JP4282035B2 - 加圧流動層ボイラ - Google Patents

加圧流動層ボイラ Download PDF

Info

Publication number
JP4282035B2
JP4282035B2 JP06545199A JP6545199A JP4282035B2 JP 4282035 B2 JP4282035 B2 JP 4282035B2 JP 06545199 A JP06545199 A JP 06545199A JP 6545199 A JP6545199 A JP 6545199A JP 4282035 B2 JP4282035 B2 JP 4282035B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
fluidized bed
pressure vessel
air
heat transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06545199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000257808A (ja
Inventor
秀久 吉廻
太郎 坂田
由香 山下
徹哉 岩瀬
照文 河崎
孝行 石田
秀則 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP06545199A priority Critical patent/JP4282035B2/ja
Publication of JP2000257808A publication Critical patent/JP2000257808A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4282035B2 publication Critical patent/JP4282035B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力容器内に流動層内伝熱管構造の火炉を配置する加圧流動層ボイラシステムに関し、特に、低流量でも能率良く冷却できる圧力容器への空気の投入方法、流動層内伝熱管の火炉壁貫通部およびベンド部の摩耗を防止する加圧流動層火炉構造、及びボイラの加圧部における冷却水の流路構造を簡便化し、製造工程及び冷却水気密性に好適なアンモニアまたはアンモニア水を注入するアンモニア注入装置を備えた加圧流動層ボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化の原因である二酸化炭素は地球規模でその排出量を少なくするよう求められている。排ガス量が多く影響度の大きい発電プラントでは、抑制策として高効率発電が実施されようとしているが、そのひとつに加圧流動層燃焼方式(PFBC)の発電プラントがある。
【0003】
PFBC方式の加圧流動層ボイラは数十気圧に加圧した流動層で石炭を燃焼させ、その熱で蒸気を発生し蒸気タービンを回す。そして、さらに高温高圧の燃焼排ガスでガスタービンを回し、発電するものである。発電効率は既存の発電プラントが約40%であるのに対し、50%近い効率が達成でき、熱効率が約40%と高い上に、流動層を形成する脱硫剤、例えば石灰石によって炉内脱硫されるため、脱硫装置が省けるというメリットがある。
【0004】
図9に加圧流動層ボイラのシステムを示す。コンプレッサ101によって導入される燃焼用空気は火炉入口配管102を通って圧力容器103内の流動層ボイラ火炉105に導入され、石炭を燃焼する。石炭の燃焼によって発生する排ガスは、火炉出口配管106を通り、ガスタービン107に導入され、発電を行うと同時にコンプレッサ101の駆動力源となる。ガスタービン107を出た排ガスは、ガスタービン出口ダクト108からガス温度が約400℃ と高温であるため、排熱回収ボイラ109の節炭器111内を通り熱回収され、さらに脱硝装置112で浄化された後、煙突ダクト113を経由して煙突114より放出される。
【0005】
上記の加圧流動層ボイラシステムの構想は以前からあったが、実用化されるようになったのは最近になってからである。実用化を難しくしている理由の一つに、大きな火炉105を加圧保持する圧力容器103の問題がある。実用プラントでは火炉105の径は10mのオーダになり、それを囲む圧力容器103は更に大きくなる。圧力容器103は製作が容易でない上に、容器103を耐熱温度以下にするための温度管理が必要となる。通常圧力容器103内に配置される火炉105の排ガス温度は約900℃であるのに対し、圧力容器103の耐熱温度は約400℃である。従って、圧力容器103は何らかの断熱構造を採用する必要がある。
【0006】
圧力容器103の強制冷却を機能させるには火炉105と圧力容器103との間を確実に空気が流れている必要がある。そのためには空気流速を上げればよいが、空気量は燃焼用に限定されるので増やすことはできない。従って、火炉105と圧力容器103との間の空間を極力狭くして空気流速を上げなければならない。ところが、火炉105には蒸気配管や足場が付設されているため、火炉105と圧力容器103との間の空気の流路抵抗に差が生じ、流れにくい領域が発生する。また、温度上昇した空気は密度が小さくなるので浮力によって、上部に溜まり局所的な高温場を形成し、圧力容器103の温度を上げる。
【0007】
図10図11に実際の加圧流動層ボイラの構造図を示す。圧力容器103内に配置される火炉105の下部には圧力容器103内を加圧状態に保ちながら、コンプレッサ101(図9)からの燃焼用空気(約390℃)を取り入れる火炉入口配管102があり、分散板119によって一様に火炉105へ分散される。この時、燃料も配管120から吹き込まれ、流動化して燃焼する。砂や灰などの流動媒体を含む流動層122内には石灰石が混入されており、石炭に含まれる硫黄分を取り除く。また、流動層122内には伝熱管123が配置されており、燃料の燃焼による熱で伝熱管123内の水から発生した蒸気で蒸気タービン(図示せず)を回して発電する。火炉105の燃焼温度は約900℃で、排ガス出口配管106内部には断熱材が張ってあり、圧力容器103に火炉105からの熱が伝わらないようにしている。
【0008】
高温のヘッダ127及び排ガス出口配管106からの伝熱量を前記断熱材を入れることによって低下させているが、それだけでは耐熱温度以下に維持できない。そこで、冷却空気として燃焼用空気を火炉105に入る前に火炉105周りを通過させ、冷却している。冷却空気はその入口128から圧力容器103に入り、火炉105の表面を流れた後で冷却空気出口129に至り、一旦、圧力容器103から出る。その後、炉底から火炉105に再流入し、燃焼用空気となる。
【0009】
また、従来の加圧流動層ボイラの火炉105の要部構造は図12に示されるように横置多曲管で構成する層内の伝熱管123群の管長手方向のベンド部123aは炉壁と一定のクリアランスを保って配置されるため、流動媒体が火炉壁と層内伝熱管123の壁貫通部123bおよび層内伝熱管ベンド部123aの間のクリアランス部を吹き抜けて局所摩耗を発生するのを防止するために、層内伝熱管123の壁貫通部123b側の火炉壁をテーパ構造として、燃焼空気とともに流動媒体が炉壁近傍を上昇するのを抑制し、炉壁近傍に粒子の下降流(矢印A)を形成して気泡の上昇を防いでいる。
【0010】
しかしながら、上記した加圧流動層火炉構造では炉壁をテーパ構造とするために、炉壁の曲げ加工を必要とする。さらに、炉壁が曲がっているため火炉105をサポートするバックステー130などの火炉支持構造に加えて、火炉105の保温材131およびケーシング構造132が複雑な構造になる。
【0011】
加圧流動層ボイラは火炉105内に流動層122を形成する石灰石によって炉内脱硫されるため、脱硫装置が省けるというメリットがあることは既に述べたが、窒素酸化物(以下、NOxという)に関しては、低温燃焼によってNOx低減が図られたり、流動層122中のカーボンなどの還元物質によって起こるNOxの還元によってNOx濃度が低減できるなどのメリットを持っている。しかし、ボイラ負荷が低い場合には流動層122の層高が低くなり、このときはカーボンによる還元が進まず、火炉105の出口NOx濃度が上昇する欠点を有しており、必ずしもNOxについては従来の微粉炭焚きボイラと比較して優位であるとは言えなかった。
【0012】
図9に示す加圧流動層ボイラのシステムでは、アンモニア気化器141、コンプレッサ142、空気を導入してアンモニアを希釈する希釈器143、144からなるアンモニア注入装置を用いて火炉出口配管106に設けたアンモニア注入ノズル147から排ガス中にアンモニアを注入する無触媒脱硝装置領域及び排熱回収ボイラ109の節炭器111にアンモニアを注入して節炭器111内に設けられた脱硝触媒を有する有触媒脱硝装置112によって排ガス中のNOxを還元して、煙突入口NOxを環境規制値以下にしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の加圧流動層火炉構造では図12に示すように火炉105の炉壁をテーパ構造とするために、炉壁の曲げ加工を必要とし、曲がっている炉壁をサポートするバックステー130などの火炉支持構造に加えて、火炉の保温材131およびケーシング構造132が設けられた複雑な構造になる問題点があるにもかかわらず、加圧流動層火炉構造でテーパ構造以外の方法での層内伝熱管群ベンド部と火炉壁間の局所摩耗を防止することについては配慮されていなかった。
【0014】
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、加圧流動層火炉構造の炉壁をテーパ構造にすることなく、層内伝熱管の壁貫通部および層内伝熱管ベンド部の局所摩耗を防ぎ、炉およびサポート構造を容易にすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の解決手段によって解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、流動媒体と燃料を含む流動層を有する火炉と、該火炉を内包する高圧の圧力容器と、火炉からの伝熱を遮断するために火炉と圧力容器との間に設けた冷却用気体の流路と、火炉内の流動媒体を流動させ、燃料の流動燃焼を行うための空気供給手段と、流動層中に複数段配置した伝熱管群とを有する加圧流動層ボイラにおいて、火炉の炉壁を鉛直方向に垂直な壁面を有するストレート構造にし、火炉の底部の中央部側にのみ空気供給手段を配置し、該空気供給手段は分散板と該分散板に設けられた複数の空気ノズルを備え、該複数の空気ノズルの中の一番端部側の空気ノズルと最上段の伝熱管のベント部の最上部とを通る平面が炉壁のストレート構造部と交差する角度である安息角が15度以上となるような箇所から分散板の中心部寄りに空気ノズル群を設置した加圧流動層ボイラである。
【0016】
上記本発明で加圧流動層火炉構造の炉壁を鉛直方向に垂直な壁面を有するストレート構造にし、空気供給手段は分散板と該分散板に設けられた複数の空気ノズルを備え、該複数の空気ノズルの中の一番端部側の空気ノズルと最上段の伝熱管のベント部の最上部とを通る平面が炉壁のストレート構造部と交差する角度である安息角が15度以上となるような箇所から分散板の中心部寄りに空気ノズル群を設置することにより空気ノズルから流動層内に吹き込まれた空気流れA(図8参照)が壁近傍の伝熱管ベント部まで達することが無く、炉の隅に流動層の流動停滞層あるいは固定層を形成することになる。
【0017】
このため、流動層の流動停滞層または固定層に埋没する伝熱管ベンド部(図8のベンド部5a)には火炉壁との間にクリアランスがあるにもわらず、気泡が上昇することがないので層内伝熱管の火炉壁貫通部(図8の貫通部5b)の摩耗を防止できる。
【0018】
また、火炉構造の炉壁をストレート構造にすることで、伝熱管の加工は炉幅で折り返すだけの単純な形状となる上に、その層内伝熱管ベンド部は流動層の流動停滞層または固定層の中に埋まってしまうため、その層内伝熱管ベンド部の局所摩耗を防止することができる。
これにより、火炉はその炉壁にテーパ構造を採用することなく、層内伝熱管の壁貫通部および層内伝熱管ベンド部の局所摩耗を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1に本発明のPFBC方式の加圧流動層ボイラの実施の形態を示す。図1に示す加圧流動層ボイラは図9に示したPFBCシステムに適用され、圧力容器1内配置される火炉2の下部には火炉2内を加圧状態に保ちながら、図示しないコンプレッサからの燃焼用空気(約390℃)を取り入れる燃焼用空気入口8があり、火炉2内で形成される流動層4の底部に配置された分散板11に設けられた空気噴出口から一様に火炉2へ分散される。この時、燃料も火炉2内の流動層4内に挿入された燃料配管9から吹き込まれ、流動層4を流動化させながら燃焼する。砂や灰などの流動媒体を含む流動層4内には石灰石が混入されており、石炭に含まれる硫黄分を取り除く。また、流動層4内には伝熱管5が配置されており、燃焼用空気入口8から火炉2の底部に入った燃焼用空気と燃料配管9から入った石炭燃料とが混合して燃焼し、発生熱を伝熱管5に伝え、伝熱管5の内部を流れる水が加熱されて蒸気を発生する。伝熱管5内で発生した蒸気はヘッダ6に集められ、図示しない蒸気タービンへ送られ発電機を回す。
【0020】
また、燃焼用空気入口8を通って圧力容器1内の流動層ボイラ火炉2に導入された燃焼用空気により流動層4内の石炭などの燃料が燃焼し、燃焼排ガスは燃焼ガス出口10を通り、図示しないガスタービンに導入され、発電を行うと同時にコンプレッサの駆動力源となる。
【0021】
火炉2内の燃料の燃焼温度は約900℃であり、また燃焼ガス出口10内部には断熱材が張ってあり、圧力容器1に火炉2からの熱が伝わらないようにしている。伝熱管5のヘッダ6は高温となり、この高温ヘッダ6及び排ガス出口10からの伝熱量を前記断熱材を入れることによって低下させているが、それだけでは耐熱温度以下に維持できない。そこで、冷却空気として燃焼用空気を火炉2に入る前に火炉2の周りを通過させ、冷却している。冷却空気はその入口3から圧力容器1に入り、火炉2の表面を流れた後で圧力容器1の頂部に設けられた冷却空気出口7に至り、一旦、圧力容器1から出る。その後、炉底から火炉2に再流入し、燃焼用空気となる。
圧力容器1は、例えば高さ22m、幅10m、奥行き14mであり、火炉2の出力は125MW相当である。
【0022】
ここで、各部の温度は以下の通りである。
部位 温度℃
火炉 400℃、
冷却空気(入口) 390℃、
冷却空気(出口) 391℃、
流動層 900℃、
ヘッダ 430℃、
燃焼排ガス 900℃、
【0023】
そして、冷却空気の平均温度上昇は僅か1℃であるが、圧力容器1内にはヘッダ6のように温度の高い部位もあるため、局部的には圧力容器1の耐熱温度400℃を超える可能性がある。局部的な温度上昇が発生すると圧力容器1に局所的な熱応力が発生し、寿命が低下する。従って、このような温度上昇はできるたけ避けねばならない。
【0024】
図1に示す装置では、冷却空気入口3が圧力容器1の左側壁よりに寄せて設定してある。この効果を確認するために汎用熱流体解析プログラムを用いて解析した。
【0025】
解析結果を図6、図7に示す。図6は従来技術(図6(a))の構造と本発明(図6(b))の構造との差を図1などに示す圧力容器1と火炉2との間を流れる冷却空気の速度ベクトルを表示したものである。図6(a)に示す従来技術において冷却空気は火炉2周りを一様に流れるので、平均1m/s以下と速度ベクトルが小さい。これに対し、図6(b)に示す本発明では内部に強い循環流が発生しており、同量の空気流量であるのにも係わらず速度ベクトルが格段に上昇している。
【0026】
図7は冷却空気の温度を表示したものである。従来技術(図7(a))では圧力容器1上部の燃焼排ガス出口10の接合部に400℃近い領域が発生している。これに対し、本発明(図7(b))では温度が400℃近くになる領域がほとんど認められなく全体に均一温度である。
【0027】
図5は冷却空気入口3の偏心量と温度偏差(=冷却空気の最高温度−入口温度)の関係を前述の解析から求めたものである。縦軸は一様に冷却空気を投入する従来例を基準にして表示した。本発明では冷却空気入口3の圧力容器1の中央部からの偏心量が小さい場合には、冷却空気は火炉2の底部に衝突し、ほとんど均一に上昇するので、本発明の効果は冷却空気入口3が圧力容器1の中央部からはずれるほど急激に温度偏差が低下している。
【0028】
図2はPFBCの圧力容器1の冷却空気入口3を圧力容器1の下部側壁から水平方向に向けて圧力容器1内に挿入した本発明の他の実施の形態を示したものである。前記入口3の冷却空気噴出口の先に燃焼用空気入口配管8があるので、冷却空気が衝突し、循環流の発生効率は悪いが、図面の奥行き方向で調整すれば衝突は避けられ図1に示す場合と同等な効果が得られる。
【0029】
図3に示す例は圧力容器1の冷却空気入口3を圧力容器1の下部側壁から水平方向に向けて圧力容器1内に挿入したものと圧力容器1の底部から鉛直方向上方に向けて圧力容器1内に挿入したものからなる冷却空気入口3を複数箇所設けたもので、冷却空気噴流の方向が圧力容器1の水平面において右回りになるよう方向を合わせている。複数の冷却空気入口3の各噴出流が、火炉2の中心部を中心とする回転モーメント(=半径×噴出モーメント)ができるだけ大きくなるように冷却空気の流速を調整すると効率がよい。
【0030】
また、本例では圧力容器1の内部の所々にガイドベーン15を設置し、空気が停滞せずに、平均空塔速度(冷却空気の体積流量/圧力容器1と火炉2との間にできる流路断面積)より速くなるようにしてある。
【0031】
図4に示す例は圧力容器1の冷却空気入口3を圧力容器1の底部から鉛直方向上方に向けて燃焼用空気入口8の周りに等分割に複数箇所にわたり圧力容器1内に挿入し、圧力容器1の冷却空気出口7を燃焼ガス出口10の周りに複数箇所等分割して設け、さらに、圧力容器1の内部の所々にガイドベーン15を設置した構造である。このガイドベーン15により空気が停滞せずに、平均空塔速度(冷却空気の体積流量/圧力容器1と火炉2との間にできる流路断面積)より速くなるようにして冷却空気噴流の方向が圧力容器1の水平面において右回りまたは左回りになるよう調整する。この場合にも、複数の冷却空気入口3の各噴出流が、火炉2の中心部を中心とする回転モーメント(=半径×噴出モーメント)ができるだけ大きくなるように冷却空気の流速を調整すると効率がよい。
【0032】
上記図3、図4に示すガイドベーン15の設置方法はいろいろあるが、極端な場合には圧力容器1の内部に螺旋階段状のベーンを設けることも可能である。
【0033】
従来技術に比べて、本発明の装置は、冷却空気入口3の設置位置を変えるだけなので、新規な部品を追加することなく達成できる。図1に示す実施の形態と図10に示す従来技術例とで圧力容器1の寿命を試算比較したところ、図1に示すものは20年以上寿命が向上していた。
【0034】
本発明の他の実施の形態を図8に示す。
加圧流動層ボイラの火炉2の構造の炉壁を鉛直方向に垂直な壁面を有するストレート構造にし、最上段の層内伝熱管5のベント部5aの最上部と分散板11の一番端部側の空気ノズル11aとを結ぶ平面が炉壁のストレート構造部と交差する角度である安息角Xが15度以上となるような箇所から分散板11の中心部寄りに空気ノズル11a群を設置する。そこで、空気ノズル11aから流動層4内に空気を吹き込むと流動層4内の流動媒体が流動化するが、空気ノズル11aのない位置に流動層4の流動停滞または固定層4aとして流動化しない部分が生まれる。
【0035】
これにより、層内伝熱管5の層内ベンド部5aおよび壁貫通部5bは流動層4の前記流動停滞または固定層4aに埋没することになり、この流動停滞または固定層4aでは気泡と流動媒体が火炉壁との隙間を吹き上げることはない。なお、図12に示すと同様に図8に示す火炉2には火炉2をサポートするバックステー16などの火炉支持構造に加えて、火炉2のケーシング17および保温材18が設けられている。
【0036】
本例による層内伝熱管5のベンド部5aおよび壁貫通部5bの摩耗防止は次のようにして行う。
前述のように空気ノズル11aより空気を吹き込むと、流動層4に流動停滞または固定層4aが形成され、火炉2内の流動層4の充填部分で火炉2が、あたかもテーパ構造であるかのようになり、流動媒体粒子の下降流Aを形成する。
【0037】
こうして、層内伝熱管5の壁貫通部5bの摩耗を防ぎ、さらに形成された前記流動停滞または固定層4aの中に層内伝熱管ベンド部5aが埋没するので、該ベンド部5aの局所摩耗を防ぐことができる。加えて火炉壁面をストレート構造にすることで構造が単純化され、加工などが容易になり、加工および材料などのコストが低減される。
【0038】
【発明の効果】
発明によれば、加圧流動層ボイラの火炉壁をテーパ構造など複雑な構造とすることなく、層内伝熱管の壁貫通部および層内伝熱管ベンド部の摩耗を防止することを可能にすると同時に、コストを低減することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼ボイラの側断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼ボイラの側断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼ボイラの側断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼ボイラの側断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼ボイラの火炉構造の効果を示した図である。
【図6】 本発明と従来技術の数値解析によって圧力容器内部の空気の速度ベクトルを見た図である。
【図7】 本発明と従来技術の数値解析によって圧力容器内部の空気の温度分布をみた図である。
【図8】 本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼ボイラの火炉構造の要部側断面図である。
【図】 従来技術の加圧流動層燃焼ボイラプラントの概略図である。
【図10】 従来技術の加圧流動層燃焼ボイラの側断面図である。
【図11】 従来技術の加圧流動層燃焼ボイラの側断面図である。
【図12】 従来技術の加圧流動層燃焼ボイラの火炉の要部側断面図である。
【符号の説明】
1、103 圧力容器 2、105 火炉
3 冷却空気入口 4 流動層
4a 流動停滞または固定層 5 伝熱管
5a 伝熱管ベント部 5b 伝熱管壁貫通部
6 ヘッダ 7 冷却空気出口
8 燃焼用空気入口 9 燃料配管
10 燃焼ガス出口 11 分散板
11a 空気ノズル 18 保温材
17 ケーシング 16 バックステー
28 火炉出口配管外管 27 セラミックファイバ
101 コンプレッサ 102 火炉入口配管
106 火炉出口配管 107 ガスタービン
108 ガスタービン出口ダクト 111 節炭器
112 有触媒脱硝装置 113 煙突入口ダクト
114 煙突
141 アンモニア気化器
142 アンモニアコンプレッサ
143、144 アンモニア希釈器
147 アンモニア注入ノズル

Claims (1)

  1. 流動媒体と燃料を含む流動層を有する火炉と、該火炉を内包する高圧の圧力容器と、火炉からの伝熱を遮断するために火炉と圧力容器との間に設けた冷却用気体の流路と、火炉内の流動媒体を流動させ、燃料の流動燃焼を行うための空気供給手段と、流動層中に複数段配置した伝熱管群とを有する加圧流動層ボイラにおいて、
    火炉の炉壁を鉛直方向に垂直な壁面を有するストレート構造にし、火炉の底部の中央部側にのみ空気供給手段を配置し、該空気供給手段は分散板と該分散板に設けられた複数の空気ノズルを備え、該複数の空気ノズルの中の一番端部側の空気ノズルと最上段の伝熱管のベント部の最上部とを通る平面が炉壁のストレート構造部と交差する角度である安息角が15度以上となるような箇所から分散板の中心部寄りに空気ノズル群を設置したことを特徴とする加圧流動層ボイラ。
JP06545199A 1999-03-11 1999-03-11 加圧流動層ボイラ Expired - Lifetime JP4282035B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06545199A JP4282035B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 加圧流動層ボイラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06545199A JP4282035B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 加圧流動層ボイラ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008056723A Division JP4592775B2 (ja) 2008-03-06 2008-03-06 加圧流動層ボイラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000257808A JP2000257808A (ja) 2000-09-22
JP4282035B2 true JP4282035B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=13287532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06545199A Expired - Lifetime JP4282035B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 加圧流動層ボイラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4282035B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6772924B2 (ja) * 2017-03-27 2020-10-21 株式会社Ihi 燃焼装置及びガスタービン
CN108758619A (zh) * 2018-05-08 2018-11-06 国家能源投资集团有限责任公司 循环流化床锅炉的外置式换热器
JP2023039684A (ja) * 2021-09-09 2023-03-22 中外炉工業株式会社 燃焼装置
JP2023077011A (ja) * 2021-11-24 2023-06-05 三菱重工業株式会社 アンモニア燃料供給ユニット、及びボイラシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000257808A (ja) 2000-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080276844A1 (en) Coal boiler and coal boiler combustion method
US8959916B2 (en) Thermal power plant
US7118721B2 (en) Method for treating emissions
TWI615542B (zh) 先進式超超臨界蒸汽發電機
KR20110035951A (ko) 산소 점화 순환유동층의 주 산화제 공급 시스템
JP7174208B2 (ja) 火力発電所の排ガス処理装置
KR100309208B1 (ko) 배열회수용 보일러
KR20130088159A (ko) 암모니아 주입 장치
JP4282035B2 (ja) 加圧流動層ボイラ
US7056478B1 (en) Emission treatment system
CN109621717A (zh) 一种用于快速混合烟气的喷氨装置
JP4592775B2 (ja) 加圧流動層ボイラ
EP3507545B1 (en) Injection lance for injecting a liquid reducing reagent into a flue gas from the combustion of fuel in a boiler or furnace to reduce the amount of nitrogen oxides in the flue gas
JP2009068801A (ja) 微粉炭焚きボイラ
EP3828464B1 (en) Heat recovery boiler and plant comprising said heat recovery boiler
JP3978888B2 (ja) 火力発電プラント及びその運転方法
TWI789359B (zh) 切線方向點火鍋爐及操作切線方向點火鍋爐的方法
JPH1128337A (ja) 脱硝装置におけるアンモニア供給方法
ES2921256T3 (es) Sistema de eliminación de NOx para un sistema de combustión estacionario
JP2015047564A (ja) 発電システム
JPH07269836A (ja) 脱硝装置付きごみ焼却炉
JP2002228108A (ja) ボイラ設備の燃焼調整装置
JPS60147010A (ja) 流動床炉
KR20000021783A (ko) 배열회수 증기발생기의 유동균일화장치

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060217

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080730

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080924

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090311

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term