JP4314000B2 - 表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流駆動型発光素子を画素として用いた表示装置、および、当該表示装置を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、フラットパネルディスプレイが多くの分野、多くの場所で使われており、情報化が進む中でその重要性が益々高まってきている。
【0003】
フラットパネルディスプレイの代表といえば液晶表示装置(以下、「LCD」と略記する。)であるが、LCDとは異なる表示原理に基づくフラットパネルディスプレイとして、有機エレクトロルミネセンス(以下、「エレクトロルミネセンス」を「EL」と略記する。)表示装置、無機EL表示装置、プラズマディスプレイ、発光ダイオード表示装置、蛍光表示管、電界放出表示装置等の開発も活発に行われている。
【0004】
上記の表示装置のうち、LCD以外の各表示装置は自発光型表示装置と呼ばれるものであり、受光型表示装置と呼ばれるLCDとは下記(1)〜(4)の点で大きく異なる。
(1)消費電力
LCDにおける個々の画素は、それ自身では発光せず、光を透過、遮断する光シャッターとして機能するため、透過型以外のLCDはバックライトを必要とし、表示情報の様態に拘わらず、表示時には当該バックライトを常に点灯させておくことが必要となる。このため、表示時には常に全表示状態と略変わらない電力を消費することになる。
【0005】
これに対し、自発光型は個々の画素自身が発光するため、別光源を設ける必要がなく、表示情報の様態に応じて必要箇所の画素のみを点灯させればよいので、受光型表示装置に比較して電力消費が少ない。
(2)コントラスト
LCDでは、バックライトからの光あるいは周囲照明光を個々の画素が遮断して暗状態を得るわけであるが、個々の画素からの光漏れを完全に無くすことは困難であり、その結果として、コントラストを高めることが困難である。
【0006】
これに対し、自発光型表示装置では個々の画素が発光していない状態がまさに暗状態であるので、理想的な暗状態を容易に得ることができ、コントラストを容易に高めることができる。
(3)視野角依存性
LCDでは、液晶分子が複屈折性を有していること、および、液晶分子の配列方向の制御により光の透過、遮断を制御していることから、視野角依存性があり、画面を視認する方向によって表示状態が変わってしまう。これに対し、自発光型表示装置ではこの問題が殆どない。
(4)応答性
LCDは、液晶分子の誘電率異方性を利用して液晶分子の配列方向を制御するため、原理的に、電気信号に対する応答時間が1ミリ秒以上となる。このため、動画を表示した際に残像を生じることがある。
【0007】
これに対し、自発光型表示装置ではキャリア遷移、電子放出、プラズマ放電等を利用して画素のオン/オフを制御するため、電気信号に対する応答時間がナノ秒台と高速であり、動画を表示しても残像を生じることがない。
【0008】
上述した利点を有する自発光型表示装置の中でも、有機EL素子(有機発光ダイオードとも呼ばれる。)を画素として用いた有機EL表示装置は、駆動(発光)電圧が低いという実用上非常に優れた特徴を有している。実際、有機EL素子の発光開始電圧は10V以下であり、他の自発光型表示装置に使われている発光素子と比較して、駆動電圧が非常に低い。低電圧駆動が可能であるという特徴を有する有機EL表示装置は、電源電圧の上限が制限される電池駆動式の携帯電子機器の表示装置等として好適である。このため、今日、有機EL表示装置の研究が活発に行われている。
【0009】
有機EL素子の基本構造は、有機材料によって形成された発光層を陽極と陰極との間に挟持した構造であり、必要に応じて、陽極と発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層が形成され、陰極と発光層との間に電子注入層や電子輸送層が形成される。また、発光層に蛍光色素等をドープして発光色を制御することも行われている。
【0010】
ここで、本明細書においては、電流駆動型発光素子において陰極と陽極との間に形成される全ての層を「発光部」と総称するものとする。また、電流駆動型発光素子が有機EL素子である場合には、この発光部を特に「EL層」と称するものとする。EL層には、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が含まれる。
【0011】
図6および図7は、有機EL素子の断面構造を概略的に示す。図6に示す有機EL素子30は、ガラス基板やプラスチック基板といった透光性を有する電気絶縁性基板1に透光性電極33を形成し、その上にEL層35および対向電極37を順次形成することによって製造される。
【0012】
この有機EL素子30は、EL層35からの発光E1を電気絶縁性基板1側から取り出すものであり、「ボトムエミッションタイプ」と呼ばれることもある。一般には、透光性電極33を陽極とし、対向電極37を陰極として用いる。対向電極37は、金属で形成された非透光性電極であることが多い。
【0013】
図7に示す有機EL素子40は、電気絶縁性基板1に電極43を形成し、その上にEL層45および透光性対向電極47を順次形成することによって製造される。
【0014】
この有機EL素子40は、EL層45からの発光E2を電気絶縁性基板1とは反対側から取り出すものであり、「トップエミッションタイプ」と呼ばれることもある。電気絶縁性基板1および電極43の少なくとも一方は非透光性であることが好ましく、電極43は、金属で形成された非透光性電極であることが多い。
【0015】
EL層35、45は、当該EL層35、45の材料として低分子材料を用いる場合には一般に真空蒸着法によって形成され、高分子材料を用いる場合には、溶液化してスピンコート法や印刷法、転写法によって形成される。表示装置の画素を形成する場合のように多数のEL層35、45を一度に形成する場合、個々のEL層35、45の材料として低分子材料を用いるときには例えばマスク蒸着法が適用され、高分子材料を用いるときには例えばインクジェット法や印刷法、転写法等が用いられる。近年では、塗付可能な低分子材料も報告されている。
【0016】
有機EL素子30、40は、電極間(陽極と陰極との間)に電圧が印加されてEL層35、45に電流が流れることで発光する。従来は、一重項励起状態から基底状態に戻る際の蛍光発光のみを利用していたが、最近の研究により、三重項励起状態から基底状態に戻る際の燐光発光を有効に利用することができるようになり、発光効率が向上している。
【0017】
図6および図7には示していないが、有機EL素子30、40は一般に水分や酸素による特性劣化が著しいため、いわゆる封止を行って、その信頼性を確保している。有機EL素子30、40の封止は、当該有機EL素子30、40が水分や酸素に触れないように、例えば、電気絶縁性基板1と別基板とを用いて有機EL素子30、40が収容された空間を形成し、当該空間内に不活性ガスを充填することによって行われたり、有機EL素子30、40を蒸着薄膜で覆うことによって行われたりする。
【0018】
有機EL素子30、40を画素として用いて、フルカラー表示の表示装置を得ることができる。フルカラー化の方法としては、発光色が赤色、緑色、および青色の各有機EL素子を表示装置の画素毎に精密に配置する3色並置方式の他に、発光色が白色の有機EL素子と原色(赤色、緑色、および青色)系のカラーフィルター(CF)とを組み合わせるCF方式や、発光色が青色の有機EL素子と赤色および緑色の各蛍光変換色素フィルターとを組み合わせるCCM(color Changing Medium)方式がある。
【0019】
有機EL素子30、40を画素として用いた表示装置は、LCDと同様に、駆動方法によってパッシブマトリクス方式とアクティブマトリクス方式とに大別することができる。
【0020】
パッシブマトリクス方式の表示装置では、多数の有機EL素子30または有機EL素子40を行列状に配置するにあたって、例えば素子行毎に透光性電極33もしくは電極43が1本形成されると共に、素子列毎に対向電極37、47が1本形成され、これらの電極の平面視上の交差部それぞれに、当該透光性電極33もしくは電極43と対向電極37、47とによって挟持されるEL層35、45が形成される。
【0021】
この方式の表示装置は、構造が簡単であるという利点を有してはいるももの、時分割走査によって画像を表示するためは、アクティブマトリクス方式の表示装置に比べて走査線の本数倍だけ個々の有機EL素子30、40の瞬間輝度を高めなければならないという難点を有している。例えばVGA(Video Graphics Array)以上の解像度を有する表示装置を得るためには、個々の有機EL素子30、40の瞬間輝度を10000cd/m以上にすることが望まれる。
【0022】
一方、アクティブマトリクス方式の表示装置では、例えば個々の有機EL素子30、40毎に透光性電極33もしくは電極43が1つ形成され、大形の1つの導電膜が全ての有機EL素子30、40に共通の対向電極37、47として形成される。また、有機EL素子30、40の動作を制御するために、個々の有機EL素子30、40にスイッチング回路部が1つずつ配置される。各スイッチング回路部は、例えば複数の半導体スイッチング素子によって構成されて、素子行毎に配置された走査線から供給される画素選択信号と素子列毎に配置されたデータ線から供給される画像信号とに応じて、当該スイッチング回路部に対応する有機EL素子30、40の動作を制御する。
【0023】
この方式の表示装置は、パッシブマトリクス方式の表示装置に比べて構造が複雑ではあるももの、個々の有機EL素子30、40の発光輝度をそれほど高めなくてよい、消費電力を抑えることができる、画素間のクロストークが起こり難いといった多くの利点を有している。
【0024】
さらに、半導体スイッチング素子を形成するにあたって多結晶シリコン(ポリシリコン)膜や連続粒界シリコン(CGシリコン)膜を用いると、これらの膜はアモルファスシリコン膜よりも電荷移動度が高いので、動作速度の速いスイッチング素子を形成することができ、その結果として、各種の制御回路を画素と共に一つの基板上に形成して表示装置の小型化、低コスト化、多機能化等を図り易くなる。また、多結晶シリコン膜や連続粒界シリコン膜を用いて形成した半導体スイッチング素子は、大電流処理が可能であるので、電流駆動型素子である有機EL素子の駆動制御に適している。
【0025】
アクティブマトリクス方式の表示装置における画素をトップエミッションタイプの有機EL素子40によって構成すると、スイッチング回路部やバスラインといった回路構成部材によって発光面積率が制限されないので、より多機能で複雑な回路を電気絶縁性基板1に形成し易くなる。
【0026】
図8は、有機EL素子30を画素として用いたアクティブマトリクス方式の表示装置100における画素回路の構成例を示す。
【0027】
同図に示すように、表示装置100では多数の有機EL素子30が行列状に配置列され、各素子行に1本ずつ、当該素子行に沿って走査線11が配されていると共に、各素子列に1本ずつ、当該素子列に沿ってデータ線13と電源供給線15とが配されている。
【0028】
実際の表示装置100では、走査線11は、隣り合う素子行同士の間に平面視上位置しており、データ線13および電源供給線15は、隣り合う素子列同士の間に平面視上位置している。
【0029】
個々の有機EL素子30に1つずつ、スイッチング回路部20が接続されている。図示のスイッチング回路部20は、第1薄膜トランジスタ21と、第2薄膜トランジスタ25と、第1薄膜トランジスタ21および第2薄膜トランジスタ25に接続されたゲート保持容量29とによって構成されている。ゲート保持容量29は、電源供給線15とも接続されている。
【0030】
第1薄膜トランジスタ21におけるゲートと、当該第1薄膜トランジスタ21を含んでいるスイッチング回路部20に対応する走査線11とが電気的に接続され、第1薄膜トランジスタ21のソースはデータ線13に、ドレインはゲート保持容量29に電気的に接続される。また、第2薄膜トランジスタ25におけるゲートは、当該第2薄膜トランジスタ25に対応している第1薄膜トランジスタ21とゲート保持容量29とを接続する配線23dに電気的に接続され、この第2薄膜トランジスタ25のソースは電源供給線15に、ドレインは有機EL素子30に電気的に接続される。
【0031】
所定の走査線11に画素選択信号を供給すると、当該走査線11に接続されている各第1薄膜トランジスタ21のゲートが開になる。また、所定のデータ線13に画像信号を供給すると、上記画素選択信号によってゲートが開になった第1薄膜トランジスタ21に対応している第2薄膜トランジスタ25のゲートが、前記画像信号の大きさ応じてアナログ的に開になる。第2薄膜トランジスタ25のゲートの開き具合は、当該第2薄膜トランジスタ25に対応するゲート保持容量29によって保持される。この状態で電源供給線15に電圧を印加すると、ゲートが開になった第2薄膜トランジスタ25に接続されている有機EL素子30へ、当該第2薄膜トランジスタ25のゲートの開き具合に応じた値の電流が電源供給線15から流れ、有機EL素子30が発光する。すなわち、上記画像信号の大きさに応じて有機EL素子30が発光する。
【0032】
上述した構成を有する表示装置100は、アクティブマトリクス方式であることから、前述した種々の利点を有している。しかしながら、この表示装置100は、有機EL素子が電流駆動型発光素子であること、および、有機EL素子の発光効率がそれ程高くないことから、特に精細化あるいは大型化を図ったときには駆動が困難になる。
【0033】
有機EL素子は前述のように低電圧で駆動させることができるが、このことは、発光効率が同じであれば駆動電流が多く必要であることを意味する。表示装置の効率は、下式で表される発光効率で示すことができる。
【0034】
発光効率(lm/W)=輝度(cd/m2)・π/[(電圧(V)・電流密度(A/m2)]表示装置に対しては、一般には2lm/W以上の発光効率を有していることが求められる。このような発光効率を有機EL表示装置において得るためには、個々の有機EL素子について概ね100cd/m以上の輝度を得ることが必要であり、そのためには、各有機EL素子での電流密度を15A/m以上にすることが必要となる。
【0035】
15A/mという電流密度は、他の自発光型表示装置の画素、例えば無機EL表示装置の画素やプラズマディスプレイの画素での電流密度1〜2A/mと比べて、極めて大きな値である。LCDは原理的に電界駆動型であるので、個々の画素に電流を流す必要が殆どない。
【0036】
有機EL表示装置において個々の有機EL素子に上述のような大電流を供給するためには、電源供給線の配線抵抗を小さくすることが非常に重要である。この配線抵抗が高いと、電源供給端子に近い側において電源供給線に接続さている有機EL素子には十分な電流を供給することができても、電源供給端子に遠い側において電源供給線に接続さている有機EL素子には、電圧降下によって十分な電流を供給することができなくなり、表示ムラが生じる。電源供給線の配線抵抗を小さくすることの重要性は、画素数が多くなるほど、また表示画面が大きくなるほど高まる。
【0037】
例えば、特許文献1には、隣り合う素子列同士の間のみならず、隣り合う素子行同士の間にも電源供給線を配置することによって、個々の有機EL素子に大電流を供給可能にした有機EL表示装置が記載されている。
【0038】
また、特許文献2には、基板の周回において電源供給線をまとめて取り出した有機EL表示装置が記載され、特許文献3には、電源供給線の両端を電源端子に接続した有機EL表示装置が記載されている。これら特許文献2および特許文献3に記載されている有機EL表示装置では、いずれも、電源からみた電源供給線の実質的長さを短くすることによって、電源供給線の配線抵抗を低減している。
【0039】
しかしながら、これら特許文献1〜特許文献3に記載されているいずれの有機EL表示装置においても、精細化や大画面化を図るうえからは、電源供給線の配線抵抗が比較的高い。
【0040】
有機EL表示装置の回路構成、駆動方法としては、上述した以外にも、個々のスイッチング回路部における薄膜トランジスタの数を更に多くしたもの(非特許文献1参照)や、デジタル階調を行うもの(非特許文献2および非特許文献3参照)が知られているが、いずれも、精細化や大画面化を図るうえからは、電源供給線の配線抵抗が比較的高い。
【0041】
【特許文献1】
特開2002−32037号公報
【特許文献2】
特開2002−40961号公報
【特許文献3】
特開2002−108262号公報
【非特許文献1】
Yumotoら、「Pixel-Driving Methods for Large-Sized Poly-Si AM-OLED Displays」、Asia Display/IDW'01、P.1395-1398.
【非特許文献2】
Mizukamiら、「6-bit Digital VGA OLED」、SID'00、P.912−915.
【非特許文献3】
Miyashitaら、「Full Color Displays Fabricated by Ink-Jet Printing」、Asia Display/IDW'01、P.1399−1402.
【0042】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、画素として機能する電流駆動型発光素子の各々に大電流を供給することが容易な表示装置、および当該表示装置を備えた電子機器の提供を主目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載するように、電気絶縁性基板と、該電気絶縁性基板上に行列状に配列された多数個の電流駆動型発光素子と、1つの素子行に少なくとも1本ずつ配置された走査線と、1または2つの素子列に少なくとも1本ずつ配置されたデータ線と、上記電気絶縁性基板上に配置された電源供給線と、少なくとも1個の電流駆動型発光素子に少なくとも1つずつ配置されて、上記走査線に供給される画素選択信号および上記データ線に供給される画像信号に応じて上記電流駆動型発光素子と上記電源供給線との導通を制御することができるスイッチング回路部とを備え、上記スイッチング回路部が複数のスイッチング素子を含む表示装置であって、上記電流駆動型発光素子の各々は、上記電気絶縁性基板側に配置された第1電極と、該第1電極上に積層された発光部と、該発光部上に形成された第2電極とを有し、上記電源供給線は、平面視上、複数個の上記電流駆動型発光素子が配置されることになる領域を覆うようにして上記電気絶縁性基板の一表面に面状に形成され、該電源供給線と上記第1電極とが平面視上重なり、かつ、上記電源供給線が透光性を有し、上記発光部からの発光を該電気絶縁性基板側から取り出すことを特徴とする表示装置を提供する。
【0044】
電源供給線を上記のように形成することにより、表示装置の精細化や大画面化を図った場合でも電源供給線の配線抵抗を低減させることが容易になり、その分、各電流駆動型発光素子に大電流を供給することが容易になる。
【0045】
個々の電流駆動型発光素子に大電流を供給することができれば、表示ムラが生じることが抑制される他に、各電流駆動型発光素子の輝度の向上によって再現可能な階調や色範囲等の幅が広がるので、高画質の表示装置を得易くなる。
【0046】
上記請求項1に記載の表示装置においては、請求項に記載するように、上記電源供給線と上記スイッチング素子とを、平面視上、互いに離隔させることが好ましい。
【0047】
ここで、本明細書でいう「電源供給線とスイッチング素子とが、平面視上、互いに離隔している」とは、スイッチング素子に接続されている配線を除き、当該スイッチング素子と電源供給線とが、平面視上、互いに離隔していることを意味する。
【0048】
電源供給線とスイッチング素子とが重なるようにこれらを配置すると、寄生容量の発生等によって表示装置の信頼性が低下することがある。上述のように電源供給線とスイッチング素子とを配置することにより、信頼性の高い表示装置を製造し易くなる。
【0049】
また、上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の表示装置においては、請求項に記載するように、上記電源供給線と上記走査線または上記データ線とを、電気的絶縁膜を介して積層することが好ましい。電源供給線と走査線またはデータ線とをこのように形成することにより、電源供給線の平面視上の幅を広げ易くなるので、当該電源供給線の配線抵抗を低減させ易くなる。
【0050】
上記請求項1から請求項のいずれかの請求項に記載した表示装置においては、請求項に記載するように、上記第2電極に透光性を付与して、上記発光部からの発光を上記第2電極側から取り出すように構成することができる。表示装置をこのように構成すると、スイッチング回路部や走査線、データ線等の回路構成部材によって発光面積率が制限されなくなるので、より多機能で複雑な回路を上記の電気絶縁性基板に形成し易くなる。
【0052】
上記請求項1から請求項のいずれかの請求項に記載した表示装置においては、請求項に記載するように、上記電流駆動型発光素子として有機EL素子を用いることが好ましい。有機EL素子は駆動電圧が低いので、当該有機EL素子を用いることによって、電源電圧の上限が制限される電池駆動式の携帯電子機器の表示装置に好適な表示装置を得易くなる。また、商用電源によって駆動される表示装置を得る場合でも、有機EL素子の駆動電圧が低いことから、表示装置内で所望の電源電圧を得るための電源回路の構成が容易になる。
【0053】
本発明はまた、上記課題を解決するために、請求項に記載するように、表示装置を備えた電子機器であって、上記表示装置が上記請求項1から上記請求項までのいずれかの請求項に記載された表示装置であることを特徴とする電子機器を提供する。
【0054】
上記請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載された表示装置は、電流駆動型発光素子を用いた自発光型表示装置であるので、この表示装置を電子機器の表示装置として用いることにより、受光型表示装置を用いた場合に比べて当該電子機器の消費電力を低減させることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、本発明の表示装置の構成部材について説明し、その後、電流駆動型発光素子として有機EL素子を用いた場合を例にとり、図面を用いて各構成部材の具体的な配置について説明する。次いで、本発明の電子機器の実施形態について説明する。
【0056】
1.表示装置
本発明の表示装置は、前述したように、電気絶縁性基板、電流駆動型発光素子、走査線、データ線、電源供給線、およびスイッチング回路部を備えている。以下、各構成部材について説明する。
【0057】
A.電気絶縁性基板
電気絶縁性基板は、他の構成部材を実装するためのものであり、当該電気絶縁性基板としては、例えばガラス基板、ガラスフィルム、合成樹脂基板、合成樹脂フィルム等を用いることができる。
【0058】
電流駆動型発光素子からの発光を電気絶縁性基板側から取り出す場合には、当該電気絶縁性基板として、前記発光に対して透光性を有するものを用いる。
【0059】
電流駆動型発光素子を構成する後述の第2電極側から前記発光を取り出す場合には、電気絶縁性基板は前記発光に対して透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。ただし、この場合には、後述する電源供給線を前記発光に対して非透光性にすることが好ましい。
【0060】
B.電流駆動型発光素子
電流駆動型発光素子としては、有機EL素子、LED(発光ダイオード)素子等を用いることができる。
【0061】
低電圧での駆動が容易であるという観点から、電流駆動型発光素子としては、有機EL素子が最も好ましい。
【0062】
C.走査線およびデータ線
走査線は、各電流駆動型発光素子に素子行単位で画素選択信号を供給するために、1つの素子行に少なくとも1本ずつ配されるものであり、アルミニウム(Al)、アルミニウムとニオブ(Nb)との合金、クロム(Cr)等の導電性材料によって形成することができる。
【0063】
データ線は、各電流駆動型発光素子に素子列単位で画像信号を供給するためのものであり、走査線と同様に導電性材料によって形成することができる。
【0064】
電流駆動型発光素子をモザイク型に配置する場合のように、多数個の電流駆動型発光素子を正方行列(ただし、行数と列数とが異なる場合を含むものとする。)に配置する場合には、1つの素子列に少なくとも1本ずつ、データ線が配置される。一方、電流駆動型発光素子をトライアングル型に配置する場合のように、1つの素子行と当該素子行に隣接する素子行とで電流駆動型発光素子の配置が略1/2ピッチずれるように多数個の電流駆動型発光素子を配置する場合には、2つの素子列に少なくとも1本ずつ、データ線を配置することができる。
【0065】
なお、本明細書においては、1つの素子行と当該素子行に隣接する素子行とで電流駆動型発光素子の配置が略1/2ピッチずれるように配列された多数個の電流駆動型発光素子も、「行列状に配列された多数個の電流駆動型発光素子」に含まれるものとする。
【0066】
D.電源供給線
電源供給線は、各電流駆動型発光素子に駆動電流を供給するためのものであり、平面視上、素子行同士のピッチまたは素子列同士のピッチよりも幅広の面状に形成される。
【0067】
この電源供給線は、上記の走査線と同様に導電性材料によって形成することができる。配線抵抗をできるだけ低くするうえから、Al、Cu、Ag等、導電性の高い材料によって形成することが好ましい。
【0068】
電流駆動型発光素子からの発光を述した電気絶縁性基板側から取り出す場合には、電源供給線を前記発光に対して透光性にすることが好ましい。透光性を有する電源供給線は、その材質または膜厚を適宜選定することによって得ることができる。
【0069】
E.スイッチング回路部
スイッチング回路部は、走査線に供給される画素選択信号とデータ線に供給される画像信号とに応じて、電流駆動型発光素子と電源供給線との導通を制御するためのものである。
【0070】
このスイッチング回路部は、薄膜トランジスタ、ダイオード等の半導体スイッチング素子を用いて構成することができる。例えば半導体スイッチング素子として薄膜トランジスタを用いる場合には、少なくとも2つの薄膜トランジスタを組み合わせてスイッチング回路部を構成することが好ましい。必要に応じて、特定の薄膜トランジスタのゲートの開き具合を保持するためのゲート保持容量を併用することができる。
【0071】
以下、図6に示したタイプの有機EL素子30を電流駆動型発光素子として用いた場合を例にとり、3つの実施形態を挙げて各構成部材の具体的な配置について説明する。
【0072】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の表示装置での走査線、データ線、電源供給線、スイッチング回路部、および、有機EL素子を構成する透光性電極(第1電極)の平面配置を概略的に示す。また図2は、図1に示したII−II線断面を概略的に示す。
【0073】
これらの図面に示す構成部材のうち、図6または図8に示した構成部材と機能上共通する構成部材については、電源供給線を除いて、図6または図8で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0074】
図1および図2に示す表示装置60では、透光性を有する電気絶縁性基板1の一表面上に走査線11、データ線13、電源供給線17、スイッチング回路部20、および、有機EL素子30が配置される。
【0075】
電源供給線17は、電気絶縁性基板1を平面視したときに多数個の有機EL素子30が配置されることになる領域を略覆うようにして、上記の一表面に面状に形成されている。図1においては、便宜上、電源供給線17にスマッジングを付してある。
【0076】
この電源供給線17の所定箇所には、後述するスイッチング素子(第1および第2薄膜トランジスタ)と当該電源供給線17とが平面視上離隔するように、開口部17aが設けられている。
【0077】
データ線13は、電源供給線17上に電気的絶縁膜50を介して形成され、走査線11は、電源供給線17上およびデータ線13上の所定領域に形成された電気的絶縁膜51上に形成されている。
【0078】
スイッチング回路部20は、第1薄膜トランジスタ21、第2薄膜トランジスタ25、およびゲート保持容量29によって構成されている。
【0079】
第1薄膜トランジスタ21は、電気絶縁性基板1の上記一表面上に形成された半導体層22を有し、この半導体層22には、チャネル領域、ソース領域、およびドレイン領域が形成されている。ゲート絶縁膜23iが、第1薄膜トランジスタ21のチャネル領域上に形成されている。
【0080】
配線23gの一端がゲート絶縁膜23i上に配され、当該配線23gの他端は走査線11に接続されている。配線23gにおけるゲート絶縁膜23i上の領域が、第1薄膜トランジスタ21のゲート電極として機能する。半導体層22のソース領域は配線23sによってデータ線13に電気的に接続され、ドレイン領域は配線23dによってゲート保持容量29に電気的に接続される。
【0081】
第1薄膜トランジスタ21と同様に、第2薄膜トランジスタ25は、電気絶縁性基板1の上記一表面上に形成された半導体層26を有し、この半導体層26にもチャネル領域、ソース領域、およびドレイン領域が形成されている。ゲート絶縁膜27iが、第2薄膜トランジスタ25のチャネル領域上に形成されている。
【0082】
配線27gの一端がゲート絶縁膜27i上に配され、当該配線27gの他端は配線23dに接続されている。配線27gにおけるゲート絶縁膜27i上の領域が、第2薄膜トランジスタ25のゲート電極として機能する。半導体層26のソース領域は配線27sによって電源供給線17に電気的に接続され、ドレイン領域は配線27dを介して透光性電極33に電気的に接続される。配線27dと電源供給線17とは、電気的絶縁膜52によって、電気的に分離されている。
【0083】
透光性電極33は、電源供給17と平面視上重なるようにして、当該電源供給線17の上方に配置されている。
【0084】
なお、図1においては、便宜上、電気的絶縁膜50、51、52、およびゲート絶縁膜23i、27iにハッチングを付してある。
【0085】
図2に示すように、上述した走査線11、データ線13、電源供給線17、スイッチング回路部20、および電気的絶縁膜50〜52は、例えば感光性ポリイミドによって形成されたパッシベーション膜54によって覆われている。パッシベーション膜54の上面は平坦面となっており、当該上面に透光性電極33が形成されている。透光性電極33と前述の配線27dとは、パッシベーション膜54の所定箇所に形成されたコンタクトプラグ55によって電気的に接続されている。
【0086】
透光性電極33上にEL層35が形成され、当該EL層35の上面とパッシベーション膜54の上面との段差は、例えば感光性樹脂で形成されたエッジ絶縁膜56によって埋められている。エッジ絶縁膜56は、電極エッジ部の電界集中によって透光性電極(第1電極)33と対向電極(第2電極)37との間で絶縁不良が生じる所謂電極間リークを防ぐためのものである。
【0087】
有機EL素子30を構成する対向電極(第2電極)37は、EL層35の上面に接するようにして、EL層35およびエッジ絶縁膜56を覆っている。
【0088】
有機EL素子30を封止するために、対向電極37上には、紫外線硬化型のシール材58によって、ガラス板59が固着されている。
【0089】
このように構成されている表示装置60では、前述のように電源供給線17が面状に形成されているので、表示装置60の精細化や大画面化を図った場合でも電源供給線17の配線抵抗を低減させることが容易であり、その分、各有機EL素子30に大電流を供給することが容易である。
【0090】
個々の有機EL素子30に大電流を供給することができれば、表示ムラの発生が抑制され、また、各有機EL素子30の輝度の向上によって再現可能な階調や色範囲等の幅が広がるので、表示装置60の画質を高め易くなる。
【0091】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の表示装置70での走査線、データ線、電源供給線、スイッチング回路部、および、有機EL素子を構成する透光性電極(第1電極)の平面配置を概略的に示す。
【0092】
同図に示す構成部材のうち、図1または図2に示した構成部材と機能上共通する構成部材については、電源供給線を除いて、図1または図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0093】
図示の表示装置70は、電源供給線18が1つの素子行に1本ずつ配置されているという点で、第1実施形態の表示装置60と大きく異なる。個々の電源供給線18は、素子行同士のピッチよりも幅広の面状に形成されており、当該電源供給線18は、対応する素子行中の各透光性電極(第1電極)33と平面視上重なっている。ただし、第1薄膜トランジスタ21および第2薄膜トランジスタ25とは、平面視上、互いに離隔している。
【0094】
電源供給線18が上述のように形成されていることに伴って、走査線11は、データ線13との平面視上の交差部およびその近傍を除き、電気絶縁性基板1の一表面上に直に形成されている。電気的絶縁膜51は、走査線11とデータ線13との平面視上の交差部およびその近傍に形成されており、当該電気的絶縁膜51によって走査線11とデータ線13とが電気的に分離されている。データ線13は、素子行同士の間において、電気絶縁性基板1の一表面上に直に形成されている。表示装置70における他の構成は、第1実施形態の表示装置60の構成と同様である。
【0095】
このような構成を有する表示装置70は、第1実施形態の表示装置60に比べれば電源供給線18の配線抵抗が高いが、従来の有機EL表示装置に比べれば、電源供給線18の配線抵抗が低い。
【0096】
したがって、当該表示装置70では、従来の有機EL表示装置に比して、精細化や大画面化を図った場合でも電源供給線18の配線抵抗を低減させることが容易であり、その分、各有機EL素子30に大電流を供給することが容易である。その結果として、各有機EL素子30の輝度を向上させることができ、これに伴って画質を高め易い。
【0097】
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態の表示装置80での走査線、データ線、電源供給線、スイッチング回路部、および、有機EL素子を構成する透光性電極(第1電極)の平面配置を概略的に示す。
【0098】
同図に示す構成部材のうち、図1または図2に示した構成部材と機能上共通する構成部材については、電源供給線を除いて、図1または図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0099】
図示の表示装置80は、電源供給線19が1つの素子列に1本ずつ配置されているという点で、第1実施形態の表示装置60と大きく異なる。
【0100】
個々の電源供給線19は、素子列同士のピッチよりも幅広の面状に形成されており、当該電源供給線19は、対応する素子列中の各透光性電極(第1電極)33と平面視上重なっている。ただし、第1薄膜トランジスタ21および第2薄膜トランジスタ25とは、平面視上、互いに離隔している。
【0101】
電源供給線19が上述のように形成されていることに伴って、データ線13は、電気絶縁性基板1の一表面上に直に形成されている。走査線11は、電気絶縁性基板1の一表面上に直に形成されている領域を含んでいる。表示装置80における他の構成は、第1実施形態の表示装置60の構成と同様である。
【0102】
このような構成を有する表示装置80は、第1実施形態の表示装置60に比べれば電源供給線19の配線抵抗が高いが、従来の有機EL表示装置に比べれば、電源供給線19の配線抵抗が低い。
【0103】
したがって、当該表示装置80は、第2実施形態の表示装置70と同様の技術的効果を奏する。
【0104】
なお、前述した第1実施形態の表示装置60では、電源供給線17の形成後に走査線11、データ線13、およびスイッチング回路部20を構成する各配線を形成する構造となっているが、走査線11、データ線13、およびスイッチング回路部20を構成する各配線を形成した後に電気絶縁膜を介して電源供給線17を形成する構造とすることもできる。同様のことが、第2実施形態の表示装置70および第3実施形態の表示装置80についてもいえる。
【0105】
2.電子機器
本発明の電子機器は、表示装置として前述した本発明の表示装置を備えたものである。この電子機器は、表示装置を搭載することができるものであれば基本的にどのような用途のものであってもよい。
【0106】
本発明の表示装置の特徴を活かすうえからは、画像表示が望まれる用途の電子機器、例えば図5(A)に概略的に示す携帯電話210、図5(B)に概略的に示す携帯端末220、図5(C)に示すモニタ(テレビ受像機やコンピュータの表示装置等)230、図5(D)に概略的に示すデジタルカメラ240等であることが特に好ましい。なお、図5(A)〜図5(D)においては、本発明の表示装置を参照符号200で示している。
【0107】
以上、本発明の表示装置および電子機器に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態は例示であり、本明細書の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様の効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0108】
【実施例】
以下、図1、図2、図6、または図7で用いた参照符号を適宜引用しつつ実施例を挙げて、本発明について更に詳述する。
【0109】
<実施例1>
図7に示した有機EL素子40を用いた以外は図1および図2に示した表示装置60と同様の構成を有する表示装置を、下記の要領で作製した。
【0110】
まず、電気絶縁性基板1として、対角17インチ(約425mm)のガラス基板(平面視上の大きさは300mm×370mm)を用意した。
【0111】
このガラス基板の一表面上にポリシリコン膜を成膜し、所定のイオン注入および注入したイオンの活性化を行って、第1薄膜トランジスタ21用の半導体層22および第2薄膜トランジスタ25用の半導体層26を作製した。
【0112】
次いで、上記の一表面上に膜厚200nmのアルミニウム膜をスパッタ法によって成膜した後にパターニングして、電源供給線17を得た。
【0113】
電気的絶縁膜50、51、52としてシリコン酸化膜を形成し、アルミニウムを材料として用いて、走査線11、データ線13、スイッチング回路部20を構成する各配線、およびゲート保持容量29を形成した。アルミニウムに代えて、アルミニウムとニオブとの合金や、クロム等を使用してもよい。
【0114】
次いで、感光性ポリイミドを用いてパッシベーション膜54を形成してから、当該パッシベーション膜54に、コンタクトプラグ55を形成するためのコンタクトホールを形成した。
【0115】
スパッタリング法によって、パッシベーション膜54上にアルミニウムとITO(インジウム・錫酸化物)とがこの順番で積層された積層物を形成し、この積層物をパターニングして、有機EL素子40用の電極(第1電極)43を得た。上記の積層物を形成するにあたっては、パッシベーション膜54に形成したコンタクトホール内にも当該積層物が堆積してコンタクトプラグ55が形成されるように条件を選択した。
【0116】
感光性樹脂を用いて膜厚1μmのエッジ絶縁膜56を形成した後、各第1電極43上に赤色光用、緑色光用、または青色光用のEL層45をマスク蒸着によって形成し、その上に金(Au)とITOとの積層物によって対向電極(第2電極)47を形成した。
【0117】
赤色光用のEL層45は、正孔注入層として機能するTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチル−フェニル)−1,1−ジフェニル−4,4’−ジアミン)層を形成した後、その上に、赤色発光用の発光層を積層することによって形成した。このときの発光層の材料としては、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)にDCM(ジシアノメチレンピラン誘導体)を1.0wt%添加した物質を用いた。
【0118】
緑色光用のEL層45は、正孔注入層として機能するTPD層上に、発光層として機能するAlq層を積層することによって形成した。
【0119】
青色光用のEL層45は、正孔注入層として機能するTPD層上に、発光層として機能するDPVBi(1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル)層を積層することによって形成した。
【0120】
なお、TPD層を形成するにあたっては、高真空下で予熱を十分に行った昇華精製装置で精製したTPDを用い、このTPDをタングステンボードに装荷して、抵抗加熱法により50nmの膜厚に成膜した。また、発光層を形成するにあたっては、昇華精製された発光材料を石英ボードに装荷し、抵抗加熱法により30nmの膜厚に成膜した。
【0121】
この後、別途用意したガラス板59を紫外線硬化型のシール材58によって対向電極(第2電極)47上に固着して封止を行い、有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置では、ガラス基板59側が画面となる。
【0122】
この有機EL表示装置は、XGA(768×1024)規格の画素設計となっており、個々の画素は、発光色が赤色、緑色、および青色のサブピクセル(有機EL素子)を1つずつ有している。
【0123】
このようにして作製した有機EL表示装置に映像信号を入力し、個々の有機EL素子40における電極(第1電極)43を陽極、対向電極(第2電極)47を陰極にして表示装置を駆動したところ、画面全体で均一な画像表示を行うことができた。
【0124】
<比較例>
電源供給線の形状を、隣り合う素子列同士の間に当該電源供給線が平面視上位置することになるように変更した以外は実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
【0125】
この有機EL表示装置に映像信号を入力し、駆動したところ、電源入力端子から遠い側で電源供給線に接続されている有機EL素子の輝度が低下してしまい、均一な画像表示を行うことができなかった。
【0126】
<実施例2>
電源供給線の材料としてITOを用い、かつ、個々の有機EL素子を図6に示したタイプに変更した以外は実施例1と同様にして、有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置では、電気絶縁性基板1側が画面となる。
【0127】
なお、この表示装置において個々の有機EL素子を構成している透光性電極(第1電極)33はITOによって形成され、対向電極(第2電極)37は、EL層上に膜厚150nmのマグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金層(Mg:Ag=10:1)と膜厚200nmの銀(Ag)層をこの順番で積層することによって形成されている。銀(Ag)層は、保護層として機能する。
【0128】
このように作製した有機EL表示装置に映像信号を入力し、透光性電極(第1電極)33を陽極、対向電極(第2電極)37を陰極にして表示装置を駆動したところ、実施例1の有機EL表示装置と同様に画面全体で均一な画像表示を行うことができた。
【0129】
<実施例3>
TPDに代えてPEDOT(ポリ(エチレンジオキシドチオフェン)):バイエルン社製のCH8000)を用いると共に、赤色光、緑色光、および青色光用の発光材料として下記の物質を用い、これらを用いて下記の条件の下に正孔注入層および発光層を形成し、さらに、カルシウム(Ca)層上に銀(Ag)層を積層することによって陰極を形成し、他は実施例1または実施例2と同様にして、有機EL表示装置を得た。
【0130】
(i)正孔注入層の形成条件
スピンコート法によってPEDOTを80nmの膜厚で塗布し、その後、160℃で焼成して、正孔注入層を形成した。
【0131】
(ii)発光層の形成条件
70重量部のポリビニルカルバゾールと、30重量部のオキサジアゾール化合物と、1重量部の蛍光色素とを4900重量部のモノクロロベンゼンに溶解させてコーティング溶液を調製し、このコーティング溶液をインクジェット法によって所定箇所に塗布することによって、発光層を形成した。このとき、赤色光用の蛍光色素としてはDCMを用い、緑色光用の蛍光色素としてはクマリン6を用い、青色光用の蛍光色素としてはペリレンを用いた。
【0132】
このように作製した有機EL表示装置に映像信号を入力し、駆動したところ、実施例1または実施例2の有機EL表示装置と同様に、画面全体で均一な画像表示を行うことができた。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、電気絶縁性基板上に行列状に配列された多数個の電流駆動型発光素子によって表示を行う本発明の表示装置では、電源供給線が、平面視上、素子行同士のピッチまたは素子列同士のピッチよりも幅広の面状に形成され、かつ、当該電源供給線が、個々の電流駆動型発光素子において前記電気絶縁性基板に配置されている第1電極と平面視上重なる大きさを有しているので、表示装置の精細化や大画面化を図った場合でも電源供給線の配線抵抗を低減させることが容易であり、その分、各電流駆動型発光素子に大電流を供給することが容易である。その結果として、表示ムラがなく、再現可能な階調や色範囲等の幅が広い表示装置、および、このような表示装置を備えた電子機器を得ることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の表示装置での走査線、データ線、電源供給線、スイッチング回路部、および、有機EL素子を構成する透光性電極(第1電極)の平面配置を示す概略図である。
【図2】図1に示したII−II線断面の概略図である。
【図3】第2実施形態の表示装置での走査線、データ線、電源供給線、スイッチング回路部、および、有機EL素子を構成する透光性電極(第1電極)の平面配置を示す概略図である。
【図4】第3実施形態の表示装置での走査線、データ線、電源供給線、スイッチング回路部、および、有機EL素子を構成する透光性電極(第1電極)の平面配置を示す概略図である。
【図5】図5(A)〜図5(D)は、それぞれ、本発明による電子機器の一例を示す概略図である。
【図6】有機EL素子の一例を概略的に示す断面図である。
【図7】有機EL素子の他の一例を概略的に示す断面図である。
【図8】従来の有機EL表示装置の一例を示す等価回路図である。
【符号の説明】
1 … 電気絶縁性基板
11 … 走査線
13 … データ線
17、18,19 … 電源供給線
20 … スイッチング回路部
30、40 … 有機EL素子
33、43 … 第1電極
35、45 …EL層
37、47 … 第2電極
60、70、80、200 … 表示装置
210、220、230、240 … 電子機器

Claims (8)

  1. 電気絶縁性基板と、該電気絶縁性基板上に行列状に配列された多数個の電流駆動型発光素子と、1つの素子行に少なくとも1本ずつ配置された走査線と、1または2つの素子列に少なくとも1本ずつ配置されたデータ線と、前記電気絶縁性基板上に配置された電源供給線と、少なくとも1個の電流駆動型発光素子に少なくとも1つずつ配置されて、前記走査線に供給される画素選択信号および前記データ線に供給される画像信号に応じて前記電流駆動型発光素子と前記電源供給線との導通を制御することができるスイッチング回路部とを備え、前記スイッチング回路部が複数のスイッチング素子を含む表示装置であって、
    前記電流駆動型発光素子の各々は、前記電気絶縁性基板側に配置された第1電極と、該第1電極上に積層された発光部と、該発光部上に形成された第2電極とを有し、
    前記電源供給線は、平面視上、複数個の前記電流駆動型発光素子が配置されることになる領域を覆うようにして前記電気絶縁性基板の一表面に面状に形成され、該電源供給線と前記第1電極とが平面視上重なり、かつ、
    前記電源供給線が透光性を有し、前記発光部からの発光を該電気絶縁性基板側から取り出すことを特徴とする表示装置。
  2. 前記電源供給線が、素子行に一本ずつ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記電源供給線が、素子列に一本ずつ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記電源供給線と前記スイッチング素子とが、平面視上、互いに離隔していることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の表示装置。
  5. 前記電源供給線と前記走査線または前記データ線とが、電気的絶縁膜を介して積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の表示装置。
  6. 前記第2電極が透光性を有し、前記発光部からの発光を該第2電極側から取り出すことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の表示装置。
  7. 前記電流駆動型発光素子が有機エレクトロルミネセンス素子である請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載の表示装置。
  8. 表示装置を備えた電子機器であって、前記表示装置が前記請求項1から前記請求項までのいずれかの請求項に記載された表示装置であることを特徴とする電子機器。
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