JP4295293B2 - 液化ガス供給装置 - Google Patents

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本発明は、例えばプロパン、ブタン、ジメチルエーテル(DME)、液化アンモニア等の液化ガスを家庭用または車載用の液化ガス容器等に向けて供給するのに好適に用いられる液化ガス供給装置に関する。
一般に、家庭用または自動車用の燃料として使用される液化ガスは、大型の貯蔵タンク内に貯蔵される。そして、この貯蔵タンクから家庭用または車載用の液化ガス容器(供給先の小型ボンベ)等に液化ガスを供給する方法としては、例えば送液ポンプ等を用いる方法と、加圧専用のガス(以下、加圧ガスという)を用いる方法とがある。
この場合、液化ガスの供給に送液ポンプ等を用いる方法は、高圧ガス保安法等の法律上の制約が多く、施設の安全な運用を図る必要性等から液化ガス供給施設に広いスペースを確保することが要求され、施設全体が大型化し、建設コストも増大することになる。
一方、液化ガスを加圧ガスを用いて供給する方法は、前記貯蔵タンクから液化ガスを外部に払出すときに一旦は小型の払出用容器内に小分けするように張込んで収容し、この払出用容器から液化ガスを供給先のボンベ等に向けて供給するときに、払出用容器内を加圧ガスにより加圧して液化ガスを送出するものである。
そして、この種の従来技術による液化ガス供給装置は、払出用容器内を加圧するための加圧ガスとして、例えば供給対象の液化ガスより気化(蒸発)し易いプロパンガスを用いたもの(例えば、特許文献1参照)と、窒素ガス、ヘリウムガス等の不燃性ガスを用いたものとがある(例えば、特許文献2参照)。
また、別の方法として、液化ガスの貯蔵タンクを外部から加熱媒体を用いて加温し、貯蔵タンク内の圧力を供給先のボンベよりも高い圧力に保つことにより、両者の圧力差を利用して液化ガスの供給を行うものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−181291号公報 特開2002−195494号公報 特開2004−245279号公報
ところで、上述した特許文献1による従来技術では、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクとは別に、例えばプロパンガス等の加圧ガスを貯蔵する加圧ガス用の貯蔵タンクを、大型のタンクとして設ける必要があり、全体の設備が大型化してしまう。しかも、加圧ガス用の貯蔵タンク内には定期的に加圧ガスを補充する必要があるため、加圧ガスの補充作業等に手間がかかり、メンテナンス時の作業性が低下するという問題がある。
また、特許文献2による他の従来技術でも、例えば窒素ガス、ヘリウムガス等の加圧用不燃性ガスを貯蔵する加圧用不燃性ガスの貯蔵タンクを設ける必要がある上に、このタンク内にも加圧用不燃性ガスを適宜に補充しなければならず、これによって全体の設備が大型化し、メンテナンス時の作業性等を向上することができないという問題がある。
一方、特許文献3による別の従来技術は、液化ガスの貯蔵タンクよりも小容量の払出用容器を用いることなく、大型の貯蔵タンクを外部から加温する構成としているため、大型の貯蔵タンク自体に断熱対策を施す必要があり、設備全体が複雑になって大型化するという問題がある。
しかも、この場合には、貯蔵タンクから自動車の車載容器(ボンベ)等に液化ガスを直接的に供給する構成としている。このため、貯蔵タンク内には常に過剰(余分)な量の液化ガスが残留または貯蔵されることになり、このような貯蔵タンクを加温し続けるには、エネルギが余分に消費され、省エネルギ化を図ることができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、貯蔵タンクとは別に蒸気発生用容器を用いることにより、液化ガスの一部を加温して蒸気を発生させることができ、この蒸気を加圧ガスとして用いることにより液化ガスの供給制御を安定して行うことができるようにした液化ガス供給装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、設備全体を小型化することができ、省エネルギ化を図ることができる上に、メンテナンス時の作業性等も向上できるようにした液化ガス供給装置を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、蒸気発生用容器の加温と払出用容器側での冷却とを、ヒートポンプを用いて効率的に行うことができ、省エネルギ化を実現できるようにした液化ガス供給装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンクよりも小さい容量に形成され該貯蔵タンクから外部に払出すための液化ガスが供給される払出用容器と、該払出用容器から液化ガスを払出すときに該払出用容器内を加圧ガスによって加圧する加圧手段とを備えた液化ガス供給装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記加圧手段は、前記貯蔵タンクに第1のバルブを介して接続され内部に前記貯蔵タンクからの液化ガスが充填される蒸気発生用容器と、該蒸気発生用容器内で液化ガスを加温し前記液化ガスの蒸気を発生させる加温装置と、前記蒸気発生用容器と払出用容器との間に第2のバルブを介して設けられ前記蒸気発生用容器内で発生した蒸気を加圧ガスとして前記払出用容器に向け送出する蒸気送出路とにより構成し、前記蒸気発生用容器と払出用容器との間には、内部を循環する熱媒体が放熱部の位置で凝縮作用による放熱を行い吸熱部の位置では蒸発作用による吸熱を行うヒートポンプを設け、前記加温装置は前記ヒートポンプの放熱部により構成し、前記ヒートポンプの吸熱部は前記払出用容器内の液化ガスを冷却する構成としたことにある。
さらに、請求項の発明によると、前記ヒートポンプの吸熱部は、前記払出用容器に設けられた第1の吸熱器と、該第1の吸熱器とは別に外気と接触する位置に設けられた第2の吸熱器とにより構成し、前記第1,第2の吸熱器は、前記ヒートポンプの放熱部に対して選択的に切替えて接続する構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、貯蔵タンクからの液化ガスを蒸気発生用容器内に充填し、第1,第2のバルブを閉弁した状態で、加温装置により蒸気発生用容器内の液化ガスを加温すると、この容器内で液化ガスの蒸気を発生させることができる。そして、この状態で蒸気発生用容器と払出用容器との間に設けた第2のバルブを開くと、蒸気発生用容器内で発生した蒸気が蒸気送出路を通じて払出用容器内に送出されるので、このときの蒸気圧(加圧ガス)によって払出用容器から液化ガスを、供給先のボンベ(例えば、家庭用または自動車用の小型容器)等に払出すことができ、小型の払出用容器を用いた液化ガスの供給制御を安定して行うことができる。
このため、従来技術のように別途の加圧ガス(例えば、プロパンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等)を用いる必要がなくなり、加圧ガス補充用のタンク等も不要にできるので、設備全体を小型化することができ、メンテナンス時の作業性等も向上することができる。また、貯蔵タンクよりも小型の蒸気発生用容器を加温するため、断熱対策等を簡略化することができ、液化ガスを余分に蒸発させることなく、省エネルギ化を図ることができる。
しかも、請求項1の発明は、蒸気発生用容器側の加温装置をヒートポンプの放熱部により構成し、払出用容器内の液化ガスを前記ヒートポンプの吸熱部によって冷却する構成としているので、蒸気発生用容器側の加温と払出用容器側での冷却とを、例えば冷媒等の熱媒体を用いたヒートポンプにより効率的に行うことができ、省エネルギ化を実現することができる。また、払出用容器内の液化ガスを冷却することにより、供給先のボンベに液化ガスを供給(移充填)する作業を効率的に行うことができる。
また、請求項に記載の発明では、ヒートポンプの吸熱部を、払出用容器に設けられた第1の吸熱器と外気と接触する位置に設けられた第2の吸熱器とにより構成しているので、例えば払出用容器内の温度を監視し、液化ガスの温度が所定の設定温度に達したときには、前記ヒートポンプの放熱部を第1の吸熱器から第2の吸熱器に切替えて接続でき、このときには外気温度を利用して熱媒体(冷媒)を蒸発させ、前記放熱部側での凝縮作用による蒸気発生用容器内の液化ガスの蒸発を促進することができる。そして、払出用容器内の液化ガスが余分に冷やされるのを防ぐことができ、払出用容器から供給先のボンベに液化ガスを供給するときに、このボンベ内に液化ガスが過剰に充填される等の不具合をなくすことができる。
以下、本発明の実施の形態による液化ガス供給装置を、添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は液化ガス2を貯蔵した大型の貯蔵タンクで、この貯蔵タンク1は、耐圧性、気密性に優れた3トン未満の密閉容器(バルク容器)により構成され、その内部には、例えば液化ブタンと液化プロパンの混合物からなる液化ガス2が貯蔵されている。
そして、貯蔵タンク1は、例えば図1に示すように、後述の払出用容器7、蒸気発生用容器13よりも高い位置に設置されている。これにより、貯蔵タンク1からは、そのヘッド圧を利用して払出用容器7、蒸気発生用容器13内に液化ガス2を張込むことができ、液化ガス2の充填作業を容易に行い得るものである。
また、貯蔵タンク1内には、例えば内容積の90%以下の範囲内で液化ガス2が収容され、これにより液化ガス2の過充填を防止している。そして、貯蔵タンク1内の液化ガス2は、その一部が気化(蒸発)し、例えば気化プロパンガスおよび気化ブタンガスとなって貯蔵タンク1の上層側に滞留している。
3は貯蔵タンク1に設けられた液面センサで、該液面センサ3は、貯蔵タンク1内に収容された液化ガス2の液量を、例えばヘッド圧として検出する。4は貯蔵タンク1に設けられた圧力計で、該圧力計4は、貯蔵タンク1内に収容された液化ガス2の圧力をガス圧(気体圧)として検出するものである。
5は貯蔵タンク1の底部側に接続された供給配管で、該供給配管5は、その一側が張込みバルブ6を介して貯蔵タンク1に接続され、他側(先端側)が後述する供給バルブ20の位置まで延びている。この場合、張込みバルブ6は、後述の分岐管14と貯蔵タンク1との間に位置して供給配管5の途中に設けられ、後述の制御装置28(図2参照)によって開,閉弁される。
7は液化ガス2を外部に払出すときに用いる払出用容器を示し、該払出用容器7は、貯蔵タンク1に比較して十分に小さい容量(例えば、50リッター程度)の密閉容器として形成されている。そして、払出用容器7の周壁側には、断熱材(図示せず)等を用いた断熱処理が施されている。また、払出用容器7内には、後述の冷却管25が設けられている。
8は払出用容器7の底部側を液化ガス2の供給配管5に接続した給排管で、該給排管8は、後述の分岐管14と供給バルブ20との間で供給配管5から分岐している。そして、給排管8は、その途中位置に給排バルブ9が設けられ、この給排バルブ9を開弁することにより、払出用容器7に対する液化ガス2の給排が後述の如く行われるものである。
10は払出用容器7の上部と貯蔵タンク1との間に設けられたガス均圧ラインで、該ガス均圧ライン10は、その途中部位に設けられた均圧バルブ11を開くことにより、払出用容器7内の圧力(ガス圧)と貯蔵タンク1の圧力とを均一化し、例えば払出用容器7内に液化ガス2の蒸気(気化ガス)が滞留するのを防ぐものである。
12は払出用容器7内に加圧ガス(蒸気)を供給する加圧手段としての蒸気発生装置で、該蒸気発生装置12は、後述の蒸気発生用容器13、蒸気の送出管18、送出バルブ19および加熱管24等により構成されている。
13は液化ガス2の一部を蒸発させるための蒸気発生用容器で、該蒸気発生用容器13は、貯蔵タンク1よりも十分に小さく、払出用容器7よりも約2倍程度に大きい容量(例えば、約100リッター)の密閉容器として形成されている。そして、蒸気発生用容器13の周壁側には、断熱材(図示せず)等を用いた断熱処理が施されている。また、蒸気発生用容器13には、後述の加熱管24が設けられている。
14は蒸気発生用容器13の底部側を液化ガス2の供給配管5に接続した分岐管で、該分岐管14は、張込みバルブ6と給排管8との間で供給配管5から分岐し、蒸気発生用容器13内に後述の充填バルブ15を介して液化ガス2を充填するものである。
15は分岐管14の途中に設けられた第1のバルブとしての充填バルブで、該充填バルブ15は、貯蔵タンク1内の液化ガス2を蒸気発生用容器13内に張込むように充填するときに開弁され、充填後には閉弁される。また、充填バルブ15は、図3に示すステップ14において後述の如く、蒸気発生用容器13内から払出用容器7内に液化ガス2を移液するときにも開弁されるものである。
16は蒸気発生用容器13に設けられた液面センサで、該液面センサ16は、蒸気発生用容器13内に収容された液化ガス2の液量を、例えばヘッド圧として検出する。17は蒸気発生用容器13に設けられた圧力センサで、該圧力センサ17は、蒸気発生用容器13内で後述の蒸気が発生したときに、その蒸気圧をガス圧(気体圧)として検出するものである。
18は蒸気発生用容器13内で発生した蒸気を加圧ガスとして払出用容器7に送出する蒸気送出路(以下、送出管18という)で、該送出管18は、その一側が蒸気発生用容器13の上部に接続され、他側が払出用容器7の上部に接続されている。この場合、送出管18の他側部位をガス均圧ライン10を介して払出用容器7の上端側に接続してもよく、ガス均圧ライン10とは別に払出用容器7の上端側に直に接続してもよい。
19は送出管18の途中に設けられた第2のバルブとしての送出バルブで、該送出バルブ19は、後述の如く充填バルブ15を介して蒸気発生用容器13内に液化ガスを充填するときと、蒸気発生用容器13内で発生した蒸気を払出用容器7に向けて送出するときに開弁され、これ以外のときには閉弁状態に保持されるものである。
20は供給配管5の先端側に設けられた液化ガス2用の供給バルブで、該供給バルブ20は、例えば家庭用または自動車用となる供給先のボンベ(図示せず)に液化ガス2を移充填ホース21等を用いて供給するときに開弁され、これ以外のときには閉弁状態に保持される。これにより、供給バルブ20は、供給配管5内の液化ガス2が外部(移充填ホース21側)に漏洩したりするのを高い安全性をもって阻止するものである。
22は蒸気発生用容器13内で液化ガス2の蒸気を発生させるために採用した熱源となるヒートポンプで、該ヒートポンプ22は、例えば冷媒等の熱媒体が内部を循環する循環路23と、後述の加熱管24、冷却管25、圧縮機26、膨脹弁27等とにより所謂冷凍サイクルを構成するものである。
24は蒸気発生装置12の一部を構成する加温装置としての加熱管で、この加熱管24は、図1に示す如く螺旋状またはコイル状に巻回された金属チューブ等を用いて形成され、蒸気発生用容器13に設けられるものである。そして、加熱管24は、循環路23の一側に配置されるヒートポンプ22の放熱部(放熱用熱交換器)を構成している。
ここで、金属チューブからなる加熱管24内では、後述の圧縮機26を用いて圧縮された熱媒体が循環することにより、熱媒体の凝縮作用による発熱(凝縮熱の発生)を促進させる。これにより、加熱管24は、熱媒体の発熱を利用して蒸気発生用容器13内の液化ガス2を加温する。そして、蒸気発生用容器13内では、例えば10〜20℃分だけ液化ガス2が温度上昇され、液化ガス2の蒸気が発生するものである。
25は循環路23の他側に設けられたヒートポンプ22の吸熱部(吸熱用熱交換器)を構成する冷却管で、該冷却管25は、螺旋状またはコイル状に巻回された金属チューブ等を払出用容器7に設けることにより構成されている。そして、金属チューブからなる冷却管25内では、後述の膨脹弁27を用いて気化(蒸発)し易い状態となった熱媒体が循環することにより、熱媒体の蒸発作用による吸熱を促進させる。これにより、冷却管25は、熱媒体の吸熱を利用して払出用容器7内の液化ガス2を冷却するものである。
26はヒートポンプ22の一部を構成する圧縮機で、該圧縮機26は、例えばインバータ式の電動モータ(図示せず)等を用いて駆動される。そして、圧縮機26は、ヒートポンプ22の循環路23内に充填された冷媒等の熱媒体を圧縮する。これにより、急激に温度上昇させた熱媒体は、例えば冷却管25側から加熱管24側に向けて循環路23内を強制的に循環(流通)されるものである。
27は圧縮機26と共にヒートポンプ22を構成する膨脹弁で、該膨脹弁27は、加熱管24を通過して凝縮(液相)状態となった熱媒体を急激に膨脹させ、これによって熱媒体の温度を大きく低下させる。このため、低温状態の熱媒体は、冷却管25内を循環(流通)する間に払出用容器7内の液化ガス2を冷却し、液化ガス2からの吸熱作用により液相から気相に変換されるものである。
28はマイクロコンピュータ等によって構成された制御装置で、該制御装置28は、図2に示す如く入力側が液面センサ3,16、圧力計4および圧力センサ17等に接続され、出力側が張込みバルブ6、給排バルブ9、均圧バルブ11、充填バルブ15、送出バルブ19、供給バルブ20およびヒートポンプ22の圧縮機26等に接続されている。
また、制御装置28は、ROM、RAM等からなる記憶部28Aを有し、この記憶部28A内には、液化ガス2の供給制御を行うための処理プログラム等が格納されている。そして、制御装置28は、図3に一例として示した処理手順に従って液化ガス2の供給制御処理(払出し制御処理)等を行うものである。
本実施の形態による液化ガス供給装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、制御装置28による液化ガス供給制御の処理手順について図3を参照して説明する。
まず、処理動作をスタートすると、ステップ1で張込みバルブ6、給排バルブ9、均圧バルブ11、充填バルブ15、送出バルブ19を全て開弁する。これにより、貯蔵タンク1内の液化ガス2をヘッド圧を利用して蒸気発生用容器13、払出用容器7内に充填するように張込む。
次に、ステップ2では、蒸気発生用容器13内に充填(収容)された液化ガス2の液量を、液面センサ16により液面Hとして読込む。そして、ステップ3では、このときの液面Hが予め決められた所定量の液面H1 まで達したか否かを判定する。なお、所定量の液面H1 とは、液化ガス2が蒸気発生用容器13内に、例えば内容積の1/3〜1/2程度まで張込まれたときの液面高さに対応している。そして、払出用容器7内には、液化ガスがほぼ満杯となるまで張込むようにする。
ここで、蒸気発生用容器13内の液面Hが所定の液面H1 以上となるまでは、液化ガス2を蒸気発生用容器13、払出用容器7内に張込む作業を続行する。そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、液化ガス2が蒸気発生用容器13内に所定量(液面H1 )張込まれているので、ステップ4に移って充填バルブ15と送出バルブ19を閉弁し、その後に払出用容器7内に液化ガス2をほぼ満杯となるまで張込んだ状態で、張込み作業を停止するために張込みバルブ6、給排バルブ9、均圧バルブ11を全て閉弁する。
次に、ステップ5では、図1に示すヒートポンプ22を作動させるために圧縮機26を駆動し、冷媒等の熱媒体を循環路23内で強制的に循環させる。これにより、循環路23の一方側に位置する冷却管25(吸熱部)側では、熱媒体の蒸発作用による吸熱を利用して払出用容器7内の液化ガス2を冷却する。
また、循環路23の他方側に位置する加熱管24(放熱部)側では、熱媒体の凝縮作用による発熱を利用して蒸気発生用容器13内の液化ガス2を加温する。そして、ステップ6では、圧力センサ17により蒸気発生用容器13内の圧力Pを読込み、ステップ7に移って圧力Pが所定の圧力値P1 以上に達したか否かを判定する。
この場合、ステップ7による圧力値P1 は、例えば0.05〜0.15MPa(メガパスカル)程度分だけ供給先のボンベ(内圧)よりも高い圧力値であればよい。そして、圧力値P1 の値は、液化ガス2の種類に応じて可変に設定されるものである。また、圧力値P1 をより高い圧力に設定すれば、これによって供給先のボンベに対する液化ガス2の払出し(供給)速度を速くすることができる。
ここで、蒸気発生用容器13内の圧力Pが圧力値P1 以上になると、蒸気発生用容器13内の液化ガス2が加温により、例えば10〜20℃分だけ温度上昇され、蒸気発生用容器13内では液化ガス2の蒸気が発生していると判定することができる。
このため、ステップ7で「YES」と判定したときには、ステップ8に移って圧縮機26の駆動を停止し、蒸気発生用容器13内の液化ガス2がこれ以上に加温され、液化ガス2の蒸気が過剰に発生するのを防ぐものである。そして、その後はステップ9に移り、液化ガス2の払出し制御を実行する。
即ち、ステップ9による払出し制御では、蒸気発生用容器13側の送出バルブ19を開弁すると共に、払出用容器7側の給排バルブ9と供給バルブ20を同時に開弁し、例えば家庭用または自動車用となる供給先のボンベ(図示せず)に液化ガス2を移充填ホース21等を用いて供給する。
このとき、蒸気発生用容器13内で発生した液化ガス2の蒸気が送出管18を通じて払出用容器7内に送出されるので、このときの蒸気圧(加圧ガス)によって払出用容器7から液化ガス2を供給先のボンベに向けて払出すことができ、小型の払出用容器7を用いた液化ガス2の払出し(供給)制御を安定して行うことができる。
そして、供給先のボンベ内に所定量の液化ガス2が払出された段階で、蒸気発生用容器13側の送出バルブ19、払出用容器7側の給排バルブ9および供給バルブ20を全て閉弁し、ステップ9による液化ガス2の払出し制御は、これによって終了(停止)される。
次に、ステップ10では、例えば制御装置28の記憶部28A内に格納したカウンタCを、「C+1」として歩進させ、ステップ11に移ってカウンタCが所定の計数値C1 に達したか否かを判定する。この場合、カウンタCの計数値C1 は、例えば4〜5回に予め設定するのが好ましい。しかし、この計数値C1 は、液化ガス2中のブタン濃度が高い場合には、例えば3〜4回に設定するのがよく、蒸気発生用容器13の容量に応じて変えられものである。
そして、ステップ11で「NO」と判定する間は、蒸気発生用容器13内に液化ガス2が残留し、残りの液化ガス2を加温すれば、加圧ガスとしての蒸気が十分に発生すると判断できるので、ステップ12に移って払出用容器7に対する液化ガス2の張込み制御を実行する。
即ち、ステップ12による液化ガス2の張込み制御は、蒸気発生用容器13内に液化ガス2が十分に残留している段階でのみ行うものである。そして、この場合には、蒸気発生用容器13側の充填バルブ15、送出バルブ19を閉弁状態に保持したまま、張込みバルブ6、給排バルブ9、均圧バルブ11を開弁する。これにより、貯蔵タンク1内の液化ガス2をヘッド圧を利用して払出用容器7内に充填するように張込む。
そして、払出用容器7内に液化ガス2が充満するように張込まれた段階で、張込みバルブ6、給排バルブ9、均圧バルブ11を全て閉弁させ、ステップ12による液化ガス2の張込み制御を停止させる。次に、その後はステップ5に移り、再び圧縮機26を駆動してヒートポンプ22を作動させ、払出用容器7内の液化ガス2を冷却管25により冷却すると共に、蒸気発生用容器13内の液化ガス2を加熱管24により加温する。
そして、ステップ6〜ステップ12にわたる処理動作を、前述したカウンタCによる所定の計数値C1 分だけ繰返し、その度毎にステップ9では、蒸気発生用容器13内で発生した液化ガス2の蒸気圧(加圧ガス)を利用して、払出用容器7から液化ガス2を供給先のボンベに向けて払出す制御を実行する。
そして、この繰返し回数が予め決められた計数値C1 (例えば、3〜5回)に達した段階、即ちステップ11で「YES」と判定された段階で、次なるステップ13に移る。なお、このようにカウンタCを用いる判定処理はあくまでも一例であり、例えば蒸気発生用容器13内に残留した液化ガス2の残量に基づいて、ステップ11の判定処理を行うようにしてもよい。
次に、蒸気発生用容器13内の液化ガス2の残量が少なくなった段階では、ステップ11で「YES」と判定されるので、ステップ13に移ってカウンタCを零リセット(C=0)する。そして、ステップ14では、蒸気発生用容器13内に僅かに残った液化ガス2を払出用容器7内に移液(移送)する制御を下記のように行う。
即ち、ステップ14では、蒸気発生用容器13側の充填バルブ15、払出用容器7側の給排バルブ9および均圧バルブ11を開弁し、払出用容器7内に液化ガス2が移液された段階で、充填バルブ15、給排バルブ9および均圧バルブ11を共に閉弁する。そして、その後はステップ15でリターンし、再びステップ1以降の処理を必要に応じて順次行うものである。
かくして、本実施の形態によれば、貯蔵タンク1内の液化ガス2をヘッド圧を利用して蒸気発生用容器13、払出用容器7内に充填するように張込み、充填バルブ15、送出バルブ19等を全て閉弁した状態で、圧縮機26を駆動してヒートポンプ22を作動させ、払出用容器7内の液化ガス2を冷却管25により冷却すると共に、蒸気発生用容器13内の液化ガス2を加熱管24により加温する構成としている。
これにより、密閉状態となった蒸気発生用容器13内で液化ガス2の蒸気を発生することができ、この状態で蒸気発生用容器13と払出用容器7との間に設けた送出バルブ19を開くと共に、払出用容器7側の給排バルブ9と供給バルブ20とを開くことにより、このときの蒸気圧を利用して供給先のボンベに液化ガス2を移充填ホース21から移充填するように供給することができる。
即ち、蒸気発生用容器13内で発生した液化ガス2の蒸気は、送出管18を通じて払出用容器7内に送出されるので、このときの蒸気圧(加圧ガス)によって払出用容器7から液化ガス2を供給先のボンベに向け移充填ホース21を介して供給することができ、小型の払出用容器7を用いた液化ガス2の払出し(供給)制御を安定して行うことができる。
このため、貯蔵タンク1から供給される液化ガス2とは別の加圧ガス(例えば、プロパンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等)を、従来技術のように別途用いる必要がなくなり、加圧ガス専用のタンク等も不要にできる。これにより、貯蔵タンク1、払出用容器7および蒸気発生用容器13等からなる液化ガス供給装置全体の設備を小型化することができる。
また、蒸気発生用容器13内には、その残量が少なくなった段階で貯蔵タンク1から液化ガス2を順次張込むように補充すればよいので、従来技術のように加圧ガスを補充するための補充用タンク等を不要でき、これによっても装置の小型化を実現することができる。そして、メンテナンス時の加圧ガスの補充作業等を不要にすることができ、メンテナンス時の作業性も向上することができる。
しかも、大型の貯蔵タンク1ではなく、小型の蒸気発生用容器13をヒートポンプ22の放熱部(加熱管24)により加温する構成としているので、大型の貯蔵タンク1には断熱材等を用いた断熱対策等を特別に行う必要がなく、これによっても設備の簡略化、簡素化等を図り、設備の製作、管理、維持コスト等の低減することができる。
そして、小型の蒸気発生用容器13内には、比較的少量の液化ガス2を充填すればよいので、この液化ガス2を加温しても余分な蒸気が発生することはなく、小型の蒸気発生用容器13内で発生した液化ガス2の蒸気を加圧ガスとして効率的に活用することができ、省エネルギ化を図ることができる。
また、蒸気発生用容器13内の加熱管24をヒートポンプ22の放熱部(放熱用熱交換器)により構成し、払出用容器7内の冷却管25をヒートポンプ22の吸熱部(吸熱用熱交換器)により構成している。このため、蒸気発生用容器13側の加温と払出用容器7側での冷却とを、例えば冷媒等の熱媒体を用いたヒートポンプ22により効率的に行うことができ、大幅な省エネルギ化を実現することができる。
従って、本実施の形態によれば、液化ガス2を供給先のボンベ等に移充填して払出すときに、専用のポンプや別途の加圧ガス等を用いる必要がなくなり、液化ガス供給装置全体の設備を簡素化し、小型化を図ることができると共に、所謂オートガススタンドの設置等を容易に行うことができる。
また、ヒートポンプ22の冷却管25を用いて払出用容器7内の液化ガス2を冷却することにより、例えば夏季等に周囲温度の影響で供給先のボンベが比較的高い温度になっている場合でも、低い温度の液化ガスをボンベ内に最初に移充填した段階で当該ボンベの温度を下げることができ、これによりボンベ内の圧力を下げ、払出用容器7から液化ガス2をボンベ内に供給(移充填)する作業を短時間で、効率的に行うことができる。
次に、図4ないし図7は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ヒートポンプの吸熱部を、払出用容器に設けられた第1の吸熱器と、該第1の吸熱器とは別に外気と接触する位置に設けられた第2の吸熱器とにより構成し、これらの第1,第2の吸熱器をヒートポンプの放熱部に対し、選択的に切替えて接続する構成としたことにある。
なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は払出用容器7に設けられた温度センサで、該温度センサ31は、払出用容器7内に収容した液化ガス2の温度Tを検出する。そして、温度センサ31は、後述の制御装置39に接続され、検出した温度Tを制御装置39に読込ませるものである。
32は本実施の形態で採用したヒートポンプで、該ヒートポンプ32は、第1の実施の形態で述べたヒートポンプ22とほぼ同様に構成され、例えば冷媒等の熱媒体が内部を循環する循環路23、加熱管24、圧縮機26および膨脹弁27等を有している。しかし、この場合のヒートポンプ32は、後述する第1,第2の吸熱器33,34と経路切替装置35とを有する点で、第1の実施の形態によるヒートポンプ22とは異なっているものである。
33は払出用容器7に設けられた第1の吸熱器で、該第1の吸熱器33は、第1の実施の形態で述べた冷却管25と同様に構成され、例えば循環路23を挟んで蒸気発生用容器13側の加熱管24とは反対側に設けられるものである。しかし、第1の吸熱器33は、後述の経路切替装置35を介して第2の吸熱器34と並列に接続されている点で、前記冷却管25とは異なるものである。
34は第1の吸熱器33とは別に外気と接触する位置に設けられた第2の吸熱器で、該第2の吸熱器34も前述した冷却管25とほぼ同様に吸熱用熱交換器として構成されている。しかし、第2の吸熱器34は、例えばエアコンディショナ(家庭用エアコン)を暖房装置として用いる場合の室外機のように、常に外気と接触する位置に設置されるものである。
そして、第2の吸熱器34は、後述の経路切替装置35により第1の吸熱器33に替えて循環路23と接続されたときに、膨脹弁27を用いて気化(蒸発)し易い状態をなった熱媒体が第2の吸熱器34内を循環することにより、熱媒体の蒸発作用による吸熱を促進させる。このため、第2の吸熱器34は、熱媒体の吸熱を利用して周囲の外気を冷却することになる。
35は第1,第2の吸熱器33,34間で熱媒体の流路(経路)を切替える経路切替装置で、該経路切替装置35は、1対の流入ポート36A,流出ポート36Bと2対の切替ポート37A,37B、切替ポート38A,38Bとを備え、後述する制御装置39からの切替信号に従って経路の切替え動作が行われるものである。
即ち、経路切替装置35の流入ポート36Aは、切替ポート37A,38Aのいずれかに選択的に切替えられ、流出ポート36Bは、切替ポート37B,38Bのいずれかに選択的に切替えられる。そして、経路切替装置35は、第1の吸熱器33を選択するときに、流入,流出ポート36A,36Bを図4中に実線で示す如く切替ポート37A,37Bに接続し、第2の吸熱器34を選択したときには、流入,流出ポート36A,36Bを図4中に点線で示すように切替ポート38A,38Bに接続するものである。
39は本実施の形態で採用した制御装置で、該制御装置39は、第1の実施の形態で述べた制御装置28とほぼ同様に構成されている。しかし、この場合の制御装置39は、図5に示すように入力側に温度センサ31が接続され、出力側に経路切替装置35が接続されている。また、制御装置39の記憶部39Aには、図6、図7に示す処理手順に従って液化ガス2の供給制御を行うための処理プログラム等が格納されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、蒸気発生用容器13側の加温と払出用容器7側での冷却とをヒートポンプ32により効率的に行うことができる。特に、本実施の形態では、図7に示すヒートポンプ32の経路選択処理を行うために、下記のような作用効果を奏するものである。
即ち、制御装置39は、図6に例示した処理手順によるステップ21〜ステップ36に従って液化ガス2の供給制御処理(払出し制御処理)等を行い、この場合の処理は、ステップ26の経路選択処理を除けば、第1の実施の形態で述べた図3に示す制御処理と同様である。
そこで、本実施の形態の特徴であるヒートポンプ32の経路選択処理について図6、図7を参照して説明する。なお、経路切替装置35は、初期設定されることにより予め第1の吸熱器33を選択し、流入,流出ポート36A,36Bは、図4中に実線で示す如く切替ポート37A,37Bに接続されている。
そして、図6に示すステップ25でヒートポンプ32の圧縮機26が駆動されると、ヒートポンプ32の循環路23内を冷媒等の熱媒体が強制的に循環されるため、例えば循環路23の一方側に位置する第1の吸熱器33側では、熱媒体の蒸発作用による吸熱を利用して払出用容器7内の液化ガス2を冷却する。
次に、図6に示すステップ26では、ヒートポンプ32の経路選択処理が図7に示すステップ41〜45の手順に従って割込み処理として実行される。即ち、図7中のステップ41では、払出用容器7内に収容した液化ガス2の温度Tを温度センサ31から読込む。
そして、ステップ42では、温度センサ31で検出した温度Tが基準温度T1 (例えば、外気温に対して8〜14℃分だけ低い温度)以下となっているか否かを判定する。ステップ42で「NO」と判定する間は、払出用容器7内の液化ガス2が基準温度T1 以下までは冷却されていないので、ステップ43に移り、経路切替装置35により第1の吸熱器33を選択し続ける。
次に、ステップ25でリターンした後もヒートポンプ32により払出用容器7内の冷却を続けると、払出用容器7内の液化ガス2は、徐々に温度が低下して基準温度T1 まで下がる。そして、このときには、ステップ42で「YES」と判定されるので、ステップ44に移り、経路切替装置35によって第2の吸熱器34を選択する。
このため、経路切替装置35の流入,流出ポート36A,36Bは、図4中に点線で示すように切替ポート38A,38Bに接続され、循環路23内の熱媒体が第2の吸熱器34を循環する。これにより、第2の吸熱器34側では、熱媒体の吸熱を利用して周囲の外気を冷却する。
そして、第1の吸熱器33は、循環路23に対する接続が解除されるので、第1の吸熱器33内を熱媒体が循環することはなく、払出用容器7内の液化ガス2は、冷却状態が解除される。これにより、払出用容器7内の液化ガス2は、周囲温度の影響等で徐々に温度上昇し、図7に示すステップ41以降の処理が繰返されるものである。
しかし、本実施の形態にあっては、払出用容器7内の温度を温度センサ31で監視し、液化ガス2の温度Tが基準温度T1 まで低下したときには、ヒートポンプ32の循環路23を経路切替装置35により第1の吸熱器33から第2の吸熱器34に切替えて接続する構成としている。
そして、このときには第2の吸熱器34側で外気温度を利用して熱媒体(冷媒)を蒸発させ、放熱部(加熱管24)側での凝縮作用を活性化でき、蒸気発生用容器13内の液化ガス2の蒸発を促進することができる。また、払出用容器7内では、内部の液化ガス2が必要以上に冷やされるのを防ぐことができる。
この結果、例えば図6に示すステップ30の処理(液化ガス2の払出し制御)により払出用容器7から供給先のボンベに液化ガス2を供給するときに、供給先のボンベ内に液化ガス2が過剰に充填されるのを防止でき、所謂過充填に付随した不具合等をなくすことができると共に、供給先のボンベに対する液化ガス2の供給(移充填)作業を効率的に行うことができる。
次に、図8は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、小型の払出用容器を複数個設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41,42は本実施の形態で採用した払出用容器を示し、該払出用容器41,42は、第1の実施の形態で述べた払出用容器7とほぼ同様に構成されている。そして、払出用容器41,42は、内部に張込まれた液化ガス2を供給先のボンベ(図示せず)に対し後述の給排バルブ45,46等を介して選択的に払出すものである。
そして、払出用容器41,42の底部側は、液化ガス2の供給配管5に給排管43,44を介して接続され、その途中には給排バルブ45,46が設けられている。また、払出用容器41,42の上部側は、ガス均圧ライン10、送出管18に対して並列となるように選択バルブ47,48を介して接続されている。
49は本実施の形態で採用したヒートポンプで、該ヒートポンプ49は、第1の実施の形態で述べたヒートポンプ22とほぼ同様に構成され、例えば冷媒等の熱媒体が内部を循環する循環路23、加熱管24、圧縮機26および膨脹弁27等を有している。しかし、この場合のヒートポンプ49は、後述する2つの冷却管50,51を有する点で、第1の実施の形態によるヒートポンプ22とは異なっているものである。
50は払出用容器41に設けられた吸熱部としての冷却管で、該冷却管50は、第1の実施の形態で述べた冷却管25と同様に構成され、例えば循環路23を挟んで蒸気発生用容器13側の加熱管24とは反対側に設けられるものである。しかし、この冷却管50は、後述する他の冷却管51と並列に接続されている点で、前記冷却管25とは異なるものである。
51は払出用容器42に設けられた他の吸熱部としての冷却管で、該冷却管51も、第1の実施の形態で述べた冷却管25と同様に構成され、例えば循環路23を挟んで蒸気発生用容器13側の加熱管24とは反対側に設けられている。そして、払出用容器42内の冷却管51は、払出用容器41内の冷却管50と並列に接続されている。
これにより、循環路23内で膨脹弁27を通過した後の熱媒体(冷媒)は、冷却管50内と冷却管51内とに並列的に流通し、その後に圧縮機26の吸込み側に流入する。そして、冷却管51は、熱媒体の吸熱作用により払出用容器42内の液化ガス2を冷却し、冷却管50は払出用容器41内の液化ガス2を冷却するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、蒸気発生用容器13内で発生した液化ガス2の蒸気を利用して払出用容器41,42内の液化ガス2を、移充填ホース21から供給先のボンベ(例えば、家庭用または自動車用の小型容器)等に払出すように供給することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
特に、本実施の形態では、液化ガス2の供給配管5とガス均圧ライン10、送出管18との間に、複数の払出用容器41,42をそれぞれ給排バルブ45,46、選択バルブ47,48を介して並列に接続する構成としている。このため、貯蔵タンク1内の液化ガス2をヘッド圧を利用して蒸気発生用容器13、払出用容器41,42内に張込み、密閉状態となった蒸気発生用容器13内で液化ガス2の蒸気を発生させた後に、下記のような作用効果を得ることができる。
即ち、蒸気発生用容器13内で発生した液化ガス2の蒸気圧により送出バルブ19等を開いて行う払出し制御時には、払出用容器41,42のいずれか一方から液化ガス2を選択的に払出すことができ、その後は他方の払出用容器から液化ガスを払出すことができる。
この場合、払出用容器41,42のいずれか一方(例えば、払出用容器41)側の選択バルブ47と給排バルブ45を供給バルブ20と共に開くことにより、蒸気発生用容器13から蒸気を利用して払出用容器41内の液化ガス2を、供給先のボンベに移充填ホース21から移充填(供給)することができる。
そして、前記バルブ20,45,47,19を一旦は閉じた後に、払出用容器42側の液化ガス2を払出すときには、送出バルブ19、選択バルブ48を開くと共に、給排バルブ46、供給バルブ20を開くことにより、蒸気発生用容器13から蒸気を利用して払出用容器42内の液化ガス2を、供給先のボンベに移充填ホース21から移充填(供給)することができる。
この結果、払出用容器41,42から液化ガス2を払出す作業を、第1の実施の形態に比較してより短時間で効率的に行うことができ、これによって、小型の払出用容器41,42を用いた液化ガス2の払出し(供給)制御を安定して行うことができると共に、所謂オートガススタンドの設置等をより有効に実現することができる。
なお、前記第3の実施の形態では、小型の払出用容器41,42を2個用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば3個以上の払出用容器を用いてもよく、容量が互いに異なる複数の払出用容器を用いる構成としてもよい。
また、第3の実施の形態で採用したヒートポンプ49についても、払出用容器41,42内の液化ガス2が冷却管50,51により過度に冷やされるのを防ぐため、例えば第2の実施の形態で述べたヒートポンプ32と同様に、経路切替装置35等を用いて外気側(第2の吸熱器34)側に選択的に切替える構成としてもよいものである。
また、前記各実施の形態では、液化ブタンと液化プロパンの混合物からなる液化ガス2を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばブタン、プロパン、ジメチルエーテル(DME)または液化アンモニア等の液化ガスを供給制御する場合にも適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態による液化ガス供給装置を示す回路構成図である。 図1に示す液化ガス供給装置の制御ブロック図である。 図2中の制御装置による液化ガスの供給制御処理手順を示す流れ図である。 第2の実施の形態による液化ガス供給装置を示す回路構成図である。 図4に示す液化ガス供給装置の制御ブロック図である。 図5中の制御装置による液化ガスの供給制御処理手順を示す流れ図である。 図6中の経路選択処理を示す流れ図である。 第3の実施の形態による液化ガス供給装置を示す回路構成図である。
符号の説明
1 貯蔵タンク
2 液化ガス
5 供給配管
6 張込みバルブ
7,41,42 払出用容器
9,45,46 給排バルブ
10 ガス均圧ライン
11 均圧バルブ
12 蒸気発生装置(加圧手段)
13 蒸気発生用容器
15 充填バルブ(第1のバルブ)
16 液面センサ
17 圧力センサ
18 送出管(蒸気送出路)
19 送出バルブ(第2のバルブ)
20 供給バルブ
21 移充填ホース
22,32,49 ヒートポンプ
23 循環路
24 加熱管(加温装置となる放熱部)
25,50,51 冷却管(吸熱部)
26 圧縮機
27 膨脹弁
28,39 制御装置
31 温度センサ
33 第1の吸熱器(吸熱部)
34 第2の吸熱器(吸熱部)
35 経路切替装置

Claims (2)

  1. 液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンクよりも小さい容量に形成され該貯蔵タンクから外部に払出すための液化ガスが供給される払出用容器と、該払出用容器から液化ガスを払出すときに該払出用容器内を加圧ガスによって加圧する加圧手段とを備えた液化ガス供給装置において、
    前記加圧手段は、前記貯蔵タンクに第1のバルブを介して接続され内部に前記貯蔵タンクからの液化ガスが充填される蒸気発生用容器と、該蒸気発生用容器内で液化ガスを加温し前記液化ガスの蒸気を発生させる加温装置と、前記蒸気発生用容器と払出用容器との間に第2のバルブを介して設けられ前記蒸気発生用容器内で発生した蒸気を加圧ガスとして前記払出用容器に向け送出する蒸気送出路とにより構成し
    前記蒸気発生用容器と払出用容器との間には、内部を循環する熱媒体が放熱部の位置で凝縮作用による放熱を行い吸熱部の位置では蒸発作用による吸熱を行うヒートポンプを設け、
    前記加温装置は前記ヒートポンプの放熱部により構成し、
    前記ヒートポンプの吸熱部は前記払出用容器内の液化ガスを冷却する構成としたことを特徴とする液化ガス供給装置。
  2. 前記ヒートポンプの吸熱部は、前記払出用容器に設けられた第1の吸熱器と、該第1の吸熱器とは別に外気と接触する位置に設けられた第2の吸熱器とにより構成し、前記第1,第2の吸熱器は、前記ヒートポンプの放熱部に対して選択的に切替えて接続する構成としてなる請求項に記載の液化ガス供給装置。
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