JP4294312B2 - 亜鉛/空気電池用のタブ - Google Patents
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Description
本発明は金属/空気電池の陰極ケーシング上の空気孔、特に小型亜鉛/空気電池の空気孔を被覆する取外し可能なタブに関する。
【0002】
亜鉛/空気電池は一般に、プログラム可能型補聴器を含む電子補聴器用バッテリとして特定の有用性を有するボタン電池の形をしている。このような小型電池は一般にディスク様円筒形状であって、その直径は約4から12mmまで、高さは約2から6mmまでの間にある。小型亜鉛/空気ボタン電池は一般に陽極ケーシング(陽極カップ)と陰極ケーシング(陰極カップ)とを含んでいる。陽極ケーシングおよび陰極ケーシングは一般にそれぞれ閉鎖端部および開口端部を有している。電気絶縁材料は陽極ケーシングの外側の表面の周りに配置することができる。上記必要材料が陽極ケーシングおよび陰極ケーシングに挿入された後、陽極ケーシングの開口端部は一般に陰極ケーシングの開口端部内に挿入され、電池はクリンピング(クリンプ工法)によって密封される。陰極ケーシングは一般に、ニッケルメッキ鋼またはニッケルメッキステンレス鋼であり、例えば、ニッケルメッキは陰極ケーシングの外側表面を形成し、ステンレス鋼はケーシングの内側表面を形成する。陰極ケーシングは、陰極ケーシングの閉鎖端部における表面内に少なくとも1つの、更に一般的には複数の小さい空気孔を有することを特徴としている。通常、この端部は電池の陽端子も形成する。
【0003】
取外し可能なタブは、空気孔を含む電池表面に付着させることができる。タブは、従来一方の側面を剥離可能な感圧接着剤で被覆したプラスチックフィルムのような単一材料から形成される。タブは電池表面に押圧され、電池表面内の空気孔を被覆する。タブは、電池からタブを取外そうとする際にユーザが指先で把持するための小さな延伸部分を有する。従来のタブは、把持するための延伸自由部分が非常に小さく、例えば約1/8から1/4インチになるように設計されている。一般には、このような小さいタブで十分であると思われていた。しかし、当出願者が行ったユーザ満足度調査によれば、多くの高齢ユーザまたは器用さに欠けたユーザは従来のタブを把持することが困難なことがあり得ることが判明した。ただし、従来のタブと同じ仕方で更に大きいタブが形成されているとすれば、電池の取り扱いおよび出荷に際して、このようなタブは脱落し易く、それによって、電池の一部を早期に活性化させるおそれがある。
【0004】
従って、金属/空気電池用、特に小型亜鉛/空気電池用の取外し可能なタブを提供し、このタブを把持して電池から容易に取外すことが望ましい。
【0005】
また、金属/空気電池表面にさらに良好且つより均一に付着している取外し可能なタブを設け、空気が浸出する機会または電池からの早期脱落を減少させることが望ましい。
【0006】
金属/空気電池、特に小型亜鉛/空気ボタン電池は、電池表面内の空気孔を被覆する取外し可能なタブを有している。空気孔は一般に電池の陰極ケーシングの閉鎖端部内に形成されており、この陰極ケーシングは電池の陽端子も兼ねている。このような電池は、プログラム可能な補聴器を含む補聴器のバッテリとして一般に用いられる。電池は一般に直径が約4から12mmまで、高さが約2から6mmまでのディスク様円筒形状(ボタン電池)である。
【0007】
本発明の態様によれば、空気孔を含む電池の表面に一層均一に付着し、電池の使用準備が整うまで空気孔を緊密に被覆する、改良された取外し可能なタブが提供される。改良されたタブはタブ本体を形成する細長部材を含んでいる。細長部材はかなり硬質であるか、または強靭であることが望ましい。即ち、直線状態を維持し、自重によって曲がらないことが望ましい。このような細長部材は、例えばポリエステル材料から形成することができる。タブは、電池(接触部分)を被覆し、且つこれに付着しているタブの一部分、および電池に接触しないままの状態を維持する一体的なハンドルを形成する残りの部分を有することを特徴としている。本発明のタブは従来のものよりも長いので、ハンドル部分もより長くなっている。タブのハンドル部分は、ハンドルに最も近い電池の縁から約1/2から3/4インチ(12.7mmから19.1mm)の間にあることが好ましい。このような延伸ハンドルを有するタブによれば、ユーザはそのハンドルによってタブを一層容易に把持し、電池からタブを取外し、それによって空気孔を露出して電池を活動化する。本発明の延伸タブは、特に高齢者または従来のタブを把持することが困難な不器用な障害者にとって有利である。その上、本発明の延伸タブによれば、タブと空気孔を含む電池表面との間に更に強力な接着性接合を付与することができる。このことが可能な理由は、延伸タブのてこ効果によって電池からタブを取外すために必要な力が小さくて済むことである。
【0008】
本発明の他の態様は、タブと空気孔を含む電池表面との間の接触面積内でタブに弾性材料の層を設けることである。弾性材料はエラストマーまたはスポンジ材料である。弾性材料は重合体発泡材料であることが好ましく、その一側面は恒久接着剤によって被覆され、接触タブの接触端部においてタブ本体の下側に弾性材料を恒久的に付着させることができる。次に、弾性材料の露出された表面は剥離可能な圧力感応材料で被覆することができる。タブの接触端部は空気孔を含む電池表面上に押し付けられ、剥離可能な接着剤がタブと電池表面との間に緊密な接着性密封を提供する。重合発泡体は主として開放状の気泡体または閉鎖状の気泡体でもよいが、閉鎖状の気泡体であることが好ましい。特に、追加の層はポリエチレン発泡体のような重合発泡体でもよい。重合発泡体の厚さは約0.010から0.040インチ(0.25から1.02mm)までの間にあることが望ましく、約0.015から0.040インチ(0.38から1.02mm)までの間にあることが好ましい。発泡材料、特にポリエチレン発泡体によれば、平坦または外側に湾曲しているか、または空気孔の他に溝または他の表面凹凸を含む電池端部表面に、タブ接触部分が更に容易に順応することができる。発泡材料を使用すると、感圧接着剤を塗布したタブ接触面積が拡大され、また電池端部表面を包囲する凹設され、または面取りされた環状リングを被覆する。従って、弾性発泡体層を追加すると、一般に空気孔を含む電池表面に対するタブの順応性が一層緊密となり、且つ接着性が一層均一となる。
【0009】
本発明の別の態様において、重合発泡体層の表面の一部分が細長いタブ本体の下側に接着可能であり、また、発泡体層がタブ本体と重合体フィルムとの間にあるように、重合体フィルムが発泡体層の表面の別の部分へ一方の側面上で接着されることが可能である。重合体フィルムに対面する側面は剥離可能な感圧接着剤を用いて被覆することが可能である。タブを電池へ添付する際には、重合体フィルムが電池表面に付着し、重合発泡体と共に空気孔を被覆することになり、これによって、空気孔全体に亙って緊密に密封される。タブが持ち上げられると、電池表面上に残留物を残すことなしにタブはきれいに剥ぎ取られる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態を図1に示す。図に示すように本発明の延伸タブ10は、小型金属/空気電池60の端部に取付けられている。タブの付いていない図1の金属空気電池60を図1Aに示す。金属/空気電池60は一般に補聴器バッテリとして用いられるタイプの従来型小型金属/空気ボタン電池60である。このような亜鉛/空気電池は一般に電池の本体を形成する陰極ケーシング62および開いた未端部68を貫いて陰極ケーシングに挿入されてから密封された陽極ケーシング64を備えている。陰極ケーシング62は、その表面に複数の空気孔を有する一体構造を形成する閉鎖端部63を備える。閉鎖端部63を含む陰極ケーシング62は、一般にニッケルメッキ鋼またはニッケルメッキステンレス鋼製であり、例えば、ニッケルメッキは陰極ケーシングの外側表面を形成し、ステンレス鋼はケーシングの内部表面を形成する。陰極ケーシング62の全肉厚は約0.001インチ(0.0254mm)から0.015インチ(0.38mm)までの間にあることが望ましい。また、陽極ケーシング64もニッケルメッキステンレス鋼製であってもよく、通常ニッケルメッキはケーシングの外側表面を形成する。陽極ケーシングはニッケル製外側層および銅製内側層をもつステンレス鋼を含むトリクラッド(三重被覆)材料製であることが望ましい。トリクラッド材料製陽極ケーシング64の全肉厚は約0.001インチ(0.0254mm)から0.015インチ(0.38mm)までの間にあるとが望ましい。エアフィルタ材料と空気孔に当接する陰極ケーシング内の二酸化マンガンとを含む陰極材料からなる層を使用することができる。陰極材料は一般に主として陽極活性材料と空気孔66を経て電池内に入る酸素との間で放電反応を容易にする触媒として機能することのできる二酸化マンガンを含んでいる。また、二酸化マンガンは部分放電も可能である。一般に微粒子亜鉛を含んでいる陽極活性材料によって充満されている陽極ケーシング64は陰極ケーシング62の開口端部に挿入される。また、陽極活性材料は一般にアルカリ性電解質、好ましくは水酸化カリウムの水溶液を含んでいる。陰極材料と陽極材の間では電池内電解質浸透性セパレータが使用できる。また、陰極ケーシング62の内側表面と陽極ケーシング64との間ではポリプロピレン、または、ナイロンのような電気絶縁材料を一般に使用できる。次に、電池を厳重に密封するために、陰極ケーシング60の周囲縁部分68は陽極ケーシング64の縁部分65上にクリンプ(圧着)することができる。
【0011】
補聴器用バッテリとしての特定用途を有するこのような従来の亜鉛/空気の特定構造および化学成分は当該技術分野においてよく知られている。例えば、特定の化学作用の検討についてはU.S.4,585,710に記載され、参照によってここに組み込まれている。小型亜鉛/空気ボタン電池の代表的な電池構造はU.S.3,897,265に示され、参照によってここに組み込まれている。ただし、このような電池の顕著な特徴は電池の閉じられている端部63において陰極ケーシング62に空気孔が設けられている事であることが指摘される。空気孔は、一般に、電池の陰極端部における盛り上がった表面63内に形成される。そこを貫いて空気孔66が設けられている盛り上がった末端表面63は平らであることが望ましいが、幾分外側へ向かって湾曲していても差し支えない。突出した末端表面63は一般に電池の正端子となるドームを形成する。突出した端末表面63上の溝、窪み、エッチングされた線のような他の不規則な部分が存在しても差し支えない。このような溝線67は電池末端表面63を図1Aに示すように分割することもある。これらの溝線は、製造工程中に形成された複数の空気孔66が相互に適当な等距離間隔を保持することを手助けする。突出表面63(正極端子)は、一般に面取りされ、または凹設され環状表面65で包囲されている。これは、表面63が電池表面から幾分突出し、それによって、例えば電池を電源とする補聴器などのような装置の端子との適切な接触を保証する。このような小型亜鉛/空気電池は、図1Aに示すようにディスク様円筒形状であり、直径は約4から16mmまで、一般には約4から12mmまでの間にあって、高さは約2から9mmまで、一般には約2から6mmまでの間にある。これら標準サイズ小型電池は補聴器用として商業的に入手可能である。これらの商業的に認職可能な一般補聴器サイズには、サイズ10(直径5mm、高さ3.5mm)、サイズ13(直径7mm、高さ5mm)、サイズ312サイズ(直径8mm、高さ3mm)、および、サイズ675(直径8mm、高さ3mm)が含まれる。小型亜鉛/空気電池は一般に使用負荷電圧が約1.1ボルトから0.2ボルトまでの間にある。このような電池の放電電圧プロファイルは一般に約1.1から約0.9ボルトの間で実質的に平坦であり、約0.9ボルトを過ぎると約0.2ボルトのカットオフまでかなり急激に降下する。このような電池の放電レートは約4から15mAまでの間にあるか、または、一般に約75から275オームまでの抵抗負荷が用いられる。これらの特性は、これらの電池を理想的な補聴器バッテリにする。ここで使用される用語「小型電池」または「小型ボタン電池」は図1Aに示すようにディスク様円筒形状のこのような小型寸法ボタン電池を含むことを意図するが、他の形状およびサイズの小さい亜鉛/空気電池もあり得るので、限定的意味を持つことを意図するものではない。また、ここに参照される小型ボタン電池は主として補聴器バッテリとして使用されるが、このような用途に限定されることを意図するものではない。
【0012】
添付タブ10は、電池の使用準備が整うまで空気孔を被覆するために利用出来る。タブの一端部14はタブを取外し可能にするための感圧接着剤で被覆しておくことが可能である。タブ10は電池の内容物が乾燥することを阻止し、且つ電池の早期活動化を防止する。電池を活動化しようとするときには、ユーザはタブの突出部15を把持して空気孔66からタブを剥ぎ取るだけでよい。しかし、このような小型用の従来のタブは一般に約1/8から1/4インチまでの間で電池表面からわずかに突出しているに過ぎず、ユーザはタブを取り除くために指先でタブを把持することが必要である。このような補聴器用バッテリの多くのユーザは高齢であるか、またはこのような従来のタブを把持することが困難であることが判明している。
【0013】
このような突出部分すなわちハンドルを更に長くするためにタブの長さを延長すれば、高齢者または障害のあるユーザはタブを容易に把持し、且つ従来のタブの場合よりも一層容易に電池からタブを引き離すことが可能なことが判明している。図1および2に示すタブの実施形態は本発明の延伸タブの好ましい一構成を示す。この実施形態においては、ハンドル部分15が従来型よりも延伸されている。例えば、図1に示す構成のタブが標準675亜鉛/空気ボタン電池に適合するように設計されているならば、タブのハンドル部分、即ち、電池の縁62bから垂直に伸延する部分15は、約1/2から3/4インチ(12.7mmから19.1mm)までの間にあることが望ましく、約5/8インチ(15.9mm)であることが好ましい(675電池は図1Aに示すディスク様形状であり、全体寸法は直径が11mm、高さが5mmである)。このような実施形態においては、電池を被覆するタブの部分14は少なくとも空気孔66を含む電池端末部表面63を被覆することの出来る程度に十分に大きく、電池の直径約11mmにほぼ等しいことが好ましい。タブ全体は、端部分14の長さにハンドル部分15の長さを加えた長さである。従って、タブの全長は、望ましくは約0.90から1.20インチ(22.8mmから30.5mm)までの間にあり、約1.0インチ(25.4mm)であることが好ましい。図1に示すタブの実施形態において、タブは端部14から外側に向かって広がり、ハンドル部分15の端部15Aまで電池を被覆する。従って、ハンドル端部15aにおけるタブの幅は端部14における幅よりも広い。タブ端部14の先端部14aは電池の縁62aを越えないことが好ましい。タブの全長は端部14の長さにハンドル部分15の長さを加えた長さである。
【0014】
本発明の延伸タブに関する他の好ましい構成を図4および5に示す。図4に示すタブ構成は、ハンドル部分15が電池を被覆する部分14から内側向きに伸びていることを除き、図1に示す場合と同様である。即ち、タブハンドル端部15aの幅は電池を被覆する部分14の幅より狭い。図5に示すタブ構成において、タブの長さ方向の縁は内側に向かって等高線状に伸延し、凹面形状を形成することもある。ほかの点においては、タブは図1に示す場合と同様であり、ハンドル端部分15aの幅は電池を被覆するタブ部分14の幅よりも広い。
【0015】
図4および5に示すタブの実施形態5は、標準675または312サイズ亜鉛/空気ボタン電池にタブを添付しようとする場合に、電池の本体62からハンドルが約1/2から3/4インチ(12.7mmから19.1mm)までの間で伸延するように設計されることが好ましい。例えば、図4および5に示すタブの実施形態5を312サイズ電池に適用しようとするならば、タブのハンドル部分15は望ましくは電池の縁62bから約1/2から3/4インチ(12.7mmから19.1mm)まで、適切には約5/8インチ(15.9mm)だけ垂直に伸延することが望ましい(312電池は直径約8mm、高さ約3mmである)。このような実施形態において、電池を被覆するタブの部分は少なくとも空気孔66を含む電池端部表面63を被覆するに十分なだけ大きく、適切には約8mm(0.32インチ)の電池直径にほぼ等しいことが好ましい。タブの全長は端部分14の長さにハンドル部分15の長さを加えた長さに等しい。従って、サイズ312電池へ適用するためには、タブの全長は約1.10インチから約0.8(20.3mmから27.9mm)の間であることが望ましい。
【0016】
同様に、図4および5に示すタブの実施形態5を675サイズ電池に適用しようとするするならば、電池の縁675から垂直に伸延するタブのハンドル部分15は約1/2から3/4インチ(12.7mmと19.1mm)までの間にあることがが望ましく、約5/8インチ(15.9mm)であることが好ましい。このような実施形態において、電池を被覆するタブの部分は少なくとも空気孔66を含む電池端部表面63を被覆するに十分な大きさであり、直径11mmの電池にほぼ等しいことが好ましい(675電池は図1Aに示すディスク様形状であり、直径は11mm、高さは5mmである)。タブの全長は端部の長さにハンドル部分15の長さを加えた長さである。従って、タブの全長は約0.90から1.20インチ(22.8mmから30.5mm)までの間にあることが望ましい。
【0017】
同様に、図1、4、5に示すタブの構成は更に小さいサイズの小型亜鉛/空気電池に適用可能である。例えば、このような構成のタブはサイズ10(直径5mm、高さ3.5mm)およびサイズ13(直径7mm、高さ5mm)小型亜鉛/空気電池に適用可能である。タブは一端部(端部14)における直径が少なくとも空気孔66を含む電池端部表面63を被覆するに十分な大きさであることが望ましく(図1A)、電池の直径にほぼ等しいことが好ましい。タブのハンドル部分15は約1/2から3/4インチ(12.7mmから19.1mm)までの間で垂直に伸延することが望ましく、電池の縁62bから約5/8インチ(15.9mm)であることが好ましい。タブの全長は端部分14の長さにハンドル部分15の長さを加えた長さである。従って、サイズ10電池に適用するためには、タブの全長は約17.7mmから24.1mmまでの間にあることが望ましい。サイズ13電池に適用するためには、タブの全長は約19.7mmから26.1mmの間であることが望ましい。
【0018】
本発明の延伸タブは、ユーザに対して、把持して取り除くことが小型亜鉛/空気電池用の従来のタブよりも容易であるとが実証されており、また、ハンドル部分15に剛性をもたせることが望ましいことも判明している。また、これは、ユーザに対して、電池からタブを把持して取外すことを一層容易にする。本発明のタブ10はタブ本体を形成する細長部材12を含んでいる。この細長部材12(タブ本体)は剛性の大きい材料で形成されることが望ましい。この細長部材12(タブ本体)は上で述べたように一体構造の端末部分14および一体構造のハンドル部分15によって構成される。本体12は剛性が大きいか、または、かなり強靭な材料で形成されることが望ましく、厚さが約0.010インチ(0.254mm)のポリエステル製であることが好ましい。このようなタブ本体12は、電池表面63に端部分14を取り付けるために従来型の感圧接着剤にを用いても差し支えない。
【0019】
従って、ポリエステル(厚さ0.010インチ)製の剛性の大きい本体12を備えたタブを作成し、接着剤、好ましくは剥離可能な感圧接着剤25を用いて端部分14の下側を被覆することによって、図1、4、5に示す本発明の延伸タブの実施形態を実施することができる。3M社またはAvery Dennison/Fasson Divisionから入手可能な従来型ポリアクリレート剥離可能感圧接着剤を使用しても差し支えない。例えば、適当な剥離可能接着剤25はFasson R143接着剤の商品名でAvery Dennison/Fasson Divisionから入手可能である。接着剤はタブ本体12の端部分14の下側に直接添付することができる。接着剤25の厚さは約0.0035インチ(0.089mm)であることが好ましい。接着剤は従来型剥離用裏打ち材料によって被覆しても差し支えなく、裏打ち材として例えばシリコーン被覆ポリエステルフィルムであっても差し支えない。接着面積は空気孔66を含む電池表面63とほぼ同じ寸法である。剥離用裏打ち材を除去すると、タブ10の端部分14は圧し付けることによって電池表面63に取り付けることができる。電池にタブを添付し、包装することによって、販売準備が整えられる。電池を活動化しようとする時には、ユーザはハンドル15を把持し、電池からタブを剥ぎ取り、それによって空気孔を露出させ、電池を活動化する。R143感圧接着剤の粘着性および接着性は良好であり、タブハンドル15を電池から持ち上げて離すことによって、タブは電池表面63からきれいに取外される。
【0020】
更に、タブ本体12の端部分14と感圧接着剤25の間に追加層20を含ませることにより前述のタブ構成を改良できることが判明している。追加層20を用いることは、電池表面63に対して端部分14を一層良好に順応させることを意図するものである。上述したように、電池表面63は平坦または等高線描写状であっても差し支えなく、一般に、表面上には空気孔66の他に線状溝67その他の不規則部分が所在する。追加層20は弾性材料製である。追加層20はエラストマまたは海綿状材料であることが望ましく、重合体発泡材料であることが好ましい。重合発泡体は主として開胞体または閉胞体状発泡体である。特に追加層20は例えばポリエチレン発泡体のような重合発泡体であっても差し支えない。望ましい重合発泡体20は、商品名「CACTUS」No.R4105ポリエチレン発泡体としてV−Himark Companyから入手可能な高密度ポリエチレン発泡体である。この材料は感圧接着剤を用いて各側面に事前に被覆された発泡テープの形で入手可能である。このような発泡材料20は密度は約250g/m3であって、耐熱性であり、従って広い範囲、例えば、約−20℃から100℃の間の温度で使用可能である。発泡材料20(各側面に接着剤塗布)は厚さ約0.010から0.040インチ(0.25から1.02mm)まで、好ましくは約0.015から0.040インチ(0.38から1.02mm)までの間で、例えば、タブ本体12の下側へ約0.018インチ(0.45mm)の厚さで塗布可能である。発泡胞体の平均サイズは約0.15mmから0.25mmの間である。発泡体層20は、電池の端部表面63並びに面取りされ、または表面63の周りに環状のリングを形成する凹設された部分65の両方を被覆するに充分な大きさの表面積であるように寸法決定されることが望ましい(図1A)。CACTUSポリエチレン発泡体は、図2、4A、5Aに示すように、テープの上面および下面にそれぞれアクリル接着剤22および25により事前に被覆したポリエチレン発泡体20をその芯層として備えたテープの形で入手される。テープは各接着側面を被覆するポリオレフィン剥取り用裏打ち材を備える。ポリエチレン発泡体20は自己非接着性であるが、その上に接着層22の被覆を施すことによって接着性を持たせることができる。例えば、ラテックスゴム、ポリプロピレン、ポリウレタン発泡体のような類似した特質を有する代替発泡材料を弾性層20用に使用できる。
【0021】
剥離用裏打ち(図示せず)が除去された後で、弾性または発泡体材料20はタブ本体22の端部分14の下側へ取り付けることができる。接着層22はタブ本体の下側へ発泡体20を付着させる。商品名PRIMAX 350としてAvery Dennison/Fasson Divisionから入手可能な例えばコロナ処理したポリオレフィンフィルムのような他のフィルム層40は基礎発泡体20上の接着層25に付着するように発泡体20の下側に押し付けて用いることができる。次に、PRIMAX 350ポリオレフィンフィルム40は剥離可能感圧接着剤45、例えばAvery Dennison/Fasson Divisionから入手可能なR143接着剤剥離可能アクリル接着剤を用いてその下側を被覆することが望ましい。次に、接着層45がタブ10の端部分14を電池表面63に付着させるようにタブ10を電池表面63に取り付ける事ができる。発泡体層20は空気孔66を被覆し、基礎となるポリエチレン層40と共に空気孔全体に亙って緊密な密封を提供する。タブハンドル15が持ち上げられると、接着剤45はきれいに剥離され、それによって、空気孔66全体に亙り密封が解除される。従って、タブは電池からきれいに取外され、電池表面63上に残留物を残すことなしに空気孔66が露出する。
【0022】
代替実施形態においては、重合体層40が除去可能であり、発泡体層20は電池表面63に直接付着し、空気孔66を被覆する緊密な密封が提供される。このような実施形態においては、発泡体層20の下に在る表面は剥離可能な感圧接着剤25で被覆される。接着剤25としては、S1000接着剤という商品名によって、Avery Dennison/Fasson Divisionから入手可能なアクリル接着剤が好ましい。このような実施形態は空気孔66全体に亙って良好な密封性を提供するが、上述したように、電池表面63に添付されたフィルム層40の露出した側面を下側にして追加重合体フィルム層40を発泡体層20に追加した場合に最良の密封性が提供される。
【0023】
弾性層20、即ち好ましくは重合発泡体が、接触端部14においてタブ本体12の下側に追加された場合に、幾つかの利点が実現されることが判明している。重合発泡体材料20で構成される弾性層20、特にポリエチレン形式の場合には、平坦または曲面または空気孔の他に、例えば溝のような表面的不規則部分が含まれるか否かに拘わらず、タブの接触端部14は電池のドーム形末端表面63に対して更に密接な順応性を有することを可能にする。発泡体材料によれば、電池端部表面63を包囲する凹設され、または面取りされた環状リングもまた被覆するように、接着剤25とのタブ接触面積を拡大することが可能である。従って、発泡体層20を追加することによって、通常、ドーム形の電池端部表面63に対するタブ端部14の更に良好な順応性を提供し、また、タブ端部14と電池接触面との間に更に大きい有用な接着性接触面積を提供する。
【0024】
また、同様に、追加発泡体層20を使用することにより、同じ感圧接着剤25が用いられる場合であっても、結果的にタブ本体12と電池末端表面63との間の全体的な接合強度を増大させることが可能であり、それによって、タブが電池に付着している状態において空気孔66への空気浸出が進行しないことが保証される。付着力の増大は発泡体層の追加によって更に大きい表面順応性を提供することが可能になることに起因するものと推測される。タブ本体13と電池端部表面63との間の接合強度は追加発泡体層20を用いることによって更に大きくなるが、好ましいタブ構成(図1、4、5)に示す延伸ハンドル15によれば、電池からタブを取外す際に更に大きいてこ作用がユーザに提供される。即ち、本発明の延伸タブ実施形態は、タブと電池の間に更に大きい接着力が作用している場合であっても、ユーザは従来のタブの場合よりも少ない力で電池からタブを取外すことが可能である。従って、本発明の好ましい実施形態では、追加弾性層20の使用、好ましくはタブ本体12と電池末端表面63との間への発泡体層の包含と延伸タブ構成とが組合わされて用いられる。このような代表的な好ましい実施形態を図1、2、4、4A、5、5Aに示す。
【0025】
本発明は特定の実施形態を参照して記述したが、本発明の概念から逸脱することなしに他の実施形態の実施が可能であることを理解されたい。従って、本発明は特定の実施形態に限定されることを意図するものでなく、その範囲は特許請求の範囲およびそれと同等の条項に反映される。
【図面の簡単な説明】
本発明は次の図面を参照することにより一層良好に理解されるであろう。
【図1】 電池ケーシング内の空気孔を被覆するように小型亜鉛/空気電池に付着している本発明の取外し可能なタブの等角図である。
【図1A】 タブの付いていない図1の亜鉛/空気電池の等角図である。
【図2】 図1に示す取外し可能なタブの立面図である。
【図3】 タブのハンドル部分を切り出すことのできる細長い材料の平面図である。
【図4】 本発明の取外し可能なタブの他の実施形態の平面図である。
【図4A】 図4に示すタブの立面図である。
【図5】 本発明の取外し可能なタブ別のタブの平面図である。
【図5A】 図5に示すタブの立面図である。
【符号の説明】
10 延伸タブ
12 本体
15 突出部
20 追加層
45 接着剤
60 小型金属/空気電池
62 陰極ケーシング
63 突出表面
64 陽極ケーシング
65 環状表面
66 空気孔
67 溝線
Claims (12)
- 金属/空気電池(60)の表面(63)における空気孔(66)を被覆するための取外し可能なタブ(10)を備え、前記タブ(10)が、前記金属/空気電池(60)の表面における空気孔(66)を被覆する、細長部材(12)とそれに取り付けられた弾性材料とを含み、
前記弾性材料が、前記空気孔(66)を有する前記金属/空気電池(63)と、前記細長部材(12)との間に、重合発泡層(20)を含み、前記タブ(10)が、前記金属/空気電池(63)の表面に取外し可能に付着されている、金属/空気電池(60)。 - 前記重合発泡体(20)の表面の一部が、前記細長部材(12)の一方の側面の少なくとも一部分に付着している、請求項1に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記細長部材(12)が堅固である、請求項1又は2に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記細長部材(12)がポリエステルを含んでなる、請求項1乃至3のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記発泡体(20)がポリエチレンである、請求項1乃至4のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記発泡材料(20)が前記重合フィルムと前記細長部材(12)の間にあるように、重合体フィルムが前記発泡材料(20)の表面の別の部分に一方の側面上で付着している、請求項1乃至5のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記重合体フィルムの反対側の側面が剥離可能な感圧接着剤で被覆されている、請求項6に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記タブ(10)の全長が22.8から30.5mmまでの間にある、請求項1乃至7のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記重合発泡体(20)の厚さが0.010から0.040インチ(0.25から1.02mm)までの間にある、請求項1乃至8のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記発泡材料(20)が前記部材の長さの短い部分に沿って前記細長部材(12)に取り付けられ、前記細長部材(12)の長さの長い部分が把持するためのハンドルを形成する、請求項1乃至9のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記ハンドルの長さが1/2から3/4インチ(12.7から19.1mm)までの間にある、請求項10に記載の金属/空気電池(60)。
- 前記金属/空気電池が4から12mmまでの直径と2から6mmまでの高さとを有する亜鉛/空気ボタン電池を含んでなる、請求項1乃至11のいずれか一に記載の金属/空気電池(60)。
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