JP4293196B2 - 再生装置、編集方法 - Google Patents
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Description
例えば1つの楽曲としてのオーディオデータが1つのコンテンツとして記録されると仮定すると、そのコンテンツを分割して2つのコンテンツ、すなわち2つの曲にしたり、逆に2つのコンテンツを結合させて1つのコンテンツ、すなわち1つの曲にするような編集も可能である。
これにより、ユーザーサイドでは、メモリカードに記録したコンテンツを任意に加工して楽しむといったことも可能となる。
例えばメモリカードへのコンテンツの記録について、その記録経路を考えると、CDやMDなどの記録媒体をコンテンツ供給元としてダビング記録することや、或いは不特定多数を対象としたコンテンツ供給元となるサーバから、インターネット等の通信システムを介してユーザーが楽曲等のコンテンツをパーソナルコンピュータのHDD(ハードディスクドライブ)にダウンロード記録し、さらにそれをメモリカードにコピー或いはムーブすることなどが考えられる。
もちろん、CDやMDなどの記録媒体からコンテンツをHDDにコピー記録し、さらにHDDからメモリカードにコンテンツをコピー或いはムーブすることなどの場合もある。メモリカードへの記録経路はこれ以外にも多様に考えられる。
ところがコンテンツ供給元としてのサーバ、もしくは著作権者等からすれば、コンテンツが編集されたくない場合があり、編集を禁止できるようにすることが求められている。
本発明の編集方法は、コンテンツデータ、及び前記コンテンツデータの供給元がオリジナルソースか否か及びコピー記録かムーブ記録かを識別できる識別情報が記憶された記憶装置の再生を行う再生装置の編集方法である。そして、前記記憶装置に記憶されたコンテンツデータに対する編集の指示を検知し、編集が指示されたコンテンツデータに対応する識別情報から、コンテンツデータの供給元がオリジナルソースか否か及びコピー記録かムーブ記録かを判別し、編集が指示されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースである場合又は当該コンテンツデータがコピー記録されたものであると判別された場合は、上記編集の指示に応じたコンテンツ編集処理を行い、編集が指示されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースでなくかつ当該コンテンツデータがムーブ記録されたものであると判別された場合は、上記編集の指示に応じたコンテンツ編集処理を実行しない。
そしてコンテンツに対する処理が求められた際には、その処理対象となるコンテンツについての識別情報を確認し、識別情報で識別されるコンテンツ供給元に応じて、処理制御を行うようにする。例えばコンテンツ供給元が通信回線を介して接続されたサーバ等の部位であると識別された場合は、コンテンツ編集処理の実行を禁止する。
説明は次の順序で行う。
1.レコーダの構成
2.メモリカードの構成
3.ファイルシステム
3−1 処理構造及びデータ構造
3−2 ディレクトリ構成
3−3 管理構造及び編集方式
3−4 再生管理ファイル
3−5 データファイル
4.メモリカードへの各種記録経路及びコンテンツ供給元の識別情報
5.編集許可/禁止処理
図1により、オーディオデータ等のコンテンツをメモリカードに対して記録再生することのできるメモリカード記録再生装置(以下、レコーダ1)の構成を説明する。
このレコーダ1は、記録媒体として、着脱自在のメモリカードを使用する。そしてこのレコーダ1は、単体のオーディオ装置として構成してもよいし、パーソナルコンピュータ、或いはオーディオ/ビジュアル機器に内蔵された装置部として構成してもよい。
単体のオーディオ装置とする場合は、例えばレコーダ1は据置型或いは携帯用小型の記録再生装置とされる。その場合、アンプ装置、スピーカ、CDプレーヤ、MDレコーダ、チューナ等と共にオーディオシステムを構成することもできる。
また他の機器に内蔵される形態としては、例えばパーソナルコンピュータにおいてCD−ROMドライブやフロッピーディスクドライブと同様の位置づけで、メモリカードドライブとして採用することができる。
さらにレコーダ1をビデオカメラやゲーム機器に内蔵して、メモリカードをビデオデータやオーディオデータの記録媒体として用いることも可能である。
またレコーダ1は、上記の単体型、内蔵型に関わらず、衛星を使用したデータ通信、ディジタル放送、インターネット等を経由して配信されるディジタルオーディオ信号等を記録するレコーダとしても適用できる。
レコーダ1は、それぞれ1チップICで構成されたオーディオエンコーダ/デコーダIC10、セキュリティIC20、DSP(Digital Signal Processor)30を有する。そしてレコーダ1に対して着脱自在のメモリカード40が記録媒体として用いられる。
メモリカード40は、フラッシュメモリ(不揮発性メモリ)、メモリコントロールブロック、DES(Data Encryption Standard)の暗号化回路を含むセキュリティブロックが1チップ上にIC化されたものである。
なお本例では、DSP30を使用しているが、DSPに代えてマイクロコンピュータを使用しても良い。
ディジタル入力セレクタ16は、MD、CD、CS(衛星ディジタル放送)のディジタル出力を選択的にディジタル入力レシーバ17に供給する。ディジタル入力は、例えば光ケーブルを介して伝送される。ディジタル入力レシーバ17の出力がサンプリングレートコンバータ15に供給され、ディジタル入力のサンプリング周波数が44.1kHzに変換される。
DESの暗号化回路22は、FIFO23を有している。DESの暗号化回路22は、コンテンツの著作権を保護するための備えられている。
なお後述するが、メモリカード40にも、DESの暗号化回路が組み込まれている。
レコーダ1のDESの暗号化回路22は、複数のマスターキーと機器毎にユニークなストレージキーを持つ。さらに、DESの暗号化回路22は、乱数発生回路を持ち、DESの暗号化回路を内蔵するメモリカード40と認証およびセッションキーを共有することができる。また、DESの暗号化回路22は、DESの暗号化回路を通してストレージキーでキーをかけなおすことができる。
DSP30とメモリカード40との間では、シリアル通信がなされる。また、メモリカード40の制御に必要なメモリ容量を確保するために、DSP30に対して外付けのSRAM(Static Random Access Memory) 31が接続される。
例えばこのレコーダ1が単体で構成される場合は、インターフェース37及び端子32は、例えばUSB、IEEE1394、IEC958、シリアルポート通信、パラレルポート通信など、所定の通信方式に応じたものとされ、パーソナルコンピュータやオーディオ/ビジュアル機器等との間で通信可能とされる。
また、画像情報、文字情報等の付加情報のデータも端子32を介してDSP30に供給される。
さらにDSP30は、端子32を介して、メモリカード40から読み出された付加情報データ、制御信号等を外部のシステムコントローラに供給することもできる。
つまり単体の場合はDSP30が操作部39からの操作入力の処理や表示部33での表示制御を行うことになるが、内蔵型の場合は、その装置のシステムコントローラがこれらの制御を行い、必要に応じてDSP30に操作情報を供給したり、或いはDSP30から表示すべき内容を示す情報を受け取ったりすればよいためである。
そしてオーディオエンコーダ/デコーダ10の復号化出力がD/A変換器18に供給され、アナログオーディオ信号へ変換される。そして、アナログオーディオ信号がライン出力端子19に取り出される。
なおD/A変換器18に対してミューティング信号が外部のコントローラから供給される。ミューティング信号がミューティングのオンを示す時には、ライン出力端子19からのオーディオ出力が禁止される。
また外部機器へのコンテンツデータの出力は、上述のように端子32を介して行うこともできる。
このDSP30はマイクロコンピュータと同様に機能し、コア34がCPUに相当する。
フラッシュメモリ35にはDSP30の処理のためのプログラムが格納されている。またSRAM36と外部のSRAM31とが、各種処理のためのワークメモリとして使用される。
すなわち、オーディオデータ、付加情報の記録/再生を行うためのオーディオシステム全体のアプリケーションソフトウェアと、メモリカード40との間にDSP30が位置し、メモリカード40のアクセス、ファイルシステム等のソフトウェアによってDSP30が動作する。
再生管理ファイルは、メモリカード40上に記録されているデータファイルを管理する。
すなわち第1のファイル管理情報としての再生管理ファイルは、オーディオデータのファイルを管理するものであり、第2のファイル管理情報としてのFATは、オーディオデータのファイルと再生管理ファイルを含むメモリカード40のフラッシュメモリ上のファイル全体を管理する。
再生管理ファイルは、メモリカード40に記録される。また、FATは、ルートディレクトリ等と共に、予め出荷時にフラッシュメモリ上に書き込まれている。
図3は、メモリカード40の構成を示す。メモリカード40は、コントロールブロック41とフラッシュメモリ42が1チップICとして構成されたものである。
レコーダ1のDSP30とメモリカード40との間の双方向シリアルインタフェースは、10本の線からなる。主要な4本の線は、データ伝送時にクロックを伝送するためのクロック線SCKと、ステータスを伝送するためのステータス線SBSと、データを伝送するデータ線DIO、インターラプト線INTとである。その他に電源供給用線として、2本のGND線および2本のVCC線が設けられる。2本の線Reservは、未定義の線である。
さらに、乱数発生回路を持ち、専用(ある決められたデータフォーマット等の使用が同じシステム内の意味)レコーダ1と認証ができ、セッションキーを共有できる。よりさらに、DESの暗号化回路54を通してストレージキーでキーのかけ直しができる。
レコーダ1は、装着されたメモリカード40が本人(同じシステム内のメモリカード)であることを認め、また、メモリカード40が相手のレコーダが本人(同じシステム内のレコーダ)であることを認めると、互いに相手が本人であることを確認する。認証が行われると、レコーダ1とメモリカード40がそれぞれセッションキーを生成し、セッションキーを共有する。セッションキーは、認証の度に生成される。
ストレージキーは、メモリカード40の一つ一つにユニークなキーであり、レコーダ1は、暗号化されたコンテンツキーを受け取ると、フォーマット処理を行い、暗号化されたコンテンツキーと暗号化されたコンテンツをメモリカード40に書き込む。
エラー訂正されたページバッファ45の出力およびリードレジスタ48の出力はS/P,P/S,IFブロック43に供給され、上述したシリアルインタフェースを介してレコーダ1のDSP30に供給される。
さらに復号されたコンテンツキーがセッションキーで暗号化されてレコーダ1側に送信される。レコーダ1は、受信したセッションキーでコンテンツキーを復号する。レコーダ1は、復号したコンテンツキーでブロックキーを生成する。このブロックキーによって、暗号化されたATRAC3データを順次復号する。
また、メモリカード40には、ユーザが必要に応じて操作可能な誤消去防止用のスイッチ60が備えられている。このスイッチ60が消去禁止の接続状態にある場合には、フラッシュメモリ42を消去することを指示するコマンドがレコーダ側から送られてきても、フラッシュメモリ42の消去が禁止される。
さらに、発振器61は、メモリカード40の処理のタイミング基準となるクロックを発生する。
3−1 処理構造及びデータ構造
図4は、メモリカード40を記憶媒体とするシステムのファイルシステム処理階層を示す。
ファイルシステム処理階層としては、アプリケーション処理層が最上位であり、その下に、ファイル管理処理層、論理アドレス管理層、物理アドレス管理層、フラッシュメモリアクセスが順次おかれる。
この階層構造において、ファイル管理処理層がFATファイルシステムである。物理アドレスは、フラッシュメモリの各ブロックに対して付されたもので、ブロックと物理アドレスの対応関係は、不変である。論理アドレスは、ファイル管理処理層が論理的に扱うアドレスである。
フラッシュメモリ42は、セグメントと称されるデータ単位が所定数のブロック(固定長)へ分割され、1ブロックが所定数のページ(固定長)へ分割される。フラッシュメモリ42では、ブロック単位で消去が一括して行われ、書き込みと読み出しは、ページ単位で一括して行われる。
冗長部の残りの13バイトの内容は、原則的にデータ部の内容に応じて固定とされる。この13バイトは、管理フラグ(1バイト)、論理アドレス(2バイト)、フォーマットリザーブの領域(5バイト)、分散情報ECC(2バイト)およびデータECC(3バイト)からなる。
分散情報ECCは、管理フラグ、論理アドレス、フォーマットリザーブに対する誤り訂正用の冗長データであり、データECCは、512バイトのデータに対する誤り訂正用の冗長データである。
ブートブロックは、メモリカード40内の有効なブロックの先頭ブロックであり、メモリカード40を機器に装填した時に最初にアクセスされるブロックである。残りのブロックがユーザブロックである。
ブートブロックの先頭のページ0にヘッダ、システムエントリ、ブート&アトリビュート情報が格納される。ページ1に使用禁止ブロックデータが格納される。ページ2にCIS(Card Information Structure)/IDI(Identify Drive Information)が格納される。
ブート&アトリビュート情報には、メモリカード40のタイプ(読み出し専用、リードおよびライト可能、両タイプのハイブリッド等)、ブロックサイズ、ブロック数、総ブロック数、セキュリティ対応か否か、カードの製造に関連したデータ(製造年月日等)等が記録される。
このテーブルは、概略的には、昇順に並べた論理アドレス(2バイト)に物理アドレス(2バイト)をそれぞれ対応させたテーブルである。フラッシュメモリ42の最大容量を128MB(8192ブロック)としているので、2バイトによって8192のアドレスを表すことができる。また、論理−物理アドレス変換テーブルは、セグメント毎に管理され、そのサイズは、フラッシュメモリ42の容量に応じて大きくなる。例えばフラッシュメモリ42の容量が8MB(2セグメント)の場合では、2個のセグメントのそれぞれに対して2ページが論理−物理アドレス変換テーブル用に使用される。
論理−物理アドレス変換テーブルを、フラッシュメモリ42中に格納する時には、上述した各ページの冗長部における管理フラグの所定の1ビットによって、当該ブロックが論理−物理アドレス変換テーブルが格納されているブロックか否かが指示される。
図5には示されてないが、フラッシュメモリ42上にIPL領域、FAT領域およびルート・ディレクトリ領域が設けられる。
IPL領域には、最初にレコーダ1のメモリにロードすべきプログラムが書かれているアドレス、並びにメモリの各種情報が書かれている。
FAT領域には、ブロック(クラスタ)の関連事項が書かれている。FATには、未使用のブロック、次のブロック番号、不良ブロック、最後のブロックをそれぞれ示す値が規定される。
さらに、ルートディレクトリ領域には、ディレクトリエントリ(ファイル属性、更新年月日、開始クラスタ、ファイルサイズ等)が書かれている。
ファイルの更新の度、具体的には、オーディオデータの記録を開始し、記録を終了する度に、SRAM31および36上でFATおよび再生管理ファイルが書き換えられる。そして、メモリカード40を外す時に、またはパワーをオフする時に、SRAM31、36からメモリカード40のフラッシュメモリ42上に最終的なFATおよび再生管理ファイルが格納される。この場合、オーディオデータの記録を開始し、記録を終了する度に、フラッシュメモリ42上のFATおよび再生管理ファイルを書き換えても良い。編集を行った場合も、再生管理ファイルの内容が更新される。
付加情報は、外部のコントローラからバスおよびバスインターフェース32を介してDSP30に与えられる。DSP30が受信した付加情報をメモリカード40のフラッシュメモリ42上に記録する。付加情報は、セキュリティIC20を通らないので、暗号化されない。付加情報は、メモリカード40を取り外したり、電源オフの時に、DSP30のSRAMからフラッシュメモリ42に書き込まれる。
図6は、メモリカード40のディレクトリ構成を示す。図示するようにルートディレクトリから、静止画用ディレクトリ、動画用ディレクトリ、音声用ディレクトリ、制御用ディレクトリ、音楽用(HIFI)ディレクトリが形成される。
本例では、音楽の記録/再生を中心に説明を行うので、以下、音楽用ディレクトリについて説明する。
音楽用ディレクトリには、2種類のファイルが置かれる。その1つは、再生管理ファイルPBLIST.MSF(以下、単にPBLISTと表記する)であり、他のものは、暗号化された音楽データを収納したATRAC3データファイルA3Dnnnn.MSA(以下、単にA3Dnnnと表記する)とからなる。
ATRAC3データファイルは、最大数が400までと規定されている。ATRAC3データファイルは、再生管理ファイルに登録した上で機器により任意に作成される。
図7は、再生管理ファイルの構成を示し、図8が一つ(1曲)のATRAC3データファイルの構成を示す。
再生管理ファイルは、16KB固定長のファイルである。
ATRAC3データファイル(以下、単にデータファイルともいう)は、曲単位のファイルであり、先頭の属性ヘッダと、それに続く実際の暗号化された音楽データとからなる。属性ヘッダは16KB固定長とされ、再生管理ファイルと類似した構成を有する。
また図8に示すように、データファイルの先頭の属性ヘッダは、ヘッダ、1バイトコードの曲名NM1、2バイトコードの曲名NM2、トラックのキー情報等のトラック情報TRKINF、パーツ情報PRTINFと、トラックの付加情報INFとからなる。ヘッダには、総パーツ数、名前の属性、付加情報のサイズの情報等が含まれる。
なお、暗号化の処理を受けるのは、ATRAC3データファイル中の音楽データのみであって、それ以外の再生管理ファイル、ヘッダ等のデータは、暗号化されない。
1トラックは、1曲を意味する。1曲は、1つのATRAC3データファイル(図8参照)で構成される。ATRAC3データファイルは、ATRAC3により圧縮されたオーディオデータが記録されている。
音楽データを記録するのに使用するメモリカード40の場合、ブロックとクラスタは、同意語であり、且つ1クラスタ=1セクタと定義されている。
曲内のパーツのつながりは、各曲の属性ヘッダ内のパーツ情報PRTINF(後述)で管理する。すなわち、パーツサイズは、PRTINFの中のパーツサイズPRTSIZEという4バイトのデータで表す。パーツサイズPRTSIZEの先頭の2バイトがパーツが持つクラスタの総数を示し、続く各1バイトが先頭および末尾のクラスタ内の開始サウンドユニット(SUと略記する)の位置、終了SUの位置を示す。
このようなパーツの記述方法を持つことによって、音楽データを編集する際に通常、必要とされる大量の音楽データの移動をなくすことが可能となる。
なおブロック単位の編集に限定すれば、同様に音楽データの移動を回避できるが、ブロック単位は、SU単位に比して編集単位が大きすぎる。
1SUは、時間に換算して約23m秒になる。通常は、数千に及ぶSUによって1つのパーツが構成される。
1クラスタが42個のSUで構成される場合、1クラスタで約1秒の音を表すことができる。
1つのトラックを構成するパーツの数は、付加情報サイズに影響される。
パーツ数は、1ブロックの中からヘッダや曲名、付加情報データ等を除いた数で決まるために、付加情報が全く無い状態が最大数(645個)のパーツを使用できる条件となる。
図9(a)に1曲目(データファイル#1)が例えば5クラスタで構成された場合を、また図9(c)に2曲目(データファイル#2)が例えば6クラスタで構成された場合を示している。
1曲目と2曲目の曲間では、1クラスタに二つのファイルが混在することが許されないので、次のクラスタの最初からデータファイル#2が作成される。
従って、データファイル#1の終端(1曲目の終端)がクラスタの途中に位置しても、図9(b)に拡大して示すように、そのクラスタの残りの部分には、データ(SU)が存在しないものとされる。
第2曲目(データファイル#2)も同様である。
そしてこの例の場合は、データファイル#1、#2ともに1パーツで構成される。
デバイドは、1つのトラックを2つに分割することである。デバイドがされると、総トラック数が1つ増加する。デバイドは、一つのファイルをファイルシステム上で分割して2つのファイルとし、再生管理ファイルを更新する。
コンバインは、2つのトラックを1つに結合することである。コンバインされると、総トラック数が1つ減少する。コンバインは、2つのファイルをファイルシステム上で統合して1つのファイルにし、再生管理ファイルを更新する。
イレーズは、トラックを消去することである。消された以降のトラック番号が1つ減少する。
編集処理としてのムーブは、トラック順番を変えることである。この場合も再生管理ファイルを更新する。
なお、ここでいう編集処理としての「ムーブ」は、データの移動を伴うものではなく、例えばHDD等の記録媒体からメモリカード等の記録媒体へのデータの「ムーブ」とは意味が異なる。上述したように記録媒体から記録媒体へのムーブとは、データをコピーした上でコピー元の記録媒体からそのデータを消去することで実現するものである。
また、図11は、図9(a)の一つの曲(データファイル#1)をクラスタ2の途中でデバイドした結果を示す。
デバイドによって、クラスタ0、1およびクラスタ2の前側からなるデータファイル#1と、クラスタ2の後側とクラスタ3、4とからなるデータファイル#2とが発生する。
また、パーツに関する記述方法があるので、デバイドした結果(図11)において、データファイル#2の先頭の空きを詰めるように、データを移動する必要がない。
図12は、再生管理ファイルPBLISTのより詳細なデータ構成を示す。
再生管理ファイルPBLISTは、1クラスタ(1ブロック=16KB)のサイズである。
先頭の32バイトがヘッダとされる。
またヘッダ以外の部分がメモリカード全体に対する名前NM1−S(256バイト)、名前NM2−S(512バイト)、CONTENTS KEY、MAC、S−YMDhmsと、再生順番を管理するテーブルTRKTBL(800バイト)と、メモリカード全体に対する付加情報INF−S(14720バイト)であり、最後にヘッダ中の情報の一部が再度記録される。これらの異なる種類のデータ群のそれぞれの先頭は、再生管理ファイル内で所定の位置となるように規定されている。
なお、ファイル中で先頭から16バイト単位で区切られた単位をスロットと称する。
再生管理ファイルの第1および第2のスロットに配されるヘッダには、下記の意味、機能、値を持つデータが先頭から順に配される。
なお、Reservedと表記されているデータは、未定義のデータを表している。通常ヌル(0x00)が書かれるが、何が書かれていてもReservedのデータは無視される。将来のバージョンでは、変更がありうる。また、この部分への書き込みは禁止する。Optionと書かれた部分も使用しない場合は、全てReservedと同じ扱いとされる。
意味:BLOCKID FILE ID
機能:再生管理ファイルの先頭であることを識別するための値。
値:固定値=”TL=0”(例えば0x544C2D30)
MCode(2バイト)
意味:MAKER CODE
機能:記録した機器の、メーカー、モデルを識別するコード。
値:上位10ビット(メーカーコード) 下位6ビット(機種コード)
REVISION(4バイト)
意味:再生管理ファイル(PBLIST)の書き換え回数。
機能:再生管理ファイルを書き換える度にインクリメントする。
値:0より始まり+1づつ増加する。
意味:NM1−S領域に書かれるメモリカードの名前(1バイト)の属性を表す。
機能:使用する文字コードと言語コードを各1バイトで表す。
値:文字コード(C)は上位1バイトで下記のように文字を区別する。
00: 文字コードは設定しない。単なる2進数として扱う。
01: ASCII 02:ASCII+KANA 03:modifided8859-1
81:MS-JIS 82:KS C 5601-1989 83:GB2312-80 90:S-JIS(for Voice) 。
言語コード(L)は下位1バイトで下記のようにEBU Tech 3258 規定に準じて言語を区別する。
00: 設定しない 08:German 09:English 0A:Spanish
0F:French 15:Italian 1D:Dutch
65:Korean 69:Japanese 75:Chinese
データが無い場合オールゼロとする。
意味:NM2−S領域に書かれるメモリカードの名前(2バイト)の属性を表す。
機能:使用する文字コードと言語コードを各1バイトで表す。
値:上述したSN1C+Lと同一。
SINFSIZE(2バイト)
意味:INF−S領域に書かれるメモリカード全体に関する付加情報の全てを合計したサイズを表す。
機能:データサイズを16バイト単位の大きさで記述、無い場合は必ずオールゼロとする。
値:サイズは0x0001から0x39C(924)。
意味:TOTAL TRACK NUMBER
機能:総トラック数。
値:1から0x0190(最大400トラック)、データが無い場合はオールゼロとする。
VerNo(2バイト)
意味:フォーマットのバージョン番号。
機能:上位がメジャーバージョン番号、下位がマイナーバージョン番号。
値:例 0x0100(Ver1.0)
0x0203(Ver2.3)
意味:メモリカード全体に関する1バイトの名前。
機能:1バイトの文字コードで表した可変長の名前データ(最大で256)。
名前データの終了は、必ず終端コード(0x00)を書き込む。
サイズはこの終端コードから計算する。データの無い場合は少なくとも先頭(0x0020)からヌル(0x00)を1バイト以上記録する。
値:各種文字コード
NM2−S
意味:メモリカード全体に関する2バイトの名前。
機能:2バイトの文字コードで表した可変長の名前データ(最大で512)。
名前データの終了は、必ず終端コード(0x00)を書き込む。
サイズはこの終端コードから計算する。データの無い場合は少なくとも先頭(0x0120)からヌル(0x00)を2バイト以上記録する。
値:各種文字コード。
意味:曲ごとに用意された値。
MG(M)で保護されてから保存される。ここでは、1曲目に付けられるCONTENTS KEYと同じ値となる。
機能:S−YMDhmsのMACの計算に必要な鍵となる。
値:0から0xFFFFFFFFFFFFFFFFまで。
MAC
意味:著作権情報改ざんチェック値
機能:S−YMDhmsの内容とCONTENTS KEYから作成される値
値:0から0xFFFFFFFFFFFFFFFFまで。
意味:再生するATRAC3データファイルのSQN(シーケンス)番号
機能:TRKINFの中のFNoを記述する。
値:1から400(0x190)
トラックが存在しない時はオールゼロとする。
INF−S
意味:メモリカード全体に関する付加情報データ(例えば写真、歌詞、解説等の情報)
機能:ヘッダを伴った可変長の付加情報データ。
複数の異なる付加情報が並べられることがある。それぞれにIDとデータサイズが付けられている。個々のヘッダを含む付加情報データは最小16バイト以上で4バイトの整数倍の単位で構成される。その詳細については、後述する
値:付加情報データ構成を参照
S−YMDhms(4バイト)(Option)
意味:信頼できる時計を持つ機器で記録した年・月・日・時・分・秒
機能:最終記録日時を識別するための値、EMDの時は必須。
値:25〜31ビット 年 0〜99(1980〜2079)
21〜24ビット 月 0〜12
16〜20ビット 日 0〜31
11〜15ビット 時 0〜23
05〜10ビット 分 0〜59
00〜04ビット 秒 0〜29(2秒単位)。
上述したように、REVISIONはブロックの先頭と末尾に書き込むようにし、この値を書き換える度に+1インクリメントするようにしている。従って若し、ブロックの途中で異常終了が発生すると、先頭と末尾のREVISIONの値が一致せず、異常終了を検出することができる。
このようにREVISIONが2個存在することで、高い確率で異常終了を検出することができる。異常終了の検出時には、エラーメッセージの表示等の警告が発生する。
付加情報の先頭に下記のヘッダが書かれる。ヘッダ以降に可変長のデータが書かれる。
意味:FIELD ID
機能:付加情報データの先頭を示す固定値。
値:0x69
ID
意味:付加情報キーコード
機能:付加情報の分類を示す。
値:0から0xFF
SIZE
意味:個別の付加情報の大きさ
機能:データサイズは自由であるが、必ず4バイトの整数倍でなければならない。また、最小16バイト以上のこと。データの終わりより余りがでる場合はヌル(0x00)で埋めておく。
値:16から14784(0x39C0)
MCode
意味:MAKER CODE
機能:記録した機器の、メーカー、モデルを識別するコード。
値:上位10ビット(メーカーコード) 下位6ビット(機種コード)
C+L
意味:先頭から12バイト目からのデータ領域に書かれる文字の属性を表す
機能:使用する文字コードと言語コードを各1バイトで表す。
値:前述のSN1C+Lと同じ
DATA
意味:個別の付加情報データ
機能:可変長データで表す。実データの先頭は常に12バイト目より始まり、長さ(サイズ)は最小4バイト以上、常に4バイトの整数倍でなければならない。データの最後から余りがある場合はヌル(0x00)で埋める。
値:内容により個別に定義される。
例えば(ID=98)の場合では、付加情報がTOC−IDとされる。TOC−IDは、CD(コンパクトディスク)のTOC情報に基づいて、最初の曲番号、最後の曲番号、その曲番号、総演奏時間、その曲演奏時間を示すものである。
図17(b)は、キーコードID=3とされる、付加情報がアーティスト名の例である。SIZE=0x1C(28バイト)とされ、ヘッダを含むこの付加情報のデータ長が28バイトであることが示される。また、C+Lが文字コードC=0x01とされ、言語コードL=0x09とされる。この値は、前述した規定によって、ASCIIの文字コードで、英語の言語であることを示す。そして、先頭から12バイト目から1バイトデータで、例えば「SIMON&ABCDEFGHI」というアーティスト名のデータが書かれる。付加情報のサイズは、4バイトの整数倍と決められているので、1バイトの余りが(0x00)とされる。
図18は、1SUがNバイト(例えばN=384バイト)の場合のATRAC3データファイル(A3Dnnnn)のデータ配列を示す。
図18には、図8で示したようなデータファイルとして、属性ヘッダとしてのブロックと、実際に音楽データが記録されるブロックとが示されている。
図18には各ブロック(16×2=32Kバイト)の各スロットの先頭のバイト(0x0000〜0x7FF0)が示されている。
属性ヘッダのヘッダには、下記のデータが書かれる。
意味:BLOCKID FILE ID
機能:ATRAC3データファイルの先頭であることを識別するための値。
値:固定値=”HD=0”(例えば0x48442D30)
MCode(2バイト)
意味:MAKER CODE
機能:記録した機器の、メーカー、モデルを識別するコード。
値:上位10ビット(メーカーコード) 下位6ビット(機種コード)
BLOCK SERIAL(4バイト)
意味:トラック毎に付けられた連続番号
機能:ブロックの先頭は0から始まり次のブロックは+1づつインクリメント編集されても値を変化させない。
値:0より始まり0xFFFFFFFFまで。
意味:トラック(曲名)データ(NM1)の属性
機能:NM1に使用される文字コードと言語コードを各1バイトで表す。
値:SN1C+Lと同一
N2C+L(2バイト)
意味:トラック(曲名)データ(NM2)の属性
機能:NM2に使用される文字コードと言語コードを各1バイトで表す。
値:SN1C+Lと同一
INFSIZE(2バイト)
意味:トラックに関する付加情報の全てを合計したサイズ
機能:データサイズを16バイト単位の大きさで記述。無い場合は必ずオールゼロとする。
値:サイズは0x0000から0x3C6(966)
T−PRT(2バイト)
意味:トータルパーツ数
機能:トラックを構成するパーツ数を表す。通常は1。
値:1から0x285(645dec )
T−SU(4バイト)
意味:トータルSU数
機能:1トラック中の実際の総SU数を表す。曲の演奏時間に相当する。
値:0x01から0x001FFFFF
INX(2バイト)(Option)
意味:INDEX の相対場所
機能:曲のさびの部分(特徴的な部分)の先頭を示すポインタ。曲の先頭からの位置をSUの個数を1/4した数で指定する。これは、通常のSUの4倍の長さの時間(約93m秒)に相当する。
値:0から0xFFFF(最大、約6084秒)
XT(2バイト)(Option)
意味:INDEX の再生時間
機能:INX-nnnで指定された先頭から再生すべき時間のSUの個数を1/4した数で指定する。これは、通常のSUの4倍の長さの時間(約93m秒)に相当する。
値:0x0000:無設定 0x01から0xFFFE(最大6084秒)
0xFFFF:曲の終わりまで。
意味:曲名を表す文字列
機能:1バイトの文字コードで表した可変長の曲名(最大で256)。
名前データの終了は、必ず終端コード(0x00)を書き込む。
サイズはこの終端コードから計算する。データの無い場合は少なくとも先頭(0x0020)からヌル(0x00)を1バイト以上記録する。
値:各種文字コード
NM2
意味:曲名を表す文字列
機能:2バイトの文字コードで表した可変長の名前データ(最大で512)。
名前データの終了は、必ず終端コード(0x00)を書き込む。
サイズはこの終端コードから計算する。データの無い場合は少なくとも先頭(0x0120)からヌル(0x00)を2バイト以上記録する。
値:各種文字コード。
意味:曲毎に用意された値で、メモリカードのセキュリティブロックで保護されてから保存される。
機能:曲を再生する時、まず必要となる最初の鍵となる。C−MAC[n]計算時に使用される。
値:0から0xFFFFFFFFFFFFFFFFまで
C−MAC[n](8バイト)
意味:著作権情報改ざんチェック値
機能:コンテンツ累積番号を含む複数のTRKINFの内容と隠しシーケンス番号から作成される値。
隠しシーケンス番号とは、メモリカードの隠し領域に記録されているシーケンス番号のことである。著作権対応でないレコーダは、隠し領域を読むことができない。また、著作権対応の専用のレコーダ、またはメモリカードを読むことを可能とするアプリケーションを搭載したパーソナルコンピュータは、隠し領域をアクセスすることができる。
意味:パーツの属性
機能:パーツ内の圧縮モード等の情報を示す
値:図19を参照して以下に説明する
ただし、N=0,1のモノラルは、bit7が1でサブ信号を0、メイン信号(L+R)のみの特別なJointモードをモノラルとして規定する。bit2,1の情報は通常の再生機は無視しても構わない。
ビット3は、未定義である。
ビット4、5、6を組み合わせることによって、図示のように、レート情報が規定される。
すなわち、Nは、この3ビットで表されるレートの値であり、モノ(N=0,1),LP(N=2),SP(N=4),EX(N=5,6),HQ(N=7)の5種類のモードについて、記録時間(64MBのメモリカードの場合)、データ転送レート、1ブロック内のSU数、1SUのバイト数がそれぞれ示されている。
ビット7は、ATRAC3のモード(0:Dual 1:Joint )が示される。
(1024/44100)×53×(3968−16)=4863秒=81分
転送レートは、
(44100/1024)×304×8=104737 bps
となる。
意味:再生制限フラグ(ビット7およびビット6)とセキュリティバージョン(ビット5〜ビット0)
機能:このトラックに関して制限事項があることを表す。
値:ビット7: 0=制限なし 1=制限有り
ビット6: 0=期限内 1=期限切れ
ビット5〜ビット0:セキュリティバージョン0(0以外であれば再生禁止とする)
FNo(2バイト)
意味:ファイル番号
機能:最初に記録された時のトラック番号であり、且つこの値は、メモリカード内の隠し領域に記録されたMAC計算用の値の位置を特定する。
値:1から0x190(400)
MG(D)SERIAL−nnn(16バイト)
意味:記録機器のセキュリティブロック(セキュリティIC20)のシリアル番号。
機能:記録機器ごとに全て異なる固有の値。
値:0から0xFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF
CONNUM(4バイト)
意味:コンテンツ累積番号
機能:曲毎に累積されていく固有の値で記録機器のセキュリティブロックによって管理される。2の32乗、42億曲分用意されており、記録した曲の識別に使用する。
値:0から0xFFFFFFFF。
意味:再生制限付きのトラックの再生開始日時
機能:EMDで指定する再生開始を許可する日時。
値:上述した日時の表記と同じ。
YMDhms−E(4バイト)(Option)
意味:再生制限付きのトラックの再生終了日時
機能:EMDで指定する再生許可を終了する日時。
値:上述した日時の表記と同じ。
MT(1バイト)(Option)
意味:再生許可回数の最大値
機能:EMDで指定される最大の再生回数。
値:1から0xFF 未使用の時は、0x00である。
LTのbit7の値が0の場合はMTの値は00とする。
CT(1バイト)(Option)
意味:再生回数
機能:再生許可された回数の内で、実際に再生できる回数。再生の度にデクリメントする。
値:0x00〜0xFF 未使用の時は、0x00である。
LTのbit7が1でCTの値が00の場合は再生を禁止する。
意味:COPY CONTROL
機能:コピー制御
値:図20に示すように、ビット6および7によってコピー制御情報を表し、ビット4および5によって高速ディジタルコピーに関するコピー制御情報を表し、ビット1,2,3によってコピー属性を表す。ビット0は未定義である。
CCの例:
ビット7・・・0:コピー禁止、1:コピー許可
ビット6・・・0:オリジナル、1:第1世代以上
ビット5,4・・・00:コピー禁止、01:コピー第1世代、10:コピー可
ビット3,2,1
001:オリジナルソースから記録したコンテンツであることを示す。
010:LCMからコピーしたコンテンツであることを示す。
011:LCMからムーブしたコンテンツであることを示す。
100以上:未定義。
なおLCMとは、Licensed Compliant Moduleであり、例えばパーソナルコンピュータやコンシューマ機器におけるHDDなどが相当する。
例えばCDからのディジタル録音では(bit7,6)は01、(bit5,4)は00、(bit3,2,1)は001或いは010となる。
意味:高速ディジタルコピーHSCMS(High speed Serial Copy Management System)におけるコピー許可回数
機能:コピー1回か、コピーフリーかの区別を拡張し、回数で指定する。コピー第1世代の場合にのみ有効であり、コピーごとに減算する。
値:00:コピー禁止、01から0xFE:回数、0xFF:回数無制限。
意味:パーツサイズ
機能:パーツの大きさを表す。クラスタ:2バイト(最上位)、開始SU:1バイト(上位)、終了SU:1バイト(最下位)
値:クラスタ:1から0x1F40(8000)、開始SU:0から0xA0(160)、終了SU:0から0xA0(160)(但し、SUの数え方は、0,1,2,と0から開始する)
PRTKEY(8バイト)
意味:パーツを暗号化するための値
機能:初期値=0、編集時は編集の規則に従う。
値:0から0xFFFFFFFFFFFFFFFF
CONNUM0(4バイト)
意味:最初に作られたコンテンツ累積番号キー
機能:コンテンツをユニークにするためのIDの役割。
値:コンテンツ累積番号初期値キーと同じ値とされる。
意味:トラックに関する付加情報データ
機能:ヘッダを伴った可変長の付加情報データ。複数の異なる付加情報が並べられることがある。それぞれにIDとデータサイズが付加されている。個々のヘッダを含む付加情報データは、最小16バイト以上で4バイトの整数倍の単位
値:再生管理ファイル中の付加情報INF−Sと同じである。
意味:BLOCKID FILE ID
機能:ATRAC3データの先頭であることを識別するための値。
値:固定値=”A3D”(例えば0x41334420)
MCode(2バイト)
意味:MAKER CODE
機能:記録した機器の、メーカー、モデルを識別するコード。
値:上位10ビット(メーカーコード) 下位6ビット(機種コード)
CONNUM0(4バイト)
意味:最初に作られたコンテンツ累積番号
機能:コンテンツをユニークにするためのIDの役割、編集されても値は変化させない。
値:コンテンツ累積番号初期値キーと同じ値とされる。
BLOCK SERIAL(4バイト)
意味:トラック毎に付けられた連続番号
機能:ブロックの先頭は0から始まり次のブロックは+1づつインクリメント編集されても値を変化させない。
値:0より始まり0xFFFFFFFFまで。
BLOCK−SEED(8バイト)
意味:1ブロックを暗号化するための1つの鍵
機能:ブロックの先頭は、記録機器のセキュリティブロックで乱数を生成、続くブロックは、+1インクリメントされた値。この値が失われると、1ブロックに相当する約1秒間、音が出せないために、ヘッダとブロック末尾に同じものが二重に書かれる。編集されても値を変化させない。
値:初期は8バイトの乱数。
INITIALIZATION VECTOR(8バイト)
意味:ブロック毎にATRAC3データを暗号化、復号化する時に必要な初期値
機能:ブロックの先頭は0から始まり、次のブロックは最後のSUの最後の暗号化された8バイトの値。デバイドされたブロックの途中からの場合は開始SUの直前の最後の8バイトを用いる。編集されても値を変化させない。
値:0から0xFFFFFFFFFFFFFFFF
SU−nnn
意味:サウンドユニットのデータ
機能:1024サンプルから圧縮されたデータ、圧縮モードにより出力されるバイト数が異なる。編集されても値を変化させない(一例として、SPモードの時では、N=384バイト)。
値:ATRAC3のデータ値。
メモリカード40におけるファイルシステムやレコーダ1の構成を説明してきたが、このようなレコーダ1に装填されたメモリカード40に対してコンテンツが記録される場合の記録経路の各種の例、及びそれらの各場合についてのコンテンツ供給元の識別情報について図21、図22、図23で説明する。
コンテンツ供給元の識別情報とは、上記したデータファイルの属性ヘッダにおける「CC」のビット1,2,3に記録される値のこととなる(図18、図20参照)。また各例においてレコーダ1A、1Bとは、図1の構成のレコーダ1に相当する。また図21〜図23において、破線はコンテンツデータの流れ、実線は識別情報の流れを示している。
<1>の経路は、例えば単体で形成されるレコーダ1Bが再生装置200と接続された場合である。例えば再生装置200と図1に示すレコーダ1(1B)のディジタル入力セレクタ16又はライン入力セレクタ13が接続され、再生装置200からのデジタルオーディオデータもしくはアナログオーディオデータがレコーダ1に供給される場合である。
そしてこの場合は、レコーダ1BのDSP30は、コンテンツが再生専用のメディアであるCD等から再生され、ディジタル入力セレクタ16又はライン入力セレクタ13から入力されたものであるため、 コンテンツ供給元の識別情報としての「CC」のビット1,2,3の値として、「001」を発生させ、それをデータファイルの属性ヘッダ内に記録させる。もちろんコンテンツの記録に伴ってデータファイル内の他の管理情報や、再生管理ファイルの記録/更新も行う(以下の各例についても同様)。
この場合も、再生装置200から供給されたコンテンツとしてのデータは、レコーダ1Aにおいてエンコードや暗号化処理が行われて、メモリカード40に記録される。すなわち1曲としてのコンテンツが、上述した1つのデータファイルとして記録される。
そしてこの場合は、装置100のコントローラとしてのCPU101が、コンテンツ供給元の識別情報としての「CC」のビット1,2,3の値として、「001」を発生させ、それをレコーダ1Aに供給する。レコーダ1Aは供給された「CC」やその他必要な情報を用いて、データファイル内の管理情報の記録や再生管理ファイルの記録/更新を行う。
例えば単体で形成されるレコーダ1Bは、装置100と図1に示した端子32を介してUSBその他の通信方式により接続されている。
HDD102から供給されたコンテンツとしてのデータは、レコーダ1Bにおいてメモリカード40にコピー記録又はムーブ記録される。
そしてこの場合は、HDD102からのコピー記録又はムーブ記録となるため、コンテンツデータの送信を管理する装置100のCPU101は、レコーダ1Bに対して、「CC」のビット1,2,3の値として、「010」又は「011」を発生させ、それをデータファイルの属性ヘッダ内に記録させる。
CD−ROMドライブ103から供給されたコンテンツとしてのデータは、レコーダ1Bにおいてメモリカード40に記録される。
そしてこの場合は、CDからの記録となるため、コンテンツデータの送信を管理する装置100のCPU101は、レコーダ1Bに対して、「CC」のビット1,2,3の値として、「001」を発生させ、それをデータファイルの属性ヘッダ内に記録させる。
そしてサーバによって提供され、HDD102に格納されたコンテンツがレコーダ1Bに供給される場合である。
そしてこの場合は、HDD102からのコピー記録又はムーブ記録となるため、コンテンツデータの送信を管理する装置100のCPU101は、レコーダ1Bに対して、「CC」のビット1,2,3の値として、「010」又は「011」以上の値を発生させ、それをデータファイルの属性ヘッダ内に記録させる。上述したように「100」以上は未定義とされているが、例えば伝送路を介して取り込まれたコンテンツに関しては、「100」以上の値を割り当てるようにすることも考えられ、その場合は、CCは「100」以上の値となる。
そして各場合において、コンテンツ供給元の識別情報となる「CC」のビット1,2,3の値は、レコーダ1へのコンテンツ供給側の装置からレコーダ1に伝送されるか、もしくはレコーダ1内でDSP30が発生させるものとなる。
続いて、レコーダ1においてメモリカード40に記録したコンテンツ、すなわちデータファイルの編集が指示された際の処理を説明する。
ここでいうデータファイルの編集とは、例えば図10、図11で説明したコンバインやデバイドである。
コンバインやデバイドが行われることで、例えば楽曲としてのコンテンツはユーザーが任意に加工できることになるが、コンテンツ提供者からみればそのような加工は好ましくない場合があり、このため本例では、コンバインやデバイドについて制限が課されるようにしている。
ユーザーはデバイドの際には、まずメモリカード40に記録されている或るデータファイルを指定した上で、デバイド操作、すなわち分割ポイントの指定や、分割の実行指示を行うことになる。
なお、ユーザーの操作は、図1に示した操作部39、もしくは端子32に接続されたマスター機器側の操作部で可能である。
より具体的には、ここで「CC」の値、すなわちコンテンツ供給元を確認する。
またこの際、ステップF104として示すように、分割された両データファイルにおける属性ヘッダのCCの値は、分割前の元のデータファイルの「CC」の値をそのまま設定する。
提示としては、例えば図1に示した表示部33に編集不可の旨を表示したり、或いは端子32を介して接続されている機器における表示部で表示することで行う。又は警告音、警告メッセージ等で編集不可の旨を提示してもよい。
HDD等からムーブされたコンテンツ、すなわち「CC」のビット1,2,3の値が「011」以上となるコンテンツは、例えば図22、図23のようにサーバ或いは何らかのソースからHDD102に記録され、それがメモリカード40にムーブされたものであり、サーバ側や著作権者にしてみれば、コンテンツの加工を制限したい場合である。従って本例では、このようにコンテンツの加工が制限されるべき場合において、デバイド編集が禁止されることになり、好適なシステムが構築できる。
ユーザーはコンバインの際には、まずメモリカード40に記録されている2つのデータファイルを指定した上で、コンバインの実行指示を行うことになる。
すなわち両データファイルの「CC」の値からコンテンツ供給元を確認する。
またこの際、ステップF204として示すように、結合されたデータファイルにおける属性ヘッダのCCの値は、元のデータファイルの「CC」の値をそのまま設定する。
提示方式は上記デバイドの場合と同様である。
例えば編集可否の制御としては、上記例ではCC=「001」「010」の場合は編集を許可するものとしたが、CC=「001」の場合のみ編集を許可するようにしてもよい。
また前述したように、CC=「100」以上の値は、将来的に各種コンテンツ提供元を示すものとして規定されることがあるが、本発明では、コンテンツ提供元の種別に応じて、編集許可/禁止を多様に設定できる。すなわち上記ステップF202,F302の処理としては、多様な例が考えられる。例えば、伝送路を介して通信されてきたコンテンツについてはCC=「100」とし、ステップF202,F302としてはCC=「100」のときのみ、編集を禁止するような処理方式も考えられる。
例えばコンテンツ供給元が通信回線を介して接続されたサーバ等の部位であると識別された場合は、コンテンツ編集処理の実行を禁止することで、サーバ側や著作権者の意向を尊重できるなど、実用上の利点が得られる。一方、編集が許されるもの、例えば再生専用のディスクメディアがコンテンツ供給元である場合は、編集可能とすることでユーザーの楽しみを阻害しないようにすることができる。
Claims (4)
- コンテンツデータ、及び前記コンテンツデータの供給元がオリジナルソースか否か及びコピー記録かムーブ記録かを識別できる識別情報が記憶された記憶装置の再生を行う再生装置において、
前記記憶装置からコンテンツデータの再生処理を行う再生処理手段と、
前記記憶装置に記憶されたコンテンツデータに対する編集の指示を行う操作手段と、
前記操作手段により編集が指示されたコンテンツデータに対応する識別情報から、コンテンツデータの供給元がオリジナルソースか否か及びコピー記録かムーブ記録かを判別する判別手段と、
前記判別手段で判別されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースである場合又は当該コンテンツデータがコピー記録されたものであると判別された場合は、上記操作手段により指示されたコンテンツ編集処理を行い、一方、前記判別手段で判別されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースでなくかつ当該コンテンツデータがムーブ記録されたものであると判別された場合、コンテンツ編集処理を実行しない編集処理手段と、
を備えた再生装置。 - 前記判別手段で判別されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースでなく、かつ当該コンテンツデータがムーブ記録されたものであると判別された場合、表示部にコンテンツデータの編集処理が禁止されていることを表示させる表示制御手段をさらに備えた請求項1に記載の再生装置。
- コンテンツデータ、及び前記コンテンツデータの供給元がオリジナルソースか否か及びコピー記録かムーブ記録かを識別できる識別情報が記憶された記憶装置の再生を行う再生装置の編集方法として、
前記記憶装置に記憶されたコンテンツデータに対する編集の指示を検知し、
編集が指示されたコンテンツデータに対応する識別情報から、コンテンツデータの供給元がオリジナルソースか否か及びコピー記録かムーブ記録かを判別し、
編集が指示されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースである場合又は当該コンテンツデータがコピー記録されたものであると判別された場合は、上記編集の指示に応じたコンテンツ編集処理を行い、
編集が指示されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースでなくかつ当該コンテンツデータがムーブ記録されたものであると判別された場合は、上記編集の指示に応じたコンテンツ編集処理を実行しない編集方法。 - 編集が指示されたコンテンツデータの供給元がオリジナルソースでなく、かつ当該コンテンツデータがムーブ記録されたものであると判別された場合、表示部にコンテンツデータの編集処理が禁止されていることを表示させる請求項3に記載の編集方法。
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