JP4284817B2 - Road tunnel management device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路トンネル内の空気を換気する道路トンネル管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路トンネル換気制御システムでは、運転者の健康と走行の安全確保のためトンネルを通行する車両が排出する一酸化炭素(CO)や煤煙、窒素酸化物(NOx)等の汚染物質をトンネルから除去し、トンネル環境を基準値以上に保持している。汚染物質を除去する手段として、ジェットファンや電気集塵機、長大トンネルにおいて送排気のための立坑に設置された送排気機等が設置されている。
【0003】
従来の道路トンネル換気制御システムにおける換気制御は、交通量予測に基づくフィードフォワード制御と、視界がもっとも悪くなる地点における汚染値の測定に基づくフィードバック制御を合成することによって行われている。この場合のフィードバック制御は、汚染値の変化から、汚染値の変化を検出しさらに換気制御の効果が現れるまでに大きな遅れが存在するため、測定した汚染値の情報を十分積極的に換気機の運転に利用するものではなかった。図10に煤霧透過率(以下、VI値という)を制御する場合の従来技術の概略を示す。これまでに、上記のフィードバック制御における遅れを解消するために、トンネル内の複数の観測点において汚染値を観測する研究がなされている(例えば電気学会道路交通研究会資料、 RTA−99−23,PP.43−48,1999)。図11にVI値を制御する場合の多地点汚染値測定による換気制御の概略を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の道路トンネル換気制御システムにおいて、トンネル内の複数の観測点における汚染値の情報が利用できる場合に、トンネル内の複数の観測点における汚染値の情報から換気機の運転状態を決定する方法は明らかでないなどの問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、トンネル内の複数の観測点における汚染値の情報から換気機の運転状態を決定することによって、トンネル内の環境を基準値以上に保持しかつ効率的な換気機の運転を実現する道路トンネル管理装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の構成による道路トンネル管理装置は、道路トンネル内の複数の観測点における汚染値を検出する汚染値検出装置と、上記複数の観測点における汚染値から汚染濃度の単位長さあたりの変化率である汚染悪化率を算出する汚染悪化率算出装置とを備え、上記汚染悪化率に基づき道路トンネル内の環境を制御するものである。
【0007】
この発明の第2の構成による道路トンネル管理装置は、汚染悪化率からトンネル内の目標風速又は目標風量を定める目標風速算出装置と、目標風速又は目標風量に基づいて道路トンネル内の風速又は風量を制御する風速制御装置とを備えたものである。
【0008】
この発明の第3の構成による道路トンネル管理装置は、汚染悪化率から求めたトンネル内の目標風速又は目標風量および交通量予測から求めたトンネル内の目標風速又は目標風量に基づいて目標風速又は目標風量を定める目標風速算出装置と、上記目標風速算出装置が定めた目標風速又は目標風量に基づいて道路トンネル内の風速又は風量を制御する風速制御装置とを備えたものである。
【0009】
この発明の第4の構成による道路トンネル管理装置は、汚染悪化率を目標汚染悪化率に基づき制御する汚染悪化率制御装置を備えたものである。
【0010】
この発明の第5の構成による道路トンネル管理装置は、汚染値検出装置が検出した基準地点の汚染値から時間平均値を算出する補償装置を備え、汚染悪化率算出装置は、上記基準地点の汚染値の時間平均値、各観測点の汚染値および各観測点の重みから汚染悪化率を算出するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の形態1,2,3に係わる道路トンネル管理装置の構成を示すブロック図である。これら3つの実施の形態においては、簡単のために換気装置としてジェットファン(以下、JFという)を装備する道路トンネル管理装置について説明を行なう。
【0014】
実施の形態1.
図1において、Aはトンネル状態検出部、Bは換気機運転状態管理部、1はJF、2は車両の速度、通過時刻、車種を検出する交通量計、3は風速計、4はVI計又はITVカメラによりVI値を測定する汚染計、11は交通量計で検出した速度、通過時刻、車種から交通状態(例えば、交通量、交通速度、大型車購入率)を算出する交通状態検出装置、12は風速検出装置、13は汚染値検出装置、14は汚染予測値算出装置、15は汚染悪化率算出装置、16は汚染計計測誤差補償・検出装置、17は交通状態検出装置で算出した過去の交通量、交通速度、大型車混入率を例えば1次近似によって現在の時刻kにおける交通状態x[k]から時刻k+1の交通状態の予測値=x[k]+(x[k]−x[k−1])を予測する交通量予測装置、18は目標風速算出装置、19は風速制御装置、20は汚染悪化率制御装置、21は換気機制御装置である。
【0015】
図3は、この発明の実施の形態1に係わる道路トンネル管理装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、トンネル内の複数の観測点における汚染値から汚染悪化率を算出し汚染悪化率から必要な風速と交通量予測から必要な風速から目標風速を定め、トンネル内風速をフィードバック制御することにより換気機の運転を制御する場合について説明する。
【0016】
図2は、この発明の全ての実施の形態に係わる1つの道路トンネルにおいて、トンネル内に一定方向の風速が生じている場合の汚染濃度の分布を示す概略図である。トンネル入口からの距離x[m]における単位体積あたりの汚染濃度Qは次式で表される。ただし、q[m3/m・s]は車群が単位時間に単位長さあたりに排出する汚染量、U[m/s]はトンネル内風速、AT[m2]はトンネル断面積であるとする。
【0017】
【数1】
【0018】
これより、定常状態におけるトンネル内の汚染悪化率αを次式で定義する。
【0019】
【数2】
【0020】
図3においてステップ1−1で、トンネル状態検出部Aの交通状態検出装置11、風速検出装置12、汚染値検出装置13により交通量、トンネル内風速・風向、汚染値を計測する。
【0021】
次にステップ1−2で、換気機運転状態管理部Bの汚染悪化率算出装置15においてトンネル内の複数の観測点における汚染値により汚染悪化率を算出する。
【0022】
ここでは、n+1個の観測点c0,…,cnが基準地点c0からl[m]毎に設置されている場合を考える。各観測点において測定される100[m]あたりのVI値をVI0,…,VIn[%]、各観測点における単位体積あたりの汚染濃度をQ0,…,Qnとする。各観測点におけるVI値VIiと汚染濃度Qiの関係は次式によって表される。ただし、Cは定数である。
【0023】
【数3】
【0024】
各観測点の汚染濃度Qiから、汚染悪化率αoutは例えば次式のように算出する。ただし、Wiは各観測点の測定値に対する重みであり、どの観測点の情報を重視するかによって調整する。Q0は、換気機運転状態管理部Bの汚染計計測誤差補償・検出装置16によって算出されるQ0の時間平均値である。
【0025】
【数4】
【0026】
上記のように汚染計計測誤差補償・検出装置16において、複数の観測点の汚染値の中から汚染悪化率を計算するための基準を選択することによって、汚染値の真値を用いることなく各汚染計に共通する計測誤差を補償することができる。また、汚染悪化率を算出する場合だけに限らず、 定常状態において汚染値の1つの真値が測定できれば、図2の関係を用いることによって、各汚染計の計測誤差を独立に検出し計測値を補正することができるとともに、各汚染計の調整時期(清掃時期)の基準を得ることができる。よって、汚染計計測誤差補償・検出装置16は汚染悪化率を算出しない場合(例えば、実施の形態2)においても計測誤差の検出・補正に用いることができる。
【0027】
次にステップ1−3で、換気機運転状態管理部Bの目標風速算出装置18において汚染悪化率、トンネル内風速および交通量予測値により目標風速を算出する。ここで、目標汚染悪化率αrefは汚染最悪点の目標汚染濃度Qrefと入口から汚染最悪点までの距離Lmaxにより次式のように算出される。
【0028】
【数5】
【0029】
トンネル内風速をUout[m/s]、汚染悪化率をαoutとして、汚染悪化率に基づく目標風速Uref1[m/s]は次式で算出される。
【0030】
【数6】
【0031】
さらに、交通量予測に基づく目標風速Uref2[m/s]とあわせて、例えば次式に基づいて目標風速Uref[m/s]を算出する。ただし、C1,C2は重みを表す係数である。
【0032】
【数7】
【0033】
次にステップ1−4では、ステップ1−3算出した目標風速に基づいて、換気機運転状態管理部Bの風速制御装置19において、トンネル内風速を目標風速に保つために必要なJFの運転台数を決定する。
【0034】
風速制御装置19は、例えばトンネル内風速に応じて制御器の動特性を切替えるゲインスケジューリング(以下、GSという)制御器で実施する。風速制御器を接続した制御系の概略を図6に示す。以下、風速モデルを用いてGS制御器を設計する手法を簡単に示す。
【0035】
トンネル内の風速モデルは次の運動方程式で与えられる。
【0036】
【数8】
【0037】
ただし、U[m/s]はトンネル内風速、mT[kg]はトンネル内空気の質量、F[N]はトンネル内空気に作用する全ての力を表す。
【0038】
【数9】
【0039】
Fr,Fj,Ft,Fn[N]はそれぞれ、通気抵抗力、JF換気力、交通換気力、自然換気力を表し、各力の大きさは次式で与えられる。
【0040】
【数10】
【0041】
【数11】
【0042】
【数12】
【0043】
【数13】
【0044】
【数14】
【0045】
ただし、DT[m]はトンネル直径、LT[m]はトンネル長さ、AT[m2]はトンネル断面積、ζeは入口損失係数、λは壁面損失係数、ρair[kg/m3]は空気密度、Nj[台]はJF運転台数、Kjは昇圧係数、Uj[m/s]はJF噴流速度、Aj[m2]はJF断面積、S+,S−,L+,L−は車両の種類(S:小型車、L:大型車、+:上り、:−下り)、Ai[m2]は等価抵抗面積、Vti[m]は車両速度、Un[m/s]は自然風速を表す。
【0046】
風速モデルにおいて、風速Uをシステムの状態、JF運転台数Njを入力、交通換気力Ftおよび自然換気力Fnを外乱(w(t))とみなすことによってフィードバック制御器を設計するためのモデルを次式のように構築することができる。
【0047】
【数15】
【0048】
【数16】
【0049】
フィードバック制御器を設計するためのモデルに対して、出力を目標値に対して定常偏差なく追従させ、外乱w(t)の出力への影響を小さくするようなフィードバック制御器の設計することができる。このような制御器の設計方式の詳細は、例えば、P.Apkarian,P.Gahinet and G.Becker : Self-scheduled H∞ Control of Linear Parameter-varying Systems: a Design Example,Automatica,Vol.31,No.9,pp.1251-1261 (1995)に記載されている。
【0050】
例えば、(16)式右辺の非線形項(ΦU2)の1つの状態を時変パラメータとみなし、サンプリング間隔Tで離散化、出力側に積分器を付加した次式の制御対象に対してGS制御器の設計を行なうことができる。
【0051】
【数17】
【0052】
ここで、風速の最小値、最大値をそれぞれUmin,Umaxとする。この場合、制御対象のシステム行列だけから決まる線形行列不等式を解くことによって、風速Umin,Umaxそれぞれに対応する制御器の係数行列C(Umin),C(Umax)を求めることができる。ただし、
【0053】
【数18】
【0054】
であるとする。観測した風速Uoutに応じてこの2つの制御器を次式のように線形補間することによってGS制御器を設計することができる。
【0055】
【数19】
【0056】
目標風速をUref[k]、誤差をe[k](=Uout[k]−Uref[k])、制御器の状態をxc[k]とすると、JF運転台数Nj[k]は次式で表される。
【0057】
【数20】
【0058】
ここでは、風速モデルに基づくGS制御器の設計について述べたが、PID制御器による設計も可能である。例えばJF運転台数Nj[k]は次式で表される。
【0059】
【数21】
【0060】
ただし、Tはサンプリング間隔、KPは比例ゲイン、TIは積分時間、TDは微分時間である。
【0061】
次にステップ1−5で、換気機制御装置21において、ステップ1−4で算出したJF運転台数に基づいて換気機を運転する。
【0062】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係わる道路トンネル管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
ここでは、トンネル内の複数の観測点における汚染値から汚染最悪点での汚染値を予測し予測した汚染値から必要な風速と交通量予測から必要な風速から目標風速を定め、トンネル内風速をフィードバック制御することにより換気機の運転を制御する場合について説明する。
【0064】
実施の形態2は、実施の形態1のステップ1−1、1−4と1−5にそれぞれ対応するステップ2−1、2−4と2−5は実施の形態1と同じである。以下、ステップ2−2、ステップ2−3について説明を行なう。
【0065】
ステップ2−2では、換気機運転状態管理部Bの汚染予測値検出装置14において、トンネル内の複数の観測点における汚染値により汚染最悪点における汚染濃度を予測する。
【0066】
ここで、時刻t[s]におけるトンネル入口からの距離がx[m]の地点の汚染濃度をQ(x,t)で定義する。この距離x[m]地点の空気が距離L[m]地点に達する(L−x)/U[s]後の距離L[m]地点の単位体積あたりの汚染濃度の予測値Q’(L,t+(L−x)/U)を次式のように求めることができる。
【0067】
【数22】
【0068】
次にステップ2−3で、換気機運転状態管理部Bの目標風速算出装置18において汚染予測値、濃度悪化基準値、トンネル内風速および交通量予測値より目標風速を算出する。汚染予測に基づく目標風速と交通量予測に基づく目標風速との合成はステップ1−3と同様に行なう。
【0069】
時刻tにおいてステップ2−2で算出した汚染予測値Q’(L,t+(L−x)/U)が濃度悪化基準値Qmaxを越えると予想されるとき、濃度悪化基準値以下に押えるために必要な風速は、
【0070】
【数23】
【0071】
より、
【0072】
【数24】
【0073】
と算出できる。
【0074】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係わる道路トンネル管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
ここでは、トンネル内の複数の観測点における汚染値から汚染悪化率を算出し、汚染悪化率からフィードバック制御により算出したJF運転台数と交通量予測から算出したJF運転台数を合成して換気機の運転を制御する場合について説明する。
【0076】
実施の形態3は、 実施の形態1のステップ1−1、1−2と1−5にそれぞれ対応するステップ3−1、3−2と3−4は実施の形態1と同じである。以下、ステップ3−3について説明を行なう。
【0077】
ステップ3−3では、ステップ3−2で算出した汚染悪化率に基づいて、換気機運転状態管理部Aの汚染悪化率制御装置20において、汚染悪化率を目標汚染悪化率に保つために必要なJF運転台数を決定する。さらに交通量予測から必要なJF運転台数と合成することによってJF運転台数を算出する。
【0078】
汚染悪化率制御装置20は、例えばPID制御によって実施する。汚染悪化率制御装置を接続した制御系の概略を図7に示す。
【0079】
汚染悪化率αout[k]と目標汚染悪化率αref[k]を用いて、JF運転台数Nj[k]を算出することができる。
【0080】
【数25】
【0081】
ただし、eα[k]=αref[k]−αout[k]、Tはサンプリング間隔、KPは比例ゲイン、a,bはパラメータ、TIは積分時間、TDは微分時間である。
【0082】
実施の形態4.
図8、図9は、この発明を説明するための実施の形態4に係わる道路トンネル管理装置の構成を示すブロック図である。図8、図9において、31は固有トンネル管理装置、32は群トンネル管理装置である。
【0083】
固有トンネル管理装置31は、例えば実施の形態1にかかわる図1のトンネル管理装置でであるA,Bで示す各装置により実施する。群トンネル管理装置32は各トンネルに設置された交通状態検出装置、風速検出装置、汚染値検出装置において計測された交通量、車種、風速、汚染情報から近い将来の通過交通量、大型車混入率、汚染値および複数の連続する(図8)(分岐する(図9))道路トンネルの最適風量分担を予測し、その情報を固有トンネル管理装置31に提供する。
【0084】
以上の実施の形態では、汚染悪化率に基づいて道路トンネル内の換気機を制御する場合について説明したが、この他に道路トンネル内の照明装置にも適用することができ、例えば汚染悪化率が高くなれば照明を増大させるように照明装置を制御する。上記の実施の形態では、汚染値としてVI値を制御する場合を記述したが、例えば一酸化炭素なども同様の方法で制御することが可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように、この発明の第1〜第6の構成である道路トンネル管理装置によれば、トンネル内の複数の観測点における汚染値の情報が利用できる場合に、トンネル内の複数の観測点における汚染値の情報から換気機の運転状態を決定する方法を明らかにしたので、トンネル内の環境を基準値以上に保持しかつ効率的な換気機の運転を実現する道路トンネル管理装置を得ることができる効果がある。
【0086】
また、この発明の第7の構成である道路トンネル管理装置によれば、複数の連続する(分岐する)道路トンネルにおいてトンネル内の環境を基準値以上に保持しかつ効率的な換気機の運転を実現する道路トンネル管理装置を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1、2、3に係わる道路トンネル管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の全ての実施の形態に係わる1つの道路トンネルにおいて、トンネル内に一定方向風速が生じている場合の汚染濃度の分布を示す概略図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係わる道路トンネル管理装置の動作を示すフロー図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係わる道路トンネル管理装置の動作を示すフロー図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係わる道路トンネル管理装置の動作を示すフロー図である。
【図6】 この発明の実施の形態1、2に係わる道路トンネル管理装置において実現される風速制御系の概略を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係わる道路トンネル管理装置において実現される汚染悪化率制御系の概略を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係わる連続する道路トンネルにおける道路トンネル管理装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に係わる分岐する道路トンネルにおける道路トンネル管理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 従来の汚染値測定と換気制御を示す概略図である。
【図11】 従来の多地点汚染値測定と換気制御を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ジェットファン、2 交通量計、3 風速計、4 汚染計、11 交通状態検出装置、12 風速検出装置、13 汚染値検出装置、14 汚染予測値検出装置、15 汚染悪化率算出装置、16 汚染計計測誤差補償・検出装置、17 交通量予測装置、18 目標風速算出装置、19 風速制御装置、20 汚染悪化率制御装置、21 換気機制御装置、31 固有トンネル管理装置、32群トンネル管理装置。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a road tunnel management device for ventilating air in a road tunnel.
[0002]
[Prior art]
The road tunnel ventilation control system removes pollutants such as carbon monoxide (CO), smoke, and nitrogen oxides (NOx) emitted from vehicles passing through the tunnel to ensure the health and safety of the driver. The tunnel environment is maintained above the standard value. As means for removing pollutants, a jet fan, an electrostatic precipitator, an air supply / exhaust device installed in a shaft for air supply / exhaust in a long tunnel, and the like are installed.
[0003]
Ventilation control in a conventional road tunnel ventilation control system is performed by combining feedforward control based on traffic volume prediction and feedback control based on measurement of a contamination value at a point where visibility is worst. The feedback control in this case has a large delay from the change in the contamination value until the change in the contamination value is detected and the effect of the ventilation control appears. It was not used for driving. FIG. 10 shows an outline of the prior art in the case of controlling the fog transmission (hereinafter referred to as VI value). So far, in order to eliminate the delay in the feedback control described above, studies have been made to observe pollution values at a plurality of observation points in the tunnel (for example, the Institute of Electrical Engineers of Japan Road Transport Study Material, RTA-99-23). PP. 43-48, 1999). FIG. 11 shows an outline of ventilation control based on multipoint contamination value measurement when the VI value is controlled.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional road tunnel ventilation control system, when the pollution value information at multiple observation points in the tunnel is available, the method of determining the operating status of the ventilator from the pollution value information at multiple observation points in the tunnel is There were problems such as not clear.
[0005]
The present invention has been made to solve the above-described problems. By determining the operating state of the ventilator from the information on the pollution values at a plurality of observation points in the tunnel, the environment in the tunnel is used as a reference. The purpose is to obtain a road tunnel management device that keeps above the value and realizes efficient ventilation operation.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
A road tunnel management device according to a first configuration of the present invention includes a pollution value detection device that detects a pollution value at a plurality of observation points in a road tunnel, and a per unit length of pollution concentration from the contamination values at the plurality of observation points. And a pollution deterioration rate calculating device for calculating a pollution deterioration rate, which is a change rate of the above, and controls the environment in the road tunnel based on the pollution deterioration rate.
[0007]
A road tunnel management device according to a second configuration of the present invention includes a target wind speed calculation device that determines a target wind speed or target air volume in a tunnel from a pollution deterioration rate, and a wind speed or air volume in a road tunnel based on the target wind speed or target air volume. And a wind speed control device for controlling .
[0008]
The road tunnel management device according to the third configuration of the present invention provides a target wind speed or target air volume based on the target wind speed or target air volume in the tunnel determined from the pollution deterioration rate and the target wind speed or target air volume in the tunnel determined from traffic volume prediction. The apparatus includes a target wind speed calculation device that determines an air volume, and a wind speed control device that controls the wind speed or the air volume in the road tunnel based on the target wind speed or the target air volume determined by the target wind speed calculation device .
[0009]
A road tunnel management device according to a fourth configuration of the present invention includes a pollution deterioration rate control device that controls a pollution deterioration rate based on a target pollution deterioration rate .
[0010]
A road tunnel management device according to a fifth configuration of the present invention includes a compensation device that calculates a time average value from a contamination value of a reference point detected by a contamination value detection device, and the contamination deterioration rate calculation device is a contamination of the reference point. The contamination deterioration rate is calculated from the time average value, the contamination value at each observation point, and the weight of each observation point .
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a block diagram showing the configuration of a road tunnel management apparatus according to
[0014]
In FIG. 1, A is a tunnel state detection unit, B is a ventilator operation state management unit, 1 is JF, 2 is a vehicle speed, transit time, traffic meter for detecting the vehicle type, 3 is an anemometer, and 4 is a VI meter. Or a pollution meter that measures a VI value with an ITV camera, 11 is a traffic state detection device that calculates a traffic state (for example, traffic volume, traffic speed, large vehicle purchase rate) from the speed, passage time, and vehicle type detected by the traffic meter. , 12 is a wind speed detection device, 13 is a pollution value detection device, 14 is a pollution prediction value calculation device, 15 is a pollution deterioration rate calculation device, 16 is a pollution meter measurement error compensation / detection device, and 17 is a traffic condition detection device. The past traffic volume, traffic speed, and large vehicle mixture rate are estimated by, for example, linear approximation, the predicted value of the traffic state from the traffic state x [k] at the current time k to the time k + 1 = x [k] + (x [k] − x [k-1]) for predicting traffic volume , 18 target wind calculating device, 19
[0015]
FIG. 3 is a flowchart showing the operation of the road tunnel management apparatus according to the first embodiment of the present invention. Here, the pollution deterioration rate is calculated from the pollution values at multiple observation points in the tunnel, the target wind speed is determined from the required wind speed from the pollution deterioration rate and the required wind speed from the traffic volume prediction, and the wind speed in the tunnel is feedback controlled. The case of controlling the operation of the ventilator will be described.
[0016]
FIG. 2 is a schematic diagram showing the distribution of contamination concentration when wind speed in a certain direction is generated in a tunnel in one road tunnel according to all embodiments of the present invention. The contamination concentration Q per unit volume at the distance x [m] from the tunnel entrance is expressed by the following equation. Where q [m 3 / m · s] is the amount of pollution that the vehicle group discharges per unit length per unit time, U [m / s] is the wind speed in the tunnel, and A T [m 2 ] is the tunnel cross-sectional area. Suppose there is.
[0017]
[Expression 1]
[0018]
From this, the contamination deterioration rate α in the tunnel in the steady state is defined by the following equation.
[0019]
[Expression 2]
[0020]
In FIG. 3, in step 1-1, the traffic volume, the wind speed / wind direction in the tunnel, and the pollution value are measured by the traffic state detection device 11, the wind
[0021]
Next, in step 1-2, the contamination deterioration
[0022]
Here, consider a case where n + 1 observation points c 0 ,..., C n are installed for every l [m] from the reference point c 0 . VI 0 to VI value per 100 [m] measured at each observation point, ..., VI n [%] , the contamination concentration per unit volume at each observation point Q 0, ..., and Q n. The relationship between the VI value VI i and the contamination concentration Q i at each observation point is expressed by the following equation. However, C is a constant.
[0023]
[Equation 3]
[0024]
From the contamination concentration Q i at each observation point, the contamination deterioration rate α out is calculated as follows, for example. However, Wi is a weight for the measurement value at each observation point, and is adjusted depending on which observation point information is important. Q 0 is a time average value of Q 0 calculated by the pollution meter measurement error compensation /
[0025]
[Expression 4]
[0026]
In the pollution meter measurement error compensation /
[0027]
Next, in step 1-3, the target wind speed is calculated by the target wind
[0028]
[Equation 5]
[0029]
Assuming that the wind speed in the tunnel is U out [m / s] and the pollution deterioration rate is α out , the target wind speed U ref1 [m / s] based on the pollution deterioration rate is calculated by the following equation.
[0030]
[Formula 6]
[0031]
Furthermore, together with the target wind speed U ref2 [m / s] based on the traffic volume prediction, for example, the target wind speed U ref [m / s] is calculated based on the following equation. Here, C 1 and C 2 are coefficients representing weights.
[0032]
[Expression 7]
[0033]
Next, in step 1-4, based on the target wind speed calculated in step 1-3, in the wind
[0034]
The wind
[0035]
The wind speed model in the tunnel is given by the following equation of motion.
[0036]
[Equation 8]
[0037]
However, U [m / s] represents the wind speed in the tunnel, m T [kg] represents the mass of the tunnel air, and F [N] represents all the forces acting on the tunnel air.
[0038]
[Equation 9]
[0039]
F r , F j , F t , and F n [N] represent the ventilation resistance, JF ventilation, traffic ventilation, and natural ventilation, respectively, and the magnitude of each force is given by the following equations.
[0040]
[Expression 10]
[0041]
[Expression 11]
[0042]
[Expression 12]
[0043]
[Formula 13]
[0044]
[Expression 14]
[0045]
Where D T [m] is the tunnel diameter, L T [m] is the tunnel length, A T [m 2 ] is the tunnel cross-sectional area, ζ e is the inlet loss coefficient, λ is the wall loss coefficient, and ρ air [kg / m 3 ] is the air density, N j [unit] is the number of operating JF, K j is the pressure increase coefficient, U j [m / s] is the JF jet velocity, A j [m 2 ] is the JF cross section, S +, S− , L +, L− are vehicle types (S: small vehicle, L: large vehicle, +: up, down: −down), A i [m 2 ] is equivalent resistance area, V ti [m] is vehicle speed, Un [M / s] represents the natural wind speed.
[0046]
In the wind speed model, for designing the feedback controller by regarding the wind speed U as the state of the system, the JF operation number N j as input, the traffic ventilation force F t and the natural ventilation force F n as disturbance (w (t)). The model can be constructed as:
[0047]
[Expression 15]
[0048]
[Expression 16]
[0049]
The feedback controller can be designed so that the output follows the target value without a steady deviation and the influence of the disturbance w (t) on the output is reduced with respect to the model for designing the feedback controller. . Details of such a controller design method are described in, for example, P. Apkarian, P. et al. Gahinet and G. Becker: Self-scheduled H∞ Control of Linear Parameter-varying Systems: a Design Example, Automatica, Vol. 31, No. 9, pp. 1251-1261 (1995).
[0050]
For example, one state of the nonlinear term (ΦU 2 ) on the right side of the equation (16) is regarded as a time-varying parameter, is discretized at a sampling interval T, and GS control is performed on a control target of the following equation in which an integrator is added to the output side. Can be designed.
[0051]
[Expression 17]
[0052]
Here, the minimum value and the maximum value of the wind speed are U min and U max , respectively. In this case, by solving the linear matrix inequality determined only from the system matrix to be controlled, the controller coefficient matrices C (U min ) and C (U max ) corresponding to the wind speeds U min and U max can be obtained. . However,
[0053]
[Formula 18]
[0054]
Suppose that The GS controller can be designed by linearly interpolating the two controllers as shown in the following equation according to the observed wind speed U out .
[0055]
[Equation 19]
[0056]
Assuming that the target wind speed is U ref [k], the error is e [k] (= U out [k] −U ref [k]), and the controller state is x c [k], the number of JF units N j [k ] Is represented by the following equation.
[0057]
[Expression 20]
[0058]
Here, although the design of the GS controller based on the wind speed model has been described, the design by the PID controller is also possible. For example, the JF operation number N j [k] is expressed by the following equation.
[0059]
[Expression 21]
[0060]
However, T is a sampling interval, K P is a proportional gain, T I is an integration time, and T D is a differentiation time.
[0061]
Next, in step 1-5, the ventilator controller 21 operates the ventilator based on the number of JF operations calculated in step 1-4.
[0062]
Embodiment 2. FIG.
FIG. 4 is a flowchart showing the operation of the road tunnel management apparatus according to the second embodiment.
[0063]
Here, the pollution value at the worst point of pollution is predicted from the pollution values at multiple observation points in the tunnel, the target wind speed is determined from the necessary wind speed from the predicted pollution value and the necessary wind speed from the traffic volume prediction, and the wind speed in the tunnel is calculated. A case where the operation of the ventilator is controlled by feedback control will be described.
[0064]
In the second embodiment, steps 2-1, 2-4 and 2-5 corresponding to steps 1-1, 1-4 and 1-5 of the first embodiment are the same as those in the first embodiment. Hereinafter, step 2-2 and step 2-3 will be described.
[0065]
In step 2-2, the contamination predicted
[0066]
Here, Q (x, t) is defined as the contamination concentration at the point where the distance from the tunnel entrance at the time t [s] is x [m]. The predicted value Q ′ (L) of the contamination concentration per unit volume at the distance L [m] after the distance x [m] reaches the distance L [m] (L−x) / U [s]. , T + (L−x) / U) can be obtained by the following equation.
[0067]
[Expression 22]
[0068]
Next, in step 2-3, the target wind speed is calculated from the predicted pollution value, the concentration deterioration reference value, the wind speed in the tunnel, and the predicted traffic volume in the target wind
[0069]
When the predicted contamination value Q ′ (L, t + (L−x) / U) calculated in step 2-2 at time t is predicted to exceed the concentration deterioration reference value Q max , it is suppressed to a concentration deterioration reference value or less. The necessary wind speed is
[0070]
[Expression 23]
[0071]
Than,
[0072]
[Expression 24]
[0073]
And can be calculated.
[0074]
Embodiment 3 FIG.
FIG. 5 is a flowchart showing the operation of the road tunnel management apparatus according to Embodiment 3 of the present invention.
[0075]
Here, the pollution deterioration rate is calculated from the pollution values at multiple observation points in the tunnel, and the number of JF operations calculated from the pollution deterioration rate by feedback control and the number of JF operations calculated from the traffic forecast are combined. The case where operation is controlled will be described.
[0076]
In the third embodiment, steps 3-1, 3-2 and 3-4 corresponding to steps 1-1, 1-2 and 1-5 of the first embodiment are the same as those in the first embodiment. Hereinafter, step 3-3 will be described.
[0077]
In step 3-3, it is necessary to maintain the contamination deterioration rate at the target contamination deterioration rate in the contamination deterioration
[0078]
The contamination deterioration
[0079]
The JF operation number N j [k] can be calculated using the contamination deterioration rate α out [k] and the target contamination deterioration rate α ref [k].
[0080]
[Expression 25]
[0081]
Where e α [k] = α ref [k] −α out [k], T is a sampling interval, K P is a proportional gain, a and b are parameters, T I is an integration time, and T D is a differentiation time. .
[0082]
8 and 9 are block diagrams showing the configuration of the road tunnel management apparatus according to
[0083]
The unique
[0084]
In the above embodiment, the case where the ventilator in the road tunnel is controlled based on the pollution deterioration rate has been described. However, the present invention can also be applied to a lighting device in the road tunnel. The lighting device is controlled to increase the illumination when the value is higher. In the above-described embodiment, the case where the VI value is controlled as the contamination value is described. However, for example, carbon monoxide can be controlled by the same method.
[0085]
【The invention's effect】
As described above, according to the road tunnel management device according to the first to sixth configurations of the present invention, when information on the contamination value at a plurality of observation points in the tunnel is available, a plurality of observation points in the tunnel Since the method of determining the operating condition of the ventilator from the information of the pollution value in Japan has been clarified, a road tunnel management device that maintains the environment in the tunnel above the reference value and realizes efficient ventilator operation is obtained. There is an effect that can.
[0086]
Further, according to the road tunnel management device of the seventh configuration of the present invention, the environment in the tunnel is maintained above the reference value in a plurality of continuous (branching) road tunnels, and efficient operation of the ventilator is performed. There is an effect that a road tunnel management device to be realized can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of a road tunnel management apparatus according to
FIG. 2 is a schematic diagram showing the distribution of contamination concentration when a constant direction of wind speed is generated in a tunnel in one road tunnel according to all embodiments of the present invention.
FIG. 3 is a flowchart showing the operation of the road tunnel management apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a flowchart showing the operation of the road tunnel management apparatus according to Embodiment 2 of the present invention.
FIG. 5 is a flowchart showing the operation of the road tunnel management apparatus according to Embodiment 3 of the present invention.
FIG. 6 is a block diagram showing an outline of a wind speed control system realized in the road tunnel management device according to the first and second embodiments of the present invention.
FIG. 7 is a block diagram showing an outline of a pollution deterioration rate control system realized in a road tunnel management apparatus according to Embodiment 3 of the present invention.
FIG. 8 is a block diagram showing a configuration of a road tunnel management device in a continuous road tunnel according to
FIG. 9 is a block diagram showing a configuration of a road tunnel management apparatus in a branched road tunnel according to
FIG. 10 is a schematic diagram showing conventional pollution value measurement and ventilation control.
FIG. 11 is a schematic diagram showing conventional multipoint contamination value measurement and ventilation control.
[Explanation of symbols]
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