JP4274578B2 - 投影露光装置 - Google Patents

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本発明は、半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシンなどをリソグラフィ工程で製造する際に用いられる投影露光装置に関する。
半導体素子あるいは液晶素子をフォトリソグラフィ工程で製造する際には、原版であるレチクルに描かれるパターンを感光材が塗布されるウエハ上に転写する半導体露光装置が使用されている。
従来、半導体露光装置としては、ウエハの各露光領域(ショット領域)を順次投影光学系の露光フィールド内に移動して、各ショット領域へレチクルの回路パターンを一括露光する、いわゆるステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型半導体露光装置が多くの生産現場において稼動していた。しかし、半導体チップの大型化は近年の趨勢であり、半導体露光装置に対してはレチクル上のより大きな面積のパターンをウエハ上に転写露光するための大面積化が求められるようになっている。同時に、半導体素子のパターン微細化に応じて解像度の向上も要求されている。しかしながら、解像力向上と露光面積大型化の両条件を満たす縮小投影型露光装置の設計および製造は技術的に困難であるという問題があった。
このような問題の解決のために、スリット状の照明領域に対してレチクルを走査し、その照明領域と共役な露光領域に対してレチクルと同期してウエハを走査することにより、レチクル上に描画されたパターン像を逐次ウエハ上に露光するという、いわゆる走査型投影露光装置が開発されている。走査型半導体露光装置においては、レチクルを保持するレチクルステージと、感光基板であるウエハを保持するウエハステージとを同期させて、投影光学系に対して互いに逆向きかつ投影倍率に応じた速度比で相対走査により、ウエハに対する露光が行なわれる。
何れの方式の半導体露光装置も、スループット(生産性)向上を図るためには、レチクルステージおよびウエハステージを高加速度でしかも高速で駆動せねばならない。したがって、投影レンズ群を格納する鏡筒(以下、投影光学系と称する)をはじめとした構造体等に振動を発生せしめることは避けられなかった。不幸なことに、この種の振動は、位置決め整定あるいはスキャン整定を長引かせると共に露光性能を劣化させるという問題を惹起せしめていた。
まず、駆動反力に起因する構造体等の振動は、レチクルもしくはウエハステージの位置決め整定を乱す原因となることに注意したい。なんとなれば、構造体にはレチクルもしくはウエハステージの位置を計測する位置計測手段としてのレーザ干渉計が装着されているからである。構造体の振動によってレーザ干渉計も振動するので、各ステージも振動してしまい位置決め整定を長引かせるのである。そこで、両ステージ直近の本体構造体に備えられた加速度センサの出力を、それぞれのステージのドライバ前段にフィードバックすることによって位置決め整定を良好にすることが行なわれている。この技術は既知であり、例えば特開平10−012513号公報(走査型投影露光装置)に詳しく開示されている。この制御技術は、ステージの駆動に起因して発生する定盤の振動を捕捉して、この振動に追従してステージを動かし位置決めの誤差を無くそう、とするものである。
次に、駆動反力に起因する振動が、露光性能を劣化させてしまうことを説明しよう。
まず、駆動反力による振動はステージそのものを直に支えている定盤などの構造物だけでなく、露光装置の心臓部である投影光学系も振動させている。当然に、ステージを直に支持する定盤などの構造物とは異なる振動モードである。そして、概ね円柱の構造物の投影光学系は、通常、鉛直方向に立てられ、フランジと称する結合部位で機械的に本体構造体に接続する。したがって、低次の振動モードで、かつ露光性能に甚大な影響を及ぼすモードは、円柱状の投影光学系が倒れを発生する振動である。例えば、半導体露光装置が走査型である場合、レチクルとウエハとを所定の速度比で同期スキャンすることによって、レチクルの回路パターンがウエハ上では静止した状態にあって露光がなされることが重要となる。このとき、投影光学系が振動していれば、回路パターンもウエハ上で振動することになり、したがって露光精度を劣化させてしまうのである。
より具体的に図面を参照しながら、ステージの駆動に起因した投影光学系の振動が及ぼす露光精度への影響をみていこう。
図1に本発明の走査型の半導体露光装置を示す。同図において、光源1から出射した露光光ILは、ミラー2、レチクルブラインド3、リレーレンズ4、ミラー5、コンデンサレンズ6を通ることによって、均一な照度かつレチクルブラインド3によって設定したスリット状の照明領域でレチクル7を照明する。レチクルステージ8はレチクルステージ定盤9の上に支持され、そしてレチクルステージ8上の移動鏡10にレーザビームLBを当ててその反射光を受光することによってレチクルステージ8の位置を検出するレチクル干渉計11が設けられて、図中左右方向(y軸方向)に走査される。
レチクルステージ8の下方には投影光学系POが配置されており、レチクル7上の回路パターンを所定の縮小率で感光基板としてのウエハWに縮小投影する。ウエハWは水平2次元平面を移動するウエハステージ12の頂部の微動ステージ12aにいだかれており、移動鏡13にレーザビームLBを照射して得られる反射光をウエハレーザ干渉計14が捕捉することによってウエハステージ12の位置が検出できる。そして、ウエハステージ12はウエハステージ定盤15に搭載されている。
さて、露光動作中、ウエハステージ12はレチクルステージ8と同期して、図中左右方向(y軸方向)でレチクルステージ8とは反対方向に走査されるが、両ステージの駆動反力は、レチクルステージ定盤9とウエハステージ定盤15とを含む本体構造体を揺動させる。そして、本体構造体に含まれる投影光学系POの振動も惹起せしめる。
本体構造体の振動によってレチクル干渉計11とウエハレーザ干渉計14の計測値に発生する誤差の影響は、各ステージ直近に備えた振動センサとしての加速度センサ18Rおよび18Wの出力を各ステージ制御系にフィードバックして補正することができた。フィードバックの構成は既に特開平10−012513号公報(走査型投影露光装置)に開示されている。しかし、投影光学系POの振動については、レチクル干渉計11とウエハレーザ干渉計14に重畳する本体振動とは様相を異にしており、したがって投影光学系POの振動に起因する露光精度への影響は、上記公開公報記載の技術によって軽減または排除できるものでなかった。
そこで、本発明では、各ステージの駆動反力などによる投影光学系POの振動の露光精度への悪影響を排除した投影露光装置を提供することを目的とする。
なお、本発明とほぼ同様の課題を解決するためになされた公知資料として特開平10−261580号公報(露光装置)がある。同公開公報では、露光装置本体の振動を振動センサによって計測して、主制御系によりその計測結果を用いてレーザ干渉計の計測値に発生する振動に起因する誤差を補正し、これによってレチクルとウエハの位置ずれを防止する装置構成を開示している。より具体的に説明すると、露光装置本体の振動は投影レンズ群を納める投影光学系に振動センサを装着することによって検出し、この振動をレチクル微動ステージの位置制御系にフィードフォワードしている。
同公開公報には、振動センサの装着位置を特定する記述はないが、図面を参照すると鏡筒の下方に振動センサが取付けられている。つまり、露光位置の、すなわちウエハ側の振動を検出する意図がある。そして、露光位置での振動に起因する誤差を、投影光学系POの縮小倍率分だけ位置決め精度が緩くなるレチクル微動ステージで修正せんとしていることが分かる。
同公開公報中の図2には、投影光学系に設けた振動センサの出力信号に基づいてレチクル微動ステージの位置を修正するブロックが示されている。図8は、この公報中の図2を再掲したものである。同公報と同じ呼称および番号を使って、意図している動作をさらに詳しく記述すると以下のようになる。
まず、加速度センサ50の出力は、積分回路70に通して速度信号に変換され、続いてレチクル微動ステージ制御系56にフィードフォワードしている。フィードフォワードはレチクル微動ステージの物理的な速度を表わす所(図中の自然積分器である76の入力側)に印加されている。現実にはレチクル微動ステージを駆動するドライバの前段にしか信号を注入できないわけであり、したがって図8のブロック図の表記には過誤があり、このブロック図の忠実な実現は不可能である。しかし、図8から実現せんとしている思想は汲み取れる。すなわち投影光学系の振動を加速度センサ50で検出し、それを積分器70と積分器76とを介することによって投影光学系の振動の絶対変位を演算して、それを位置制御系が構成されているレチクル微動ステージへの目標信号に相当するものとしているのである。つまり、投影光学系が振動したことによって発生した変位に相当する量を算出し、この量そのものでレチクル微動ステージの位置を修正せんとしているのである。
なお、加速度センサ50の出力をレチクル微動ステージに「フィードフォワード」すると記述されているが、力学的に厳密な解釈を行なうと「フィードバック」である。その理由は、特開平5−250041号公報(多重加速度フィードバック付き位置決め装置)を参照することによって理解できる。上記特開平10−261580号公報に則して簡単に言うと、各ステージの駆動によって構造物たる投影光学系が振動し、逆に構造物が何等か原因によって振動したときには各ステージの性能に影響が及ぶわけであり、つまりは各ステージと投影光学系を含めた構造物は力学的に連成しているのである。連成している構造物の振動(加速度信号)をステージ制御系の中に取り込めば制御系の安定性に関与するフィードバックと言えるのである。ただ、そのフィードバックによってレチクル微動ステージの位置を補正するので必ず適量があってその量は僅かであるため、結果として各ステージ制御系の固有値を変更するような動作を示さないだけなのである。以上の理由から、本発明では、投影光学系に装着した振動センサの出力をステージ制御系に導入する形態を、フィードバックと呼ぶ。
次に、上記特開平10−261580号公報(露光装置)に開示の装置構成の問題点を指摘しておこう。
概略円柱状の投影光学系POがある回転中心で回転したとき、PO内のレンズ群にとっては並進と回転の両者の変位が与えられる。ここで、「ある回転中心」が投影光学系POにおける「節点」のとき、レンズ群に与えられた並進と回転に起因する露光光のシフトが相互に相殺し合って最終的なウエハ上の結像位置のシフトとしては現われない。すなわち、収差は発生させてしまうものの、露光位置のずれに対する補正は本来不要なのである。しかるに、特開平10−261580の露光装置によれば、投影光学系が節点で回転の振動をしていたとしても、投影光学系の下方に装着した振動センサの出力を使って、常にレチクル微動ステージの位置を修正してしまうので、本来補正すべきでないところを無意味に補正して露光の位置誤差を招いてしまうのである。そして、もともと、ステージに対する位置計測手段としてのレーザ干渉計に重畳する振動の影響を補正するために、レーザ干渉計と一体的に振動していると見做せるであろうところの投影光学系の振動を計測し、この信号出力を使ってレチクル微動ステージの位置に対して修正を掛けることを意図しており、レーザ干渉計とは様相を異にする投影光学系の振動に起因する露光誤差への影響を補正することはできない、という問題があった。
そこで、本発明では従来技術の欠点を克服するために、投影光学系の振動状態をよく踏まえて露光誤差への影響を補正せんとするものである。
特開平10−012513号公報 特開平10−261580号公報 特開平5−250041号公報
本発明の課題を整理すると次のようになる。
半導体素子の製造に際して求められる高スループット化に伴い、レチクルステージとウエハステージの高速スキャンもしくは高速位置決めがなされている。その際、各ステージの駆動反力によって、本体構造体と剛に結合している各ステージの位置計測手段としてのレーザ干渉計を振動させていた。同時に、半導体露光装置の心臓部たる投影光学系POにも、先のレーザ干渉計とは様相を異にする振動を発生させていた。
従来、レーザ干渉計に重畳する振動のステージ整定への影響は、これを補正する制御手段によって軽減ないし除去されていた。しかしながら、投影レンズ群とこれらを納める鏡筒とからなる投影光学系POは、概ね円柱の形状をしており、機械的には鉛直方向に支持されている。したがって、レチクルステージあるいはウエハステージの駆動によって、主には倒れの振動が発生していた。この振動は、投影光学系PO内を通過する露光光を曲げることになるので露光精度の不良を招く原因となっていた。すなわち、レーザ干渉計の振動とは様相を異にする投影光学系POの振動に起因した露光精度への悪影響を排除する手段は十分開発されていない、という課題が残されていた。
本発明は、上述の従来例における問題点に鑑みてなされたもので、投影露光装置における投影光学系の振動の露光精度への悪影響を排除することを課題とする。
上記の課題を解決するため本発明では、原版に形成されたパターンを被露光基板上に投影する投影光学系を有する投影露光装置であって、前記投影光学系の振動を計測するための少なくとも2個の振動計測手段と、前記原版を搭載して前記投影光学系の光軸に垂直な方向に移動可能な原版ステージと、前記被露光基板を搭載して前記投影光学系の光軸に垂直な方向に移動可能な基板ステージと、前記原版および被露光基板の位置を計測する位置計測手段と、前記振動計測手段の出力に基づいて、前記投影光学系の振動による前記被露光基板上の露光光のシフト量を振動モードごとに算出し、該算出された結果と前記位置計測手段の計測値とに基づいて前記原版および被露光基板の少なくとも一方の位置を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明では、例えば、投影光学系の屈曲状の振動を検出するに必要な個数の振動センサもしくはレーザ干渉計を備え、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置の場合には、前記制御手段は、屈曲状の振動が所定のトレランス内になったことを検出もしくは判定してから露光を掛け、走査型投影露光装置の場合には、スキャン露光時に投影光学系の屈曲状の振動が所定のトレランス内になるように、ウエハとレチクルのどちらか一方もしくは両者を駆動するため加減速プロファイルあるいは一定速のスキャンに先立つ助走距離を最適化することが好ましい。
さらには、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型半導体露光装置と走査型投影露光装置の何れの装置においても、投影光学系における屈曲状の振動を最小と成すように投影光学系を支える除振装置のパラメータを最適選定することが好ましい。
なお、前記振動計測手段は、例えば、前記投影光学系の光軸方向および光軸に垂直な平面内の直交する2軸方向の1〜3方向の振動を計測できるものである。また、前記投影光学系の加速度、速度および変位のいずれかを計測できる手段である。また、前記振動計測手段はレーザ干渉計を用いたものであってもよい。
前記振動モードは、例えば、前記投影光学系の回転運動と並進運動とを含んでいる。または、前記投影光学系の回転運動と並進運動を含む剛体振動モードと、前記投影光学系の変形による振動モードとを含んでいる。
従来の露光装置において原版ステージおよび/または基板ステージを位置決めする際には、投影光学系の振動を検出するとしても上記特開平10−261580号公報に記載されているように1個の振動センサにより検出しており、上述のように投影光学系の振動による像位置の光軸と垂直な方向へのシフトを必ずしも適切には補正できないという問題があった。これに対し本発明では、少なくとも2個以上の振動計測手段を備えることにより、投影光学系の振動モードを分離して検出することができる。したがって、この振動モードに応じて原版ステージおよび/または基板ステージの位置または走りの補正を行なうことにより、特に原版に対する被露光基板のアライメント精度および原版ステージと基板ステージの同期精度を向上させることができ、投影光学系の振動の露光精度への悪影響を抑えることができる。
本発明の好ましい実施の形態において、前記振動計測手段は、前記投影光学系の光軸方向(z方向)および光軸に垂直な平面内の直交する2軸方向(xおよびy方向)のいずれか1もしくは2方向または3方向全ての振動を計測できるものである。また、前記振動計測手段は、前記投影光学系の原版側と被露光基板側とに離して設置することが好ましい。その場合、前記振動計測手段は、前記投影光学系の原版側および被露光基板側の各端部またはその近傍に設置するのが特に好ましい。
前記制御手段は、各振動計測手段の出力に基づいて前記投影光学系の振動(ゆれ)を検出する。ゆれとしては、1次モード(剛体モード)や、2,3次モード(変形モード)がある。また、振動の加速度としては、並進加速度や回転加速度がある。
前記振動計測手段は、前記投影光学系の加速度、速度および変位のいずれかを計測できる手段である。前記振動計測手段としては、例えば加速度センサが好適に使用できる。もしくは、振動計測手段に代えてレーザ干渉計を投影光学系の振動の計測に用いることも可能である。
一例として、前記振動計測手段は、前記投影光学系の鏡筒に取り付けられる。その場合、前記制御手段は、前記振動計測手段を使って、前記鏡筒の振動から前記振動の加速度や振動モードあるいは前記所定の位置の変位を算出し、振動モードに応じて被露光基板のアライメントや前記原版ステージと基板ステージの走査時の補正を行ない、あるいは変位後の前記所定の位置へ前記被露光基板表面を合致させる。または、前記振動計測手段を使って、前記鏡筒の振動から前記所定の位置の変形量を算出し、前記ステージの前記光軸方向への駆動量を補正する。
前記パターンの形成された原版は、マスク基板またはレチクル基板であり、前記被露光基板は、感光基板、前記投影光学系光軸方向の感光基板のずれ量を計測するための基板、前記投影光学系の光軸に垂直な方向の感光基板のずれ量を計測するための基板、および前記投影露光装置の状態を計測するための基板のいずれかである。また、前記所定の位置は、前記投影光学系の結像面、または該結像面に平行な所定の平面である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例に係る半導体露光装置の構成を示す。既に、[従来の技術]の項で、同図を用いての説明は行なっており、新規部分についてのみ説明を追加する。
先ず、半導体露光装置が走査型である場合における主制御装置17が担う動作を説明する。レチクル干渉計11の出力に基づいてレチクルステージ8を+y(または−y)方向に所定の走査速度Vでスキャンする。これと同期して、ウエハステージ12はウエハレーザ干渉計14の出力に基づき−y(または+y)方向に所定の速度比の速度Vでスキャンする。ただし、V=βVの関係がある。βは投影光学系POの縮小倍率である。ここで、レチクル干渉計11の出力に基づくレチクルステージ8の制御と、ウエハレーザ干渉計14の出力に基づくウエハステージ12の制御が各々独立していると、種々の外乱の印加によって同期関係が乱されて同期誤差を招く。この同期誤差を吸収して即座にV=βVの関係を保持する同期補正のための制御ループも主制御装置17の中に機能として含まれる。このようなステージ間の同期関係の修復機能としては、特開平10−012513(走査型投影露光装置)に開示したマスタ・スレイブ同期制御系のループ構造が知られている。
さて、従来技術に係る半導体露光装置に対して、本実施例の半導体露光装置では投影光学系POの上下部分に振動センサ16Uyと16Dyを装着し、この出力が主制御装置17に入力されていることが特徴となる。つまり、振動センサ16Uy,16Dyの出力によって投影光学系POの振動状態を検出し、その出力に基づいてレチクルステージ8とウエハステージ12の同期スキャンに対して補正を掛けて、投影光学系POが振動することに起因する露光精度への悪影響を除去する。同期スキャンに対して補正を掛けるとは、レチクルステージ8とウエハステージ12の何れか一方に、もしくは両ステージに補正を掛けることを意味する。なお、振動センサとしては加速度センサが好適に使用できる。
より具体的に、図面を参照しながら、投影光学系POの上下部分に装着した振動センサ16Uyと16Dyとに基づいて、レチクルステージ8とウエハステージ12の同期スキャンに対してどのような補正を加えるのかを説明する。
図2は、図1における主制御装置17の具体的構成の一例を示す。ここで、ウエハステージ12は、x軸方向に駆動されるXステージ12X、y軸方向に駆動されるYステージ12Y、および微動ステージ12Bから構成される。まず、ウエハWを載置する微動ステージ12Bを上下動かつ傾斜させる位置決め制御系の説明を行なう。微動ステージ12Bに対しては運動モードに基づく非干渉化制御系が採用されており、本出願人の先の出願に係る特開平7−319549号公報に詳しい。簡単に説明すると、36は運動モード抽出演算手段であり、微動ステージ12Bのz軸方向変位を計測する不図示の変位検出手段からの信号を入力してz軸方向並進運動、x軸回りの回転運動、およびy軸回りの回転運動という運動モード信号を抽出する。その出力は、指令値発生手段31の出力信号と比較して運動モード偏差信号(eg,eθx,eθy)を生成する。ここで、egはz軸方向並進運動を表わす運動モード偏差信号、eθxはx軸回りの回転運動を表わす運動モード偏差信号、eθyはy軸回りの回転運動を表わす運動モード偏差信号である。これらの運動モード偏差信号は運動モードごとに最適な補償を施すための補償器32G,32X,32Yに導かれ、運動モード分配演算手段33への入力となる。運動モード分配演算手段33の出力は微動ステージ12Bを駆動するアクチュエータ34M,34R,34Lを付勢する電力アンプ35M,35R,35Lへの入力となる。ここで、指令値発生手段31ヘの入力は、投影光学系POを基準にしてウエハWの露光面までのフォーカス距離を計測する不図示の位置計測手段からの信号である。なお、特開平7−319549号公報ではアクチュエータ34M,34R,34Lが変位拡大機構を含めたピエゾ素子であったが、本実施例においてはそのようなアクチュエータに限定されるものではなく電磁アクチュエータも含むものである。
次に、y軸方向にスキャン駆動されるウエハステージ12に対する位置制御手段について説明する。まず、ウエハレーザ干渉計14の出力とスキャンプロファイラー20の出力とを比較して位置偏差信号を得る。これを適切な補償器21を介して駆動信号を生成する。具体的に、補償器21としてはPID補償器を使うことができる。ここで、Pは比例を、Iは積分を、そしてDは微分動作をそれぞれ意味する。続いて、補償器21が生成する駆動信号はウエハステージ12を駆動するドライバ22に印加され、スキャンプロファイラー20が指定する時刻と位置にウエハステージ12を定位させることができる。
最後に、y軸方向にスキャン駆動されるレチクルステージ8に対する位置制御手段について説明する。まず、レチクルレーザ干渉計11の出力と、スキャンプロファイラー20の出力を、投影倍率βの逆数1/βである定数器23に通した信号と比較して偏差信号を得る。この偏差信号は補償器24への入力となる。この補償器24としては、既に説明した補償器21と同様にPID補償器が好適に用いられ、この補償器24の出力はレチクルステージ8を駆動するドライバ25への入力となる。
このように、ウエハステージ12とレチクルステージ8の駆動は、何れもウエハレーザ干渉計14とレチクルレーザ干渉計11の出力に基づく閉ループ系によって制御されている。そして、各閉ループ系の高速応答を図るために、フィードフォワード補償が施される。ウエハステージ12に対しては、スキャンプロファイラー20の信号を目標値フィードフォワード手段26を通してドライバ22の前段にフィードフォワードしており、レチクルステージ8に対しては定数器23の信号を目標値フィードフォワード手段27を通してドライバ25の前段にフィードフォワードしている。
また、各ステージの駆動によってウエハレーザ干渉計14とレチクルレーザ干渉計11が揺れることによって計測値に誤差が重畳するが、これを相殺するために、ウエハ定盤15の振動を振動センサ18Wによって計測し、加速度フィードバック手段28を介してドライバ22の前段にフィードバックしている。同様に、レチクル定盤9の振動を振動センサ18Rによって計測し、この信号を加速度フィードバック手段29を介してドライバ25の前段にフィードバックしている。
さらに、ウエハステージ12とレチクルステージ8の同期を確保するために、ウエハステージ12に対して組まれた閉ループ系の位置偏差信号を投影光学系POの縮小倍率βの逆数1/βである同期補正パス30を介した信号をレチクルステージ8に対して構成される閉ループ系の目標入力としている。いわゆる、マスタ・スレイブ同期制御方式が採用されている。
上述の制御系構成によって、ウエハステージ12の速度をVとレチクルステージ8の速度をVとおいて、スキャンプロファイラー20が指定する時刻と位置に各ステージを定位させるとともに、V=βVの関係を満たす所定の速度比で同期的にスキャンさせることができる。
加えて、本実施例では、投影光学系POの上下方向に振動センサ16Uy,16Dyを備え、これらの信号を露光精度確保のために活用する。まず、振動センサ16Uy,16Dyの出力は、投影光学系の振動モード検出手段40に導かれて、投影光学系POの回転中心に関する並進運動加速度aと回転運動加速度aθとを検出する。振動センサ16Uy,16Dyの計測に基づく回転中心の位置と、光学設計の観点から既知の「節点」の位置とを使った座標変換によって、投影光学系POの節点に関する並進運動加速度aと回転運動加速度aθと演算しても構わない。ここで、並進投影光学系POの振動を並進と回転成分とに分離する必要性を述べておく。前記[従来の技術]の項で述べたように、投影光学系POの「振動の回転中心」と「節点」が一致しており、その回りで回転振動成分だけがある場合、同成分に起因した露光誤差は発生しない。したがって、レチクルステージ8とウエハステージ12の何れに対しても回転振動成分に基づく補正は不要である。しかし、「節点」に関して投影光学系POの並進振動成分があると、これは露光誤差を招く。したがって、この成分の振動を捉えてレチクルステージ8もしくはウエハステージ12のどちらか一方に、あるいはレチクルステージ8とウエハステージ12の両者に対して並進振動成分に基づく補正を掛ける必要がある。そして、一般的には、「節点」以外に「振動の回転中心」があり、この回りで回転するとともに並進振動も混じるのである。したがって、回転と並進の振動に対して適切な補正を掛けていく必要がある。
いま、投影光学系POの並進振動成分による平行偏心量Δεが発生したとき、補正すべき位置誤差ΔtεはΔtε=KεΔεと表現できる。ここで、Kεは平行偏心感度、である。
同様に、投影光学系POの回転振動成分による傾き偏心量Δθが発生したとき、補正すベき位置誤差ΔtθはΔtθ=KθΔθと表現できる。ここで、Kθは傾き偏心感度である。そうして、トータルで補正せねばならない位置誤差はΔtε+Δtθであるが、この量は投影光学系POの振動モードによって、すなわち並進と回転の運動モードの混ざり方によって大きく異なる。より具体的には、各振動モードの符号によって絶対値は異なってしまうのである。したがって、本実施例のように、振動センサを少なくとも2個(16Uy,16Dy)以上備えて、投影光学系POの振動モードを分離した形で検出する意義は大いにあると言えるのである。
再び、図2を参照して、投影光学系POの振動モード検出手段40の出力aとaθはともにPO位置レチクル補正フィードバック手段41とPO位置ウエハ補正フィードバック手段42とに導かれ、フィードバック手段41と42においてはaとaθを入力信号とする適切な補償が施される。そして、PO位置レチクル補正フィードバック手段41の出力はレチクルステージ8を駆動するドライバ25の前段に、PO位置ウエハ補正フィードバック手段42の出力はウエハステージ12を駆動するドライバ22の前段にフィードバックしている。
以って、投影光学系POの振動に起因した露光精度への誤差を、レチクルステージ8とウエハステージ12とが共同、もしくは何れかのステージ単独で補正することができる。
より詳細な理解を得るべく、投影光学系POが振動したときにおける露光光の軌跡を図3に示そう。同図は投影光学系POの振動モードを示す。まず、同図(a)は投影光学系POが+y軸方向に並進した場合における概略の露光光の軌跡を示すものである。図示のように、ウエハW上の露光光は+y方向にシフトする。(b)は投影光学系POの節点以外の回転中心の回りで回転したとき露光光の概略の軌跡である。x軸回りの十方向の回転に対してウエハW上の露光光は+y方向にシフトしている。同図(c)は、投影光学系POが屈曲した場合における概略の露光光の軌跡を示す。ここで、屈曲とは、例えば、投影光学系POを機械的に支持するフランジF下方の回転状の変形を意味しており、概略図示のようにウエハW上の露光光はシフトする。
いずれの振動があっても、ウエハW上の露光光はシフトするわけである。しかしながら、既に述べているように投影光学系POが並進したときに補正すべきシフト量と投影光学系POがある回転中心の回りで回転したときに補正すべきシフト量は異なるので、投影光学系POの振動を捕捉する少なくとも2個の振動センサ16Uy,16Dyを備えて、それぞれの振動モードに対して例えば図2の如き装置構成でシフト量を補正することが必要となるのである。もちろん、既に述べたように、図3(b)の回転方向の振動のみの場合であって、回転中心が投影光学系POの「節点」にあるとき、ウエハW上に露光光のシフトは発生せず、したがって補正の要はないのである。
さて、図1あるいは図2の場合、振動センサ16Uy,16Dyは、投影光学系POの上下であってy軸方向の並進とx軸回りの回転を検出できるように配置していた。振動センサ16の装着部位を図4に再び示そう。同図(a)は図1および図2と同様の部位に振動センサ16が装着されているときの図面である。もちろん、x軸方向の並進とy軸回りの回転をも検出できるように振動センサ16を装着することができる。すなわち、図4(b)のように、振動センサ16Uy,16Dyに加えて、新たに振動センサ16Ux,16Dxを装着しても構わない。さらには、投影光学系POの並進や回転といった剛体振動モードに加えて、投影光学系POの柔軟振動モードを検出できるようにしてもよい。例えば投影光学系PO下方の屈曲振動を検出できるように、図4(c)に示すごとく振動センサ16My,16Mxを更に追加すると、図3(c)に示す振動を検出し、その計測値を使って、レチクルとウエハのどちらか一方もしくは両者の位置を制御することができる。
ここで、本実施例では、投影光学系POの振動を検出するために例えば加速度センサに代表される振動センサを図4(a),(b),(c)のように備えている。しかし、振動センサ16に代えて、例えば、投影光学系POに少なくとも2箇所以上の参照面を設け、ここにレーザ干渉計のビームを照射することによって投影光学系POの振動を計測してもよい。もちろん、この投影光学系POの振動の計測値を使って、レチクルとウエハのどちらか一方もしくは両者の位置を制御する、すなわち補正することになる。
さて、図3(c)に示す屈曲振動が存在する場合、振動センサ16を図4(c)のように備えることによって振動が検出でき、その計測値に基づいてウエハW上のシフト成分については補正することができる。しかし、残念ながら諸々の収差については補正できない。この場合には、以下の方法を採用する。もしくは装置構成とする。
(1)ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型半導体露光装置の場合、屈曲状の振動が所定のトレランス内になったことを検出もしくは判定してから露光を掛ける。
(2)走査型投影露光装置の場合、スキャン露光時に屈曲状の振動が所定のトレランス内になるように、ウエハステージ12とレチクルステージ8のどちらか一方もしくは両ステージの加減速プロファイルあるいは一定速のスキャンに先立つ助走距離を最適化する。すなわち、図2を参照して図中のスキャンプロファイラー20のパターンを最適化する。
(3)ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型半導体露光装置と走査型投影露光装置ともに、投影光学系POにおける屈曲状の振動を最小と成すように、投影光学系POを支える不図示の除振装置のパラメータを選定する。特に、除振装置がアクチュエータとセンサとを備えるアクティブ型の場合にはパラメータ選定の妙が発揮できる。すなわち、屈曲状の振動を抑制するようにアクティブ型除振動装置のフィードバックパラメータもしくはフィードフォワードパラメータを定常動作時に対して切り替える等の操作を行なう。
本実施例による効果は以下の通りである。
(1)半導体露光装置の高スループット化に伴ってレチクルおよびウエハの高速スキャンあるいは高速位置決めが行なわれるため、半導体露光装置の構造体に駆動反力に起因する振動を発生せしめる。特に、半導体露光装置の心臓部である投影光学系に振動を惹起せしめてしまうため露光性能に甚大な影響を与えていた。しかるに、本実施例によれば、概ね円柱という特有の形状であるが故に発生する投影光学系の振動モードをよく検出するように振動センサが装着され、その出力信号に基づいてレチクルステージとウエハステージのスキャンもしくは位置決めがコントロールできる。
(2)したがって、高速スキャンもしくは高速位置決めに起因する駆動反力によって投影光学系が振動しても安定かつ高精度な露光が行なえる、という効果がある。
(3)加えて、本実施例によれば、投影光学系を含めた半導体露光装置の構造体を過大に剛に制作する必要はなくなるので、半導体露光装置に求められる微細化と高スループット化に応じて上昇していたコストを抑制できる、という効果がある。
(4)もって、半導体露光装置によって生産される半導体素子の品質と生産性向上に寄与するところ大という効果がある。
(実施例2)
図5は本発明の他の実施例に係る制御手段が適用されるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置の構成を示す。同図において、回路パターンを有するレチクル7は、均一な照度の照明光ILによって照明される。レチクル7のパターンは投影レンズPOによって半導体デバイス作成用のウエハWに結像投影される。ウエハWはZ駆動およびレベリング駆動を行なうZステージ12B上に載置され、駆動系34M,34R,34Lによって駆動される。これらZステージ12Bと駆動系34M,34R,34Lは水平面内で2次元的に平行移動するXYステージ12XYの上に設けられており、XYステージ12XYはモータ等を含むXYステージ駆動部120によって駆動され、その座標位置はステージ干渉計121により逐次計測される。また上記Zステージ12Bは駆動系34M,34R,34Lをそれぞれ独立に上下動(投影レンズPOの光軸方向へ動作)させることにより、フォーカスずれや傾きずれの調整を行なう。この駆動系34M,34R,34LはZステージ駆動部122からの駆動量指令に応答して上下動する。
制御部123はステージ干渉計121からの計測座標値に基づいて、XYステージ駆動部120へ所定の駆動指令を出力するとともに、XY座標系の任意の位置にXYステージ12XY(すなわちウエハW)を位置決めする。その際、投影レンズPOに取り付けられた加速度センサ113,114は、投影レンズPOの3軸方向の加速度を計測する。そして制御部123は加速度センサ113,114からの計測値に基づいて、投影レンズPOの振動、さらには投影レンズPOの結像面の変位を算出する。
さて、投影レンズPOの結像面と、ウエハWの局所的なショット領域表面とを合致させるために、斜入射光式フォーカス傾きセンサが設けられている。このセンサは主に光源104、投影対物レンズ105、ウエハW表面からの反射光を入射する受光対物レンズ106、および受光部(CCD)107から構成される。これらの斜入射光式フォーカス傾きセンサの計測値から制御部123はウエハWの局所的なショット領域表面のフォーカスずれや傾きずれを算出し、Zステージ駆動部122へ所定の指令を出力する。
ウエハW上のあるショット領域から別のショット領域へXYZ座標の位置決めを行なう際、制御部123はXYステージ12XY(すなわちウエハW)を駆動する。そして前記加速度センサ113,114の計測値と前記斜入射光式フォーカス傾きセンサの計測値から、それぞれ投影レンズPOの結像面変位とウエハWの局所的なショット領域表面のフォーカスずれ傾きずれを算出する。その後、結像面とウエハWの局所的なショット領域表面とを合致させるべく、Z駆動ステージ8の駆動を行ない、位置決めを完了する。
従来はフォーカス傾きセンサと投影光学系結像面の相対位置は一定とみなし、フォーカス傾きセンサの計測値からウエハ表面と結像面のずれを算出し、ステージ干渉計121により逐次計測しながらXYステージ12XY、Zステージ12Bの駆動を行ない、ウエハ表面と結像面を合致させていた。しかし実際には投影レンズの振動により、フォーカス傾きセンサに対して結像面は変位・変形してしまっていた。そのためフォーカス傾きセンサの計測値から算出した補正量どおりにステージを駆動しても、変位してしまった結像面とウエハ表面との合致は出来ないでいた。その結果、コントラストや解像力やアライメント精度などの低下を招いていた。
そこで本実施例においては、前記加速度センサ113,114を取り付け、結像面の変位を求める。これによって、結像面とウエハ表面との位置決め偏差が低減し、コントラストや解像力やアライメント精度の向上につながった。
上記実施例では加速度センサを用いて投影レンズの結像面変位を求めているが、速度計または変位計を用いることも可能である。
加速度センサの個数については、2個であれば剛体モードの振動が分かり、3個、4個と増やせば2次、3次の変形モードを知ることが可能である。
本発明によれば投影レンズのウエハステージから見たレチクル側の結像面の変位・変形も知ることができる。したがって、上記実施例ではウエハW側のステージ、34M,34R,34L、12で調整を行なっているが、レチクル7側にもステージを設け、レチクル表面と結像面との調整を行なうこともできる。
(デバイス生産方法の実施例)
次に上記説明した投影露光装置を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
図6は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図7は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した投影露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
本実施例の生産方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度のデバイスを低コストに製造することができる。
上述の実施例1および2によれば、投影光学系に複数の加速度センサを取り付けることにより、その計測値を基に、投影光学系光軸に垂直な面内方向の原版と被露光基板の位置ずれ、あるいは投影光学系結像面の変位や変形を算出することが可能になり、原版と被露光基板の位置ずれを防止したり、被露光基板表面を投影光学系の結像面に精度良く合致させることが可能となり、アライメント精度や同期精度およびコントラストや解像力やアライメント精度を向上させることが出来る。
本発明の一実施例に係る半導体露光装置の構成を示す図である。 本発明の主制御装置の一具体的構成例を示す図である。 投影光学系の振動モード((a)並進方向の振動、(b)回転方向の振動、(c)屈曲方向の振動)を示す図である。 振動センサの装着箇所((a)2個の場合、(b)4個の場合、(c)6個の場合)を示す図である。 本発明による計測手段により、投影光学系結像面と被露光基板のずれを調整できるステージを備えた投影露光装置の構成を示す概略図である。 微小デバイスの製造の流れを示す図である。 図6におけるウエハプロセスの詳細な流れを示す図である。 特開平10−261580の図2である。
符号の説明
1:光源、2:ミラー、3:レチクルブラインド、4:リレーレンズ、5:ミラー、6:コンデンサレンズ、7:レチクル(原版)、8:レチクルステージ、9:定盤、10:移動鏡、11:レチクル干渉計、12:ウエハステージ、12X:Xステージ、12Y:Yステージ、12B:微動ステージ(Zステージ)、12XY:XYステージ、13:移動鏡、14:ウエハレーザ干渉計、15:ウエハステージ定盤、16:振動センサ、17:主制御装置、18R:振動センサ、18W:振動センサ、20:スキャンプロファイラー、21:補償器、22:ドライバ、23:定数器、24:補償器、25:ドライバ、26:目標値フィードフォワード手段、27:目標値フィードフォワード手段、28:加速度フィードバック手段、29:加速度フィードバック手段、30:同期補正パス、40:振動モード検出手段、41:PO位置レチクル補正フィードバック手段、42:PO位置ウエハ補正フィードバック手段、50:運動モード抽出演算手段、51:指令値発生手段、32G,32X,32Y:補償器、33:運動モード分配演算手段、34M,34R,34L:アクチュエータ(Zステージ駆動系)、35M,35R,35L:電力アンプ、PO:投影光学系(投影レンズ)、W:ウエハ(被露光基板)、LB:レーザビーム、104:フォーカス傾きセンサの光源、105:フォーカス傾きセンサの投影対物レンズ、106:フォーカス傾きセンサの受光対物レンズ、107:フォーカス傾きセンサの受光部(CCD)、113,114:加速度センサ、120:XYステージ駆動部、121:ステージ干渉計、122:Zステージ駆動部、123:制御部。

Claims (12)

  1. 原版に形成されたパターンを被露光基板上に投影する投影光学系を有する投影露光装置であって、
    前記投影光学系の振動を計測するための少なくとも2個の振動計測手段と、前記原版を搭載して前記投影光学系の光軸に垂直な方向に移動可能な原版ステージと、前記被露光基板を搭載して前記投影光学系の光軸に垂直な方向に移動可能な基板ステージと、前記原版および被露光基板の位置を計測する位置計測手段と、前記振動計測手段の出力に基づいて、前記投影光学系の振動による前記被露光基板上の露光光のシフト量を振動モードごとに算出し、該算出された結果と前記位置計測手段の計測値とに基づいて前記原版および被露光基板の少なくとも一方の位置を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする投影露光装置。
  2. 前記振動計測手段は、前記投影光学系の原版側と被露光基板側とに離れて設置されていることを特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  3. 前記振動計測手段が、前記投影光学系の原版側および被露光基板側の各端部に設置されていることを特徴とする請求項2記載の投影露光装置。
  4. ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置であって、前記振動計測手段は前記投影光学系の屈曲状の振動を検出し、その屈曲状の振動が所定のトレランス内になったことを検出もしくは判定してから露光を掛けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  5. 走査型投影露光装置であって、前記振動計測手段は前記投影光学系の屈曲状の振動を検出し、スキャン露光時に前記投影光学系の屈曲状の振動が所定のトレランス内になるように、前記原版および被露光基板の少なくとも一方を駆動するため加減速プロファイルまたは一定速のスキャンに先立つ助走距離を最適化したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  6. 前記投影光学系における屈曲状の振動を最小と成すように前記投影光学系を支える除振装置のパラメータを最適選定したことを特徴とする請求項4または5記載の投影露光装置。
  7. 前記振動計測手段は、前記投影光学系の光軸方向および光軸に垂直な平面内の直交する2軸方向の1〜3方向の振動を計測できることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  8. 前記振動計測手段は、前記投影光学系の加速度、速度および変位のいずれかを計測できる手段であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  9. 前記振動計測手段はレーザ干渉計を用いたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  10. 前記振動モードは、前記投影光学系の回転運動と並進運動とを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  11. 前記振動モードは、前記投影光学系の回転運動と並進運動を含む剛体振動モードと、前記投影光学系の変形による振動モードとを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の投影露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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