JP4270790B2 - Water-based adhesive for paper and laminate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙との接着性に優れた水性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤を大量に使用する接着剤業界では、近年、環境保護、省資源、消防法等による危険物規制、職場環境改善の立場から有機溶剤の使用が制限される傾向にあり、様々な樹脂の水性接着剤の開発が行われている。
【0003】
紙用の接着剤としては、アクリル系エマルションやエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションが多く使用されている。
【0004】
一般に、アクリル系エマルションやエチレン含有量が低いエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションは、乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物の存在下で、乳化重合あるいは懸濁重合して得られることが知られている。しかし、エチレン−酢酸ビニル共重合体中のエチレン含有量が高くなるにつれて、重合時の反応圧力が高くなるため、装置面や安全面を考慮すると、安定なエマルション(水性分散体)を得ることが困難になる。エチレン含有量の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体は、一般に高圧エチレンプラント等で高圧ラジカル重合して得られており、通常、水性分散体の状態では得られない。
【0005】
エチレン含有量の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体の水性分散体を得る方法としては、特開平9−296081号公報記載のように、系中に乳化剤を添加して高温下で樹脂を乳化する方法が記載されている。
【0006】
しかしながら、上記の方法で作製した水性分散体は、系中に親水性の高い乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物などの不揮発性水性化助剤を含んでおり、これらは乾燥後も被膜中に残存するために、形成される被膜の耐水性は著しく低下してしまうという問題がある。また、被膜中に親水性の高い乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物などの不揮発性水性化助剤を含んでいる場合は、疎水性基材との接着性が低下してしまう。さらに、乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物を含む被膜は、それらがブリードアウトする恐れがあるために環境的、衛生的にも好ましくない。
【0007】
上記問題に対して、不飽和カルボン酸成分の共重合率を高くすることで、乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物を添加することなくポリオレフィン樹脂水性分散体を得ることが知られている。例えば、不飽和カルボン酸の含有量が20質量%程度のエチレン−アクリル酸共重合樹脂やエチレン−メタクリル酸共重合樹脂等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合樹脂の水性分散体は従来から知られており、特に、アルカリ金属化合物やアンモニアを用いると前記樹脂の水分散液は製造が容易であり、広く用いられている。しかしながら、不飽和カルボン酸の含有量が高い樹脂を用いた場合、架橋剤などの様々な添加剤との混合安定性が低下してしまう恐れがあるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のような問題に対して、紙との接着性に優れた接着層を形成する水性接着剤を提供しようとするものである。
【0009】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂の水性分散体は、乳化剤あるいは保護コロイド作用を有する化合物などの不揮発性水性化助剤を添加することなく樹脂を水性化することが可能であり、それから得られる樹脂層は、紙との接着性に優れていることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、第一に、下記ポリオレフィン樹脂と沸点が30〜250℃の有機アミン化合物とを含有し、有機アミン化合物の含有量が、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であり、ポリオレフィン樹脂が数平均粒子径1μm以下で分散した水性分散体からなることを特徴とする紙用水性接着剤である。
ポリオレフィン樹脂:
(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、(A2)エチレン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
0.5 ≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}× 100 < 5 (1)
(A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【化2】
第二に、少なくとも3層からなる積層体であり、その3層が紙、上記の紙用水性接着剤を塗布、乾燥してなる接着層、及び紙もしくは熱可塑性樹脂フィルムをこの順に積層化した積層体である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における紙用水性接着剤は、特定のポリオレフィン樹脂と水性媒体とを含んでいる必要がある。特定のポリオレフィン樹脂を用いることで、不揮発性水性化助剤を特に必要としなくても、水性媒体中にポリオレフィン樹脂を数平均粒子径1μm以下の状態に安定に維持することができ、紙および熱可塑性樹脂フィルムとの接着性に優れた樹脂層を形成することができる。
【0011】
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)成分をこの樹脂全体〔(A1)+(A2)+(A3)〕に対して0.01質量%以上、5質量%未満、より好ましくは0.1質量%以上、5質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%以上、5質量%未満含有している必要があり、1質量%以上、4質量%以下が最も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂を水性化(液状化)することが困難になり、良好な水性接着剤を得ることが難しい。一方、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が5質量%以上の場合は、水性化はし易くなるが、疎水性の基材との接着性が低下したり、架橋剤との混合安定性が低下してしまう恐れがある。
【0012】
ポリオレフィン樹脂の(A1)成分として用いることのできる不飽和カルボン酸またはその無水物は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていれば良く、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0013】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂は、下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される(A3)成分が構成成分として必要であり、この成分によって、ポリオレフィン樹脂に親水性が付与されるため、(A1)成分が5質量%未満であっても、乳化剤や保護コロイドなどの不揮発性水性化助剤の添加なしに水性化することができる。エチレン系炭化水素(A2)成分と(A3)成分との質量比(A2)/(A3)は、55/45〜99/1の範囲であることが必要であり、60/40〜98/2であることが好ましく、65/35〜97/3であることがより好ましく、70/30〜97/3であることがさらに好ましく、75/25〜97/3であることが特に好ましい。〔(A2)+(A3)〕に対する(A3)成分の比率が1質量%未満では、ポリオレフィン樹脂の水性化は困難になり、良好な水性接着剤を得ることが難しい。一方、化合物(A3)の含有比率が45質量%を超えると、(A2)成分によるポリオレフィン樹脂としての性質が失われ、耐水性や様々な基材との接着性などの性能が低下する恐れがある。
【0014】
【化3】
【0015】
本発明のポリオレフィン樹脂を構成するエチレン系炭化水素(A2)成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0016】
本発明のポリオレフィン樹脂を構成する上記式(I)〜(IV)のいずれかで示される(A3)成分としては、例えば、式(I)で代表される(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、式(II)で代表されるマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、式(III)で代表される(メタ)アクリル酸アミド類、式(IV)で代表されるメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましい。
【0017】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂としては、エチレン、アクリル酸メチルあるいはアクリル酸エチル、無水マレイン酸からなる三元共重合体が最も好ましい。ここで、アクリル酸エステル単位は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、そのような場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体またはエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体の水性分散体(水性接着剤)は、紙と様々な熱可塑性フィルムとの接着性に優れている。
【0018】
なお、本発明におけるポリオレフィン樹脂を構成する無水マレイン酸単位等の不飽和カルボン酸無水物単位は、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成しているが、特に塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その一部、または全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造を取りやすくなる。
また、本発明において、樹脂のカルボキシル基量を基準として量を規定する場合には、樹脂中の酸無水物基はすべて開環してカルボキシル基をなしていると仮定して算出する。
【0019】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂には、その他のモノマーが、少量、共重合されていても良い。例えば、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二硫化硫黄等が挙げられる。
【0020】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜500g/10分、好ましくは0.1〜300g/10分、より好ましくは0.1〜200g/10分、最も好ましくは0.5〜100g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが0.1g/10分未満では、樹脂の水性化は困難になり、良好な水性分散体を得ることが難しい。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが500g/10分を超えると、その水性分散体から得られる樹脂層は、硬くてもろくなり、接着性、機械的強度が低下する。
【0021】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂の合成法は特に限定されないが、本発明の主旨を考慮すれば、乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物を用いない方が好ましい。一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。また、不飽和カルボン酸、あるいはその無水物はグラフト共重合(グラフト変性)されていても良い。
【0022】
本発明の水性分散体は、上記のポリオレフィン樹脂が水性媒体に分散もしくは溶解されている。ここで、水性媒体とは、水を主成分とする液体からなる媒体であり、後述する水溶性の有機溶剤を含有していてもよい。また、後述する塩基性化合物を含有していてもよい。
【0023】
また、本発明の水性接着剤であるポリオレフィン樹脂水性分散体中に分散しているポリオレフィン樹脂粒子の数平均粒子径は、1μm以下である必要があり、水性分散体の保存安定性が向上するという点、及び低温での造膜性の向上の点から、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましく、0.1μm未満が最も好ましい。数平均粒子径が小さいほど、基材表面に薄く塗ることが可能となるため好ましい。
【0024】
本発明の水性接着剤における、ポリオレフィン樹脂含有率は、成膜条件、目的とする樹脂被膜の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な被膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。
【0025】
本発明の水性分散体は、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことが好ましく、これらを用いずとも、ポリオレフィン樹脂を数平均粒子径1μm以下で水性媒体中に安定に維持することができる。不揮発性水性化助剤は、ポリオレフィン樹脂層に残存し、これを可塑化することにより、ポリオレフィン樹脂の特性、例えば耐水性や接着性等を悪化させる。本発明の水性接着剤を不揮発性水性化助剤を用いずに製造した場合には、耐水性や接着性などの接着層の特性が特に向上したものとなる。
【0026】
ここで、「水性化助剤」とは、水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤や化合物のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは、常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
「不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、不揮発性水性化助剤を積極的には系に添加しないことにより、結果的にこれらを含有しないことを意味する。こうした不揮発性水性化助剤は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリオレフィン樹脂成分に対して0.1質量%未満程度含まれていても差し支えない。
【0027】
本発明でいう不揮発性水性化助剤としては、例えば、後述する乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0028】
保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
【0029】
本発明の水性接着剤において、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基は、塩基性化合物によって中和されていることが好ましい。中和によって生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。水性化の際に用いる塩基性化合物はカルボキシル基を中和できるものであれば良い。従って、このような目的で添加される塩基性化合物は、水性化助剤といえるが、本発明の効果を損なわないために、塩基性化合物は揮発性のものが用いられる。
【0030】
このような塩基性化合物として、沸点が 30 〜 250 ℃であり被膜形成時に揮発する有機アミン化合物が、被膜の耐水性の面から用いられる。中でも、沸点が50〜200℃の有機アミン化合物が好ましい。沸点が30℃未満の場合は、後述する樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると樹脂被膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、被膜の耐水性が悪化する場合がある。
【0031】
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。塩基性化合物の添加量はポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.01〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると被膜形成時の乾燥時間が長くなったり、着色する場合がある。
【0032】
本発明においては、ポリオレフィン樹脂の水性化を促進し、分散粒子径を小さくするために、水性化の際に有機溶剤を添加することが好ましい。使用する有機溶剤量は、水性媒体中の40質量%以下が好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、2〜35質量%がさらに好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。有機溶剤量が40質量%を超える場合には、実質的に水性媒体とはみなせなくなり、本発明の目的のひとつ(環境保護)を逸脱するだけでなく、使用する有機溶剤によっては水性分散体の安定性が低下してしまう場合がある。
【0033】
一般に、水性接着剤に含有される有機溶剤は、その一部をストリッピングと呼ばれる操作で系外へ留去させることができるが、本発明の水性分散体においても、この操作によって、水性分散体中の有機溶剤量を上記の範囲内で適度に減量してもよく、10質量%以下とすることができ、3質量%以下であれば、環境上好ましい。ストリッピングによって有機溶剤を留去するには、装置の減圧度を高めたり、操業時間を長くするなどの生産プロセスにおける処置が必要となるため、こうした生産性を考慮した有機溶剤量の下限は0.01質量%程度(本発明の測定に使用した分析機器の検出限界)である。しかし、0.01質量%未満であっても水性分散体としての性能は特に問題とはならない。本発明の水性分散体は、ストリッピングによって有機溶剤量を低くしても、特に性能面での影響はなく、各種用途に良好に使用することができる。
【0034】
ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性接着剤を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることができる。有機溶剤の含有率はガスクロマトグラフィーで定量することができる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなるために、例えば、粘度が上昇し作業性が悪くなるような場合には、予め水性分散体に水を添加しておくこともできる。
【0035】
有機溶剤としては、良好な水性分散体を得るという点から、ポーリング(Pauling)の電気陰性度が3.0以上の原子(具体的には酸素、窒素、フッ素、塩素)を分子内に1個以上有しているものを用いることが好ましい。さらにその中でも、20℃における水に対する溶解性が5g/L以上のものが好ましく用いられ、さらに好ましくは10g/L以上である。
【0036】
本発明において使用される有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられ、中でも沸点が30〜250℃のものが好ましく、50〜200℃のものが特に好ましい。これらの有機溶剤は2種以上を混合して使用しても良い。なお、有機溶剤の沸点が30℃未満の場合は、樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化の効率が十分に高まらない場合がある。沸点が250℃を超える有機溶剤は樹脂被膜から乾燥によって飛散させることが困難であり、被膜の耐水性が悪化する場合がある。
【0037】
上記の有機溶剤の中でも、樹脂の水性化促進に効果が高く、しかも水性媒体中から有機溶剤を除去し易いという点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが特に好ましい。
【0038】
本発明の水性接着剤は、25℃以下でも透明な樹脂層を形成することができる。なお、透明性の目安として、水性接着剤をコートしたコートフィルムの「ヘーズ(曇価)」を用いる。基材としてヘーズ2.0〜5.0(%)のPETフィルムを用い、これに水性接着剤を25℃において乾燥後コート膜厚2μmでコートし、25℃で乾燥する。こうして得られたコートフィルム全体のヘーズが10.0(%)以下となる。また、同様の操作を5℃でおこなってもヘーズは10.0%以下となる。
【0039】
次に、ポリオレフィン樹脂を水性媒体中に分散した水性接着剤の製造方法について説明する。
本発明の水性接着剤を得るための方法は特に限定されないが、たとえば、既述の各成分、すなわち、特定組成のポリオレフィン樹脂、塩基性化合物、有機溶剤、及び水を好ましくは密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができ、この方法が最も好ましい。この方法によれば、乳化剤成分や保護コロイド作用を有する化合物などの不揮発性水性化助剤を実質的に添加しなくとも特定組成のポリオレフィン樹脂を良好に水性分散体とすることができる。
【0040】
容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂粉末ないしは粒状物との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。本発明における撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されないが、樹脂が水性媒体中で浮遊状態となる程度の低速の撹拌でも十分水性化が達成され、高速撹拌(例えば1000rpm以上)は必須ではない。このため、簡便な装置でも水性分散体の製造が可能である。
【0041】
水性化に用いられるポリオレフィン樹脂の形状は特に限定されないが、水性化速度を速めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。
【0042】
この装置の槽内に水、塩基性化合物及び有機溶剤とからなる水性媒体、並びに粒状ないしは粉末状のポリオレフィン樹脂を投入し、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を80〜200℃、好ましくは90〜200℃、さらに好ましくは100〜200℃の温度に保ちつつ、好ましくは5〜120分間攪拌を続けることによりポリオレフィン樹脂を十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が80℃未満の場合は、ポリオレフィン樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える場合は、ポリオレフィン樹脂の分子量が低下する恐れがある。槽内の加熱方法としては槽外部からの加熱が好ましく、例えば、オイルや水を用いて槽を加熱する、あるいはヒーターを槽に取り付けて加熱を行うことができる。槽内の冷却方法としては、例えば、室温で自然放冷する方法や0〜40℃のオイルまたは水を使用して冷却する方法を挙げることができる。
【0043】
なお、この後、必要に応じてさらにジェット粉砕処理を行ってもよい。ここでいうジェット粉砕処理とは、ポリオレフィン樹脂水性分散体のような流体を、高圧下でノズルやスリットのような細孔より噴出させ、樹脂粒子同士や樹脂粒子と衝突板等とを衝突させて、機械的なエネルギーによって樹脂粒子をさらに細粒化することであり、そのための装置の具体例としては、A.P.V.GAULIN社製ホモジナイザー、みずほ工業社製マイクロフルイタイザーM-110E/H等が挙げられる。
【0044】
このようにして得られた水性分散体の固形分濃度の調整方法としては、例えば、所望の固形分濃度となるように水性媒体を留去したり、水により希釈したりする方法が挙げられる。
【0045】
上記のようにして、本発明の水性分散体は、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散又は溶解され、均一な液状に調製されて得られる。ここで、均一な液状であるとは、外観上、水性分散体中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いだされない状態にあることをいう。
【0046】
また、水性接着剤製造における水性化収率は、得られた水性接着剤に残存する粗大粒子の量によって知ることができる。具体的には、水性分散体を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、フィルター上に残存する樹脂量を測定する。
なお、残存樹脂が多く収率が低い場合でも、製造工程中で上記の濾過を行って、こうした粗大粒子を除去すれば、以降の工程で水性分散体としての使用は可能である。
本発明における水性化収率は、条件によってやや低下する場合もあるが、概ねきわめて良好であり、粗大粒子はほとんど残存することなく水性化が達成される。
【0047】
本発明の水性接着剤は、不飽和カルボン酸の含有量が低いため、様々な添加剤との混合安定性に優れる。例えば、他の重合体の水性分散体、金属イオン、無機粒子、あるいは架橋剤等を添加することができる。
【0048】
他の重合体の水性分散体としては、特に限定されない。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散体を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用しても良い。
【0049】
耐ブロッキング性、耐水性などの各種の塗膜性能をさらに向上させるために、架橋剤を水性接着剤中の樹脂100質量部に対して0.01〜100質量部、好ましくは0.1〜60質量部添加することができる。架橋剤の添加量が0.01質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さく、100質量部を超える場合は、加工性等の性能が低下してしまう。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属錯体等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用しても良い。
【0050】
さらに、本発明の水性接着剤に、必要に応じて粘着付与剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、表面ぬれ改質剤、滑り防止剤等の各種薬剤を添加して使用しても良い。さらに、クレー、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を添加して使用することができる。上記顔料の添加割合は、顔料100質量部に対して、水性接着剤中の樹脂固形分が1質量部以上、好ましくは3〜100質量部である。
【0051】
上記に示した他の重合体の水性分散体、架橋剤、粘着付与剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、顔料あるいは染料などの添加剤は2種類以上、組み合わせて用いても良い。
【0052】
本発明において、紙とは植物等の天然繊維を絡み合わせて製造したものを指し、そのような紙としては、上質紙、中質紙、再生紙、アート紙、クラフト紙、ロール紙、加工原紙、クロス紙、ボール紙、ダンボール等が挙げられる。
【0053】
本発明の水性接着剤を用いて紙と貼り合わせる熱可塑性樹脂フィルムとしては、ナイロン6(以下、Ny6)、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン(以下、PP)、ポリエチレン(以下、PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物よりなるフィルム、成形体またはそれらのフィルムの積層体が挙げられる。中でも、実質上ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6から選ばれる樹脂からなるフィルムを用いることが良い。ポリオレフィン樹脂は、少量のエチレン性不飽和化合物が共重合されていても良く、無水マレイン酸等で酸変性されていても良い。熱可塑性フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、製法も限定されるものではない。熱可塑性フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常1〜1000μmであれば良い。また、フィルム表面はコロナ処理、プラズマ処理、あるいは酸化処理等の表面処理を施した方が接着性は良くなる傾向がある。
尚、紙と貼り合せる材料は熱可塑性樹脂フィルムの他に紙、合成紙なども使用することができる。
【0054】
次に、本発明の水性接着剤の使用方法について説明する。
本発明の水性接着剤は、膜形成能に優れているので、公知の成膜方法、例えばグラビアロールコーティング、枚葉グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により各種基材表面にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥又は乾燥と焼き付けのための加熱処理に供することにより、樹脂被膜を各種基材表面に密着させて形成することができる。このときの加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。また、加熱温度や加熱時間としては、被コーティング物である基材の特性や後述する硬化剤の種類、配合量等により適宜選択されるものであるが、経済性を考慮した場合、加熱温度としては、10〜165℃が好ましく、30〜160℃がより好ましく、50〜150℃が特に好ましく、加熱時間としては、1秒〜10分が好ましく、5秒〜5分がより好ましく、10秒〜5分が特に好ましい。
【0055】
また、本発明の水性接着剤は、数平均粒子径が小さく、また液状であるため、基材表面に薄く塗ることが可能であり、塗布量はその用途によって適宜選択されるものであるが、例えば乾燥後の塗布量として0.1〜50g/m2とすることが好ましい。接着性、透明性等の性能を考慮すると、0.3〜30g/m2がより好ましく、0.5〜20g/m2がさらに好ましく、1〜10g/m2が特に好ましい。塗布量が0.1g/m2未満の場合は、接着強度が不十分となる。
なお、樹脂被膜の厚さを調節するためには、コーティングに用いる装置やその使用条件を適宜選択することに加えて、目的とする樹脂被膜の厚さに適した濃度の水性分散体を使用することが好ましい。このときの濃度は、調製時の仕込み組成により調節することができる。また、一旦調製した水性接着剤を適宜希釈、あるいは濃縮して調節してもよい。
【0056】
本発明の水性接着剤を用いて紙と熱可塑性樹脂フィルムとを接着する場合には、水性接着剤を紙表面又は熱可塑性樹脂フィルム表面のいずれに塗布してもよいが、両者の接着性を向上させる点から、紙に塗布する方が好ましい。
【0057】
次いで、このようにして作製した接着層を有する基材と各種基材とを加圧下で接着させる。このとき接着性を確保するために加熱下で加圧することが好ましく、その温度としては、60〜250℃が好ましく、80〜220℃がより好ましく、90〜200℃が特に好ましい。60℃未満では、十分な接着性を得ることができず、250℃を超えると紙が変色する恐れがある。この際に用いる装置としては特に限定されないが、例えば、熱プレス機、2本のロールバーで両基材を挟み込み加圧しながら両基材を供給するロールラミネーターなどが挙げられる。その際の圧力は、十分な接着性を確保でき、基材の特性を損なわない範囲であることが好ましく、0.01〜5MPaが好ましく、0.05〜3MPaがより好ましい。
【0058】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定又は評価した。
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(2)水性化後のエステル基の残存量
水性化後のポリオレフィン樹脂の水性分散体を150℃で乾燥させた後、オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、水性化前のアクリル酸エステルのエステル基量を100としてエステル基の残存率(%)を求めた。
(3)水性接着剤の固形分濃度
水性接着剤を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、不揮発成分の濃度を求めた。
(4)水性接着剤の粘度
トキメック社製、DVL-BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、温度20℃における水性分散体の回転粘度を測定した。
(5)水性分散体中のポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径を求めた。
(6)水性化収率
水性化後の水性分散体を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した際に、フィルター上に残存する樹脂質量を測定し、仕込み樹脂質量より収率を算出した。
(7)水性接着剤の外観
水性接着剤の色調を目視観察により評価した。
(8)塗膜の耐水性
水性接着剤を2軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製 エンブレットPET12,厚み12μm)上に乾燥後の塗膜厚みが約2μmになるようにメイヤーバーでコートし、200℃で1分間乾燥した。このようにして作製したコートフィルムを水道水に1日、浸漬した後、コート層の溶解、あるいは剥離の有無を目視で評価した。
○:外観に変化なし。
×:コート層が溶解、あるいは剥離する。
(9)ポットライフ
水性接着剤を室温で90日放置したときの外観を、次の3段階で評価した。
○:外観に変化なし。
△:増粘がみられる。
×:固化、凝集や沈殿物の発生が見られる。
(10)水性接着剤中の有機溶剤の含有率
島津製作所社製ガスクロマトグラフGC-8A〔FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG-HT(5%)-Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール〕を用い、水性接着剤または水性接着剤を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤であるイソプロパノールの含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(11)ヘーズ(曇価)
JIS K7105に準じて、日本電色工業社製のNDH2000「濁度、曇り度計」を用いて「ヘーズ(%)」を測定した。ヘーズが2.8%のPETフィルム(ユニチカ社製 エンブレットPET12,厚み12μm)に、25℃において水性接着剤を乾燥後のコート膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、25℃の雰囲気中で3日放置して乾燥させてコートフィルムを作製した。このようにして作製したコートフィルム全体のヘーズを測定した。
また、同様に5℃においても同様の評価を行った。
(12)接着剤被膜の耐ブロッキング性
A4サイズの上質紙(大昭和製紙製)に水性接着剤を乾燥後の塗布量が4g/m2になるように塗布した後、100℃で1分間、乾燥させ、被膜を形成させた。室温で1日放置後、塗布面にPPフィルム(出光ユニテック社製 ピュアソフティH-R111、両面コロナ品、厚み300μm)を重ね合わせた状態で、2.0MPaの負荷をかけ、25℃、65%RHの雰囲気下で24時間放置後、その耐ブロッキング性を次の3段階で評価した。
○:フィルムを軽く持ち上げる程度で剥離する。
△:フィルムを引っ張ることで剥離する。
×:フィルムを引っ張っても剥離しない。
(13)接着性評価方法
実施例中に記載した方法で作製した積層体サンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張り試験機(インテスコ株式会社製のインテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張り速度200mm/分、引張り角度180度で被膜の剥離強度(N/15mm)を測定した。なお、5回測定の平均値を用いた。
【0059】
使用した樹脂の組成を表1に示す。なお、表1に記載されている樹脂の融点はDSCで測定した値であり(測定装置:パーキン・エルマー社製DSC−7)、メルトフローレートはJIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した値である。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂〔ボンダインHX-8290(A)、住友化学社製〕、60.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、4.5g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.8倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)及び175.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。水性分散体の各種特性、及び被膜特性を表2に示した。
数平均粒子径は0.071μmであり、その分布は1山であり、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に良好な状態で分散していた。さらに、水性分散体のポットライフは90日以上であった。なお、水性化後の樹脂のエステル基残存率は100%であり、アクリル酸エチルは加水分解されていなかった。このエステル基残存率は室温で90日、放置後でも変化せず100%であった。この水性分散体を前記した方法でコートしたコートフィルムのヘーズは2.8%であり、透明性は良好であった。また、耐水性、耐ブロッキング性も良好であった。
ここで得られた水性分散体を水性接着剤E-1とし、A4サイズの上質紙(大昭和製紙製)に乾燥後の塗布量が4g/m2となるようにマイヤーバーで塗布し、100℃で1分間、乾燥させた。その塗布面に熱可塑性フィルム〔2軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製 エンブレットPET12、厚み12μm)、2軸延伸Ny6フィルム(ユニチカ社製 エンブレム、厚み15μm)、PPフィルム(出光ユニテック社製 ピュアソフティH-R111、両面コロナ品、厚み300μm)を重ねた後、PPの場合は110℃、PET、Ny6の場合は120℃で0.3MPaで2秒間、熱プレスすることで引張り試験用サンプルを作製した。接着性を測定した結果を表2に示す。
【0062】
実施例2
ポリオレフィン樹脂〔ボンダインHX-8210(B)、住友化学社製〕を用い、添加するTEAの量を表2記載のように変更した以外は実施例1と同様の方法で水性分散体を得て、これを水性接着剤E-2とした。水性分散体の各種特性、被膜特性、及び接着性を表2に示した。
【0063】
実施例3
ポリオレフィン樹脂〔ボンダインHX-8140(C)、住友化学社製〕を用い、添加するIPAの量を表2記載のように変更した以外は実施例1と同様の方法で水性分散体を得て、これを水性接着剤E-3とした。水性分散体の各種特性、被膜特性、及び接着性を表2に示した。
【0064】
実施例4
ポリオレフィン樹脂〔ボンダインTX-8030(D)、住友化学社製〕を用い、添加するTEAとIPAの量を表2記載のように変更した以外は実施例1と同様の方法で水性分散体を得て、これを水性接着剤E-4とした。水性分散体の各種特性、被膜特性、及び接着性を表2に示した。
【0065】
実施例5
E-1 250g、蒸留水10gを1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約100gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、濾液の固形分濃度を測定したところ、31.3質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が30.0質量%になるように調整し、水性分散体を得た。水性分散体の各種特性、及び被膜特性を表2に示した。
ここで得られた水性分散体を水性接着剤E-5とし、実施例1と同様の方法で引張り試験用サンプルを作製した。接着性を測定した結果を表2に示す。
【0066】
実施例6〜8
実施例1で得られたポリオレフィン樹脂水性分散体である水性接着剤E-1と架橋剤とを混合した。架橋剤としては、メラミン化合物(サイメル327、三井サイテック社製、実施例6)、カルボジイミド化合物(カルボジライトE-01、日清紡社製、実施例7)、オキサゾリン基含有化合物(エポクロスK-2010、日本触媒社製、実施例8)を用いた。E-1を撹拌しておき、E-1の固形分100質量部に対して上記架橋剤を固形分換算で10質量部、添加し、室温で30分間、撹拌した。得られた液をそれぞれ、水性接着剤E-6〜E-8とした。水性接着剤の各種特性、及び被膜特性を表2に示した。
水性接着剤E-6〜E-8を用いて実施例1と同様の方法で引張り試験用サンプルを作製した。接着性を測定した結果を表2に示す。
【0067】
比較例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのエチレン−アクリル酸共重合体樹脂〔プリマコール5980I、アクリル酸20質量%共重合体、ダウ・ケミカル社製、以下P(E-AA)〕、16.8g(樹脂中のアクリル酸のカルボキシル基に対して1.0倍当量)のTEA、及び223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を100〜105℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁の水性分散体を得た。水性分散体の各種特性、及び被膜特性を表2に示した。
ここで得られた水性分散体を水性接着剤H-1とし、実施例1と同様の方法で引張り試験用サンプルを作製した。接着性を測定した結果を表2に示す。不飽和カルボン酸であるアクリル酸の含有量が20質量%と多いポリオレフィン樹脂水性分散体を接着剤に用いた場合は、実施例と比べポリプロピレン樹脂フィルムやPETフィルムとの接着性は著しく低下した。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】
特定のポリオレフィン樹脂から得られた水性分散体は、紙と様々な熱可塑性樹脂フィルムとの接着剤として好適である。しかも、低温で容易に層形成ができ、透明性、耐水性に優れた樹脂層を形成する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aqueous adhesive having excellent adhesion to paper.
[0002]
[Prior art]
In the adhesive industry that uses a large amount of organic solvents, the use of organic solvents has recently been restricted from the standpoints of environmental protection, resource conservation, dangerous goods regulations by the Fire Service Act, and workplace environment improvement. Water-based adhesives are being developed.
[0003]
As an adhesive for paper, an acrylic emulsion and an ethylene-vinyl acetate copolymer emulsion are often used.
[0004]
In general, acrylic emulsions and ethylene-vinyl acetate copolymer emulsions with low ethylene content are known to be obtained by emulsion polymerization or suspension polymerization in the presence of an emulsifier or a compound having a protective colloid effect. . However, since the reaction pressure during polymerization increases as the ethylene content in the ethylene-vinyl acetate copolymer increases, a stable emulsion (aqueous dispersion) can be obtained in consideration of equipment and safety. It becomes difficult. An ethylene-vinyl acetate copolymer having a high ethylene content is generally obtained by high-pressure radical polymerization in a high-pressure ethylene plant or the like, and usually cannot be obtained in the state of an aqueous dispersion.
[0005]
As a method for obtaining an aqueous dispersion of an ethylene-vinyl acetate copolymer having a high ethylene content, a method of emulsifying a resin at a high temperature by adding an emulsifier to the system as described in JP-A-9-296081 Is described.
[0006]
However, the aqueous dispersion prepared by the above method contains a non-volatile aqueous additive such as a highly hydrophilic emulsifier and a compound having a protective colloid action in the system, and these remain in the film even after drying. For this reason, there is a problem that the water resistance of the formed film is remarkably lowered. In addition, when the coating contains a non-volatile aqueous additive such as a highly hydrophilic emulsifier or a compound having a protective colloid action, the adhesiveness to the hydrophobic substrate is lowered. Furthermore, coatings containing an emulsifier and a compound having a protective colloid action are not preferable from the environmental and hygienic viewpoints because they may bleed out.
[0007]
In order to solve the above problem, it is known that an aqueous polyolefin resin dispersion can be obtained by increasing the copolymerization ratio of the unsaturated carboxylic acid component without adding an emulsifier or a compound having a protective colloid effect. For example, aqueous dispersions of ethylene-unsaturated carboxylic acid copolymer resins such as ethylene-acrylic acid copolymer resins and ethylene-methacrylic acid copolymer resins having an unsaturated carboxylic acid content of about 20% by mass have been known. In particular, when an alkali metal compound or ammonia is used, an aqueous dispersion of the resin is easy to produce and is widely used. However, when using a resin with a high content of unsaturated carboxylic acid,Mixing stability with various additives such as cross-linking agents may be reduced.There was a problem.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors intend to provide an aqueous adhesive that forms an adhesive layer excellent in adhesiveness to paper.
[0009]
[Means for solving problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that an aqueous dispersion of a polyolefin resin having a specific composition can be used without adding a non-volatile aqueous additive such as an emulsifier or a compound having a protective colloid effect. It was possible to make the resin water-based, and the resin layer obtained therefrom was found to be excellent in adhesiveness to paper and reached the present invention. That is, the gist of the present invention is as follows.Boiling point is 30-250 ° CAn organic amine compound, the content of the organic amine compound is 0.5 to 3.0 times equivalent to the carboxyl group in the polyolefin resin, and the polyolefin resin is dispersed in a number average particle size of 1 μm or less. A water-based adhesive for paper, comprising a dispersion.
Polyolefin resin:
(A1) Unsaturated carboxylic acid or its anhydride, (A2) Ethylene hydrocarbon, (A3) Copolymer composed of at least one compound represented by any of the following formulas (I) to (IV) A polyolefin resin which is a coalescence and has a mass ratio of the constituent components (A1) to (A3) satisfying the following formulas (1) and (2).
0.5 ≦ (A1) / {(A1) + (A2) + (A3)} × 100 <5 (1)
(A2) / (A3) = 55 / 45-99 / 1 (2)
[Chemical formula 2]
Second, it is a laminate composed of at least three layers, the three layers being paper,For the above paperThis is a laminate in which an adhesive layer formed by applying and drying an aqueous adhesive and paper or a thermoplastic resin film are laminated in this order.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The aqueous paper adhesive in the present invention needs to contain a specific polyolefin resin and an aqueous medium. By using a specific polyolefin resin, it is possible to stably maintain the polyolefin resin in a state having a number average particle diameter of 1 μm or less in an aqueous medium without particularly needing a non-volatile water-based auxiliary. A resin layer excellent in adhesiveness with the plastic resin film can be formed.
[0011]
The polyolefin resin used in the present invention contains an unsaturated carboxylic acid or its anhydride (A1) component in an amount of 0.01% by mass or more and less than 5% by mass based on the entire resin [(A1) + (A2) + (A3)]. More preferably, the content should be 0.1% by mass or more and less than 5% by mass, more preferably 0.5% by mass or more and less than 5% by mass, and most preferably 1% by mass or more and 4% by mass or less. When the content of the component (A1) is less than 0.01% by mass, it becomes difficult to make the resin aqueous (liquefaction), and it is difficult to obtain a good aqueous adhesive. On the other hand, when the content of the unsaturated carboxylic acid or anhydride thereof is 5% by mass or more, it becomes easy to make it water-based, but the adhesion to the hydrophobic base material is lowered, or the mixing stability with the crosslinking agent is reduced. May decrease.
[0012]
The unsaturated carboxylic acid or anhydride thereof that can be used as the component (A1) of the polyolefin resin is a compound having at least one carboxyl group or acid anhydride group in the molecule (in the monomer unit), specifically Examples thereof include acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, maleic anhydride, itaconic acid, itaconic anhydride, fumaric acid, crotonic acid, and the like, as well as unsaturated dicarboxylic acid half esters and half amides. Of these, acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, and maleic anhydride are preferable, and acrylic acid and maleic anhydride are particularly preferable. Moreover, the unsaturated carboxylic acid should just be copolymerized in polyolefin resin, The form is not limited, For example, random copolymerization, block copolymerization, graft copolymerization etc. are mentioned.
[0013]
In the polyolefin resin used in the present invention, the component (A3) represented by any of the following formulas (I) to (IV) is necessary as a constituent component, and this component imparts hydrophilicity to the polyolefin resin. Even if the component (A1) is less than 5% by mass, it can be made aqueous without the addition of non-volatile aqueous additives such as emulsifiers and protective colloids. The mass ratio (A2) / (A3) between the ethylene-based hydrocarbon (A2) component and the (A3) component must be in the range of 55/45 to 99/1, and 60/40 to 98/2. It is preferably 65/35 to 97/3, more preferably 70/30 to 97/3, and particularly preferably 75/25 to 97/3. When the ratio of the component (A3) to [(A2) + (A3)] is less than 1% by mass, it becomes difficult to make the polyolefin resin water-based and it is difficult to obtain a good water-based adhesive. On the other hand, if the content ratio of the compound (A3) exceeds 45% by mass, the properties as the polyolefin resin due to the component (A2) are lost, and the performance such as water resistance and adhesion to various substrates may be deteriorated. is there.
[0014]
[Chemical 3]
[0015]
Examples of the ethylene hydrocarbon (A2) component constituting the polyolefin resin of the present invention include alkenes having 2 to 6 carbon atoms such as ethylene, propylene, isobutylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, and the like. A mixture of these can also be used. Among these, alkenes having 2 to 4 carbon atoms such as ethylene, propylene, isobutylene and 1-butene are more preferable, and ethylene is particularly preferable.
[0016]
Examples of the component (A3) represented by any one of the above formulas (I) to (IV) constituting the polyolefin resin of the present invention include, for example, methyl (meth) acrylate represented by the formula (I), (meth) (Meth) acrylic acid esters such as ethyl acrylate and butyl (meth) acrylate, maleic acid esters such as dimethyl maleate, diethyl maleate and dibutyl maleate represented by formula (II), formula (III) (Meth) acrylic acid amides represented by formula (IV), alkyl vinyl ethers represented by formula (IV) such as methyl vinyl ether and ethyl vinyl ether, vinyl formate, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl pivalate, vinyl versatate, etc. Vinyl alcohols obtained by saponifying vinyl esters with basic compounds, etc. These mixtures can also be used. Among these, (meth) acrylic acid esters represented by the formula (I) are more preferable, and methyl (meth) acrylate or ethyl (meth) acrylate is particularly preferable.
[0017]
The polyolefin resin used in the present invention is most preferably a terpolymer comprising ethylene, methyl acrylate or ethyl acrylate, and maleic anhydride. Here, the acrylic ester unit may be converted into an acrylic acid unit by hydrolyzing a small part of the ester bond when the resin is made into an aqueous solution described later. It suffices if the ratio of each constituent component taking into account the change is within a specified range. Aqueous dispersions (aqueous adhesives) of ethylene-acrylic acid ester-maleic anhydride terpolymer or ethylene-methacrylic acid ester-maleic anhydride terpolymer are used to bond paper to various thermoplastic films. Excellent in properties.
[0018]
In addition, unsaturated carboxylic anhydride units such as maleic anhydride units constituting the polyolefin resin in the present invention form an acid anhydride structure in which the adjacent carboxyl group is dehydrated and cyclized in the dry state of the resin. In an aqueous medium containing a basic compound, a part or all of the ring is opened to facilitate the structure of a carboxylic acid or a salt thereof.
In the present invention, when the amount is defined based on the amount of carboxyl group of the resin, the calculation is performed assuming that all acid anhydride groups in the resin are ring-opened to form carboxyl groups.
[0019]
The polyolefin resin used in the present invention may be copolymerized with a small amount of other monomers. Examples include dienes, (meth) acrylonitrile, vinyl halides, vinylidene halides, carbon monoxide, sulfur disulfide, and the like.
[0020]
The polyolefin resin used in the present invention has a melt flow rate of 0.1 to 500 g / 10 minutes, preferably 0.1 to 300 g / 10 minutes, more preferably 0.1 to 200 g / 10 minutes, at 190 ° C. and a load of 2160 g, which is a measure of molecular weight. Most preferably, 0.5 to 100 g / 10 min can be used. When the melt flow rate of the polyolefin resin is less than 0.1 g / 10 min, it becomes difficult to make the resin water-based and it is difficult to obtain a good aqueous dispersion. On the other hand, when the melt flow rate of the polyolefin resin exceeds 500 g / 10 min, the resin layer obtained from the aqueous dispersion becomes hard and brittle and the adhesiveness and mechanical strength are lowered.
[0021]
The method for synthesizing the polyolefin resin used in the present invention is not particularly limited, but it is preferable not to use an emulsifier or a compound having a protective colloid effect in view of the gist of the present invention. Generally, it is obtained by high-pressure radical copolymerization of a monomer constituting the polyolefin resin in the presence of a radical generator. In addition, the unsaturated carboxylic acid or its anhydride may be graft copolymerized (grafted modification).
[0022]
In the aqueous dispersion of the present invention, the above polyolefin resin is dispersed or dissolved in an aqueous medium. Here, the aqueous medium is a medium composed of a liquid containing water as a main component, and may contain a water-soluble organic solvent described later. Moreover, the basic compound mentioned later may be contained.
[0023]
Further, the number average particle diameter of the polyolefin resin particles dispersed in the aqueous polyolefin resin dispersion which is the aqueous adhesive of the present invention needs to be 1 μm or less, and the storage stability of the aqueous dispersion is improved. From the viewpoint of improving the film-forming property at low temperature and at a low temperature, it is preferably 0.5 μm or less, more preferably 0.3 μm or less, further preferably 0.2 μm or less, and most preferably less than 0.1 μm. A smaller number average particle diameter is preferable because it can be applied thinly on the substrate surface.
[0024]
The polyolefin resin content in the aqueous adhesive of the present invention can be appropriately selected depending on the film formation conditions, the thickness and performance of the target resin film, and is not particularly limited. It is preferably 1 to 60% by mass, more preferably 3 to 55% by mass, further preferably 5 to 50% by mass, and particularly preferably 10 to 45% by mass in terms of maintaining and exhibiting good film forming ability.
[0025]
It is preferable that the aqueous dispersion of the present invention substantially does not contain a nonvolatile aqueous auxiliary agent, and without using these, the polyolefin resin can be stably maintained in an aqueous medium with a number average particle diameter of 1 μm or less. it can. The nonvolatile aqueous auxiliary agent remains in the polyolefin resin layer and plasticizes it, thereby deteriorating the properties of the polyolefin resin, such as water resistance and adhesiveness. When the aqueous adhesive of the present invention is produced without using the non-volatile aqueous additive, the properties of the adhesive layer such as water resistance and adhesiveness are particularly improved.
[0026]
Here, the “aqueous auxiliary” means a drug or compound added for the purpose of promoting aqueous formation or stabilizing the aqueous dispersion in the production of an aqueous dispersion, and “nonvolatile” means It means that it does not have a boiling point at normal pressure or has a high boiling point (for example, 300 ° C. or higher) at normal pressure.
“Substantially no non-volatile aqueous solubilizing aid” means that no non-volatile aqueous solubilizing aid is actively added to the system, resulting in the absence of these. It is particularly preferable that the content of such a nonvolatile aqueous auxiliary agent is zero, but it may be contained in an amount of less than 0.1% by mass with respect to the polyolefin resin component as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0027]
Examples of the non-volatile auxiliary agent used in the present invention include an emulsifier described later, a compound having a protective colloid action, a modified wax, an acid-modified compound having a high acid value, and a water-soluble polymer.
Examples of the emulsifier include a cationic emulsifier, an anionic emulsifier, a nonionic emulsifier, and an amphoteric emulsifier. In addition to those generally used for emulsion polymerization, surfactants are also included. For example, anionic emulsifiers include higher alcohol sulfates, higher alkyl sulfonates, higher carboxylates, alkyl benzene sulfonates, polyoxyethylene alkyl sulfate salts, polyoxyethylene alkyl phenyl ether sulfate salts, vinyl sulfosuccinates. Nonionic emulsifiers include polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ether, polyethylene glycol fatty acid ester, ethylene oxide propylene oxide block copolymer, polyoxyethylene fatty acid amide, ethylene oxide-propylene oxide. Compounds having a polyoxyethylene structure such as copolymers and sorbitan derivatives such as polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters And examples of the amphoteric emulsifiers, lauryl betaine, lauryl dimethyl amine oxide, and the like.
[0028]
Compounds having protective colloid action, modified waxes, acid-modified compounds with high acid values, water-soluble polymers include polyvinyl alcohol, carboxyl group-modified polyvinyl alcohol, carboxymethyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, hydroxypropyl cellulose, modified starch, polyvinyl pyrrolidone Polyacrylic acid and salts thereof, carboxyl group-containing polyethylene wax, carboxyl group-containing polypropylene wax, carboxyl group-containing polyethylene-propylene wax, etc., and acid-modified polyolefin waxes having a number average molecular weight of usually 5000 or less and salts thereof, acrylic acid- Maleic anhydride copolymer and its salt, styrene- (meth) acrylic acid copolymer, ethylene- (meth) acrylic acid copolymer, isobutylene-maleic anhydride alternating Polymers, carboxyl group-containing polymers having an unsaturated carboxylic acid content of 10% by mass or more, such as (meth) acrylic acid- (meth) acrylic acid ester copolymers, and salts thereof, polyitaconic acid and salts thereof, and amino groups Examples thereof include water-soluble acrylic copolymers, gelatin, gum arabic, and casein, which are generally used as fine particle dispersion stabilizers.
[0029]
In the aqueous adhesive of the present invention, the carboxyl group in the polyolefin resin is preferably neutralized with a basic compound. Aggregation between the fine particles is prevented by the electric repulsive force between the carboxyl anions generated by neutralization, and stability is imparted to the aqueous dispersion. The basic compound used in making the aqueous solution may be any compound that can neutralize the carboxyl group. Therefore, the basic compound added for such a purpose can be said to be an aqueous auxiliary agent, but in order not to impair the effects of the present invention, the basic compound is volatile.
[0030]
As such a basic compound,Boiling point 30 ~ 250 An organic amine compound that evaporates at the time of forming a film is used from the viewpoint of water resistance of the film. Above all, the boiling pointAn organic amine compound at 50 to 200 ° C. is preferred. When the boiling point is less than 30 ° C., the rate of volatilization at the time of making the resin aqueous later described increases, and the aqueous formation may not proceed completely. When the boiling point exceeds 250 ° C., it becomes difficult to disperse the organic amine compound from the resin film by drying, and the water resistance of the film may deteriorate.
[0031]
Specific examples of the organic amine compound include triethylamine, N, N-dimethylethanolamine, aminoethanolamine, N-methyl-N, N-diethanolamine, isopropylamine, iminobispropylamine, ethylamine, diethylamine, and 3-ethoxypropylamine. , 3-diethylaminopropylamine, sec-butylamine, propylamine, methylaminopropylamine, methyliminobispropylamine, 3-methoxypropylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, morpholine, N-methylmorpholine, N- Examples thereof include ethyl morpholine. The addition amount of the basic compound is preferably 0.5 to 3.0 times equivalent, more preferably 0.8 to 2.5 times equivalent, and particularly preferably 1.01 to 2.0 times equivalent to the carboxyl group in the polyolefin resin. If the amount is less than 0.5 times equivalent, the effect of adding a basic compound is not recognized. If the amount exceeds 3.0 times equivalent, the drying time during film formation may be long or may be colored.
[0032]
In the present invention, it is preferable to add an organic solvent at the time of aqueous formation in order to promote aqueousization of the polyolefin resin and reduce the dispersed particle size. The amount of the organic solvent to be used is preferably 40% by mass or less in the aqueous medium, more preferably 1 to 40% by mass, further preferably 2 to 35% by mass, and particularly preferably 3 to 30% by mass. When the amount of the organic solvent exceeds 40% by mass, it cannot be regarded as an aqueous medium substantially and does not deviate from one of the objects of the present invention (environmental protection). Stability may be reduced.
[0033]
In general, a part of the organic solvent contained in the aqueous adhesive can be distilled out of the system by an operation called stripping, but the aqueous dispersion of the present invention can also be removed by this operation. The amount of the organic solvent in the solvent may be appropriately reduced within the above range, and may be 10% by mass or less, and if it is 3% by mass or less, it is environmentally preferable. In order to distill off the organic solvent by stripping, it is necessary to take measures in the production process such as increasing the pressure reduction of the equipment or extending the operation time, so the lower limit of the amount of organic solvent considering such productivity is 0.01. It is about mass% (the detection limit of the analytical instrument used for the measurement of the present invention). However, even if it is less than 0.01% by mass, the performance as an aqueous dispersion is not particularly problematic. Even if the amount of the organic solvent is reduced by stripping, the aqueous dispersion of the present invention is not particularly affected in terms of performance and can be used favorably for various applications.
[0034]
Examples of the stripping method include a method in which the aqueous adhesive is heated with stirring under normal pressure or reduced pressure to distill off the organic solvent. The organic solvent content can be quantified by gas chromatography. Further, since the solid content concentration is increased by distilling off the aqueous medium, for example, in the case where the viscosity increases and the workability deteriorates, water is added to the aqueous dispersion in advance. You can also.
[0035]
As an organic solvent, in order to obtain a good aqueous dispersion, one or more atoms (specifically, oxygen, nitrogen, fluorine, chlorine) having Pauling electronegativity of 3.0 or more are contained in the molecule. It is preferable to use what is doing. Among them, those having a solubility in water at 20 ° C. of 5 g / L or more are preferably used, and more preferably 10 g / L or more.
[0036]
Specific examples of the organic solvent used in the present invention include methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol, isobutanol, sec-butanol, tert-butanol, n-amyl alcohol, isoamyl alcohol, sec-amyl. Alcohols such as alcohol, tert-amyl alcohol, 1-ethyl-1-propanol, 2-methyl-1-butanol, n-hexanol and cyclohexanol, ketones such as methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, ethyl butyl ketone, cyclohexanone and isophorone , Ethers such as tetrahydrofuran, dioxane, ethyl acetate, n-propyl acetate, isopropyl acetate, n-butyl acetate, isobutyl acetate, sec-butyl acetate, acetic acid-3-meth Cibutyl, methyl propionate, ethyl propionate, diethyl carbonate, dimethyl carbonate, etc., ethylene glycol, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monopropyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol ethyl ether acetate , Glycol derivatives such as diethylene glycol, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol ethyl ether acetate, propylene glycol, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monobutyl ether, propylene glycol methyl ether acetate Furthermore, 3-methoxy-3-methylbutanol, 3-methoxybutanol, acetonitrile, dimethylformamide, dimethylacetamide, diacetone alcohol, ethyl acetoacetate, and the like are preferable. Among them, those having a boiling point of 30 to 250 ° C. are preferable. Particularly preferred is ~ 200 ° C. These organic solvents may be used in combination of two or more. In addition, when the boiling point of the organic solvent is less than 30 ° C., the ratio of volatilization when the resin is made aqueous increases, and the efficiency of aqueous formation may not be sufficiently increased. An organic solvent having a boiling point exceeding 250 ° C. is difficult to be scattered from the resin film by drying, and the water resistance of the film may be deteriorated.
[0037]
Among the above organic solvents, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, tetrahydrofuran, and the like are highly effective in promoting the aqueous formation of the resin and easily remove the organic solvent from the aqueous medium. Dioxane, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monopropyl ether, and ethylene glycol monobutyl ether are preferable, and ethanol, n-propanol, and isopropanol are particularly preferable from the viewpoint of low temperature drying property.
[0038]
The water-based adhesive of the present invention can form a transparent resin layer even at 25 ° C. or lower. As a measure of transparency, the “haze (cloudiness value)” of a coated film coated with an aqueous adhesive is used. A PET film having a haze of 2.0 to 5.0 (%) is used as a substrate, and this is coated with a water-based adhesive at 25 ° C., coated with a coating thickness of 2 μm, and dried at 25 ° C. The haze of the entire coated film thus obtained is 10.0 (%) or less. Moreover, even if it performs the same operation at 5 degreeC, haze will be 10.0% or less.
[0039]
Next, a method for producing an aqueous adhesive in which a polyolefin resin is dispersed in an aqueous medium will be described.
The method for obtaining the aqueous adhesive of the present invention is not particularly limited. For example, the above-described components, that is, a polyolefin resin having a specific composition, a basic compound, an organic solvent, and water are preferably sealed in a container. The method of heating and stirring can be employed, and this method is most preferred. According to this method, the polyolefin resin having a specific composition can be satisfactorily made into an aqueous dispersion without substantially adding a non-volatile aqueous additive such as an emulsifier component or a compound having a protective colloid effect.
[0040]
Any container may be used as long as it is equipped with a tank into which a liquid can be charged and can appropriately stir the mixture of the aqueous medium and the resin powder or granular material charged into the tank. As such a device, a device widely known to those skilled in the art as a solid / liquid stirring device or an emulsifier can be used, and a device capable of pressurization of 0.1 MPa or more is preferably used. The agitation method and the rotation speed of the agitation in the present invention are not particularly limited. However, sufficient agitation is achieved even at a low agitation where the resin is in a floating state in an aqueous medium, and a high agitation (eg, 1000 rpm or more) is not essential. Absent. For this reason, the aqueous dispersion can be produced with a simple apparatus.
[0041]
The shape of the polyolefin resin used for the aqueous treatment is not particularly limited, but it is preferable to use a granular or powdery particle having a particle diameter of 1 cm or less, preferably 0.8 cm or less from the viewpoint of increasing the aqueousization speed.
[0042]
An aqueous medium composed of water, a basic compound and an organic solvent, and a granular or powdery polyolefin resin are put into the tank of this apparatus, and they are preferably stirred and mixed at a temperature of 40 ° C. or lower. Next, while maintaining the temperature in the tank at 80 to 200 ° C., preferably 90 to 200 ° C., more preferably 100 to 200 ° C., the polyolefin resin is sufficiently aqueousized by preferably continuing stirring for 5 to 120 minutes. And then cooling to 40 ° C. or lower, preferably with stirring, to obtain an aqueous dispersion. When the temperature in the tank is less than 80 ° C., it becomes difficult to make the polyolefin resin aqueous. When the temperature in the tank exceeds 200 ° C., the molecular weight of the polyolefin resin may decrease. As a heating method in the tank, heating from the outside of the tank is preferable. For example, the tank can be heated using oil or water, or a heater can be attached to the tank for heating. Examples of the cooling method in the tank include a method of naturally cooling at room temperature and a method of cooling using oil or water at 0 to 40 ° C.
[0043]
After this, jet pulverization may be further performed as necessary. The jet pulverization treatment here means that fluid such as aqueous polyolefin resin dispersion is ejected from pores such as nozzles and slits under high pressure, and resin particles or resin particles collide with a collision plate. Further, the resin particles are further refined by mechanical energy. Specific examples of the apparatus for this purpose include a homogenizer manufactured by APVGAULIN, a microfluidizer M-110E / H manufactured by Mizuho Industries, Ltd., and the like.
[0044]
Examples of a method for adjusting the solid content concentration of the aqueous dispersion thus obtained include a method in which the aqueous medium is distilled off or diluted with water so as to obtain a desired solid content concentration.
[0045]
As described above, the aqueous dispersion of the present invention is obtained by preparing a uniform liquid by dispersing or dissolving a polyolefin resin in an aqueous medium. Here, the uniform liquid state means that, in terms of appearance, a portion where the solid content concentration is locally different from other portions such as precipitation, phase separation or skinning is not found in the aqueous dispersion. Say.
[0046]
In addition, the yield of aqueous formation in the production of the aqueous adhesive can be known from the amount of coarse particles remaining in the obtained aqueous adhesive. Specifically, the aqueous dispersion is filtered under pressure (air pressure 0.2 MPa) through a 300 mesh stainless steel filter (wire diameter 0.035 mm, plain weave), and the amount of resin remaining on the filter is measured.
Even when the amount of residual resin is large and the yield is low, if the above-mentioned filtration is performed during the production process to remove such coarse particles, it can be used as an aqueous dispersion in the subsequent steps.
Although the aqueous yield in the present invention may be slightly reduced depending on the conditions, it is generally very good, and aqueous formation is achieved with almost no coarse particles remaining.
[0047]
Since the water-based adhesive of the present invention has a low content of unsaturated carboxylic acid, it is excellent in mixing stability with various additives. For example, an aqueous dispersion of another polymer, metal ions, inorganic particles, or a crosslinking agent can be added.
[0048]
The aqueous dispersion of other polymer is not particularly limited. For example, polyvinyl acetate, ethylene-vinyl acetate copolymer, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, ethylene- (meth) acrylic acid copolymer, styrene-maleic acid resin, styrene-butadiene resin, butadiene resin, acrylonitrile-butadiene Examples include aqueous dispersions such as resins, poly (meth) acrylonitrile resins, (meth) acrylamide resins, chlorinated polyethylene resins, chlorinated polypropylene resins, polyester resins, modified nylon resins, urethane resins, phenol resins, silicone resins, and epoxy resins. be able to. You may use these in mixture of 2 or more types.
[0049]
In order to further improve various coating film performances such as blocking resistance and water resistance, 0.01 to 100 parts by mass, preferably 0.1 to 60 parts by mass of a crosslinking agent is added to 100 parts by mass of the resin in the aqueous adhesive. be able to. When the addition amount of the crosslinking agent is less than 0.01 parts by mass, the degree of improvement in the coating film performance is small, and when it exceeds 100 parts by mass, the performance such as workability is deteriorated. As the crosslinking agent, a crosslinking agent having self-crosslinking property, a compound having a plurality of functional groups that react with a carboxyl group in the molecule, a metal complex having a polyvalent coordination site, etc. can be used. Of these, isocyanate compounds , Melamine compounds, urea compounds, epoxy compounds, carbodiimide compounds, oxazoline group-containing compounds, zirconium salt compounds, silane coupling agents and the like are preferable. Moreover, you may use combining these crosslinking agents.
[0050]
Further, the water-based adhesive of the present invention may be provided with a tackifier, leveling agent, antifoaming agent, anti-waxing agent, pigment dispersant, ultraviolet absorber, anti-blocking agent, thermal stabilizer, antistatic agent, surface as necessary. Various agents such as a wetting modifier and an anti-slip agent may be added and used. Furthermore, pigments or dyes such as clay, barium sulfate, calcium carbonate, titanium oxide, zinc white, and carbon black can be added and used. As for the addition ratio of the pigment, the resin solid content in the aqueous adhesive is 1 part by mass or more, preferably 3 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the pigment.
[0051]
Two or more types of additives such as aqueous dispersions of other polymers shown above, crosslinking agents, tackifiers, leveling agents, antifoaming agents, anti-waxing agents, pigment dispersants, ultraviolet absorbers, pigments or dyes , May be used in combination.
[0052]
In the present invention, paper refers to those produced by entwining natural fibers such as plants, and such paper includes high-quality paper, medium-quality paper, recycled paper, art paper, craft paper, roll paper, processed base paper Cloth paper, cardboard, cardboard and the like.
[0053]
Examples of the thermoplastic resin film to be bonded to paper using the water-based adhesive of the present invention include polyamide resins such as nylon 6 (hereinafter referred to as Ny6), nylon 66 and nylon 46, polyethylene terephthalate (hereinafter referred to as PET), polyethylene naphthalate, Polyester resins such as polytrimethylene terephthalate, polytrimethylene naphthalate, polybutylene terephthalate, polybutylene naphthalate, polyolefin resins such as polypropylene (hereinafter referred to as PP), polyethylene (hereinafter referred to as PE), ethylene-vinyl acetate copolymer, Examples thereof include a film, a molded article or a laminate of these films made of a polyimide resin, a polycarbonate resin, a polyarylate resin or a mixture thereof. Among them, it is preferable to use a film substantially made of a resin selected from polypropylene, polyethylene, polyethylene terephthalate, and nylon 6. The polyolefin resin may be copolymerized with a small amount of an ethylenically unsaturated compound, and may be acid-modified with maleic anhydride or the like. The thermoplastic film may be an unstretched film or a stretched film, and the production method is not limited. The thickness of the thermoplastic film is not particularly limited, but may be usually 1 to 1000 μm. In addition, the adhesion of the film surface tends to be improved when surface treatment such as corona treatment, plasma treatment, or oxidation treatment is performed.
In addition, paper, synthetic paper, etc. other than a thermoplastic resin film can be used for the material bonded with paper.
[0054]
Next, a method for using the aqueous adhesive of the present invention will be described.
Since the aqueous adhesive of the present invention is excellent in film forming ability, known film forming methods such as gravure roll coating, single wafer gravure roll coating, reverse roll coating, wire bar coating, lip coating, air knife coating, curtain flow, etc. Resin coating by coating various substrate surfaces by coating, spray coating, dip coating, brushing method, etc., and setting it near room temperature as necessary, followed by heat treatment for drying or drying and baking Can be formed in close contact with various substrate surfaces. As a heating device at this time, a normal hot air circulation type oven, an infrared heater, or the like may be used. In addition, the heating temperature and the heating time are appropriately selected depending on the characteristics of the substrate to be coated, the type of the curing agent described later, the blending amount, etc. Is preferably 10 to 165 ° C, more preferably 30 to 160 ° C, particularly preferably 50 to 150 ° C, and the heating time is preferably 1 second to 10 minutes, more preferably 5 seconds to 5 minutes, 10 seconds to 5 minutes is particularly preferred.
[0055]
Further, since the water-based adhesive of the present invention has a small number average particle size and is in a liquid state, it can be applied thinly on the surface of the substrate, and the coating amount is appropriately selected depending on the application, For example, the coating amount after drying is 0.1 to 50 g / m2It is preferable that Considering performance such as adhesiveness and transparency, 0.3-30g / m2Is more preferable, 0.5 to 20 g / m2Is more preferred, 1-10 g / m2Is particularly preferred. Application amount is 0.1g / m2If it is less than 1, the adhesive strength is insufficient.
In addition, in order to adjust the thickness of the resin film, in addition to appropriately selecting an apparatus used for coating and its use conditions, an aqueous dispersion having a concentration suitable for the desired thickness of the resin film is used. It is preferable. The concentration at this time can be adjusted by the charged composition at the time of preparation. Further, the aqueous adhesive once prepared may be adjusted by appropriately diluting or concentrating.
[0056]
When the paper and the thermoplastic resin film are bonded using the aqueous adhesive of the present invention, the aqueous adhesive may be applied to either the paper surface or the thermoplastic resin film surface. From the viewpoint of improvement, it is preferable to apply to paper.
[0057]
Next, the base material having the adhesive layer thus prepared and various base materials are bonded under pressure. At this time, in order to ensure adhesiveness, it is preferable to apply pressure under heating, and the temperature is preferably 60 to 250 ° C, more preferably 80 to 220 ° C, and particularly preferably 90 to 200 ° C. If it is less than 60 ° C, sufficient adhesion cannot be obtained, and if it exceeds 250 ° C, the paper may be discolored. The apparatus used at this time is not particularly limited, and examples thereof include a hot press machine, a roll laminator that supplies both base materials while sandwiching and pressing both base materials with two roll bars. The pressure at that time is preferably in a range that can secure sufficient adhesion and does not impair the properties of the substrate, preferably 0.01 to 5 MPa, more preferably 0.05 to 3 MPa.
[0058]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
Various characteristics were measured or evaluated by the following methods.
(1) Composition of polyolefin resin
Orthodichlorobenzene (dFour) At 120 ℃1H-NMR analysis (manufactured by Varian, 300 MHz) was performed.
(2) Residual amount of ester group after aqueous treatment
After drying the aqueous dispersion of polyolefin resin after aqueous formation at 150 ° C., orthodichlorobenzene (dFour) At 120 ℃1H-NMR analysis (manufactured by Varian, 300 MHz) was performed, and the ester group residual ratio (%) was determined with the ester group amount of the acrylate ester before being made water-based as 100.
(3) Solid content concentration of aqueous adhesive
An appropriate amount of the aqueous adhesive was weighed and heated at 150 ° C. until the mass of the residue (solid content) reached a constant weight, and the concentration of the nonvolatile component was determined.
(4) Viscosity of aqueous adhesive
The rotational viscosity of the aqueous dispersion at a temperature of 20 ° C. was measured using a DVL-BII type digital viscometer (B type viscometer) manufactured by Tokimec.
(5) Average particle diameter of polyolefin resin particles in the aqueous dispersion
The number average particle size was determined using a Microtrac particle size distribution analyzer UPA150 (MODEL No. 9340) manufactured by Nikkiso Co., Ltd.
(6) Aqueous yield
When the aqueous dispersion after hydrophilization is pressure filtered (air pressure 0.2 MPa) with a 300 mesh stainless steel filter (wire diameter 0.035 mm, plain weave), the amount of resin remaining on the filter is measured. Yield was calculated.
(7) Appearance of water-based adhesive
The color tone of the aqueous adhesive was evaluated by visual observation.
(8) Water resistance of coating film
The aqueous adhesive was coated on a biaxially stretched PET film (Embret PET12 manufactured by Unitika Ltd., thickness 12 μm) with a Mayer bar so that the coating thickness after drying was about 2 μm, and dried at 200 ° C. for 1 minute. The coated film thus prepared was immersed in tap water for 1 day, and the presence or absence of dissolution or peeling of the coating layer was visually evaluated.
○: No change in appearance.
X: The coat layer is dissolved or peeled off.
(9) Pot life
The appearance when the aqueous adhesive was left at room temperature for 90 days was evaluated in the following three stages.
○: No change in appearance.
Δ: Thickening is observed.
X: Solidification, aggregation and precipitation are observed.
(10) Content of organic solvent in aqueous adhesive
Gas chromatograph GC-8A manufactured by Shimadzu Corporation (using FID detector, carrier gas: nitrogen, column packing material (manufactured by GL Sciences): PEG-HT (5%)-Uniport HP (60/80 mesh), column size: 3mm x 3m in diameter, sample injection temperature (injection temperature): 150 ° C, column temperature: 60 ° C, internal standard: n-butanol], water adhesive or water adhesive diluted with water directly in the apparatus The content of isopropanol, which is an organic solvent, was determined. The detection limit was 0.01% by mass.
(11) Haze (cloudiness value)
According to JIS K7105, “Haze (%)” was measured using NDH2000 “turbidity and haze meter” manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd. After coating a PET film with a haze of 2.8% (Embret PET12 manufactured by Unitika Co., Ltd., thickness 12 μm) at 25 ° C. using a Meyer bar so that the coating film thickness after drying is 2 μm at 25 ° C. The coated film was prepared by leaving it to stand in the atmosphere for 3 days and drying. Thus, the haze of the whole coat film produced was measured.
Similarly, the same evaluation was performed at 5 ° C.
(12) Blocking resistance of adhesive coating
A4 size high quality paper (made by Daishowa Paper Co., Ltd.) The coating amount after drying a water-based adhesive is 4g / m2And then dried at 100 ° C. for 1 minute to form a film. After standing at room temperature for 1 day, with a PP film (Pure Softy H-R111 manufactured by Idemitsu Unitech Co., Ltd., double-sided corona product, thickness 300μm) on the coated surface, a load of 2.0MPa is applied and 25 ° C, 65% RH After being allowed to stand for 24 hours in the atmosphere, the blocking resistance was evaluated in the following three stages.
○: Peel off by lifting the film lightly.
(Triangle | delta): It peels by pulling a film.
X: Even if a film is pulled, it does not peel.
(13) Adhesive evaluation method
A laminate sample produced by the method described in the examples was cut out at a width of 15 mm, and one day later, a tensile tester (Intesco Precision Universal Material Tester Model 2020 manufactured by Intesco Corporation) was used, and the tensile speed was 200 mm / min. The peel strength (N / 15 mm) of the film was measured at an angle of 180 degrees. In addition, the average value of 5 times measurement was used.
[0059]
Table 1 shows the composition of the resin used. In addition, melting | fusing point of resin described in Table 1 is a value measured by DSC (measuring device: DSC-7 manufactured by Perkin Elmer), and melt flow rate is a method described in JIS 6730 (190 ° C., 2160 g load) It is the value measured by.
[0060]
[Table 1]
[0061]
Example 1
Using a stirrer equipped with a 1 L glass container that can be sealed with a heater, 60.0 g of polyolefin resin [Bondaine HX-8290 (A), manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.], 60.0 g of isopropanol (hereinafter, IPA), 4.5 g (1.8 times equivalent to the carboxyl group of maleic anhydride in the resin) of triethylamine (hereinafter TEA) and 175.5 g of distilled water were charged in a glass container and stirred at a stirring blade rotation speed of 300 rpm. Precipitation of resin granules was not observed at the bottom of the container, and it was confirmed that the container was in a floating state. Therefore, while maintaining this state, the heater was turned on and heated after 10 minutes. Then, the system temperature was kept at 140 to 145 ° C. and further stirred for 20 minutes. Then, after putting it in a water bath and cooling to room temperature (about 25 ° C) while stirring at a rotational speed of 300 rpm, pressure filtration (air pressure 0.2 MPa) with a 300 mesh stainless steel filter (wire diameter 0.035 mm, plain weave), A milky white uniform polyolefin resin aqueous dispersion was obtained. Various properties of the aqueous dispersion and the coating properties are shown in Table 2.
The number average particle diameter was 0.071 μm, and the distribution was one peak, and the polyolefin resin was dispersed in a good state in the aqueous medium. Furthermore, the pot life of the aqueous dispersion was over 90 days. In addition, the ester group residual ratio of the resin after the aqueous treatment was 100%, and ethyl acrylate was not hydrolyzed. This ester group residual rate was 100% at room temperature for 90 days and remained unchanged after standing. The haze of the coated film coated with this aqueous dispersion by the method described above was 2.8%, and the transparency was good. Moreover, water resistance and blocking resistance were also good.
The aqueous dispersion obtained here is water-based adhesive E-1, and the coating amount after drying on high-quality paper (made by Daishowa Paper) of A4 size is 4g / m.2Then, it was applied with a Meyer bar and dried at 100 ° C. for 1 minute. On the coated surface, a thermoplastic film [biaxially stretched PET film (Embret PET12 made by Unitika, thickness 12 μm), biaxially stretched Ny6 film (Emblem made by Unitika, thickness 15 μm), PP film (Pure Softy H made by Idemitsu Unitech Co., Ltd.) -R111, double-sided corona product, 300μm thick), and for PP, 110 ° C for PET, and for PET and Ny6, 120 ° C for 2 seconds at 0.3MPa for 2 seconds to produce a sample for tensile test. Table 2 shows the results of measurement of adhesiveness.
[0062]
Example 2
Using a polyolefin resin [Bondaine HX-8210 (B), manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.], an aqueous dispersion was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of TEA added was changed as shown in Table 2. This was designated water-based adhesive E-2. Table 2 shows various characteristics, film characteristics, and adhesiveness of the aqueous dispersion.
[0063]
Example 3
Using a polyolefin resin [Bondaine HX-8140 (C), manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.], an aqueous dispersion was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of IPA added was changed as shown in Table 2. This was designated water-based adhesive E-3. Table 2 shows various characteristics, film characteristics, and adhesiveness of the aqueous dispersion.
[0064]
Example 4
An aqueous dispersion was obtained in the same manner as in Example 1 except that a polyolefin resin [Bondaine TX-8030 (D), manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.] was used and the amounts of TEA and IPA to be added were changed as shown in Table 2. This was designated water-based adhesive E-4. Table 2 shows various characteristics, film characteristics, and adhesiveness of the aqueous dispersion.
[0065]
Example 5
E-1 250 g and distilled water 10 g were charged into a 1 L 2-neck round bottom flask, a mechanical stirrer and Liebig condenser were installed, the flask was heated in an oil bath, and the aqueous medium was distilled off. When about 100 g of the aqueous medium was distilled off, heating was terminated and the mixture was cooled to room temperature. After cooling, the liquid component in the flask was subjected to pressure filtration (air pressure 0.2 MPa) with a 300 mesh stainless steel filter (wire diameter 0.035 mm, plain weave), and the solid content concentration of the filtrate was measured to be 31.3% by mass. . While stirring the filtrate, distilled water was added to adjust the solid content concentration to 30.0% by mass to obtain an aqueous dispersion. Various properties of the aqueous dispersion and the coating properties are shown in Table 2.
The aqueous dispersion obtained here was used as an aqueous adhesive E-5, and a sample for a tensile test was produced in the same manner as in Example 1. Table 2 shows the results of measurement of adhesiveness.
[0066]
Examples 6-8
Aqueous adhesive E-1 which is the aqueous polyolefin resin dispersion obtained in Example 1 and a crosslinking agent were mixed. As a crosslinking agent, a melamine compound (Cymel 327, manufactured by Mitsui Cytec Co., Ltd., Example 6), a carbodiimide compound (Carbodilite E-01, manufactured by Nisshinbo Co., Ltd., Example 7), an oxazoline group-containing compound (Epocross K-2010, Nippon Shokubai) Company Example 8) was used. E-1 was stirred, 10 parts by mass of the above-mentioned crosslinking agent in terms of solid content was added to 100 parts by mass of the solid content of E-1, and stirred at room temperature for 30 minutes. The obtained liquids were designated as water-based adhesives E-6 to E-8, respectively. Table 2 shows various characteristics and coating characteristics of the water-based adhesive.
Tensile test samples were prepared in the same manner as in Example 1 using aqueous adhesives E-6 to E-8. Table 2 shows the results of measurement of adhesiveness.
[0067]
Comparative Example 1
Using a stirrer equipped with a hermetic pressure-resistant 1 L glass container with a heater, 60.0 g of ethylene-acrylic acid copolymer resin [Primacol 5980I, acrylic acid 20% by mass copolymer, manufactured by Dow Chemical Co., Ltd., P (E-AA)], 16.8 g (1.0 times equivalent to the carboxyl group of acrylic acid in the resin) of TEA and 223.2 g of distilled water are charged in a glass container, and the rotation speed of the stirring blade is 300 rpm. As a result of the stirring, no precipitation of resin granules was observed at the bottom of the container, confirming that it was in a floating state. Therefore, while maintaining this state, the heater was turned on and heated after 10 minutes. Then, the system temperature was kept at 100 to 105 ° C. and further stirred for 20 minutes. Then, after putting it in a water bath and cooling to room temperature (about 25 ° C) while stirring at a rotational speed of 300 rpm, pressure filtration (air pressure 0.2 MPa) with a 300 mesh stainless steel filter (wire diameter 0.035 mm, plain weave), A slightly cloudy aqueous dispersion was obtained. Various properties of the aqueous dispersion and the coating properties are shown in Table 2.
The aqueous dispersion obtained here was used as an aqueous adhesive H-1, and a sample for a tensile test was produced in the same manner as in Example 1. Table 2 shows the results of measurement of adhesiveness. When an aqueous polyolefin resin dispersion having a high content of acrylic acid, which is an unsaturated carboxylic acid, was 20% by mass, was used as an adhesive, the adhesiveness with a polypropylene resin film or a PET film was significantly reduced as compared with Examples.
[0068]
[Table 2]
[0069]
【The invention's effect】
An aqueous dispersion obtained from a specific polyolefin resin is suitable as an adhesive between paper and various thermoplastic resin films. In addition, a layer can be easily formed at a low temperature, and a resin layer excellent in transparency and water resistance is formed.
Claims (9)
ポリオレフィン樹脂:
(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、(A2)エチレン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
0.5 ≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}× 100 < 5 (1)
(A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
Polyolefin resin:
(A1) Unsaturated carboxylic acid or its anhydride, (A2) Ethylene hydrocarbon, (A3) Copolymer composed of at least one compound represented by any of the following formulas (I) to (IV) A polyolefin resin which is a coalescence and has a mass ratio of the constituent components (A1) to (A3) satisfying the following formulas (1) and (2).
0.5 ≦ (A1) / {(A1) + (A2) + (A3)} × 100 <5 (1)
(A2) / (A3) = 55 / 45-99 / 1 (2)
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