JP4291455B2 - Magnetic field sensor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外部磁界を電気信号に変換する磁界センサ、特に小型の薄膜地磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
地磁気のような微小磁界を検出する方法として、従来から良く知られているのがフラックスゲート磁界センサである。この磁界センサは、1960年代にアポロ計画において月面探査にも使用された伝統的な高感度磁気センサである。
【0003】
このフラックスゲート磁界センサの動作原理は、励磁電流を励磁コイルに通電し磁性体が飽和することで、磁性体内を貫通する外部磁束が減少するというメカニズムで説明されている。すなわち磁気インダクタンス変化を利用したセンサである。このようなフラックスゲート磁界センサは感度が高く信頼性にも優れているが、磁気コアが大きく小型化、低価格化が困難なため特殊用途にのみ使用されるに留まっているのが現状である。
【0004】
近年になり20インチ以上の大型CRTの地磁気補正やカーナビゲーションシステムへの応用が始まるにつれて、強磁性薄帯や薄膜を用いた小型の磁界センサが報告されるようになってきている。特に、強磁性薄帯や薄膜に直接、高周波電流を通電し、それによる磁界を利用するセンサ素子が注目を集めてきている。このような、いわゆる、直接通電では反磁界の影響が無く効率の高い磁化が実現するというメリットがある。
【0005】
例えば、特許番号2617498号には導電性を有する帯状強磁性体磁気コアにパルス電流を印加し、磁気コアに巻回された導体巻線からの電気信号で外部磁界を検出する磁界センサが開示されている。ここで用いられる磁性体は磁歪がゼロのアモルファスワイヤや帯状のアモルファス薄帯である。
【0006】
また、特開平8ー75835号公報には、基板上に磁性薄膜を成膜し、その長手方向の両端に、それぞれ電極を設けた磁気インピータンス効果素子が開示されている。この磁気インピーダンス効果は、当該公開公報における発明者の一人である毛利佳年雄先生により提案されたものであるが、長方形または線状の強磁性体の短辺(幅)方向、円周方向に予め磁気異方性を付与しておくことに特徴がある。長手方向からの磁界により、磁性体の磁化ベクトルが回転し、幅方向の透磁率が上昇し、それにより表皮効果が増加するために強磁性体のインピーダンスが増加することを利用している。すなわち前記のフラックスゲート磁界センサとは全く異なる原理を利用している。
【0007】
さらに、特開平8ー330745号には、長方形の基板の上面全面に磁性薄膜を形成した磁気インピーダンス効果による磁気検出素子が開示されている。この場合もやはり前記の公報と同様に、磁気インピーダンス効果を利用するため、磁化容易軸方向、すなわち磁気異方性は幅方向とし、素子の長手方向である磁界検出方向は磁化困難軸方向となっていることが重要なポイントとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来公知の磁気インダクタンス効果を利用するフラックゲート型磁界センサは、励磁電流を通電しない時に多くの外部磁束が磁性体に導入していなくてはならない。そのため、磁気異方性を有する磁性体においては、素子の長手方向である磁化検出方向を、磁化困難軸方向と一致させる必要がある。換言すれば、磁気異方性方向である磁化容易軸方向を、磁化検出方向と直交させる必要がある。このようなセンサの機構において、例えば、磁化困難軸方向が飽和する磁界強度をHkh,磁化容易軸方向が飽和する磁界強度をHkeとするとHkh>>Hkeとなる。このため磁気異方性方向を磁化検出方向と直交させると大きなHkhに相当する磁界を検出するには有利であるが、微少磁界を検出するには、小さなHkhが要求されていた。
【0009】
また、前記2つの公報で提案されている磁気インピーダンス効果素子も、従来公知の磁気インダクタンス素子と構造的には同様であり、磁化検出方向を磁化困難軸とする必要がある。
【0010】
特に、磁性薄膜を磁気コアとして用いる場合には、Hkhを小さくしようとすると、磁気異方性が乱れて等方膜に近い特性となってしまい、磁化困難軸の透磁率が低下し、かつ磁化容易軸の保磁力が増加してしまうという問題点が生じていた。
【0011】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、上記従来の問題点を解決し、極めて高感度で小型の磁界センサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明の磁界センサは、略長方形状の磁性体コアを有し、当該磁性体コアの長手方向と同一方向の外部磁界成分を検出する磁界センサであって、前記磁性体コアの長手方向両端部には高周波電流を通電するための通電部が形成されており、前記磁性体コア周辺近傍には導体コイルが巻かれ、当該導体コイルを用い、前記磁界成分を検出できるようになっており、前記磁性体コアは、その長手方向が磁化容易軸方向である磁気異方性を有してなるように構成される。
【0013】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁気異方性の形成の主要因が誘導磁気異方性であるように構成される。
【0014】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁性体コアの長さをL、幅をWとした時にこれらの比であるL/Wの値が、10以上1000以下であるように構成される。
【0015】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁性体コアは複数個組み合わされ、所定の間隙を空けて並列配置されており、これらの磁性体コアの実質的な長手方向両端部には高周波電流を通電するための通電部が一体的に形成された部分を有し、前記複数の磁性体コアが実質的に並列、または、かつ直列に接続されるように構成される。
【0016】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁性体コアの膜厚は1〜30μmとして構成される。
【0017】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁性体コアは、当該磁性体コアの磁化容易軸方向で測定された保磁力Hceの値が、0.1Oe以上、3Oe以下であるように構成される。
【0018】
また、本発明の好ましい態様として、前記通電部に通電される高周波電流の周波数は、0.1MHz以上1000MHz以下であるように構成される。
【0019】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁性体コアは、非磁性層を中間層として介在させ、少なくとも上下2層の磁性体層に分かれている多層膜であるように構成される。
【0020】
本発明の磁気インダクタンス効果を利用した磁界センサは、略長方形状の磁性体コアを有し、当該磁性体コアの長手方向と同一方向の外部磁界成分を検出する磁界センサであって、前記磁性体コアは、その長手方向が磁化容易軸方向であり、かつ当該磁性体コア長手方向に0.1MHz以上1000MHz以下の高周波電流を通電することにより、磁化困難軸方向に高周波励磁する機構を有し、電流が通電されていない状態と比較して、電流が通電されている状態においてより多くの長手方向の外部磁束を磁性体コア内に導入することができ、この磁束差により、外部磁界を前記磁性体に巻回された導体コイルのインダクタンス変化として検出するように構成される。
【0021】
本発明によれば、特に、磁性体コアの長手方向が磁化容易軸方向であり、かつ磁化検出方向であるために、磁性体の磁化容易軸方向保磁力程度の小さな磁界で大きな出力が得られる。さらに、磁化困難軸方向励磁のための高周波駆動が可能で、これによる高出力化も同時に実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の磁界センサ1の好適な一実施形態を概略的に示した斜視図であり、図2は図1のA−A方向の断面矢視図である。
【0024】
これらの図に示されるように、本発明の磁界センサは、基板5の上に略長方形状の強磁性体からなる磁性体コア11,12,13,14を有している。これらの磁性体コア11,12,13,14図示のごとく一括した状態で導体コイル20が巻回されている。本実施の形態の場合、4つの磁性体コアは、略長方形状の磁性体コアを2本ずつ1組として(11と12、13と14)、並列かつ直列に接続されている。すなわち、磁性体コア11,12および磁性体コア13,14の片側端にはそれぞれ、一体的に接続された通電部41および通電部42が形成されており、この一方で4つの磁性体コアの他方端には、4つのコア端部を一体的に接続した折り返しのための導電膜60が設けられている。通電部41,42は、高周波電流を通電するために形成されており、図示のごとく高周波電源9が接続されるようになっている。
【0025】
これらの磁性体コア11,12,13,14には磁界検出用の導体コイル20が巻回されている。導体コイル20は、通常、薄膜コイル20として形成され、コイルの引き出し部には電極端子51、52が設けられている。そして、通常、電極端子51、52からワイヤーボンダーにより、外部に設けられた電源および信号処理部へと接続がなされる。もちろん、電極端子51、52に半田バンプを設け、基板面を上にしてプリント基板等に実装することも可能である。あるいは、スルーホールを有する基体にセンサを形成し、素子面を上にプリント基板等に実装することも可能である。
【0026】
本発明において、上記磁性体コア11,12,13,14の磁化容易軸方向(α)は、磁性体コアの長手方向と同じ方向に設定されており、また、外部磁界検出方向(Hex)もまた、磁性体コアの長手方向と同じ方向である。外部磁界の方向が磁性体コアの長手方向とずれを生じていても、当該コア長手方向と同一方向の外部磁界成分は検出することができる。
【0027】
本発明においては、磁性体コアの通電部41、42から高周波電流を通電し、前記強磁性コア11,12,13,14に巻回された導体コイル20に発生する信号を、電極端子51、52から出力として検出する。
【0028】
図1に示されるように、複数の強磁性コアを組み合わせるとともに、これらを所定の間隙を空けて並列配置させ、これらの磁性体コアの実質的な長手方向両端部に高周波電流を通電するための通電部を一体的に形成させ、前記複数の磁性体コアが実質的に並列、または、かつ直列に接続されるよう構成することにより、一枚の幅広のコアを用いる場合と比べて、反磁場の影響が小さくなり磁性体コアの実効透磁率が高くなるために高い出力が得られる。また、磁性体コアの磁区構造も改善されるためにノイズ成分が小さくなるという効果が発現する。
【0029】
なお、図1に示されるように磁性体コア11,12,13,14の両端部における短辺部は、それぞれ鋭角(先端部が尖がった形状)を形成しているが、このような形態も略長方形状の1つと見なされる。鋭角を形成させることにより、いわゆる単純な長方形状の磁性体に比べると、磁区構造が安定し、ノイズを低減させる効果が期待できる。すなわち、本発明で言う「略長方形状」とは、その長さL(図1)がその幅W(図2)よりも長い状態を示す。なお、磁性体コアの端部の短辺部に鋭角を形成している場合の長さLとは全長を指す。1つの磁性体コアにおいて、上記幅(W)に対する長さ(L)の比であるL/Wの値は、10以上1000以下、特に10以上300以下であることが好ましい。L/Wの値が10未満となると反磁界効果により磁界感度が低下する。また、L/Wの値が1000を超えると磁性体コア素子のパターニングが困難となったり、あるいは素子が長く大型化してしまう。また、1つの導体コイル20に巻回される磁性体コアは1個である必要は無く、幅の狭い磁性体コアを数本用いることが可能である(本発明の実施形態)。
【0030】
図1における、導体コイル20は、検出用コイルとして簡略的な巻線コイル形状が描かれているが、このものは前述したようにいわゆる薄膜プロセスに基いて形成される薄膜コイル20とすることが好ましい。図2に薄膜コイル20の断面が部分的に示されており、薄膜コイル(検出用コイル)は、通常、下部コイル部分21と、上部コイル部分25との結合により形成される。この場合、磁性体コア11,12,13,14との絶縁を図るために、絶縁層71,72が磁性体コアを囲むように形成されている。
【0031】
なお、薄膜コイルを薄膜形成すると同時に、例えば、銅からなる前記通電部41,42や折り返しのための導電膜60を形成すれば、製造工程の合理化が図られる。
【0032】
なお、上記の隣接する磁性体コア同士の間隙は、0.1〜50μm程度とされる。
【0033】
本発明で用いられる磁性体コア11,12,13,14の材料としてはNiFe、NiFeMo,CoFe,CoNiFe等の公知の各種の一軸磁気異方性を示す軟磁性体から選ぶことが出来る。製法は高速急冷薄帯やバルクの板を用いることが出来るが、特に好ましくは真空成膜法、めっき法で成膜された薄膜をパターニングした膜厚1μm以上30μm以下の磁性薄膜である。膜厚が1μm未満では出力が低下してしまうし、膜厚が30μmを超えると良好な一軸磁気異方性の付与が困難となってしまう。
【0034】
磁性体コア11,12,13,14のそれぞれの長手方向に、一軸磁気異方性を付与する方法としては、誘導磁気異方性または歪み磁気異方性、あるいは、この両者を複合した方法が好ましい。特に好ましくは誘導磁気異方性である。これは異方性の方向性管理、および異方性の値(大きさ)の管理が容易なためである。
【0035】
また、磁性体コア11,12,13,14の磁化容易軸方向の保磁力Hceは0.1Oe以上、3Oe以下であることが好ましい。保磁力Hceが0.1Oe未満となると検出可能な磁界範囲が極めて小さくなってしまい、また、保磁力Hceが3Oeを超えると磁界感度が低下してしまう。
【0036】
本発明の磁界センサにおいては、磁性体コア11,12,13,14の長手方向に高周波電流を流す。本発明における高周波電流とは、時間により電流値が変化する電流の総称であり、サイン波、矩形波、鋸波、パルス波等のいずれの波形においても用いることが可能である。周波数はサイン波の場合には、0.1MHz以上1000MHz以下の周波数が好ましい。このような周波数の範囲を外れると、いずれの場合においても出力が低下してしまう。
【0037】
本発明の動作原理は従来公知の各種の磁界センサとは全く異なる。すなわち、従来の磁気インダクタンス効果を利用する磁界センサは、励磁電流を励磁コイルに通電させ磁性体コアが飽和することで、磁性体コア内を貫通する外部磁束が減少するというメカニズムであった。これに対して本発明の磁界センサは、その作用が全く反対となっている。つまり、本発明においては、略長方形状の磁性体コアの長手方向が磁化容易軸(図1(α)方向)であり、かつ磁性体コアの長手方向に高周波電流を通電する機構を有し、電流を通電しない場合(電流値=0の状態)と比較して、電流を通電した場合により多くの長手方向の外部磁束を磁性体内に導入し、この磁束差により、外部磁界Hexを前記磁性体に巻回されたコイルのインダクタンス変化として検出することを特徴とする磁気インダクタンス効果を利用している。
【0038】
図3には本発明の磁界センサの異なる実施の形態が示されている。図3において、4つの磁性体コア11,12,13,14の両端部にはそれぞれ一体的に接合された通電部41,42が形成されており、各磁性体コアは、単に並列に接続されており、図1に示されるような折り返しのための導電膜60は存在していない。この場合(図3)には、構造が単純で生産歩留まりが高いというメリットがあり、また、前記図1の形態では、励磁電流による磁束変化が打ち消しあうために検出コイルに励磁電流による信号が加算されないというメリットがある。
【0039】
以下、さらに本発明の構成および作用原理について従来技術との比較も含めつつ詳細に説明する。
【0040】
図4には、略長方形状の磁性体を磁性体コアとし、その磁性体コアに巻回されたコイルを有する磁気素子のインダクタンスが周波数にどのように依存するかを調べたグラフの一例が示されている。磁性体コアの長手方向を磁化容易軸とした場合(図中(a)のライン)では、1MHz以上の周波数でインダクタンスが低下し、10MHzにおいてはインダクタンスが1μH以下である。これに対して磁性体コアの長手方向を磁化困難軸とした場合(図中(b)のライン)では、10MHz以上の高周波においてもインダクタンスは20μHに維持されている。磁気インダクタンス効果を利用する磁界センサにおいては、駆動周波数に比例して、出力が得られる。すなわち高出力を得るためには高周波駆動することが好ましく、そのためには従来公知の磁界センサにおいては、磁性体の長手方向を磁化困難軸(逆にいえば長手方向と直交する方向が磁化容易軸)する必要があった。
【0041】
これに対して本発明の磁界センサは磁性体コアの長手方向を磁化容易軸としているが、本発明では、さらに、磁性体コアの長手方向に高周波の励磁電流を通電させる機構を備えている。すなわち、図5に示すように磁性体コアに高周波の励磁電流を通電させ、磁化方向を90度回転させることによりインダクタンスを上昇させる現象を利用している。前記図4の図中(a)のラインに示されるように、励磁電流を通電しない状態での10MHzのインダクタンスは1μH以下であるが、図5に示されるように100mAの通電によりインダクタンスは20μHにまで上昇していた。そして、さらに通電状態でのインダクタンスの周波数依存性は、図4の(b)のラインと全く同じであり、100MHzまで高い値を示することが本発明者らによって確認されている。すなわち本発明の磁界センサは、磁性体コアの長手方向を磁化容易軸としているが、高周波駆動が可能であることが分かる。なお、励磁電流は、10〜1000mAが好ましく、特に好ましくは100〜300mAである。励磁電流が10mA未満の励磁では磁化方向の移動が不十分で、1000mAを超えると磁化が強すぎて外部磁界による変化が小さくなってしまう。
【0042】
そして、さらに図5には、磁性体コアの長手方向を磁化容易軸とした素子(図中(a))に100mAの励磁電流を印加した状態でのインダクタンスの外部磁界依存性、および磁性体コアの長手方向を磁化困難軸とした素子(図中(b))のインダクタンスの外部磁界依存性を示す。共に外部磁界が印加されない状態(Hex=0)のインダクタンスは20μHであるが、(a)素子は微少な外部磁界でインダクタンスが急激に減少するのに対して、(b)素子では、ゆるやかに減少する。図5における示されるA点は、(a)素子の磁化容易軸方向の飽和磁界Hkeに相当し、B点は(b)素子の磁化困難軸方向の飽和磁界Hkhに相当する。なお、磁化容易軸方向において理想的にはHkeは保磁力Hceと完全に一致するが、実際の素子においては各種の効果によりHke≧Hceである。
【0043】
一軸磁気異方性を有する磁性体においては、Hce<<Hkhであるために、本発明の磁界センサは、極めて高い磁界感度を有する。
【0044】
なお、本発明の磁界センサは、単純にコイルからの出力信号を利用するだけでなく、従来公知の磁界センサで用いられている各種の検出回路を構成することが可能である。例えば、(1)適当なバイアス磁界を使用すること、(2)正負の励磁電流に対して得られた信号の差信号を処理すること、(3)出力信号が一定となるようにコイルに電流を印加しその電流値を処理すること等である。
【0045】
また、本発明の磁界センサで用いられる略長方形状の強磁性体薄膜(磁性体コア)の磁区構造を安定化させるために、中間層として非磁性層を設け、上下の磁性層を磁気的に結合させるように構成することも好ましい。その際に中間層として導電層を用いることも可能である。この場合には励磁電流は主として中間に位置する導電層を流れることになる。さらには磁区安定のために、高保磁力薄膜を長手方向両端部の近傍に形成することも可能である。
【0046】
また、本発明の磁界センサは、図2に示されるように公知の有機物、および/または無機物の保護膜75を最上面に設けることが好ましい。さらに、他の電子部品同様の樹脂封止の処理をすることも可能である。この場合には、磁性体コアに大きな応力がかからないように、樹脂封止をする前に、予め、応力緩和層として封止樹脂とは異なる樹脂で保護層を形成しておくことが望ましい。
【0047】
また、本発明の磁界センサを2つ組み合わせることで、2軸の磁界センサ、3個組み合わせることで3軸の磁界センサとすることも可能である。この際に、各センサを構成する磁性体コアの電流が流れる方向は、互いに直交する配置となる。2軸の場合には、1枚の基板の表と裏にそれぞれ素子部を形成したり、あるいは2つのセンサを一枚の基板上に積層して形成したりすることも可能である。
【0048】
なお、上述してきた本発明の磁界センサは、特に好ましくは、薄膜磁気ヘッドと同様の薄膜プロセスにより形成される。
【0049】
【実施例】
以下に具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実験例1]
(実施例1〜4、比較例1〜2)
【0050】
図3に示されるような磁界サンプルを下記の要領で作製した。
【0051】
具体的サンプルの作製
【0052】
表面に酸化皮膜を有するシリコンウエハー基板5の上に下部コイル21を電気めっき法により形成した。なお、コイル引き出し線は、下部コイル21作製時に両端とも作製し、歩留まり向上を図っている。次いで、熱硬化ノボラック樹脂からなる下部絶縁層71上に、NiFeMoめっき膜(磁歪ほぼゼロ組成)からなる磁性体コアを形成した。この磁性体コアの長さLは2mmに固定し、幅W、膜厚dは下記表1に示す各種の形状とした。なお、表1において「100×3」とは幅100μmの磁性体コアが3個形成され並列に接続されている状態を示す。
【0053】
磁性膜形成後に、上部絶縁層72を介して上部コイル25を形成した。上部コイル25のフォトレジスト露光時には、レジスト膜厚に分布が生じるため補助露光マスクを用いた。最後に保護層75として絶縁層を形成し磁界センサとした。
【0054】
なお磁性体コアのパターニングは、フォトレジスト法によりマスクを用いて露光、現像したレジストパターンを用い、フレームめっき法またはエッチング法により形成した。
【0055】
なお、実施例1〜実施例4においては、NiFeMoめっき膜成膜時に、磁性体長手方向に600Gの直流磁界を印加しながら行い、長手方向に誘導磁気異方性を付与した。また比較例1においては反対に素子幅方向に同様の方法で誘導磁気異方性を付与し、比較例2においては回転磁界中で成膜を行い、見かけ上、等方膜とした。同様の成膜方法を行った1cmφのめっき膜の磁気特性(Hce、Hkh)を振動試料型磁力計で評価した。
【0056】
さらに、完成した磁界センサの磁性体コアに、周波数5MHzサイン波形高周波電流を印加し、地磁気(0.3Oe)による出力値を求め、1T(テスラ)当たりの出力に換算して各サンプル素子を比較した。その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
[実験例2]
【0058】
ガラス基板上にポリイミド樹脂を全面に塗布し350℃で熱硬化処理を行った。熱硬化処理後のポリイミドの膜厚は1μmであった。この上にスパッタ下地膜を用いて、電気めっき法により下部コイル21を形成した。なお、不要なスパッタ下地膜はアルゴンイオンミリングにて除去した。この際、ポリイミド膜が全面に塗布されているために、ガラス基板がミリングされることはない。次いで、ノボラック系フォトレジストを用いて、パターンニングした後、熱硬化処理を行い、上部絶縁層を形成した。この際に、同一のフォトレジストフレームを用いて、最初にNiFeを2μm、次ぎに銅を1μm、さらにNiFeを2μm成膜し、3層構造とした。この際に、永久磁石により磁性体コアの長手方向に磁場を印加しながら成膜を行い、誘導磁気異方性を長手方向に付与した。磁気コア寸法は等は実施例1と同様とした。磁気コアの上に下部絶縁層と同様な手法で上部絶縁層を設け、さらにこの上に下部コイルと同様な手法で上部コイルを設けた。また、本素子は、ウエハーから切断後、励磁電流発生回路、信号処理回路が設けられている半導体基板の所定のパッドとワイヤーボンダーにより、電気的に接続させ、さらにエポキシ樹脂により、半導体基板との一体化モジュールとして評価を進めた。その結果、この磁界センサモジュールにおいては、前記実施例1と同等の出力であったが、ノイズ成分が50%低減したこと、すなわち、信号/ノイズの比であるS/Nでは2倍の改善がなされたことが確認できた。
【0059】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明の磁界センサは、略長方形状の磁性体コアを有し、当該磁性体コアの長手方向と同一方向の外部磁界成分を検出する磁界センサであって、前記磁性体コアの長手方向両端部には高周波電流を通電するための通電部が形成されており、前記磁性体コア周辺近傍には導体コイルが巻かれ、当該導体コイルを用い、前記磁界成分を検出できるようになっており、前記磁性体コアは、その長手方向が磁化容易軸方向である磁気異方性を有してなるように構成されているので、従来のセンサと比べて、極めて高感度となり、しかも小型化が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁界センサの好適な一例を概略的に示した斜視図である。
【図2】図1のA−A断面矢視図である。
【図3】本発明の磁界センサの好適な一例を概略的に示した斜視図である。
【図4】一軸磁気異方性を示す磁性体コアを用いた素子のインダクタンスの周波数特性を示すグラフである。
【図5】本発明の磁界センサの励磁電流に対するインダクタンス変化を示すグラフである。
【図6】本発明の磁界センサ(ライン(a))と従来の磁界センサ(ライン(b))のインダクタンスの外部磁界依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…磁界センサ
5…基板
9…高周波電源
11、12、13、14…磁性体コア
20…導体コイル
41,42…通電部
51、52…電極端子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic field sensor that converts an external magnetic field into an electric signal, and more particularly to a small thin-film geomagnetic sensor.
[0002]
[Prior art]
As a method for detecting a minute magnetic field such as geomagnetism, a flux gate magnetic field sensor has been well known. This magnetic field sensor is a traditional high-sensitivity magnetic sensor that was also used for lunar exploration in the Apollo program in the 1960s.
[0003]
The principle of operation of this fluxgate magnetic field sensor is explained by a mechanism in which the external magnetic flux penetrating through the magnetic body is reduced by passing an exciting current through the exciting coil and saturating the magnetic body. In other words, the sensor uses a change in magnetic inductance. Although such a fluxgate magnetic field sensor has high sensitivity and excellent reliability, it is currently used only for special purposes because the magnetic core is large and it is difficult to reduce the size and price. .
[0004]
In recent years, as the application of large CRTs of 20 inches or more to geomagnetic correction and car navigation systems has started, small magnetic sensors using ferromagnetic ribbons or thin films have been reported. In particular, sensor elements that apply a high-frequency current directly to a ferromagnetic ribbon or thin film and use a magnetic field generated thereby have been attracting attention. Such so-called direct energization has the advantage of realizing high-efficiency magnetization without the influence of a demagnetizing field.
[0005]
For example, Japanese Patent No. 2617498 discloses a magnetic field sensor that applies a pulse current to a conductive band-shaped ferromagnetic magnetic core and detects an external magnetic field by an electric signal from a conductor winding wound around the magnetic core. ing. The magnetic material used here is an amorphous wire having no magnetostriction or a strip-shaped amorphous ribbon.
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-75835 discloses a magnetic impedance effect element in which a magnetic thin film is formed on a substrate and electrodes are provided at both ends in the longitudinal direction. This magneto-impedance effect was proposed by Dr. Toshio Mori, one of the inventors in the publication, but in the short side (width) direction and circumferential direction of a rectangular or linear ferromagnetic material. It is characterized by providing magnetic anisotropy in advance. The magnetic field from the longitudinal direction rotates the magnetization vector of the magnetic material, increasing the permeability in the width direction, thereby increasing the skin effect, thereby increasing the impedance of the ferromagnetic material. That is, it uses a completely different principle from the fluxgate magnetic field sensor.
[0007]
Further, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-330745 discloses a magnetic detection element based on the magnetic impedance effect in which a magnetic thin film is formed on the entire upper surface of a rectangular substrate. In this case as well, similarly to the above publication, since the magneto-impedance effect is used, the magnetization easy axis direction, that is, the magnetic anisotropy is the width direction, and the magnetic field detection direction which is the longitudinal direction of the element is the magnetization difficult axis direction. It is an important point.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the conventionally known flux gate type magnetic field sensor using the magnetic inductance effect, a large amount of external magnetic flux must be introduced into the magnetic body when no exciting current is applied. Therefore, in a magnetic material having magnetic anisotropy, it is necessary to make the magnetization detection direction, which is the longitudinal direction of the element, coincide with the hard magnetization axis direction. In other words, it is necessary to make the easy axis direction, which is the magnetic anisotropy direction, orthogonal to the magnetization detection direction. In such a sensor mechanism, for example, if the magnetic field intensity at which the hard axis direction is saturated is Hkh, and the magnetic field intensity at which the easy axis direction is saturated is Hke, then Hkh >> Hke. For this reason, when the magnetic anisotropy direction is orthogonal to the magnetization detection direction, it is advantageous to detect a magnetic field corresponding to a large Hkh, but a small Hkh is required to detect a minute magnetic field.
[0009]
Also, the magneto-impedance effect elements proposed in the above two publications are structurally similar to conventionally known magnetic inductance elements, and the magnetization detection direction needs to be the hard magnetization axis.
[0010]
In particular, when a magnetic thin film is used as a magnetic core, if an attempt is made to reduce Hkh, the magnetic anisotropy is disturbed, resulting in a characteristic close to an isotropic film, the permeability of the hard axis is lowered, and the magnetization is reduced. There has been a problem that the coercive force of the easy shaft increases.
[0011]
The present invention has been devised under such circumstances, and an object of the present invention is to solve the above-described conventional problems and to provide a highly sensitive and compact magnetic field sensor.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, the magnetic field sensor of the present invention is a magnetic field sensor that has a substantially rectangular magnetic core and detects an external magnetic field component in the same direction as the longitudinal direction of the magnetic core. In addition, energization portions for energizing a high frequency current are formed at both longitudinal ends of the magnetic core, a conductor coil is wound around the periphery of the magnetic core, and the magnetic field component is used by using the conductor coil. The magnetic core is configured to have magnetic anisotropy whose longitudinal direction is the easy magnetization axis direction.
[0013]
In a preferred embodiment of the present invention, the main factor for forming the magnetic anisotropy is induced magnetic anisotropy.
[0014]
As a preferred embodiment of the present invention, when the length of the magnetic core is L and the width is W, the ratio L / W, which is the ratio of these, is 10 or more and 1000 or less.
[0015]
Further, as a preferred aspect of the present invention, a plurality of the magnetic cores are combined and arranged in parallel with a predetermined gap therebetween, and a high-frequency current is passed through substantially both ends in the longitudinal direction of the magnetic cores. And a plurality of magnetic cores are configured to be connected substantially in parallel or in series.
[0016]
As a preferred embodiment of the present invention, the magnetic core has a thickness of 1 to 30 μm.
[0017]
As a preferred embodiment of the present invention, the magnetic core is configured such that the coercive force Hce measured in the direction of the easy axis of the magnetic core is 0.1 Oe or more and 3 Oe or less.
[0018]
Moreover, as a preferable aspect of the present invention, the frequency of the high-frequency current supplied to the energization unit is configured to be 0.1 MHz or more and 1000 MHz or less.
[0019]
As a preferred embodiment of the present invention, the magnetic core is configured to be a multilayer film having a nonmagnetic layer as an intermediate layer and divided into at least two upper and lower magnetic layers.
[0020]
The magnetic field sensor using the magnetic inductance effect of the present invention is a magnetic field sensor that has a substantially rectangular magnetic core and detects an external magnetic field component in the same direction as the longitudinal direction of the magnetic core. The core has a mechanism in which the longitudinal direction is the easy magnetization axis direction and high-frequency excitation is performed in the hard magnetization axis direction by passing a high-frequency current of 0.1 MHz to 1000 MHz in the longitudinal direction of the magnetic core, Compared to the state where no current is applied, more external magnetic flux in the longitudinal direction can be introduced into the magnetic core in the state where the current is applied. It is comprised so that it may detect as an inductance change of the conductor coil wound by the body.
[0021]
According to the present invention, in particular, since the longitudinal direction of the magnetic core is the easy axis direction and the magnetization detection direction, a large output can be obtained with a small magnetic field about the coercivity of the easy axis direction of the magnetic body. . Furthermore, high-frequency driving is possible for excitation in the hard axis direction, and high output can be realized at the same time.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, specific embodiments of the present invention will be described in detail.
[0023]
FIG. 1 is a perspective view schematically showing a preferred embodiment of a
[0024]
As shown in these drawings, the magnetic field sensor of the present invention has
[0025]
A
[0026]
In the present invention, the easy magnetization axis direction (α) of the
[0027]
In the present invention, a signal generated in the
[0028]
As shown in FIG. 1, a plurality of ferromagnetic cores are combined, arranged in parallel with a predetermined gap therebetween, and a high frequency current is passed through substantially both ends in the longitudinal direction of these magnetic cores. Compared with the case where a single wide core is used, the current-carrying part is formed integrally, and the plurality of magnetic cores are configured to be connected substantially in parallel or in series. The effect of the above is reduced and the effective permeability of the magnetic core is increased, so that a high output can be obtained. In addition, since the magnetic domain structure of the magnetic core is improved, the effect of reducing the noise component is exhibited.
[0029]
As shown in FIG. 1, the short sides at both ends of the
[0030]
The
[0031]
If the current-carrying
[0032]
The gap between the adjacent magnetic cores is about 0.1 to 50 μm.
[0033]
The material of the
[0034]
As a method for imparting uniaxial magnetic anisotropy in the longitudinal direction of each of the
[0035]
The coercive force Hce in the easy axis direction of the
[0036]
In the magnetic field sensor of the present invention, a high-frequency current flows in the longitudinal direction of the
[0037]
The operating principle of the present invention is completely different from various known magnetic field sensors. That is, the conventional magnetic field sensor using the magnetic inductance effect has a mechanism in which the external magnetic flux penetrating through the magnetic core is reduced by passing an exciting current through the exciting coil and saturating the magnetic core. On the other hand, the action of the magnetic field sensor of the present invention is completely opposite. In other words, the present invention has a mechanism in which the longitudinal direction of the substantially rectangular magnetic core is the axis of easy magnetization (direction (α) in FIG. 1), and a high-frequency current is passed in the longitudinal direction of the magnetic core. Compared with the case where no current is applied (state where current value = 0), more external magnetic flux in the longitudinal direction is introduced into the magnetic body when the current is supplied, and this magnetic flux causes the external magnetic field Hex to be introduced into the magnetic body. A magnetic inductance effect is used, which is detected as an inductance change of a coil wound around.
[0038]
FIG. 3 shows a different embodiment of the magnetic field sensor of the present invention. In FIG. 3, current-carrying
[0039]
Hereinafter, the configuration and operation principle of the present invention will be described in detail, including comparison with the prior art.
[0040]
FIG. 4 shows an example of a graph showing how the inductance of a magnetic element having a substantially rectangular magnetic body having a coil wound around the magnetic body core depends on the frequency. Has been. In the case where the longitudinal direction of the magnetic core is the easy axis (line (a) in the figure), the inductance decreases at a frequency of 1 MHz or more, and at 10 MHz, the inductance is 1 μH or less. On the other hand, when the longitudinal direction of the magnetic core is the hard axis (line (b) in the figure), the inductance is maintained at 20 μH even at a high frequency of 10 MHz or higher. In the magnetic field sensor using the magnetic inductance effect, an output is obtained in proportion to the drive frequency. That is, in order to obtain a high output, it is preferable to drive at a high frequency. For this purpose, in a conventionally known magnetic field sensor, the longitudinal direction of the magnetic material is the hard axis (or conversely, the direction perpendicular to the longitudinal direction is the easy axis). )
[0041]
In contrast, the magnetic field sensor of the present invention uses the longitudinal direction of the magnetic core as the easy axis of magnetization, but the present invention further includes a mechanism for passing a high-frequency excitation current in the longitudinal direction of the magnetic core. That is, as shown in FIG. 5, a phenomenon is used in which a high-frequency excitation current is passed through the magnetic core and the magnetization direction is rotated by 90 degrees to increase the inductance. As shown by the line (a) in FIG. 4, the inductance of 10 MHz in the state where no exciting current is applied is 1 μH or less, but the inductance is reduced to 20 μH by supplying 100 mA as shown in FIG. Was rising. Further, it has been confirmed by the present inventors that the frequency dependency of the inductance in the energized state is exactly the same as the line in FIG. 4B and shows a high value up to 100 MHz. That is, the magnetic field sensor of the present invention uses the longitudinal direction of the magnetic core as the easy axis of magnetization, but it can be seen that high frequency driving is possible. The exciting current is preferably 10 to 1000 mA, particularly preferably 100 to 300 mA. When the excitation current is less than 10 mA, the magnetization direction is not sufficiently moved. When the excitation current exceeds 1000 mA, the magnetization is too strong and the change due to the external magnetic field becomes small.
[0042]
Further, FIG. 5 shows the external magnetic field dependency of the inductance in a state where an excitation current of 100 mA is applied to the element ((a) in the figure) whose longitudinal axis is the easy axis of magnetization, and the magnetic core. 2 shows the external magnetic field dependence of the inductance of the element ((b) in the figure) whose longitudinal direction is the hard axis of magnetization. In both cases, the inductance when no external magnetic field is applied (Hex = 0) is 20 μH, but (a) the element decreases abruptly with a small external magnetic field, whereas (b) the element decreases gently. To do. A point A shown in FIG. 5 corresponds to (a) the saturation magnetic field Hke in the direction of the easy axis of the element, and B point corresponds to the saturation magnetic field Hkh in the direction of the hard axis of the element (b). Note that Hke ideally coincides with the coercive force Hce ideally in the easy axis direction, but in an actual element, Hke ≧ Hce due to various effects.
[0043]
In a magnetic body having uniaxial magnetic anisotropy, since Hce << Hkh, the magnetic field sensor of the present invention has extremely high magnetic field sensitivity.
[0044]
In addition, the magnetic field sensor of this invention can comprise not only a simple output signal from a coil but also various detection circuits used in conventionally known magnetic field sensors. For example, (1) using an appropriate bias magnetic field, (2) processing a difference signal between signals obtained for positive and negative excitation currents, and (3) current in the coil so that the output signal is constant. Is applied to process the current value.
[0045]
Further, in order to stabilize the magnetic domain structure of the substantially rectangular ferromagnetic thin film (magnetic core) used in the magnetic field sensor of the present invention, a nonmagnetic layer is provided as an intermediate layer, and the upper and lower magnetic layers are magnetically separated. It is also preferable to configure it to be coupled. In that case, it is also possible to use a conductive layer as an intermediate layer. In this case, the excitation current flows mainly through the conductive layer located in the middle. Further, in order to stabilize the magnetic domain, a high coercive force thin film can be formed in the vicinity of both ends in the longitudinal direction.
[0046]
In the magnetic field sensor of the present invention, it is preferable to provide a known organic and / or inorganic
[0047]
Further, by combining two magnetic field sensors of the present invention, a three-axis magnetic field sensor can be formed by combining three two-axis magnetic field sensors. At this time, the directions in which the currents of the magnetic cores constituting each sensor flow are arranged orthogonal to each other. In the case of two axes, it is possible to form element portions on the front and back of a single substrate, or to stack two sensors on a single substrate.
[0048]
The magnetic field sensor of the present invention described above is particularly preferably formed by a thin film process similar to that of a thin film magnetic head.
[0049]
【Example】
The present invention will be described in further detail with reference to specific examples.
[Experiment 1]
(Examples 1-4, Comparative Examples 1-2)
[0050]
A magnetic field sample as shown in FIG. 3 was prepared as follows.
[0051]
Preparation of concrete samples
[0052]
A
[0053]
After forming the magnetic film, the
[0054]
The patterning of the magnetic core was performed by frame plating or etching using a resist pattern exposed and developed using a mask by a photoresist method.
[0055]
In Examples 1 to 4, the NiFeMo plating film was formed while applying a 600 G DC magnetic field in the longitudinal direction of the magnetic material, and induced magnetic anisotropy was imparted in the longitudinal direction. In contrast, in the first comparative example, inductive magnetic anisotropy was imparted in the same manner in the element width direction, and in the second comparative example, the film was formed in a rotating magnetic field to make an isotropic film. The magnetic properties (Hce, Hkh) of a 1 cmφ plated film subjected to the same film formation method were evaluated with a vibrating sample magnetometer.
[0056]
Furthermore, a high frequency current of 5 MHz sine waveform is applied to the magnetic core of the completed magnetic field sensor, the output value by geomagnetism (0.3 Oe) is obtained, converted to output per 1T (Tesla), and each sample element is compared. did. The results are shown in Table 1.
[0057]
[Table 1]
[Experiment 2]
[0058]
A polyimide resin was applied on the entire surface of a glass substrate and heat-cured at 350 ° C. The film thickness of the polyimide after the thermosetting treatment was 1 μm. A
[0059]
【The invention's effect】
The effects of the present invention are clear from the above results. That is, the magnetic field sensor of the present invention is a magnetic field sensor that has a substantially rectangular magnetic core and detects an external magnetic field component in the same direction as the longitudinal direction of the magnetic core, the longitudinal direction of the magnetic core. Current-carrying parts for conducting high-frequency currents are formed at both ends, and a conductor coil is wound around the magnetic core, so that the magnetic field component can be detected using the conductor coil. The magnetic core has a magnetic anisotropy whose longitudinal direction is the direction of the easy axis of magnetization. Therefore, the magnetic core has extremely high sensitivity and can be downsized. There is an effect that can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view schematically showing a preferred example of a magnetic field sensor of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line AA in FIG.
FIG. 3 is a perspective view schematically showing a preferred example of the magnetic field sensor of the present invention.
FIG. 4 is a graph showing frequency characteristics of inductance of an element using a magnetic core exhibiting uniaxial magnetic anisotropy.
FIG. 5 is a graph showing an inductance change with respect to an exciting current of the magnetic field sensor of the present invention.
FIG. 6 is a graph showing the external magnetic field dependence of the inductance of the magnetic field sensor of the present invention (line (a)) and the conventional magnetic field sensor (line (b)).
[Explanation of symbols]
1 ... Magnetic field sensor
5 ... Board
9 ... High frequency power supply
11, 12, 13, 14 ... magnetic core
20: Conductor coil
41, 42 ... energization part
51, 52 ... Electrode terminals
Claims (9)
前記磁性体コアの長手方向両端部には高周波電流を通電するための通電部が形成されており、前記磁性体コア周辺近傍には導体コイルが巻かれ、当該導体コイルを用い、前記磁界成分を検出できるようになっており、
前記磁性体コアは、その長手方向が磁化容易軸方向である磁気異方性を有してなることを特徴とする磁界センサ。In a magnetic field sensor having a substantially rectangular magnetic core and detecting an external magnetic field component in the same direction as the longitudinal direction of the magnetic core,
Current-carrying portions for passing a high-frequency current are formed at both ends in the longitudinal direction of the magnetic core, a conductor coil is wound around the periphery of the magnetic core, and the magnetic field component is It can be detected,
The magnetic core has a magnetic anisotropy whose longitudinal direction is an easy magnetization axis direction.
前記磁性体コアは、その長手方向が磁化容易軸方向であり、かつ当該磁性体コア長手方向に0.1MHz以上1000MHz以下の高周波電流を通電することにより、磁化困難軸方向に高周波励磁する機構を有し、電流が通電されていない状態と比較して、電流が通電されている状態においてより多くの長手方向の外部磁束を磁性体コア内に導入することができ、この磁束差により、外部磁界を前記磁性体に巻回された導体コイルのインダクタンス変化として検出することを特徴とする磁気インダクタンス効果を利用した磁界センサ。In a magnetic field sensor having a substantially rectangular magnetic core and detecting an external magnetic field component in the same direction as the longitudinal direction of the magnetic core,
The magnetic core has a mechanism in which the longitudinal direction is an easy magnetization axis direction and a high-frequency excitation is performed in the hard magnetization axis direction by passing a high frequency current of 0.1 MHz to 1000 MHz in the longitudinal direction of the magnetic core. Compared with the state where the current is not supplied, more external magnetic flux in the longitudinal direction can be introduced into the magnetic core in the state where the current is supplied. Is detected as a change in inductance of a conductor coil wound around the magnetic material. A magnetic field sensor using a magnetic inductance effect.
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