JP4280819B2 - ゆらぎ信号生成装置及びゆらぎ信号生成方法 - Google Patents

ゆらぎ信号生成装置及びゆらぎ信号生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゆらぎを含む信号の生成装置及びその生成方法に関し、特に、人に快適感を与えるゆらぎを含む信号の生成装置及びその生成方法に関する。
人に快適感を与える刺激(光、音、風など)の制御方法が研究されている。例えば、人間にとって好ましい光源の点滅周期を調べた下記非特許文献1には、一定の周期で光源の輝度が変化する場合、1秒間程度の周期が心理的に好ましいことが開示されている。
一方、人に快適感を与える自然光、自然のそよ風などの変化は、一定周期ではなく、ゆらぎを含んでいる。従って、人に対する刺激にはゆらぎを含むほうが、より心理的に好ましいと考えられる。例えば、1/fゆらぎ(周波数スペクトルが周波数の逆数)など、周波数空間でゆらぎを導入する種々の技術が公知であり、照明装置など人間に刺激を与る装置を1/fゆらぎを用いて制御する方法が、下記特許文献1〜3に開示されている。
特開平2−44693号公報 特開平4−370695号公報 特開平11−288788号公報 Yoshihara Soeta, Shouji Uetani, Yoichi Ando, "Propagation of repetitive alpha waves over the scalp in relation to subjective preferences for a flickering light"International Journal of Psychophysiology, 46(2002), 41-52.
しかし、1/fゆらぎなどの周波数空間においてゆらぎを導入する制御技術は、必ずしも人に好ましい刺激を与えるものではなかった。例えば、1/fゆらぎは、ある程度変化を予測することができるので、必ずしも好ましいものではないと感じる人がいる。1/f2のゆらぎがより好ましいと考える人もいる。
また、一般に、受けた刺激を好ましいと感じるか否かには個人差があり、同一人であっても、好ましさは刺激を受けた時の心理状態、身体状態に依存する場合がある。しかし、1/fゆらぎなどの周波数空間においてゆらぎを導入した制御では、個人差、心理状態、身体状態などに対応することはできなかった。
本発明は、上記の課題を解決すべく、人に快適感を与えるゆらぎを含む信号(以下、ゆらぎ信号と記す)を生成することができ、刺激を受ける人がゆらぎ信号を調節することができるゆらぎ信号生成装置及びゆらぎ信号生成方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。
即ち、本発明に係るゆらぎ信号生成装置(1)は、複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成するホワイトノイズ生成部と、入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う帯域通過フィルタ部とを備え、前記帯域通過フィルタ部の出力信号が、人に加える刺激の制御に使用され、前記中心周波数が1Hzであり、前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、中心周波数が1Hzの信号の自己相関関数φ(τ)をφ(0)で規格化したグラフφ(τ)/φ(0)において、原点以外に現われる最大のピークの大きさである最大ピークファクターを指定するフィルタ設定部をさらに備え、前記フィルタ設定部が、前記最大ピークファクターに対応する周波数帯域幅を決定し、前記帯域通過フィルタ部が、前記フィルタ設定部によって新たに設定された周波数帯域幅を用いて、前記帯域制限を行い、前記フィルタ設定部が、前記最大ピークファクターφ1に対応する周波数帯域幅Δf
を、パラメータa及びbを用いてlog(Δf)=−a×(φ1−b)に従って決定し、前記パ
ラメータaが1.85以上2.15以下の範囲の値であり、前記パラメータbが0.81以上0.83以下の範囲の値であることを特徴としている。

また、本発明に係るゆらぎ信号生成装置(2)は、上記のゆらぎ信号生成装置(1)において、前記周波数帯域幅が5Hzであることを特徴としている。

また、本発明に係るゆらぎ信号生成装置()は、複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成するホワイトノイズ生成部と、入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う帯域通過フィルタ部とを備え、前記帯域通過フィルタ部の出力信号が、人に加える刺激の制御に使用され、前記中心周波数が1Hzであり、前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、前記帯域通過フィルタ部からの出力信号の周波数の下限値f1及び上限値f2が、前記中心周波数f0及び前記周波数帯域幅Δfと、f0=(f1・f2)1/2、Δf=f2−f1 の関係にあることを特徴としている。

また、本発明に係るゆらぎ信号生成方法(1)は、複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成する第1ステップと、入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う第2ステップとを含み、前記帯域制限された信号が、人に加える刺激の制御に使用され、前記中心周波数が1Hzであり、前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、前記第2ステップが、中心周波数が1Hzの信号の自己相関関数φ(τ)をφ(0)で規格化したグラフφ(τ)/φ(0)において、原点以外に現われる最大のピークの大きさである最大ピークファクターを変更する第3ステップと、前記最大ピークファクターに対応する周波数帯域幅を決定する第4ステップとを含み、前記第2ステップにおいて、前記第4ステップによって新たに設定された周波数帯域幅を用いて、前記帯域制限が行われ、前記第4ステップにおいて、前記第3ステップによって変更された前記最大ピークファクターφ1に対
応する周波数帯域幅Δfを、パラメータa及びbを用いてlog(Δf)=−a×(φ1−b)に従って決定し、前記パラメータaが1.85以上2.15以下の範囲の値であり、前記パラメータbが0.81以上0.83以下の範囲の値であることを特徴としている。

また、本発明に係るゆらぎ信号生成方法(2)は、上記のゆらぎ信号生成方法(1)において、前記周波数帯域幅が5Hzであることを特徴としている。

また、本発明に係るゆらぎ信号生成方法()は、複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成する第1ステップと、入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域
幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う第2ステップとを含み、前記帯域制限された信号が、人に加える刺激の制御に使用され、前記中心周波数が1Hzであり、前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、前記帯域通過フィルタ部からの出力信号の周波数の下限値f1及び上限値f2が、前記中心周波数f0及
び前記周波数帯域幅Δfと、f0=(f1・f2)1/2、Δf=f2−f1 の関係にあることを特徴としている。
本発明に係るゆらぎ信号生成装置及びゆらぎ信号生成方法によれば、人に快適感を与えるゆらぎ信号を生成することができる。
また、帯域通過フィルタ部の周波数帯域幅を約5Hzに設定することによって、平均的に人に快適感を与えるゆらぎ信号を生成することができる。
また、帯域通過フィルタ部の周波数帯域幅を調節する手段を備えることによって、刺激を受ける人が、自己の好みや、自己の心理状態、身体状態に合わせて、ゆらぎ信号を調節することができる。
また、周波数帯域幅を直接指定する代わりに、自己相関関数の最大ピークファクターを調節する手段を備えることによって、ゆらぎ信号の調節が容易となる。
また、本発明に係るゆらぎ信号生成装置又はゆらぎ信号生成方法によって生成されるゆらぎ信号を、照明装置、扇風機、空調設備、マッサージ装置、リラクゼーション装置など、種々の装置に適用することによって、人に快適な刺激を与える装置を実現することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るゆらぎ信号生成装置を示す概略構成図である。ゆらぎ信号生成装置1は、ホワイトノイズ生成部2、帯域通過フィルタ部3、帯域通過フィルタ部3の中心周波数及び周波数帯域幅を指定するフィルタ設定部4、ディジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と記す)5とを備えている。D/A変換部5から出力されるアナログ信号Soutは、制御対象装置10に入力され、制御対象装置10内での制御に
使用される。制御対象装置10は、例えば、光の点滅によって快適感を与えるリラクゼーション用装置である。その場合、入力される信号Soutは、光の輝度の制御に使用される
ゆらぎ信号生成装置1の動作を、図2に示したフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1において、ゆらぎ信号生成装置1内の各部の動作条件が設定される。例えば、帯域通過フィルタ部3の動作条件として、所定の中心周波数f0及び周波数帯
域Δfが帯域通過フィルタ部3内部の記録部(図示せず)から読み出される。
ステップS2において、ホワイトノイズ発生部2が、広範囲の周波数を含んだホワイトノイズ信号Swを生成する。ホワイトノイズ信号は、例えば、熱雑音による電圧変動など
を比較的高いサンプリング周波数でサンプリングすることや、擬似ランダム信号を生成する公知のコンピュータプログラムを用いて生成することができる。ここで、ホワイトノイズを生成する手段に依存して、ホワイトノイズ信号中に含まれる周波数には上限(熱雑音をサンプリングする場合、サンプリング周波数によって決まる)が存在するが、ここでは、約1Hzを中心とする高々数十Hzまでの周波数変化を対象としており、ホワイトノイズ信号に含まれる周波数の上限を考慮する必要はない。生成されたディジタルのホワイトノイズ信号Swは、帯域通過フィルタ部3に入力される。
ステップS3において、帯域通過フィルタ部3が、入力信号Swのうち所定の周波数帯
域の信号を選択的に出力する。即ち、帯域通過フィルタ部3は、ステップS1で設定された中心周波数f0及び周波数帯域Δfから求められる下限値f1および上限値f2の周波数
範囲(f1〜f2)の信号成分を通過させ、それ以外の周波数の信号はほとんど出力しない。ここで、下限値f1、上限値f2は、周波数を対数で指定し、f0=(f1・f2)1/2、Δf=f2−f1から求められる。帯域通過フィルタ部3には、例えば、2次のチェビシェフフィルタなど、種々の公知のフィルタを使用することができる。ここで、人に快適感を与えるためには、周波数f0は約1Hz、周波数帯域幅Δfは約2Hz〜13Hzの範囲内
の値に設定されていることが望ましい。ここで、周波数帯域幅Δfに幅を持たせているのは、個人差、心理的状態、身体的状態などの依存性を考慮したものであり、これらの依存性を考慮しない場合の平均的な値としては、周波数帯域幅Δfは約5Hzであることが望ましい。
ステップS4において、帯域通過フィルタ部3からのディジタルの出力信号Sinは、D/A変換部5によって、アナログ信号Soutに変換されて、制御対象装置10に入力され
る。ここで、信号Soutは、ほとんどf1〜f2の範囲の周波数のみを含んでいることから
、実施例として後述するように、信号Soutが、制御対象装置10によって、人に与える
刺激の強度を制御する信号として使用されれば、人に快適感を与えることができる。
ステップS5において、フィルタ設定部4が操作されて帯域通過フィルタ部3の動作条件(中心周波数f0、周波数帯域幅Δf)が変更されたか否かが判断される。変更された
場合、ステップS6において、帯域通過フィルタ部3の記録部(図示せず)に新たに指定された中心周波数f0’、周波数帯域幅Δf’を記録する。
ステップS7において、ゆらぎ信号生成装置1に対する停止の指示の有無を判断し、停止の指示があるまで、ステップS3〜S6の処理を繰り返す。
以上によって、ステップS6で変更された新たな中心周波数f0’、周波数帯域幅Δf
’を用いて、帯域通過フィルタ部5が上記したように入力されるホワイトノイズ信号Sw
の周波数帯域を制限、即ち、f1’〜f2’の範囲の周波数を出力し、その帯域以外の信号をほとんど出力しない。ここで、f1’、f2’はステップS3での処理と同様に、中心周波数f0’、周波数帯域幅Δf’から決定される。従って、例えば、制御対象装置10に
よって刺激を受けている人が、自己の好みや心理的、身体的状態に応じて、刺激をより快適に感じるように、フィルタ設定部4を操作して、受ける刺激を調節することができる。
図3〜図8は、ホワイトノイズ信号が入力された場合に、帯域通過フィルタ部3から出力される信号Sinの一例を示す図である。図3〜図8は、何れも中心周波数f0が1Hz
の条件で、それぞれ周波数帯域幅Δfを0Hz、1Hz、2Hz、4Hz、8Hz、16Hzに設定した場合の出力信号Soutを示している。上記したように、帯域通過フィルタ
部3は、中心周波数が1Hz、周波数帯域幅Δfが2Hz〜13Hzの範囲の値に設定されるので、出力信号Soutは、周波数帯域幅Δfに応じて図3〜図7に示したような波形
となる。
上記では、帯域通過フィルタ部3の周波数帯域幅Δfを直接設定する場合を説明したが、周波数帯域幅Δfと快適感とは線形の関係にはなく、感覚に合うように周波数帯域幅Δfを変化させることは難しい。従って、以下に示す自己相関関数の最大ピークφ1を変更
するように構成してもよい。
信号b(s)の自己相関関数φ(τ)は、式1で表される。
Figure 0004280819
ここで、τは遅延時間、2Tは積分期間である。
図9に示したグラフは、式1で表される自己相関関数φ(τ)を、φ(0)で規格化したグラフ、即ち、φ(τ)/φ(0)のグラフである。図9において、τ1はτ=0以外に現われ
るピークの内最大のピークAの位置(τ=τ1)を表し、φ1はピークAの大きさを表す。また、τeは、τ=0から信号が減衰し、最初にφ(τ)=0.1になる位置(τ=τe)を表す。これらのτ1、φ1、τeは、自己相関(ACF)ファクターと呼ばれる。
信号b(s)をホワイトノイズ生成部が出力するホワイトノイズ信号Swとすると、τ1は、信号b(s)の中心周波数f0に対応し、最大ピークφ1は周波数帯域幅Δfに対応する。上記したように、f0を約1Hzに設定する場合、τ1は約1秒になり、周波数帯域幅Δfが変化しても殆ど影響を受けない。図10は、f0=1(Hz)として、Δfを変化させ
た場合のτ1の値をグラフにした図である。図10から、τ1が周波数帯域幅Δfに殆ど依存しないことが分かる。
一方、最大ピークφ1は、Δfが2Hz〜13Hzの範囲内の値を取るのに応じて、変
化する。図11は、図10と同様にf0=1(Hz)として、周波数帯域幅Δfを変化さ
せた場合の最大ピークφ1の値をグラフにした図である。図11から分かるように、最大
ピークφ1は、Δfの対数値に対してほぼ線形に変化する。最大ピークφ1は、周波数帯域幅Δfが小さくなると増大し、周波数帯域幅Δfが大きくなると減少し、Δf=2〜13(Hz)の範囲では、φ1=0.64〜0.28となる。
また、詳細は後述するが、快適感を表す感覚量は、図12に示すようなグラフとなる。ここで、横軸は最大ピークφ1に対応する対数軸である。横軸を周波数帯域幅Δfとして
、同様のグラフを作成することも可能であるが、その場合、横軸はΔfの対数値に対して更に対数値を取ったものになる。従って、このことから、周波数帯域幅Δfを微妙に変化させて、快適感を調節することは非常に困難であることが分かる。これに対して、最大ピークφ1を変化させて快適感を調節することは、比較的容易である。従って、図1に示し
たゆらぎ信号生成装置1のフィルタ設定部4に、自己相関関数の最大ピークφ1を変化さ
せる手段を装備し、新たに設定された最大ピークφ1の値から、図11に示したグラフに
従って、対応する新たな周波数帯域幅Δf’を決定し、決定されたΔf’を帯域通過フィルタ部3の記録部(図示せず)に記録するようにすれば、比較的容易に個人毎に最適の快適感を実現することができる。
図11に示した測定値(○印)を再現する直線は、log(Δf)=−a×(φ1−b)(こ
こで係数a、bは、誤差を考慮してa=2±0.15、b=0.82±0.01の範囲、即ち、1.85≦a≦2.15、0.81≦b≦0.83)となる。
また、平均的に快適感を与える条件である周波数帯域幅Δfが約5Hzの条件に対応させて、φ1=0.46を基準値として、その前後で最大ピークφ1を調節するようにしてもよい。
上記では、周波数を対数で指定し、中心周波数が周波数範囲の下限値及び上限値の相乗平均である場合を説明したが、これに限定されない。例えば、中心周波数f0を周波数範
囲の下限値f1及び上限値f2の相加平均として、f1、f2を、周波数帯域幅Δfを使用して、f1=f0−Δf/2、f2=f0+Δf/2 によって決定してもよい。
また上記では、ゆらぎ信号生成装置1が、D/A変換部5を備えている場合を説明したが、制御対象装置10にディジタル信号を直接入力することが可能であれば、D/A変換部5は備えていなくてもよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
図1に示した制御対象装置10としてLEDを点光源とする点滅装置を用い、上記したゆらぎ信号生成装置1によって生成される信号Soutを、LEDの輝度を制御する信号と
して使用し、LEDの点滅に対する被験者の好み(プリファレンス)を評価する実験を行った。実験条件は次の通りである。
・被験者:20〜23歳、通常視力(視力矯正、又は視力矯正なし)の10人。
・帯域通過フィルタ部:中心周波数f0=1(Hz)。周波数帯域幅Δf=0、1、2、
4、8、16(Hz)の6種類。
・LED:1個(直径約8mm)。平均輝度30cd/m2。被験者との距離は約1m。
プリファレンスの測定には、心理的な好みの測定によく使用される公知の一対比較法を使用し、6種類の刺激の中から対として2つを選択し、15対を1シリーズとして各被験者に提示した。1対の2つの刺激を順に所定の時間間隔で所定の時間提示し、被験者に、いずれの刺激がより好ましいかを判断させた。具体的には、約4秒間第1の刺激(刺激対の一方)を提示し、続く約1秒間刺激を提示せず、続く約4秒間第2の刺激(刺激対の他方)を提示し、続く約4秒間の間に選択(刺激の提示なし)させ、これを繰り返した。一対の刺激のうち、好ましいと判断された一方の刺激にカウント値として「1」を割り当て、他方の刺激にはカウント値として「0」を割り当てた。全部で15の刺激対の組み合わせがあるが、刺激を提示する順序が、被験者による選択に影響する可能性(前後効果)を考慮して、2つの刺激の提示順序を逆にした場合も測定した。従って、各々の被験者に対して全部で30の刺激対の提示を行った。各被験者に一連の刺激対を提示する前には、約1分間、被験者の環境を暗室状態にして、被験者の目に光が入らないようにした。
一対比較法で得られた刺激iよりも刺激jが好ましいと判断された確率Pij(i=1〜6、j=1〜6、且つj≠i)を求め、Pijを正規分布の仮定によりZijに変換して、プリファレンス尺度値Priを、式2で計算した。
Figure 0004280819
ここで、Nはシリーズ数(N=10)である。
図12には、一人の被験者に対する測定結果から上記の式2を用いて、刺激毎、即ち周波数帯域幅Δf毎のプリファレンス尺度値Priを求め、周波数帯域幅Δfに該当する自己相関関数の最大ピークφ1を横軸としてPriをプロット(○印)したグラフを示す。図1
2には、プロットしたプリファレンス尺度値Priを、再現するように回帰曲線を記載している。回帰曲線上で、プリファレンス尺度値Priが最大となる点が、その被験者が最も好む条件を表していると言える。このピーク位置のφ1を[φ1]pで表す。
図13には、同様に10人の被験者(A〜J)の測定データを解析して得られた[φ1]pを示している。図13から分かるように、[φ1]pの値は、被験者によって異なり、その平均値は0.46となる。φ1=0.46に対応するΔfは約5Hzとなる(図11参照)。
即ち、中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が約5Hzの条件で帯域制限された、ゆらぎを含んだ信号に従って刺激強度を変化させれば、平均的に好まれる刺激を提示することができる。
また、図13では、[φ1]pが0.27〜0.90の範囲で変動しており、これを正規分布と考えると、平均値μ=0.46、標準偏差σ=0.18となる。従って、最大ピークφ1をμ−σ〜μ+σの範囲内で調節できれば、約70%の被験者に対して最適の刺激を
提示することが可能となる。即ち、最大ピークφ1を0.64〜0.28の範囲内で、又
は対応する周波数帯域幅Δfを2〜13Hzの範囲内で調整できるようにすれば、約70%の被験者が自分に合わせて刺激を最適化することが可能となる。これは、上記で説明した、望ましい周波数帯域幅Δfの範囲と整合するものである。
本発明の実施の形態に係るゆらぎ信号生成装置を示す概略構成図である。 ゆらぎ信号生成装置の動作を説明するフローチャートである。 中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が0Hzの条件で帯域制限した結果の信号波形の例を示す図である。 中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が1Hzの条件で帯域制限した結果の信号波形の例を示す図である。 中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が2Hzの条件で帯域制限した結果の信号波形の例を示す図である。 中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が4Hzの条件で帯域制限した結果の信号波形の例を示す図である。 中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が8Hzの条件で帯域制限した結果の信号波形の例を示す図である。 中心周波数が1Hz、周波数帯域幅が16Hzの条件で帯域制限した結果の信号波形の例を示す図である。 自己相関関数の一例を示す図である。 中心周波数f0=1(Hz)の条件で、τ1と周波数帯域幅Δfとの関係を示す図である。 中心周波数f0=1(Hz)の条件で、最大ピークφ1と周波数帯域幅Δfとの関係を示す図である。 ある被験者に関する快適感を表すプリファレンス尺度値Prと最大ピークφ1との関係を示す図である。 複数の被験者に対する測定データの解析結果を示す図である。
符号の説明
1 ゆらぎ信号生成装置
2 ホワイトノイズ生成部
3 帯域通過フィルタ部
4 フィルタ設定部
5 D/A変換部
10 制御対象装置

Claims (6)

  1. 複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成するホワイトノイズ生成部と、
    入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う帯域通過フィルタ部とを備え、
    前記帯域通過フィルタ部の出力信号が、人に加える刺激の制御に使用され、
    前記中心周波数が1Hzであり、
    前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、
    中心周波数が1Hzの信号の自己相関関数φ(τ)をφ(0)で規格化したグラフφ(τ)/φ(0)において、原点以外に現われる最大のピークの大きさである最大ピークファクターを指定するフィルタ設定部をさらに備え、
    前記フィルタ設定部が、前記最大ピークファクターに対応する周波数帯域幅を決定し、
    前記帯域通過フィルタ部が、前記フィルタ設定部によって新たに設定された周波数帯域幅を用いて、前記帯域制限を行い、
    前記フィルタ設定部が、前記最大ピークファクターφ1に対応する周波数帯域幅Δfを
    、パラメータa及びbを用いてlog(Δf)=−a×(φ1−b)に従って決定し、
    前記パラメータaが1.85以上2.15以下の範囲の値であり、
    前記パラメータbが0.81以上0.83以下の範囲の値であることを特徴とするゆらぎ信号生成装置。
  2. 前記周波数帯域幅が5Hzであることを特徴とする請求項1に記載のゆらぎ信号生成装置。
  3. 複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成するホワイトノイズ生成部と、
    入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う帯域通過フィルタ部とを備え、
    前記帯域通過フィルタ部の出力信号が、人に加える刺激の制御に使用され、
    前記中心周波数が1Hzであり、
    前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、
    前記帯域通過フィルタ部からの出力信号の周波数の下限値f1及び上限値f2が、前記中心周波数f0及び前記周波数帯域幅Δfと、f0=(f1・f2)1/2、Δf=f2−f1 の
    関係にあることを特徴とするゆらぎ信号生成装置。
  4. 複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成する第1ステップと、
    入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う第2ステップとを含み、
    前記帯域制限された信号が、人に加える刺激の制御に使用され、
    前記中心周波数が1Hzであり、
    前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、
    前記第2ステップが、中心周波数が1Hzの信号の自己相関関数φ(τ)をφ(0)で規格化したグラフφ(τ)/φ(0)において、原点以外に現われる最大のピークの大きさである最大ピークファクターを変更する第3ステップと、
    前記最大ピークファクターに対応する周波数帯域幅を決定する第4ステップとを含み、
    前記第2ステップにおいて、前記第4ステップによって新たに設定された周波数帯域幅を用いて、前記帯域制限が行われ、
    前記第4ステップにおいて、前記第3ステップによって変更された前記最大ピークファクターφ1に対応する周波数帯域幅Δfを、パラメータa及びbを用いてlog(Δf)=−a×(φ1−b)に従って決定し、
    前記パラメータaが1.85以上2.15以下の範囲の値であり、
    前記パラメータbが0.81以上0.83以下の範囲の値であることを特徴とするゆらぎ信号生成方法。
  5. 前記周波数帯域幅が5Hzであることを特徴とする請求項に記載のゆらぎ信号生成方法。
  6. 複数の周波数成分の信号を含むホワイトノイズを生成する第1ステップと、
    入力される信号の内、中心周波数及び周波数帯域幅で指定される範囲内の周波数の信号を選択的に出力する帯域制限を行う第2ステップとを含み、
    前記帯域制限された信号が、人に加える刺激の制御に使用され、
    前記中心周波数が1Hzであり、
    前記周波数帯域幅が2Hz以上13Hz以下の値であり、
    前記帯域通過フィルタ部からの出力信号の周波数の下限値f1及び上限値f2が、前記中心周波数f0及び前記周波数帯域幅Δfと、f0=(f1・f2)1/2、Δf=f2−f1 の
    関係にあることを特徴とするゆらぎ信号生成方法。
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