JP4286156B2 - タイヤの排水挙動可視化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水膜を表面に形成した路面上を走行するタイヤの排水挙動(水の流れ)を可視化するタイヤの排水挙動可視化方法に関する。
溝付きタイヤにおけるタイヤの排水性能は、雨天時に自動車を高速走行するドライバにとって重大な関心事である。タイヤは路面と接して一定の幅の踏面を形成するため、路面に形成された水膜の一部分はタイヤの移動方向前方に向かって、あるいは移動方向に対して斜め前方方向(前方側方方向)に向かって排除される。また、一部分はタイヤのトレッド部にタイヤ周方向に沿って設けられた周方向溝を通過してタイヤの後方から排水される。また、一部分は、トレッド部に設けられた、タイヤ幅方向に向かって延びるタイヤ周方向に対して傾斜した傾斜溝を通過してタイヤの側方から排水される。
しかし、タイヤの移動速度が上昇すると、タイヤの前方あるいは斜め前方への排除(排水)、あるいは傾斜溝を介して側方からの排水、あるいは周方向溝からの排水ではタイヤに向かって進入する水を完全に排水できなくなる。このため、排水できない水はタイヤ前方にたまって水膜を厚くし、さらには、タイヤと踏面の接地領域にくさびのように進入してタイヤが路面と接する接触面積を小さくする。このため、タイヤの制動や旋回が不能となり、ハイドロプレーニングが発生する。
このような背景から、水膜を表面に形成する路面をタイヤが走行するときのタイヤの排水挙動、例えばタイヤの水の流れを定性的、定量的に求め、水の停留する場所を見出し、これによって周方向溝の配置位置や傾斜溝の配置位置を調整することで水の停留する場所を無くすようにすることが望まれている。
下記非特許文献1では、ハイドロプレーニング現象の可視化技術、すなわちタイヤの排水挙動(水の流れ)を可視化する方法が開示されている。当該可視化技術では、トレーサ粒子を分散した水膜を透明ガラス板上に形成し、この透明ガラス板上をタイヤが通過する際、タイヤの踏面を透明ガラス板の反対側からビデオカメラで撮影する。そして、撮影された踏面画像の中からトレーサ粒子の細長い残像を捕らえ、この残像の長さと残像の方向を各トレーサ粒子について求めることで、タイヤの踏面前端の水の流れ場を求めて可視化する方法を開示している。
「ハイドロプレーニング現象の可視化技術」,鈴木 忠,ゴム協会誌,第74巻,第4号(2001)
しかし、この方法ではトレーサ粒子の分布密度によって求められる水の流れベクトルがばらつき均一にならないため、タイヤの周方向溝や傾斜溝等の周辺で十分に精度の高い水の流れベクトルを得ることができないという問題があった。
そこで、本発明は、水膜を表面に形成する路面上を走行するタイヤの排水挙動を可視化する際、タイヤの周方向溝や傾斜溝等の周辺で十分に精度の高い水の流れベクトルを求めることができるタイヤの排水挙動可視化方法を提供することを目的とする。
本発明は、水膜を形成した路面を走行するタイヤの排水挙動を可視化するタイヤの排水挙動可視化方法であって、タイヤが水膜上を走行するときのタイヤの踏面を、設定された時間間隔で路面側から撮影し、設定された画素数の踏面画像を得るステップと、
設定された時間間隔で撮影された少なくとも2つの踏面画像のうち、先に撮影された第1の踏面画像において、タイヤの踏込み端近傍に所定の画素サイズの領域をターゲットエリアとして設定するとともに、後に撮影された第2の踏面画像において、前記時間間隔の経過中に移動したタイヤの移動距離に応じて前記ターゲットエリアを移動した移動先領域の周りに前記ターゲットエリアより大きな画素サイズを有する領域をサーチエリアとして設定するステップと、前記ターゲットエリアと同じ画素サイズの移動ウィンドウを前記サーチエリア内で移動して、移動の度に移動ウィンドウ内の画像データの濃度階調値と、前記ターゲットエリア内の画像データの濃度階調値との相関を求めるステップと、求められた相関のうち、最も相関の高いときの移動ウィンドウの位置を求め、このときの前記第2の踏面画像における移動ウィンドウの位置情報と前記第1の踏面画像における前記ターゲットエリアの位置情報とから、タイヤが排水する水の流れを求めるステップと、を有することを特徴とするタイヤの排水挙動可視化方法を提供する。
ここで、前記タイヤは、タイヤ周方向に沿って周方向溝を有し、前記踏面画像において、前記タイヤ周方向に対して直交するタイヤ幅方向の前記踏面画像の画素数をN1とし、前記周方向溝が占める、前記タイヤ幅方向の画素数をN2とし、前記タイヤの前記タイヤ幅方向におけるタイヤの踏面幅をWTとし、前記周方向溝の前記タイヤ幅方向における溝幅をWGとしたとき、下記式(1)を満たすように踏面画像を撮影するのが好ましい。
1.5 ×( WT / WG )× N2 ≦ N1 (1)
また、前記タイヤの走行する水膜にはトレーサ粒子が分散しているのが好ましい。
さらに、前記踏面画像におけるトレーサ粒子の占める領域は、前記ターゲットエリアより小さく前記踏面画像の1画素より大きいのが好ましい。
また、前記サーチエリアの前記タイヤ幅方向の画素数は、前記ターゲットエリアの前記タイヤ幅方向の画素数の3〜6倍であるのが好ましい。
さらに、前記踏面画像の撮影の時間間隔Δtは、前記踏面画像におけるタイヤの移動方向の視野長さをLとし、タイヤの移動速度をVとしたとき、下記式(2)により設定される関係を満たすのが好ましい。
Δt ≦ (L/V)×(1/6) (2)
本発明では、設定された時間間隔で撮影された少なくとも2つの踏面画像を用いて、画像情報に関してターゲットエリアと相関の高い画像領域をサーチエリアの中から取り出し、この画像領域の位置情報とターゲットエリアの位置情報とを用いてタイヤが排水する水の流れを求める。これにより、従来困難であったタイヤの周方向溝や傾斜溝等の周辺における水の流れベクトルを精度高く求めることができる。
本発明のタイヤの排水挙動可視化方法について、この方法を実施する、図1に示すタイヤの排水挙動可視化システム(以降システムという)10に基づいて説明する。
図1に示すシステム10は、走行中の乗用車用のタイヤTの踏面を路面側から観察する地下に設けられた観測室12とこの観測室12の内部に設置された計測装置14により構成されている。
観測室12は、路面16の一部にタイヤTの負荷荷重に耐え得るガラス板18を路面16と面一になるように設けた天井壁面を有して構成され、このガラス板18の上に水膜20が形成される。このガラス板18上をドライバによって車両が運転されてタイヤTが移動する。
一方、観測室12内には、計測装置14が設置されている。
計測装置14は、タイヤの踏面を路面側から撮影するために照明するライト22,24と、照明されたタイヤTの踏面を設定された時間間隔で撮影するハイスピードカメラ26と、ハイスピードカメラ26で撮影された踏面画像を、本発明のタイヤの排水挙動可視化方法を用いて処理する処理装置28と、処理装置28に接続されるディスプレイ30と、処理装置28に種々の条件の入力や設定を行なう、キーボードやマウス等の入力装置32とを有する。
ガラス板18の上面には一定の水深、例えば水深5mmの水膜が形成され、この水膜にトレーサ粒子が分散されている。トレーサ粒子の色は特に制限されないが、撮影される踏面画像においてトレーサ粒子が黒色のタイヤTおよび水と良好に識別できるように、例えば白色粒子あるいは照明光を乱反射する透明粒子が好ましい。トレーサ粒子の大きさは、タイヤの周方向溝の溝幅(例えば溝幅8mm)に対して4分の1〜16分の1であることが好ましく、例えば直径0.5〜2mmの球状の粒子が好ましい。より好ましくは直径0.5〜1mmである。トレーサ粒子の材質は吸水しない粒子であれば特に制限されず、樹脂材が好適に用いられる。好ましくは水の比重と略同等、すなわち比重0.8〜1.5であるのが好ましい。
本実施形態では、水膜にトレーサ粒子を分散して後述する方法で水の流れベクトルを算出するが、本発明においては必ずしもトレーサ粒子を水膜中に分散する必要はない。水膜を形成する路面上を転動して移動するタイヤTは、空気を巻き込みながら水膜と接触するので、このとき発生する直径0.5〜1mm程度の空気の気泡をトレーサ粒子の代用とすることができる。しかし、確実に流れベクトルを得たい場合には、トレーサ粒子を用いるのが好ましい。
ハイスピードカメラ26は、1秒間に2000フレーム撮影可能なデジタルカメラであり、タイヤTの走行速度に応じてフレームレート、すなわち撮影時間間隔を設定することができる。例えば、タイヤTの走行速度が40km/時である場合、フレームレートは1500fpsとされる。
ライト22,24は、ハイスピードカメラ26による高速度撮影で十分な光量が得られるようにタイヤTの踏面を照明する光源である。ライト22,24の種類は特に制限されない。
処理装置28は、ハイスピードカメラ26で撮影された踏面画像の画像データの供給を受けると、後述する排水挙動可視化方法によりタイヤTの排水性を表す水の流れベクトルを求める装置である。求められた水の流れベクトルは撮影されたタイヤTの踏面画像と共にディスプレイ30に表示される。また、ディスプレイ30は、後述する排水挙動可視化方法を実施するための種々の条件を入力し、また後述するターゲットエリアやサーチエリアの設定を行なうための入力画面を表示する。オペレータはこの入力画面を見ながら入力装置12を用いて入力することができる。
次に、本発明のタイヤの排水挙動可視化方法について説明する。図2は、本発明のタイヤの排水挙動可視化方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ライト22,24にてタイヤTの踏面を照明して、ハイスピードカメラ26にてタイヤTがトレーサ粒子の分散した水膜を通過する時のタイヤTの踏面画像を所定のフレームレートで撮影し、処理装置28は踏面画像を取得する(ステップS10)。
上記フレームレートは、例えば、タイヤTの踏面画像におけるタイヤTの移動方向の視野範囲(長さ)をLとし、タイヤTの走行速度(移動速度)をVとしたとき、下記式(2)により設定される時間間隔Δtで踏面画像が撮影されるようにフレームレートが調整される。
Δt ≦ (L/V)×(1/6) (2)
すなわち、ハイスピードカメラ26が撮影する視野範囲においてタイヤTの踏面が少なくとも6画像以上得られるように設定される。例えば、撮影視野範囲における視野長さLが240mm、タイヤTの走行速度Vが100km/時(27.77m/秒)である場合、撮影の時間間隔Δtは1.44m秒以下に設定され、フレームレートは694.44fps以上となる。これより、フレームレートは略700fps以上であることが必要であり、好ましくは1000fps以上、より好ましくは2000fps以上である。上記例において視野長さLを240mmとするのは、タイヤ幅方向においてタイヤTの踏面の幅は概略100〜200mmであり、タイヤTの踏面が余白を残す程度に可能な限り大きく撮影するためである。タイヤTの踏面が余白を残さないように大きく撮影しようとすると、タイヤTの通過位置を1cmも違わず撮影位置に合わせなければならず、車両を運転するドライバにとって極めて負担が大きくなるからである。また、可能な限り踏面を大きく撮影するのは、水膜に分散したトレーサ粒子を可能な限り大きく撮影し、タイヤTの周方向溝周りの水の流れベクトルを正確に得るためである。
また、ハイスピードカメラ26で撮影するときの画素数は、タイヤ周方向に対して直交するタイヤ幅方向の踏面画像の画素数をN1とし、周方向溝が占める、タイヤ幅方向の画素数をN2とし、タイヤ幅方向におけるタイヤの踏面幅をWTとし、周方向溝のタイヤ幅方向における溝幅をWGとしたとき、下記式(1)を満たすのが好ましい。
α ×( WT / WG )× N2 ≦ N1 (1)
(αは係数)
すなわち、タイヤTの周方向溝の溝幅に対応する画素数N2が周方向溝周りの流れを正確に可視化するのに最低必要な画素数であるとすると、この溝幅WGとタイヤTの踏面の幅WTとを用いて求めたタイヤTの踏面のタイヤ幅方向の画素数はN2×(WT/WG)となる。上述したようにタイヤTの踏面が余白を残す程度に可能な限り大きく撮影することが望ましく、係数αを用いて画素数N2×(WT/WG)に係数αを乗算したものが、ハイスピードカメラ26で撮影する際の最低必要な画素数となる。この最低画素数より多い画素数で撮影する限りにおいて、鮮明な撮影画像を用いて画像解析を行なうことができ、精度の高い水の流れベクトルを求めることができる。上記式は、タイヤTの踏面が余白を残す程度に可能な限り大きく撮影するためには係数αは1.5以上である。ハイスピードカメラ26で撮影する画像の画素数を上記最低画素数に比べて極めて大きくすると後述する流れベクトルの算出に要する処理時間が増大し実用上適さない。係数αは1.5以上3以下であるのが好ましい。より好ましくは、係数αは1.5倍以上2倍以下である。
例えば、画素数N2=10ピクセル、溝幅WG=8mm、タイヤTの踏面の幅WT=200mmおよび係数α=1.5とした場合、ハイスピードカメラ26で撮影する画像の画素数としてタイヤ幅方向において最低必要な画素数は375ピクセルとなる。例えば、タイヤ幅方向の画素数700ピクセルで撮影される。ハイスピードカメラ26で撮影する画像の画素数については、後述する流れベクトルの算出に要する処理時間として許容される実用上問題のないレベルは、処理装置28の処理能力に依存するが、ハイスピードカメラ26で撮影する画像のタイヤ幅方向の画素数の上限としては例えば2048ピクセルである。
また、トレーサ粒子が周方向溝、さらには傾斜溝内を自由に移動することができるためには、水膜に分散させるトレーサ粒子の大きさは直径2mmを上限とする。一方、トレーサ粒子が細かいと撮影された踏面画像中トレーサ粒子の識別が困難な場合もある。このためトレーサ粒子の下限値は0.5mmである。さらに、撮影された踏面画像中でトレーサ粒子を識別するには、撮影画像中で1つのトレーサ粒子の占める画素数は少なくとも1ピクセル以上でなければならない。
このため、周方向溝のタイヤ幅方向の画素数N2、1つのトレーサ粒子の占める画素数N3、トレーサ粒子の直径RTおよび周方向溝の溝幅WGとは、下記式によって関係付けられている。
2 = ( WG / RT )× N3 (3)
トレーサ粒子の直径RT=1mm、1つのトレーサ粒子の占める画素数N3=4ピクセル、溝幅WG=8mmとすると、周方向溝のタイヤ幅方向の画素数N2を32ピクセルと定めることができる。
したがって、求められた画素数N2を用いて上記式(1)より、タイヤ幅方向の踏面画像の画素数N1の下限値を求めることができる。
このようにして設定された撮影条件においてハイスピードカメラ26で踏面画像が、所定の時間間隔で撮影される。
次に、処理装置28において取得された踏面画像におけるターゲットエリアとサーチエリアの設定が行なわれる(ステップS12)。
この設定は、例えばディスプレイ30に表示された踏面画像を見ながら入力装置32からオペレータが入力指示することによって行なわれる。図3(a),(b)は、タイヤTの踏面が図中の下方向から上方向に移動する状態を模式的に説明する模式図である。図中、符号40は、タイヤTの踏込み側先端であり、符号42はタイヤTの周方向溝である。タイヤTの傾斜溝は省略されている。
図3(a)に示すように時刻tにおける踏面画像がディスプレイ30に表示されると、オペレータはディスプレイ30を見ながら、タイヤTの周方向溝42の踏込み側先端40の部分に画像数Ltの正方形形状のターゲットエリアR(図3(a)中の斜線領域)を設定するように入力指示することで、図3(a)に示すように処理装置28において正方形形状を成したターゲットエリアRが設定される。
このターゲットエリアRが各周方向溝42のそれぞれに対して設定され、さらに、各周方向溝周りに設定されたターゲットエリアRを補間するように、同じサイズのターゲットエリアRが踏面画像の図中横方向に複数設定される。
さらに、一定の時間間隔Δt後(時刻t+Δt)の踏面画像がディスプレイ30に同様に表示される。オペレータは、サーチエリアのサイズ(画素数Ls)を指示入力することにより、処理装置28にてサーチエリアS(図3(b)中の太線範囲内の領域)が設定される。具体的には、タイヤTの移動速度VとΔtを乗算した距離分、図3(a)において設定されたターゲットエリアをタイヤTの移動方向に移動した移動先エリア(移動先領域)R’(図3(b)中の斜線領域)が設定され、入力指示されたサーチエリアのサイズ(画素数Ls)に応じてこの移動先エリアR’を中心とした画素数Lsの正方形形状を成したサーチエリアSが設定される。このようなサーチエリアSは、複数設定された各ターゲットエリアR毎に設定される。
ここで、設定される画素数Ltは、少なくとも2ピクセルより大きく、かつ下記式(3)で定まる範囲に設定するのが好ましい。画素数Ltが2ピクセル以下の場合、トレーサ粒子がどこに移動したか特定困難となる。
t 2 ≧ 3・Sp/Np (3)
ここで、Spとは踏面画像の総画素数(縦方向の画素数×横方向の画素数)であり、Npとは踏面画像に撮影されているトレーサ粒子の数である。
上記式(3)は、ターゲットエリアR内に含まれるトレーサ粒子の数が少なくとも3個以上含まれるように、踏面画像においてトレーサ粒子1個が平均的に占める画素数を定め、この画素数に3を乗算することで、ターゲットエリアの一辺の画素数Lt 2の適正範囲を定めることができる。
例えば、総画素数Sp=524288(=512×1024)、トレーサ粒子の数Np=256とするとターゲットエリアRの画素数Ltの下限値は略45ピクセルとなる。
なお、上記例では、ターゲットエリアを正方形形状としたがその形状は特に制限されず、長方形形状であってもよい。また、サーチエリアSの画素数Lsは高速で飛散するトレーサ粒子を見逃してしまうことのないように、ターゲットエリアRの画素数Ltの3倍以上に設定するのが好ましい。一方、サーチエリアSを大きく広げると処理時間が多大となる。このため、サーチエリアSの画素数LsはターゲットエリアRの画素数Ltの6倍を上限とするのが好ましい。
また、サーチエリアSとターゲットエリアRとは、お互いに一部分でオーバラップする(重なる)ように設定することが精度高く流れベクトルを求める点で好ましい。その際、サーチエリアSとターゲットエリアRのサイズの大きさに応じてこのオーバラップ量を変えればよい。オーバラップ量をサーチエリアSとターゲットエリアRのサイズの大きさに対比して比較的大きく設定すると、サーチリアS内でターゲットエリアRを少しずつずらし、ずらす度に後述する相関係数を算出するので、この相関係数の算出において演算量が飛躍的に増大して多大な処理時間を要し好ましくない。
このようなターゲットエリアRとサーチエリアSの設定とともに、一方において踏面画像の画像データのグレースケール値への変換が行なわれる(ステップS14)。すなわち画像データは、例えば0〜255のグレー濃度階調値に変換される。この変換は、後述するターゲットエリアRと相関の最も高い領域をサーチエリアSから取り出すための画像情報とするためである。
次に、処理装置28にて移動ウィンドウを用いた相関係数の算出が行なわれる(ステップS16)。
図3(b)に示すように設定されたサーチエリアS内でターゲットエリアRと同じ画素サイズの移動ウィンドウWを移動して、移動の度に移動ウィンドウW内の画像データのグレースケール値と、ターゲットエリアRにおける画像データのグレースケール値との相関係数を求める。
図4(a)は、サーチエリアS内で移動ウィンドウWを移動している状態を示している。この移動ウィンドウW内の画像データのグレースケール値と、ターゲットエリアRにおける画像データのグレースケール値との相関係数を、移動ウィンドウWの移動の度に演算する。移動ウィンドウWとターゲットエリアRは形状がともに正方形形状を成し、サイズも同じであるため、例えば左上端の位置を原点位置とし右方向に順番に番号を付し、さらに右端に至ると1段下がって左端から右端に向かって順番に番号を付し、この番号毎に移動ウィンドウWの画像データのグレースケール値とターゲットエリアR内の画像データのグレースケール値とを対応させることにより図4(b)に示すような散布図を作成することができる。この作成された散布図から直線回帰を行なって相関係数を算出する。
このような相関係数を移動ウィンドウWが移動する度に算出し、サーチエリアS内を移動ウィンドウWがすべて移動したか否かを判別する(ステップS18)。判別において肯定された場合算出された相関係数のうち値が最大となる移動ウィンドウWの位置情報が求められる(ステップS20)。一方、ステップS18の判別において否定された場合、ステップS16に戻り、ウィンドウWがサーチエリアS内をすべて移動するまで、相関係数が逐次算出される。ステップS20で取得される位置情報は、例えば、相関係数の最も高い移動ウィンドウWの中心位置である。
このような、相関係数が最大となる移動ウィンドウWの位置情報の取得は設定されたターゲットエリアRのすべてについてなされたか判別される(ステップS22)。この判別において否定された場合、ステップS16に戻され、別のターゲットエリアRについてステップS16〜S20が繰り返し行なわれる。
このようなターゲットエリアRのグレースケール値とサーチエリアS内のグレースケール値との相関係数が最大となる移動ウィンドウWの位置情報の取得が、時刻tにおける踏面画像と時刻t+Δtにおける踏面画像との間で行なわれるが、この位置情報の取得は、ターゲットエリアR内の画像の濃淡により識別することのできるトレーサ粒子の分散状態と最も近似する場所をサーチエリアSの中から算出することで、時間Δt後におけるターゲットエリアRのトレーサ粒子の移動先を定めることに相当する。
したがって、ターゲットエリアRの位置情報(例えば中心位置)を始点とし上記移動ウィンドウWの上記位置情報(例えば中心位置)を終点とするベクトルを作成することで、図4(c)に示すような水の流れベクトルが作成される(ステップS24)。
なお、流れベクトルは、時刻tの踏面画像と時刻t+Δtの踏面画像とを用いて算出してもよいが、例えば周方向溝の水の流れが傾斜溝に比べて支配的な場合、すなわち、水を排水するときの水の流れが定常状態となっている場合、時刻t+Δtにおける踏面画像と時刻t+2・Δtにおける踏面画像とを用いて、時刻t+2・Δtにおける踏面画像と時刻t+3・Δtにおける踏面画像とを用いて、さらには、時刻t+n・Δt(nは3以上の自然数)における踏面画像と時刻t+(n+1)・Δtにおける踏面画像とを用いて水の流れベクトルをそれぞれ作成し、これらを1つの流れベクトルとして重ね合わせてもよい。どの時刻における踏面画像と時間Δt後の踏面画像とを用いても流れベクトルに差異が生じないからである。
図5は、このようにして求めたタイヤTの踏面における水の流れを表す流れベクトルを表した図である。
図5に示す例では、タイヤTはタイヤサイズ205/65R15の乗用車用のタイヤで、タイヤTの走行速度(移動速度)は40km/時とした。撮影する画像サイズは700×470ピクセルとしフレームレートは1500fpsとした。ターゲットエリアRの画素数Ltは21ピクセルに設定し、サーチエリアSの画素数LSは63ピクセルに設定した。
図5によれば周方向溝周りの水の流れベクトルが細かく表されており、場所によって流れベクトルの大きさと向きが変わっており、精度の高い情報を表していることがわかる。特に、図5においてわかるように踏面の踏込み先端の形状が左右非対称となっており、踏込み先端の丸みの削られている領域Xにおいて、水の流れが側方を向いていることがわかる。つまり、踏込み先端の形状に応じて水の流れる方向も変化していることがわかる。
このように、タイヤの周方向溝や傾斜溝等の周辺を含むタイヤTの踏込み端付近における水の流れを精度良く求めることができる。
以上、本発明のタイヤの排水挙動可視化方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のタイヤの排水挙動可視化方法を実施する、タイヤの排水挙動可視化システムの概略構成図である。 本発明のタイヤの排水挙動可視化方法の一例を示すフローチャートである。 (a),(b)は、タイヤの踏面を撮影した踏面画像、ターゲットエリアおよびサーチエリアを模式的に説明する模式図である。 (a)〜(c)は、相関係数の算出を説明する説明図である。 本発明のタイヤの排水挙動可視化方法を用いて得られる水の流れベクトルを示す図である。
符号の説明
10 排水挙動可視化システム
12 観測室
14 計測装置
16 路面
18 ガラス板
20 水膜
22,24 ライト
26 ハイスピードカメラ
28 処理装置
30 ディスプレイ
32 入力装置

Claims (6)

  1. 水膜を形成した路面を走行するタイヤの排水挙動を可視化するタイヤの排水挙動可視化方法であって、
    タイヤが水膜上を走行するときのタイヤの踏面を、設定された時間間隔で路面側から撮影し、設定された画素数の踏面画像を得るステップと、
    設定された時間間隔で撮影された少なくとも2つの踏面画像のうち、先に撮影された第1の踏面画像において、タイヤの踏込み端近傍に所定の画素サイズの領域をターゲットエリアとして設定するとともに、後に撮影された第2の踏面画像において、前記時間間隔の経過中に移動したタイヤの移動距離に応じて前記ターゲットエリアを移動した移動先領域の周りに前記ターゲットエリアより大きな画素サイズを有する領域をサーチエリアとして設定するステップと、
    前記ターゲットエリアと同じ画素サイズの移動ウィンドウを前記サーチエリア内で移動して、移動の度に移動ウィンドウ内の画像データの濃度階調値と、前記ターゲットエリア内の画像データの濃度階調値との相関を求めるステップと、
    求められた相関のうち、最も相関の高いときの移動ウィンドウの位置を求め、このときの前記第2の踏面画像における移動ウィンドウの位置情報と前記第1の踏面画像における前記ターゲットエリアの位置情報とから、タイヤが排水する水の流れを求めるステップと、を有することを特徴とするタイヤの排水挙動可視化方法。
  2. 前記タイヤは、タイヤ周方向に沿って周方向溝を有し、
    前記踏面画像において、前記タイヤ周方向に対して直交するタイヤ幅方向の前記踏面画像の画素数をN1とし、前記周方向溝が占める、前記タイヤ幅方向の画素数をN2とし、前記タイヤの前記タイヤ幅方向におけるタイヤの踏面幅をWTとし、前記周方向溝の前記タイヤ幅方向における溝幅をWGとしたとき、下記式(1)を満たすように踏面画像を撮影するタイヤの排水挙動可視化方法。
    1.5 ×( WT / WG )× N2 ≦ N1 (1)
  3. 前記タイヤの走行する水膜にはトレーサ粒子が分散している請求項1または2に記載のタイヤの排水挙動可視化方法。
  4. 前記踏面画像におけるトレーサ粒子の占める領域は、前記ターゲットエリアより小さく前記踏面画像の1画素より大きい請求項3に記載のタイヤの排水挙動可視化方法。
  5. 前記サーチエリアの前記タイヤ幅方向の画素数は、前記ターゲットエリアの前記タイヤ幅方向の画素数の3〜6倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤの排水挙動可視化方法。
  6. 前記踏面画像の撮影の時間間隔Δtは、前記踏面画像におけるタイヤの移動方向の視野長さをLとし、タイヤの移動速度をVとしたとき、下記式(2)により設定される関係を満たす請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤの排水挙動可視化方法。
    Δt ≦ (L/V)×(1/6) (2)
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