JP4301486B2 - Nucleic acid extraction method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体試料から核酸を抽出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】
核酸を含む生体試料から核酸を抽出する代表的な方法として、1)フェノールにより夾雑物を変性させて沈殿させた後、水相中の核酸を回収するフェノール−クロロホルム抽出法、2)イオン交換水で希釈した試料を凍結融解を繰り返し、アルカリ溶液を添加後、油液分離、加熱処理を行うアルカリ溶解法、そしてより簡易的な方法として、3)細胞あるいは組織を煮沸するだけの方法等が知られている。
【0003】
生体試料が血清あるいは血漿の場合には、4)血液成分に含まれるウイルス中から核酸を回収する方法として、血液成分に、タンパク質分解酵素、還元剤、界面活性剤、タンパク変性剤等からなる水溶液を加え、遊離させた核酸をアルコールで沈殿させ、遠心分離で回収する方法(特開平7−236499)、5)ウイルスを含む血清試料にウイルス溶解剤を加え、その処理溶液に疎水性高分子化合物を含む有機溶媒を加え、さらに高濃度の無機塩含有水溶液を入れて核酸を水相に移行させた後、水相にアルコールを加え核酸を沈殿させ、遠心分離で回収する方法(特開平11−253158)、6)DNAを含有する微生物を含む血清又は血漿をアルカリ処理、加熱後、遠心分離で回収する方法(特開2000−279199)、7)プラスミドDNAを含む血清から、磁性を有するカチオン性固相担体でDNAを捕捉し、磁気分離・洗浄後、アニオン性物質でDNAを分離する方法、(特開2001−352979)等が提案されている。
【0004】
一方、全血試料から直接核酸を抽出する方法としては、8)核酸増幅反応混合物中の全血試料割合を5容量%以上とし、カリウムやマグネシウム塩濃度を高濃度で調整することにより、未処理の血液試料から直接核酸を抽出する方法(特開平6−277062)、9)サポニンや界面活性剤を用いた条件下で赤血球のみを溶解・遠心分離し、得られた白血球をアルカリ処理して核酸を抽出する方法(特開平8−501208)、10)真菌DNAを含む全血試料を、塩化マグネシウム等を含む低張液で赤血球を溶解し、次いで白血球を酵素により分解し、加熱・遠心分離後、アルカリ溶解、蛋白除去、有機溶媒による抽出等の操作で真菌DNAを得る方法(特開平11−508137)等が公開されている。
【0005】
以上のように、血液成分から、特に全血試料から直接核酸を抽出する場合には、まず赤血球の除去、さらに血清又は血漿成分からの白血球の単離・溶解、所望の核酸抽出等の幾つもの操作が必要となる。代表的な核酸増幅法であるPCR法では、赤血球由来のヘム誘導体が、反応混合物中に非常に少量に存在する時であっても、反応を阻害することが報告されており(R. Higuchi、 PCR Technology、 H. Ehrlich編、 Stochton Oress 1989、31〜38頁)、特に所望の核酸含有量が微量な場合には、該核酸の使用用途を妨害する物質を最大限除去することが必須となる。
【0006】
血液成分から核酸を抽出する方法において、アルカリ処理と加熱処理を併用させた方法やアルカリ処理後に中和する方法は公知技術であるが、アルカリ化した試料を酸性領域に移行し、澄明化した該試料をそのまま核酸増幅法に応用した技術はない。
【0007】
ここで、PCR法以外の核酸増幅法として、最近開発されたLAMP(Loop-mediated isothermal AMPlification )法がある。この方法はループ媒介等温増幅法と呼ばれ、鋳型となるヌクレオチドに自身の3'末端をアニールさせて相補鎖合成の起点とするとともに、このとき形成されるループにアニールするプライマーを組み合わせることにより、等温での相補鎖合成反応を可能とした核酸増幅法である(WO 00/28082)。
【0008】
LAMP法は、計6領域の塩基配列を認識する4種類のオリゴヌクレオチドからなるプライマー(インナープライマーF及びRとアウタープライマーF及びR)、鎖置換合成活性を有する核酸合成酵素、及び基質を用い、熱変性工程を必要とせずに、終始等温で速やかに特異性の高い遺伝子増幅反応が進行することを特徴とする。さらに、増幅反応途中に形成されるダンベル型構造の5’末端側のループ1本鎖の塩基配列に相補的なプライマー(ループプライマー)を使用することにより、核酸合成の起点を増やし、反応時間の短縮と検出感度の上昇が可能となる(WO 02/24902)。
【0009】
LAMP法での核酸増幅産物もPCR法同様、電気泳動法や蛍光性インターカレーター法を用いて検出できるが(特開2001-242169)、核酸増幅反応の副生成物である不溶性のピロリン酸マグネシウムによる反応液の濁度や沈殿の生成を指標として、核酸増幅の有無を確認する方法が公開されている(WO01/83817)。
【0010】
しかし、LAMP法のように濁度を利用した検出系においては、反応液が澄明であることが必要となる。フェノール−クロロホルムを用いた核酸抽出法でも澄明な核酸溶液は得られるが、前述した通り操作が煩雑である。また、操作が簡便な核酸抽出法は、核酸溶液の澄明化まで考慮したものではなく、核酸増幅後の濁度測定には適さない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生体試料に含まれる核酸を、従来のような煩雑な操作を必要とせず、簡単に核酸を抽出することができる技術および試薬を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意研究を行った結果、生体試料と適量のアルカリ化剤を混合して得られたアルカリ化試料を加熱処理することによって所望の核酸を抽出できることを見出し、そして、驚くべきことに、生体試料として全血を用いた場合、加熱処理後のアルカリ化試料を酸性にすると、抽出された該核酸を含む試料が澄明化し、その該試料をそのまま核酸増幅法に利用できることを見出し、本発明を完成させた。
【0013】
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)核酸を含有する生体試料から該核酸を抽出する方法において、
(a)生体試料とアルカリ化剤を混合して得られたアルカリ化試料を加熱処理する工程、及び
(b)加熱処理後のアルカリ化試料を酸性にする工程、
を含むことを特徴とする核酸抽出法。
(2)加熱処理を50〜100℃で30分以内行う工程、及びアルカリ化試料を酸性化剤にてpH2以上7未満にする工程を含むことを特徴とする(1)の核酸抽出法。
(3)核酸を含有する生体試料が、全血であることを特徴とする(1)から(2)記載の核酸抽出法。
(4)アルカリ化剤が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種類のアルカリ金属水酸化物を成分とする水溶液であることを特徴とする(1)から(3)記載の核酸抽出法。
(5)アルカリ金属水酸化物の濃度が10mM〜5Mであることを特徴とする(4)記載の核酸抽出法。
(6)酸性化剤が、塩酸、硫酸及び硝酸から選ばれる少なくとも1種類の無機酸を成分とする水溶液であることを特徴とする(1)から(3)記載の核酸抽出法。
(7)無機酸の濃度が、10mM〜5Mであることを特徴とする(6)記載の核酸抽出法。
(8)(1)から(3)記載の核酸抽出法で得られた核酸を増幅させ、その増幅した核酸を濁度により検出する方法。
(9)(8)の核酸を増幅させる方法がLAMP法であることを特徴とする(1)から(3)記載の核酸抽出法。
(10)(1)から(3)記載の核酸抽出法に使用する核酸抽出用試薬であって、少なくともアルカリ金属水酸化物を成分とするアルカリ化剤、及び無機酸を成分とする酸性化剤を含むことを特徴とする核酸抽出用試薬。
(11)アルカリ化剤が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種類のアルカリ金属水酸化物を成分とする水溶液であることを特徴とする(10)記載の核酸抽出用試薬。
(12)アルカリ金属水酸化物の濃度が10mM〜5Mであることを特徴とする請求項(11)記載の核酸抽出用試薬。
(13)酸性化剤が、塩酸、硫酸及び硝酸から選ばれる少なくとも1種類の無機酸を成分とする水溶液であることを特徴とする(10)記載の核酸抽出用試薬。
(14)無機酸の濃度が、10mM〜5Mであることを特徴とする(13)記載の核酸抽出試薬。
(15)(10)から(14)記載の核酸抽出用試薬を含む核酸増幅用試薬キット。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における核酸抽出用の生体試料としては、全血が使用されるが、血清あるいは血漿であってもよい。具体的には、全成分を有する無処理の新鮮な血液、血液凝固によって分離された血清、凝固を防止するためにヘパリン、クエン酸塩等の坑凝固剤で処理された血液、それらの凝固剤で処理した血液を遠心分離して得られた血漿、血痕中に存在する乾燥あるいは凝固した血液等である。
【0015】
本発明において抽出される核酸とは、哺乳動物例えばヒトや牛の遺伝子等の内在性の核酸、細菌あるいはウイルスを含む微生物等の外来性の核酸等の、血液試料中に存在する全ての核酸が対象とされる。
【0016】
本発明で使用されるアルカリ化剤は、生体試料から効率良くかつ煩雑な操作なく抽出できればよく、その成分であるアルカリ物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムから選ばれたアルカリ金属水酸化物単独もしくはその組み合わせでもよく、またリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤等のpH緩衝剤あるいは塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類を含んでいてもよい。アルカリ物質の濃度は、例えば水酸化ナトリウムを単独で用いる場合は、10mM〜5Mが好ましい。より好ましくは10mM〜1M、さらに好ましくは10〜100mMであればよい。一方、濃度が10mM未満では、酸性領域に移行した後の試料の澄明化が不十分となる。逆に5Mを超えると、pH調整時に高濃度の酸性化剤を添加することになり、pH調整のし難さ、あるいは過量に添加した場合の急激なpH低下による核酸の分解が懸念されるため好ましくない。
【0017】
本発明における生体試料とアルカリ化剤を混合する操作は、特に限定されないが、予め試料をサンプリングしておき、後からアルカリ化剤を加えてもよく、またはアルカリ化剤を分注した後で試料を加えてもよい。後者の場合、例えば、少量のアルカリ化剤をチューブに分注後、凍乾等で水分を除去することによって、アルカリ物質をチューブ底内壁に固着化し、そのチューブに試料を加えるという操作も可能である。
【0018】
本発明において、アルカリ化試料の加熱処理工程における加熱温度は、50〜100℃が好ましく、より好ましくは65〜95℃であればよい。また、加熱時間は、温度が50〜100℃の範囲では、30分以内であれば特に限定されないが、例えば、65℃では2〜30分が好ましく、より好ましくは5〜20分、95℃では1〜15分が好ましく、より好ましくは3〜10分であればよい。
【0019】
本発明で使用される酸性化剤は、アルカリ化試料を酸性領域に移行できればよく、その成分である酸性物質としては、塩酸、硫酸又は硝酸から選ばれた無機酸単独もしくはその組み合わせでもよく、またリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤等のpH緩衝剤あるいは塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類を含んでいてもよい。無機酸の濃度は、例えば塩酸を単独で用いる場合は、10mM〜5Mが好ましい。より好ましくは10mM〜1M、さらに好ましくは20mM〜1Mであればよい。また、酸性化剤の添加量は、アルカリ化試料の量により、適宜増減できる。
【0020】
本発明において、アルカリ化試料を酸性領域に移行する工程において、好ましい酸性領域のpHは、核酸抽出後の試料を澄明化できること、抽出された該核酸が安定であること、かつ次ステップの核酸増幅法に影響しない領域であればよい。好ましくは2以上7未満であればよく、より好ましくは4以上7未満であればよい。pH7以上では試料を澄明化できず、pH2未満では抽出した核酸の分解が懸念される。
【0021】
また、本発明は、核酸を含有する生体試料とアルカリ化剤を混合して得られたアルカリ化試料を加熱処理する工程、そして加熱処理後のアルカリ化試料を酸性にし試料を澄明化にする工程という簡単な操作により、該核酸を抽出させることを特徴としているが、核酸抽出後の試料が極微量の場合は、サンプルチューブ内で分散した試料を捕集するための遠心操作を行ってもよい。また、抽出後にタンパク質分解酵素等の後処理を行っても特に問題はない。
【0022】
このようにして抽出された核酸含有試料は、濁りのない澄明な核酸溶液として得られるため、標的核酸を大量に増幅させることによって高感度な検査を可能としたPCR法、LAMP法等の核酸増幅法は勿論のこと、特に、蛍光標識を使用した、あるいは粒子蛍光プローブを使用した凝集法によるハイブリダイゼーションアッセイ等の光学的測定法に好都合である。
【0023】
本発明は、全血から抽出された核酸をLAMP法により増幅させ、その増幅した核酸を前記白濁を利用した検出方法で確認することにより達成された。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0025】
実施例1.抽出したDNAの安定性
本発明では、処理後の核酸抽出試料溶液が酸性になることから、DNAの分解が懸念される。そこで、ヒト全血に外来遺伝子であるラムダDNAを添加した試料について、抽出後の酸性領域でのラムダDNAの安定性を確認した。
1.試料及び試薬の調製
a)核酸抽出
マイクロチューブにヒト全血 10μLに外来遺伝子であるラムダDNAを 107分子添加し、アルカリ化剤 40mM NaOH 溶液 90μLを加え、よく撹拌し、95℃で 5分間加熱処理を行った試料をアルカリ化試料とし室温に放置した。その後、酸性化剤 1M HCl 溶液を添加し、pH4以上7未満(実添加量 5μL)とした澄明な核酸含有試料について、酸添加直後と5、10及び20分放置した各々について、チューブ内壁に付着している試料を捕集する目的で、1,000 rpmで 30秒間遠心操作を行った。各捕集液のうち 10μL (全血 1μL相当にラムダDNA 106分子が存在)を核酸抽出試料とした。
【0026】
b)プライマーの合成
ラムダDNA塩基配列(配列番号1)から選ばれた塩基配列あるいはそれと相補的な配列から選ばれた塩基配列として、以下の6種類のプライマーを選定した。プライマーは、DNA合成を専門に取り扱う機関に委託し、慣用された方法で合成された。
インナープライマーF:CGTGAGCAATGGGTATATGCAAATAGAGCTCTGTGTTTGTCTTCCTGC (配列番号2)
インナープライマーR:ATGTCCTTGTCGATATAGGGATGAAGCACATTATCCTGAATTTTCGGTG(配列番号3)
アウタープライマーF:CCTGCCTCCAAACGATACCT (配列番号4)
アウタープライマーR:TTGTGGTGATATAGGACAGACA (配列番号5)
ループプライマー F:GGAACTCCGGGTGCTATCAG (配列番号6)
ループプライマー R:TGACCTTTCTCTCCCATATTGCAGTCG (配列番号7)
【0027】
c)試薬組成及び濃度:
LAMP最終反応溶液 25μL中の各試薬濃度が下記になるよう調整した。
・20 mM Tris-HCl( pH 8.8 )
・10 mM KCl
・10 mM (NH4)2SO4
・ 4 mM MgSO4
・ 0.1 % Triton X-100
・ 0.4mM dNTP
・ 0.8 M Betaine
・ 8 U Bst DNAポリメラーゼ(New England BioLab社製)
・プライマー:
1.6μM インナープライマーF(配列番号2)及びR(配列番号3)
0.4μM アウタープライマーF(配列番号4)及びR(配列番号5)
0.8μM ループプライマー F(配列番号6)及びR(配列番号7)
【0028】
2.LAMP法による反応
0.2mLの専用チューブに、各核酸抽出試料 10μL及びLAMP反応試薬 15μLを加えて 25μLとし、65℃で60分間LAMP反応を行った。この時間内における増幅過程を濁度を指標とし、リアルタイムで観察できる濁度計を用いて、波長 650nmにおける濁度を経時的に観察した。
【0029】
3.結果
図1に濁度を指標とした増幅曲線を示す。その結果、ヒト全血にラムダDNAを添加して得られた核酸抽出試料は、酸添加後の放置時間に関係なく、増幅曲線がほとんど同じ挙動を示し、放置時間が反応に影響を及ぼさないことを確認できた。以上より、酸性領域でのラムダDNAの安定性を確認した。
【0030】
実施例2.加熱温度の違いによるDNAの検出
1.試料及び試薬の調製
a)核酸抽出
実施例1.同様にマイクロチューブにヒト全血 10μLに外来遺伝子であるラムダDNAを添加し、 40mM NaOH 溶液 90μLを加え、よく撹拌し、65及び95℃で 5分間加熱処理を行った試料をアルカリ化試料とした。その後、実施例1と同様の処理を行い、各核酸抽出試料 10μLを得た。
【0031】
b)プライマーの合成
実施例1.同様。
【0032】
c)試薬組成及び濃度
実施例1.同様。
【0033】
2.LAMP法による反応
実施例1.と同様に、各加熱時間よって得られた反応溶液 25μLについて、65℃で60分間LAMP反応を行い、実施例1.同様に、濁度を指標とした増幅反応を経時的に観察した。
【0034】
3.結果
図2に増幅曲線を示す。その結果、加熱温度に関係なく、増幅曲線がほとんど同じ挙動を示し、血中に存在するラムダDNAを検出することが可能となった。以上より、LAMP法で使用される反応温度、すなわち65℃という低温加熱でもDNAが抽出できるため、抽出から検出までを同一温度で実施できるという特長を示唆できた。
【0035】
実施例3.SRY遺伝子の検出
1.試料及び試薬の調製
a)核酸抽出
マイクロチューブにヒト全血 10μLを入れ、 40mM NaOH 溶液 90μLを加え、よく撹拌し、95℃で 5分間加熱処理を行った試料をアルカリ化試料とした。アルカリ化試料を室温に放置後、1M HCl 溶液を添加し、pH調整し(実添加量 4.5μL)、実施例1.同様に遠心操作を行った。捕集した液 10μL (全血 1μL相当)を核酸抽出試料とした。また、全血を入れない試料を陰性対照試料とした。
【0036】
b)プライマーの合成
ヒトのY染色体上に存在するSRY遺伝子の塩基配列(配列番号8)から選ばれた塩基配列あるいはそれと相補的な配列から選ばれた塩基配列として、以下の6種類のプライマーを選定した。プライマーは、実施例1.に準じて作製された。
インナープライマーF:GCATATGATTGCATTGTCAAAAACAAGGAGAATAAGTTTCGAACTCTGGCACCTTTC (配列番号9)
インナープライマーR:GAGAAGCTCTTCCTTCCTTTGCACTGAATTTACTGTTTTCTCCCGTTTCACACTG (配列番号10)
アウタープライマーF:CTGGTAGAAGTGAGTTTTGGATAGT (配列番号11)
アウタープライマーR:CACTCTATCCTGGACGTTGCC (配列番号12)
ループプライマー F:AGTGCGACAAAATT (配列番号13)
ループプライマー R:AGCTGTAACTCTAAGTAT (配列番号14)
【0037】
c)試薬組成及び濃度
LAMP最終反応溶液 25μL中における、プライマー以外の試薬組成及び最終濃度は、実施例1.と同様である。
・プライマー:
1.6μM インナープライマーF(配列番号9)及びR(配列番号10)
0.4μM アウタープライマーF(配列番号11)及びR(配列番号12)
0.8μM ループプライマーF (配列番号13)及びR(配列番号14)
【0038】
2.LAMP法による反応
実施例1.と同様に、核酸抽出試料または陰性対照試料を含む各反応溶液 25μLについて、65℃で60分間LAMP反応を行い、実施例1.同様に、濁度を指標とした増幅反応を経時的に観察した。
【0039】
3.結果
図3に増幅曲線を示す。その結果、全血から得られた核酸抽出試料については、60分経過後濁度が増加することによって、全血中のSRY遺伝子を検出できた。以上より、僅か1μL相当の全血液からゲノムDNAを検出することが可能であるため、1塩基多型の検出等にもその応用が期待できる。
【0040】
実施例4.HBV遺伝子の検出
1.試料及び試薬の調製
a)核酸抽出
HBVに罹患した患者血清から得られたヒト全血 10μLをマイクロチューブに入れ、 40mM NaOH 溶液 90μLを加え、よく撹拌し、65℃で 5分間加熱処理を行った試料をアルカリ化試料とした。アルカリ化試料を室温に放置後、1M HCl 溶液を添加し、pH調整し(実添加量 5μL)、実施例1.同様に遠心操作を行った。捕集した液 10μL(全血 1μL相当)を核酸抽出試料とした。
【0041】
b)プライマーの合成
ヒトのHBV遺伝子の塩基配列(配列番号15)から選ばれた塩基配列あるいはそれと相補的な配列から選ばれた塩基配列として、以下の4種類のプライマーを選定した。プライマーは、実施例1.に準じて作製された。
インナープライマーF:GATAAAACGCCGCAGACACATCCTTCCAACCTCTTGTCCTCCAA (配列番号16)
インナープライマーR:CCTGCTGCTATGCCTCATCTTCTTTGACAAACGGGCAACATACCTT (配列番号17)
アウタープライマーF:CAAAATTCGCAGTCCCCAAC (配列番号18)
アウタープライマーR:GGTGGTTGATGTTCCTGGA (配列番号19)
【0042】
c)試薬組成及び濃度
LAMP最終反応溶液 25μL中における、プライマー以外の試薬組成及び最終濃度は、実施例1.と同様である。
・プライマー:
0.8μM インナープライマーF(配列番号16)及びR(配列番号17)
0.2μM アウタープライマーF(配列番号18)及びR(配列番号19)
【0043】
2.LAMP法による反応
反応溶液 25μLについて、65℃で60分間LAMP反応を行い、実施例1.同様に、濁度を指標とした増幅反応を経時的に観察した。
【0044】
3.結果
図4に増幅曲線を示す。HBVに罹患した患者から得られたヒト全血を用いた核酸抽出試料において、25分経過後濁度が増加することによって、全血中のHBV遺伝子を検出できた。以上より、実施例3.で検出された、ヒトの遺伝子配列を決定するための内在性の核酸以外に、ウイルス等の外来遺伝子の有無の判別に応用することが可能であると示唆された。
【0045】
【発明の効果】
従来の核酸抽出法は、生体試料、特に全血から直接核酸を抽出する場合には、まず赤血球の除去、さらに血清又は血漿成分からの白血球の単離・溶解、所望の核酸抽出等の幾つもの操作が必要となる。本発明は、全血と適量のアルカリ溶液を混合して得られたアルカリ化試料を加熱処理することによって所望の核酸を抽出し、さらに、加熱処理後のアルカリ化試料を酸性にすると、抽出された該核酸を含む試料が澄明化するという、効率的かつ簡易的な核酸抽出法と、その澄明な核酸を核酸増幅法やハイブリダイゼーションアッセイ等の核酸分析に利用できる核酸抽出用試薬の提供である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】酸添加後のDNAの放置時間による増幅反応の比較
【図2】加熱時間による増幅反応の比較
【図3】SRY遺伝子の増幅反応
【図4】HBV遺伝子の増幅反応[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for extracting nucleic acid from a biological sample.
[0002]
[Conventional technology and problems]
As a typical method for extracting nucleic acid from a biological sample containing nucleic acid, 1) a phenol-chloroform extraction method for recovering nucleic acid in an aqueous phase after denaturing and precipitating contaminants with phenol, 2) ion-exchanged water Samples diluted in 1) are repeatedly freeze-thawed, and after adding an alkali solution, oil-liquid separation, an alkali dissolution method in which heat treatment is performed, and, as a simpler method, 3) a method in which cells or tissues are simply boiled are known. It has been.
[0003]
4) When the biological sample is serum or plasma, 4) As a method for recovering nucleic acid from viruses contained in blood components, an aqueous solution containing proteolytic enzymes, reducing agents, surfactants, protein denaturing agents, etc. as blood components 5) A method in which the liberated nucleic acid is precipitated with alcohol and collected by centrifugation (JP-A-7-236499). 5) A virus lysing agent is added to a serum sample containing virus, and a hydrophobic polymer compound is added to the treated solution. A method of adding an organic solvent containing an aqueous solution and adding an aqueous solution containing an inorganic salt at a high concentration to transfer the nucleic acid to the aqueous phase, then adding alcohol to the aqueous phase to precipitate the nucleic acid, and recovering the solution by centrifugation (Japanese Patent Laid-Open No. 11-11 253158), 6) Method of recovering serum or plasma containing microorganisms containing DNA by centrifugation after treatment with alkali (JP 2000-279199), 7) A method of capturing DNA from serum containing midDNA with a cationic solid phase carrier having magnetism, separating the DNA with an anionic substance after magnetic separation and washing, (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-352979), etc. has been proposed .
[0004]
On the other hand, as a method of directly extracting nucleic acid from a whole blood sample, 8) Untreated by adjusting the ratio of whole blood sample in the nucleic acid amplification reaction mixture to 5% by volume or more and adjusting the potassium or magnesium salt concentration to a high concentration. Of nucleic acids directly from blood samples (Japanese Patent Laid-Open No. 6-277062), 9) Lysis and centrifugation of only red blood cells under conditions using saponin and surfactant, and nucleic acid obtained by alkali treatment of the obtained white blood cells 10) A whole blood sample containing fungal DNA is lysed with a hypotonic solution containing magnesium chloride, etc., and then the leukocytes are digested with enzymes, heated and centrifuged. A method for obtaining fungal DNA by an operation such as alkali dissolution, protein removal, extraction with an organic solvent, etc. (JP-A-11-508137) has been disclosed.
[0005]
As described above, when nucleic acids are extracted directly from blood components, particularly from whole blood samples, first, removal of red blood cells, isolation and lysis of white blood cells from serum or plasma components, extraction of desired nucleic acids, etc. Operation is required. In PCR, which is a typical nucleic acid amplification method, it has been reported that heme derivatives derived from erythrocytes inhibit the reaction even when they are present in a very small amount in the reaction mixture (R. Higuchi, PCR Technology, H. Ehrlich, Stochton Oress 1989, pp. 31-38), especially when the desired nucleic acid content is very small, it is essential to remove substances that interfere with the intended use of the nucleic acid. .
[0006]
In the method of extracting nucleic acids from blood components, a method using both alkali treatment and heat treatment and a method of neutralizing after alkali treatment are known techniques, but the alkalized sample is transferred to an acidic region and clarified. There is no technology that directly applies the sample to the nucleic acid amplification method.
[0007]
Here, as a nucleic acid amplification method other than the PCR method, there is a recently developed LAMP (Loop-mediated isothermal AMPlification) method. This method is called a loop-mediated isothermal amplification method. The template nucleotide is annealed at its 3 ′ end as a starting point for complementary strand synthesis, and a primer that anneals to the loop formed at this time is combined. This is a nucleic acid amplification method that enables isothermal complementary strand synthesis reaction (WO 00/28082).
[0008]
The LAMP method uses a primer (inner primer F and R and outer primer F and R) consisting of four types of oligonucleotides that recognize a total of six regions of base sequence, a nucleic acid synthase having strand displacement synthesis activity, and a substrate. It is characterized in that a highly specific gene amplification reaction proceeds promptly and isothermally without requiring a heat denaturation step. Furthermore, by using a primer (loop primer) complementary to the base sequence of the single-stranded loop on the 5 ′ end side of the dumbbell structure formed during the amplification reaction, the starting point of nucleic acid synthesis is increased, and the reaction time is increased. Shortening and increased detection sensitivity are possible (WO 02/24902).
[0009]
Nucleic acid amplification products in the LAMP method can be detected using electrophoresis and fluorescent intercalator methods as in the PCR method (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-242169). However, due to insoluble magnesium pyrophosphate that is a byproduct of the nucleic acid amplification reaction, A method for confirming the presence or absence of nucleic acid amplification using the turbidity of the reaction solution or the formation of a precipitate as an index is disclosed (WO01 / 83817).
[0010]
However, in a detection system using turbidity like the LAMP method, the reaction solution needs to be clear. A clear nucleic acid solution can also be obtained by a nucleic acid extraction method using phenol-chloroform, but the operation is complicated as described above. In addition, a nucleic acid extraction method that is easy to operate does not take into account the clarification of a nucleic acid solution, and is not suitable for turbidity measurement after nucleic acid amplification.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a technique and a reagent that can easily extract nucleic acid from a nucleic acid contained in a biological sample without requiring a conventional complicated operation.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that a desired nucleic acid can be extracted by heat-treating an alkalinized sample obtained by mixing a biological sample and an appropriate amount of an alkalizing agent. Heading and surprisingly, when whole blood is used as a biological sample, if the alkalinized sample after heat treatment is acidified, the sample containing the extracted nucleic acid is clarified, and the sample is directly amplified by nucleic acid amplification. The present invention was completed by finding that it can be used in the law.
[0013]
That is, the present invention has the following configuration.
(1) In a method for extracting a nucleic acid from a biological sample containing the nucleic acid,
(A) a step of heat-treating an alkalized sample obtained by mixing a biological sample and an alkalizing agent, and (b) a step of acidifying the alkalized sample after the heat treatment,
A nucleic acid extraction method comprising:
(2) The nucleic acid extraction method according to (1), comprising a step of performing a heat treatment at 50 to 100 ° C. within 30 minutes, and a step of adjusting the alkalized sample to pH 2 or more and less than 7 with an acidifying agent.
(3) The nucleic acid extraction method according to (1) or (2), wherein the biological sample containing nucleic acid is whole blood.
(4) The alkalinizing agent is an aqueous solution containing at least one alkali metal hydroxide selected from lithium hydroxide, sodium hydroxide, and potassium hydroxide as a component (1) to (3 ) The nucleic acid extraction method described.
(5) The nucleic acid extraction method according to (4), wherein the concentration of the alkali metal hydroxide is 10 mM to 5 M.
(6) The nucleic acid extraction method according to any one of (1) to (3), wherein the acidifying agent is an aqueous solution containing at least one inorganic acid selected from hydrochloric acid, sulfuric acid, and nitric acid as a component.
(7) The nucleic acid extraction method according to (6), wherein the concentration of the inorganic acid is 10 mM to 5 M.
(8) A method in which the nucleic acid obtained by the nucleic acid extraction method according to (1) to (3) is amplified, and the amplified nucleic acid is detected by turbidity.
(9) The method for extracting nucleic acids according to (1) to (3), wherein the method for amplifying the nucleic acid according to (8) is the LAMP method.
(10) A nucleic acid extraction reagent used in the nucleic acid extraction method according to (1) to (3), wherein the alkalinizing agent includes at least an alkali metal hydroxide as a component, and the acidifying agent includes an inorganic acid as a component. A nucleic acid extraction reagent comprising:
(11) The nucleic acid according to (10), wherein the alkalizing agent is an aqueous solution containing at least one alkali metal hydroxide selected from lithium hydroxide, sodium hydroxide, and potassium hydroxide as a component. Extraction reagent.
(12) The reagent for nucleic acid extraction according to (11), wherein the concentration of alkali metal hydroxide is 10 mM to 5 M.
(13) The nucleic acid extraction reagent according to (10), wherein the acidifying agent is an aqueous solution containing at least one inorganic acid selected from hydrochloric acid, sulfuric acid, and nitric acid as a component.
(14) The nucleic acid extraction reagent according to (13), wherein the concentration of the inorganic acid is 10 mM to 5M.
(15) A reagent kit for nucleic acid amplification containing the reagent for nucleic acid extraction according to (10) to (14).
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As the biological sample for nucleic acid extraction in the present invention, whole blood is used, but it may be serum or plasma. Specifically, untreated fresh blood having all components, serum separated by blood coagulation, blood treated with anticoagulants such as heparin and citrate to prevent coagulation, and those coagulants Plasma obtained by centrifuging the blood treated with the above, dried or coagulated blood present in the blood stain, and the like.
[0015]
The nucleic acid extracted in the present invention includes all nucleic acids present in blood samples, such as endogenous nucleic acids such as mammals such as human and bovine genes, and exogenous nucleic acids such as microorganisms including bacteria or viruses. Be targeted.
[0016]
The alkalizing agent used in the present invention is only required to be extracted from a biological sample efficiently and without complicated operation, and the alkaline substance as the component thereof was selected from lithium hydroxide, sodium hydroxide, or potassium hydroxide. The alkali metal hydroxide may be used alone or in combination thereof, and may contain a pH buffer such as a phosphate buffer or a Good buffer, or an inorganic salt such as sodium chloride or potassium chloride. The concentration of the alkaline substance is preferably 10 mM to 5 M, for example, when sodium hydroxide is used alone. More preferably, it may be 10 mM to 1 M, and more preferably 10 to 100 mM. On the other hand, if the concentration is less than 10 mM, clarification of the sample after moving to the acidic region becomes insufficient. On the other hand, if it exceeds 5M, a high concentration acidifying agent will be added at the time of pH adjustment, and it is difficult to adjust the pH, or there is a concern about nucleic acid degradation due to a rapid pH drop when added in an excessive amount. It is not preferable.
[0017]
The operation of mixing the biological sample and the alkalizing agent in the present invention is not particularly limited, but the sample may be sampled in advance and the alkalizing agent may be added later, or the sample after dispensing the alkalizing agent. May be added. In the latter case, for example, after a small amount of alkalizing agent is dispensed into the tube, water is removed by freeze-drying, etc., so that the alkaline substance is fixed to the inner wall of the tube bottom and the sample is added to the tube. is there.
[0018]
In this invention, 50-100 degreeC is preferable and the heating temperature in the heat processing process of an alkalinized sample should just be 65-95 degreeC more preferably. The heating time is not particularly limited as long as it is within 30 minutes in the temperature range of 50 to 100 ° C, but for example, it is preferably 2 to 30 minutes at 65 ° C, more preferably 5 to 20 minutes, and 95 ° C. It is preferably 1 to 15 minutes, more preferably 3 to 10 minutes.
[0019]
The acidifying agent used in the present invention only needs to be able to transfer the alkalinized sample to the acidic region, and the acidic substance as the component may be an inorganic acid selected from hydrochloric acid, sulfuric acid or nitric acid, or a combination thereof, It may contain a pH buffer such as a phosphate buffer and a Good buffer, or an inorganic salt such as sodium chloride and potassium chloride. The concentration of the inorganic acid is preferably 10 mM to 5 M, for example, when hydrochloric acid is used alone. More preferably, it may be 10 mM to 1 M, more preferably 20 mM to 1 M. Moreover, the addition amount of an acidifying agent can be suitably increased / decreased with the quantity of an alkalinized sample.
[0020]
In the present invention, in the step of transferring the alkalinized sample to the acidic region, the pH of the preferred acidic region is such that the sample after nucleic acid extraction can be clarified, the extracted nucleic acid is stable, and nucleic acid amplification in the next step. Any area that does not affect the law is acceptable. Preferably it may be 2 or more and less than 7, more preferably 4 or more and less than 7. If the pH is 7 or higher, the sample cannot be clarified. If the pH is lower than 2, the extracted nucleic acid may be degraded.
[0021]
The present invention also includes a step of heat-treating an alkalized sample obtained by mixing a biological sample containing a nucleic acid and an alkalizing agent, and a step of clarifying the sample by acidifying the alkalized sample after the heat treatment The nucleic acid is extracted by a simple operation, but if the sample after nucleic acid extraction is extremely small, a centrifugal operation for collecting the sample dispersed in the sample tube may be performed. . Moreover, there is no particular problem even if post-treatment such as proteolytic enzyme is performed after extraction.
[0022]
Since the nucleic acid-containing sample extracted in this way is obtained as a clear nucleic acid solution without turbidity, nucleic acid amplification such as PCR method and LAMP method that enables high-sensitivity testing by amplifying a large amount of target nucleic acid Of course, this method is convenient for optical measurement methods such as a hybridization assay using a fluorescent label or an agglutination method using a particle fluorescent probe.
[0023]
The present invention has been achieved by amplifying a nucleic acid extracted from whole blood by the LAMP method and confirming the amplified nucleic acid by the detection method using the cloudiness.
[0024]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0025]
Example 1. Stability of extracted DNA In the present invention, since the nucleic acid extraction sample solution after treatment becomes acidic, there is a concern about the degradation of DNA. Therefore, the stability of lambda DNA in the acidic region after extraction was confirmed for a sample obtained by adding lambda DNA, which is a foreign gene, to human whole blood.
1. Preparation of samples and reagents a) Add 10 7 molecules of lambda DNA, a foreign gene, to 10 μL of human whole blood in a nucleic acid extraction microtube, add 90 μL of 40 mM NaOH solution of alkalinizing agent, stir well, and heat at 95 ° C. for 5 minutes The treated sample was made an alkalinized sample and left at room temperature. After that, add 1M HCl solution of acidifying agent and adjust the pH to 4 or less and less than 7 (actual addition amount: 5μL). The sample was centrifuged at 1,000 rpm for 30 seconds to collect the sample. 10 μL of each collected solution (the presence of 10 6 molecules of lambda DNA corresponding to 1 μL of whole blood) was used as a nucleic acid extraction sample.
[0026]
b) Synthesis of primers The following six types of primers were selected as base sequences selected from the base sequence selected from the lambda DNA base sequence (SEQ ID NO: 1) or a complementary sequence thereto. Primers were synthesized by a conventional method outsourced to an organization specializing in DNA synthesis.
Inner primer F: CGTGAGCAATGGGTATATGCAAATAGAGCTCTGTGTTTGTCTTCCTGC (SEQ ID NO: 2)
Inner primer R: ATGTCCTTGTCGATATAGGGATGAAGCACATTATCCTGAATTTTCGGTG (SEQ ID NO: 3)
Outer primer F: CCTGCCTCCAAACGATACCT (SEQ ID NO: 4)
Outer primer R: TTGTGGTGATATAGGACAGACA (SEQ ID NO: 5)
Loop primer F: GGAACTCCGGGTGCTATCAG (SEQ ID NO: 6)
Loop primer R: TGACCTTTCTCTCCCATATTGCAGTCG (SEQ ID NO: 7)
[0027]
c) Reagent composition and concentration:
Each reagent concentration in 25 μL of the LAMP final reaction solution was adjusted as follows.
・ 20 mM Tris-HCl (pH 8.8)
・ 10 mM KCl
・ 10 mM (NH 4 ) 2 SO 4
4 mM MgSO 4
・ 0.1% Triton X-100
・ 0.4mM dNTP
・ 0.8 M Betaine
・ 8 U Bst DNA Polymerase (New England BioLab)
·Primer:
1.6 μM inner primer F (SEQ ID NO: 2) and R (SEQ ID NO: 3)
0.4 μM outer primer F (SEQ ID NO: 4) and R (SEQ ID NO: 5)
0.8 μM loop primer F (SEQ ID NO: 6) and R (SEQ ID NO: 7)
[0028]
2. Reaction by LAMP method
To a 0.2 mL dedicated tube, 10 μL of each nucleic acid extraction sample and 15 μL of LAMP reaction reagent were added to make 25 μL, and a LAMP reaction was performed at 65 ° C. for 60 minutes. The turbidity at a wavelength of 650 nm was observed over time using a turbidimeter capable of observing in real time the turbidity as an index during the amplification process within this time.
[0029]
3. Results FIG. 1 shows an amplification curve using turbidity as an index. As a result, the nucleic acid extraction sample obtained by adding lambda DNA to human whole blood shows almost the same amplification curve regardless of the standing time after acid addition, and the standing time does not affect the reaction. Was confirmed. From the above, the stability of lambda DNA in the acidic region was confirmed.
[0030]
Example 2 Detection of DNA by difference in heating temperature
1. Sample and reagent preparation a) Nucleic acid extraction Example 1. Similarly, add lambda DNA, a foreign gene, to 10 μL of human whole blood in a microtube, add 90 μL of 40 mM NaOH solution, stir well, and heat-treat at 65 and 95 ° C. for 5 minutes as an alkalinized sample. . Thereafter, the same treatment as in Example 1 was performed to obtain 10 μL of each nucleic acid extraction sample.
[0031]
b) Primer synthesis Example 1. Same.
[0032]
c) Reagent composition and concentration Example 1 Same.
[0033]
2. Reaction by LAMP method Example 1. In the same manner as in Example 1, 25 μL of the reaction solution obtained by each heating time was subjected to LAMP reaction at 65 ° C. for 60 minutes. Similarly, amplification reaction with turbidity as an index was observed over time.
[0034]
3. Results FIG. 2 shows the amplification curve. As a result, the amplification curve showed almost the same behavior regardless of the heating temperature, and it became possible to detect lambda DNA present in the blood. From the above, it was suggested that DNA can be extracted even at the reaction temperature used in the LAMP method, that is, low-temperature heating of 65 ° C., so that extraction to detection can be performed at the same temperature.
[0035]
Example 3 FIG. Detection of SRY gene
1. Preparation of Samples and Reagents a) 10 μL of human whole blood was placed in a nucleic acid extraction microtube, 90 μL of 40 mM NaOH solution was added, and the sample was heat-treated at 95 ° C. for 5 minutes as an alkalinized sample. After leaving the alkalinized sample at room temperature, 1M HCl solution was added to adjust the pH (actual addition amount: 4.5 μL). Centrifugation was performed in the same manner. 10 μL of the collected liquid (corresponding to 1 μL of whole blood) was used as a nucleic acid extraction sample. A sample without whole blood was used as a negative control sample.
[0036]
b) Synthesis of primers The following six types of primers are used as a base sequence selected from the base sequence selected from the base sequence of the SRY gene (SEQ ID NO: 8) present on the human Y chromosome (SEQ ID NO: 8) or a complementary sequence thereto. Selected. Primers were used in Example 1. It was produced according to.
Inner primer F: GCATATGATTGCATTGTCAAAAACAAGGAGAATAAGTTTCGAACTCTGGCACCTTTC (SEQ ID NO: 9)
Inner primer R: GAGAAGCTCTTCCTTCCTTTGCACTGAATTTACTGTTTTCTCCCGTTTCACACTG (SEQ ID NO: 10)
Outer primer F: CTGGTAGAAGTGAGTTTTGGATAGT (SEQ ID NO: 11)
Outer primer R: CACTCTATCCTGGACGTTGCC (SEQ ID NO: 12)
Loop primer F: AGTGCGACAAAATT (SEQ ID NO: 13)
Loop primer R: AGCTGTAACTCTAAGTAT (SEQ ID NO: 14)
[0037]
c) Reagent composition and concentration Reagent composition and final concentration other than the primer in 25 μL of LAMP final reaction solution are shown in Example 1. It is the same.
·Primer:
1.6 μM inner primer F (SEQ ID NO: 9) and R (SEQ ID NO: 10)
0.4 μM outer primer F (SEQ ID NO: 11) and R (SEQ ID NO: 12)
0.8 μM loop primer F (SEQ ID NO: 13) and R (SEQ ID NO: 14)
[0038]
2. Reaction by LAMP method Example 1. In the same manner as in Example 1, 25 μL of each reaction solution containing a nucleic acid extraction sample or a negative control sample was subjected to LAMP reaction at 65 ° C. for 60 minutes. Similarly, amplification reaction with turbidity as an index was observed over time.
[0039]
3. Results FIG. 3 shows the amplification curve. As a result, for the nucleic acid extraction sample obtained from whole blood, the turbidity increased after 60 minutes, so that the SRY gene in whole blood could be detected. As described above, since genomic DNA can be detected from only 1 μL of whole blood, its application can be expected to detect single nucleotide polymorphisms.
[0040]
Example 4 Detection of HBV gene
1. Preparation of samples and reagents a)
[0041]
b) Synthesis of primers The following four types of primers were selected as a base sequence selected from the base sequence of human HBV gene (SEQ ID NO: 15) or a base sequence complementary thereto. Primers were used in Example 1. It was produced according to.
Inner primer F: GATAAAACGCCGCAGACACATCCTTCCAACCTCTTGTCCTCCAA (SEQ ID NO: 16)
Inner primer R: CCTGCTGCTATGCCTCATCTTCTTTGACAAACGGGCAACATACCTT (SEQ ID NO: 17)
Outer primer F: CAAAATTCGCAGTCCCCAAC (SEQ ID NO: 18)
Outer primer R: GGTGGTTGATGTTCCTGGA (SEQ ID NO: 19)
[0042]
c) Reagent composition and concentration Reagent composition and final concentration other than the primer in 25 μL of LAMP final reaction solution are shown in Example 1. It is the same.
·Primer:
0.8 μM inner primer F (SEQ ID NO: 16) and R (SEQ ID NO: 17)
0.2 μM outer primer F (SEQ ID NO: 18) and R (SEQ ID NO: 19)
[0043]
2. Reaction by LAMP method About 25 μL of the reaction solution, a LAMP reaction was carried out at 65 ° C. for 60 minutes. Similarly, amplification reaction with turbidity as an index was observed over time.
[0044]
3. Results FIG. 4 shows the amplification curve. In a nucleic acid extraction sample using human whole blood obtained from a patient suffering from HBV, the turbidity increased after 25 minutes, so that the HBV gene in whole blood could be detected. As described above, the third embodiment. It was suggested that the present invention can be applied to the determination of the presence or absence of a foreign gene such as a virus in addition to the endogenous nucleic acid for determining a human gene sequence.
[0045]
【The invention's effect】
In the conventional nucleic acid extraction method, when nucleic acid is directly extracted from a biological sample, particularly whole blood, first, removal of red blood cells, isolation and lysis of white blood cells from serum or plasma components, extraction of desired nucleic acids, etc. Operation is required. The present invention extracts a desired nucleic acid by heat-treating an alkalinized sample obtained by mixing whole blood and an appropriate amount of an alkali solution, and further extracting the nucleic acid after the heat-treated alkalinized sample is acidified. The present invention also provides an efficient and simple nucleic acid extraction method in which a sample containing the nucleic acid is clarified and a nucleic acid extraction reagent that can be used for nucleic acid analysis such as nucleic acid amplification method and hybridization assay. .
[Sequence Listing]
[Brief description of the drawings]
[Fig. 1] Comparison of amplification reaction depending on DNA standing time after acid addition [Fig. 2] Comparison of amplification reaction depending on heating time [Fig. 3] SRY gene amplification reaction [Fig. 4] HBV gene amplification reaction
Claims (14)
(a)生体試料とアルカリ化剤を混合して得られたアルカリ化試料を加熱処理する工程、及び
(b)加熱処理後のアルカリ化試料を酸性化剤にてpH4以上7未満にする工程、
を含むことを特徴とする核酸抽出法。 In a method for extracting nucleic acid from whole blood,
(A) a step of heat-treating an alkalized sample obtained by mixing a biological sample and an alkalizing agent, and (b) a step of setting the alkalized sample after the heat treatment to pH 4 or more and less than 7 with an acidifying agent,
A nucleic acid extraction method comprising:
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