JP4301550B2 - 半導体電力変換装置の試験回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体電力変換装置の主回路を構成する半導体素子モジュールの試験を行うための半導体電力変換装置の試験回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールの試験を行うための従来の半導体電力変換装置の試験回路の動作原理を、図13及び図14を用いて説明する。
【0003】
図13は従来の等価負荷試験回路を示す図である。
【0004】
図13のサイリスタモジュール1は複数個のサイリスタ11〜1Nを直列接続したもので、サイリスタモジュール1を、例えば、6組用いてブリッジ回路に構成すると3相電力変換装置となり、また2組逆並列接続したものを3組星形結線回路に構成すると3相通電スイッチとなる。つまりサイリスタモジュール1は電力変換装置を構成する最小単位で、ゲート発生装置からのゲート信号によりターンオンし通電を行う機能を有するものである。
【0005】
試験を行うサイリスタモジュール1に、リアクトル3及びコンデンサ2が接続され、コンデンサ2に、リアクトル4、反転サイリスタ5、及び充電装置6が接続されて等価負荷試験回路が構成されている。
【0006】
図14はこの等価負荷試験回路の動作を説明するための各半導体素子のゲート信号、各部電圧、電流波形を示す図である。図14において、(a)はサイリスタ11〜1Nのゲート信号を、(b)は反転サイリスタ5のゲート信号を、(c)はサイリスタモジュール1に印加される電圧波形を、(d)はコンデンサ2に印加される電圧波形を、(e)は共振電流7の電流波形を、そして(f)は共振電流8の電流波形を示している。
【0007】
いま、コンデンサ2に所定の電圧V1(図14―(d))を充電しておき、サイリスタモジュール1にゲート信号(図14−(a))を与えると、コンデンサ2−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ2の閉回路が構成され、この閉回路にコンデンサ2の静電容量C1とリアクトル3のインダクタンスL1で決定される共振電流7(図14−(e))が流れる。サイリスタ11〜1Nは電流が零になるとターンオフするので、共振電流7が零となった時点でコンデンサ2−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ2の閉回路が解かれ、共振電流7は半波で通電が終わる。すると、コンデンサ2は最初に充電した電圧V1とは逆極性に電圧V2(図14−(d))が充電される。
【0008】
続いて、反転サイリスタ5にゲート信号(図14−(b))を与えると、コンデンサ2−充電装置6−反転サイリスタ5−リアクトル4−コンデンサ2の閉回路が構成され、この閉回路にコンデンサ2の静電容量C1とリアクトル4のインダクタンスL2で決定される共振電流8(図14−(f))が流れる。前述と同様、反転サイリスタ5は電流が零になるとターンオフするので、共振電流8が零となった時点でコンデンサ2−充電装置6−反転サイリスタ5−リアクトル4−コンデンサ2の閉回路が解かれ、共振電流8は半波で通電が終わる。すると、コンデンサ2は充電装置6からエネルギを供給されつつ充電していた電圧V2とは逆極性に当初の電圧V1(図14−(d))に充電される。
【0009】
以上の動作を繰り返すことにより、サイリスタモジュール1に対してターンオン、ターンオフ試験(図14−(c))が行なわれる。
【0010】
また、定格使用電圧まで徐々に電圧を上昇させることができる電圧可変装置を用いて、半導体素子モジュールの高電圧試験と通電試験を行う試験回路が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0011】
【特許文献1】
実開平5−11073号公報(第1頁、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述の図13の等価負荷試験回路において、第1の動作にあったコンデンサ2−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ2の閉回路中の損失をWとすると、V1とV2の間には、式1の関係が成立する。
【0013】
1/2・C1・V12=1/2・C1・V22+W ・・・(式1)
式1は、サイリスタモジュール1が1回ターンオン、ターンオフ動作を行うと、コンデンサ2−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ2の閉回路中の損失Wにより、コンデンサ2の電圧が最初の充電電圧V1に対してV2に低下することを示しており、これは、サイリスタモジュール1のターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2が必ず低くなることを意味している。
【0014】
半導体電力変換装置としての実際の動作では、ターンオフ電圧V2がターンオン電圧V1と同じか高くなる場合もあり、図13に示した等価負荷試験回路では式1から導かれる理由により、この状態を模擬することができなかった。
【0015】
なお、特許文献1に記載の試験回路で通電試験を行った場合にも、同様の問題がある。
【0016】
そこで、本発明の目的は、ターンオフ電圧がターンオン電圧以上に設定できる半導体電力変換装置の試験回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールに接続される第1のリアクトル及びコンデンサと、このコンデンサに接続される第2のリアクトル、反転半導体スイッチング装置、及び充電装置とを備えた半導体電力変換装置の試験回路において、コンデンサを直列に2分割し、分割したコンデンサの一方にダイオードを並列に接続したことを特徴とする。
【0018】
このような構成により、ターンオフ電圧をターンオン電圧以上に設定することが可能となる。
【0019】
また、コンデンサを直列に2分割し、分割したコンデンサの一方にダイオードを並列に接続した構成とする代わりに、コンデンサを直列に複数個に分割し、分割したコンデンサの内、1個のコンデンサ以外のコンデンサの各々に、スイッチング機能を有する半導体素子をそれぞれ並列に接続したり、コンデンサを並列に複数個に分割し、分割したコンデンサの内、1個のコンデンサ以外のコンデンサの各々に、スイッチング機能を有する半導体素子とダイオードを逆並列接続した回路をそれぞれ直列に接続したり、半導体素子モジュール内の一部の電力変換用半導体素子に逆並列にダイオードを接続したり、半導体素子モジュール内の一部又は全部の電力変換用半導体素子に逆並列にスイッチング機能を有する半導体素子を接続したりして構成することもできる。
【0020】
このような構成にしても、ターンオフ電圧をターンオン電圧以上に設定することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体電力変換装置の試験回路について説明する。
【0023】
図1はこの実施形態の等価負荷試験回路を示す図である。図1のサイリスタモジュール1、リアクトル3、リアクトル4、反転サイリスタ5、充電装置6の働きは、従来の技術で記載した図13の場合と同じである。
【0024】
図13で示したコンデンサ2は、図1において静電容量C11のコンデンサ21及び静電容量C12のコンデンサ22として直列に2分割され、その一方のコンデンサ22にはダイオード91が図1に示す向きに並列接続されている。
【0025】
図2はこの実施形態の動作を説明するための各半導体素子のゲート信号、各部電圧、電流波形を示す図である。図2において、(d)はコンデンサ21に印加される電圧波形を示し、他は図14の場合と同じである。
【0026】
コンデンサ21とコンデンサ22に充電装置6から充電しようとすると、コンデンサ22にはダイオード91が並列に接続されているので、コンデンサ21にのみ充電され、コンデンサ22の静電容量C12は現れない。逆に、コンデンサ21に所定の電圧V1(図2−(d))を充電しておき、サイリスタモジュール1にゲート信号(図2−(a))を与え共振電流7を流すと、形成される閉回路はコンデンサ21−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ22−コンデンサ21となり、コンデンサ22の静電容量C12が現れてくる。共振電流7が流れ終えると、コンデンサ21とコンデンサ22との間には、コンデンサ21に最初に充電した電圧V1とは逆極性に電圧V2(図2−(d))が充電される。
【0027】
コンデンサ21−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ22−コンデンサ21の閉回路中の損失をWとすると、V1とV2の間には式2の関係が成立する。式2中のC1はC11とC12の合成静電容量で、図13のコンデンサ2の静電容量C1に等しい。
【0028】
1/2・C11・V12=1/2・C1・V22+W ・・・(式2)
C1=C11・C12/(C11+C12)
式2で、V1=V2としてコンデンサ21の静電容量C11とコンデンサ22の静電容量C12の関係を算出すると、式3となる。
【0029】
C12=C11・[1−{V12/(2・W)}・C11]・・・(式3)
言い換えると、式3が成立するコンデンサ21の静電容量C11とコンデンサ22の静電容量C12を選定すれば、サイリスタモジュール1がターンオン、ターンオフ動作を行っても、損失Wによる電圧低下を起こすことなく、サイリスタモジュール1のターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2を同じにすることができる。さらに、コンデンサ21の静電容量C11とコンデンサ22の静電容量C12の選定によっては、サイリスタモジュール1のターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2の方を高めることが可能となる。
【0030】
よって、図1に示す回路構成により、ターンオフ電圧V2がターンオン電圧V1以上に設定できる等価負荷試験回路を提供することができる。
【0031】
なお、上記で、電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールであるサイリスタモジュール1内の電力変換用半導体素子をサイリスタとしているが、電力変換用半導体素子をゲートターンオフサイリスタ(以下、GTOサイリスタ)やトランジスタとしても、同様の効果が得られる。
【0032】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体電力変換装置の試験回路について説明する。図3および図5はこの実施形態の等価負荷試験回路を示す図、図4はこの実施形態の動作を説明するための各半導体素子のゲート信号、各部電圧、電流波形を示す図である。
【0033】
図3に示すように、本実施形態は、第1の実施形態で示した図1のダイオード91をサイリスタ92に変えたものである。図4において、(g)は図3のサイリスタ92(または図5のサイリスタ922〜92M)のゲート信号を示している。
【0034】
本実施形態では、第1の実施形態で示した図1のダイオード91が、図3に示すサイリスタ92に変わったことにより、第1の実施形態に加えて以下の効果が発生する。
【0035】
図4−(g)に示すように、コンデンサ22に並列接続されたサイリスタ92にゲート信号を与えていない時には、従来通りのターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2の方が低下する運転モードとすることができ、サイリスタ92にゲート信号を与えた時(図4−(g))には、第1の実施形態で示したターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2を同じとする、または高める運転モードとすることができる。
【0036】
つまり、等価負荷試験中に、実運転と同じようにターンオン電圧V1に対するターンオフ電圧V2の高低を選択できる。
【0037】
さらに、図5に示すように、従来の技術の図13で示したコンデンサ2を、コンデンサ21からコンデンサ2Mとして直列に複数個に分割し、コンデンサ22からコンデンサ2Mの各々に対して並列にそれぞれサイリスタ922〜92Mを接続することで、サイリスタ922〜92Mに与えるゲート信号のタイミングを変えていけば、等価負荷試験中に、ターンオン電圧V1に対するターンオフ電圧V2の高低をより細かく選択できる。
【0038】
よって、図3または図5に示す回路構成により、ターンオフ電圧V2がターンオン電圧V1以上に設定でき、かつ試験中にその切り替えが可能な等価負荷試験回路を提供することができる。
【0039】
なお、上記で、電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールであるサイリスタモジュール1内の電力変換用半導体素子をサイリスタとしているが、電力変換用半導体素子をGTOサイリスタやトランジスタとしても、同様の効果が得られる。
【0040】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る半導体電力変換装置の試験回路について説明する。図6はこの実施形態の等価負荷試験回路を示す図、図7はこの実施形態の動作を説明するための各半導体素子のゲート信号、各部電圧、電流波形を示す図である。
【0041】
図6のサイリスタモジュール1、リアクトル3、リアクトル4、反転サイリスタ5、充電装置6の働きは、従来の技術で記載した図13の場合と同じである。
【0042】
図13で示したコンデンサ2は、図6において、静電容量C11のコンデンサ21から静電容量C1Mのコンデンサ2Mとして並列にM個に分割され、コンデンサ22にはダイオード912とGTOサイリスタ932を逆並列接続した回路が直列に接続されている。同様にコンデンサ23〜2Mの各々についても、ダイオード913〜91MとGTOサイリスタ933〜93Mの逆並列回路がそれぞれ直列に接続されている。
【0043】
図7において、(d)はコンデンサ21〜2Mに印加される電圧波形を、(h)はGTOサイリスタ932〜93Mのゲート信号を示している。
【0044】
コンデンサ21からコンデンサ2Mに所定の電圧V1(図7−(d))を充電しておき、サイリスタモジュール1にゲート信号(図7−(a))を与え、かつ、GTOサイリスタ932〜93Mにゲート信号(図7−(h))を与え共振電流7が流れると、形成される閉回路はコンデンサ21〜2M−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ21〜2Mとなる。共振電流7が流れ終えると、コンデンサ21〜2Mには、最初に充電した電圧V1とは逆極性に電圧V2’(図7−(d))が充電される。
【0045】
この状態ではコンデンサ21〜2Mまでの合成静電容量はC1となり、従来の技術での記載した式1に従って、ターンオン電圧V1よりターンオフ電圧V2’の方が低下する。
【0046】
そこで、共振電流7がピーク電流に至る前にGTOサイリスタ93X〜93Mまでのゲート信号を取り去る(図7−(h))と、コンデンサ2X〜2Mが閉回路から解列されるので、式2、式3と同様、以下に示す式4、式5の関係が生じる。
【0047】
1/2・C1・V12=1/2・C2・V22+W ・・・(式4)
C1=C11+C12+・・・+C1Y+C1X+・・・+C1M
=C2+C3
C2=C11+C12+・・・+C1Y
C3=C1X+・・・+C1M
V1=V2として式4を解くと、式5となる。
【0048】
C3=2・W/V12 ・・・(式5)
式5が成立するようコンデンサ22〜2Mまでの静電容量を選択して、GTOサイリスタ932〜93Mのいずれかを遮断すれば、サイリスタモジュール1がターンオン、ターンオフ動作を行っても、損失Wによる電圧低下を起こすことなく、サイリスタモジュール1のターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2を同じにすることができる。さらに、各GTOサイリスタ932〜93Mに与えるゲート信号のタイミングを変えていけば、等価負荷試験中に、ターンオン電圧V1に対するターンオフ電圧V2の高低をより細かく選択できる。
【0049】
よって、図6に示す回路構成により、ターンオフ電圧V2がターンオン電圧V1以上に設定でき、かつ試験中にその切り替えが可能な等価負荷試験回路を提供することができる。
【0050】
なお、上記で、電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールであるサイリスタモジュール1内の電力変換用半導体素子をサイリスタとしているが、電力変換用半導体素子をGTOサイリスタやトランジスタとしても、同様の効果が得られる。
【0051】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る半導体電力変換装置の試験回路について説明する。図8はこの実施形態の等価負荷試験回路を示す図、図9はこの実施形態の動作を説明するための各半導体素子のゲート信号、各部電圧、電流波形を示す図である。
【0052】
図8のサイリスタモジュール1、コンデンサ2、リアクトル3、リアクトル4、反転サイリスタ5、充電装置6の働きは、従来の技術で記載した図13の場合と同じである。
【0053】
本実施形態では、図8に示すようにサイリスタモジュール1内の半導体素子13から半導体素子1Nにそれぞれ逆並列にダイオード913からダイオード91Nを接続している。
【0054】
いま、コンデンサ2に所定の電圧V1(図9−(d))を充電しておき、サイリスタモジュール1にゲート信号(図9−(a))を与えると、コンデンサ2−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ2の閉回路が構成され、この閉回路にコンデンサ2の静電容量C1とリアクトル1のインダクタンスL1で決定される共振電流7(図9−(e))が流れる。サイリスタ11〜1Nは電流が零になるとターンオフするので、共振電流7が零となった時点でコンデンサ2−リアクトル3−サイリスタモジュール1−コンデンサ2の閉回路が解かれ、共振電流7は半波で通電が終わる。すると、コンデンサ2は最初に充電した電圧V1とは逆極性に電圧V2(図9−(d))が充電される。
【0055】
ここで、サイリスタ13〜1Nにはそれぞれ逆並列にダイオード913〜91Nが接続されているので、コンデンサC1に逆極性に充電された電圧V2は、サイリスタ13〜1Nには印加されず、逆並列にダイオードが接続されていないサイリスタ11、12にのみ印加される。
【0056】
すると、ターンオン電圧V1からターンオフ電圧V2に電圧が下がったとしても、V2の電圧を負担するサイリスタ数がV1の電圧を負担するサイリスタ数より減っているので、サイリスタ個別にみると、ターンオン電圧よりもターンオフ電圧の方が上昇している。
【0057】
サイリスタ11〜1Nと逆並列に接続するダイオードの接続数を変えていけば、V1に対するV2の高低を変えることができる。
【0058】
よって、図8に示す回路構成により、半導体素子個別にターンオフ電圧V2がターンオン電圧V1以上に設定できる等価負荷試験回路を提供することができる。
【0059】
なお、ダイオード913〜91Nは、サイリスタモジュール1内のサイリスタ11〜1Nに接続するのでなく、図10に示すように、試験設備としてサイリスタ921〜92Mとダイオード911〜91Mを逆並列接続した回路を準備し、サイリスタモジュール1と直列に接続することでも、同様の効果が得られる。
【0060】
さらに、上記で、電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールであるサイリスタモジュール1内の電力変換用半導体素子をサイリスタとしているが、電力変換用半導体素子をGTOサイリスタやトランジスタとしても、同様の効果が得られる。
【0061】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る半導体電力変換装置の試験回路について説明する。図11はこの実施形態の等価負荷試験回路を示す図、図12はこの実施形態の動作を説明するための各半導体素子のゲート信号、各部電圧、電流波形を示す図である。なお、図12において、(j)はサイリスタ921〜92Nのゲート信号を示している。
【0062】
本実施形態では、第4の実施形態で示した図8のダイオード913〜91Nが、図11に示すサイリスタ921〜92Nに変わり、かつ、全サイリスタ11〜1Nに逆並列に接続されたことにより、第4の実施形態に加えて以下の効果が発生する。
【0063】
図12−(j)に示すように、サイリスタ11〜1Nに逆並列接続されたサイリスタ921〜92Nにゲート信号を与えていない時には、従来通りのターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2の方が低下する運転モードとすることができ、サイリスタ921〜92Nの内任意の複数個のサイリスタにゲート信号を与えた時(図12−(j))には、第4の実施形態で示したように、サイリスタ個別にターンオン電圧V1に対してターンオフ電圧V2を同じとする、または高める運転モードとすることができる。
【0064】
つまり、等価負荷試験中に、実運転と同じようにターンオン電圧V1に対するターンオフ電圧V2の高低を選択できる。
【0065】
よって、図11に示す回路構成により、ターンオフ電圧V2がターンオン電圧V1以上に設定でき、かつ試験中にその切り替えが可能な等価負荷試験回路を提供することができる。
【0066】
もちろん、図11のサイリスタ921〜92Nは、サイリスタモジュール1の全ての半導体素子に接続する必要はなく、一部の半導体素子に接続しても、上記と同様の効果は得られる。
【0067】
なお、静止型無効電力補償装置では、図11に示すサイリスタ921〜92Nもサイリスタモジュール1に搭載しているので、上述のように試験装置としてサイリスタ921〜92Nを準備する必要がなく、静止型無効電力補償装置そのもので上記効果を得られる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ターンオフ電圧をターンオン電圧以上に設定することが可能な半導体電力変換装置の試験回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図2】 本発明の第1の実施形態における各部の動作波形図。
【図3】 本発明の第2の実施形態を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図4】 本発明の第2の実施形態における各部の動作波形図。
【図5】 本発明の第2の実施形態の他の例を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図6】 本発明の第3の実施形態を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図7】 本発明の第3の実施形態における各部の動作波形図。
【図8】 本発明の第4の実施形態を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図9】 本発明の第4の実施形態における各部の動作波形図。
【図10】本発明の第4の実施形態の他の例を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図11】本発明の第5の実施形態を示す等価負荷試験回路の構成図。
【図12】本発明の第5の実施形態における各部の動作波形図。
【図13】従来の等価負荷試験回路の構成図。
【図14】従来の等価負荷試験回路における各部の動作波形図。
【符号の説明】
1…サイリスタモジュール
11、12、…、1N…サイリスタ
2、21、22、…、2M…コンデンサ
3、4…リアクトル
5…反転サイリスタ
6…充電装置
7、8…共振電流
91、912、913、…、91M、91N…ダイオード
92、921、922、…、92M、92N…サイリスタ
932、933、…、93M…ゲートターンオフサイリスタ
Claims (5)
- 電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールに接続される第1のリアクトル及びコンデンサと、このコンデンサに接続される第2のリアクトル、反転半導体スイッチング装置、及び充電装置とを備えた半導体電力変換装置の試験回路において、前記コンデンサを直列に2分割し、分割したコンデンサの一方にダイオードを並列に接続したことを特徴とする半導体電力変換装置の試験回路。
- 電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールに接続される第1のリアクトル及びコンデンサと、このコンデンサに接続される第2のリアクトル、反転半導体スイッチング装置、及び充電装置とを備えた半導体電力変換装置の試験回路において、前記コンデンサを直列に複数個に分割し、分割したコンデンサの内、1個のコンデンサ以外のコンデンサの各々に、スイッチング機能を有する半導体素子をそれぞれ並列に接続したことを特徴とする半導体電力変換装置の試験回路。
- 電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールに接続される第1のリアクトル及びコンデンサと、このコンデンサに接続される第2のリアクトル、反転半導体スイッチング装置、及び充電装置とを備えた半導体電力変換装置の試験回路において、前記コンデンサを並列に複数個に分割し、分割したコンデンサの内、1個のコンデンサ以外のコンデンサの各々に、スイッチング機能を有する半導体素子とダイオードを逆並列接続した回路をそれぞれ直列に接続したことを特徴とする半導体電力変換装置の試験回路。
- 電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールに接続される第1のリアクトル及びコンデンサと、このコンデンサに接続される第2のリアクトル、反転半導体スイッチング装置、及び充電装置とを備えた半導体電力変換装置の試験回路において、前記半導体素子モジュール内の一部の電力変換用半導体素子に逆並列にダイオードを接続したことを特徴とする半導体電力変換装置の試験回路。
- 電力変換用半導体素子を複数個直列接続した半導体素子モジュールに接続される第1のリアクトル及びコンデンサと、このコンデンサに接続される第2のリアクトル、反転半導体スイッチング装置、及び充電装置とを備えた半導体電力変換装置の試験回路において、前記半導体素子モジュール内の一部又は全部の電力変換用半導体素子に逆並列にスイッチング機能を有する半導体素子を接続したことを特徴とする半導体電力変換装置の試験回路。
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