース3側に形成された枠ケース側溝部70との対向面間にOリング61を挟んだ上で袋ナット63によってこれらを締付けると、Oリング61は締付け力に応じて弾性変形され、アダプタ側溝部68と枠ケース側溝部70とに密着された状態となることから、高い防塵、防水性能を持たせることができる。また、袋ナット63による締付けを緩めると、Oリング61は元の形状に復元するので、枠ケース3を本体ケース2に対してスムーズに回動させることができる。枠ケース3の向き、つまりデジタル表示部21の向きが所望の向きになる位置に枠ケース3を回動させてから袋ナット63を再度締付けると、Oリング61は再びアダプタ側溝部68と枠ケース側溝部70に密着させられた状態となるので、高い防塵、防水性能と枠ケース3の回動機能を同時に持たせることができる。
【0021】
(2)本体ケース2とアダプタ側凸部67との間に挟まれるように設けられている袋ナット63を、枠ケース3の外周部に形成されているおねじ部62に対してねじを緩める方向に回動させると、アダプタ側凸部67と袋ナット側凸部66との間に隙間ができることで枠ケース3を回動させられる状態となり、この状態で枠ケース3を回すことでデジタル表示部21の向きを変えることができる。
(3)枠ケース3の外周部に形成されているおねじ部62に対して螺合されている袋ナット63の内周面に形成されためねじ部65が外れたとしても、袋ナット側凸部66は本体ケース2とアダプタ側凸部67との間に挟まれ、アダプタ側凸部67と当接するように設けられているため袋ナット63が本体ケース2から脱落することを防止できる。
【0022】
(4)アダプタ64にアダプタ側溝部68を形成し、本体ケース2に嵌合させることで、本体ケース2に余計な加工をくわえる必要がなく、また、製品は違っても同寸法であれば全てのダイヤルゲージに同じアダプタ64を使用することができる。
(5)アダプタ64を本体ケース2に嵌合させる際に、アダプタ64を本体ケース2との間に隙間ができないような寸法にすることで、本体ケース2とアダプタ64との間から塵や水が入ってくるのを防止することができる。
(6)枠ケース側溝部70をV字状に形成することで枠ケース3を回動させる際に、Oリング61上を枠ケース3が滑動しやすくすることができる。
【0023】
〔実施形態の変形〕
以上、本発明について好適な実施形態を上げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良ならびに設計の変更が可能である。
【0024】
体ケース2へのアダプタ64の取付け方法は、接着、圧入など本体ケース2とアダプタ64との間に隙間ができない方法であれば何でも良い。
【0025】
また、アダプタ側溝部68および枠ケース側溝部70の形状は実施の形態で示したものに限らず、Oリング61を保持し、かつOリング61上を滑動しやすい形状であればよい
【0026】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の測定器によれば、高い防塵、防水性能と表示部を備えた枠ケースの回動機能とを同時に持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における測定器の正面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図2における締付け手段60の拡大図である。
【符号の説明】
1…ダイヤルゲージ
2…測定手段を備えた本体ケース
3…表示手段を備えた枠ケース
60…締付け手段
61…弾性部材としてのOリング
62…おねじ部
63…ナット部材としての袋ナット
64…アダプタ
65…めねじ部
66…袋ナット側凸部
67…アダプタ側凸部
68…アダプタ側溝部

Claims (2)

  1. 測定手段を有する本体ケースと、前記本体ケースの開口部に装着され、前記測定手段による測定結果を表示する表示手段を有する枠ケースとを備えた測定器において、
    前記枠ケースを前記本体ケースに対して近接する方向へ締付け可能かつ、前記本体ケースに対して前記枠ケースを回動可能に保持する締付け手段と、
    前記枠ケースが接近する方向において、前記本体ケースと前記枠ケースとの対向面間に挿入された弾性部材とを備え、
    前記締付け手段は、前記枠ケースの外周面に形成されたおねじと、前記本体ケースに回動自在に設けられ、前記おねじに螺合されるめねじを有するナット部材とを備え、
    前記ナット部材は、内周面の一端側に前記めねじを有し、かつ他端側に内部へ向かって突出する凸部を有する袋ナットであり、前記本体ケースの外周に回動可能に設けられ、
    前記本体ケースの開口端側には、外周面に向かって突出し、前記袋ナットの前記凸部と当接する凸部を有するアダプタが設けられていることを特徴とする測定器。
  2. 請求項1に記載の測定器において、
    前記アダプタは、前記弾性部材を保持するための溝部を備えることを特徴とする測定器。
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