JP4278824B2 - Radioactive material storage equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射性物質を密封した密封体から出る放射線を遮蔽するための放射性物体貯蔵容器、放射性遮蔽構造物等の放射性物質貯蔵設備に関し、詳細には熱及び外部雰囲気条件による遮蔽体の劣化を防止し、放射線遮蔽性能及び耐久性に優れ、且つ、外部荷重による損傷が少ないメンテナンス容易な放射性物質貯蔵設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所から発生する使用済燃料集合体を、解体処理すると共にプルトニウム等の再度燃料として使用できる有用物質を回収するため、再処理する計画がある。従来、このような使用済燃料は、その再処理を行うまでの間、原子炉の燃料集合体プール等に一次保管されてきたが、年々増大する使用済燃料によりプール等の保管設備の収容能力が限界に達するおそれがある。そこで、再処理を行うまでの間、安全に、安価にかつ取り出し可能な状態で使用済燃料を長期間保管できる設備が必要となってきている。
【0003】
このような設備として空気による自然冷却を行う乾式法の開発が進められ、プールに比べて運転コストの低いことが注目されている。
乾式法は、溶接密封金属容器(以下、キャニスタという)を用いた方法と輸送キャニスタに似た金属キャスク法との2つに大きく分類される。キャニスタ方式は、さらに多数のキャニスタを1つの貯蔵設備で遮蔽するボールト方式と、1つのキャニスタを1つのコンクリート構造物で遮蔽するサイロ若しくはコンクリートキャスク方式とに分けられる。それぞれの方式に一長一短があるが、低コストであることから近年米国ではコンクリートキャスク方式が注目されてきている。図3、及び図4は従来のコンクリートキャスク方式に使用されるコンクリートモジュールの水平方向及び垂直方向の概略断面図を示している。
【0004】
このコンクリートモジュール30は、キャニスタ31とコンクリート遮蔽体32とから基本的に構成されている。キャニスタ31は使用済燃料集合体を複数封入した溶接密封構造であり、封入した内部の放射性物質が外部に漏洩しない構造を有し、円筒状に形成されている。このキャニスタ31は円筒状のコンクリート製の遮蔽体32の中に装荷される。キャニスタ31と遮蔽体32との間には冷却空気流路33を形成する一定のギャップが設けられている。この冷却空気流路33に外部空気を導入するために、遮蔽体32の底部側には冷却空気入口34が設けられ、遮蔽体32の上部側には冷却空気出口35が設けられている。また、遮蔽体32の冷却空気流路33の内面には金属製のライナー36が設けられている。
【0005】
通常、使用済燃料からは崩壊熱に伴う発熱と放射線の発生を伴う。従って、このコンクリートモジュール30では使用済燃料の冷却、放射線の遮蔽、放射性物質の密封性能が必要になる。コンクリートキャスク方式では、冷却はキャニスタ31と遮蔽体32間の冷却空気流路33を流れる空気で、遮蔽は遮蔽体32で、密封はキャニスタ31で担保する。また、コンクリートモジュール30の強度も遮蔽体32で担保される。ここで、密封では絶対に放射性物質が外部に漏洩しないこと、遮蔽では貯蔵施設内や施設外の放射線量が法律に規定された基準値以下であること、冷却では、貯蔵期間中、キャニスタの表面温度やコンクリート製遮蔽体32の温度がキャニスタやコンクリートの性状に悪影響を与えないようにすることが要求されている。
【0006】
ところで、従来のコンクリート製遮蔽体では、外表面は常温であるが、内表面は使用済燃料からの崩壊熱により高温となり、内外表面における温度差が大きくなって、熱応力(内周部で圧縮応力、外周部で引張応力)が作用し、外周部での引張り応力がコンクリートの引張り強度より大きくなることが多く、このため外周部にひび割れが発生する要因となっている。過度にひび割れが発生した遮蔽体は耐久性や放射線遮蔽性能が低下して、使用に適さなくなるという問題があった。
この熱によるひび割れの影響を防止するため、例えば、周知の技術としてプレストレスト導入し熱応力による引張力をキャンセルする方法がある。また、特開平7−27897号公報、同8−43591号公報には、キャニスタと遮蔽体との間に遮熱板或いは遮蔽体内部にヒートパイプを配置する構造が開示されている。このような構造においては、プレストレス導入工法は技術的には可能であるが高コストであり、遮熱板やヒートパイプによればコンクリート遮蔽体の内部温度の上昇をある程度抑えることは期待できるが、内外面温度差やコンクリートの乾燥収縮によりコンクリート遮蔽体の外表面に発生するひび割れや外表面より進むコンクリートの経年劣化(中性化、塩分の浸入等)を防止することは困難であり、さらに、高コストであるという問題があった。
【0007】
このような温度差による劣化の問題のみならず、従来の鉄筋コンクリート製放射性物質貯蔵設備では、コンクリート遮蔽体が高温環境下に置かれるため、乾燥によりコンクリート中の水分が徐々に失われ、中性子線に対する遮蔽効果が長期的なスパンではあるが、経時により低下するという共通の問題がある。
このため、低コストで、長期間にわたり遮蔽性能の低下が無く、耐久性に優れ、さらに、外部からの荷重に対する安全性にも優れた放射性物質貯蔵設備が切望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、本発明の目的はコンクリート遮蔽体の放射能遮蔽性能に影響を与えるようなひび割れや、水分の損失を効果的に防止することにより、放射線遮蔽能力を長期間にわたって維持することができ、且つ、外荷重による損傷が少ない、耐久性に優れた放射性物質貯蔵設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、円筒状のコンクリート遮蔽体の外周面を鋼鈑などのライニング材で被覆し、外周部近傍に温度ひび割れ誘発用の仕切り板を配置することで、前記問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の放射性物質貯蔵設備は、放射性物質を密封した密封体の外側を円筒状のコンクリート製遮蔽体で囲み、該密封体と該遮蔽体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間の内部を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除去する放射性物質貯蔵設備において、該円筒状のコンクリート製遮蔽体の外周を鋼材などのライニング材で被覆し、且つ、その外周近傍に、該コンクリート製遮蔽体の径方向に対して0°及び90°でない方向に配置された部分を有するように配置し、好ましくは、該ライニング材と接するように温度ひび割れを誘発するための屈曲した形状の仕切り板を配置してなることを特徴とする。該仕切り板の表面には凹凸を設けてなることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、コンクリート製遮蔽体の外周を被覆するライニング材が内部コンクリートを拘束する役割を果たし、強度向上を図れるとともに、外周部に被覆層を設けることでコンクリート表面からの水分の損失を抑制することができ、水分の損失に伴う中性子線に対する遮蔽効果の低下を防止することができる。さらに、円筒状のコンクリート製遮蔽体の外周近傍に、該コンクリート製遮蔽体の径方向に対して0°及び90°でない方向に配置された部分を有するように、温度ひび割れを誘発するための屈曲した形状の仕切り板を配置することにより、この仕切り板に沿って温度ひび割れを誘発させ、放射線遮蔽性能に影響を与えるような貫通ひび割れ等を防止することができるとともに、ひび割れの間を通る放射線の透過を防止することができる。
本発明の放射性物質貯蔵設備において、円筒状のコンクリート製遮蔽体の外周部を被覆する金属性ライナーなどのライニング材にメンブレン構造要素として、内部コンクリートを拘束する役割を付与するとともに、さらに、円筒状のコンクリート製遮蔽体の内側領域には、円周方向及び鉛直方向の補強鉄筋を配置することで、地震などの外部荷重に対する抵抗性を向上させる態様をとることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の放射性物質貯蔵設備は、放射性物質を密封した密封体の外側に配置される外周表面をライニング材により被覆してなる円筒状のコンクリート製遮蔽体と上下の円板より構成し、該密封体と該遮蔽体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間の内部を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除去し、円筒状遮蔽体を構成する金属製のライニング材と、好ましくは内部に鉄筋による補強構造を設けたコンクリートにより、コンクリート遮蔽体の内外面温度差による熱応力や放射性物質貯蔵設備に作用する地震等の外部応力に抵抗する構造を実現したものである。
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の態様を具体的に説明する。
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係る放射性物質貯蔵設備10の水平方向の概略図及び垂直方向の概略断面図を示す。この放射性物質貯蔵設備10は、キャニスタ11とコンクリート遮蔽体12から構成される。キャニスタ11は円筒状であり、内部には放射性物質が密封されている。
【0013】
コンクリート製遮蔽体12は、外周表面をライニング材13で被覆された鉄筋コンクリート製の円筒部分12aとこれを支持する厚肉円板(下蓋)12b、及び、キャニスタ搬入出口の上蓋12cより構成されている。
遮蔽体12の内径とキャニスタ11の外径との間の間隙は冷却空気流路14として機能する。
【0014】
外周に使用されるライニング材13としては、公知のもの、例えば、鋼鈑等の金属板、高強度エンジニアリングプラスチック、繊維補強プラスチック等の成形体、炭素繊維や高強度ポリアミド系繊維などで補強した帯状の樹脂板や金属板を巻きつけてなるライニング材など、を適宜選択して使用することができるが、強度、耐久性を考慮すれば、一般構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材などの鋼板等が好ましく挙げられる。また、ライニング材の厚みには特に制限はないが、鋼板を用いる場合には、効果と経済性の観点から、一般的には、5〜20mmの範囲であることが好ましく、さらには、10〜15mmの範囲が好適である。ライナー13の厚みが薄すぎると強度の向上効果が不充分となり、厚すぎると経済性の観点から好ましくない。
【0015】
遮蔽体12の下側には、遮蔽体外部と冷却空気流路14を連通するための単数又は複数の冷却空気流路15が形成されている。この入り口側の冷却空気流路15は、外側に水平に形成された第1水平部、第1水平部の内側の端部から上に伸びる垂直部、及び垂直部の上側端部から内側に水平に伸びる第2水平部から構成されている。第1水平部の上面は第2水平部の下面と同一平面上に又は第2水平部の下面の下側に位置し、これにより第2水平部を通った放射線が屈曲部の壁面で反射されて外部に漏洩しないようになっている。なお、各水平部は内側になるにつれて上に傾斜してもよい。
遮蔽体12の入口側の冷却空気流路15より上側の内部には図示しない複数の突起が形成されており、この突起によりキャニスタ11が遮蔽体12に支持される。
【0016】
また、遮蔽体12の上部には、遮蔽体の下側に形成された冷却空気流路(入口側)15に対向する位置に冷却空気流路(出口側)16が形成されている。この冷却空気流路(出口側)16は内側に水平に形成された第1水平部、第1水平部の外側の端部から上に伸びる垂直部、及び垂直部の上側端部から外側に水平に伸びる第2水平部から構成されている。第1水平部の上面は第2水平部の下面と同一平面上に又は第2水平部の下面の下側に位置し、これにより第1水平部を通った放射線が屈曲部の壁面で反射されて外部に漏洩しないようになっている。なお、各水平部は外側になるにつれて上に傾斜してもよい。
これらの冷却空気流路(入口)15及び冷却空気流路(出口側)16の内側には、ライニング材13が取り付けられている。
なお、キャニスタ11に面する内周面のライニング材17には、遮蔽体12の温度上昇による劣化を抑制するため、必要に応じてセラミック系等の断熱材を設置することもできる。
【0017】
冷却空気は冷却空気流路(入口)15から遮蔽体内部の下側に導入され、冷却空気流路14を通過する際に遮蔽体12内に装填されたキャニスタ11を冷却し、自然対流により遮蔽体内を上昇して冷却空気流路(出口側)16から排気される。この過程において、キャニスタ11内の放射性物質から出る崩壊熱は、冷却空気流路14を通る空気の自然対流により外部に排出されると共に、崩壊熱の一部はコンクリート製遮蔽体12を構成するコンクリートに伝達される。
本発明によれば、円筒状のコンクリー卜製遮蔽体12aの表面は鋼板等のライニング材13で覆われており、コンクリートの中性化や飛来塩分の侵入等による耐久性の低下を防止できるとともに、コンクリート中の水分が外部に逸散しないため、中性子線等に対する遮蔽性能の低下を防止できる。
【0018】
本態様では、円筒状遮蔽体12aの外周表面を被覆するライニング材13の近傍に円筒の半径方向に、前記コンクリート製遮蔽体の径方向に対して0°及び90°でない方向に配置された部分を有するように、且つ、前記外周表面を被覆するライニング材13と接するように屏風状の仕切り板18を設置している。この屈曲した形状の仕切り板18に沿って温度ひび割れを誘発することにより、ひび割れの間を通した放射線の直線的な透過を防止し、遮蔽性能を確保することができる。
この仕切り板18は、円筒部12aを周方向に等分割するよう設置することが望ましく、設置箇所数は6ないし8ヶ所程度が適当と考えられるが、これに制限されるものではない。なお、仕切り板18の形状は、本態様では屏風状のものを用いているが、屈曲した形状を有するものであれば、仕切り板近傍に生じる可能性のあるコンクリートの温度ひび割れに対して、キャニスタ11より発せられる放射線が温度ひび割れを透過しない程度の大きさを有する限りにおいて、その形状に特に制限はなく、波形状、屏風状あるいはこれらと同等の屈曲した任意の形状を選択することができる。
これらを考慮すれば、仕切り板18は、厚み10〜20mm程度、屈曲のピッチが100〜300mm程度であることが好ましい。
【0019】
また、仕切り板18の表面には、仕切り板とコンクリートとのずれを防止し、コンクリートのせん断力の伝達を図る目的で、凹凸を設けることが好ましい。この凹凸の態様としては、例えば、厚さ5〜10mm、直径20〜30mm程度の円板状の凸部を、仕切り板の表面にピッチ50mm程度に設ける態様等が挙げられる。
仕切り板18の材質としては、形成する凹凸や屈曲形状の加工容易性や放射性物質貯蔵設備構築時の施工性及び各種放射線に対する遮蔽性能を考慮すると、繊維補強モルタル等のセメント系成型板やセラミック系成型板等の無機質材料を用いることが適当である。また、所定の凹凸形状を形成した鋼板を用いることも可能である。
【0020】
本態様では、強度を確保するために鉄筋コンクリート構造の遮蔽体の構成を採用しており、円筒状のコンクリート遮蔽体12aの内側領域には、円周方向の補強鉄筋19と鉛直方向の補強鉄筋20が配置されている。このように鉄筋コンクリート構造の円筒状遮蔽体12aに屈曲形状の仕切り板18を配置する場合には、図2に示すように、円筒状遮蔽体12aの外周部近傍に仕切り板18を配置して、ひび割れの防止を図るとともに、内周部近傍に補強鉄筋19、20を設ければよい。このような構造とすることで、円筒部12aを地震荷重に対する抵抗要素として利用することができる。また、遮蔽体12a外周部表面のライニング材13をメンブレン構造要素として、内部コンクリートを拘束する役割を付与することにより、ひび割れや外力に対する抵抗力を向上させることができる。
【0021】
このような構造とすることで、コンクリート遮蔽体円筒部12aの外側領域は主として放射線の遮蔽に寄与し、内側領域は放射線の遮蔽と地震時の抵抗要素との二つの機能を有する領域となる。これらの区分、すなわち、仕切り板18の長さや配置数、補強鉄筋の強度(太さ、材質)や配置の位置、配置ピッチは、コンクリート遮蔽体の受ける温度条件や付与すべき耐震性能に応じて適宜決めればよい。
【0022】
ここで、この円筒状コンクリート製遮蔽体12aの製造方法について説明する。円筒状遮蔽体12aを形成する際に、型枠として前記ライニング材13と金属製ライナー17を使用し、内部に補強用鉄筋19、20を配置して、内周部の金属製ライナー17と外周部のライニング材13とを、例えば、タイバー等により一定の間隔を有するように固定し、このライニング材13と金属製ライナー17で形成された二重円筒を型枠としてその中に遮蔽体を形成するためのコンクリートを打設し、硬化させて円筒状のコンクリート製遮蔽体12aを製造する。このとき、内部に仕切り板18も予め該コンクリート製遮蔽体の径方向に対して0°及び90°でない方向に配置された部分を有するように、且つ、外周表面を被覆するライニング材に接するように配置することで、仕切り板18と内部コンクリートとの一体化を図ることができる。
この方法によれば、ライニング材13と金属製ライナー17がコンクリート打設時の型枠を兼ねるため、型枠材料が不要となり、工期の短縮も達成することができる。
【0023】
本発明の遮蔽体12を構成するコンクリートとしては、公知のものを適宜、使用することができ、その製造方法としては、例えば、ミキサーにセメント及び細骨材・粗骨材を順次投入して数秒間空練りをした後、必要に応じて、セメント分散材や減水剤等の添加剤を水とともに加えて練り混ぜ、得られたペースト状のコンクリート組成物を型枠に打設して製造する方法が挙げられる。
【0024】
ここで、使用可能なセメントとしては、普通セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントのほか、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等の各種混合セメントを使用できる。
また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、これらのセメントに、高炉スラグ微粉末、硅石粉、石灰石粉、シリカヒューム微粉末等の無機質粉体を添加して用いることもできる。
【0025】
なお、コンクリート遮蔽体の製造に際し、凝固時に膨張性のあるコンクリートを使用することにより、膨張が周囲のライニング材により拘束されるため、コンクリート遮蔽体に圧縮力が導入され、温度ひび割れ防止や低減に効果的である。このような膨張性のあるコンクリートとしては、アルミナ粉を主成分とする膨張剤を添加した膨張コンクリート等が挙げられる。
【0026】
前記実施態様の利点としては、放射性物質貯蔵容器表面がライニング材で被覆され、コンクリート面が露出しないため、耐久性が向上し、また、外周面にライニング材が存在するため、地震等の外部荷重を受けても損傷が少なく、また、ひび割れも露出しないため、地震等の災害が起こった後も引き続き使用できる可能性が大きい点、貯蔵容器全体がライニング材に覆われているため、維持・保守が、定期的な鋼板の塗装程度ですみ、メンテナンスが容易である点、外周表面のライニング材によりコンクリート中の水分の逸散が防止されるため、長期間にわたり中性子線等に対する遮蔽効果が維持される点、などが挙げられる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の放射性物質貯蔵設備によれば、キャニスタの発熱によるコンクリート遮蔽体の劣化を防止し、長期間にわたり耐久性や遮蔽性能に優れたメンテナンス容易な放射性物質貯蔵設備を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る放射性物質貯蔵設備の水平方向の概略断面図を示す。
【図2】 図1の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略断面図を示す。
【図3】 従来の放射性物質貯蔵設備の水平方向の概略断面図を示す。
【図4】 図3の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略断面図を示す。
【符号の説明】
10 放射性物質貯蔵設備
11 キャニスタ
12 コンクリート製遮蔽体
12a 円筒状のコンクリート製遮蔽体
12b 遮蔽体の下蓋
12c 遮蔽体の上蓋
13 ライニング材(外周表面)
14 間隙(冷却空気流路)
15 入口側の冷却空気流路
16 出口側の冷却空気流路
17 金属製ライナー(内周表面)
18 仕切り板
19 円周方向の補強鉄筋
20 垂直方向の補強鉄筋[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a radioactive substance storage facility such as a radioactive object storage container and a radioactive shielding structure for shielding radiation emitted from a sealed body sealed with a radioactive substance, and in particular, prevents deterioration of the shield due to heat and external atmospheric conditions. In addition, the present invention relates to a radioactive material storage facility that is excellent in radiation shielding performance and durability and easy to maintain with little damage due to external loads.
[0002]
[Prior art]
There are plans to disassemble spent fuel assemblies generated from nuclear power plants and reprocess them to recover useful materials that can be used again as fuel, such as plutonium. Conventionally, such spent fuel has been primarily stored in the fuel assembly pool of the nuclear reactor until reprocessing, but the capacity of storage facilities such as the pool is increased by the spent fuel that increases year by year. May reach the limit. Therefore, there is a need for equipment that can store spent fuel for a long period of time in a safe, inexpensive, and removable state until reprocessing.
[0003]
Development of a dry method for natural cooling by air as such equipment has been promoted, and attention is paid to the fact that the operation cost is lower than that of a pool.
The dry method is roughly classified into two methods, a method using a welded sealed metal container (hereinafter referred to as a canister) and a metal cask method similar to a transport canister. The canister method can be further divided into a vault method in which a large number of canisters are shielded by one storage facility, and a silo or concrete cask method in which one canister is shielded by one concrete structure. Each method has advantages and disadvantages, but in recent years, the concrete cask method has attracted attention because of its low cost. 3 and 4 show schematic cross-sectional views in the horizontal and vertical directions of a concrete module used in the conventional concrete cask method.
[0004]
The
[0005]
Usually, spent fuel is accompanied by heat generation and radiation associated with decay heat. Therefore, the
[0006]
By the way, in the conventional concrete shield, the outer surface is at room temperature, but the inner surface becomes high temperature due to decay heat from the spent fuel, and the temperature difference between the inner and outer surfaces increases, resulting in thermal stress (compression at the inner periphery). Stress, tensile stress at the outer peripheral portion), and the tensile stress at the outer peripheral portion is often larger than the tensile strength of the concrete, which causes cracks at the outer peripheral portion. A shield that has excessively cracked has a problem that durability and radiation shielding performance are lowered, making it unsuitable for use.
In order to prevent the influence of cracks due to heat, for example, as a well-known technique, there is a method of introducing a pre-stress and canceling a tensile force due to thermal stress. Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 7-27897 and 8-43591 disclose a structure in which a heat pipe is disposed between a canister and a shield or inside the shield. In such a structure, the prestress introduction method is technically possible, but it is expensive, and it can be expected that the increase in the internal temperature of the concrete shield will be suppressed to some extent by using a heat shield plate or heat pipe. It is difficult to prevent cracks that occur on the outer surface of the concrete shield due to temperature difference between the inner and outer surfaces and drying shrinkage of the concrete, and aging deterioration of the concrete (neutralization, infiltration of salt, etc.) that progresses from the outer surface. There was a problem of high cost.
[0007]
Not only the problem of deterioration due to such temperature difference, but also in the conventional reinforced concrete radioactive material storage equipment, the concrete shield is placed in a high temperature environment, so moisture in the concrete is gradually lost due to drying, and against neutron radiation Although the shielding effect is a long span, there is a common problem that it decreases with time.
For this reason, there has been a demand for a radioactive material storage facility that is low in cost, has no deterioration in shielding performance over a long period of time, has excellent durability, and is excellent in safety against external loads.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of such a background, the purpose of the present invention is to effectively prevent cracks and moisture loss that affect the radiation shielding performance of the concrete shield, An object of the present invention is to provide a radioactive material storage facility that is capable of maintaining the radiation shielding ability for a long period of time and is less damaged by an external load and has excellent durability.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the inventors have covered the above-mentioned problem by covering the outer peripheral surface of a cylindrical concrete shield with a lining material such as a steel plate and arranging a partition plate for inducing temperature cracks in the vicinity of the outer peripheral portion. The present invention has been completed by finding that it can be solved.
That is, the radioactive substance storage facility of the present invention surrounds the outside of the sealing body sealed with the radioactive substance with a cylindrical concrete shield, and provides an air inflow space between the sealing body and the shield. In the radioactive material storage facility that removes heat generated by the radioactive material by the air flowing in the inflow space, the outer periphery of the cylindrical concrete shield is covered with a lining material such as steel, and in the vicinity of the outer periphery, A bent shape for inducing a thermal crack so as to contact with the lining material , preferably arranged so as to have a portion arranged in a direction not at 0 ° and 90 ° with respect to the radial direction of the concrete shield. It is characterized by arranging a partition plate. The surface of the partition plate is preferably provided with irregularities.
[0010]
According to the present invention, the lining material covering the outer periphery of the concrete shield plays a role of restraining the internal concrete, and the strength can be improved, and the loss of moisture from the concrete surface can be reduced by providing a coating layer on the outer periphery. It can suppress, and the fall of the shielding effect with respect to the neutron beam accompanying the loss of moisture can be prevented. Further, a bend for inducing a temperature crack so as to have a portion disposed in the vicinity of the outer periphery of the cylindrical concrete shield in a direction other than 0 ° and 90 ° with respect to the radial direction of the concrete shield. By arranging the partition plate in the shape, it is possible to induce temperature cracks along this partition plate, prevent penetration cracks that affect the radiation shielding performance, etc., and to prevent radiation passing between the cracks. Transmission can be prevented.
In the radioactive substance storage facility of the present invention, the membrane structure element is provided as a membrane structural element to a lining material such as a metallic liner covering the outer periphery of a cylindrical concrete shield, and further, a cylindrical shape is provided. It is preferable to take the aspect which improves the resistance with respect to external loads, such as an earthquake, by arrange | positioning the reinforcement bar | burr of the circumferential direction and a perpendicular direction in the inner area | region of a concrete shielding body.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
The radioactive substance storage facility of the present invention comprises a cylindrical concrete shielding body formed by covering the outer peripheral surface of a sealing body sealed with a radioactive substance with a lining material and upper and lower disks, and the sealing An air inflow space is provided between the body and the shield, heat generated by the radioactive material is removed by the air flowing in the air inflow space, and a metal lining material constituting the cylindrical shield, and preferably Is a concrete structure that resists external stresses such as earthquakes acting on the radioactive material storage equipment and thermal stress due to the temperature difference between the inside and outside surfaces of the concrete shield, by means of concrete provided with a reinforcing structure with reinforcing bars inside.
[0012]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
1 and 2 show a schematic diagram in the horizontal direction and a schematic sectional view in the vertical direction of the radioactive
[0013]
The
A gap between the inner diameter of the
[0014]
As the
[0015]
Under the
A plurality of projections (not shown) are formed inside the cooling
[0016]
Further, a cooling air flow path (outlet side) 16 is formed at a position facing the cooling air flow path (inlet side) 15 formed on the lower side of the shielding body at the upper part of the shielding
A lining
In addition, in order to suppress deterioration due to the temperature rise of the
[0017]
Cooling air is introduced from the cooling air flow path (inlet) 15 to the lower side of the shield, cools the
According to the present invention, the surface of the cylindrical concrete shield 12a is covered with a
[0018]
In this embodiment, a portion arranged in the radial direction of the cylinder in the vicinity of the
The
Considering these, it is preferable that the
[0019]
Moreover, it is preferable to provide unevenness on the surface of the
As the material of the
[0020]
In this aspect, the structure of the shield of the reinforced concrete structure is adopted in order to ensure the strength. In the inner region of the cylindrical concrete shield 12a, the
[0021]
With such a structure, the outer region of the concrete shield cylindrical portion 12a mainly contributes to radiation shielding, and the inner region becomes a region having two functions of radiation shielding and a resistance element at the time of earthquake. These divisions, that is, the length and number of the
[0022]
Here, the manufacturing method of this cylindrical concrete shielding body 12a is demonstrated. When the cylindrical shield 12a is formed, the lining
According to this method, since the lining
[0023]
As the concrete constituting the
[0024]
Here, as usable cement, various mixed cements such as blast furnace cement, fly ash cement, and silica fume cement can be used in addition to various portland cements such as ordinary cement, early-strength cement, and moderately hot portland cement.
Further, if necessary, inorganic powders such as blast furnace slag fine powder, meteorite powder, limestone powder, and silica fume fine powder can be added to these cements within a range not impairing the effects of the present invention. .
[0025]
In the production of concrete shields, the use of expansive concrete during solidification constrains expansion by the surrounding lining material, so a compressive force is introduced into the concrete shields to prevent and reduce temperature cracks. It is effective. Examples of such expansive concrete include expansive concrete to which an expansive agent mainly composed of alumina powder is added.
[0026]
As an advantage of the above embodiment, the surface of the radioactive material storage container is covered with a lining material, and the concrete surface is not exposed, so that the durability is improved, and since the lining material is present on the outer peripheral surface, an external load such as an earthquake is applied. Even if it is damaged, there is little damage and cracks are not exposed, so there is a high possibility that it can be used continuously after a disaster such as an earthquake, and the entire storage container is covered with lining material, so maintenance and maintenance However, regular steel plate coating is sufficient, maintenance is easy, and the lining material on the outer peripheral surface prevents the moisture from escaping in the concrete, so the shielding effect against neutrons, etc. is maintained over a long period of time. Point.
[0027]
【The invention's effect】
According to the radioactive substance storage facility of the present invention, it is possible to prevent the deterioration of the concrete shield due to the heat generated by the canister, and to construct a radioactive substance storage facility that is excellent in durability and shielding performance over a long period of time and easy to maintain.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view in the horizontal direction of a radioactive substance storage facility according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view in the vertical direction of the radioactive substance storage facility of FIG.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view in the horizontal direction of a conventional radioactive substance storage facility.
FIG. 4 is a schematic sectional view in the vertical direction of the radioactive substance storage facility of FIG. 3;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
14 Gap (cooling air flow path)
15 Cooling
18
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