JP4304765B2 - 非脱灰硬組織の包埋方法及びキット - Google Patents

非脱灰硬組織の包埋方法及びキット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非脱灰硬組織の包埋方法及びそれに用いられるキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
骨粗鬆症や骨腫瘍等の硬組織の病態組織検査は、従来より硬組織を脱灰した後、パラフィン包埋、薄切、染色等の工程を経て顕微鏡標本を作成し、鏡検する方法が行われている。しかしながら、硬組織の病態そのものを組織レベルで観察しようとする場合、脱灰処理によって硬組織が破壊されてしまって、組織本来の病態を観察する事は困難である。
【0003】
そのため、硬組織の病態を病理組織学的に観察しようとすれば、非脱灰組織の状態で包埋、薄切及び染色する事が必要である。また、硬組織が持つ多様な機能や病変を形態学的に観察する為にも非脱灰標本の作成は重要である。
【0004】
しかし、脱灰組織の包埋に通常用いられているパラフィンは、非脱灰組織に浸透し難く、非脱灰組織の標本作製には適していない。そこで、非脱灰標本の作製には、アクリル系樹脂を用いるポリメチルメタクリレート(Polymethylmetacrylrate、PMMA)樹脂や不飽和ポリエステル樹脂リゴラック(昭和高分子(株)製)を用いて包埋した後研摩する方法が使用されてきた。
【0005】
この二つの樹脂包埋法を比べると重合のし易さの点で、前者のPMMA法が汎用されている。PMMA法では、メチルメタクリレート(Methylmethacrylate、MMA)やグリコールメタクリレート(Glycolmethacrylate、GMA)を基剤として、重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイド(Benzoyl peroxide、BPO)を反応させて硬組織を包埋する。
【0006】
しかし、BPOを重合開始剤として使用するPMMA法は、BPO自身衝撃に対して不安定であるため、爆発等の危険性もあり、操作・輸送および保管中の取扱い等に問題がある。
さらにBPOを重合開始剤として使用すると、重合反応が激しく起こり、発熱発泡する為▲1▼包埋樹脂の硬度の調節が難しい▲2▼組織への樹脂浸透性が悪い▲3▼100ミクロン程度の分厚い切片しか作成できないため、切片を更に研摩して薄切化する必要があり、それには熟練が必要である、等の問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、安全で簡便な硬組織の非脱灰組織標本の作製方法及びキットを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、「エチレン系不飽和単量体と、該単量体を低温重合可能な下記一般式[1]で表されるアゾ系重合開始剤を用いて非脱灰硬組織を包埋することを特徴とする、非脱灰硬組織の包埋方法。
【化1】
Figure 0004304765
(式中、Xはシアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し、Wはアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。)」の発明である。
【0009】
また、本発明は「エチレン系不飽和単量体と下記一般式[1]で表される該単量体の低温重合用アゾ系重合開始剤の組み合わせを含んで成る、非脱灰硬組織包埋用キット。
【化1】
Figure 0004304765
(式中、Xはシアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し、Wはアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。)」の発明である。
【0010】
即ち、本発明者等は、非脱灰硬組織標本作製のための上記した如き問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来用いられていたBPOの代りに低温でエチレン系不飽和単量体を重合させることのできるアゾ系重合開始剤を使用する事により目的を達成する事ができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
本発明に係るエチレン系不飽和単量体としては、後記するアゾ系重合開始剤によって低温で重合可能なもので、非脱灰組織への浸透性が良好なものであれば特に限定されないが、例えばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸,フマル酸,クロトン酸,シトラコン酸,メサコン酸,ビニル酢酸,アリル酢酸,ビニル安息香酸等の炭素数3〜20のエチレン性不飽和カルボン酸類(これら酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等、塩の形になっているものでもよい。)、例えばMMA,エチルメタクリレート,プロピルメタクリレート,ブチルメタクリレート,2-エチルヘキシルメタクリレート,ラウリルメタクリレート,ステアリルメタクリレート,ビニルメタクリレート,アリルメタクリレート,フェニルメタクリレート,ベンジメタクリレート,アダマンチルメタクリレート,トリシクロデカニルメタクリレート,メンチルメタクリレート,ノルボルニルメタクリレート,イソボルニルメタクリレート,メチルアクリレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,2-エチルヘキシルアクリレート,ラウリルアクリレート,ステアリルアクリレート,ビニルアクリレート,アダマンチルアクリレート,トリシクロデカニルアクリレート,メンチルアクリレート,ノルボルニルアクリレート,イソボルニルアクリレート,イタコン酸ジメチル,イタコン酸ジエチル,マレイン酸ジメチル,マレイン酸ジエチル,フマル酸ジメチル,フマル酸ジエチル,クロトン酸メチル,クロトン酸エチル,クロトン酸ビニル,シトラコン酸ジメチル,シトラコン酸ジエチル,メサコン酸ジメチル,メサコン酸ジエチル,3-ブテン酸メチル,2-ヒドロキシエチルメタクリレート,3-ヒドロキシプロピルメタクリレート,2-ヒドロキシプロピルメタクリレート,2-ヒドロキシエチルアクリレート,3-ヒドロキシプロピルアクリレート,2-ヒドロキシプロピルアクリレート等の炭素数4〜20のエチレン性不飽和カルボン酸エステル類、例えばスチレン,4-メチルスチレン,4-エチルスチレン,4-メトキシスチレン,ジビニルベンゼン等の炭素数8〜20のエチレン性不飽和芳香族炭化水素類、例えばギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酢酸イソプロペニル等の炭素数3〜20のアルケニルエステル類、例えば塩化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン,テトラクロロエチレン等の炭素数2〜20の含ハロゲンエチレン性不飽和化合物類、例えばアクリロニトリル,メタクリロニトリル,シアン化アリル等の炭素数3〜20の含シアノエチレン性不飽和化合物類、例えばアクリルアミド,メタクリルアミド,マレイミド等の炭素数3〜20のエチレン性不飽和アミド化合物類、例えばアクロレイン,クロトンアルデヒド等の炭素数3〜20のエチレン性不飽和アルデヒド類、例えばビニルスルホン酸,4-ビニルベンゼンスルホン酸等の炭素数2〜20のエチレン性不飽和スルホン酸類(これら酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩等、塩の形になっているものでもよい。)、例えばビニルアミン,アリルアミン等の炭素数2〜20のエチレン性不飽和脂肪族アミン類、例えばビニルアニリン等の炭素数8〜20のエチレン性不飽和芳香族アミン類、例えばN-ビニルピロリドン,ビニルピペリジン等の 炭素数5〜20のエチレン性不飽和脂肪族ヘテロ環状アミン類、例えばビニルピリジン,1-ビニルイミダゾール等の炭素数5〜20のエチレン性不飽和芳香族ヘテロ環状アミン類、例えばアリルアルコール,クロチルアルコール等の炭素数3〜20のエチレン性不飽和アルコール類、例えば4-ビニルフェノール等の炭素数8〜20のエチレン性不飽和フェノール類、例えばブタジエン,イソプレン等の炭素数4〜20のジエン系化合物類、グリコールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等が挙げられる。
【0012】
これらの中でも、エチレン性不飽和カルボン酸類又はこのエステルが好ましく挙げられ、特に(メタ)アクリル酸又はそのエステル類がより好ましく挙げられる。
更にこれらの中でも、アクリル酸、メタアクリル酸、及びこれらのアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ボルニルエステル等)やグリコールエステル等が好ましい。
また、この分野で一般に使用されているという点では、MMA、GMA又はイソボルニルメタクリレート、スチレン等が入手し易いものとして挙げられる。
【0013】
本発明に係る該エチレン系不飽和単量体を低温で重合させることができるアゾ系重合開始剤としては、50℃以下でも重合活性をもつものであれば特に制限なく用いられる。例えば、下記一般式[1]で表される化合物が挙げられる。
【0014】
【化2】
Figure 0004304765
(式中、Xはシアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し、Wはアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。)
【0015】
一般式[1]で表される化合物としては、例えばジメチル 2,2'−アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)等が挙げられる。中でも、操作、運搬時の安全性等を考慮すると、ジメチル 2,2'−アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)等が、中でも毒劇物でないジメチル 2,2'−アゾビス(2-メチルプロピオネート)が、使用しやすいものとして挙げられる。
【0016】
本発明に係るアゾ系重合開始剤の使用量としては、単量体を重合させるに十分な量であればよいが、あまり多量に用いても経済的でない点から、エチレン系不飽和単量体に対して1〜10(w/v)%程度用いればよい。
【0017】
重合に当たっては、テフロンモールド、PVC製容器、またはガラス瓶中で行うと、重合後のブロックを取り出しやすく、便利である。
【0018】
本発明に用いられる非脱灰硬組織としては、例えば骨、歯、結石等が挙げられる。
【0019】
得られた非脱灰硬組織の重合ブロックは、通常の薄切、伸展、剥落防止、脱樹脂、染色、封入処理を行えばよいが、本法により得られる重合ブロックからは、10ミクロン以下の薄切切片が得られるので、従来行われていた薄切後の研磨処理は必要ない。
【0020】
また、得られた薄切切片の染色も、従来の硬組織の染色に一般に用いられているビラネバ染色(Villaneva Bone Stain)、ビラネバ・ゴールドナー法(Villaneueva's Goldner method for osteoid ,calcium)法による染色の他、へマトキシリン・エオシン染色、マッソンのポンソーフクシン染色、リンタングステン、リンモリブデン染色、ナフトール緑B液染色、サフラン染色、アザン・マローリー染色、鍍銀染色、PAS染色、Von Kossa染色、アルシアンブルー染色等、通常の硬組織の染色法に用いられている染色法が、全く問題なく、何れも行うことが出来る。また、硬組織は脱灰によって多くの抗原性が消失することが知られているが、本発明に係る方法では、得られた薄切切片は、硬組織の脱灰処理を行っていないため、蛍光抗体法、酵素抗体法、ABC(アビジン-ビオチンシステム)法、PAP(Peroxidase-anti-peroxidaze)法等の、従来の硬組織に於ける免疫組織染色に適用するにも極めて有利である。
【0021】
本発明に係る非脱灰組織の包埋方法を更に具体的に説明すると以下の通りとなる。
即ち、先ず採取した硬組織(テトラサイクリン標識処理を行っても良い。)を従来行われている方法に従い、固定、(ビラネバ染色処理を行っても良い。)、脱水、脱脂処理を順次行う。次いで処理した非脱灰組織をテフロンモールド等の容器内で、例えばMMAとアゾ系重合開始剤から成る浸透液に含浸させ、4℃程度の低温で約1週間程度、真空状態で浸透させる。新しい浸透液に交換後、30℃程度で2日間程度更に重合を行う。冷却後、重合ブロックを容器から取り出せば、非脱灰組織の包埋ブロックが得られる。
【0022】
得られた包埋ブロックは、従来法に従いトリミング、ミクロトームにて薄切し、伸展処理を行う。次いで剥落防止処理、脱樹脂処理を行う。次いで、適当な染色処理を行った後、封入し、非脱灰組織標本を得る。
【0023】
本発明に係る非脱灰組織包埋用キットとしては、本願に係るエチレン系不飽和単量体と、該単量体を低温重合可能なアゾ系重合開始剤の組み合わせを含んで成るキットが挙げられ、これらの量比としては、エチレン系不飽和単量体に対してアゾ系重合開始剤が1〜10(w/v)%程度である。
【0024】
更に、本発明に係るキットには、トルエン、キシレン、1-アセトキシ2-メトキシエタン等の、従来用いられている脱樹脂剤を含んでいてもよい。
【0025】
本発明によれば、50℃以下の低温で重合でき、樹脂硬化時の発熱、発泡も少ない為▲1▼包埋樹脂の硬度の調節が出来き、重合収縮が少ない▲2▼組織への樹脂浸透性は良好▲3▼薄切性に優れ2-5ミクロン程度の薄切切片も作製できる▲4▼切片を更に研摩して薄切化する必要がないという、優れた効果がある。
【0026】
【実施例】
実施例1
(1)試料としてテトラサイクリンでラベリング処理したラット大腿骨と処理しなかったラット大腿骨を用い、以下の処理を行った。
▲1▼固定:70%メタノールで固定した。
▲2▼:ビラネバ染色
固定処理した試料を、ビラネバ染色試薬 1.0gと70%メタノール 100mLの混合液に含浸させて、室温で10日間染色処理した。
▲3▼脱水:
下記の順序で脱水処理を行った。処理は、真空引き下で行ない、液は各々1回は交換した。
70%エタノール 室温 24時間
80%エタノール 室温 24時間
90%エタノール 室温 24時間
100%エタノール 室温 24時間
100%エタノール 室温 24時間。
▲4▼脱脂:
下記の順序で脱脂処理を行った。処理は、処理は、真空引き下で行なった。
キシレンI 室温 24時間
キシレンII 室温 3日間
▲4▼浸透、樹脂包埋
包埋はテフロンモールド、PVC製容器中で行なった。
MMA 100mlとV-601(ジメチル 2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、和光純薬工業(株)製)1gを含有する浸透液に真空引きで、4℃ 1週間浸透させた。次いで、新しい浸透液に交換して更に温水バス中、30℃で2日間重合硬化させ硬組織を包埋後、密栓した。
▲4▼ 非脱灰硬組織薄切切片作製
得られた重合ブロックを冷却後包埋容器から取り出し、トリミング後、”月刊Medical Technology別冊「新染色法のすべて」p.134〜p.135、1999年、医試薬出版(株)”に従って、非脱灰硬組織薄切切片を作製し、切片をスライドグラスに貼付した。
▲5▼ 脱樹脂
次の順序で脱樹脂処理を行った。
1-アセトキシ-2-メトキシエタン 1〜24時間
100%エタノール 5分間
100%エタノール 5分間
▲6▼ 封入
(2)結果:染色態度
光顕観察により、ラット大腿骨の類骨が青紫ないし赤紫色に染まり、石灰化骨は殆ど染まらなかったことが観察された。
また、蛍光顕微鏡観察により、蛍光顕微鏡下でテトラサイクリン(標識物質)の骨内取り込みが観察できた。
【0027】
実施例2
(1)試料としてラット大腿骨を用た。
浸透、樹脂包埋はMMA 100mlとV-601(ジメチル 2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、和光純薬工業(株)製)1gを含有する浸透液を用い、実施例1と同様の方法で浸透、包埋処理する以外は、”月刊Medical Technology別冊「新染色法のすべて」p.134〜p.135、1999年、医試薬出版(株)”に従って、ビラネバ・ゴールドナー法による染色を行った。
(2)結果:染色態度
ビラネバ・ゴールドナー染色によって、類骨は赤橙色ないし赤紫色に、石灰化骨は緑、軟骨は黄緑色に、明瞭に染め分けられたことが確認できた。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、安全で簡便な非脱灰硬組織標本の作製方法並びにそのためのキットを提供するものであり、本発明によれば、50℃以下の低温で硬組織を包埋することができ、樹脂硬化時の発熱、発泡も少ない為▲1▼包埋樹脂の硬度の調節が出来き、重合収縮が少ない▲2▼組織への樹脂浸透性は良好▲3▼薄切性に優れ2-5ミクロン程度の薄切切片も作製できる▲4▼切片を更に研摩して薄切化する必要がなく、優れた非脱灰硬組織標本を得ることが出来る等の効果を奏する。

Claims (5)

  1. エチレン系不飽和単量体と、該単量体を低温重合可能な下記一般式[1]で表されるアゾ系重合開始剤を用いて非脱灰硬組織を包埋することを特徴とする、非脱灰硬組織の包埋方法。
    Figure 0004304765
    (式中、Xはシアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し、Wはアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。)
  2. エチレン系不飽和単量体が(メタ)アクリル酸又はそのエステル類である、請求項1記載の包埋方法。
  3. 一般式[1]で表されるアゾ系重合開始剤がジメチル 2,2'−アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)又は2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)である、請求項1に記載の包埋方法。
  4. エチレン系不飽和単量体と下記一般式[1]で表される該単量体の低温重合用アゾ系重合開始剤の組み合わせを含んで成る、非脱灰硬組織包埋用キット。
    Figure 0004304765
    (式中、Xはシアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し、Wはアルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。)
  5. 更に脱樹脂剤を含んで成る、請求項4記載のキット。
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