JP4290438B2 - Dnaマイクロアレイ法を用いる毒性物質の同定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はDNAマイクロアレイ法によって得られる遺伝子発現解析データに基づいて毒性物質を同定するための微生物を用いる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人類がこれまでに作りだした化学物質は膨大な数にのぼり、さらに年々新しい化学物質が開発されている。これら化学物質は現代生活のあらゆる面で利用され、人類の生活向上に役立っている。その反面、化学物質の中には、その製造、流通、使用、廃棄等の様々な段階で環境中に放出され、環境中での残留、食物連鎖による生物学的濃縮などを通じ、人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすものがあり、環境汚染は社会問題化している。よって、化学物質について人体や生態系に与える影響を評価する要請がある。
【0003】
その評価方法として、従来、主として魚類やミジンコ、貝等の個体、細胞の生育阻害や特定の生体反応を指標とするバイオアッセイが行われている。しかし、これらの方法は、環境中の化学物質による毒性の有無が判定できるに過ぎない。環境中の化学物質による毒性の有無のみならず、毒性の性質やその毒性が環境中のいずれの化学物質に起因するかを判定するアプローチとして、種々の濃度の複数種の指標化学物質とその存在下における複数種の指標微生物の生育状態との関係付けを利用する手法が報告されている(特許文献1:特開2001−238694)。また、特定の毒性指標(エンドポイント)を検出するために開発されたバイオアッセイ法もある。例えば、既知発がん性物質の9割以上が陽性となる遺伝子突然変異試験であるames法(非特許文献1:「生理活性物質のバイオアッセイ」、講談社、1989第3刷、p.319)、および内分泌撹乱物質のスクリーニングのため、生体内ホルモンが受容体に結合したときに起きる遺伝子転写活性を測定する試験法(非特許文献2:Yamasaki K, Takeyoshi M, Yakabe Y, Sawaki M, Imatanaka N, Takatsuki M.: Comparison of reporter gene assay and immature rat uterotrophic assay of twenty-three chemicals. Toxicology. 2002 Jan 15;170(1-2):21-30.)である。しかし、これらの方法は、特定の毒性を有する化学物質の検出には有効ではあるが、その毒性指標以外の毒性を有する化学物質の検出を行うことは出来ない。
【0004】
DNAマイクロアレイ法とは、数千から数万の遺伝子をスライドガラスもしくはシリコン基板上に異なるスポットとして固定させたものに、DNAあるいは細胞由来のmRNAもしくはmRNAを鋳型にして合成したcDNAをハイブリダイズさせ、DNAもしくはRNAの発現状態を定量的もしくは定性的に解析する方法である。(非特許文献4:DNAマイクロアレイ実践マニュアル 羊土社、2000、pp13)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−238694号公報
【非特許文献1】
「生理活性物質のバイオアッセイ」、講談社、1989第3刷、p.319
【非特許文献2】
Yamasaki K, et al., Toxicology. 2002 Jan 15;170(1-2):21-30.
【非特許文献3】
Mao X, et al., Curr Microbiol 2002 Jul;45(1):37-40
【非特許文献4】
DNAマイクロアレイ実践マニュアル 羊土社、2000、pp13
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、環境中の化学物質による毒性の性質やその毒性が環境中のいずれの化学物質に起因するかを判定するための方法を提供する。さらに本発明は、合成化学物質の毒性の程度および性質の評価、浄化処理の効果確認の方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、DNAマイクロアレイ法によって得られる膨大な遺伝子発現情報を利用すれば、環境中の毒性物質が簡便に同定できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は一つの態様として、DNAマイクロアレイ法によって得られる遺伝子発現解析データに基づいて毒性物質を同定するための微生物を用いる方法を提供する。
本発明の毒性物質同定方法においては、被検試料についてデータ化された遺伝子発現解析データに対し、照合される遺伝子発現解析のデータベースが重要である。本発明は別の態様として、そのようなデータベースおよびその使用方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の通り、本発明の毒性物質同定方法を行うには、被検試料についてデータ化された遺伝子発現解析データに対して照合されるデータベースが用いられる。
I.データベース
本発明のデータベースを作成するには、
(1)種々の毒性物質について希釈系列を作成し、微生物のmRNAが抽出可能でありかつ微生物の生育に影響を与える適当な濃度を決定し、
(2)適当な濃度の毒性物質とともに微生物を一定期間培養し、
(3)培養した微生物からmRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法により特定遺伝子の発現レベルを測定し、
(4)得られた発現レベルを遺伝子発現解析データとしてまとめる。
以下、各工程について説明する。
【0010】
(1)毒性物質の適当な濃度の決定
毒性物質の毒性を測定するには、希釈系列を作成し、適当な濃度の試料を選択する。これは、毒性物質によって毒性を示す濃度が異なるため、同じ重量%またはモル濃度の試料を試験しても意味の有る結果が得られない為である。また、微生物の生育に影響を与える濃度は、厳密には実験ごとに異なる。そこで、同じ毒性の影響を与える濃度を厳密に比較するという観点から、遺伝子発現解析データを収集する同一試料について毒性物質の適当な濃度を決定する。
【0011】
毒性物質の濃度は、濃すぎると抽出するmRNAの状態が悪く、DNAマイクロアレイ解析の結果が得られないという問題を生じる。
よって、本発明において毒性物質の適当な濃度は、「微生物のmRNAが抽出可能でありかつ微生物の生育に影響を与える」適当な濃度である。ここに、「mRNAが抽出可能」とは、mRNAの抽出が困難ではない状態を示す。過度の化学物質負荷はmRNAの抽出を困難とし、マイクロアレイの結果が得られない場合がある。これは、化学物質負荷により細胞の代謝速度が変わること、RNA分解酵素活性が高くなること、また化学物質がmRNAに直接損傷を与える等、さまざまな理由が考えられる。毒性物質の適当な濃度は、毒性物質不存在下での微生物の生菌数と比較して50−95%を与える濃度が好ましい。
この濃度は例えば、微生物のコロニー形成単位(CFU)を測定することにより決定できる。微生物を適当な培地、例えばYPD培地にて対数増殖期(OD660=0.8〜1.0)となるまで培養し、この時のCFUを測定する(このCFUをCFU-beforeと呼ぶ)。
毒性物質の希釈系列を作成し、対数増殖期にある細胞(OD660=0.8〜1.0)に負荷し、培養する。希釈系列は、通常、2倍または3倍希釈し、異なる濃度のものを作成する。
化学物質を負荷しない細胞も同様に培養し対照区とする。2時間後、各希釈系列の化学物質を添加したものおよび対照区の培養液の一部を取りYPD寒天培地に播種し、数日後にCFUを測定する(化学物質負荷試料のCFUをCFU-chem、および対照区の試料CFU-contと呼ぶ)。
【0012】
酵母の場合、倍加時間(doubling time)は2時間程度なので、CFU-contは2時間培養によりCFU-beforeの2倍程度になる。希釈系列の化学物質を負荷した場合、細胞の生育に影響を与える程度のCFU、すなわちCFU-contの50%から95%を与える濃度、望ましくは75.5%に近くなる濃度を化学物質の濃度として選択する。細胞が死滅する濃度ではCFUは0%であり、生育に影響を与えない濃度ではCFUは対照区と等しく100%となる。CFUにより定めた濃度の化学物質を負荷し凍結した細胞試料について以下のようにしてDNAマイクロアレイ解析を行う。
【0013】
あるいは、CFUは結果が出るまで時間がかかるので、「微生物のmRNAが抽出可能でありかつ微生物の生育に影響を与える」適当な濃度は、他の方法により生細胞のみを計数できる方法で決定できる。例えば、染色により生細胞のみを染色できるキットが市販されており(LIVE/DEAD Yeast Viability Kit L-7009, Molecular probe社)、蛍光顕微鏡やフローサイトメトリーを用いて計数できる。
【0014】
データベース作成に用いる「毒性物質」は、農薬、医薬品、染料、塗料、接着剤等の産業用途を有し環境に放出され可能性の高い化学物質および消毒・焼却の過程により非意図的に生成される化学物質であり、毒性を有することが懸念されるものである。これらの物質の毒性作用として、内分泌撹乱物作用、変異原性、発がん性、遺伝毒性、生態毒性、免疫毒性、細胞機能障害毒性等が知られている。例えば、図1に示す物質が挙げられる。
データベース作成の際には、選択する毒性物質は多ければ多い方が良いが、好ましくは20個から30個以上、選択する。
【0015】
(2)微生物の培養
次に、先に決定した適当な濃度の毒性物質とともに微生物を一定期間培養する。
データベース作成に用いる「微生物」は、天然に存在する野生株または野生型株、例えばヒト、マウスその他の哺乳類由来の動物細胞および動物細胞の樹立株、これまでバイオアッセイに用いられている魚類、線虫等の細胞、昆虫細胞、酵母等の真菌細胞、および大腸菌等の細菌細胞の何れであっても良い。ここに、野生株は天然に存在する組換えを行っていない微生物である。野生型株は注目する遺伝子に手をつけていない微生物である。樹立株は動物細胞で継代培養できるもの、例えばガン細胞などの組換えが施されていないものも含む。
「微生物の培養」は通常、2時間、25℃にて行う。
【0016】
(3)DNAマイクロアレイ法による特定遺伝子の発現レベル測定
DNAマイクロアレイは1枚のスライドガラス上に数千から数万の遺伝子を異なるスポットとして固定させたものである。ここに、細胞由来のmRNAもしくはmRNAを鋳型にして合成したcDNAをハイブリダイズさせ、遺伝子の発現パターンを同時に観察する。
遺伝子発現解析に用いるマイクロアレイはスポット用DNAとしてクローン、PCRによる増幅断片、合成オリゴヌクレオテチドなどを使用して作製できる。また、マイクロアレイはaffimetrix社、株式会社DNAチップ研究所、宝酒造株式会社などから市販されている。
【0017】
本発明のデータベース作成の際には、常法により上記培養した微生物からmRNAを単離し、当該微生物の特定遺伝子の発現レベルをDNAマイクロアレイ法により測定する。特定遺伝子は、用いるマイクロアレイにより異なるが、特定遺伝子は、用いるマイクロアレイにより異なるが、酵母細胞は約6000の全遺伝子が一枚のスライドグラス上にスポットされているものが市販されている。
DNAマイクロアレイ法のさらなる説明はhttp://www.grt.kyusyu-u.ac.jp/MicroArray/array-doc/array.htmに詳しい。
【0018】
(4)遺伝子発現解析データの収集とまとめ
対照区との遺伝子発現を比較する場合、対照区と処理区のmRNAをそれぞれ異なる蛍光波長を有する蛍光色素で蛍光標識したヌクレオチドを用いて逆転写し、逆転写の際に異なる蛍光色素を取り込ませた標識cDNAを得る。こうして得られた2種類のcDNAを1枚のDNAマイクロアレイ上で同時にハイブリダイズさせ、マイクロアレイ用のスキャナー(GenePix(Axon Instruments)、等)で画像データとして読み取り、マイクロアレイ上の蛍光発光量を測定する。
測定されたマイクロアレイの画像データから各スポットの定量を行わなければいけない。一般的にはスキャナーに定量化のソフトウェアが付随されている。そのソフトウェアの使い勝手は様々であるが、一般にはスポット測定のためのゲージの作成や、バックグラウンド測定法の指定などを行う。各々のスポット上の対照区と処理区の蛍光強度を別々に測定し、スポット以外の場所の蛍光強度からバックグラウンドを算出してノイズとして差し引く。処理区の蛍光強度と対照区の蛍光強度を求め、発現mRNAの強度比すなわち処理区における発現mRNA量/対照区における発現mRNA量を算出するという解析を行う。ここで得られた数値データを蓄積して、データベース化する。本明細書の最後尾の表がデータ例である。
このようにして、収集・解析により得られる遺伝子発現情報は大量なので、遺伝子発現データを分析、視覚化するにはワークベンチソフトウェア(GeneSpring(Silicon Genetix社)など)を用いる。これは、実験を行った処理区と対照区の間の発現の違いを求める、さらに遺伝子名と機能を関連づけたデータベースを用いてより生物学的な解析を行うといった機能を有するソフトウェアである。
【0019】
マイクロアレイで得られたデータの解析手法の一つとして、クラスタリングが挙げられる。クラスタリングとは多くのデータをグループに分ける統計的手法であり、DNAマイクロアレイの遺伝子発現情報解析以外にも広く用いられている方法である(DNAマイクロアレイ実践マニュアル 羊土社、2000、pp134)。データ間の類似度(例えばユークリッド距離あるいは相関係数など)を定義し、その類似度を用いてクラスタリングを行えば、同じような性質を持つ遺伝子の集合を得ることができる。図2はGeneSpringを用いたデータ解析により得られた化学物質負荷時の遺伝子発現データをクラスタリングして得られた系統樹である。GeneSpringでは系統樹と一緒に遺伝子ごとの誘導、抑制が色分けされ遺伝子発現状態を視覚化した図も示される。
【0020】
電子情報化されたデータベースはコンピューター等に入力すれば、被検試料から得られるデータとの照合に当たり簡便に利用できる。この態様において、本発明は、本発明のデータベースが入力された装置をも提供する。
【0021】
本発明は、上記のようにして作成された本発明データベースの使用方法であって、DNAマイクロアレイ法によって得られる遺伝子発現解析データに基づいて毒性物質を同定するための微生物を用いる方法においてその遺伝子発現解析データに対して照合する方法をも提供する。
【0022】
2)毒性物質の同定方法
本発明はさらに、被検試料中の化学物質のなかから毒性物質を同定するための微生物を用いる方法であって、
(1)被検試料の希釈系列を作成し、微生物のmRNAが抽出可能でありかつ微生物の生育に影響を与える、被検試料中の化学物質の適当な濃度を決定し、
(2)適当な濃度の化学物質とともに微生物を一定期間培養し、
(3)培養した微生物からmRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法により特定遺伝子の発現レベルを測定し、
(4)得られた特定遺伝子の発現レベルをデータ化し、遺伝子発現解析データを収集し、
(5)それを、本発明のデータベースと照合し、
それにより、該データベースにおけるデータと同じデータを示す該被検試料中の化学物質を、該データベース中の該当する毒性物質と同定する方法、に関する。
【0023】
本発明はまた、被検試料中の化学物質のなかから毒性物質を同定するための微生物を用いる方法であって、
(1)被検試料の希釈系列を作成し、微生物のmRNAが抽出可能でありかつ微生物の生育に影響を与える、被検試料中の化学物質の適当な濃度を決定し、
(2)適当な濃度の化学物質とともに微生物を一定期間培養し、
(3)培養した微生物からmRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法により特定遺伝子の発現レベルを測定し、
(4)得られた特定遺伝子の発現レベルをデータ化し、遺伝子発現解析データを収集し、
(5)その遺伝子発現解析データに基づいて、該被検試料中の化学物質のなかから毒性物質を同定する方法に関する。
【0024】
本発明の毒性物質の同定方法において「化学物質の適当な濃度」の決定は上記本発明のデータベース作成の説明と同様である。ただし、ここでは、被検試料の希釈系列の作成に際し、必要なら試料を一旦濃縮した後に希釈系列を作成することができる。
本発明の毒性物質の同定方法において「毒性物質」、「微生物およびその培養」、「DNAマイクロアレイ法」は、上記本発明のデータベース作成の説明と同様である。
【0025】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0026】
実施例1
酵母におけるデータベースの作成
1.化学物質濃度の決定
酵母細胞はSaccharomyces cerevisiae S288C (IFO1136, αSUC2 mal mel gal2 CUP1)を使用した。酵母細胞をYPD培地(2% ポリペプトン、1% 酵母エキスおよび2%グルコース) を用いて25℃で対数増殖期(OD660=0.8〜1.0)となるまで培養した。培養液の一部を取り、YPD寒天培地(YPD培地に2%の寒天を加えてオートクレーブで加熱滅菌し、プラスチックシャーレに注ぎ固まらせた固体培地)に播種し、コロニー形成単位(以下、CFU)を測定した。この時のCFUをCFU-beforeとする。
化学物質の希釈系列をそれぞれ作成し、対数増殖期にある細胞(OD660=0.8〜1.0)に負荷し、25℃で2時間培養した。この時、化学物質を負荷しない細胞も同様に培養し対照区とした。2時間後、各希釈系列の化学物質を添加したものおよび対照区の培養液の一部を取りYPD寒天培地に播種し、2日後にCFUを測定した。化学物質負荷試料のCFUをCFU-chem、および対照区の試料CFU-contと呼ぶ。
【0027】
試料の残りについて遠心を行い細胞を収集し、-80 oCで凍結保存する。酵母の倍加時間は2時間程度なので、CFU-contは通常CFU-beforeの2倍程度になる。希釈系列の化学物質を負荷した場合、細胞の生育に影響を与える程度のCFU、すなわちCFU-contの75.5%に近くなる濃度を化学物質の濃度として選択する。CFUにより定めた濃度の化学物質を負荷し凍結した細胞試料について以下のようにしてDNAマイクロアレイ解析を行った。
【0028】
2.DNAマイクロアレイ解析
細胞試料に、酢酸ナトリウム緩衝液(50mM酢酸ナトリウム、10mM EDTA、1%SDS)を加え、65℃で5分間振とうし、室温に戻した後上澄みを得るという操作を2回繰り返した。これにフェノール/クロロホルム1:1溶液を1/2容量加えて遠心し上澄みを得、これに上澄みと等容量のクロロホルムを加え遠心し、上澄みを得た。この上澄みに等容量の0.3M酢酸ナトリウムを含むイソプロパノールを加え室温にて30分放置後遠心を行ない全RNAの沈殿物を得た。この沈殿物に70%エタノールを加え遠心し再度沈殿させ、乾燥後水に溶解させた。
この全RNAから次の方法によりmRNAを単離した。mRNAは3’末端にポリA鎖が付加されているため、ラテックス粒子の表面上に固定されたポリT構造を持ったポリヌクレオチドによりmRNAをトラップした後に、スピンカラムで洗浄、溶出を行なった(Oligotex-dT30<Super>mRNA Purification Kit,Takara)。このmRNAを蛍光標識したヌクレオチドを用い逆転写酵素(Super Script II Reverse Transcriptase; カタログ番号18064-014,GibcoBRL)を用いて逆転写し、逆転写の際にCy3−dUTPまたはCy5−dUTP(Amersham-Pharmacia Biotech)を取りりこませて標識cDNAを得た。
【0029】
この標識cDNAをTEバッファー(10mM Tris・HCl/1mM EDTA, pH8.0)に溶解し、DNAマイクロアレイに滴下し、65℃で12時間以上ハイブリダイズさせた。酵母のすべての遺伝子を有するDNAマイクロアレイ(DNAチップ研究所製)を用いた。 このアレイは5880のcDNAプローブ(Research Genetics)のプライマーを用いてPCR増幅したもの)がスライドグラス上に載っている。にこのDNAマイクロアレイの蛍光強度を共焦点レーザースキャナー( ScanArray 4000 system:GSI Lumonics)で読み取った。
得られたイメージデータはGenePix (Axon Instruments)により解析を行った。それぞれのスポットの蛍光強度からバックグランウンドを差し引き、化学物質を負荷しない場合の蛍光強度に対する比、即ち化学物質存在下における発現mRNA量/化学物質不存在下における発現mRNA量とした。得られたデータを明細書の最後尾に表として示す。
表中のデータをさらにGeneSpring(Silicon Genetics社、Redwood )を用いて解析を行った。GeneSpringは統計学的な手法の一つであるクラスター解析機能を有する。クラスター解析により、各化学物質負荷時の遺伝子発現パターンの類似性を視覚化できる(図2)。図2はいずれかの化学物質負荷により10倍以上誘導された遺伝子についてクラスター解析を行い得られたクラスター解析図である。なお、図2には表には無いデータもあわせてクラスタリングしている。
【0030】
酵母に対する毒性作用が似ている化学物質は、同じような遺伝子発現パターンを有することが予想される。カドミニウムとヒ素は共に酵母では小胞へ輸送されることにより無毒化されることが知られている(Li ZS, Lu YP, Zhen RG, Szczypka M, Thiele DJ, Rea PA.: A new pathway for vacuolar cadmium sequestration in Saccharomyces cerevisiae: YCF1-catalyzed transport of bis(glutathionato)cadmium. Proc Natl Acad Sci U S A. 1997 Jan 7;94(1):42-7.)(Rosen BP. : Families of arsenic transporters. Trends Microbiol. 1999 May;7(5):207-12.)。SDS(CAS:151-21-3)は界面活性剤であり、ラウンドアップ(図中RUと表示)はその成分の59%は界面活性剤である(ラウンドアップ:(N-ホスホメチル)グリシナートアンモニウム41.0%、界面活性剤59%)。さらに、チウラム(CAS:137-26-8)、マネブ(CAS:12427-38-2)、ジネブ(CAS:12122-67-7)はいずれもチオカルバメート構造を有する農薬である。図2は、これらの組みはいずれも似た遺伝子発現パターンを有することを示している。
【0031】
実施例2
被検試料中の毒性物質同定
被検試料について、実施例1と同様、適当な濃度を決定し、適当な濃度の化学物質とともに微生物を一定期間培養し、mRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法により特定遺伝子の発現レベルを測定し、データ化し、遺伝子発現解析データを収集する。それを実施例1により作成したデータベースと照合することにより、同じ遺伝子発現パターンを示す化学物質が特定でき、被検試料中に存在し得る化学物質が推定される。
「照合」するには、表の化学物質のデータのうち、5倍以上誘導される遺伝子を抽出し、実験間の階層型クラスタリングを行う。
【0032】
被検試料中に複数の毒性物質が含まれる場合、毒性の種類の組合わせによって微生物が示す応答は相加もしくは相乗されることがある。しかし、実際的には同じ影響濃度の複数の毒性物質という条件は非常に稀であるため、一番毒性の強い状態の化学物質が検出されると考えられる。また必要に応じて一定の割合で複数化学物質を混合したものを被験試料として希釈系列を作成し、単一の化学物質の場合と同様に遺伝子発現解析を行い、データベース化を行う。このデータベースを用いれば、複合毒性を有する化学物質または複数の毒性物質を含む試料の毒性評価に有用である。
【0033】
以下の表は、DNAマイクロアレイ法による得られる遺伝子発現解析データの例である。左端の列は特定遺伝子名であり、一列に一種類の化学物質(一番上の行に記載)の遺伝子発現データを記載している。数値は、化学物質負荷時のmRNA発現量を化学物質を負荷しないmRNA発現量で割った値である。表中、括弧内の数字は図1の数字に対応する。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【表51】
【表52】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【表70】
【表71】
【表72】
【表73】
【表74】
【表75】
【表76】
【表77】
【表78】
【表79】
【表80】
【表81】
【表82】
【表83】
【表84】
【表85】
【表86】
【表87】
【表88】
【表89】
【表90】
【表91】
【表92】
【表93】
【表94】
【表95】
【表96】
【表97】
【表98】
【表99】
【表100】
【表101】
【表102】
【表103】
【表104】
【表105】
【表106】
【表107】
【表108】
【表109】
【表110】
【表111】
【表112】
【表113】
【表114】
【表115】
【表116】
【表117】
【表118】
【表119】
【表120】
【表121】
【表122】
【表123】
【表124】
【表125】
【表126】
【表127】
【表128】
【表129】
【表130】
【表131】
【表132】
【表133】
【表134】
【表135】
【表136】
【表137】
【表138】
【表139】
【表140】
【表141】
【表142】
【表143】
【表144】
【表145】
【表146】
【表147】
【表148】
【表149】
【表150】
【表151】
【表152】
【表153】
【表154】
【表155】
【表156】
【表157】
【表158】
【表159】
【表160】
【表161】
【表162】
【表163】
【表164】
【表165】
【表166】
【表167】
【表168】
【表169】
【表170】
【表171】
【表172】
【表173】
【表174】
【表175】
【表176】
【表177】
【表178】
【表179】
【表180】
【表181】
【表182】
【表183】
【表184】
【表185】
【表186】
【表187】
【表188】
【表189】
【表190】
【表191】
【表192】
【表193】
【表194】
【表195】
【表196】
【表197】
【表198】
【表199】
【表200】
【表201】
【表202】
【表203】
【表204】
【表205】
【表206】
【表207】
【表208】
【表209】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の毒性物質同定方法およびデータベース作成に用いることのできる毒性物質の例示である。
【図2】 遺伝子発現解析データのクラスター解析図である。
Claims (3)
- mRNAにより遺伝子発現を観察するDNAマイクロアレイ法によって
1,4-ジオキサン、p−ノニルフェノール、ホウ酸、N,N-ジメチルホルムアミド、シアン化カリウム、エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレンテトラアミン、トリエチルアミン、モノクロロ酢酸、フェノール、モリブデン酸ナトリウム、塩化アンチモン(III)、エピクロロヒドリン、o-ニトロフェノール、p-ニトロフェノール、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール、エチレングリコール、ビスフェノールA、ホルムアルデヒドおよび1,3-ジクロロ-2-プロパノールよりなる群から選択される毒性物質を同定するために用いられる、照合データとしての遺伝子発現解析データを作成する方法であって、
(1)種々の毒性物質について希釈系列を作成し、酵母のmRNAが抽出可能でありかつ酵母の生育に影響を与える適当な濃度を決定し、
(2)適当な濃度の毒性物質とともに酵母を一定期間培養し、
(3)培養した酵母からmRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法によりYBR054w、YBR093c、YBR147w、YBR296c、YCL018w、YCR021c、YDL079c、YDL030w、YDL204w、YDL243c、YDL244w、YDR034w-b、YDR070c、YDR277c、YDR342c、YDR343c、YDR369c、YDR405w、YDR444w、YDR534c、YEL011w、YEL039c、YER007w、YER053c、YER067w、YER091c、YER121w、YER150w、YFL014w、YFL057c、YFR053c、YGL121c、YGL158w、YGR003w、YGR035c、YGR043c、YGR087c、YGR088w、YGR213c、YGR224w、YHL047c、YHR085w、YIL057c、YIL165c、YJL052w、YJR134c、YKL071w、YKR097w、YLR134w、YLR279w、YLR303w、YLR327c、YMR090w、YMR096w、YMR180c、YNL160w、YNL194c、YOL151w、YOL162w、YOR049c、YOR153w、YOR178c、YOR190w、YOR298w、YOR382w、YPL054w、YPL250c、YPR002w、YPR037c、YPR167c、YPR200cおよびYPR201w遺伝子の発現レベルを測定し、
(4)(3)で得られた該遺伝子の発現レベルをそれぞれの毒性物質に対する遺伝子発現解析データとしてまとめる、
ことを特徴とする照合用遺伝子発現解析データの作成方法。 - 前記毒性物質の適当な濃度が、毒性物質不存在下での酵母の生菌数と比較して50−95%を与える濃度である、請求項1記載の照合用遺伝子発現解析データの作成方法。
- 被検試料中の化学物質のなかから1,4-ジオキサン、p−ノニルフェノール、ホウ酸、N,N-ジメチルホルムアミド、シアン化カリウム、エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレンテトラアミン、トリエチルアミン、モノクロロ酢酸、フェノール、モリブデン酸ナトリウム、塩化アンチモン(III)、エピクロロヒドリン、o-ニトロフェノール、p-ニトロフェノール、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール、エチレングリコール、ビスフェノールA、ホルムアルデヒドおよび1,3-ジクロロ-2-プロパノールよりなる群から選択される毒性物質を同定する方法であって、
(1)既知の化学物質の希釈系列を作成し、酵母のmRNAが抽出可能でありかつ酵母の生育に影響を与える、化学物質の適当な濃度を決定し、
(2)適当な濃度の化学物質とともに酵母を一定期間培養し、
(3)培養した酵母からmRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法によりYBR054w、YBR093c、YBR147w、YBR296c、YCL018w、YCR021c、YDL079c、YDL030w、YDL204w、YDL243c、YDL244w、YDR034w-b、YDR070c、YDR277c、YDR342c、YDR343c、YDR369c、YDR405w、YDR444w、YDR534c、YEL011w、YEL039c、YER007w、YER053c、YER067w、YER091c、YER121w、YER150w、YFL014w、YFL057c、YFR053c、YGL121c、YGL158w、YGR003w、YGR035c、YGR043c、YGR087c、YGR088w、YGR213c、YGR224w、YHL047c、YHR085w、YIL057c、YIL165c、YJL052w、YJR134c、YKL071w、YKR097w、YLR134w、YLR279w、YLR303w、YLR327c、YMR090w、YMR096w、YMR180c、YNL160w、YNL194c、YOL151w、YOL162w、YOR049c、YOR153w、YOR178c、YOR190w、YOR298w、YOR382w、YPL054w、YPL250c、YPR002w、YPR037c、YPR167c、YPR200cおよびYPR201w遺伝子の発現レベルを測定し、
(4)(3)で得られた該遺伝子の発現レベルをデータ化し、照合用の遺伝子発現解析データを収集し、
(5)被検試料の希釈系列を作成し、酵母のmRNAが抽出可能でありかつ酵母の生育に影響を与える、被検試料中の適当な濃度を決定し、
(6)適当な濃度の被検試料とともに酵母を一定期間培養し、
(7)培養した酵母からmRNAを単離し、DNAマイクロアレイ法によりYBR054w、YBR093c、YBR147w、YBR296c、YCL018w、YCR021c、YDL079c、YDL030w、YDL204w、YDL243c、YDL244w、YDR034w-b、YDR070c、YDR277c、YDR342c、YDR343c、YDR369c、YDR405w、YDR444w、YDR534c、YEL011w、YEL039c、YER007w、YER053c、YER067w、YER091c、YER121w、YER150w、YFL014w、YFL057c、YFR053c、YGL121c、YGL158w、YGR003w、YGR035c、YGR043c、YGR087c、YGR088w、YGR213c、YGR224w、YHL047c、YHR085w、YIL057c、YIL165c、YJL052w、YJR134c、YKL071w、YKR097w、YLR134w、YLR279w、YLR303w、YLR327c、YMR090w、YMR096w、YMR180c、YNL160w、YNL194c、YOL151w、YOL162w、YOR049c、YOR153w、YOR178c、YOR190w、YOR298w、YOR382w、YPL054w、YPL250c、YPR002w、YPR037c、YPR167c、YPR200cおよびYPR201w遺伝子の発現レベルを測定し、
(8)(7)で得られた該遺伝子の発現レベルをデータ化した遺伝子発現解析データを収集し、
(9)前記収集された遺伝子発現解析データと照合用の遺伝子発現解析データを比較することによって、前記被検試料の毒性物質を同定する方法。
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