JP4273972B2 - 油圧式マッドガンの運転制御方法 - Google Patents

油圧式マッドガンの運転制御方法 Download PDF

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本発明は、油圧式マッドガンの運転制御方法に関し、詳しくは、高炉の出銑口を閉塞するためのマッド材を出銑口に充填する際に、マッドガンの砲身先端に配設されるノズル(以下、「マッドガンのノズル」、または、単に「ノズル」という)が出銑口から排出される溶銑に接触して溶損するのを防止するとともに、マッドガンのノズルを出銑口に圧着する際の衝撃力を緩和するマッドガンの運転制御方法に関する。
高炉の出銑口を閉塞する際に用いられるマッドガンは、固定台に配設された旋回可能な支持アームによって支持されている。出銑口を閉塞するときは、支持アームを旋回させて、マッドガンを出銑口閉鎖位置へ旋回移動させ、ノズルを出銑口に圧着させた後、出銑口内へマッド材を充填し、出銑口を閉鎖する。なお、閉鎖が終了すると、マッドガンは支持アームの旋回により100〜200°旋回移動して元の位置へ退避し、次の閉塞に備える。
出銑口閉鎖時には、出銑口から溶銑が噴出(流出)しており、また、高炉の高圧化に伴いその流出速度も増しているので、マッドガンが退避位置から出銑口閉鎖位置へ旋回移動する際、出銑口の手前近傍で、出銑口から流出する溶銑がノズルに接触してノズルが溶損するという問題が生じていた。
近年になって、油圧駆動式のマッドガンが採用され、高速旋回が可能となって溶銑との接触時間が短縮された結果、ノズルの溶損は減少した。しかし一方で、油圧駆動力が大きいため、ノズルを出銑口に圧着する際の衝撃によってマッドガン自体(マッドガン設備全体)が疲労損傷し、また出銑口耐火物が損傷を受けるという問題が発生した。
油圧式マッドガンは、電磁弁で油圧回路の油流量を調節することによりその旋回速度を調整することが可能であるが、旋回速度を下げ過ぎると溶銑との接触時間が延長するためノズルが溶損し易く、旋回速度を上げ過ぎると圧着時の衝撃力が大きくマッドガンおよび出銑口耐火物に機械的な損傷が発生する。旋回速度を、前記ノズルの溶損、マッドガンおよび出銑口耐火物の損傷のいずれをも低減させ得る適正範囲に調整できればよいが、前記適正範囲は出銑速度に依存するので、操業中における旋回速度の調整は難しく、試運転等で設定された旋回速度で固定して運転しているのが現状である。
一方、従来から、出銑口内に充填された後の溶損速度が小さく、溶銑に対し高い耐性、強度を有するマッド材の充填技術についても検討がなされてきた。
前記マッドガンのノズルの溶損防止については、例えば、特許文献1で、ノズル先端部に退避可能に配設され、マッドガンが出銑口に接近するときはノズルを溶銑から遮蔽する遮蔽板と、ノズルを出銑口に圧着するときは遮蔽板を退避させる遮蔽装置とを有するマッドガンが提案されている。
また、特許文献2には、出銑口の閉塞時における砲身先端(ノズル)の溶銑との接触による溶損や、溶銑を受ける樋の縁に山状に盛り上がった砂等(溶銑を保温するために使用される)の残留物との接触による損傷を防止するために、傾動シリンダーを設けて砲身を傾動させるように構成されたマッドガンが記載されている。
一方、溶銑に対し高い耐性や強度を有するマッド材の充填については、特許文献3に、マッド充填圧力と出銑口内に充填されたマッド材の溶損速度との間に相関性があることから、あらかじめ定めたマッド充填圧力に対応してマッドガン充填油量を調節し、マッド充填速度を制御することにより、出銑口内のマッドの気孔率を低減して高耐用マッドとする方法が記載され、特許文献4には、旋回圧着シリンダーの出力を旋回圧着リンク機構を介して旋回台の旋回力に変換し、大きな圧着力を得ることにより、溶銑に対する強度を向上させた高強度のマッドを充填力を上げて出銑口内に充填しても漏れが生じない、小型でしかも高出力のマッドガンが記載されている。
しかし、前記マッドガンのノズルの溶損防止対策については、特許文献1または2に記載される手段では必ずしも十分とはいえず、駆動力が大きい油圧式マッドガンにおいて生じやすいノズルを出銑口に圧着する際の衝撃によるマッドガンや出銑口耐火物の機械的な損傷の防止対策については何も記載されていない。
特開2001−240907号公報
特開平6−184613号公報 特開平6−330118号公報 特開平6−172831号公報
本発明は、油圧式マッドガンを用いて出銑口を閉塞する際におけるマッドガンのノズルの溶損、およびノズルを出銑口に圧着する際の衝撃によるマッドガンと出銑口耐火物の機械的な損傷、の両方をともに防止または低減し得るマッドガンの運転制御方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明者らは、従来考えられていなかった、マッドガンの旋回速度を旋回の途中で変更し、マッドガンのノズルの溶損と、マッドガンおよび出銑口耐火物の損傷のいずれをも低減させ得る適正速度範囲に調整する方法について検討を重ねた。その結果、次のような知見が得られた。
油圧式マッドガンで出銑口を閉塞する際、油圧回路の油流量を調節する比例電磁弁の開度を100%(全開)として旋回開始から高速旋回でスタートし、出銑口の手前Xmmの位置で比例電磁弁の開度をY%に絞って減速し(XとYについては、後述する実施例で詳しく説明する)、マッドガンのノズルを出銑口に圧着(減速圧着)することにより、圧着時の衝撃によって生じるマッドガンと出銑口耐火物の機械的な損傷を抑制することができる。
前記の高速旋回から減速しすぎると、溶銑との接触時間が長くなり、マッドガンのノズルが溶損するので、XとYは、出銑口閉塞時の出銑速度に応じて決定する。その際、出銑口閉塞時の出銑速度(溶銑流出速度)を、トーピードカー内の溶銑の重量測定またはトーピードカー内の湯面レベルの測定により求めることとすれば、出銑速度を比較的容易にかつ正確に求めることができる。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は、下記の油圧式マッドガンの運転制御方法にある。
『高炉の出銑口内にマッド材を充填するためのマッドガンの運転制御方法であって、出銑口閉鎖時に、出銑口の手前位置で油圧回路の油量を絞り、マッドガンの旋回速度を減速してノズルを出銑口に圧着する際、出銑口からの溶銑の流出速度を計測し、その流出速度に応じてマッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量の両方を操作することを特徴とする油圧式マッドガンの運転制御方法。』
この方法において、出銑口からの溶銑の流出速度の計測手段として、トーピードカー内の溶銑の重量測定と、トーピードカー内の湯面レベル測定のうちの何れか一方または両方を用いることとすれば、出銑速度を比較的容易にかつ正確に求めることができる。
前記の「マッドガン」とは、正確には、マッド材を収容するための砲身、およびマッド材を出銑口内に充填するための油圧シリンダー部分だけではなく、これを支持して旋回移動させる支持アームやその固定台、シリンダーに油を供給するためのポンプや配管等も含むマッドガン設備を意味するが、ここでは、前記の砲身、油圧シリンダーが納められている筒状部分を指して「マッドガン」という。
また、ここでいう「マッドガンの減速開始位置を操作する」とは、マッドガンの減速開始位置を調整することを意味し、「油圧回路の油量絞り量を操作する」とは、油圧回路の油量絞り量を制御することを意味する。
本発明の油圧式マッドガンの運転制御方法によれば、高炉の出銑口を閉鎖する際、マッドガンのノズルを出銑口に圧着させる直前に旋回速度を低下させて圧着時の衝撃を和らげることが可能となり、それによって、マッドガンのノズルの溶損を防止しつつマッドガンと出銑口耐火物とを圧着時の衝撃による機械的な損傷から保護することができる。
以下に、本発明の油圧式マッドガンの運転制御方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、マッドガンと出銑口の配置およびマッドガンの旋回移動範囲を模式的に示す図である。高炉本体4の出銑口3から排出される溶銑は主樋5を通過して受銑鍋やトーピードカーに収容されるが、出銑を終了し、出銑口3を閉塞する際、図1に示すように、旋回可能な支持アーム1aによって支持された退避位置にあるマッドガン1は、一点鎖線で示したマッドガンの旋回軌跡1″に沿って約120゜旋回し、破線で示した出銑口閉鎖位置(マッドガン1′)へ移動して、砲身先端のノズル2部分を高炉本体4の出銑口3に圧着し、マッド材を出銑口3内に充填して出銑口3を閉鎖する。
本発明の油圧式マッドガンの運転制御方法は、図1に示した機能を備える設備(マッドガン設備)を用いて出銑口内にマッド材を充填するにあたり、『出銑口閉鎖時に、出銑口の手前位置で油圧回路の油量を絞り、マッドガンの旋回速度を減速してノズルを出銑口に圧着する際、出銑口からの溶銑の流出速度を計測し、その流出速度に応じてマッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量のうちの何れか一方または両方を操作する方法』である。
この方法において、「出銑口の手前位置で油圧回路の油量を絞り、マッドガンの旋回速度を減速してノズルを出銑口に圧着する」のは、圧着時の衝撃を和らげて、マッドガンと出銑口とを衝撃による機械的な損傷から保護するためである。なお、油圧式マッドガンにおいては、マッドガン設備の油圧回路の比例電磁弁で油流量を制御する(油量を絞る)ことにより旋回速度を調整することが可能である。
「マッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量を操作」するのは、先に述べたように、出銑口位置でのマッドガンの旋回速度が遅すぎると溶銑との接触時間が延長するためノズルが溶損し易く、旋回速度が速すぎるマッドガンのノズルを出銑口へ圧着する際の衝撃力が大きく、マッドガンおよび出銑口耐火物に損傷が発生するからである。
また、前記減速開始位置および油量絞り量の操作を「出銑口からの溶銑の流出速度(すなわち、出銑速度)に応じて」行うのは、後に実施例で詳述するが、出銑速度によって減速開始位置および油量絞り量が変わってくるからであり、そのために、「出銑口からの溶銑の流出速度を計測」する。
溶銑の流出速度の計測方法には何ら限定はない。しかし、トーピードカーで受銑する場合、トーピード重量計による重量測定により、またはμ波レベル計によるトーピードカー内の湯面レベル測定により流出速度を求めることとすれば、溶銑の流出速度が比較的容易にかつ正確なデータとして得られ、マッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量の制御精度を向上させ得るので望ましい。これら両方法はそれぞれ単独に用いてもよいし、併用してそれぞれの特徴を生かし、測定精度を高める方法を採ってもよい。
前記本発明のマッドガンの運転制御方法をさらに具体的に説明すると、例えば、出銑速度別に、予めマッドガンの減速開始位置(前記のXmmに相当する)と出銑口位置でのマッドガンの旋回速度との関係を比例電磁弁開度(前記のY%に相当する)をパラメーターとして求めておき(後述する図4参照)、実際の出銑速度に応じて、適切な減速開始位置(Xmm)を定め、油量絞り量(Y%)の操作を行う。すなわち、マッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量の両方を操作する。この場合は、後述する実施例で説明するように、出銑口位置でのマッドガンの旋回速度を所定の速度とするために、いくつかの制御パターン(減速開始位置および油量絞り量の組み合わせ)の中から、制御の精度、安定性等を勘案して最も適切な方法を選択することが可能となる。
減速開始位置および油量絞り量のうちの何れか一方を操作する方法を採ることもできる。すなわち、出銑速度が毎回比較的安定している場合等においては、減速開始位置および油量絞り量の何れか一方を従来の実績等を考慮して事前に定めておき、出銑速度に応じて、他の一方を操作する。この場合は、操作が簡便であるという利点がある。しかし、制御方法が、マッドガンの減速開始位置の調整、または油圧回路の油量絞り量の制御に限られ、選択の余地が少なくなるので、制御の精度、安定性等を確保する上からは、前記の減速開始位置および油量絞り量の両方を操作する方法が望ましい。
図2は、本発明の油圧式マッドガンの運転制御方法を示す制御系統図である。図2に示すように、出銑口機器制御装置6は、マッドガンの運転を制御するマッドガン制御装置8を介してマッドガンの油圧駆動装置7を制御する。なお、出銑口機器制御装置6は、マッドガン制御装置8の他にマッドガン以外の出銑口機器の制御系14も制御する。
一方、マッドガンに装備された位置検出センサー9により旋回中のマッドガン自身の位置を把握することができ、位置検出センサー9で検知されたマッドガンの位置および出銑速度演算装置12で求められた出銑速度から、その条件に応じて、マッドガン減速位置・電磁弁開度演算装置13で前記のXとYが決定される。この信号は、出銑口機器制御装置6へ出力され、出銑口機器制御装置6からマッドガン制御装置8を介して、「出銑口の手前Xmmの位置で、比例電磁弁で油圧回路の油流量をY%まで絞る」指令としてマッドガンの油圧駆動装置7へ出力され、所定のマッドガン減速開始位置で、所定の油量絞り量とする操作が行われる。
この制御系統図では、前記の出銑速度演算装置12で求められる出銑速度は、μ波レベル計11によるトーピードカー内の湯面レベル測定とトーピード重量計10によるトーピードカー内の溶銑の重量測定とを併用して得られたデータに基づいて演算されるものとして示されている。しかし、出銑速度は、これらのうちの何れか一方の測定結果から求められるものであってもよいし、これら以外の測定手段によるものであってもよい。
前記図2に示した制御系統を備えるマッドガン設備を用い、本発明のマッドガンの運転制御方法を適用して、高炉の出銑口の閉塞作業を実施するに当たっての操業条件設定のシミュレーションを行った。これを実施例として、以下に説明する。
図3は、出銑速度と出銑口位置でのマッドガンの旋回速度とを両軸にとって示したマッドガンのノズルの溶損限界条件を示す図である。マッドガンのノズルの材質をスチールとし、溶銑温度1500℃の条件の下での接触伝熱計算によるシミュレーション結果の一例である。ノズル材質、溶銑温度等の条件が変われば、当然、図中に示した曲線は変化する。ノズルの溶損は、出銑口の閉鎖時にノズルと接触する溶銑量と、溶銑との接触時間に依存するので、図3では、横軸に前記接触する溶銑量と比例関係にあるとみられる出銑速度(溶銑流出速度)をとり、縦軸には溶銑との接触時間を表す指標としての出銑口位置でのマッドガンの旋回速度を用いた。
図3に実線で示した曲線が伝熱理論計算により求めたマッドガンのノズル溶損限界線(伝熱理論計算)で、この曲線の上方がマッドガンの旋回速度設定可能範囲つまり計算上のノズル溶損防止可能領域である。例えば、出銑速度が10t/minの時、出銑口位置でのマッドガンの旋回速度をAまたはそれより上方(高速)に設定すれば、ノズルの溶損を計算上防止できることとなる。出銑速度が10t/minより小さければ、ノズルの溶損を防止できるマッドガンの旋回速度はAより低くてもよい。
図3に破線で示した曲線は、余裕代を20%もたせた場合のノズル溶損限界線(余裕代20%)である。出銑速度が10t/minの時、出銑口位置でのマッドガンの旋回速度をAAまたはそれより上方に設定すれば、溶銑温度その他の条件の若干の変動に対しても余裕をもってノズルの溶損を防止することができる。本実施例では、このノズル溶損限界線(余裕代20%)を使用して操作条件を設定した。
図4は、実施例で使用したマッドガン油圧駆動装置7(図2参照)の比例電磁弁の制御特性の説明図である。マッドガンの旋回速度の制御は、油圧駆動装置の油量を絞ることにより行うことができ、これは比例電磁弁の開度制御により実施できるが、応答時間の遅れがあるので、所定の旋回速度を得るにはそのタイミングに合わせて事前に比例電磁弁の制御を開始する必要がある。
図4の横軸は、出銑口からの距離(マッドガンの減速開始位置)で、前記のXmmに相当する。図2に示した出銑口機器制御装置6からマッドガン制御装置8を介してマッドガンの油圧駆動装置7に比例電磁弁の開度指令を出力するタイミングを、旋回中のマッドガンのノズルの位置で、すなわち出銑口を基準としてその手前の距離として示したものである。また、縦軸は、出銑口位置でのマッドガンの旋回速度で、マッドガンのノズルが出銑口に接触(衝突)する時の旋回速度を表す。
図4に示した曲線は前記のYに相当する比例電磁弁の開度をパラメーターとして表したものであり、比例電磁弁開度100%(全開)のときの出銑口位置でのマッドガンの旋回速度はHで、最大となる。また、図4中のマッドガン旋回速度Bは、旋回速度Hで旋回してきたマッドガンのノズルが出銑口の手前200mmに達したときに、油圧駆動装置7に比例電磁弁開度を40%に絞る指令を与えた場合の、マッドガンが出銑口位置に到達した時の旋回速度である。マッドガン旋回速度Aは、図3で説明したマッドガンのノズル溶損限界線(伝熱理論計算)において、出銑速度が10t/minの時の出銑口位置でのマッドガンの旋回速度であり、マッドガン旋回速度AAは、同じく、図3で説明したマッドガンのノズル溶損限界線(余裕代20%)において、出銑速度が10t/minの時の出銑口位置でのマッドガンの旋回速度である。
例えば、図4において、出銑速度が10t/minの時、出銑口位置でのマッドガンの旋回速度は、計算上は旋回速度A以上に設定すればノズルの溶損を防止できるが、20%の余裕をもたせて、旋回速度AAに設定する制御パターンを選択するのが望ましい。
この場合(すなわち、旋回速度AAに設定した場合)の選択の対象としては、
(a)出銑口の手前210mmの位置で比例電磁弁開度80%に絞る(前記のXを210mm、Yを80%とする)
(b)出銑口の手前170mmの位置で比例電磁弁開度60%に絞る(前記のXを170mm、Yを60%とする)
(c)出銑口の手前140mmの位置で比例電磁弁開度40%に絞る(前記のXを140mm、Yを40%とする)
の三とおりの制御パターンが図示されており、この中から適切な制御パターンの選択が可能である。これは、マッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量の両方を操作する場合に該当する。なお、比例電磁弁開度を、例えば70%、50%等に絞った場合の電磁弁の制御特性が求められていれば、それらの弁開度に絞る場合も制御パターン選択の対象に加えることができる。
本実施例では、自動制御を前提として、油量絞り量が少なく、マッドガンの減速開始位置の設定誤差の影響が比較的小さいため、最も精度が高いと考えられる(a)の制御パターンを選択するようにプログラミングした。
このようにして設定された操業条件に従って出銑口の閉塞作業を行えば、マッドガンのノズルの溶損を防止するとともに、ノズル圧着時の衝撃を和らげてマッドガンと出銑口耐火物とを損傷から保護することができる。また、閉塞作業実施後におけるノズルの溶損、マッドガンおよび出銑口耐火物の損傷状況を考慮して比例電磁弁の開度制御を微調整していくことにより、さらに大きな効果が期待できる。
本発明の油圧式マッドガンの運転制御方法によれば、高炉の出銑口を閉鎖する際、マッドガンのノズルの溶損を防止するとともに、マッドガンと出銑口耐火物とを前記衝撃による機械的な損傷から保護することができる。したがって、本発明の運転制御方法は、高炉操業において、出銑口の閉鎖に多用されている油圧式マッドガンの運転制御方法として極めて有用である。
マッドガンと出銑口の配置およびマッドガンの旋回移動範囲を模式的に示す図である。 本発明の油圧式マッドガンの運転制御方法を示す制御系統図である。 出銑速度と出銑口位置でのマッドガンの旋回速度とを両軸にとって示したマッドガンのノズルの溶損限界条件を示す図である。 実施例で使用したマッドガン油圧駆動装置の比例電磁弁の制御特性の説明図である。
符号の説明
1:マッドガン(退避位置)
1a:支持アーム
1′:マッドガン(出銑口閉鎖位置)
1″:マッドガンの旋回軌跡
2:ノズル
3:出銑口
4:高炉本体
5:主樋
6:出銑口機器制御装置
7:油圧駆動装置
8:マッドガン制御装置
9:位置検出センサー
10:トーピード重量計
11:μ波レベル計
12:出銑速度演算装置
13:マッドガン減速位置・電磁弁開度演算装置
14:マッドガン以外の出銑口機器の制御系

Claims (2)

  1. 高炉の出銑口内にマッド材を充填するためのマッドガンの運転制御方法であって、出銑口閉鎖時に、出銑口の手前位置で油圧回路の油量を絞り、マッドガンの旋回速度を減速してノズルを出銑口に圧着する際、出銑口からの溶銑の流出速度を計測し、その流出速度に応じてマッドガンの減速開始位置および油圧回路の油量絞り量の両方を操作することを特徴とする油圧式マッドガンの運転制御方法。
  2. 出銑口からの溶銑の流出速度の計測手段として、トーピードカー内の溶銑の重量測定と、トーピードカー内の湯面レベル測定のうちの何れか一方または両方を用いることを特徴とする請求項1に記載の油圧式マッドガンの運転制御方法。
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