JP4276613B2 - 無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4276613B2
JP4276613B2 JP2004327301A JP2004327301A JP4276613B2 JP 4276613 B2 JP4276613 B2 JP 4276613B2 JP 2004327301 A JP2004327301 A JP 2004327301A JP 2004327301 A JP2004327301 A JP 2004327301A JP 4276613 B2 JP4276613 B2 JP 4276613B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rem
steel sheet
inclusions
oriented electrical
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004327301A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006137975A (ja
Inventor
寛 原田
智弘 今野
雅文 宮嵜
岳顕 脇坂
高英 島津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2004327301A priority Critical patent/JP4276613B2/ja
Publication of JP2006137975A publication Critical patent/JP2006137975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4276613B2 publication Critical patent/JP4276613B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

本発明は、モーター鉄芯などに用いられる無方向性電磁鋼板の鉄損を下げて、エネルギーロスを少なくし、電気機器の効率化を図り省エネに寄与すべく、鉄損、特に歪取り焼鈍後の鉄損に優れた無方向性電磁鋼板、及びそのために製鋼段階でのノズル閉塞及びノズル詰まり等の障害を発生させることなく製造可能な方法を提供することを目的とする。
無方向性電磁鋼板は、結晶粒径が150μm程度で鉄損が最小となることが知られている。このため、製品特性の観点から、あるいは製造の簡略化、高生産性化の観点から、仕上げ焼鈍での結晶粒成長性のより良い鋼板が望まれている。
結晶粒成長を阻害する主たる要因の一つは、鋼中に微細に分散する介在物である。製品中に含まれる介在物の個数がより多くなるほど、また大きさが小さくなるほど、結晶粒成長が阻害されることが知られている。
すなわち、ゼナー(Zener)が提示したように、介在物の球相当半径rと鋼中に占める介在物の体積占有率fで表されるr/f値がより小さいほど、結晶粒成長はより悪化する。したがって、結晶粒成長を良好化するためには、介在物の個数をより少なくすることは勿論、介在物の大きさをより粗大化させることが肝要である。
無方向性電磁鋼板の結晶粒成長を阻害する微細介在物としては、シリカ(SiO2 )やアルミナ(Al2 3 )などの酸化物、硫化マンガン(MnS)などの硫化物、窒化アルミ(AlN)や窒化チタン(TiN)などの窒化物などが知られている。
これらの微細介在物を除去あるいは必要充分なレベルにまで減少させるために、溶鋼段階で高純化を図ればよいことは自明である。しかし、微細介在物を除去、あるいは必要充分なレベルにまで減少させるために、溶鋼段階で高純化を図ることは、製鋼コストアップが避けられないので、好ましくない。
そこで別法として、種々の元素を鋼に添加して介在物の無害化を図る方法がいくつか知られている。
酸化物に関しては、技術進歩により、強脱酸元素であるAlを充分量添加し、酸化物の浮上除去時間を充分に採ることにより、溶鋼段階で酸化物を除去し無害化することが可能となっている。
硫化物に関しては、例えば特許文献1〜4などに開示されるように、脱硫元素である希土類元素(以下REMと記述)などの添加によってSを固定する方法が知られている。
窒化物に関しては、特許文献5あるいは6などに開示されるように、B添加によって粗大介在物としてNを固定する方法が知られている。
また、複合介在物に関しては、REM含有介在物にAlNからなる窒化物を複合させる方法(特許文献7)、Zr硫化物、Mn硫化物もしくは(Zr,Mn)複合硫化物又はこれらの硫化物とAlの窒化物もしくは酸化物と合体させる方法(特許文献8)が知られている。
特開昭51−62115号公報 特開昭56−102550号公報 特開昭59−74212号公報 特許3037878号公報 特公昭58−1172号公報 特公昭59−20731号公報 特許3430794号公報 特開平8−333658号公報
上述の方法によって、酸化物、硫化物ならびに窒化物を無害化した上で、仕上げ焼鈍あるいは打ち抜き加工後の歪取り焼鈍を行った場合、結晶粒成長が部分的にばらついて、微細結晶粒と粗大結晶粒が混在するようになり、鉄損が不良となる場合があった。
この原因は、焼鈍段階において、製品板の一部分に含まれる0.1μm未満の微細な含Ti化合物、TiNやTiSが結晶粒の成長を阻害するためであることを知見し、本発明者らの数名が特願2004−135675号として出願した。
その骨子は、鋼中にREMを添加し、かつAl,Ti,N濃度を適正範囲に制御することでREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドを生成し、かつその上にTiNを複合析出させることで、上述の微細な含Ti化合物の個数密度を低減することを狙ったものである。
発明者らのその後の調査により、上述のTiN,TiSに加えてより低温で析出するTiCも0.1μm未満の微細な析出物となり、特に歪取り焼鈍時の粒成長性に大きく影響を及ぼすことがわかった。いずれにしても、0.1μm未満の微細な含Ti化合物の個数密度を低位に抑える必要がある。
しかしながら、TiNの析出サイトとして活用するREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドはAl2 3 と同様にクラスター化しやすく、取鍋からタンディッシュに、またタンディッシュから鋳型内に溶鋼を耐火物製ノズルを介して注入する際、耐火物内壁面にREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドが付着し、付着厚みが過大となった場合には閉塞に至り、鋳造を中断せざるを得ないという問題が発生した。
本発明は、取鍋からタンディッシュに、タンディッシュから鋳型内に溶鋼を耐火物製ノズルを介して注入する際、ノズル詰まりの発生を抑制しつつ、加えて、微細な含Ti化合物が析出することを防止することにより、結晶粒を充分かつ均等に粗大成長させ、低鉄損化することが可能な無方向性電磁鋼板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とする。
(1)質量%で、
C :0.01%以下、 Si:0.1〜4%、
Al:0.1〜3%、 Mn:0.1〜2%、
REM:0.0015〜0.02%、 Ti:0.0015超〜0.005%
S :0.003%以下、 N :0.003%以下、
Ca:0.01%以下、
残部鉄および不可避的不純物からなり、かつ、鋼板内にCaを含有したREMオキシサルファイド及び/又はサルファイドを含有し、その介在物中のCa濃度が質量%で0.1〜50%であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(2)前記(1)において、鋼板内に含まれるCaを含有したREMオキシサルファイド及び/又はサルファイドの球相当径が0.1〜10μmで、かつその個数密度が1000個〜106 個/mm3 であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(3)前記(1)又は(2)において、鋼板内に含まれるCaを含有したREMオキシサルファイド及び/又はサルファイドの個数あたり少なくとも5%以上にTiの窒化物が複合析出していることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(4)前記(1)乃至(3)のいずれか1項において、球相当径100nm未満のTiを含んだ介在物の個数密度が1×1010個/mm3 以下であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(5)前記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板用溶鋼を取鍋精錬する方法において、先ずSi,Alを用いて脱酸し、その脱酸溶鋼中にCaO及び/又はCaOを含んだ脱硫フラックスを添加し、脱硫及び介在物をAl からCaO−Al に改質した後、REMを添加して真空脱ガスを含む取鍋精錬を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法。
本発明により、仕上げ焼鈍や歪取り焼鈍段階での結晶粒成長が良好、すなわち磁気特性が良好な無方向性電磁鋼板を製造するにあたり最大の課題であった製鋼段階でのノズル詰まりを防止することができる。その結果、磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を安定して提供することができ、需要家のニーズを満たしつつ省エネに貢献できる。
以下、本発明の作用メカニズムに関して詳述する。以下の説明において、成分含有量は質量%である。
先ず、C:0.0029%、Si:3.0%、Al:0.58%、Mn:0.2%、S:0.001%を含有した溶鋼を用い、表1に示すようにREM濃度が異なる条件で鋳造を行い、取鍋ノズル及び浸漬ノズル詰まり発生と鋼中REM濃度との関係を調査した。
ここでREMとは、原子番号が57のランタンから71のルテシウムまでの15元素に原子番号が21のスカンジウムと原子番号が39のイットリウムを加えた合計17元素の総称である。
REM添加はFe−Si−REM合金を用いて行った。その合金中には、セリウム(Ce),ランタン(La),ネオジウム(Nd),プラセオジウム(Pr)を含有しており、表1に示すREM濃度とは上記4成分の鋼中での質量%の総和を意味している。
その結果、REM濃度が60ppmを超えると取鍋ノズルの閉塞が生じ、取鍋内に溶鋼が残存した状態で鍋返送せざるをえなかった。加えて、REM濃度が40ppmから60ppmの場合、タンディッシュから鋳型内に溶鋼を供給する浸漬ノズルにおいても閉塞が発生し、鋳造を中断せざるをえなかった。一方、REM濃度が15ppm未満であると、REMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドが観察されなかった。
ノズル閉塞に至ったノズルを切断し、ノズル内壁面を調査すると、REMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドが多量に付着していた。
ここで、REMを添加するのは、REMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドの結晶格子構造とTiNとの結晶格子構造は類似する点が多いため、これらの介在物を核生成サイトとしてTiNが複合析出し、鋼中に固溶したTi濃度を低減できるからである。しかしながら、微細な含Ti化合物の析出を防止するためにはREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドが必要、すなわち、鋼中REM濃度を確保する必要がある反面、REM濃度が高くなるとノズル詰まりならびにノズル閉塞が避けられないという相反する問題が生じたのである。
無方向性電磁鋼板の場合、鋼中S濃度が低い方が好ましいため、脱硫を行う必要がある。REMは脱硫能力が高いため、脱硫材としてREMを活用することは古くから開示されている。また、脱硫材として一般的に用いられるCaO、あるいはさい化促進のためにフッ化カルシウム(CaF2 )との混合物、等をREMと組み合わせて用いる方法も開示されている。しかしながら、REMオキシサルファイドあるいはサルファイドを鋼中に残した状態でノズル閉塞を防止する方法について報告された例はない。そのため、REM添加時のノズル閉塞あるいは詰まりを防止する方法は依然として不明のままであった。
そこで、発明者らはノズル詰まりを防止するため、CaOを用いて脱硫だけでなく介在物を改質する方法について検討した。介在物がAl2 3 の場合、CaOとの複合介在物に改質することで低融点化できることがよく知られている。また、図1に示すように、Al2 3 −Ce2 3 もCaOとの複合組成とすることで低融点化できることが報告されている(S.Ueda et al.,ISIJ-Int.38(1998),No.12, pp1292-1296)。
さらに図1を詳しくみると、低融点領域はCaO−Al2 3 上には観察されるが、CaO−Ce2 3 線上、Al2 3 −Ce2 3 上には観察されないことがわかる。すなわち、図1に太線の矢印で示すように、最初にAl2 3 を形成した後、CaOで改質することで低融点のCaO−Al2 3 の酸化物を形成した状態で、Ceを添加することが最もAl2 3 −Ce2 3 −CaO系の低融点領域を最も広く活用できることが推察される。
そこで本発明では、先ずSi,Al脱酸をした後に、CaO単体あるいはCaOとCaF2 等のさい化促進材との混合物を添加し、介在物をCaO−Al2 3 に改質する。そしてREMを添加することとする。
次のポイントは、生成した介在物がTiNの核生成サイトとして活用できるか否かである。残念ながら、CaOの結晶構造はTiNと相反する点が多く、TiNの核生成サイトとしては好ましくないことが知られている。そのため、本発明における第二のポイントは、REMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドとCaOとの複合介在物をどのような組成ならびに形態に制御するかを明らかにすることである。
発明者らは、C:0.0026%、Si:3.0%、Al:0.59%、Mn:0.21%、S:0.001%を含有した溶鋼をRH真空精錬装置にて、脱炭、Si,Al脱酸を行った後、CaOが55%、CaF2 が45%からなるフラックスを添加し、脱硫及び介在物の改質を行った後、REM添加を行った。
REM添加はFe−Si−REM合金を用いて行った。その合金中には、セリウム(Ce),ランタン(La),ネオジウム(Nd),プラセオジウム(Pr)を含有しており、表2に示すREM濃度とは上記4成分の鋼中での質量%の総和を意味している。また、フラックス添加量とREM添加量を変化させた条件、比較のため、フラックスのみを添加した条件、REMのみを添加した条件についても行った。
表2−1,表2−2に試験条件と代表的な結果をまとめて示した。それぞれの条件で得た溶鋼を連続鋳造機にて鋳片を鋳造後、鋳片を熱間圧延、熱延板焼鈍した後、厚さ0.35mmに冷間圧延し、850℃×30秒の仕上げ焼鈍を施し、絶縁皮膜を塗布して製品板を作成した。さらに、これら製品板に、750℃×1.5時間の歪取り焼鈍を施した。その後に、介在物ならびに磁気特性の調査を行った。
磁気特性調査は25cmエプスタイン法により行った。一方、介在物調査は以下に示す方法で行った。タンディッシュ内で採取した溶鋼サンプルを表面から適宜研磨して鏡面とし、SEM−EDAXにより観察した。製品板については表面から適宜厚さ研磨して鏡面とし、後述のエッチングを施した後にレプリカを採取し、レプリカに転写された介在物をフィールドエミッション型透過電子顕微鏡により観察した。この場合、レプリカではなく薄膜を作成して観察してももちろんよい。
介在物の径と個数密度は一定観察面積中の介在物を全て計測して評価し、また介在物の組成はEDXならびにディフラクションパターン解析により決定した。介在物の最小サイズに関し、介在物の格子定数が数オングストロームであるので、それ以下のサイズは存在し得ないのは明白であるが、安定的に存在する介在物核の径の下限値はおよそ5nm程度であるので、そのレベルまで観察できる方法(倍率など)を選択すればよい。
エッチング方法は例えば黒沢らの方法(黒沢ら:日本金属学会誌,43(1979),p.1068)により非水溶溶媒液中でサンプルを電解腐食し、介在物を残したまま鋼のみを溶解させて介在物を抽出した。
以下、今回の試験によって得られた結果について述べる。
先ず、フラックス添加とREM添加を組み合わせることで、本発明の一つの目的であったREM単独添加の場合に発生したノズル閉塞を回避することができた。特筆すべきはタンディッシュでのREM濃度が100ppmであったとしても、鍋ノズルならびに浸漬ノズル閉塞が発生しなかったことである。ただし、REM濃度が200ppmを超えると、ノズル詰まりの発生が顕著となり、No.7の条件では鍋ノズル、浸漬ノズルともにノズル閉塞が発生した。そこで、REM濃度の上限値は200ppmとする。
次に、タンディッシュで採取した溶鋼サンプル中に見られる各条件での介在物組成ならびに形態を調査した。REM濃度が15ppm以上の場合には、Caを含有したREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドが見られた。一方、REM濃度が15ppm未満の場合、Caを含んだREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドは見られず、Ca、AlとREMの複合酸化物が観察されるのみであった。そのため、REM濃度の下限値は15ppmとする。
次に、製品板の介在物を調査した。その結果、図2に示すように、Caを含有したREMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドにTiNが複合析出している介在物をかなりの頻度で見つけることができた。また特徴として、全てのCaを含んだREMのオキシサルファイドあるいはサルファイドにTiNが複合析出しているわけではないが、少なくとも5体積%以上にはTiNが複合析出していた。尚、図2の観察は、表2−1及び表2−2のNo.5の製品板を観察した結果である。
その介在物、すなわちCaを含んだREMオキシサルファイドならびにサルファイドの特徴を調べた結果、以下の特徴が有することがわかった。
第一に、その球相当粒径が最小値が0.1μm、最大値が10μmであること、第二に、その個数密度が最小値が103 個/mm3 、最大値が106 個/mm3 であること、そして第三に、その介在物中のCa濃度が質量%で、最低値が0.1%、最高値が50%であることであった。なお、本発明でいうCaを含んだREMオキシサルファイドあるいはサルファイドとは、Ca濃度とREM濃度の和が60%以上であるものを意味する。他のAl,Si,Mn,Ti,Mgが介在物中に含まれていても差し支えない。
Caを含んだREMオキシサルファイドあるいはサルファイドが上記特徴を満足していれば、0.1μm未満の含Ti介在物の個数密度が1010個/mm3 未満であり、鉄損値は従来の製造コストが高い極低Ti材(表2−2のNo.12)とほぼ同じ鉄損値であった。
次に、Caを含んだREMのオキシサルファイドあるいはサルファイドが上記特徴を満足すべき理由について説明する。
Caを含んだREMオキシサルファイドあるいはサルファイドの粒径については、0.1μm未満であれば、その介在物そのものが粒成長性に悪影響を及ぼすため、下限値は0.1μmとする。一方、上限値を10μmとしているのは、これを超えた介在物では、TiNを複合析出している介在物が観察されなかったからである。
Caを含んだREMオキシサルファイドあるいはサルファイドの個数密度については、106 個/mm3 を超えて存在している条件では鉄損の悪化傾向が認められたため、上限値は106 /mm3 とした。
一方、Caを含んだREMオキシサルファイドあるいはサルファイドの個数密度が103 個/mm3 よりも少ないとTiNの析出サイトとして充分機能しえず、TiN単独で析出する、あるいはより低温でTiS,TiCとして析出しており、その結果、微細な含Ti介在物個数密度が1010個/mm3 以上であった。そのため、Caを含んだREMオキシサルファイドの個数密度については、上限値を106 個/mm3 、下限値を103 個/mm3 とする。
Caを含有したREMオキシサルファイドあるいはサルファイド中のCa濃度範囲が0.1%から50%と幅がある理由について説明する。
図2に示した介在物はCa濃度が48%と高いにも関わらず、TiNが複合析出している。特徴的なのは複合析出している面(図2の介在物の右側)は圧延時に破砕された形態を呈しており、その面にTiNが複合析出していること、一方、図2の左側の破砕されていない面にはTiNの複合析出が認められないことである。
そこで、その理由を詳しく検討するため、タンディッシュでの溶鋼サンプル中に含まれる介在物に関してその断面を調査した。その結果、図3に示すように、Caを含有したREMオキシサルファイドあるいはサルファイドは2層構造をしており、外部(図中黒い部分)でCa濃度が高く、内部(図中白い部分)はCa濃度が低いREMオキシサルファイドあるいはサルファイドであることがわかった。
つまり、Ca濃度が高い状態が圧延後も維持されればTiNの核生成サイトとして作用しないが、圧延によって介在物が破砕されその内部が外に顔をだすか、あるいは新生面が形成されることでTiNの核生成サイトとして作用することができる。
そこで、このような特徴を有する介在物中のCa濃度をSEM−EDAXにて調査したところ、0.1%から50%であった。図3(a)がCa濃度が50%の場合であり、 (b)が0.1%の場合である。
Ca濃度を0.1%から50%に限定した理由は、TiNの複合析出効果を得るためである。特に0.1%と低いのは、図3(b)の様に外層部が過小でその内部のCa濃度の分析値で代表した。一方、図3(a)のように外部の分析が可能な場合についてCa濃度の分析をすると、最大値50%以内に全ての介在物が含まれていた。そこで、上限値として50%とするが、Ca濃度が高くなるに従い、TiNの複合析出効果は小さくなるため、上限値としては30%が望ましい。
なお、このような介在物形態をとるのは、フラックス添加時に生成したCaO−Al2 3 やCaSとREMが改質した結果、あるいはCaO−Al2 3 、CaSとREMオキシサルファイドあるいはサルファイドが凝集合体した結果により生成すると考えられる。
最後に、CaならびにREMのオキシサルファイドあるいはサルファイドの個数あたり5%以上にTiNが複合析出していることを条件とする理由について検討した結果を、図4を用いて説明する。
図4は鋼板中に観察されたCaならびにREMオキシサルファイドならびにサルファイドの全個数に対するTiNが複合析出している介在物個数の割合と鉄損の関係を示したものである。図4からわかるように、5%未満であればTiをスカベンジできたとは言えず鉄損値も高い。5%以上でTiのスカベンジ効果が鉄損改善効果として現われてくることによる。また図4に示すように、TiNが複合析出している割合が増えれば鉄損が低減し、20%以上であればほぼその効果は同等であるため、好ましくは20%以上とする。
加えて、TiNが複合析出している割合が個数あたり5%以上となると、0.1μm未満の微細な含Ti介在物TiN,TiSに加えて、特にTiCの個数密度が1010個/mm3 以下となっていた。さらに割合が増えると上記微細な含Ti介在物の個数密度はさらに低減していた。
以上より明らかなように、本発明によりSi,Al脱酸を行った後、フラックスを添加し脱硫および介在物の改質を行った後、REMを添加することで、取鍋からタンディッシュに、タンディッシュから鋳型内に溶鋼を耐火物製ノズルを介して注入する際に発生していたノズル詰まりを防止することができた。加えて、上記作用の結果形成される、CaならびにREMを含んだ介在物は複層構造をしており、圧延時に破砕されることでその内部のREMオキシサルファイドあるいはサルファイドの表面をTiNの核生成サイトとして活用することができ、0.1μm未満の微細な含Ti介在物の個数密度を低位に抑えることができる。
なお、以上の結果は、歪取り焼鈍を従来一般的に行われているより短時間で行った結果であるが、従来レベルの歪取り焼鈍を行った場合には、微細介在物のピン止め作用による結晶粒成長差がより顕著化するので、以上述べた結晶粒成長性、ならびに鉄損の適不適が一層明確になることは言うまでもない。
また、REMの元素であれば、1種だけ用いても、あるいは2種以上の元素を組み合わせて用いても、本発明の範囲内であれば上記の効果は発揮される。
次に、本発明における成分組成の好ましい含有量の限定理由について説明する。
[C]:Cは、磁気特性に有害となるばかりか、Cの析出による磁気時効が著しくなるので、上限を0.01%とした。下限は0%を含む。鋼中Tiの全てがTiNとして消費されない場合も起こり得るので、好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.003%以下がよい。
[Si]:Siは鉄損を減少させる元素である。下限の0.1%より少ないと鉄損が悪化する。また、上限の4.0%を超えると加工性が著しく不良となるため、上限を4.0%とした。
なお、Siは鋼中のTiの活量を上げる効果を有するため、Siがより高いとTi析出物の生成がより活発化し、Caを含んだREMオキシサルファイドへのTiNの複合析出がより促進され、Caを含んだREMオキシサルファイド1個あたりに固定されるTi量が増加し、鋼中の微細なTi析出物の個数密度がより減少する。このCaを含んだREMオキシサルファイドあるいはサルファイドにTiNが複合析出する効果はSi量の概ね2乗に比例するため、Si量はより高いほうが好ましい。
具体的には、鋼中における径100nm以下の微細Ti析出物の個数密度が、Si量が2.2%の場合に1×109 個/mm3 以下となり、Si量が2.5%の場合に5×108 個/mm3 以下となる。よって、Si量の下限値として、2.2%以上であることが好ましく、2.5%以上であればさらに好ましい。
またSi量の上限は、冷延性が良好な4.0%である。上限値が3.5%であれば、冷延性が一層良好となって一層好ましい。
[Al]:AlはSi同様に鉄損を減少させる元素である。下限の0.1%未満では鉄損が悪化し、上限の3.0%を超えるとコストの増加が著しい。Alの下限は、鉄損の観点から好ましくは0.2%、より好ましくは0.3%、さらに好ましくは0.6%とする。
[Mn]:Mnは鋼板の硬度を増加させ、打抜性を改善するために0.1%以上添加する。なお、上限の2.0%は経済的理由によるものである。
[N]:NはAlNやTiNなどの窒化物となり鉄損を悪化させる。本発明によってREM介在物にTiNとして固定されるものの、その実用上の上限として0.005%とした。なお上記の理由により、上限として好ましくは0.003%、より好ましくは0.0025%、さらに好ましくは0.002%である。
また前記の理由により、Nはできる限り少ないほうが好ましいが、0%に限りなく近づけるには工業的な制約が大きいため、下限を0%超とする。なお、実用上の下限として0.001%を目安とし、0.0005%まで下げると窒化物が抑制されてより好ましく、0.0001%まで下げるとさらに好ましい。
[Ti]:TiはTiC,TiNおよびTiSなどの微細介在物を生成し、粒成長性を悪化させ、鉄損を悪化させる。本発明によりREMオキシサルファイドにTiNとして固定されるものの、その実用上の上限として0.005%とした。
なお、Tiは粒成長性を悪化させる元素であるために少ないほうが好ましいが、鋼中AlがAlNとして析出する前にTiNが析出することが必要であるため、0.0015%超が好ましい。
[REM]:REMはオキシサルファイドを形成してSを固定し、微細Tiサルファイドの生成を防止または抑制する。また、TiNの複合析出サイトとなり、Tiの固定効果を発揮する。このため、Ti量に応じた所用量を上回る含有量が必要となるが、0.0015%以上であれば、REMオキシサルファイドあるいはREMサルファイドを形成することができる。なお、上限の0.02%は前述したようにノズル閉塞防止のために規定される。さらに好ましくは0.01%である。
[S]:SはMnS等の硫化物となり、粒成長性を悪化させ、鉄損を悪化させる。本発明によりREMオキシサルファイドとして固定されるものの、その実用上の上限として0.003%とした。さらに好ましくは0.002%未満である。
また前記の理由により、Sはできる限り少ないほうが好ましいが、0%に限りなく近づけるには工業的な制約が大きく、またREMオキシサルファイドの形成に必要であるため、下限を0%超とし、経済性などを考慮した実用上の下限として0.0005%を目安とする。
[Ca]:Caは脱硫と介在物の改質の作用を有する。但し、添加量が多くなれば左記効果は顕著となるが、その一方で過剰なCaは粒成長性を悪化させ、鉄損を悪化させる。そこで本発明の上限として0.01%とした。さらに好ましくは上限値が0.005%である。
[O]:Oは0.005%より多く含有されると、酸化物が多数生成し、この酸化物によって磁壁移動や結晶粒成長が阻害される。よって0.005%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは上限値が0.003%である。
また前記の理由により、Oはできる限り少ないほうが好ましいが、0%に限りなく近づけるには工業的な制約が大きく、またREMオキシサルファイドの形成に必要であるため、下限を0%超とし、経済性などを考慮した実用上の下限として0.0005%を目安とする。
以上、述べてきた成分以外の元素で、本願の鋼の効果を大きく妨げるものでなければ含有していても良く、本発明範囲とする。
以下に、選択元素について説明する。尚、これらの含有量の下限値は、微量でも含有されていれば良いため、すべて0%超とする。
[P]:Pは材料の強度を高め、加工性を改善する。但し、過剰な場合は冷延性を損ねるため、0.1%以下が好ましい。
[Cu]:Cuは耐食性を向上させ、また固有抵抗を高めて鉄損を改善する。但し、過剰な場合は製品板の表面にヘゲ疵などが発生して表面品位を損ねるため、0.5%以下が好ましい。
[Mg]:Mgは脱硫元素であり、鋼中のSと反応してサルファイドを形成しSを固定する。しかしREMと異なり、TiNを複合して析出させる効果は小さい。添加量を多くすれば脱硫効果が強化されるが、上限の0.05%を超えると、過剰なMgのサルファイドにより粒成長が妨げられる。よって0.05%以下が好ましい。
[Cr]:Crは耐食性を向上させ、また固有抵抗を高めて鉄損を改善する。但し、過剰な添加はコスト高となるため、20%を上限とした。
[Ni]:Niは磁気特性に有利な集合組織を発達させ、鉄損を改善する。但し過剰な添加はコスト高となるため、1.0%を上限とした。
[Sn]および[Sb]:SnまたはSbは偏析元素であり、磁気特性を悪化させる(111)面の集合組織を阻害し、磁気特性を改善する。これらは1種だけ用いても、あるいは2種を組み合わせて用いても、上記の効果を発揮する。但し、0.3%を超えると冷延性が悪化するため、0.3%を上限とした。
[Zr]:Zrは微量でも結晶粒成長を阻害し、歪取り焼鈍後の鉄損を悪化させる。よって、できる限り低減して、0.01%以下とすることが好ましい。
[V]:Vは窒化物あるいは炭化物を形成し、磁壁移動や結晶粒成長を阻害する。このため、0.01%以下とすることが好ましい。
[B]:Bは粒界偏析元素であり、また窒化物を形成する。この窒化物によって粒界移動が妨げられ、鉄損が悪化する。よって、できる限り低減して、0.005%以下とすることが好ましい。
以上の他にも公知の元素を添加することが可能であり、例えば磁気特性を改善する元素としてBi,Geなどを用いることができ、これらを所用の磁気特性に応じて適宜選択すればよい。
質量%で、C:0.0026%、Si:3.0%、Al:0.59%、Mn:0.21%、S:0.001%を含有し、表2−1,表2−2に示す条件で溶鋼を溶製した後、連続鋳造、熱間圧延、熱延板焼鈍し、厚さ0.35mmに冷間圧延した。
次いで、850℃×30秒の仕上げ焼鈍を施し絶縁皮膜を塗布して製品板を製造し、さらに750℃×1.5時間の歪取り焼鈍を施した後に、製品板中の介在物調査、結晶粒径調査ならびに25cmエプスタイン法による磁気特性調査を行った。介在物調査はレプリカ法によって介在物を抽出した後にTEMを用いて観察し、結晶粒径は板厚断面を鏡面研磨し、ナイタールエッチングを施して結晶粒を現出させて平均結晶粒径を測定した。
表2−1,2−2から明らかなように、本発明に準拠する製品板は結晶粒成長ならびに鉄損値に関して良好な結果が得られた。一方、本発明範囲外であれば、ノズル閉塞の発生が見られ操業を中断せざるをえない場合が生じたり、製品板の鉄損値が劣る結果が得られた。
以上説明した通り、無方向性電磁鋼板中に内包される介在物を適正に制御することにより、簡易な焼鈍でも安定して良好な磁気特性が得られ、特に、簡易な歪取り焼鈍でも安定して良好な磁気特性を得ることが可能となり、需要家のニーズを満たしつつ省エネに貢献できる。
Figure 0004276613
Figure 0004276613
Figure 0004276613
CaO−Al2 3 −Ce2 3 の3元系状態を示した図である。 鋼板中に観察されたCaならびにREMを含有した介在物にTiNが複合析出した例を示した図である。 タンディッシュの溶鋼サンプルで観察された介在物のSEM観察像を示した図であり、(a)はCa濃度が50%、(b)はCa濃度が0.1%の場合を示す。 CaならびにREMを含有した介在物にどれだけの割合でTiNが複合析出していたかと鉄損との関係を示した図である。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.01%以下、 Si:0.1〜4%、
    Al:0.1〜3%、 Mn:0.1〜2%、
    REM:0.0015〜0.02%、 Ti:0.0015超〜0.005%
    S :0.003%以下、 N :0.003%以下、
    Ca:0.01%以下、
    残部鉄および不可避的不純物からなり、かつ、鋼板内にCaを含有したREMオキシサルファイド及びサルファイドのいずれか一方又は両方を含有し、その介在物中のCa濃度が質量%で0.1〜50%であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  2. 請求項1において、鋼板内に含まれるCaを含有したREMオキシサルファイド及びサルファイドのいずれか一方又は両方の球相当径が0.1〜10μmで、かつその個数密度が1000個〜106 個/mm3 であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  3. 請求項1又は2において、鋼板内に含まれるCaを含有したREMオキシサルファイド及びサルファイドのいずれか一方又は両方の個数あたり少なくとも5%以上にTiの窒化物が複合析出していることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、球相当径100nm未満のTiを含んだ介在物の個数密度が1×1010個/mm3 以下であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板用溶鋼を取鍋精錬する方法において、先ずSi,Alを用いて脱酸し、その脱酸溶鋼中にCaO及びCaOを含んだ脱硫フラックスのいずれか一方又は両方を添加し、脱硫及び介在物をAl からCaO−Al に改質した後、REMを添加して真空脱ガスを含む取鍋精錬を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法。
JP2004327301A 2004-11-11 2004-11-11 無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法 Active JP4276613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004327301A JP4276613B2 (ja) 2004-11-11 2004-11-11 無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004327301A JP4276613B2 (ja) 2004-11-11 2004-11-11 無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006137975A JP2006137975A (ja) 2006-06-01
JP4276613B2 true JP4276613B2 (ja) 2009-06-10

Family

ID=36618982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004327301A Active JP4276613B2 (ja) 2004-11-11 2004-11-11 無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4276613B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210052519A (ko) 2018-10-02 2021-05-10 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 무방향성 전자 강판 및 그의 소재가 되는 슬래브 주편의 제조 방법

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5876210B2 (ja) * 2010-02-02 2016-03-02 Jfeスチール株式会社 圧縮応力下での鉄損劣化の小さいモータコア
CN103305659B (zh) * 2012-03-08 2016-03-30 宝山钢铁股份有限公司 磁性优良的无取向电工钢板及其钙处理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210052519A (ko) 2018-10-02 2021-05-10 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 무방향성 전자 강판 및 그의 소재가 되는 슬래브 주편의 제조 방법
CN112789363A (zh) * 2018-10-02 2021-05-11 杰富意钢铁株式会社 无方向性电磁钢板和作为其材料的板坯铸片的制造方法
CN112789363B (zh) * 2018-10-02 2022-06-07 杰富意钢铁株式会社 无方向性电磁钢板和作为其材料的板坯铸片的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006137975A (ja) 2006-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2497973C2 (ru) Нетекстурованный лист из электротехнической стали и способ его получения
KR100742420B1 (ko) 철손에 우수한 무방향성 전자 강판 및 그 제조 방법
KR100912974B1 (ko) 저철손 무방향성 전자기 강판
JP4510911B2 (ja) 高周波用無方向性電磁鋼鋳片の製造方法
JP4568190B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
CN101528385A (zh) 磁特性优异的无取向电磁钢板的制造方法
KR20140044929A (ko) 무방향성 전기 강판
US8840734B2 (en) Non-oriented electrical steel sheet
KR100675709B1 (ko) 미세하게 분산된 개재물을 갖는 강
JP5263012B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
KR20010100866A (ko) 가공성이 우수한 저철손 무방향성 전자 강판 및 그 제조방법
JP4280197B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
KR100711410B1 (ko) 연성이 높은 박강판 및 그 제조방법
JP4280224B2 (ja) 鉄損に優れた無方向性電磁鋼板
JP4276613B2 (ja) 無方向性電磁鋼板ならびに無方向性電磁鋼板用溶鋼の取鍋精錬方法
JP4280223B2 (ja) 鉄損に優れた無方向性電磁鋼板
JP2005179710A (ja) 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法
WO2022219742A1 (ja) 無方向性電磁鋼板用熱延鋼板及びその製造方法
KR20080057677A (ko) Ni-Fe-Si계 저열팽창 합금 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080325

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090306

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4276613

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350