JP4297963B1 - 防護用カバー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ファスナー部材により被服類の所望の箇所を補強する方法であって、
一対の布片に固着された左右のファスナー歯を噛合させ、スライダーを外した状態のファスナー部材を用いることを特徴とする被服類の補強方法およびその被服類。好ましくは、複数のファスナー部材を縫い合わせて接ぎ布とすることにより、或いは当て布として被服類に縫い付けることにより、被服類の所望箇所を補強する。
【選択図】図1
Description
作業用手袋においては、通気性や作業性を損なわずに手袋を補強することが必要である。特許文献1および2には、金属製鎖を網状布製テープで貼り付けて縫合した作業手袋が開示される。
汎用性をもって補強することの意義は、種々の用途に応じた作業用手袋等の製品を高品質かつ廉価に提供することにある。例えば、林業用の作業手袋の場合、切断するための木材を抑えるための利き手の反対の手の親指および人指し指を特に補強する必要がある。写真用フィルムを切断するための作業用手袋も同様であり、フィルムを抑えるための利き手の反対の手の親指および人指し指のみを補強する必要がある。これらの用途毎に専用の機械や部品の準備をしていては高品質かつ廉価な製品を提供することはできない。
発明者は、鋭意工夫の結果、ファスナーを用いて被服類を補強すること着想を得、本発明をなした。開閉部材であるファスナーを、開かずに使うという発想の転換に基づく発明である。
第2の発明は、第1の発明において、複数のファスナー部材を縫い合わせて接ぎ布とすることにより、或いは当て布として被服類に縫い付けることにより、被服類の所望箇所を補強することを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記所望の箇所が、ファスナー部材により第一の方向に補強された第一の層と、ファスナー部材により第一の方向と異なる第二の方向に補強された第二の層とを備えることを特徴とする。
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明において、被服類の安全性を高めたい箇所を金属製のファスナー歯を有するファスナー部材により補強し、可動性を高めたい箇所を樹脂製のファスナー歯を有するファスナー部材により補強することを特徴とする。
第5の発明は、第1ないし4のいずれかの発明において、被服類が防護用カバーであることを特徴とする。
第6の発明は、第1ないし4のいずれかの発明において、被服類が作業用手袋であることを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記所望の箇所が、複数のファスナー部材を縫い合わせて接ぎ布とすることにより、或いは当て布として被服類に縫い付けることにより補強されることを特徴とする。
第9の発明は、第7または8の発明において、前記所望の箇所が、ファスナー部材により第一の方向に補強された第一の層と、ファスナー部材により第一の方向と異なる第二の方向に補強された第二の層とを備えることを特徴とする。
第10の発明は、第7ないし9のいずれかの発明において、被服類が防護用カバーであることを特徴とする。
第11の発明は、第7ないし9のいずれかの発明において、被服類が作業用手袋であることを特徴とする
第12の発明は、第11の発明において、親指および人指し指が前記ファスナー部材により補強されることを特徴とする。
縫合は、パッチワークの態様で、ファスナー部材複数のを縫い合わせて接ぎ布(布地)とすることにより、或いは当て布として被服類に縫い付けることにより行われる。一般に、パッチワークとは、さまざまな柄布、素材、色、大きさ、形の小さい布を接ぎ合せて、1枚の大きな布にする技法であり、パッチは接ぎ、当て布を意味し、決まった形の布を縫い合わせて作るピースドワークと、一定の形に切り抜いたものを地布に縫い付けて行くアップリケワークに大別される。本発明においては、一のファスナー部材(種々のタイプが存在する。)を布片の基本単位とし、ミシンを用いて縫い合わせて、あるいは縫い付けをする。
本発明のファスナー部材においては、ファスナー歯が布片(耳)に固着されているので、布片部分を被服類に縫止することで任意の箇所を所望の本数のファスナー部材(当て布)により容易に補強することが可能である。あるいは布片部分を縫い合わせて決まった形の布を材をつくり、被服類に縫い上げることで任意の箇所を所望の本数のファスナー部材(接ぎ布)により容易に補強することが可能である。所望の箇所を補強された被服類は、それの装着者を各種の危険から守るための安全性と可動性が要求されるが、被服類の装着(使用)目的により該安全性には軽重の差があり、また、該可動性にも軽重がある。被服類の装着(使用)目的によりファスナー部材の種類、大きさ、材料(歯取付用布片、ファスナー歯)などが選択される。
ファスナー部材の大きさは、用途に応じて種々のものを選択することができるが、例えば、エレメント(務歯)幅が2mm〜10mmのものを使用することが開示される。エレメントのサイズが大きくなるのに伴い可動性が損なわれ、反面、補強性が向上することを考慮し、適宜最適なサイズのものを選択する。
図1は、ファスナー部材10を取り付けた作業用手袋1を掌側からみた全体図である。
甲皮3は、手の甲と同形であり、掌皮4は、掌と同形である。甲皮3および掌皮4は、公知の強化繊維により構成される。
ファスナー部材10は、掌皮4に略等間隔に長手方向に4つ設けられている。すなわち、中指から小指までの指には、指先から手首にかけて長手方向にファスナー部材10が3つ設けられており、人差し指の指先から親指の指先にかけてファスナー部材10が1つ設けられている。
なお、ファスナー部材10の数、配置位置、並びに、配置方向は、適宜変更可能であり、例えば、人指し指と親指を2つのファスナー部材10により補強してもよい。
ファスナー部材10は、歯取付用布片11A、11Bと、ファスナー歯12A、12Bと、芯紐13A、13Bと、留め具14とから構成される。ファスナー部材10は、ファスナー歯12Aと12Bが噛合した状態で使用されることから、スライダーは取り外されている。
ファスナー歯12A、12Bは、芯紐13A、13Bに縫合され、噛合した状態にある。
図2中、符号14は、下止である。本実施例では上止を設けていないため、スライダーの取り外しは容易である。
本実施例の作業用手袋1は、図3に示す如く、ファスナー部材10(接ぎ布)により補強された甲皮3と掌皮4とから構成される。
甲皮3は、5本のファスナー部材10を同一方向に連設してなる布地により構成される。ファスナー部材10は、親指から小指までの各々の指につき、指先から手首にかけて縦方向に縁部が重なるように配置され、縁部は、図3中、細い点線で図示する位置で縫合されている。
掌皮4には、4本のファスナー部材10が設けられており、構成および配置態様は実施例1と同様である。ただし、掌皮4が同一方向に連設してなる布地により構成され、その縁部が甲側のファスナー部材10の歯取付用布片11に縫合されている点で相違する。
本実施例の作業用手袋1は、例えば、カッターナイフにより写真用フィルムを切断するための作業に用いられるものであり、カッターナイフにより怪我をするおそれのある親指と人指し指のみを補強している。
図4に示すように、親指は甲皮側を2本のファスナー部材10(接ぎ布、当て布どちらでもよい。)により補強されている。人指し指は、掌側に1本、内側面に1本、甲側に1本の合計3本のファスナー部材10(接ぎ布、当て布どちらでもよい。)により補強されている。
図5に示すように、本実施例の防護用カバー15は、表皮16と、裏皮17と、取付部材18とから構成される。
表皮16には、ファスナー部材10が縦断方向に略等間隔に9つ設けられている。ここで、ファスナー部材10(接ぎ布、当て布どちらでもよい。)を縦断方向に設けか横断方向に設けるかは用途に応じて適宜変更される設計事項である。
また、刃物に対する防御性を高めるために、格子状にファスナー部材10を配置してもよく、例えば、表皮16に縦断方向に配置し、裏皮17に横断方向に配置してもよい。
図6に示すように、本実施例の防護用カバー25は、表皮26と、裏皮27と、取付部材28とから構成される。
表皮26には、ファスナー部材10(接ぎ布、当て布どちらでもよい。)が縦断方向に複数設けられている。ここで、ファスナー部材10を縦断方向に設けか横断方向に設けるかは用途に応じて適宜変更される設計事項であるが、可動性の観点からは縦方向に設けるのが好ましい。
取付部材28は、一定の幅をもった面ファスナーであり、装着者の上腕部の太さに応じて締着性を調整することが可能である。
図7に示すように、本実施例の防護用カバー35は、表皮36と、裏皮37と、取付部材38(図示せず)と、補強布39とから構成される。
表皮36および裏皮37は、上腕部への装着に適した形状に構成される点を除いては、実施例5の防護用カバーと同様の構成である。
補強布39は、手を進入させる側の縁部を補強するための部材であって、天然皮革や高機能繊維などにより構成される。
図8に示すように、本実施例の防護用カバー45は、表皮46と、裏皮47と、取付部材48(図示せず)とから構成される。
表皮46および裏皮47が脚部への装着に適した形状に構成される点を除いては、実施例5および6の防護用カバーと同様の構成である。
図9に示すように、本実施例の防護用カバー55は、上布56と、下布57と、紐58とから構成される。
下布57は、縦方向に複数設けられたファスナー部材10(接ぎ布、当て布どちらでもよい。)により補強されている。ファスナー部材10の本数および配置方向は設計事項である。
本実施例においては上布56をファスナー部材10により補強していないが、上布56についてもファスナー部材10で補強できることはいうまでもない。
林材業:ナタによる枝払い作業
金属類を扱う作業:バリに触れる危険な作業
ガラス類を扱う作業:破片に触れる危険な作業
印刷業:カッターナイフを使用した作業
木工業:カッターナイフを使用した作業
警備業(警察業):ナイフや包丁類に対峙する場面での作業
3 甲皮
4 掌皮
10 ファスナー部材
11A,11B 歯取付用布片
12A,12B ファスナー歯
13A,13B 芯紐
14 下止
15,25,35,45,55 防護用カバー
16,26,36,46 表皮
17,27,37,47 裏皮
18,28,38,48 取付部材
39 補強布
56 上布
57 下布
58 紐
Claims (5)
- 一対の布片に固着された左右のファスナー歯を噛合させ、スライダーを外した状態の複数のファスナー部材を縫い合わせて作成した接ぎ布を所望の箇所に縫製することにより補強された防護用カバーであって、前記所望の箇所が、ファスナー部材により第一の方向に補強された第一の層と、ファスナー部材により第一の方向とは異なる第二の方向に補強された第二の層とを備えること、および、防護用カバーの安全性を高めたい箇所を金属製のファスナー歯を有するファスナー部材により補強し、可動性を高めたい箇所を樹脂製のファスナー歯を有するファスナー部材により補強したことを特徴とする防護用カバー。
- 第一の方向のファスナー部材と第二の方向のファスナー部材が格子状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防護用カバー。
- 第一の層が表皮であり、第二の層が裏皮からなることを特徴とする請求項1または2に記載の防護用カバー。
- 上布と、下布と、上布に設けられた紐部材とを備え、上布および下布に複数のファスナー部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防護用カバー。
- 防護用カバーが、手や足に取り付ける防護用カバー、胸前掛け、または作業用エプロンであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防護用カバー。
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