JP4289246B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

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本発明は薄膜形成装置に関し、特にプラズマCVD法を用いて基板表面等に薄膜を形成する薄膜形成装置に関する。
プラズマCVD装置は、その反応容器内への原料ガスの導入後に、プラズマを発生させて原料ガスを分解、反応させ、基板表面等に薄膜を形成する。このようなプラズマCVD装置は、半導体製造をはじめとする薄膜形成に広く利用されている。特に平行平板電極間に電圧を印加してプラズマを発生させる、いわゆる容量結合型の平行平板型プラズマCVD装置は、装置構成が簡単であることから既に広く実用されている。
図8は従来のプラズマCVD装置の構成例である。
この図8に示すプラズマCVD装置100は、平行平板型プラズマCVD装置であり、反応容器101内に対向して平行に配置された平板状の高周波電圧印加電極102および接地電極103を有している。高周波電圧印加電極102には、その端部に接続された給電線104およびインピーダンス整合器105を介して高周波電源106が接続されている。また、接地電極103には、図示しないヒータが内蔵されている。
このようなプラズマCVD装置100を用いた基板200への成膜は、まず、基板200を図示しない搬送機構によって反応容器101内に搬送し、接地電極103に密着させて配置する。そして、その基板200を接地電極103に内蔵されたヒータを用いて所定温度に加熱した後、反応容器101内に薄膜原料となるガスを導入する。その後、インピーダンス整合器105を介して高周波電圧印加電極102に電圧を印加し、高周波電圧印加電極102と接地電極103の間に形成される放電領域107にプラズマを発生させる。これによって原料ガスをプラズマ化して分解、反応させ、基板200上に所望の薄膜を形成する。
ところで、近年では、成膜対象となる基板が大型化する傾向にあり、例えば、太陽電池製造過程におけるアモルファスシリコン(以下、「a−Si」と記す。)膜の形成では、その基板サイズが1m角以上になってきている。そのため、装置も大型化が進み、装置の設置床面積低減の観点から、基板を床面に対し垂直に立てた状態で反応容器内に配置し、その状態のまま成膜処理を行う、上記図8に示したような縦型のプラズマCVD装置100が提案されている。図8のプラズマCVD装置100では、高周波電圧印加電極102に高周波電力を供給する高周波給電系も装置上部に配置した構成になっている。
平行平板型プラズマCVD装置では、これまで、プラズマを発生させるための電源として、周波数13.56MHzの高周波電源が一般的に利用されてきた。しかし、近年、電源周波数を高くすることにより、薄膜の形成速度および膜質を向上させることができることがわかってきている。これは、電源の高周波化により、平行平板電極間に電子がトラップされ、低い印加電圧でプラズマを維持することができ、成膜中に基板面に入射するエネルギー粒子が減少して基板面が受けるダメージが軽減されるためと考えられている。このことから、現在では、プラズマCVD装置の電源周波数として、より高い20MHz〜100MHz程度の高周波が選択されるようになってきている。
ところが、このような基板の大面積化と電源の高周波化が進むと、次のような問題も生じる。すなわち、高周波化で電磁波の波長が小さくなり、電極の寸法が波長と同程度となった場合には、電極の電位について言及することができなくなり、電極部位によって電位が異なるという現象が発生する。したがって、電極を分布定数回路として考える必要が生じることになる。
図9は従来の縦型プラズマCVD装置の電極構成の説明図であって、(A)は構成模式図、(B)は等価回路図である。
図9(A)に示すように、上記図8の縦型のプラズマCVD装置100は、高周波電源106に電気的に接続された高周波電圧印加電極102と接地電極103を備えた電極構成を有している。このような電極構成の場合、図9(B)に示すように、その分布定数回路300には、高周波電源106が接続された回路内に複数の抵抗(R)、インダクタンス(L)、キャパシタンス(C)が存在する。この分布定数回路300を受端が開放端の有限長分布定数回路と考えると、開放端側で反射が起こるので、電極内には定在波が立つ。
定在波の立ち方は、線路の分布定数により定まるので不明であるが、仮に特性インピーダンス50Ωの信号ケーブル(L=0.5mH/km,C=200nF/km)の値を使って計算すると、伝播速度(v)および波長(λ1,λ2)は次のようになる。
v = 1/(LC)1/2 = 1/(0.5×10-3×200×10-9)1/2 [km/s] = 1.0×108 [m/s] …(1)
λ1 = v/f = 1.0×108/13.56×106 = 7.37 [m] (13.56MHz) …(2a)
λ1 = v/f = 1.0×108/27×106 = 3.7 [m] (27MHz) …(2b)
図10は従来の縦型プラズマCVD装置の電極電位分布である。
定在波の腹と節の間隔は、周波数13.56MHz,27MHzのときにそれぞれλ1/4,λ2/4となるので、開放端で完全反射するとした場合の定在波の立ち方は、この図10に示すようになる。図10において、横軸は開放端からの距離(m)を表し、縦軸は定在波振幅(開放端の定在波振幅=1)を表している。
実際には電極間にプラズマが発生するので定在波の立ち方は不明であるが、給電端より開放端側の電位が大きくなること、また、周波数が大きくなればその電位差が大きくなることは明らかである。その電位差に応じて放電領域107のプラズマ密度に差が生じるため、結果として得られる膜厚は、給電端側が薄く、開放端側が厚い、極めて不均一な膜厚分布になってしまうようになる。
電極面内の電位差を小さくするためには、送電距離をなるべく小さく、かつ均等にすることが必要であり、高周波電力の給電は、高周波電圧印加電極の中心部から行うことが望ましいと考えられる。
従来、基板を水平にした状態で成膜処理を行う一般的な横型の平行平板型プラズマCVD装置に関し、電極面内の電位分布の均一化を目的として、例えば、高周波電圧印加電極の表面(接地電極との対向面)中央部に給電箇所を設けたプラズマCVD装置が提案されている(特許文献1参照)。さらに、この提案では、高周波電圧印加電極への給電を同軸ケーブルで行い、成膜処理中のケーブル温度の上昇を抑える試みもなされている。
特開2002−16006号公報
しかし、縦型プラズマCVD装置について給電箇所を高周波電圧印加電極中央部に設ける場合には、以下のような問題が生じる。
図11は縦型プラズマCVD装置の別の構成例である。ただし、図11では、図8に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
インピーダンス整合器105を装置上部に配置した縦型プラズマCVD装置400の場合、たとえ高周波電圧印加電極102の中央部から給電したとしても、基板上では、電極上部側に対応する部分の膜厚が薄くなる傾向が見られる。これは、給電線401と高周波電圧印加電極102の間が浮遊キャパシタンス402により容量結合し、高周波電流が電極上部側に流れやすくなるためである。浮遊キャパシタンス402の影響を低減するためには、給電線401と高周波電圧印加電極102の距離を大きくすればよいが、その場合、反応容器101の容積を大きくしなければならなくなる。装置が大型化すれば、その製造コストの増大のみならず、それを設置する建屋の建設費の増大をも招く。
一方、給電線401に同軸ケーブルを用いれば、高周波電力がシールドされるようになり、浮遊キャパシタンス402による容量結合を抑制することが可能になる。しかしながら、インピーダンス整合器105以降の給電線401に同軸ケーブルを用いた場合、同軸ケーブル内で定在波による熱損失が生じて生産エネルギーのロスを招くとともに、同軸ケーブルの劣化も懸念される。特に基板の大面積化により、必要な電力は大きくなっており、現実的には冷却等の設備が必要になるため、装置構成が複雑化してしまうようになる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、設置床面積が小さく、かつ、大面積基板に均一性良く薄膜を形成することのできる薄膜形成装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、電極間に印加される電圧によって発生する放電を利用して薄膜の形成を行う薄膜形成装置において、接地された平板状の接地電極と、電気的に接続された複数の電極板を有し前記複数の電極板のうち前記接地電極に対向する電極板の面が前記接地電極の面と平行に配置され前記接地電極に対向する電極板と異なる電極板に給電が行われ、前記給電が行われる電極板と前記給電が行われる電極板に対向する電極板との間の静電容量が異なる部分を有する電圧印加電極と、前記電圧印加電極と前記接地電極との間に電圧が印加されて内部に放電領域が形成される反応容器と、を有することを特徴とする薄膜形成装置が提供される。
このような薄膜形成装置によれば、電圧印加電極が電気的に接続された複数の電極板を有しており、接地電極に対向する電極板の面がその接地電極面と平行に配置されるとともに、給電はその接地電極に対向する電極板とは異なる電極板に対して行われる。これにより、給電が行われた電極板において電力のアンバランスが生じても、その電力が電気的に接続された他の電極板へと伝播する段階でそのアンバランスは解消されていき、接地電極に対向する電極板面内に電力を略均等に供給することができるようになる。
本発明の薄膜形成装置は、電圧印加電極が電気的に接続された複数の電極板を有しており、接地電極に対向する電極板の面がその接地電極面と平行に配置されて、給電がその接地電極に対向する電極板と異なる電極板に行われるようにした。これにより、接地電極に対向する電極板に電力を略均等に供給することができるようになるため、放電領域におけるプラズマ密度分布の均一化を図ることができ、大面積基板上に膜厚の均一性の良い薄膜を形成することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。
この第1の実施の形態のプラズマCVD装置10は、基板1を略垂直状態で成膜可能な縦型の平行平板型プラズマCVD装置であり、反応容器11内には、電圧印加電極である高周波電圧印加電極12および接地された接地電極13が対向して配置されている。
反応容器11は、図示しない真空ポンプによって減圧可能に構成されている。また、基板1は、図示しない搬送機構によって略垂直状態で反応容器11内に搬送されて平板状の接地電極13表面に密着配置されるとともに、成膜時は接地電極13に内蔵された図示しないヒータにより所定温度に制御されるようになっている。
高周波電圧印加電極12には、給電線14およびインピーダンス整合器15を介して高周波電源16が接続されている。インピーダンス整合器15は装置上部に配置され、給電線14は反応容器11の天井部からその内部に挿通されている。なお、給電線14は同軸ケーブルである必要はなく、従来一般的に用いられているケーブル材が使用可能になっている。
高周波電圧印加電極12と接地電極13の対向する面の大きさは、共に1000mm×1000mmであり、例えば近年の太陽電池製造におけるa−Si膜形成のように、大面積基板に対する薄膜形成が行えるように構成されている。
高周波電圧印加電極12は、平板状の第1,第2,第3の電極板12a,12b,12cを備え、第1の電極板12aが接地電極13から最も離れた位置に、第3の電極板12cが接地電極13に最も近い位置に、そして、第2の電極板12bが第1,第3の電極板12a,12cに挟まれた位置に、それぞれ配置されている。これら第1,第2,第3の電極板12a,12b,12cは接地電極13に平行に配置されるとともに、それぞれの中央部が接続部17で電気的に接続されている。
なお、第1,第2の電極板12a,12b間隔や第2,第3の電極板12b,12c間隔は、この高周波電圧印加電極12を従来のプラズマCVD装置の高周波電圧印加電極と置き換え可能であってその反応容器内に収まる範囲で、適当に設定することが可能である。また、その間隔は、反応容器のサイズ変更が可能であれば、そのサイズに応じて適当に設定して構わない。
高周波電源16から高周波電圧印加電極12への給電は、反応容器11天井部から内部に導入された給電線14により、接地電極13から最も離れた第1の電極板12aの上端部に行われるようになっている。第1の電極板12aに供給された高周波電力は、接続部17を介して第2,第3の電極板12b,12cへと伝播し、その結果、第3の電極板12cの電極面とこれに対向する接地電極13の電極面との間に放電領域18が形成されるようになる。
上記構成を有するプラズマCVD装置10において、基板1に対する薄膜形成を行う場合には、まず、搬送機構により基板1が略垂直状態で反応容器11内に搬送されて接地電極13表面に密着配置される。そして、真空ポンプによる反応容器11内の排気後、図示しないガス導入機構により反応容器11内に原料ガスが導入される。この状態で高周波電圧印加電極12にインピーダンス整合器15を介して高周波電源16から高周波電力が供給され、高周波電圧印加電極12と接地電極13の間に高周波電圧が印加される。それにより、反応容器11内では、高周波電圧印加電極12と接地電極13の間の放電領域18にプラズマが発生し、原料ガスがプラズマ化されて分解、反応が起こり、基板1上に薄膜が形成される。
このような薄膜形成過程における高周波電圧印加電極12への給電は、まず、給電線14が接続された第1の電極板12aに行われる。その場合、その上端部から給電された第1の電極板12aには、その上部側(給電端側)が低く、下部側(開放端側)が高くなるような電位差が発生する。
その後、この第1の電極板12aに供給された高周波電力は、接続部17を介して第2,第3の電極板12b,12cへと伝播する。その際、第1の電極板12aに発生していた電位差は、高周波電力が第3の電極板12cまで伝播される段階で解消されていき、最終的には第3の電極板12c表面に略均等に高周波電力が供給されるようになる。それにより、第3の電極板12cとそれに対向する接地電極13との間にプラズマ密度の良好な放電領域18が形成されるようになる。
このように、第1の実施の形態のプラズマCVD装置10によれば、第1の電極板12aにおける高周波電力のアンバランスが、その高周波電力が第2,第3の電極板12b,12cへと順に伝播される段階で解消されていく。それにより、最終的に接地電極13と対向する第3の電極板12c表面に略均等に高周波電力が供給されるようになり、大面積の基板1上に膜厚の均一性の良い薄膜を形成することが可能になる。
そのため、給電線14を高周波電圧印加電極12の中央部に接続しなくても、第3の電極板12c表面における高周波電力を略均等にできるため、良好な薄膜を形成することが可能になる。
さらに、このプラズマCVD装置10では、同軸ケーブルを用いる必要がなく、また、その電極構造上、浮遊キャパシタンスによる容量結合を考慮する必要もない。仮に第1の電極板12aの中央部に給電箇所を設けたとしても、その際発生することのある浮遊キャパシタンスによる容量結合の薄膜形成への影響は、上記電極構造によって抑えられるようになる。
また、このプラズマCVD装置10は、インピーダンス整合器15を装置上部に配置しているので、その設置床面積の増加を抑えることが可能になっている。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図2は第2の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。ただし、図2では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
この第2の実施の形態のプラズマCVD装置20は、接地電極13に平行な平板状の第1,第2,第3の電極板21a,21b,21cを備えた高周波電圧印加電極21において、第2の電極板21bがその上部側と下部側で非対称な形状で構成されている点で、上記第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と相違する。その他の構成は、第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と同じである。
第2の実施の形態のプラズマCVD装置20における第2の電極板21bは、第1,第2,第3の電極板21a,21b,21cをそれらの中央部で電気的に接続している接続部22より上部側が、下部側よりも小さくなるよう構成されている。ここでは、第1の電極板21aに対向する第2の電極板21bの上部側の面積が、その下部側の面積の2分の1になるよう構成されている。
このような電極構造とすると、第1,第2の電極板21a,21b間の静電容量が、上部側に対して下部側が2倍になり、第1の電極板21aの上端部から給電を行った場合でも、その上部側と下部側での高周波電力のバランスが保たれるようになる。さらに、第1,第2,第3の電極板21a,21b,21cが中央部で電気的に接続されているので、第3の電極板21cへの電力供給がバランス良く行われるようになる。したがって、第3の電極板21c表面に高周波電力が略均等に供給されるようになり、大面積の基板1上に膜厚の均一性の良い薄膜を形成することができるようになる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図3は第3の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。ただし、図3では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
この第3の実施の形態のプラズマCVD装置30では、高周波電圧印加電極31が平板状の第1,第2の電極板31a,31bを電気的に接続して構成されており、第1の電極板31aの上端部に給電線14が接続され、また、第2の電極板31bが接地電極13に対向して平行に配置されている。さらに、第1の電極板31aは、第1,第2の電極板31a,31bを中央部で電気的に接続している接続部32を中心に、その上部側の第2の電極板31bとの間隔が下部側の第2の電極板31bとの間隔よりも広くなるよう、第2の電極板31bに対して傾斜して配置されている。これらの点で、この第3の実施の形態のプラズマCVD装置30は、上記第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と相違する。その他の構成は、第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と同じである。
この第3の実施の形態のプラズマCVD装置30における第1の電極板31aは、ここでは、平均でその上部側の第2の電極板31bとの間隔が下部側の第2の電極板31bとの間隔の2倍になるように構成されている。
このような電極構造とすると、第1,第2の電極板31a,31b間の静電容量が、上部側に対して下部側が2倍となり、第1の電極板31aの上端部から給電を行った場合でも、その上部側と下部側での高周波電力のバランスが保たれるようになる。さらに、第1,第2の電極板31a,31bが中央部で電気的に接続されているので、第2の電極板31bへの電力供給がバランス良く行われるようになる。したがって、第2の電極板31b表面に高周波電力が略均等に供給されるようになり、大面積の基板1上に膜厚の均一性の良い薄膜を形成することができるようになる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図4は第4の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。ただし、図4では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
この第4の実施の形態のプラズマCVD装置40は、高周波電圧印加電極12の平板状の第1,第2の電極板12a,12b間の接続部17より下部側に、比誘電率εrが約2の誘電体41を配置している点で、上記第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と相違する。その他の構成は、第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と同じである。
このように第1,第2の電極板12a,12b間に部分的に入れる誘電体41としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることができる。
このような電極構造とすると、第1,第2の電極板12a,12b間の静電容量が、上部側に対して下部側が2倍となり、第1の電極板12aの上端部から給電を行った場合でも、その上部側と下部側での高周波電力のバランスが保たれるようになる。さらに、第1,第2,第3の電極板12a,12b,12cが中央部で電気的に接続されているので、第3の電極板12cへの電力供給がバランス良く行われるようになる。したがって、第3の電極板12c表面に高周波電力が略均等に供給されるようになり、大面積の基板1上に膜厚の均一性の良い薄膜を形成することができるようになる。
このように第1,第2の電極板12a,12b間の静電容量の調整に誘電体41を用い、その種類を適当に選択することにより、静電容量の微細な調整を簡便に行うことが可能になる。
以上述べたように、第2,第3,第4の実施の形態のプラズマCVD装置20,30,40では、電極板面積、空隙長、誘電体挿入により、いずれも第1の電極板21a,31a,12aと第2の電極板21b,31b,12bの間の下部側の静電容量を上部側の2倍に調整するようにした。これにより、第1の電極板21a,31a,12aの上端部から給電を行っても、第1の電極板21a,31a,12a内の高周波電力のバランスが保たれるようになり、その結果、放電領域18におけるプラズマ密度分布の均一化が図られ、基板1上に良好な薄膜を形成することができるようになる。
なお、下部側の静電容量は、上部側の静電容量の2倍に限定されるものではなく、装置構成により適宜変更される。また、上記第2,第3,第4の実施の形態を、適当に2以上組み合わせた装置構成とすることも可能である。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図5は第5の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。ただし、図5では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
この第5の実施の形態のプラズマCVD装置50は、接地電極13に対向して平行に配置された1枚の平板状の高周波電圧印加電極51を有するとともに、給電線に代えて反応容器11の壁部11aを高周波電圧印加電極51への給電体とし、壁部11aと高周波電圧印加電極51の中央部とが接続部52で電気的に接続されている点で、上記第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と相違する。その他の構成は、第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と同じである。
このような電極構造とすると、反応容器11の壁部11aが1枚の電極板として機能し、壁部11aと高周波電圧印加電極51によって2層構造の高周波電圧印加電極が形成されるため、構造を複雑化することなく、高周波電圧印加電極51表面に高周波電力を略均等に供給することができるようになる。また、このように反応容器11の壁部11aを利用して電極構造を簡略化することにより、装置のコンパクト化や製造コストの低減が可能になる。
次に、第6の実施の形態について説明する。
図6は第6の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。ただし、図6では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
この第6の実施の形態のプラズマCVD装置60では、反応容器11のほぼ中央に、第1,第2,第3の電極板61c,61a,61bを備えた高周波電圧印加電極61が配置されている。高周波電圧印加電極61は、給電線14に接続された第1の電極板61cとこれを挟む第2,第3の電極板61a,61bが接続部62で電気的に接続されて構成されている。そして、第2,第3の電極板61a,61bに対向して第1,第2の接地電極13a,13bがそれぞれ配置されており、第1,第2,第3の電極板61c,61a,61bはこの第1,第2の接地電極13a,13bに平行に配置されている。これらの点で、この第6の実施の形態のプラズマCVD装置60は、上記第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と相違する。その他の構成は、第1の実施の形態のプラズマCVD装置10と同じである。
上記第1の実施の形態で述べたのと同様、高周波電圧印加電極61を3枚の第1,第2,第3の電極板61c,61a,61bを用いて構成することにより、高周波電圧印加電極61への給電箇所を必ずしも電極中央部に設けることを要しない。そのため、この電極構造で第1の電極板61cに供給した高周波電力を第2,第3の電極板61a,61b表面に共に略均等に供給することができるようになる。したがって、図6に示したように、第2,第3の電極板61a,61bそれぞれに対向して第1,第2の接地電極13a,13bを配置することが可能になり、ひとつの反応容器11内に2つの放電領域18a,18bを形成して同時に2枚の基板1a,1bに薄膜形成を行うことができる。これにより、装置を大型化することなく、生産性の向上を図ることができるようになる。
次に、一例として、上記第5の実施の形態で述べたプラズマCVD装置50を用いて基板1上にa−Si膜を形成したときの膜厚測定結果について述べる。
図7は膜厚測定結果の一例である。図7において、横軸は給電端から開放端の間の位置を表し、縦軸は膜厚を表している。なお、図7には、比較のため、従来の縦型の平行平板型プラズマCVD装置(図8参照)で薄膜形成を行ったときの膜厚分布も併せて図示している。
図7より、従来のプラズマCVD装置を用いて薄膜形成を行った場合には、電極上端部から給電した場合における下部側、すなわち開放端側は、その電位が高くなるため膜厚は厚くなり、一方、給電端側は、電位が低くなるため膜厚は薄くなる。
これに対し、第5の実施の形態のプラズマCVD装置50を用いて薄膜形成を行った場合には、前述のように反応容器11の壁部11aと高周波電圧印加電極51の2層構造によって高周波電圧印加電極51表面に高周波電力が略均等に供給されるようになるため、給電端から開放端に至るまでほぼ均一な膜厚分布を得ることができる。
以上説明したように、平行平板型プラズマCVD装置の高周波電圧印加電極の電極構造を工夫して、接地電極に対向する電極面内における電位差の発生を抑えることにより、電源を高周波化しても基板上に均一性良く薄膜を形成することができるようになる。また、以上述べたような電極構造とすることにより、大面積基板に品質の良い薄膜を形成することができ、かつ、設置床面積の小さいコンパクトなプラズマCVD装置を実現することができる。
なお、高周波電圧印加電極を構成する電極板数は上記の例に限定されるものではない。また、以上の説明では縦型の平行平板型プラズマCVD装置の電極構造について述べたが、これらの電極構造は横型の平行平板型プラズマCVD装置にも同様にして適用可能である。
第1の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。 第2の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。 第3の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。 第4の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。 第5の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。 第6の実施の形態のプラズマCVD装置の構成例である。 膜厚測定結果の一例である。 従来のプラズマCVD装置の構成例である。 従来の縦型プラズマCVD装置の電極構成の説明図であって、(A)は構成模式図、(B)は等価回路図である。 従来の縦型プラズマCVD装置の電極電位分布である。 縦型プラズマCVD装置の別の構成例である。
符号の説明
1,1a,1b 基板
10,20,30,40,50,60 プラズマCVD装置
11 反応容器
11a 壁部
12,21,31,51,61 高周波電圧印加電極
12a,21a,31a,61c 第1の電極板
12b,21b,31b,61a 第2の電極板
12c,21c,61b 第3の電極板
13,13a,13b 接地電極
14 給電線
15 インピーダンス整合器
16 高周波電源
17,22,32,52,62 接続部
18 放電領域
41 誘電体

Claims (7)

  1. 電極間に印加される電圧によって発生する放電を利用して薄膜の形成を行う薄膜形成装置において、
    接地された平板状の接地電極と、
    電気的に接続された複数の電極板を有し前記複数の電極板のうち前記接地電極に対向する電極板の面が前記接地電極の面と平行に配置され前記接地電極に対向する電極板と異なる電極板に給電が行われ、前記給電が行われる電極板と前記給電が行われる電極板に対向する電極板との間の静電容量が異なる部分を有する電圧印加電極と、
    前記電圧印加電極と前記接地電極との間に電圧が印加されて内部に放電領域が形成される反応容器と、
    を有することを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記複数の電極板は、各電極板の中央部で電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 前記静電容量が異なる部分は、前記給電が行われる電極板と前記給電が行われる電極板に対向する電極板との面積が異なることによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  4. 前記静電容量が異なる部分は、前記給電が行われる電極板を前記給電が行われる電極板に対向する電極板に対し傾斜して配置することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  5. 前記静電容量が異なる部分は、前記給電が行われる電極板と前記給電が行われる電極板に対向する電極板との間に誘電体を配置することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  6. 前記複数の電極板のうち給電が行われる電極板が前記反応容器の壁部であることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  7. 前記接地電極は、前記電圧印加電極を挟んだ両側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
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