JP4282486B2

JP4282486B2 - Fuel oil, lubricant for fuel oil and fuel oil production equipment

Info

Publication number: JP4282486B2
Application number: JP2003573090A
Authority: JP
Inventors: 彰石和田; 浩平内田; 亘川村; 裕司小田; 寿大塚; 浩二加藤; 光彦竹居; 順一山田
Original assignee: Itochu Corp; Lion Corp; Mitsubishi Gas Chemical Co Inc; Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Itochu Corp; Lion Corp; Mitsubishi Gas Chemical Co Inc; Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 2002-03-04
Filing date: 2003-03-03
Publication date: 2009-06-24
Anticipated expiration: 2023-03-03
Also published as: AU2003220860A1; CN1273570C; JPWO2003074636A1; WO2003074636A1; KR20040094763A; MY141973A; CN1639307A; KR101257498B1

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、環境に負荷の少ないジメチルエーテルを主成分とした燃料油、該燃料油に好適な燃料油用潤滑剤及び燃料油製造設備に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ジメチルエーテル（以下、「ＤＭＥ」と略称する。）は、セタン価が高いこと、酸素原子を含有するので、無煙燃焼すること等により、環境に負荷の少ない新たなガソリン、軽油、重油代替燃料として注目されている。
例えば、ＤＭＥを燃料としたデイーゼルエンジンは、軽油を燃料とした場合とほぼ同等の出力を出すことができるが、軽油と異なりＤＭＥは潤滑性に乏しいため、長期に使用すると、燃料噴射系の摺動部等が磨耗して作動が困難になるとの課題等が指摘されており、未だ、ＤＭＥを燃料油とすることは、商業的に成功していないのが現状である。
【０００３】
一方、イオウ含量約０．２重量％以下及び芳香族炭化水素含量約３０重量％より小を有する軽油組成物（ディーゼル燃料）において、潤滑性改善剤として、植物の油質種子に由来の飽和及び不飽和の直鎖状Ｃ_{１２〜２２}の脂肪酸の混合物のＣ_１〜５アルキルエステル１００〜１００００ｐｐｍ（重量）を含有することを特徴とする軽油組成物が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
しかしながら、上記特許文献に記載される軽油組成物は、イオウ含量約０．２重量％以下及び芳香族炭化水素含量約３０重量％より小となる特殊な軽油組成物（ディーゼル燃料）を使用する場合における潤滑性の改善のために、植物の油質種子に由来の飽和及び不飽和の特定の直鎖状の脂肪酸の混合物のアルキルエステルを特定量含有せしめるものであり、本願発明のＤＭＥを主成分とする燃料油用等とは、物性、潤滑特性等が相違するものであり、また、このような特殊な軽油とＤＭＥとは、その化学構造自体が全く異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】
特開平７−６２３６３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、磨耗による燃料噴射弁等の作動不能の発生することのないＤＭＥを主たる燃料とする燃料油、該燃料油に好適な燃料油用潤滑剤及び燃料油製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、ＤＭＥに特定の成分を潤滑剤として含有せしめることにより、上記目的の燃料油、燃料油用潤滑剤及び燃料油製造設備が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【０００８】
すなわち、本発明は、（１）〜（７）に存する。
（１）ジメチルエーテルと、パーム油誘導体とからなることを特徴とする燃料油であって、前記パーム油誘導体が、パーム油脂肪酸と炭素数１〜５の一価アルコールとの脂肪酸エステル、及び／又は前記脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体であって、アルキレンオキシドがエチレンオキシド及び／又はプロピレンオキシドであり、その付加モル数が１〜２０モルである脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体とからなることを特徴とする燃料油。
（２）ジメチルエーテル１００質量部あたり、前記パーム油誘導体を０．００１〜１００質量部含有する上記（１）記載の燃料油。
（３）パーム油誘導体がパーム油脂肪酸メチルエステルである上記（１）又は（２）記載の燃料油。
（４）パーム油誘導体からなることを特徴とするジメチルエーテルを主成分とする燃料油用潤滑剤であって、前記パーム油誘導体が、パーム油脂肪酸と炭素数１〜５の一価アルコールとの脂肪酸エステル、及び／又は前記脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体であって、アルキレンオキシドがエチレンオキシド及び／又はプロピレンオキシドであり、その付加モル数が１〜２０モルである脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体とからなることを特徴とする燃料油用潤滑剤。
（５）パーム油誘導体がパーム油脂肪酸メチルエステルである上記（４）記載の燃料油用潤滑剤。
（６）ジメチルエーテルに、パーム油誘導体を所定量添加して燃料油を得る混合設備を備えたことを特徴とする燃料油製造設備であって、前記パーム油誘導体が、パーム油脂肪酸と炭素数１〜５の一価アルコールとの脂肪酸エステル、及び／又は前記脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体であって、アルキレンオキシドがエチレンオキシド及び／又はプロピレンオキシドであり、その付加モル数が１〜２０モルである脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体とからなることを特徴とする燃料油製造設備。
（７）パーム油からパーム油誘導体を製造するパーム油誘導体製造設備、及び該パーム油誘導体製造設備により得られたパーム油誘導体をジメチルエーテルに所定量添加して燃料油を得る混合設備とを備えたことを特徴とする燃料油製造設備であって、前記パーム油誘導体が、パーム油脂肪酸と炭素数１〜５の一価アルコールとの脂肪酸エステル、及び／又は前記脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体であって、アルキレンオキシドがエチレンオキシド及び／又はプロピレンオキシドであり、その付加モル数が１〜２０モルである脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加体とからなることを特徴とする燃料油製造設備。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の燃料油によれば、ＤＭＥを燃料油の主成分とする燃料油において、パーム油誘導体、特に、パーム油脂肪酸メチルエステルを潤滑剤として含有することにより、その潤滑性を高度に維持することが可能となり、従って、ＤＭＥを燃料油として、商業的に使用可能とする道を開くものであり、更に環境保全に大いに寄与することができる。
また、本発明の燃料油用潤滑剤は、エンジンオイル中に漏れても、エンジンオイルの劣化を促進するものではない。
更に、本発明の各燃料油製造設備は、通常の混合機を有する撹拌装置を備えた設備により、ＤＭＥと上記潤滑剤を所定量混合することにより、均一一体化した本発明の燃料油を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】ディーゼルエンジンにおける燃料噴射ポンプのプランジャとプランジャバレル間の摺動部を断面態様で示す概略図である。
【図２】（ａ）は、比較例１のＤＭＥ単体からなる燃料油を用いた場合と、本発明範囲となる実施例１による燃料油を用いた場合の、運転時間に対するプランジャとプランジャバレル間のクリアランスの変化を示すグラフであり、（ｂ）は、その時の各々の燃料噴射最高圧力の変化を比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の燃料油は、ジメチルエーテルと、パーム油誘導体とからなることを特徴とするものである。
また、本発明のジメチルエーテルを主成分とする燃料油用潤滑剤は、パーム油誘導体からなることを特徴とするものである。
【００１２】
本発明で用いられるＤＭＥとしては、例えば、天然ガスを原料として改質を行い主として一酸化炭素と水素からなる合成ガスを得、この合成ガスから得たＤＭＥが挙げられる。この場合、上記合成ガスからの直接合成法と、合成ガスから一旦メタノールを経由してこのメタノールの脱水による方法の２通りの方法があるが、本発明ではいずれの方法から得られるＤＭＥでもよい。
更に、一酸化炭素と水素からなる合成ガスは、天然ガスだけでなく、石炭ガス化ガス、バイオマス、石油残さ、産業廃棄物等からも製造可能であり、これらを原料とする合成ガスでもかまわない。通常、上記各方法により、９０％以上、好ましくは９９％以上、更に好ましくは９９．９％以上の純度のＤＭＥを得ることができる。
本発明で用いられるＤＭＥは、上記各方法で得られるいずれのものでも構わない。
【００１３】
本発明で用いる「パーム油誘導体」とは、パーム油に化学的反応を行って誘導される誘導体を意味する。具体的には、パーム油誘導体の構成脂肪酸の一価〜多価アルコールエステル、並びに、これらのアルキレンオキシド付加体、構成脂肪酸のアルキレンオキシド付加体等が挙げられる。
【００１４】
一価〜多価アルコールエステルの一価〜多価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、等のアルコールが挙げられる。
これらのエステル体の製造は、パーム油と対応アルコールとのエステル交換法、構成脂肪酸との直接エステル化法等の通常の製造方法によって製造可能である。
好ましくは、パーム油脂肪酸の炭素数１〜５の一価アルコールエステル、特に、パーム油脂肪酸のメチルエステルが好適である。
【００１５】
パーム油誘導体の構成脂肪酸の一価〜多価アルコールエステルのアルキレンオキシド付加体あるいは構成脂肪酸のアルキレンオキシド付加体は、常法により、対応一価〜多価アルコールエステルあるいは対応構成脂肪酸とアルキレンオキシドとの付加反応により得ることができる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられるが、好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。これらは単一、または、混合物のいずれでも良い。
【００１６】
これらのアルキレンオキシド付加モル数は、パーム油１モルないし脂肪酸１モル当り１〜１００モルであるが、好ましくは、１〜２０モルであり、更に好ましくは１〜５モルである。
なお、上記パーム油誘導体は、各単独（単体）で、または、２種以上を混合して用いることができる。
【００１７】
本発明の燃料油は、上記ＤＭＥと潤滑剤としてのパーム油誘導体とを含むものから構成されるが、これらの配合割合は、好ましくは、ＤＭＥ１００質量部あたり、パーム油誘導体を０．００１〜１００質量部であり、更に好ましくは、０．００２〜５０質量部とすることが望ましい。
特に、パーム油脂肪酸メチルエステルは、ＤＭＥに、上記範囲（０．００１〜１００質量部）内で自由自在に溶解して均一液体となるので、好ましい。
また、上記パーム油誘導体の配合量が０．００１質量部未満であると、本発明の効果を発揮することができず、一方、１００質量部を越えると、本発明の効果は変わらず、コスト高となり、好ましくない。
【００１８】
本発明の燃料油は、上述の如く、ＤＭＥと、潤滑剤としてのパーム油誘導体とからなるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、燃料油に添加する各種任意成分、例えば、酸化防止剤、油性向上剤、防錆剤、洗浄分散剤、摩擦調整剤、消泡剤、流動性向上剤、粘度指数向上剤等を添加することができる。
【００１９】
このように構成される本発明の燃料油又は燃料油用潤滑剤は、例えば、ガソリン、軽油、重油の代替として発電用、自家用、ディーゼルエンジン用等の種々の用途の燃料油又は燃料油用潤滑剤として使用可能であるが、特に、トラック、船舶、発電、建設機械等のディーゼルエンジンの燃料油又は燃料油用潤滑剤として好適である。
【００２０】
本発明の燃料油を、例えば、ディーゼルエンジンの燃料油として用いると、ＤＭＥのみ（ＤＭＥ単独）の場合は、摺動部の磨耗により、ひどい場合には１０〜２０時間程度の短時間でエンジンの破損を生じてしまうのに対して、本発明の燃料油では数千〜数万時間という長時間の連続運転においても何ら問題なく正常な作動を維持することが可能となる。
【００２１】
次に、本発明の燃料油製造設備は、上述の各方法等により得られたＤＭＥに、上述のパーム油誘導体を所定量添加、具体的には、ＤＭＥ１００質量部あたり、パーム油誘導体を０．００１〜１００質量部添加して燃料油を得る混合設備を備えたことを特徴とするものである。
この燃料油製造設備としては、例えば、上述の各方法等により得られたＤＭＥをパイプラインにより混合機を備えた撹拌装置（タンク）に供給し、該撹拌装置に上述のパーム油誘導体を所定量添加して撹拌混合する製造設備を備えたものが挙げられる。
【００２２】
また、本発明の他の燃料油製造設備は、パーム油誘導体を製造するパーム油誘導体製造設備、及び該パーム油誘導体製造設備により得られたパーム油誘導体をＤＭＥに所定量添加して燃料油を得る混合設備とを備えたことを特徴とするものである。
この燃料油製造設備としては、例えば、パーム油に化学的反応を行ってパーム油誘導体を製造するパーム油誘導体製造設備、及び該パーム油誘導体製造設備により得られたパーム油誘導体、及び上述の各方法等により得られたＤＭＥの各所定量を混合機を備えた撹拌装置に供給し撹拌混合する混合設備とを備えたものが挙げられる。
【００２３】
このように構成される本発明の各燃料油製造設備では、通常の混合機を有する撹拌装置を備えた設備により、ジメチルエーテルと上記潤滑剤を所定量混合することにより、均一一体化した液体となる本発明の燃料油を容易に製造することができるものとなる。従って、パーム油誘導体の製造設備の設置場所に隣接して本発明の燃料油製造設備を設置することが、特に、輸送コストの削減の面で好ましい。
【実施例】
【００２４】
次に、本発明を実施例及び比較例により、更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【００２５】
〔実施例１及び比較例１〕
実施例１及び比較例１の各燃料油で使用したＤＭＥ、潤滑剤としてのパーム油誘導体は下記のものを供試試料とした。
〔ＤＭＥ〕
三菱瓦斯化学社製の純度９９．９％のものを供試試料とした。
〔パーム油誘導体（パーム油脂肪酸メチルエステル）〕
パーム油１０１４ｇにメタノール３５６ｇ及び水酸化ナトリウム３ｇを加え、窒素ガス雰囲気下０．１ＭｐａＧ以上の圧力下、７０℃で６０分間エステル交換反応を行った。冷却後、グリセリンを分離し、さらにメタノール５０ｇ及び水酸化ナトリウム１ｇを加え、常圧下、６０℃で１０分間エステル交換を行った。
【００２７】
次いで、水１６０ｇを加え、攪拌後、静置分離し、グリセリンを除去し、租パーム油脂肪酸メチルエステルを得た。得られたエステルを常圧下、１５５℃でトッピングし、水、メタノールを除去して精製パーム油脂肪酸メチルエステルを得、このものを供試試料とした。
【００２８】
実施例１では、上記ＤＭＥ１００質量部と、上記パーム油誘導体（パーム油脂肪酸メチルエステル）１０質量部とからなる燃料油を使用した。
比較例１では、上記ＤＭＥ１００質量％からなる燃料油を使用した。
【００２９】
上記実施例１及び比較例１の燃料油を用いて、下記構成のディーゼルエンジンを用いて下記評価方法により、ディーゼルエンジンの実稼働試験を行い、評価した。
【００３０】
〔評価方法〕
ディーゼルエンジンは、産業用直噴ディーゼルエンジンを用いた。
このディーゼルエンジンにおいて、燃料の潤滑性が大きな影響を及ぼす部位としては、ジャーク式燃料噴射ポンプでは、プランジャとプランジャバレル間の摺動部、分配型燃料噴射ポンプにおいては、前記プランジャとプランジャバレル間の摺動部とともに、フェイスカムとローラ間の摺動部、さらにいずれの場合も共有する燃料噴射弁の針弁と本体間の摺動部がある。
これらの部位の摩耗状態が燃料噴射性能に大きく影響し、摩耗がある値よりも大きくなると燃料噴射特性が悪化し、エンジン性能が損なわれ、ひどい場合はエンジン運転が不能となる場合がある。
【００３１】
従って、本評価においては、従来のＤＭＥ単体からなる燃料油を用いた場合（比較例１）と、本発明範囲となる実施例１による燃料油を用いた場合とで、実際にエンジンを新品の燃料噴射ポンプを使用して２００時間運転し、これら摺動部の中でも最も摺動条件の厳しいプランジャとプランジャバレル間を代表として、図１に示す内容で、各々外径（ｄｐ１）と内径（ｄｂ）計測を行い、摩耗量を比較評価した。また、同時に燃料噴射最高圧力を比較し、燃料噴射性能の変化を評価した。
ここで、ＤＭＥの場合、問題となるようなアグレッシブな摩耗については、極短時間で評価が可能であり、従って、ここでは２００時間という運転時間を設定している。この時間内で問題が生じなければ、同条件が維持されれば数千〜数万時間の長時間でもこの種の問題は生じないと判断できる。
【００３２】
〔評価結果〕
図２（ａ）に比較例１のＤＭＥ単体からなる燃料油を用いた場合と、本発明範囲となる実施例１による燃料油を用いた場合の、運転時間に対するプランジャとプランジャバレル間のクリアランスＣの変化例を、また、図２（ｂ）に、その時の各々の燃料噴射最高圧力の変化例を比較して示す。
クリアランスの増大は、プランジャ外面あるいはプランジャバレル内面が摩耗していることを表し、また、燃料噴射最高圧力はクリアランスの増大による圧縮燃料の漏れによって、燃料噴射性能が変化している（悪化している）状況を示している。
【００３３】
図２（ａ）及び（ｂ）の結果から明らかなように、比較例１のＤＭＥ単体からなる燃料油を使用した場合、極めて短時間で許容限度を越える１０μｍ以上のクリアランスとなり、摩耗が発散的に進行して噴射性能に問題が生じる結果となっているが、本発明範囲の実施例１による燃料油を用いた場合、初期にわずかになじみによる摩耗が発生しているが、時間と共に許容限度内のクリアランスに漸近し、摩耗の進行は抑えられ、かつ噴射性能も維持されていることが判る。
【００３４】
この例で示す摩耗許容限度１０μｍは、必ずしも普遍的な値ではなく、エンジン種によって変わる値であるが、少なくとも１０μｍ以上のクリアランスとなった場合は、噴射性能に支障をきたす場合があり、一例として示している。
また、比較例１のＤＭＥ単体からなる燃料油の場合は、明らかにプランジャ表面に縦傷が発生していることが観察されたが、本発明範囲となる実施例１の燃料油を用いた場合は目視確認できる縦傷の発生は認められなかった。
【００３５】
従って、本発明範囲となる実施例１の燃料油を用いることによって、比較例１のＤＭＥ単体からなる燃料油を用いた場合に発生する燃料噴射装置の摩耗を防止し、実用上問題のない信頼性を確保できることが判った。
なお、ここでは、プランジャとプランジャバレル間の例について結果を示したが、分配式燃料噴射ポンプでのフェイスカムとローラ間、及び燃料噴射弁の針弁と本体間の摺動部についても、変化の時間の差はあるが、摩耗量の関係は同様であることを確認しており、本発明の燃料油による潤滑性を確保する効果は同様である。
【００３６】
〔実施例２及び比較例２〕
次に、長期の運転の際、燃料油の一部がエンジンオイルに漏れる場合があるので、このような場合を想定して、以下の如く、エンジンオイルに、本発明品に係る潤滑剤としてのパーム油誘導体を含有した場合（実施例２）及び該パーム油誘導体以外の脂肪酸系潤滑剤を含有した場合（比較例２）のエンジンオイルの劣化について、下記方法により酸化安定度試験、外観に関して各評価を行った。
これらの結果を下記表１に示す。
【００３７】
（実施例２の供試試料）
エンジンオイル（新日本石油社製のディーゼルエンジン用潤滑油；商品名「ＨＤＳ−３」に、前記実施例１で用いたパーム油誘導体（パーム油脂肪酸メチルエステル）をエンジンオイルに対して１質量％含有せしめたエンジンオイル。
（比較例２の供試試料）
上記実施例２の供試試料のパーム油誘導体に代えて、脂肪酸系潤滑剤（エチルジャパン社製；商品名「ハイテック４１４０」）を１質量％含有した以外は、上記実施例２と同様にしたエンジンオイル。
【００３８】
（酸化安定度試験、外観の評価方法）
酸化安定度試験は、ＪＩＳＫ２５１４−１９９６の箇条番号４の内燃機関用潤滑油酸化安定度（ＩＳＯＴ）試験方法に準拠して初期値、２４時間後の動粘度（４０℃、１００℃）を評価した。なお、この動粘度の経時的な数値の変化が低い程、酸化安定度に優れることを意味する。
また、外観評価については、初期及び２４時間後の状態を目視により官能評価した。
【００３９】
【表１】
【００４０】
上記表１の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例２の燃料油用潤滑剤（パーム油誘導体）は、本発明の範囲外となる比較例２の燃料油用潤滑剤（脂肪酸系潤滑剤）と較べて、２４時間後におけるエンジンオイルの動粘度変化が少ないことから、酸化安定度に優れることが判った。また、外観での異物の発生も見られなかった。【Technical field】
[0001]
The present invention relates to a fuel oil mainly composed of dimethyl ether having a low environmental load, a fuel oil lubricant suitable for the fuel oil, and a fuel oil production facility.
[Background]
[0002]
In recent years, dimethyl ether (hereinafter abbreviated as “DME”) has a high cetane number and contains oxygen atoms, so it is a new alternative fuel for gasoline, light oil and heavy oil that has a low environmental impact due to smokeless combustion. It is attracting attention as.
For example, a diesel engine that uses DME as fuel can produce almost the same output as when diesel oil is used as fuel, but unlike diesel oil, DME has poor lubricity, so if it is used for a long period of time, it will slide the fuel injection system. It has been pointed out that the moving parts and the like are worn and the operation becomes difficult, and it has not been commercially successful to use DME as fuel oil.
[0003]
On the other hand, in a light oil composition (diesel fuel) having a sulfur content of about 0.2% by weight or less and an aromatic hydrocarbon content of less than about 30% by weight, as a lubricity improver, saturation derived from oily seeds of plants and A gas oil composition characterized by containing 100 to 10,000 ppm (by weight) of a C _1-5 alkyl ester of a mixture of unsaturated linear C _12-22 fatty acids is known (see, for example, Patent Document 1). ).
[0004]
However, the light oil composition described in the above patent document uses a special light oil composition (diesel fuel) having a sulfur content of about 0.2% by weight or less and an aromatic hydrocarbon content of less than about 30% by weight. In order to improve lubricity, a specific amount of alkyl ester of a mixture of saturated and unsaturated specific linear fatty acids derived from plant oily seeds is contained, and DME of the present invention is a main component. The fuel oil and the like differ in physical properties, lubrication characteristics and the like, and the special light oil and DME have completely different chemical structures.
[Prior Art]
[Patent Literature]
[0005]
[Patent Document 1]
JP 7-62363 A SUMMARY OF THE INVENTION
[Problems to be solved by the invention]
[0006]
The present invention has been made in view of the above-described conventional problems and the present situation, and is intended to solve this problem. The fuel oil mainly uses DME that does not cause inoperability of a fuel injection valve or the like due to wear, and the fuel. It is an object of the present invention to provide a fuel oil lubricant and fuel oil production equipment suitable for oil.
[Means for Solving the Problems]
[0007]
As a result of intensive studies on the above-described conventional problems and the like, the present inventors have obtained a fuel oil, a lubricant for fuel oil, and a fuel oil production facility by adding a specific component as a lubricant to DME. The present invention has been completed.
[0008]
That is, the present invention resides in (1) to (7).
(1) A fuel oil comprising dimethyl ether and a palm oil derivative , wherein the palm oil derivative is a fatty acid ester of a palm oil fatty acid and a monohydric alcohol having 1 to 5 carbon atoms, and / or An alkylene oxide adduct of the fatty acid ester, wherein the alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide, and the alkylene oxide adduct of the fatty acid ester has an addition mole number of 1 to 20 mol. Fuel oil.
(2) The fuel oil according to (1) above, containing 0.001 to 100 parts by mass of the palm oil derivative per 100 parts by mass of dimethyl ether.
(3) The fuel oil according to ( 1) or (2 ), wherein the palm oil derivative is palm oil fatty acid methyl ester.
(4) A lubricant for fuel oil mainly composed of palm oil derivatives, the main component being dimethyl ether , wherein the palm oil derivatives are fatty acids of palm oil fatty acids and monohydric alcohols having 1 to 5 carbon atoms. An alkylene oxide adduct of an ester and / or the fatty acid ester, wherein the alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide, and the addition mole number of the fatty acid ester is 1 to 20 mol. A fuel oil lubricant characterized by the above.
(5) The lubricant for fuel oil according to ( 4 ), wherein the palm oil derivative is palm oil fatty acid methyl ester.
(6) A fuel oil production facility comprising a mixing facility for obtaining fuel oil by adding a predetermined amount of palm oil derivative to dimethyl ether , wherein the palm oil derivative comprises palm oil fatty acid and carbon number 1 Fatty acid ester with monohydric alcohol to 5 and / or an alkylene oxide adduct of the fatty acid ester, wherein the alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide, and the addition mole number thereof is 1 to 20 mol A fuel oil production facility comprising an alkylene oxide adduct of an ester.
(7) A palm oil derivative production facility for producing a palm oil derivative from palm oil, and a mixing facility for obtaining a fuel oil by adding a predetermined amount of palm oil derivative obtained by the palm oil derivative production facility to dimethyl ether. The palm oil derivative is a fatty acid ester of a palm oil fatty acid and a monohydric alcohol having 1 to 5 carbon atoms and / or an alkylene oxide adduct of the fatty acid ester. A fuel oil production facility comprising an alkylene oxide adduct of a fatty acid ester whose alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide and whose addition mole number is 1 to 20 moles.
【The invention's effect】
[0009]
According to the fuel oil of the present invention, in the fuel oil containing DME as the main component of the fuel oil, the palm oil derivative, in particular, palm oil fatty acid methyl ester is contained as a lubricant to maintain the lubricity at a high level. Therefore, it opens the way to make DME a fuel oil that can be used commercially, and can greatly contribute to environmental conservation.
Moreover, even if the lubricant for fuel oil of the present invention leaks into engine oil, it does not promote deterioration of engine oil.
Furthermore, each fuel oil production facility of the present invention can easily obtain the fuel oil of the present invention uniformly integrated by mixing a predetermined amount of DME and the above-mentioned lubricant by a facility equipped with a stirrer having a normal mixer. Can be manufactured.
[Brief description of the drawings]
[0010]
FIG. 1 is a schematic view showing a sliding portion between a plunger and a plunger barrel of a fuel injection pump in a diesel engine in a cross-sectional manner.
FIG. 2 (a) shows the distance between the plunger and the plunger barrel with respect to the operating time when the fuel oil composed of a single DME of Comparative Example 1 is used and when the fuel oil according to Example 1 within the scope of the present invention is used. (B) is a graph showing a comparison of changes in each fuel injection maximum pressure at that time.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[0011]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The fuel oil of the present invention comprises dimethyl ether and a palm oil derivative.
Moreover, the lubricant for fuel oil which has dimethyl ether as a main component of this invention consists of palm oil derivatives, It is characterized by the above-mentioned.
[0012]
Examples of the DME used in the present invention include DME obtained by reforming natural gas as a raw material to obtain a synthesis gas mainly composed of carbon monoxide and hydrogen. In this case, there are two methods, a direct synthesis method from the synthesis gas and a method of dehydration of methanol from the synthesis gas once through methanol. In the present invention, DME obtained from either method may be used.
Furthermore, synthesis gas composed of carbon monoxide and hydrogen can be produced not only from natural gas but also from coal gasification gas, biomass, petroleum residue, industrial waste, etc., and synthesis gas using these as raw materials may be used. . Usually, by the above methods, DME having a purity of 90% or more, preferably 99% or more, and more preferably 99.9% or more can be obtained.
The DME used in the present invention may be any one obtained by the above methods.
[0013]
The “palm oil derivative” used in the present invention means a derivative derived from a chemical reaction with palm oil. Specific examples include monovalent to polyhydric alcohol esters of constituent fatty acids of palm oil derivatives, alkylene oxide adducts thereof, alkylene oxide adducts of constituent fatty acids, and the like.
[0014]
Examples of monohydric to polyhydric alcohols of monohydric to polyhydric alcohol esters include alcohols such as methanol, ethanol, propanol, butanol, ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, pentaerythritol, trimethylolpropane, and sorbitol. It is done.
These ester bodies can be produced by a usual production method such as a transesterification method between palm oil and a corresponding alcohol and a direct esterification method with a constituent fatty acid.
Preferably, C1-C5 monohydric alcohol ester of palm oil fatty acid, especially methyl ester of palm oil fatty acid are suitable.
[0015]
The alkylene oxide adduct of the monovalent to polyhydric alcohol ester of the constituent fatty acid of the palm oil derivative or the alkylene oxide adduct of the constituent fatty acid is obtained by a conventional method using the corresponding monovalent to polyhydric alcohol ester or the corresponding constituent fatty acid and alkylene oxide. It can be obtained by addition reaction.
Examples of the alkylene oxide include ethylene oxide, propylene oxide, and butylene oxide, and ethylene oxide and propylene oxide are preferable. These may be single or a mixture.
[0016]
The number of moles of alkylene oxide added is 1 to 100 moles per mole of palm oil to 1 mole of fatty acid, preferably 1 to 20 moles, and more preferably 1 to 5 moles.
In addition, the said palm oil derivative | guide_body can be used individually or in mixture of 2 or more types.
[0017]
The fuel oil of the present invention is composed of the above-mentioned DME and a palm oil derivative as a lubricant, and the blending ratio thereof is preferably 0.001 to 100 per 100 parts by mass of DME. Parts by mass, more preferably 0.002 to 50 parts by mass.
In particular, palm oil fatty acid methyl ester is preferable because it dissolves freely in DME within the above range (0.001 to 100 parts by mass) and becomes a uniform liquid.
Moreover, when the blending amount of the palm oil derivative is less than 0.001 part by mass, the effect of the present invention cannot be exhibited. On the other hand, when it exceeds 100 parts by mass, the effect of the present invention is not changed, and the cost is reduced. It becomes high and is not preferable.
[0018]
As described above, the fuel oil of the present invention is composed of DME and a palm oil derivative as a lubricant, but various optional components to be added to the fuel oil within a range not impairing the effects of the present invention, for example, Antioxidants, oiliness improvers, rust inhibitors, cleaning dispersants, friction modifiers, antifoaming agents, fluidity improvers, viscosity index improvers, and the like can be added.
[0019]
The fuel oil or fuel oil lubricant of the present invention configured as described above is, for example, a fuel oil or fuel oil lubricant for various uses such as for power generation, private use, and diesel engine as an alternative to gasoline, light oil, and heavy oil. Although it can be used as an agent, it is particularly suitable as a fuel oil or a lubricant for fuel oil of diesel engines such as trucks, ships, power generation, construction machinery and the like.
[0020]
When the fuel oil of the present invention is used, for example, as a diesel engine fuel oil, in the case of only DME (DME alone), the sliding portion wears, and in severe cases, in a short time of about 10 to 20 hours. In contrast to the occurrence of breakage, the fuel oil of the present invention can maintain normal operation without any problem even during long-time continuous operation of several thousand to several tens of thousands of hours.
[0021]
Next, in the fuel oil production facility of the present invention, a predetermined amount of the above palm oil derivative is added to DME obtained by the above-described methods and the like. A mixing facility for adding 001 to 100 parts by mass to obtain fuel oil is provided.
As this fuel oil production facility, for example, DME obtained by the above-described methods and the like is supplied to a stirrer (tank) equipped with a mixer via a pipeline, and a predetermined amount of the palm oil derivative is supplied to the stirrer. The thing provided with the manufacturing equipment which adds and stirs and mixes is mentioned.
[0022]
Further, another fuel oil production facility of the present invention includes a palm oil derivative production facility for producing a palm oil derivative, and a predetermined amount of palm oil derivative obtained by the palm oil derivative production facility to DME to add fuel oil. And a mixing facility to be obtained.
As this fuel oil production facility, for example, a palm oil derivative production facility that performs a chemical reaction on palm oil to produce a palm oil derivative, a palm oil derivative obtained by the palm oil derivative production facility, and each of the above-mentioned Examples include those equipped with a mixing facility for supplying each predetermined amount of DME obtained by the method or the like to a stirring device equipped with a mixer and stirring and mixing.
[0023]
In each fuel oil production facility of the present invention configured as described above, a uniform integrated liquid is obtained by mixing a predetermined amount of dimethyl ether and the lubricant by a facility equipped with a stirrer having a normal mixer. The fuel oil of the present invention can be easily manufactured. Therefore, it is particularly preferable to install the fuel oil production facility of the present invention adjacent to the installation location of the palm oil derivative production facility, particularly in terms of reduction in transportation costs.
【Example】
[0024]
EXAMPLES Next, although an Example and a comparative example demonstrate this invention further in full detail, this invention is not limited to the following Example.
[0025]
[Example 1 and Comparative Example 1]
The DME used in each fuel oil of Example 1 and Comparative Example 1 and the palm oil derivative as a lubricant were the following test samples.
[DME]
A sample manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Inc. with a purity of 99.9% was used.
[Palm oil derivative (palm oil fatty acid methyl ester)]
356 g of methanol and 3 g of sodium hydroxide were added to 1014 g of palm oil, and a transesterification reaction was performed at 70 ° C. for 60 minutes under a pressure of 0.1 MpaG or more in a nitrogen gas atmosphere. After cooling, glycerin was separated, 50 g of methanol and 1 g of sodium hydroxide were added, and transesterification was performed at 60 ° C. for 10 minutes under normal pressure.
[0027]
Subsequently, 160 g of water was added, and after stirring, the mixture was allowed to stand and separated, glycerin was removed, and a coconut palm oil fatty acid methyl ester was obtained. The obtained ester was topped at 155 ° C. under normal pressure to remove water and methanol to obtain purified palm oil fatty acid methyl ester, which was used as a test sample.
[0028]
In Example 1, a fuel oil composed of 100 parts by mass of the DME and 10 parts by mass of the palm oil derivative (palm oil fatty acid methyl ester) was used.
In Comparative Example 1, the fuel oil composed of 100% by mass of the above DME was used.
[0029]
Using the fuel oil of Example 1 and Comparative Example 1 above, a diesel engine actual operation test was performed and evaluated by the following evaluation method using a diesel engine having the following configuration.
[0030]
〔Evaluation methods〕
As the diesel engine, an industrial direct injection diesel engine was used.
In this diesel engine, the fuel lubricity has a significant influence on the sliding part between the plunger and the plunger barrel in the jerk type fuel injection pump, and between the plunger and the plunger barrel in the distribution type fuel injection pump. In addition to the sliding portion, there is a sliding portion between the face cam and the roller, and a sliding portion between the needle valve and the main body of the fuel injection valve shared in any case.
The wear state of these parts greatly influences the fuel injection performance, and if the wear exceeds a certain value, the fuel injection characteristics deteriorate, engine performance is impaired, and in severe cases, engine operation may be disabled.
[0031]
Therefore, in this evaluation, when the fuel oil consisting of the conventional DME alone is used (Comparative Example 1) and when the fuel oil according to Example 1 that falls within the scope of the present invention is used, the engine is actually replaced with a new one. The fuel injection pump is used for 200 hours, and the outer diameter (dp1) and inner diameter (db) are respectively shown in FIG. ) Measurements were made, and the amount of wear was compared and evaluated. At the same time, the maximum fuel injection pressure was compared to evaluate the change in fuel injection performance.
Here, in the case of DME, the aggressive wear that causes a problem can be evaluated in a very short time, and therefore, an operating time of 200 hours is set here. If no problem occurs within this time, it can be determined that this type of problem does not occur even for a long time of several thousand to several tens of thousands of hours if the same condition is maintained.
[0032]
〔Evaluation results〕
FIG. 2A shows the clearance C between the plunger and the plunger barrel with respect to the operation time when the fuel oil composed of the DME alone of Comparative Example 1 is used and when the fuel oil according to Example 1 which is within the scope of the present invention is used. FIG. 2B shows a comparison example of changes in the maximum fuel injection pressure at that time.
An increase in the clearance indicates that the outer surface of the plunger or the inner surface of the plunger barrel is worn, and the maximum fuel injection pressure has changed (deteriorated) due to leakage of compressed fuel due to an increase in clearance. ) Indicates the situation.
[0033]
As is apparent from the results of FIGS. 2A and 2B, when the fuel oil composed of the DME simple substance of Comparative Example 1 is used, the clearance becomes 10 μm or more exceeding the allowable limit in a very short time, and wear is divergent. However, when the fuel oil according to Example 1 of the scope of the present invention is used, wear due to slight familiarity occurs at the initial stage. It can be seen that asymptotically close to the inner clearance, the progress of wear is suppressed and the injection performance is also maintained.
[0034]
The allowable wear limit of 10 μm shown in this example is not necessarily a universal value, but is a value that varies depending on the engine type. However, if the clearance is at least 10 μm or more, the injection performance may be hindered. Show.
Further, in the case of the fuel oil composed of the DME simple substance of Comparative Example 1, it was observed that the vertical flaws were clearly generated on the plunger surface. However, when the fuel oil of Example 1 that falls within the scope of the present invention was used. No vertical scratches that could be visually confirmed were observed.
[0035]
Therefore, by using the fuel oil of Example 1 that falls within the scope of the present invention, wear of the fuel injection device that occurs when the fuel oil of the DME simple substance of Comparative Example 1 is used is prevented, and there is no problem in practical use. It was found that sex could be secured.
In addition, although the result was shown here about the example between a plunger and a plunger barrel, it also changes also about the sliding part between the face cam and roller in a distribution type fuel injection pump, and the needle valve of a fuel injection valve, and a main part. However, it has been confirmed that the relationship of the amount of wear is the same, and the effect of ensuring the lubricity by the fuel oil of the present invention is the same.
[0036]
[Example 2 and Comparative Example 2]
Next, during long-term operation, part of the fuel oil may leak into the engine oil. Assuming such a case, the engine oil is used as a lubricant according to the present invention as follows. Regarding the deterioration of engine oil in the case of containing a palm oil derivative (Example 2) and in the case of containing a fatty acid-based lubricant other than the palm oil derivative (Comparative Example 2), each of the oxidation stability test and the appearance by the following methods. Evaluation was performed.
These results are shown in Table 1 below.
[0037]
(Test sample of Example 2)
Engine oil (lubricating oil for diesel engine manufactured by Nippon Oil Corporation; trade name “HDS-3” and 1% by mass of the palm oil derivative (palm oil fatty acid methyl ester) used in Example 1 with respect to the engine oil Contains engine oil.
(Test sample of Comparative Example 2)
It replaced with the palm oil derivative of the test sample of the said Example 2, and it carried out similarly to the said Example 2 except having contained 1 mass% of fatty-acid-type lubricants (Ethyl Japan company_made; brand name "HITEC 4140"). engine oil.
[0038]
(Oxidation stability test, appearance evaluation method)
The oxidation stability test was carried out using the initial value and kinematic viscosity (40 ° C, 100 ° C) after 24 hours in accordance with JIS K 2514-1996, Clause No. 4, lubricating oil oxidation stability (ISOT) test method. evaluated. In addition, it means that it is excellent in oxidation stability, so that the change of the numerical value of this kinematic viscosity with time is low.
Moreover, about the external appearance evaluation, sensory evaluation was visually performed for the initial state and the state after 24 hours.
[0039]
[Table 1]
[0040]
As is clear from the results in Table 1 above, the lubricant for fuel oil (palm oil derivative) of Example 2 that falls within the scope of the present invention is the lubricant for fuel oil of Comparative Example 2 (fatty acid) that falls outside the scope of the present invention. It was found that since the kinematic viscosity change of the engine oil after 24 hours was small compared with the system lubricant), the oxidation stability was excellent. Moreover, the generation | occurrence | production of the foreign material was not seen by the external appearance.

Claims

A fuel oil comprising dimethyl ether and a palm oil derivative , wherein the palm oil derivative is a fatty acid ester of a palm oil fatty acid and a monohydric alcohol having 1 to 5 carbon atoms and / or the fatty acid ester. A fuel oil comprising: an alkylene oxide adduct of a fatty acid ester, wherein the alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide, and the addition mole number thereof is 1 to 20 mol.

The fuel oil according to claim 1, comprising 0.001 to 100 parts by mass of the palm oil derivative per 100 parts by mass of dimethyl ether.

The fuel oil according to claim 1 or 2, wherein the palm oil derivative is palm oil fatty acid methyl ester.

A lubricant for fuel oil mainly composed of dimethyl ether , comprising a palm oil derivative, wherein the palm oil derivative is a fatty acid ester of a palm oil fatty acid and a monohydric alcohol having 1 to 5 carbon atoms, and / Or an alkylene oxide adduct of the above fatty acid ester, wherein the alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide, and the addition mole number of the fatty acid ester is 1 to 20 mol. Lubricant for fuel oil.

The lubricant for fuel oil according to claim 4 , wherein the palm oil derivative is palm oil fatty acid methyl ester.

A fuel oil production facility comprising a mixing facility for obtaining a fuel oil by adding a predetermined amount of a palm oil derivative to dimethyl ether , wherein the palm oil derivative comprises a palm oil fatty acid and a carbon number of 1 to 5 Fatty acid esters with monohydric alcohols and / or alkylene oxide adducts of the fatty acid esters, wherein the alkylene oxide is ethylene oxide and / or propylene oxide, and the addition mole number thereof is 1 to 20 mol. A fuel oil production facility comprising an oxide adduct.

A palm oil derivative production facility for producing a palm oil derivative from palm oil, and a mixing facility for obtaining fuel oil by adding a predetermined amount of palm oil derivative obtained by the palm oil derivative production facility to dimethyl ether The palm oil derivative is a fatty acid ester of a palm oil fatty acid and a monohydric alcohol having 1 to 5 carbon atoms, and / or an alkylene oxide adduct of the fatty acid ester, A fuel oil production facility comprising an oxide of ethylene oxide and / or propylene oxide, and an alkylene oxide adduct of a fatty acid ester having an addition mole number of 1 to 20 moles.