JP4284145B2 - 太陽電池用基板の製造方法及びその太陽電池用基板 - Google Patents
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Description
このように構成された太陽電池用基板では、擬正六角形の基板のうち対向する頂点と頂点を結ぶ直線で2つに分割したものと、対向する辺と辺の中点を結ぶ直線で2つに分割したものとを組合せて、これらの基板を太陽電池用モジュール(長方形のガラス板とバックフィルムとの間)に敷き詰めると、基板の利用率が極めて高くなるとともに、基板の充填率を向上できるようになっている。
この点を解消するために、上記直径6インチ(直径151mm)のシリコン単結晶棒を引上げるための引上げ機を用いて、直径6.5インチ(直径165mm)のシリコン単結晶棒を引上げ、一辺が125mmの正方形状の太陽電池用基板を作製すると、この基板のコーナ部に発生する円弧状の欠けが小さくなり、基板をモジュール化したときの充填率が高くなる。
また、上記従来の直径6インチ(直径151mm)のシリコン単結晶棒を引上げるための引上げ機を用いて、直径6.5インチ(直径165mm)のシリコン単結晶棒を引上げた場合、引上げ機の石英るつぼに貯留されるシリコン融液の量は一定であるため、引上げられるシリコン単結晶棒の全長が短くなり、1本のシリコン単結晶棒から切出される基板の枚数が少なくなり、歩留まりが低下する問題点があった。
本発明の別の目的は、同一の引上げ機からシリコン単結晶棒を引上げる場合、1本のシリコン単結晶棒から切出される基板の枚数の減少を阻止し、歩留まりの低下を防止できる、太陽電池用基板の製造方法及びその太陽電池用基板を提供することにある。
この請求項1に記載された太陽電池用基板の製造方法では、平面加工した4つのコーナ部12aにコーナ充填部材13を接着剤にて接着して基板10を作製したので、この基板10をバックフィルム17上に並べたときに基板10の充填率を向上できる。
この請求項2に記載された太陽電池用基板の製造方法では、平面加工した4つのコーナ部12aに、4本の円弧状部材13を接着剤にて接着して基板10を作製したので、この基板10をバックフィルム17上に並べたときに、コーナ部12aの欠けの小さい正方形状の基板10を作製できる。このため基板10のバックフィルム17上への充填率を向上できる。また単一の正四角柱状部材12及び4本の円弧状部材13を切取った円柱状のシリコン単結晶棒11の多くの部分を基板10として利用できるので、円柱状のシリコン単結晶棒11の利用率を向上できる。
この請求項3に記載された太陽電池用基板の製造方法では、平面加工した4つのコーナ部12aに、これらのコーナ部12aの欠けた部分に相応する形状のコーナ充填部材53を接着剤にて接着して基板50を作製したので、コーナ部12aが全く欠けていない正方形状の基板50を作製できる。このため上記基板50をバックフィルム17上に並べたときに、基板50のバックフィルム17上への充填率を更に向上できる。
また、上記円柱状のシリコン単結晶棒はチョクラルスキー法又はフローティングゾーン法により製造されることが好ましい。
この請求項5に記載された太陽電池用基板は、コーナ部に欠けの少ない又は欠けのない正方形状の基板となるので、基板のバックフィルム上への充填率を向上できる。
またコーナ充填部材が、正四角柱状部材を作製した円柱状のシリコン単結晶棒とは別の円柱状のシリコン単結晶棒から正四角柱状部のコーナ部の欠けた部分に相応する形状に形成された複数の三角柱状部材であれば、コーナ部が全く欠けていない正方形状の基板を作製できるので、基板のバックフィルム上への充填率を更に向上できる。
更に上記方法で製造された太陽電池用基板は、コーナ部に欠けの少ない又は欠けのない正方形状の基板となる。この結果、基板のバックフィルム上への充填率を向上できる。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、太陽電池用基板10を製造するには、先ず円柱状のシリコン単結晶棒11の外径を砥石により研削して、例えばその直径を151mmにする。この円柱状のシリコン単結晶棒11はチョクラルスキー法により引上げられる。このシリコン単結晶棒11の外周面をブレードにより正四角柱状に切取って、横断面が略正方形状の単一の正四角柱状部材12を作製した後に、この正四角柱状部材12の4つの側面を砥石により研削してそれぞれ平坦化する(図1(b))。なお、上記円柱状のシリコン単結晶棒の外径を砥石により研削せずに、円柱状のシリコン単結晶棒をそのまま正四角柱状に切断してもよい。この正四角柱状部材12の縦及び横の長さをそれぞれ125mmとした場合、4つのコーナ部12aには4つの円弧面がそれぞれ残る。また円柱状のシリコン単結晶棒11から正四角柱状部材12を切取ることにより、4本の円弧状部材13が切出される。なお、円柱状のシリコン単結晶棒は、チョクラルスキー法ではなく、フローティングゾーン法により製造してもよい。
図4〜図8は本発明の第2の実施の形態を示す。図4、図7及び図8において図1〜図3と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、コーナ充填部材53が、正四角柱状部材12を作製した円柱状のシリコン単結晶棒11とは別の円柱状のシリコン単結晶棒55から正四角柱状部12のコーナ部12aの欠けた部分に相応する形状に形成された複数の三角柱状部材である(図4(d)、図5及び図6)。上記別の円柱状のシリコン単結晶棒55はチョクラルスキー法により引上げられる。複数の三角柱状部材53は、図5及び図6に詳しく示すように、上記別の円柱状シリコン単結晶棒55をシリコン切断用カッタで切断することにより、横断面が直角二等辺三角形の三角柱状に切出される。なお、上記別の円柱状のシリコン単結晶棒は、チョクラルスキー法ではなく、フローティングゾーン法により製造してもよい。また、上記正四角柱状部材12に接着された三角柱状部材53の直角の稜線状部53aを幅1〜3mmで面取り加工する。これは上記稜線状部53aの欠けを防止するためである。
<実施例1>
図1に示すように、チョクラルスキー法により引上げた円柱状のシリコン単結晶棒11の外径を砥石により研削して、その直径を151mmにした後に(図1(a))、このシリコン単結晶棒11の外周面をブレードにより正四角柱状に切取って、横断面が略正方形状の単一の正四角柱状部材12を作製し(図1(b))、正四角柱状部材12の4つの側面を砥石により研削してそれぞれ平坦化した。この正四角柱状部材12の縦及び横をそれぞれ125mmとしたので、4つのコーナ部12aに4つの円弧面がそれぞれ残った。また4本の円弧状部材13が切出された。
図4〜図6に示すように、チョクラルスキー法により引上げた円柱状のシリコン単結晶棒11の外径を砥石により研削して、その直径を151mmにした後に(図4(a))、このシリコン単結晶棒11の外周面をブレードにより正四角柱状に切取って、横断面が略正方形状の単一の正四角柱状部材12を作製し、正四角柱状部材12の4つの側面を砥石により研削してそれぞれ平坦化した(図4(b))。この正四角柱状部材12の縦及び横の長さをそれぞれ125mmとしたので、4つのコーナ部12aに4つの円弧面がそれぞれ残った。一方、正四角柱状部材12を作製した円柱状のシリコン単結晶棒11とは別の円柱状のシリコン単結晶棒55から正四角柱状部12のコーナ部12aに相応する形状に複数の三角柱状部材53を作製した(図5及び図6)。
チョクラルスキー法により引上げた円柱状のシリコン単結晶棒の外径を砥石により研削して、その直径を151mmにした後に、このシリコン単結晶棒の外周面をブレードにより正四角柱状に切取って、横断面略正方形状の単一の正四角柱状部材を作製し、正四角柱状部材の4つの側面を砥石により研削してそれぞれ平坦化した。この正四角柱状部材の縦及び横の長さをそれぞれ125mmとしたので、4つのコーナ部に4つの円弧面がそれぞれ残った。次に正四角柱状部材の4つのコーナ部の円弧面に平面加工(ブレードによる切削及び砥石による研削)をそれぞれ施した後に、この正四角柱状部材を所定の長さに切断してブロック化した。更に上記正四角柱状部材をワイヤソーによりスライスして、ユーザの仕様に合せた厚さ(200μm〜350μm)の基板を作製した。この基板を比較例1とした。
実施例1、実施例2及び比較例1の基板の表面積を計算により求めた。また実施例1、実施例2及び比較例1の基板をそれぞれセル化した後に、バックフィルム上に所定の間隔をあけて載置し、それぞれモジュール化した状態で、太陽光を照射して発電電力をそれぞれ測定した。上記表面積は比較例1の基板を100%として表1に示した。また上記発電電力は比較例1の発電電力を100%として表1に示した。
11 円柱状のシリコン単結晶棒
12 正四角柱状部材
13 円弧状部材(コーナ充填部材)
53 三角柱状部材(コーナ充填部材)
55 別の円柱状のシリコン単結晶棒
Claims (5)
- 円柱状のシリコン単結晶棒(11)を正四角柱状に切取る工程と、
前記正四角柱状部材(12)の4つのコーナ部(12a)の円弧面に平面加工をそれぞれ施す工程と、
前記平面加工した4つのコーナ部(12a)にシリコン単結晶製のコーナ充填部材(13,53)を電気絶縁性を有する接着剤により接着する工程と、
前記コーナ充填部材(13,53)を接着した正四角柱状部材(12)が正四角柱状になるように仕上げ加工する工程と、
前記正四角柱状部材(12)に接着されたコーナ充填部材(13,53)の直角の稜線状部(13a,53a)を幅1〜3mmで面取り加工する工程と、
前記正四角柱状部材(12)をスライスして基板(10,50)を作製する工程と
を含む太陽電池用基板の製造方法。 - コーナ充填部材(13)が、正四角柱状部材(12)を切取った残りの4本の円弧状部材である請求項1記載の太陽電池用基板の製造方法。
- コーナ充填部材(53)が、正四角柱状部材(12)を作製した円柱状のシリコン単結晶棒(11)とは別の円柱状のシリコン単結晶棒(55)から前記正四角柱状部(12)のコーナ部(12a)の欠けた部分に相応する形状に形成された複数の三角柱状部材である請求項1記載の太陽電池用基板の製造方法。
- 円柱状のシリコン単結晶棒(11,55)がチョクラルスキー法又はフローティングゾーン法により製造される請求項1ないし3いずれか1項に記載の太陽電池用基板の製造方法。
- 請求項1ないし4いずれか1項に記載の方法で製造された太陽電池用基板。
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