JP4284746B2 - Flow rate calculation method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流量を計測する流量演算方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の流量計測装置は、流体の流れる流路の上流側と下流側とに一対の超音波振動子を設け、上流側の超音波振動子から下流側の超音波振動子への、あるいは、下流側の超音波振動子から上流側の超音波振動子への超音波の伝搬時間を計測し、その時間差から流体の流速を演算し、流量を計測していた(特開平9−33308号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の流量計測装置では、次のような課題があった。
【0004】
すなわち超音波の伝搬時間を計測するのに、受信した超音波波形の第n番目のゼロクロス点を用いるため、超音波の送信波形もしくは受信波形に雑音、たとえば超音波振動子などの不要振動が含まれていると、伝搬時間の計測に誤差が発生することになるという課題があった。即ち、この不要振動成分が、受信波形に含まれると伝播時間を計測する第n番目のゼロクロス点が時間的に変動するジッター成分を含むことになり、その分不安定になり、時間計測における雑音となって、計測精度が低下することになる。
【0005】
例えば、単一周波数からなるパルス波形あるいは正弦波形で超音波振動子を駆動しても、送信された超音波波形、もしくは受信された超音波波形には、超音波振動子を構成する圧電体、あるいはパッケージ、あるいは固定方法などに起因する駆動周波数以外のいわゆる不要振動成分が含まれることになり、ゼロクロス点が時間的に変動し、ジッター成分を含むことになり誤差が発生することになるという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、本発明の流量演算方法は、流体の流れる流路の上流側と下流側とに対向するようにして配設した超音波振動子の一方を駆動して超音波を送信する送信ステップと、前記一方の超音波振動子から送信された超音波を他方の超音波振動子で受信する受信ステップと、前記一方の超音波振動子が超音波を送信してから前記他方の超音波振動子で受信するまでの時間を計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測された時間から前記流路を流れる流体の流量を演算する演算ステップとからなる流量演算方法であって、前記送信ステップにおいて前記超音波振動子を駆動させるときに、主周波数と、前記超音波振動子の不要振動周波数である副周波数を合成するものである。これにより、超音波振動子を主周波数で駆動するとともに、超音波振動子を構成する圧電体、あるいはパッケージ、あるいは固定方法などに起因する駆動周波数以外のいわゆる不要振動成分からなる種々の周波数からなる副周波数成分でも同時に駆動し、この副周波数成分を主周波数成分に対し、その振幅を正負に変えたり、また、その位相を駆動のたびに変化させたり、例えば、進めたり遅らせたりすることにより、ゼロクロス点による伝搬時間計測を実施すると、不要振動成分によるゼロクロス点の時間的変動、即ちジッター成分が平均化され、その結果、誤差の含まない精度の高い流量計測ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、流体の流れる流路の上流側と下流側とに超音波振動子を対向して配設し、複数の周波数で合成された駆動周波数で前記超音波振動子を駆動し、前記振動子間を超音波が伝搬する時間差から流量を演算してなる構成としたものである。この構成により、超音波振動子を駆動する周波数に、主周波数成分に加えて、単一の周波数で駆動した場合に発生する種々の不要振動成分を含めることが可能となり、その結果、この不要振動成分を大きくしたり、小さく抑えたりすることができ、ゼロクロス点がより安定し、流量計測の精度が向上する。
【0008】
また、前記駆動周波数を、主周波数と副周波数とで構成し、副周波数を超音波振動子の不要振動周波数とする構成とし、前記副周波数の振幅を主周波数の振幅に対し、種々変化させる構成とした。この構成により、超音波振動子を駆動する主周波数成分に対し、不要振動成分からなる副周波数成分の振幅を変えて含めることができ、この不要振動成分を抑えることができ、ゼロクロス点が安定し、流量計測の精度が向上する。
【0009】
また、前記駆動周波数を、主周波数と副周波数とで構成し、副周波数の位相を主周波数に対し、交互に180度反転し駆動する構成とした。この構成により、超音波振動子を駆動する主周波数成分に対し、不要振動成分からなる副周波数成分の位相を変えて含めることができ、この不要振動成分を抑えることができ、ゼロクロス点が安定し、流量計測の精度が向上する。なお、複数回計測する場合には、駆動ごとに位相を反転させるので、計測結果を平均化処理することにより、ゼロクロス点がより一層安定し、計測精度が向上する。
【0010】
また、前記駆動周波数を、主周波数と副周波数とで構成し、副周波数の位相を主周波数に対し、複数回の計測中に順次変化させ駆動する構成とした。この構成により、複数回計測する場合には、その計測回数全数にわたって位相が一回転するように、駆動ごとに位相を順次変化させるので、不要振動によるゼロクロス点の変動が平均化され、より一層安定し、計測精度が向上する。
【0011】
また、前記副周波数を、超音波振動子のパッケージに起因する共振周波数とする構成とした。この構成により、パッケージに起因する共振周波数によるゼロクロス点の変動が抑制され、計測精度が向上する。
【0012】
また、前記副振動周波数を、超音波振動子の圧電体に起因する共振周波数とする構成とした。この構成により、超音波振動子の圧電体に起因する共振周波数によるゼロクロス点の変動が抑制され、計測精度が向上する。
【0013】
また、前記副振動周波数を、超音波流量計の計測システムに起因する共振周波数とする構成とした。この構成により、超音波流量計の計測システムに起因する共振周波数によるゼロクロス点の変動が抑制され、計測精度が向上する。
【0014】
また、前記超音波が伝搬する時間差をシングアラウンド法を用いて計測する構成とした。この構成により、複数回計測するシングアラウンド法を用いる超音波流量計に対して特に有効に作用し、ゼロクロス点が複数回の計測により平均化処理される結果となり、計測精度が大幅に向上する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0016】
(実施例1)
図1(a)、(b)は本発明の実施例1の流量計測装置の断面図である。図1(a)は、流路1の断面図を示し、流体の流れる部分2の上流側と下流側とに一対の超音波振動子3、4を対向して設けた。流体の流れる方向6(矢印5で示す)と振動子3、4間を超音波が伝搬する方向7とは、交叉角Anで交叉するようにした。図1(b)は、流路1の側面図を示し、Wは流路1の幅を、Hは流路1の高さをそれぞれ示す。図2に、超音波振動子の送信波形8と受信波形9とを示す。図2中のTt、Trはそれぞれ送信開始時間、受信時間を示す。通常の場合、受信時間Trは、雑音レベル内に埋もれていることが多く、正確に特定することができないので、第n番目のTr'示すゼロクロス点を受信時間とし、受信時間と送信時間との差、Tr'−Ttを超音波の伝搬時間としている。例えば、超音波振動子3,4間の距離をL、超音波の伝搬速度をVs、流体の流れる速度をVf、上流側の超音波振動子3から下流側の超音波振動子4への超音波の伝搬時間をTud、下流側の超音波振動子4から上流側の超音波振動子3への超音波の伝搬時間をTdu、とすると次式が成り立つ。
【0017】
Tud=L/[Vs+Vf*COS(An)]
Tdu=L/[Vs−Vf*COS(An)]
これより、[Vs+Vf*COS(An)]=L/Tud
[Vs−Vf*COS(An)]=L/Tdu
よって、2*Vf*COS(An)=[(L/Tud)−(L/Tdu)]
また、Vf=[(L/Tud)−(L/Tdu)]/[2*COS(An)]
このよう演算して求めた流体の流速、Vfに、流路1の断面積(W*H)を乗じ、流量としている。従って、上流側から下流側への、あるいは下流側から上流側への伝搬時間を正確に計測できればできるほど、流量計測の精度が向上することになる。
【0018】
図3に、超音波の受信波形9をスペクトルアナライザで観測した結果を示す。図3において、横軸は周波数を、縦軸にその周波数成分の強度を示す。最も大きいピーク10は受信波形9の主周波数成分を示し、サイドローブの11、12、13などの小さいピークは複数個の不要振動成分を示す。このように受信波形9には、種々の不要振動成分が含まれている。この受信波形9に含まれる不要振動成分11、12、13は、伝搬時間を計測するゼロクロス点、Tr'にも大きく影響を及ぼし、ゼロクロス点Tr’が、これらの不要振動成分で振動している、即ちジッター成分を含むことを意味している。従って、これらの不要振動成分が小さいほど、ジッター成分が少ないほど、安定して伝搬時間を計測できることになる。
【0019】
なお、これらの不要振動成分は、超音波振動子を構成する圧電振動子の主周波数としてどの振動モードを用いるかによって変化する。例えば、主周波数として縦振動を用いる場合、より低周波数側に、横振動モード、厚みすべりモードあるいは輪郭モードなどが該当する。また、圧電振動子のどの部分を接着あるいは固定するかなどのパッケージによっても種々の不要振動成分が発生する。また、シングアラウンド法などの計測システムなどによっても不要振動成分が発生する。
【0020】
図4に、不要振動を抑えるための送信波形を示す。8は、主周波数を示し、14は副周波数を示す。図4中のTmは主周波数8の周期を、Tdは主周波数8と副周波数14との開始時間差を、Ampは主周波数成分の振幅に対する副周波数成分の振幅比をそれぞれ示す。主周波数は矩形波3波からなるバースト波を用い、副周波数は矩形波2波からなるバースト波を用いた。
【0021】
また、流量計測の安定性評価は、流量計測を100回繰り返し、その計測値のばらつきから判定した。Tdを、(0.75〜1.50)*Tmの範囲で、また、振幅Ampを、(0.1〜0.4)の範囲で変化させたところ、送信波形が、主周波数のみの単一周波数からなる場合に比べ、流量計測の安定度が、約5〜20%改善された。すなわち、送信波形が主周波数のみの単一周波数からなる場合の流量計測結果がQmeas±dQであったのが、主周波数と副周波数とからなる送信波形を用いた場合には、Qmeas±dQ*(0.95〜0.80)に改善されたことを意味する。
【0022】
このように、超音波振動子を主周波数のみで駆動するのではなく、種々の周波数からなる副周波数成分を含ませることにより、この副周波数成分の振幅あるいは位相を変化させることにより、受信波形に含まれる不要振動成分を小さくすることができ、時間計測におけるジッター成分を減少させ、時間計測の精度を向上させることができる。
【0023】
(実施例2)
超音波振動子を駆動する周波数を、図4に示した主周波数8で構成するとともに、副周波数成分14として、図3に示した不要振動成分を構成する周波数とした。即ち、超音波の受信波形を図3に示したようにスペクトルアナライザで分析し、11、12、13などの不要振動成分の周波数を求め、副周波数とした。このように超音波の受信波形をスペクトル分析することにより、簡単に副周波数を決定することができた。このようにして、副周波数成分を簡単に設定することができるとともに、効率よく受信波形のゼロクロス点のジッターを抑えることができた。
【0024】
(実施例3)
図5に、偶数回の伝播時間計測の用いる主周波数と副周波数との位相関係を示す。
【0025】
副周波数は、実施例2で示したようにして求めた。15は主周波数成分からなる3波の矩形波からなる駆動波形を、16は不要振動成分で構成される副周波数成分からなる2波の矩形波を、17は16と同じ周波数からなり、16よりも位相が180度遅れた2波の矩形波を示す。例えば、上流側の超音波振動子3から超音波を送信し、下流側の超音波振動子4で受信し、その時の超音波伝播時間を計測し、また逆に、下流側の超音波振動子4から超音波を送信し、上流側の超音波振動子3で受信し、その時の超音波伝播時間、およびその時間差を計測する。通常の場合、このような計測を偶数回、あるいは複数回計測し、計測した伝播時間を平均化処理することにより精度を上げている。
【0026】
偶数回計測する場合には、例えば、奇数回目の超音波伝播時間計測には、15と16からなる駆動波形を用い、超音波振動子を駆動し、超音波伝播時間を計測し、偶数回目の超音波伝播時間計測には、15と17とからなる駆動波形を用いて超音波振動子を駆動し、超音波伝播時間を計測し、これらの計測結果を、平均化処理することにより、さらに一段と超音波伝播時間計測における第n番目のゼロクロス点のジッターを少なくすることができる。例えば、奇数回目の計測において、正のジッターが発生したとすると、偶数回目の計測においては、負のジッターが発生することになる。従って、平均化処理することにより、これら正負のジッタ成分を解消することができ、計測精度が一段と向上することになる。
【0027】
(実施例4)
図6に、複数回の伝播時間計測の用いる主周波数と副周波数との位相関係を示す。
【0028】
副周波数は、実施例2で示したようにして求めた。18は主周波数成分からなる3波の矩形波からなる駆動波形を、19は不要振動成分で構成される副周波数成分からなる2波の矩形波を、20は、19と同じ周波数からなり、19よりも位相がφ度遅れた2波の矩形波を示す。予め超音波伝播時間の計測回数が決められている場合、例えば、10回計測する場合、1回目の計測には、18と19とからなる駆動波形を用いて超音波伝播時間を計測する。2回目の計測には、18と位相(φ)が36度遅れた波形19とからなる駆動波形を用いて超音波伝播時間を計測する。
【0029】
このように第k回目の計測には、18と位相(φ)が36*(kー1)度遅れた波形19とからなる駆動波形を用いて超音波伝播時間を計測する。このようにして10回計測すると、10回の計測中の駆動波形には、位相が0度から順次遅れ、324度まで遅れた波形20が含まれることになる。従って、これらの駆動波形を用いて超音波伝播時間を計測し、これらの結果を平均化処理することにより、超音波伝播時間を計測するゼロクロス点でのジッターが、これらの位相遅れにより解消することができ、計測精度が一段と向上することになる。
【0030】
(実施例5)
超音波振動子を駆動する周波数を、図4に示した主周波数8で構成するとともに、副周波数成分14として、超音波振動子のパッケージに起因する不要振動成分で構成するようにした。図7に超音波振動子の概観図を、図8にその断面図を示す。21は金属パッケージ22の上面に接着された樹脂材料で構成された音響整合層を、23は金属製端子台を示す。24は圧電セラミックを示し、金属パッケージ22の内面に接着されている。25、26は圧電セラミック24の上下両面に形成された電極を示し、電極26は金属パッケージ22を介して、金属製端子台23の端子27に電気的に接続されている。
【0031】
一方、電極26は、リード線28を介して、端子台23に絶縁ガラス29によりハーメチック固定された端子30に電気的に接続されている。このような構成の超音波振動子の端子27、30に駆動信号を入力すると、圧電セラミック24が縦振動したり、あるいは広がり振動したりし、音響整合層21を介して、超音波が放出される。この時、金属パッケージ22に付随する各種の共振振動が、不要振動として発生する。即ち、円筒状の金属製パッケージ22が輪郭振動を起こしたり、あるいは撓み振動を起こしたりして低周波の不要振動を発生する。このパッケージに付随する低周波の不要振動は、送信側の振動子からは超音波振動として放出されたり、あるいは受信側振動子では受信した超音波振動子により誘因されたりして発生する。
【0032】
これらの不要振動は、周波数が低いためなかなか減衰することなく、長く残響するため、超音波時間計測の第n番目のゼロクロス点のジッターとして計測され、精度低下の一因であった。従って、これらの金属パッケージに起因する共振周波数を副周波数成分として、主周波数成分とともに駆動波形として用いることにより超音波伝播時間計測の精度を大幅に向上することができる。
【0033】
(実施例6)
図9に超音波振動子のインピーダンス特性を示す。31の部分が、超音波振動として放出する超音波振動子の共振部分を示し、32が反共振部分を、33が他の振動モード部分を示す。例えば、超音波振動として放出する振動が縦振動である場合、他の振動モード33は、撓み振動であったり、横振動であったり、輪郭振動であったりする不要振動成分である。従って、これらの不要振動を副周波数成分として、主周波数成分とともに駆動波形として用いることにより、これらの不要振動を小さく抑えることができ、超音波伝播時間計測の精度が大幅に向上する。
【0034】
(実施例7)
シングアラウンド計測法の場合について、図1を用いて以下に説明する。シングアラウンド計測法の場合、例えば、上流側の超音波振動子3から超音波が下流側の超音波振動子4に向かって放出され、例えば、約200μsec後に、下流側の超音波振動子4で、超音波が受信される。超音波が受信されると遅延回路が動作し約150μsec後に、下流側の超音波振動子から上流側の超音波振動子に超音波を受信したと、信号が伝達される。この信号伝達をカウンタ回路でカウントし、例えば100回繰り返す時間を計測するのがシングアラウンド法である。この方法を用いると10MHzの時計であっても、1000MHz相当の時間分解能で時間を計測することができる。
【0035】
このようなシングアラウンド計測においては、受信側の超音波振動子は、計測の間中、約350μsecごとに超音波を受信することになる。このため、受信側の超音波振動子では、約350μsec分の1、即ち、2.86kHzで、強制振動を受けることになる。この強制振動がゼロクロス点のジッターの要因となり、計測精度が低下する結果となる。従って、これらの強制振動を副周波数成分として、即ち、計測システムに起因する共振周波数を副周波数として、主周波数成分とともに駆動波形として用いることにより超音波伝播時間計測の精度が大幅に向上する。
【0036】
(実施例8)
時間計測する第n番目のゼロクロス点にジッターを含ませない様にする本発明は、低周波数成分のジッターに対して特に有効である。即ち、周波数の低いジッター成分は一度発生すると、減衰までの数十周期間にわたって継続するので、その間時間計測の精度が著しく低下することになる。従って、実施例7で説明したように、約2.86kHzの低周波成分を含むシングアラウンド計測法に対して特に有効である。即ち、本発明の複数の周波数成分からなる駆動波形を用いないでシングアラウンド法を用いて超音波伝播時間を高精度に計測することは、非常に困難である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の流量演算方法によれば次の効果が得られる。
【0038】
(1)流路の上流側と下流側とに一対の超音波振動子を対向して設置し、複数の周波数で合成された駆動周波数で超音波振動子を駆動する構成としたので、超音波の伝播時間を計測するゼロクロス点でのジッターを抑えることができ、計測精度が向上する。
【0039】
(2)駆動周波数を、主周波数と副周波数とで構成し、副周波数を超音波振動子の不要振動周波数とする構成としたので、超音波の受信波形をスペクトル解析することにより、簡単に副周波数を決定することができる。
【0040】
(3)偶数回の計測中において、副周波数の位相を主周波数に対し、交互に180度反転し、計測結果を平均化処理することで、計測精度を向上することができる。
【0041】
(4)複数回の計測中に副周波数の位相を主周波数に対し、順次変化させて、計測結果を複数回で平均化処理することで、計測精度を向上することができる。
【0042】
(5)副振動周波数を、超音波振動子のパッケージに起因する共振周波数とする構成としたので、パッケージに起因する共振周波数のジッター成分を抑えることができ、計測精度を向上することができる。
【0043】
(6)副振動周波数を、超音波振動子の圧電体に起因する共振周波数とする構成としたので、圧電体に起因する共振周波数のジッター成分を抑えることができ、計測精度を向上することができる。
【0044】
(7)副振動周波数を、超音波流量計の計測システムに起因する共振周波数とする構成としたので、計測システムに起因する共振周波数のジッター成分を抑えることができ、計測精度を向上することができる。
【0045】
(8)低周波のジッターを取り除くことができるので、シングアラウンド法を用いて計測する流量計測に対して特に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1の流量計測装置の平面断面図
(b)同装置の側面図
【図2】同装置における送信波形と受信波形を示す図
【図3】同装置における受信波形のスペクトル図
【図4】同装置における駆動波形を構成する主・副周波数成分を示す図
【図5】本発明の実施例3の流量計測装置における駆動波形を説明する図
【図6】本発明の実施例4の流量計測装置における駆動波形の位相変化を説明する図
【図7】本発明の実施例5の流量計測装置における超音波振動子の外観斜視図
【図8】本発明の実施例5の流量計測装置における超音波振動子の断面図
【図9】本発明の実施例6の流量計測装置における超音波振動子のインピーダンス特性図
【符号の説明】
1 流路
3 上流側の超音波振動子
4 下流側の超音波振動子
8 駆動波形
9 受信波形
10 主周波数
11、12、13 不要振動波形
22 金属製パッケージ
24 圧電セラミック[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flow rate calculation method for measuring a flow rate of a fluid.
[0002]
[Prior art]
This type of conventional flow measurement device is provided with a pair of ultrasonic transducers on the upstream side and downstream side of the flow path of fluid, and from the upstream ultrasonic transducer to the downstream ultrasonic transducer, Alternatively, the propagation time of the ultrasonic wave from the downstream ultrasonic transducer to the upstream ultrasonic transducer is measured, and the flow rate of the fluid is calculated from the time difference to measure the flow rate (Japanese Patent Laid-Open No. 9-33308). Issue gazette).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional flow measuring device has the following problems.
[0004]
In other words, since the nth zero-cross point of the received ultrasonic waveform is used to measure the propagation time of the ultrasonic wave, noise such as an unnecessary vibration such as an ultrasonic vibrator is included in the ultrasonic wave transmission waveform or the received waveform. However, there is a problem that an error occurs in the measurement of the propagation time. That is, if this unnecessary vibration component is included in the received waveform, the nth zero-cross point for measuring the propagation time will include a jitter component that fluctuates in time, and becomes unstable accordingly. As a result, the measurement accuracy decreases.
[0005]
For example, even if the ultrasonic transducer is driven with a pulse waveform or a sine waveform having a single frequency, the transmitted ultrasonic waveform or the received ultrasonic waveform has a piezoelectric body constituting the ultrasonic transducer, Or, a so-called unnecessary vibration component other than the drive frequency due to the package or the fixing method will be included, and the zero-cross point will fluctuate with time and will include a jitter component, resulting in an error. was there.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the flow rate calculation method according to the present invention drives one of ultrasonic transducers disposed so as to face the upstream side and the downstream side of the flow path through which the fluid flows. A transmission step of transmitting ultrasonic waves, a reception step of receiving ultrasonic waves transmitted from the one ultrasonic transducer by the other ultrasonic transducer, and the one ultrasonic transducer transmitting ultrasonic waves A flow rate calculation method comprising: a measurement step for measuring a time from reception to reception by the other ultrasonic transducer; and a calculation step for calculating a flow rate of the fluid flowing through the flow path from the time measured in the measurement step. Thus, when the ultrasonic transducer is driven in the transmission step, a main frequency and a sub frequency that is an unnecessary vibration frequency of the ultrasonic transducer are synthesized. Thus, the ultrasonic vibrator is driven at the main frequency, and is composed of various frequencies including so-called unnecessary vibration components other than the driving frequency caused by the piezoelectric body, the package, or the fixing method constituting the ultrasonic vibrator. By driving the sub-frequency component at the same time, changing the amplitude of the sub-frequency component relative to the main frequency component to positive or negative, or changing its phase every time it is driven, for example, advance or delay, When the propagation time measurement at the zero cross point is performed, the time fluctuation of the zero cross point due to the unnecessary vibration component, that is, the jitter component is averaged. As a result, the flow rate can be measured with high accuracy without error.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the present invention, ultrasonic transducers are disposed opposite to an upstream side and a downstream side of a flow path through which a fluid flows, the ultrasonic transducers are driven at a driving frequency synthesized with a plurality of frequencies, and the vibrations The flow rate is calculated from the time difference during which the ultrasonic wave propagates between the children. With this configuration, it is possible to include various unnecessary vibration components generated when driving at a single frequency in addition to the main frequency component in the frequency at which the ultrasonic transducer is driven. The component can be increased or decreased, the zero cross point is more stable, and the accuracy of flow measurement is improved.
[0008]
The drive frequency is composed of a main frequency and a sub frequency, the sub frequency is an unnecessary vibration frequency of the ultrasonic vibrator, and the amplitude of the sub frequency is variously changed with respect to the amplitude of the main frequency. It was. With this configuration, it is possible to change the amplitude of the sub-frequency component consisting of unnecessary vibration components with respect to the main frequency component that drives the ultrasonic transducer, and to suppress this unnecessary vibration component, and to stabilize the zero cross point. , The accuracy of flow measurement is improved.
[0009]
The drive frequency is composed of a main frequency and a sub frequency, and the phase of the sub frequency is alternately inverted by 180 degrees with respect to the main frequency for driving. With this configuration, the phase of the sub-frequency component consisting of unnecessary vibration components can be changed and included with respect to the main frequency component that drives the ultrasonic transducer, this unnecessary vibration component can be suppressed, and the zero-cross point is stable. , The accuracy of flow measurement is improved. In the case of measuring a plurality of times, the phase is inverted every time driving is performed. By averaging the measurement results, the zero cross point is further stabilized and the measurement accuracy is improved.
[0010]
In addition, the drive frequency is configured by a main frequency and a sub frequency, and the phase of the sub frequency is sequentially changed with respect to the main frequency during a plurality of measurements and is driven. With this configuration, when measuring multiple times, the phase is changed sequentially for each drive so that the phase rotates once over the total number of measurements, so fluctuations in the zero cross point due to unwanted vibration are averaged and become more stable. Measurement accuracy is improved.
[0011]
Further, the sub-frequency is set to a resonance frequency caused by the package of the ultrasonic transducer. With this configuration, the variation of the zero cross point due to the resonance frequency caused by the package is suppressed, and the measurement accuracy is improved.
[0012]
The sub-vibration frequency is set to a resonance frequency caused by the piezoelectric body of the ultrasonic vibrator. With this configuration, the fluctuation of the zero cross point due to the resonance frequency caused by the piezoelectric body of the ultrasonic transducer is suppressed, and the measurement accuracy is improved.
[0013]
Further, the secondary vibration frequency is set to a resonance frequency caused by the measurement system of the ultrasonic flowmeter. With this configuration, the fluctuation of the zero cross point due to the resonance frequency caused by the measurement system of the ultrasonic flowmeter is suppressed, and the measurement accuracy is improved.
[0014]
In addition, a time difference in which the ultrasonic wave propagates is measured using a sing-around method. With this configuration, the ultrasonic flowmeter using the sing-around method for measuring a plurality of times works particularly effectively, and the zero cross point is averaged by a plurality of times of measurement, and the measurement accuracy is greatly improved.
[0015]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0016]
Example 1
1A and 1B are cross-sectional views of a flow rate measuring apparatus according to
[0017]
Tud = L / [Vs + Vf * COS (An)]
Tdu = L / [Vs-Vf * COS (An)]
From this, [Vs + Vf * COS (An)] = L / Tud
[Vs−Vf * COS (An)] = L / Tdu
Therefore, 2 * Vf * COS (An) = [(L / Tud)-(L / Tdu)]
Also, Vf = [(L / Tud)-(L / Tdu)] / [2 * COS (An)]
The fluid flow velocity Vf obtained by the above calculation is multiplied by the cross-sectional area (W * H) of the
[0018]
FIG. 3 shows the result of observing the
[0019]
Note that these unnecessary vibration components change depending on which vibration mode is used as the main frequency of the piezoelectric vibrator constituting the ultrasonic vibrator. For example, when longitudinal vibration is used as the main frequency, the lateral vibration mode, the thickness shear mode, or the contour mode corresponds to the lower frequency side. Further, various unnecessary vibration components are generated depending on the package such as which part of the piezoelectric vibrator is bonded or fixed. Moreover, an unnecessary vibration component is also generated by a measuring system such as a sing-around method.
[0020]
FIG. 4 shows a transmission waveform for suppressing unnecessary vibration. 8 indicates a main frequency, and 14 indicates a sub-frequency. In FIG. 4, Tm represents the period of the
[0021]
In addition, the stability evaluation of the flow rate measurement was performed by repeating the flow rate measurement 100 times and judging from the variation of the measured value. When Td is changed in the range of (0.75 to 1.50) * Tm and the amplitude Amp is changed in the range of (0.1 to 0.4), the transmission waveform has a single frequency only. Compared with the case of a single frequency, the stability of the flow rate measurement was improved by about 5 to 20%. That is, the flow measurement result when the transmission waveform is composed of only a single frequency of the main frequency is Qmeas ± dQ, but when the transmission waveform composed of the main frequency and the sub-frequency is used, Qmeas ± dQ * It means that it was improved to (0.95-0.80).
[0022]
In this way, the ultrasonic transducer is not driven only at the main frequency, but by including sub-frequency components composed of various frequencies, the amplitude or phase of this sub-frequency component is changed, so that the received waveform is changed. The unnecessary vibration component contained can be reduced, the jitter component in time measurement can be reduced, and the accuracy of time measurement can be improved.
[0023]
(Example 2)
The frequency for driving the ultrasonic vibrator is configured by the
[0024]
(Example 3)
FIG. 5 shows the phase relationship between the main frequency and the sub frequency used for even-number propagation time measurement.
[0025]
The sub-frequency was determined as shown in Example 2. 15 is a drive waveform consisting of three rectangular waves consisting of main frequency components, 16 is a two-wave rectangular wave consisting of sub-frequency components consisting of unwanted vibration components, 17 is the same frequency as 16, and 16 2 also shows two rectangular waves whose phases are delayed by 180 degrees. For example, ultrasonic waves are transmitted from the
[0026]
In the case of measuring even number of times, for example, for the ultrasonic propagation time measurement of the odd number of times, a driving waveform consisting of 15 and 16 is used, the ultrasonic transducer is driven, the ultrasonic propagation time is measured, In ultrasonic propagation time measurement, an ultrasonic transducer is driven using a drive waveform consisting of 15 and 17, ultrasonic propagation time is measured, and these measurement results are further averaged to further increase the ultrasonic propagation time. It is possible to reduce jitter at the nth zero-cross point in ultrasonic propagation time measurement. For example, if a positive jitter occurs in the odd-number measurement, a negative jitter occurs in the even-number measurement. Therefore, by performing the averaging process, these positive and negative jitter components can be eliminated, and the measurement accuracy is further improved.
[0027]
(Example 4)
FIG. 6 shows the phase relationship between the main frequency and the sub-frequency used for multiple times of propagation time measurement.
[0028]
The sub-frequency was determined as shown in Example 2.
[0029]
Thus, in the k-th measurement, the ultrasonic propagation time is measured using a drive waveform including 18 and the
[0030]
(Example 5)
The frequency for driving the ultrasonic vibrator is constituted by the
[0031]
On the other hand, the
[0032]
Since these unnecessary vibrations are reverberated for a long time without being attenuated because the frequency is low, they are measured as jitter at the nth zero-cross point in the ultrasonic time measurement, which is a cause of a decrease in accuracy. Therefore, the accuracy of ultrasonic propagation time measurement can be greatly improved by using the resonance frequency resulting from these metal packages as a sub-frequency component and a driving waveform together with the main frequency component.
[0033]
(Example 6)
FIG. 9 shows the impedance characteristics of the ultrasonic transducer. A portion 31 indicates a resonance portion of an ultrasonic transducer that emits as ultrasonic vibration, 32 indicates an anti-resonance portion, and 33 indicates another vibration mode portion. For example, when the vibration emitted as the ultrasonic vibration is a longitudinal vibration, the
[0034]
(Example 7)
The case of the sing-around measurement method will be described below with reference to FIG. In the case of the sing-around measurement method, for example, an ultrasonic wave is emitted from the upstream
[0035]
In such a sing-around measurement, the ultrasonic transducer on the receiving side receives an ultrasonic wave every about 350 μsec during the measurement. For this reason, the ultrasonic transducer on the receiving side receives forced vibration at about 1/350 μsec, that is, 2.86 kHz. This forced vibration causes a jitter at the zero cross point, resulting in a decrease in measurement accuracy. Therefore, the accuracy of ultrasonic propagation time measurement is greatly improved by using these forced vibrations as sub-frequency components, that is, using the resonance frequency caused by the measurement system as a sub-frequency as a drive waveform together with the main frequency component.
[0036]
(Example 8)
The present invention in which no jitter is included in the nth zero cross point for time measurement is particularly effective for jitter of low frequency components. That is, once a jitter component having a low frequency is generated, it continues for several tens of cycles until attenuation, and the accuracy of time measurement is significantly reduced during that period. Therefore, as described in the seventh embodiment, the present invention is particularly effective for a sing-around measurement method including a low frequency component of about 2.86 kHz. That is, it is very difficult to measure the ultrasonic propagation time with high accuracy using the sing-around method without using the drive waveform composed of a plurality of frequency components of the present invention.
[0037]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, the flow rate calculation method of the present invention provides the following effects.
[0038]
(1) Since a pair of ultrasonic transducers are installed facing each other on the upstream side and the downstream side of the flow path, and the ultrasonic transducer is driven at a drive frequency synthesized with a plurality of frequencies, Jitter at the zero-crossing point for measuring the propagation time can be suppressed, and the measurement accuracy is improved.
[0039]
(2) Since the drive frequency is composed of a main frequency and a sub frequency, and the sub frequency is set as an unnecessary vibration frequency of the ultrasonic transducer, it is possible to easily perform sub analysis by analyzing the spectrum of the received ultrasonic wave. The frequency can be determined.
[0040]
(3) During even-number measurement, the phase of the sub-frequency is alternately inverted by 180 degrees with respect to the main frequency, and the measurement result is averaged to improve measurement accuracy.
[0041]
(4) The measurement accuracy can be improved by sequentially changing the phase of the sub-frequency with respect to the main frequency during a plurality of measurements and averaging the measurement results a plurality of times.
[0042]
(5) Since the sub-vibration frequency is set to the resonance frequency caused by the package of the ultrasonic transducer, the jitter component of the resonance frequency caused by the package can be suppressed, and the measurement accuracy can be improved.
[0043]
(6) Since the sub-vibration frequency is set to the resonance frequency caused by the piezoelectric body of the ultrasonic vibrator, the jitter component of the resonance frequency caused by the piezoelectric body can be suppressed, and the measurement accuracy can be improved. it can.
[0044]
(7) Since the sub-vibration frequency is set to the resonance frequency caused by the measurement system of the ultrasonic flowmeter, the jitter component of the resonance frequency caused by the measurement system can be suppressed, and the measurement accuracy can be improved. it can.
[0045]
(8) Since low-frequency jitter can be removed, it is particularly effective for flow rate measurement using the sing-around method.
[Brief description of the drawings]
1A is a plan sectional view of a flow rate measuring apparatus according to a first embodiment of the present invention, FIG. 1B is a side view of the apparatus, and FIG. 2B is a diagram showing transmission waveforms and reception waveforms in the apparatus. Fig. 4 is a diagram showing main and sub frequency components constituting the drive waveform in the apparatus. Fig. 5 is a diagram for explaining the drive waveform in the flow rate measuring apparatus according to the third embodiment of the invention. FIG. 7 is a perspective view showing the appearance of an ultrasonic transducer in a flow rate measuring apparatus according to a fifth embodiment of the present invention. FIG. FIG. 9 is a cross-sectional view of an ultrasonic transducer in the flow rate measuring device of Example 5 of the present invention. FIG. 9 is an impedance characteristic diagram of the ultrasonic transducer in the flow rate measuring device of Example 6 of the present invention.
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記一方の超音波振動子から送信された超音波を他方の超音波振動子で受信する受信ステップと、A receiving step of receiving the ultrasonic wave transmitted from the one ultrasonic transducer with the other ultrasonic transducer;
前記一方の超音波振動子が超音波を送信してから前記他方の超音波振動子で受信するまでの時間を計測する計測ステップと、A measurement step of measuring a time from when the one ultrasonic transducer transmits an ultrasonic wave until it is received by the other ultrasonic transducer;
前記計測ステップで計測された時間から前記流路を流れる流体の流量を演算する演算ステップとからなる流量演算方法であって、A flow rate calculation method comprising a calculation step of calculating the flow rate of the fluid flowing through the flow path from the time measured in the measurement step,
前記送信ステップにおいて前記超音波振動子を駆動させるときに、主周波数と、不要振動周波数である副周波数とを合成する流量演算方法。A flow rate calculation method for synthesizing a main frequency and a sub frequency which is an unnecessary vibration frequency when the ultrasonic transducer is driven in the transmission step.
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