JP4312889B2 - 光学媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学媒体、レーザ装置、光増幅器、および光学媒体の製造方法に係り、特に光ファイバレーザ発振器または光導波路レーザ発振器に用いるのに適したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信または光加工技術分野においては安価な高出力のレーザ光の発生装置が望まれている。
【0003】
ところで、従来より光ファイバレーザ発振器または光導波路型レーザ発振器は光を高密度に閉じ込めることでレーザ活性物質と光との相互作用を高め、かつ長さを長くすることで相互作用長を大きくとれるので高い効率をもち、導波モードとしてモードが空間的に限定されているので空間的に高品質のレーザ光を発生することができる。したがって安価でかつ質の良いレーザ光を得ることができる。レーザファイバの優位性を利用した高品質なレーザ光発生の手段としてレーザファイバの側面から励起光を導入する事で励起光の投入総量の拡張性を高めかつ出力レーザ光の集光性を高めることのできるレーザ装置形態が、例えば特開平10−135548号公報、特開平10−190097号公報に提案されている。
【0004】
これらの方法によれば側面から励起光をレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)する場合は通常、レーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)の直径(d)に比べて導波路長(L)が非常に長く、L/d>106以上もとれるので導波路の断面方向から励起光を導入する方法よりも非常に多くの励起エネルギーをファイバまたは導波路内に導入することが可能となる。しかも取り出すレーザ光はファイバの導波構造によって決定されるモードのみであるから近似的にはファイバからの出力光はファイバのコア径までは集光可能である。もし、ファイバがシングルモードのみを伝播するものであれば、取出し光は回折限界まで集光可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−135548号公報、特開平10−190097号公報に示される方法(以下構造体型ファイバレーザとする)は、あらかじめ作製したファイバを、基本的には一つながりのままで巻き付けたり、並べたりするなどして構成する。このとき、必要なファイバ長は数十mに及ぶが、これを切断せず、歩留まり良く作製する事に困難さがあった。石英ファイバは被覆が無い場合、その強度が経時変化によって非常に低下し、切断の危険性が高く、歩留まりの低下が予測される。また、巻き付けや並べが完了した後、樹脂や無機透明物質でのファイバとファイバとの空隙を埋める、ファイバとファイバを融着するなどの工程が必要であるが、脱泡が困難でそれが散乱源になって効率が落ちる、樹脂では耐熱性と耐レーザパワー性が比較的低く、信頼性を損ねるといった問題を有していた。
【0006】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消する解消して、歩留まり良く光学媒体を作製する事ができる光学媒体、レーザ装置、光増幅器、及び光学媒体の製造方法を提供することにある。また、側面励起の励起光導入の拡張性を保ちつつしかも空間的に高品質のモードを有する、集光能力が高く、結果として高出力、高輝度なレーザ装置を簡単にかつ高い信頼性で実現できる形態の光学媒体、レーザ装置、光増幅器、及び光学媒体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、励起光を供給したときに、レーザ光または増幅された光を出力光として出力する光学媒体において、前記レーザ光または増幅された光を導光するための導波構造として、複数の導光部と前記導光部の側面を覆うクラッドとを有する励起光吸収部材であって、部材一端部には各導光部の一端が配され、部材他端部には各導光部の他端が配され、前記導光部の少なくとも一部に活性物質を含む励起光吸収部材と、前記励起光吸収部材の部材一端部側または部材他端部側の少なくとも一方に取付けられ、少なくとも2つの導光部が一つながりの光路となるよう、導光部間を光学的に接続する接続導光部を有する接続部材とを備え、前記接続導光部が、前記導光部と等しいまたは略等しい径と開口数を有するか、または前記導光部と等しいまたは略等しいモードフィールド径を有することを特徴とする光学媒体である。
【0008】
一つの部材で導光部のループを形成するのではなく、励起光吸収部材とは別の部材でループ状の接続部材を形成するようにし、後にこれらを接続して導光部が一つながりの光路となるようしたので、もともと1本の長い導光部を一つながりのままで作製するものと比べて、巻き付けたり、並べたりなどしても切断される可能性が低く、歩留まり良く作製することができる。接続部材の接続導光部の側面を覆うようにクラッドを設け、励起光吸収部材の導光部間を光学的に接続する導波構造をもたせることもできる。
【0009】
また、接続導光部が導光部と略等しい径と開口数を有するか、導光部と略等しいモードフィールド径を有すると、端面の接続部分における損失を無視しうるほど小さくする事ができる。
【0010】
また、一般に活性物質が添加されていない導光部の方が、添加されている場合に比べ、損失が低いものが作りやすい。したがって励起光吸収部材以外の部材に、活性物質が無添加のものを使用することができ、そのため全体の損失(発生したレーザ光の)を低下させることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、励起光吸収部材の側面に、前記クラッドに前記活性物質を励起する励起光を導入する励起光導入口が設けられていることを特徴とする光学媒体である。導光部の側面が導光部よりも屈折率の低い物質で覆われていると、導光部の側面より導入された励起光を導光部に高密度に閉じこめることができる。その結果、側面励起の励起光導入の拡張性を保ちつつしかも空間的に高品質のモードを有する、集光能力が高く、結果として高出力、高輝度なレーザ装置を高い信頼性で実現できる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、前記導光部および接続導光部が光ファイバのコアであることを特徴とする光学媒体である。導光体および接続導光部をコアで構成すると、構成を簡素化できる。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、励起光吸収部材に接続部材が着脱可能に取り付けられていることを特徴とする光学媒体である。接続部材を容易に着脱できる結合にすることで拡張性を増すことができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、複数の接続部材を有し、励起光吸収部材の部材一端部及び/又は部材他端部に取り付けられる接続部材を交換することにより、光路または出力光の少なくとも一方を変更可能としたことを特徴とする光学媒体である。これによれば出力箇所を容易に増減したりできるので、用途による使い分けが容易になる。
【0015】
第6の発明は、第1〜第5の発明において、励起光吸収部材の少なくとも一部分がフレキシブルであることを特徴とする光学媒体である。これによれば励起光吸収部材の取扱いが容易となり、所定の形状に成形するのが容易になる。
【0016】
第7の発明は、第1〜第6の発明において、接続部材の少なくとも一部分がフレキシブルであることを特徴とする光学媒体である。これによれば接続部材の取扱いが容易となる。
【0017】
第8の発明は、第1〜第7の発明において、入射した励起光を略閉じ込め可能なことを特徴とする光学媒体である。光を閉じ込め可能にしたので、レーザ活性物質をコアに含ませた場合には、活性物質と光との相互作用を高め、また余すところなく利用することができる。
【0018】
第9の発明は、第1〜第8の発明のいずれかの光学媒体と、前記励起光を発生する励起光源とを有し、前記励起光を光学媒体中の活性物質に供給してレーザ光を出力するようにしたレーザ装置である。これによれば高出力、高輝度なレーザ装置が得られる。
【0019】
第10の発明は、第1〜第8の発明のいずれかの光学媒体と、前記励起光を発生する励起光源とを有し、前記励起光を光学媒体中の活性物質に供給して増幅された光を出力するようにした光増幅器である。これによれば増幅度の高い光増幅器が得られる。
【0020】
第11の発明は、レーザ光または増幅された光を出力する光学媒体の一部またはすべての部分を製造する光学媒体の製造方法において、ガラスからなる複数の光ファイバ用のプリフォームをバンドルまたはアレイ状に並べて同時に線引きし、側面同士が融着した状態の光ファイバを得、前記光ファイバを所定の長さに切断して、コア部分の少なくとも一部に活性物質を含む光学媒体の一部またはすべての部分とすることを特徴とする光学媒体の製造方法である。プリフォームを複数並べて同時に線引きする事により、全体を容易にガラス一体化成形できる。またコア部分の一部に活性物質を含ませるので、レーザ発振や光増幅を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
構造体型ファイバレーザの作製で障害となっているのがファイバを一つながりにしたまま、折り返して一体型に形成するということにある。一つながりであることからこれらを丸めたり並べたりするときに一箇所でも破断すると、その機能を失う。一つながりでまるめたり、並べたりする事は、そのひとつながりの長さが長いほど困難さが増す。しかし、必要なファイバ長を何らかの方法で短くすると、今度は高い励起光吸収能力を保ちつつ励起光の導入拡張性を保つ事ができなくなる。それは例えば励起光導入箇所での幅の減少、励起光導入箇所の数の制限などのためである。
【0023】
そこで実施の形態では、長さ的には比較的短く扱いが容易な範囲内でファイバの束(バンドル)或いはファイバアレイを複数個作製し、これらを励起光吸収部材と、レーザ出力ループ部分とに分けた特徴を持つ部品を作製し、後にそれぞれを接合して、結果として一つながりのコアを持つ構造体型ファイバレーザを作製するようにしている。
【0024】
光学媒体を作製するために、まずレーザファイバのプリフォームを複数本横に束状に、またはアレイ状に並べ、少なくともその端面部分を励起光波長の光に対して透明な物質(無機、有機を問わない)で埋めて一体化するか、あるいはファイバ同士を加熱融着して光学的にクラッドとクラッドの隙間が無いようにする。
【0025】
図1に、導光部となるドープコア11とクラッド15とからなるファイバ同士をアレイ状に並べて加熱融着して、ファイバ間のクラッド15とクラッド15の隙間が光学的に無いようにした実施の形態を示す。同図に示すように励起光吸収部材10と、励起光吸収部材10で発生した出力レーザがループする接続部材20(20L、20R)を2種作製する。
【0026】
励起光吸収部材10は、クラッド15よりも小さい屈折率をもつ低屈折率層12を全面に施したフレキシブルな帯状マルチコアファイバを所定の長さに切断したものである。したがって、帯状マルチコアファイバの一端部には各ドープコア11の一端が配され、帯状マルチコアファイバの他端部には各ドープコア11の他端が配される。光学媒体をレーザ装置ないし光増幅器に構成するときは、帯状マルチコアファイバの平面(側面)を横切る一部の低屈折率層12を除去し、そこに複数のコア11に対応して複数の石英プリズム13を設ける。これらの石英プリズム13から励起光14を各コア11に導入するようにする。
【0027】
上記のように各導光部(各ドープコア)の側面を覆うクラッドが一体に形成されていてもよいし、各クラッドが互いの間で励起光が往き来できるよう光学的に接続されていてもよい。一体化されたクラッド、または互いが光学的に接続されているクラッド全体を覆うように励起光を略閉じ込めるための励起光反射部(例えば、低屈折率層12)が設けられていることが好ましい。
【0028】
接続部材20は、低屈折率被覆層22を施した接続導光部となる所定長のフレキシブルなファイバ21を複数本用意し、これらをループ状にして、各ループ状ファイバ21の一端21aを直線上に順に並べて行き、並べ終わったら各ループの他端21bを続けて並べて行く。このようにループ状ファイバ21の端部21a、21bをアレイ状に並べ、それらの端部を励起光波長の光に対して透明な物質(クラッド)25で埋めて一体化したものである。この一体化した接続部材20のアレイ部23の周面に低屈折率層22を施し、その端面は励起光吸収部材10の端面と同形状にして互いに接続可能とする。
【0029】
左側接続部材20Lと右側接続部材20Rとで異なる点は、右側接続部材20Rでは全ファイバ21がループを形成しているのに対して、左側接続部材20Lでは両端部がループ状を解かれ、出力取出し用フィードファイバ24として取り出されている点である。
【0030】
そして図2に示すように、励起光吸収部材10の左端面に左側接続部材20Lを接続し、励起光吸収部材10の右端面に右側接続部材20Rを接続する事によりドープコア11が一つながりとなった構造体型ファイバレーザを形成する。接続部分は融着してもよいし、光学接着剤でもまた、治具を用いて脱着可能なコネクタ形式としてもよい。出力レーザ取出し用ファイバ24の一方に反射ミラー25を取り付けると、他方の出力レーザ取出し用ファイバ24から出力レーザを取り出せるレーザ装置が構成できる。反射ミラー25を取り外し、一方の出力レーザ取出し用ファイバ24から信号光を投入する形態とすれば、他方の出力レーザ取出し用ファイバ24から増幅された信号を出力する光増幅器として機能する。
【0031】
ところで、ドープコアが一つながりになるためには図3、図4、図5に説明するようなタイプが考えられる。
【0032】
図3のタイプは出力取出し用フィードファイバ32a、32bを一端側に集約させた非対象型で、図1または図2に示すものと構成は同じであり、一端側から始まり同じ一端側で終わる螺旋状のループを形成していくタイプである。このタイプでは励起光吸収部材31に対する接続部材30は少なくとも2種の構成が必要である。それぞれ、出力取出しループ部32と、出力光ループ部33と呼ぶ。一つながりの光路とするために励起光吸収部材31は、出力取出しループ部32と、出力光ループ部33とに次のような関係で接続されている。
【0033】
出力取出し側において、上から1本目のファイバ1は出力取出し用フィードファイバ32aに接続されている。2本目のファイバ2は5本目のファイバ5に接続されている。ファイバ3はファイバ6に接続されている。ファイバ4はファイバ7に接続されている。他方の出力光ループ側において、ファイバ1はファイバ5に接続されている。ファイバ2はファイバ6に接続されている。ファイバ3はファイバ7に接続されている。ファイバ4はファイバ8に接続されている。この接続関係を一般式で表わしたのが図8である。ここで、nはファイバの本数である。kは自然数(k=1、2、3、…)で、n=2kの関係がある。上述した図3はn=8とした場合の接続関係になる。
【0034】
出力取出し側のループ径をd1、出力光ループ側のループ径をdrとすると、それらは下式で表わせる。
【0035】
1=a(n/2−1)
r=an/2
ただしaはファイバ間距離である。図3のプロトタイプは作製が容易で、ループ部の長さも最小にできる。
【0036】
図4のタイプは、出力取出し用フィードファイバ42a、42bを両端に振り分けた対象型である。両ループ部42に共通の部材を利用できる利点がある。
【0037】
図5のタイプはバンドル型であり、図5(a)に示すように、角柱型マルチコアファイバ52から構成される励起光吸収部材51と、バンドル型ファイバ52の両端面の整列したコア55を複数のファイバ56で接続するループ部分53とから構成される。両端面の接続は、1列ずらして接続してコア55が一つながりのループになるように接続してある。
【0038】
このバンドル型において、一つながりのループになるように接続するには、例えば図5(b)に示すように接続する。5行10列(図示例)からなる角柱型マルチコアファイバ52の両端面を1列右へずらして接触させる。ずれにより露出する一方の端面51aの1行1列のコアに出力取出し用フィードファイバ53aを取り付ける。この出力取出し用フィードファイバ53aを出発点としてバンドル型ファイバ52をたどって行くと、ループ52aを通って他方の端面51bの1行1列のコアに至り、コア間の接続により一方の端面51aの1行2列のコアを通り、そのままループ52bに入る。同様にして順次螺旋状にたどっていくと、矢印で示すように1行目のループの列が右側に推移していく。ループ52jを通ると他方の端面51bの1行10列のコア端面で断たれる。そのため、このコア端面を一方の端面51aの2行1列のコアにファイバ53bで接続して、断たれるのを回避する。同様にして2行目のループ、3行目のループの連続性を確保するために、ファイバ53c、53d、53eにより、ずれて互いに接続が断たれているコア間同士を接続する。残った最後の5行10列にある他方の端面51bのコアに、取出し用フィードファイバ53fを取り付ける。
【0039】
このタイプでは励起光吸収部材51に厚味があり、立体的な形状をしているので励起光の導入が容易であり、励起光のある程度の蓄積も可能になる。また、出力光取出し用のフィードファイバ53a、53fの一方に反射ミラーを取り付ければ一端面からのみ出射されるレーザ装置を形成し、一端面に信号光の入力ポートを設ければ増幅器として機能する。
【0040】
励起光吸収部材には適当な励起光導入ポート(励起光導入口)が設けられる。例えば図6に示すように、励起光吸収部に相当する帯状マルチコアファイバ63はサポート用円筒ないし円柱などの支持基盤64に巻き付ける事ができる。巻き付けなどで形を整えた帯状マルチコアファイバ63には、側面励起とするために適当な励起光導入ポート62が設けられる。同図では、励起光を投入するために、励起光導入用帯状ファイバ61を、巻き付けられた帯状マルチコアファイバ63の側面に、巻回数に対応して複数本設置する。側面励起のためにその励起光導入ポート62を増設する事はたやすい。励起光導入用帯状ファイバ61の接続のほか、励起光の投入にはレンズダクトの使用、プリズムの設置などの方法がある。設置場所も帯状マルチコバファイバ63の側面(薄い方、すなわち表面積の大きい面)から投入する事も可能である。帯状マルチコアファイバ63の両端部には接続部材として、それぞれ出力取出し側ループ部66、出力出力光ループ部67が接続されている。66a、66bは出力取出し用フィードファイバである。
【0041】
これによれば励起光吸収部材を、例えば線引き、延伸方式などで作製できるので、非常に高い励起パワーにも高い信頼性で対応できる、石英ガラス融着タイプであっても容易に高品質のものが作製できる。また、励起光吸収部材の長さを比較的長くする事もたやすい。
【0042】
接続部分での接続損失はファイバアレイの接続技術が現在では高度な手法が確立されており、端面の接続部分における損失を無視しうるほど小さくする事が可能である。このとき、接続部分には例えばアイソレータのような光学部部品を挿入する事もできる。本実施形態では、構造体型のレーザ形式を保ちつつ、光路の途中に容易に光学部品、例えば光学スイッチなどの導波路部品、偏光子、過飽和吸収体、二次高調波発生結晶、電気光学素子などを挿入する事により、Qスイッチング、モードロッキング、偏光面制御、波長変換などを行なう事ができることも大きな特長となっている。
【0043】
本実施形態によれば、励起光を主に吸収する部分と、増幅したレーザ光がループするループ部分を別工程で作製し、後に接合させる事で構造体型のファイバレーザを作製している。したがって一つながりのファイバをある任意の形状にする事が実際の作製において制限を受ける事を解消する。作製時、一つながりでなければ、ファイバの束状、アレイ状、導波路形状など比較的容易に作製する事ができる。比較的簡単な方法で作製された部品を導波路の接合技術を利用して組み上げる事により、結果として一つながりのファイバレーザを作製する事ができる。また、接合部分に光学変調素子や波長変換素子などを組み込む事が容易なので、レーザ出力の変調を容易にしかも励起光導入箇所を含む複雑で、デリケートな部分を変更することなくさまざまなタイプのレーザを実現する事ができる。
【0044】
また、図7に示すように励起光吸収部材71の一端部に接続するループ状の接続部材である出力取出し用ループ部72を交換することにより、光路または出力光を変更可能とすることができる。例えば図7(a)では、出力取出し用ループ部72は、7本のループ(▲1▼〜▲7▼)と、2本の取出し用フィードファイバ2a、2bとから構成される。これに対して図7(b)では、ループを1本減らして全部で6本(▲1▼〜▲6▼)とし、その代わり取出し用フィードファイバ1b、1aを2本増設して全部で4本としてある。
【0045】
このように出力取出し側のループを変更する事により、1本の連続したコアに代えて、コアの全長がほぼ等しい2本の連続したコアが構成でき、同じ出力の4本の出射を取り出す事ができるようになる。接合部分を脱着可能なコネクタタイプにしておけば、この部分だけを脱着、または出力取出しフィードファイバ同士を接合する事により、高出力の1〜2箇所出力タイプを比較的低出力の3箇所以上の出力タイプへ容易に変更でき、用途による使い分けが容易になる。しかも、この場合、出力光ループ部73側は変更がなく、共通の部品を使用することができる。
【0046】
【実施例】
本実施例は励起光吸収部材と出力光ループ部分とに分割した特徴を持つ複数の部品を接合させてコアが少なくとも一つながりになった構成を有しているレーザまたは光増幅器である。
【0047】
(実施例1)
コア径50μm、クラッド径125μmの、コア内部に0.5at%のNd3+イオンをドープした開口数0.2の石英系ガラスファイバを40本並列にならべ、互いを接触させながら屈折率1.459の透明光学樹脂を薄く塗布して硬化させた。このように作製した帯状マルチコアファイバ列を励起光吸収部として全長300mmに切り出し、両端面に5°の斜め研磨を施した。これとは別に屈折率1.38の紫外線硬化樹脂を被覆したファイバを20本並列にならべ、端面付近は被覆を除去して互いのクラッド部を接触させ、屈折率1.38の紫外線硬化樹脂で固めて5°の斜め研磨を施した。
【0048】
このパーツは出力光を取り出す側のループ部と単にレーザ出力がループするループ部の2種を作製した(図3の構成)。励起光吸収部材の両端近くには屈折率1.47のほう珪酸ガラスで作製されたプリズムを配置し、プリズムはファイバを埋めた光学樹脂と同じ光学樹脂によって接着した。その後、プリズム以外の部分には屈折率1.38の紫外線硬化樹脂を塗布して励起光が閉じ込められるようにした。励起光吸収部の両端に2種のループ部分をそれぞれ接合し、屈折率1.46の光学接着剤で付き合わせ接続した。この時、出力レーザ取出しファイバからの透過光をモニターしながら、これを最大にするようにアライメントした。その後出力レーザ取出しファイバの一方に波長1.06μmの99.9%の反射ミラーを取り付けた。そして励起光吸収部材に取り付けたプリズムから波長810nmのLDレーザ光を励起光として投入したところ、波長1.06μmのレーザ発振を確認した。
【0049】
(実施例2)
コア径500μm、クラッド径8.0×8.0mm、矩形断面のコア内部に0.5at%のNd3+イオンをドープした開口数0.2の石英系ガラスファイバ用プリフォームロッド1mを4本並列にならべ、互いを接触させながら、石英ファイバ線引き炉で加熱、延伸して厚さ125μm、幅500μmの帯状マルチコアファイバをおよそ1700m作製した。この時、コア1本あたりのコア径は約8μmとなり、発振波長1.06μmにて完全にシングルモードになる。また、屈折率1.38の紫外線硬化樹脂をインラインでコーティングした。
【0050】
このファイバから120mを2本切り出し、両端面を斜め研磨(10°)した。一方、クラッド径125μm円形断面、コア径8μmのファイバを出力光取出しファイバとなるための1本だけ比較的長いファイバを含む4本のファイバを2本の帯型ファイバの一端面に融着接合し、2本の帯型ファイバを光学的に接続した。そしてもう一方の端をやはり、クラッド径125μm円形断面、コア径8μmのファイバで、出力光がループするように各々の端面に融着した。
【0051】
そして帯状ファイバを並列に接触させて並べ、図6に示すように、スリット68を縦に設けた直径100mmφの支持基盤7としての金属製円筒に巻き付けた。その後、スリット部分の被覆を全部剥がし、そこへ幅1mm厚さ125μm、長さ300mmの励起光導入用ファイバ(開口数0.15)61をCO2レーザで融着接続した。励起光導入用ファイバ61は合計4本接続した。励起光導入用ファイバ61に波長810nmのLD光をそれぞれ導入したところ、波長1.06μmのレーザ発振を確認した。また、出力されたレーザ光は完全にシングルモード(M2=1)であった。また、ミラーを取り外し、信号光を投入する形態とすれば、本構成は光増幅器をして機能する。
【0052】
(実施例3)
コア径400μm、クラッド径1.0×1.0mm矩形断面の、コア内部に0.5at%のNd3+イオンをドープした開口数0.2の石英系ガラスファイバ用プリフォームロッド1mを断面形状5×10本にならべ、互いを接触させながら、石英ファイバ線引き炉で加熱、延伸して厚さ625μm、幅1.250mmの角柱型マルチコアファイバをおよそ1000m作製した。この時、屈折率1.38の紫外線硬化樹脂をインラインでコーティングした。このファイバから1.8mを切り出し、両端面を垂直研磨した。そして図5に示すように、10列の方向を1列ずらして両端面51a、51bを接触させ、クラッド径125μmの円形断面、コア径50μmのファイバ53b〜53eを用いて前述したようにコア55が一つながりのループになるように接続した。そして屈折率2.0のテルライトガラスでできた光学プリズム(図示せず)を幅625μmの側面に15cmの間隔で12個設置し、側面に対して45°の角度で幅7mmの810nmのLD平行光を投入したところ、波長1.06μmのレーザ発振を確認できた。
【0053】
なお、実施例1〜3において、これらレーザに使用するファイバは石英系ガラスファイバのみならず、非酸化物ガラスや、多成分酸化物ガラス、プラスチックであってもよい。また、コアへのドーパントは、Nd3+以外にも希土類全般および遷移金属イオン、有機色素イオンなども利用できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、光学媒体を励起光吸収部材と接続部材とに分割して形成し、後に導光体が一つながりになるように接続するようにしたので、一本の長い導光部から光路を形成するものに比べて、歩留まり良く光学媒体を作製する事ができる。また、側面励起の励起光導入の拡張性を保ちつつしかも空間的に高品質のモードを有する、集光能力が高く、結果として高出力、高輝度なレーザ装置を簡単にかつ高い信頼性で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による光学媒体の分解構成図である。
【図2】実施の形態による光学媒体の組立図である。
【図3】実施の形態による接続部材の第1のタイプの説明図である。
【図4】実施の形態による接続部材の第2のタイプの説明図である。
【図5】実施の形態による接続部材の第3のタイプの説明図である。
【図6】実施の形態による円柱状の構造をしたファイバレーザ装置の製造方法を示す説明図である。
【図7】実施の形態による出力取出し側のループの変更の説明図である。
【図8】実施の形態による接続部材の第1のタイプの接続関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 励起光吸収部材
11 ドープコア(導光部)
14 励起光
20 接続部材
21 ファイバ

Claims (3)

  1. 帯状をなす励起光吸収部と、この励起光吸収部の両端部にそれぞれ接続された2つのループ状接続部とを有し、前記励起光吸収部の全ての光ファイバと前記接続部の全ての光ファイバとが一つながりとなって長い光ファイバを構成するように形成されており、前記励起光吸収部に励起光を吸収させることによってレーザ発振又は光増幅を行う光学媒体を製造する光学媒体の製造方法であって、
    レーザ活性物質を含むコアとこのコアの側面を覆うクラッドとからなる光ファイバ同士アレイ状に順番に一列に並べて前記クラッド同士光学的に隙間がないように一体化し、次に、前記クラッドよりも屈折率の小さい屈折率を持つ透明材料によって前記クラッドの全面を覆って帯状マルチコアファイバを形成し、次に、前記帯状マルチコアファイバを所定の長さに切断することによって、両端部に前記コア及びクラッドの断面がアレイ状に一列に並べられて配置された励起光吸収部を作製する工程と、
    前記励起光吸収部を構成する光ファイバの数の略半分の数のフレキシブルな光ファイバを所定長さにし、一方の側のそれぞれの端部を直線状に一列に順に並べ、次に、他方の側のそれぞれの端部を前記一方の側の端部に続けて直線状に一列に順に並べることで前記光ファイバの全部の端部アレイ状に一列に並べられてループ状をなすループ状接続部を形成する工程と、
    前記ループ状接続部を形成する工程を2回行うことによって、前記ループ状接続部を2つ用意し、そのうちの1つのループ状接続部の端部を前記励起光吸収部の一方の端部に接続し、他の1つのループ状接続部の端部を前記励起光吸収部の他方の端部に接続し、前記ループ状接続部の各光ファイバのコア及びクラッドと、前記励起光吸収部の各コア及びクラッドとが光学的に接続されるように形成することによって、前記励起光吸収部の全ての光ファイバと前記接続部の全ての光ファイバとが一つながりとなって長い光ファイバを構成するように形成する工程と、
    を有することを特徴とする光学媒体の製造方法。
  2. 前記励起光吸収部材の側面に、前記クラッドに前記活性物質を励起する励起光を導入する励起光導入口を設ける工程を有することを特徴とする請求項1に記載の光学媒体の製造方法
  3. 前記ループ状接続部のうち一方は、ループ状接続部を構成する少なくとも1つの光ファイバループを解く工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学媒体の製造方法
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