JP4269571B2 - 動きベクトル検出装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロックマッチングにより動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置及び方法に関し、特にフィールド周波数の変換、フレーム周波数の変換、プログレッシブ画像からインタレース画像への変換技術やMPEGによる圧縮技術に適用される動きベクトル検出装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ放送の走査方式としては、従来から水平走査線を1本おきに飛越して走査するインタレース走査方式が最も広く採用されている。このインタレース走査方式では、入力画像信号に内挿処理を施して、50GHzから100GHzへフィールド周波数の変換や、インタレース走査からプログレッシブ走査へ走査変換を行なうことにより、画面全体がちらついて見える面フリッカ妨害を抑え、画面品質の劣化を防止する。
【0003】
上述した内挿処理を行うためには、入力された画像信号において、現フィールドである参照フィールドと、現フィールドから1フレーム或いは1フィールド前の基準フィールドとの間で差分を算出し、この算出した差分に基づいて動きベクトルの検出を行う。この動きベクトルの検出は、一般に実用化されている方式として、基準フィールドを複数の基準ブロックに分割し、このブロック毎に参照フィールドにおける探索ブロックとパターンマッチングを行うブロックマッチング法が一般的に用いられている。
【0004】
以下、ブロックマッチング法について説明する。図6に示すように、基準フィールド80における基準ブロック101と、参照フィールド90における探索ブロック103はそれぞれ、M×Nの画素のサイズで表される。探索ブロック103の探索範囲104は任意に設定される。
【0005】
このブロックマッチング法では、基準フィールド80における基準ブロック101と最も高い相関度を示すブロックを、参照フィールド90における探索範囲104内を移動する探索ブロック103の集合から検出する。そして当該検出された探索ブロック103と基準ブロック101間の位置のずれ(移動の方向と大きさ)を動きベクトルとする。
【0006】
ここで、上記基準ブロック101と最も高い相関度を示す探索ブロック103の判定は、先ず探索ブロック103の各画素値について、基準ブロック101の対応する画素値との差分をとり、その差によって示される評価値、例えば差分絶対値和を求める。次に、上述の判定操作を全ての探索ブロック103について行い、それぞれ求めた評価値和、すなわち各差分絶対値和のうちから最小のものを求める。この最小の差分絶対値和を与える探索ブロック103を、基準ブロック101と最も高い相関度を示すブロックとする。
【0007】
ここで各ブロックのサイズは、例えば図7(a)に示すように8×4画素のサイズとし、各ブロック101,103の画素位置は、水平方向と垂直方向でそれぞれ(x、y)で表される。また原点の画素の座標を、(0、0)としたときに、xは、BX1〜BX2の範囲内に位置し、またyは、BY1〜BY2の範囲内に位置することとなる。
【0008】
探索範囲104のサイズは、例えば図7(b)に示すように、16×5画素のサイズとし、各画素位置は、水平方向と垂直方向で、それぞれ(xs、ys)で表される。また原点の座標を(0,0)としたときに、xsは、MX1〜MX2の範囲内に位置し、ysはMY1〜MY2の範囲内に位置することとなる。
【0009】
図7(c)は、探索範囲104において、(MX1、MY1)の画素位置を探索する場合について示した図である。かかる場合、探索ブロック103の原点(0,0)が、探索範囲104の画素位置(MX1、MY1)に移動する。そして、基準ブロック101の画素に対応させて、探索ブロック103内の各画素位置における画素値を検出する。
【0010】
(21)式は、差分絶対値和D(xs、ys)を求める式であり、Rは参照フィールドのx、y座標における画素値を、Sは基準フィールドにおけるx、y座標における画素値を示す。また、(22)式は、最小となる差分絶対値和minD(xs、ys)を求めている。(23)式は、最小となる差分絶対値和から動きベクトルを求める式であり、Vxが動きベクトルの水平成分に相当し、Vyが動きベクトルの垂直成分に相当する。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】
【数3】
【0014】
次に上述したブロックマッチング法に基づく動きベクトルを検出する動きベクトル検出回路の構成例について説明する。
【0015】
図8は、従来の動きベクトル検出回路6の全体構成である。この動きベクトル検出回路6は、画像格納用メモリ61と、演算部62と、判定部63と、動きベクトル格納用メモリ64と、制御部65とを備える。
【0016】
画像格納用メモリ61は、例えば汎用メモリ等で構成され、順次供給される基準フィールド80と参照フィールド90を所定のアドレスに格納する。
【0017】
演算部62は、制御部65から基準ブロック101の原点の座標と、探索範囲104の原点の座標を受け取る。この演算部62は、画像格納用メモリ61に格納されている基準フィールド80から、制御部65から受け取った座標を原点とする基準ブロック101を切り出す。また、この演算部62は、画像格納用メモリ61に格納されている参照フィールド90から、制御部65から受け取った座標を原点とする探索範囲104内に位置する探索ブロック103を切り出す。更に、この演算部62は、切り出した基準ブロック101と、探索ブロック103との差分絶対値和を計算する。そして算出した差分絶対値和を判定部63へ送信する。演算部62は、この操作を、探索範囲104内を移動する全ての探索ブロック103について行う。
【0018】
判定部63は、演算部62において算出された差分絶対値和を順次受け取る。またこの判定部63は、受け取った差分絶対値和の中から、最小となる差分絶対値和を与える画素を判定し、当該画素の座標(xs、ys)を特定する。また、この判定部63は、この特定した画素の座標と、基準ブロック101の原点の画素との間で動きベクトルを求める。更にこの判定部63は、求めた動きベクトルを動きベクトル格納用メモリ64に書き込む。
【0019】
動きベクトル格納用メモリ64は、判定部63から基準画素毎に動きベクトルが書き込まれる。この動きベクトル格納用メモリ64に格納された動きベクトルは、例えば図示しない画像シフト部により読み出され、基準画素のシフトさせる際の基準となる。
【0020】
制御部65は、接続された演算部62及び判定部63に対して、基準ブロック101の原点の座標と探索範囲104の原点の座標を指示し、フローを制御する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のブロックマッチング法は、画面全体に表示される本来の画像の動きに関係なく、単に基準ブロックと誤差の総和が最小となる探索ブロックを最優先して動きベクトルを求めるため、変換画像の画質が劣化する場合がある。
【0022】
例えば、殆ど左右対称な二つの縦ラインを有する”u”の文字を右から左へ水平方向にシフトさせる場合に、一の画素につき差分絶対値和を求めると、極小点が2箇所生じる。
【0023】
このため、”u”の左右対称な文字を右から左へ水平方向へシフトさせる場合に、従来のブロックマッチング同様に動きベクトルを求めると、求められる動きベクトルの方向が局所的に逆転してしまう。
【0024】
従って、殆ど左右対称な”u”や”H”等の文字について、動きベクトルの水平成分を揃えることにより、画質の劣化を抑える必要があり、特に情報を水平方向へ随時シフトさせるケースが増えた近年のテレビジョン放送において、かかる画質改善の要請は高まっている。
【0025】
そこで本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、実際の画像の動きに適合した動きベクトルを求めることにより、変換画像の劣化を防止することができる動きベクトル検出装置及び方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る動きベクトル検出装置は、上述の課題を解決するために、入力される基準フィールドの基準画素につき、ブロックマッチング法により動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置において、上記基準フィールドから切り出した基準画素を原点とする基準ブロックと、参照フィールドから切り出した探索範囲内を移動する探索ブロックとの間で、画素値の差分絶対値和を順次演算する演算手段と、上記基準画素を原点とする直交座標系での、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が異なる場合に、正数となる修正値を算出し、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が同じ場合に、0となる修正値を算出し、当該修正値を上記差分絶対値和に加算した修正差分絶対値和を求める修正手段と、上記探索範囲内において最小となる上記修正差分絶対値和を示す画素の位置に基づいて上記基準画素の動きベクトルを特定する動きベクトル特定手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
また本発明に係る動きベクトル検出方法は、上述の課題を解決するために、入力される基準フィールドの基準画素につきブロックマッチング法により動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法において、基準フィールドから切り出した基準画素を原点とする基準ブロックと、参照フィールドから切り出した探索範囲内を移動する探索ブロックとの間で、画素値の差分絶対値和を順次演算し、上記基準画素を原点とする直交座標系での、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が異なる場合に、正数となる修正値を算出し、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が同じ場合に、0となる上記算出した修正値を上記差分絶対値和に加算した修正差分絶対値和を求め、上記探索範囲内において最小となる上記修正差分絶対値和を示す画素の位置に基づいて上記基準画素の動きベクトルを特定することを特徴とする。
【0028】
この動きベクトル検出装置及び方法は、探索ブロックを構成する画素の位置及び上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルに基づいて修正値を算出し、当該修正値とブロックマッチング法に基づく画素値の差分絶対値和とを加算した修正差分絶対値和を求め、上記探索範囲内において最小となる上記修正差分絶対値和を示す画素の位置に基づいて上記基準画素の動きベクトルを特定する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、例えばフィールド周波数変換や走査変換における動き補正装置のための動き検出や動き補正を内蔵したテレビジョン受像機に使用される。
【0030】
図1は、本発明を適用した動きベクトル検出装置1の構成図を示している。この動きベクトル検出装置1は、画像格納用メモリ11と、演算部12と、判定部13と、求められた動きベクトルを格納する動きベクトル格納用メモリ14と、動きベクトル検出装置1のフロー全体を制御する制御部15とを備える。
【0031】
画像格納用メモリ11は、例えば汎用DRAM等で構成され、順次供給される入力画像信号を所定のアドレスに格納する。
【0032】
演算部12は、画像格納用メモリ11に格納されている入力画像信号から、制御部16から受け取った座標を原点とする画素ブロックを切り出し、判定部13と連係して、例えばブロックマッチング法等の方法により、動きベクトルを求める。
【0033】
図2に、上記入力画像信号としての基準フィールド30と、基準フィールド30から1フレーム離れた参照フィールド40の位置関係を示す。基準フィールド30における基準ブロック51と、参照フィールド40における探索ブロック53はそれぞれ、M×Nの画素のサイズで表される。探索ブロック53の探索範囲54は、各ブロック51,53のサイズに応じて任意に設定される。
【0034】
ブロックマッチング法により動きベクトルを検出する場合には、基準フィールド30を複数の基準ブロック51に分割し、基準フィールド30における基準ブロック51と最も高い相関度を示すブロックを、参照フィールド40における探索範囲54内を移動する探索ブロック53から検出する。そして当該検出された探索ブロック53と基準ブロック51間の位置のずれ(移動の方向と大きさ)を動きベクトルとする。
【0035】
上述の相関度の判定は、先ず探索ブロック53の各画素値について、基準ブロック51の対応する画素値との差分をとり、その差によって示される評価値、例えば差分絶対値和を求める。次に、上述の判定操作を全ての探索ブロック53について行い、それぞれ求めた評価値和、すなわち各差分絶対値和から最小のものを求める。この最小の差分絶対値和を与える探索ブロック53を、基準ブロック51と最も高い相関度を示すブロックとし、かかるブロックの原点の画素63と、基準ブロック51の原点の画素との間で特定することができるベクトルを動きベクトルとする。
【0036】
求めた動きベクトルは、基準フィールド30、参照フィールド40の中間に位置する、動き補正するフィールドにおいて、画素のシフト方向、シフト量を決める際に参照される。
【0037】
なお本発明を適用した動きベクトル検出装置1は、図3に示すように、左側の画素から右側の画素へ順に動きベクトルを求めていくことに着目し、上述のブロックマッチング法に加えて、更に以下の動き補正を行なう。
【0038】
本来の画像の動きを識別するために、左隣の画素の動きベクトルを本来の画像の動きを識別するためのパラメータとして、動きベクトル格納用メモリ15から読み出す。そして、動きベクトルを求める画素35(基準ブロック51の原点の画素)の左隣に位置する画素34において求められている動きベクトルが正確なものであると仮定する。実際には、画素35の動きベクトルの方向を、該左隣に位置する画素34の動きベクトルに合わせる。このようにして求められた画素35の動きベクトルも正確なものとなるため、さらに画素36の動きベクトルを求める際に、画素35を参酌することができ、動きベクトルの正確性を担保することが可能となる。
【0039】
本発明を適用した動きベクトル検出装置1における実際の動きベクトルの検出手順について、図4に基づいて詳細に説明する。
【0040】
先ずステップS11において、基準フィールド30における基準ブロック51と、参照フィールド40における探索範囲54内部を移動する探索ブロック53との間で、差分絶対値和を演算する。
【0041】
この差分絶対値和の演算は、ブロックサイズを図5(a)に示すように8×4画素のサイズとし、各ブロック51,53の画素位置は、水平方向と垂直方向でそれぞれ(x、y)で表される。また原点の画素の座標を、(0、0)としたときに、水平方向の座標xは、図5(a)に示すBX1〜BX2の範囲内に位置し、また垂直方向の座標yは、BY1〜BY2の範囲内に位置する。探索範囲54のサイズは、例えば図5(b)に示すように、16×5画素のサイズとし、探索範囲54内の各画素位置は、水平方向と垂直方向で、それぞれ(xs、ys)で表される。また原点の座標を(0,0)としたときに、xsは、図5(b)に示すMX1〜MX2の範囲内に位置し、ysはMY1〜MY2の範囲内に位置する。ちなみに、この基準ブロック51の原点の座標や探索範囲54の原点の座標は、図1に示す制御部16から演算部12へ送信される。演算部12は、受信した原点の座標に基づき、画像格納用メモリ11に格納されている基準フィールド30から基準ブロック51を切り出し、また参照フィールド40から探索ブロック53を切り出す。
【0042】
この探索範囲54内の座標、換言すれば探索範囲54内部を移動する探索ブロック53の中心に位置する画素の座標(xs、ys)の差分絶対値和D(xs、ys)は以下の(11)式より表される。ここで関数Rは参照フィールドを、関数Sは基準フィールドを示す。
【0043】
【数4】
【0044】
このステップS11において、差分絶対値和D(xs、ys)を求めた後に、ステップS12に移行する。
【0045】
ステップS12では、探索範囲54における画素の座標(xs、ys)に応じて、制約項G(xs、ys)を求める。
【0046】
このステップS12において、先ず、動きベクトル格納用メモリ14に格納されている隣接画素情報を読み出し、左隣の画素34の動きベクトルの水平成分Vx_lを抽出する。そして、探索範囲54における画素(xs、ys)を、左隣の画素34において求められた動きベクトルの水平成分Vx_lとの関係において求める。具体的には、探索範囲54における画素の水平成分xsと、画素34において求められた動きベクトルの水平成分(以下、Vx_lとする)との積(=xs×Vx_l)を求め、正か負かを識別することにより、両者の位置関係を把握する。積が正であれば探索範囲54における画素の水平成分xsの極性と、隣接する画素34における動きベクトルの水平成分Vx_lの極性は等しく、積が負であれば両者の極性は異なる。
【0047】
ちなみに、xs×Vx_l<0の場合には、G(xs、ys)=αとする(αは正数とする)。一方、xs×Vx_l≧0の場合は、G(xs、ys)=0とする。この制約項G(xs、ys)演算した後、ステップS13へ移行する。
【0048】
ステップS13では、以下の(12)式に基づいて、修正差分絶対値和S(xs、ys)を求める。
S(xs、ys)=D(xs、ys)+G(xs、ys) (12)
この修正差分絶対値は、差分絶対値和D(xs、ys)に、上述のステップS12において求められた制約項G(xs、ys)が加算されている。制約項G(xs、ys)は、探索範囲54における画素の水平成分が、左隣の画素34において求められた動きベクトルの水平成分Vx_lと極性が異なる場合に正数αとして表される。このため、xsとVx_lの極性が異なる場合には正数αが加算されるため、かかる極性が同一の場合と比較して、修正差分絶対値和S(xs、ys)は大きくなる。
【0049】
上述のステップS11〜S13までの処理を、探索範囲54の全画素につき繰り返すことにより、上述の修正差分絶対値和S(xs、ys)を探索範囲54の全画素につき求めた後、ステップS14へ移行する。
【0050】
ステップS14では、探索範囲54において最小となる修正差分絶対値和minS(xs、ys)を求める。ステップS13で求めた修正差分絶対値和は、xsとVx_lの極性が異なる場合において大きく、xsとVx_lの極性が同一になる場合において小さい。このため、minS(xs、ys)は、修正差分絶対値和が相対的に小さくなる画素、すなわちVx_lと極性が同一となる画素において与えられる可能性が高い。
【0051】
次にステップS15に移行し、minS(xs、ys)に基づいて動きベクトル(Vx、Vy)を特定する。ちなみに、このminS(xs、ys)を与えるときのxsが求める動きベクトルの水平成分Vxに相当し、また、ysが、求める動きベクトルの垂直成分Vyに相当する。
【0052】
ちなみに、このステップS14〜S15の処理は、判定部13が行い、求めた動きベクトル(Vx、Vy)は、動きベクトル格納用メモリ14へ書き込まれる。
【0053】
図4に示す検出手順を踏むことにより、求めることができる動きベクトルの水平成分は、左隣の画素34の動きベクトルにおける水平成分Vx_lと同一の極性を示す可能性が高くなる。このため、左隣の画素34の動きベクトルの水平成分に適合した動きベクトルを求めることが可能となる。すなわち、本発明を適用した動きベクトル検出装置1は、実際の画像の動きに適合した動きベクトルを求めることにより、変換画像の劣化を防止することができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、左隣の画素の動きベクトルに近い画素が、minS(xs、ys)を与える画素として優先的に選ばれるように、制約項G(xs、ys)を定義しても良い。かかる場合、制約項G(xs、ys)を表す式としては以下(13)、(14)式が与えられる。
G(xs、ys)=α1|xs−Vx_l|+α2|ys−Vy_l| (13)
G(xs、ys)=α3(xs−Vx_l)2+α4(ys−Vy_l)2(14)
ちなみにVy_lは、画素34の動きベクトルの垂直成分である。またα1〜α4は、正数である。この(13)式により、画素(xs、ys)が、画素34の動きベクトル(Vx_l、Vy_l)に類似しているほど、制約項G(xs、ys)は小さくなる。これにより、求められる修正差分絶対値和minS(xs、ys)は、画素34の動きベクトルの各成分に類似している画素においてより小さくなる。
【0055】
また(14)式は、上記(13)式において求められる制約項に更なる勾配を持たせる。すなわち、この(14)式により制約項を求めると、画素34の動きベクトルの各成分から離れた画素において修正差分絶対値和がより大きくなり、求める動きベクトルとして特定されにくくなる。但し、α1〜α4の値が等しいことが条件となる。
【0056】
なお、上記(13)、(14)式において、第一項、第二項のいずれか一方のみを採用しても良いことは勿論である。
【0057】
また本発明は、左隣の画素34の動きベクトルのみならず、原点の画素の右隣や上下に位置する画素、或いは斜めに位置する画素の動きベクトルに適合するようにしても良い。かかる場合において、制約項G(xs、ys)を求める式において、Vx_l、Vy_lの代替として、それぞれの動きベクトルの垂直成分、水平成分を代入することとなる。また原点の画素の周囲に位置する画素のみならず、数画素分離れた位置の動きベクトルの情報を取得し、当該取得した動きベクトルに適合するようにしても良い。
【0058】
また、本発明は、例えばPAL(Phase Alternation by Line)方式において、フィールド周波数を50Hzから2倍の100Hzの画像信号に変換する、フィールド周波数倍速方式を採用するテレビジョン受像機に対しても適用可能である。このフィールド周波数倍速方式を採用するテレビジョンに本発明を内蔵することにより、更なる面フリッカ妨害の抑制を期しつつ、動きベクトルのばらつきを解消することができるため、相乗的に画質を向上させることができる。
【0059】
本発明は上述したインタレース走査方式における入力画像信号の内挿処理に適用される場合に限らず、例えば、MPEG(Moving Picture Expert Group)方式の動き補償予測によるフレーム間符号化にも適用可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明を適用した動きベクトル検出装置及び方法は、上記基準画素を原点とする直交座標系での、探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が異なる場合に、正数となる修正値を算出し、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が同じ場合に、0となる修正値を算出し、当該修正値とブロックマッチング法に基づく画素値の差分絶対値和とを加算した修正差分絶対値和を求め、上記探索範囲内において最小となる上記修正差分絶対値和を示す画素の位置に基づいて上記基準画素の動きベクトルを特定する。
【0061】
これにより、本発明を適用した動きベクトル検出装置及び方法は、実際の画像の動きに適合した動きベクトルを求めることにより、求める動きベクトルのばらつきを解消し、ひいては変換画像の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した動きベクトル検出装置の構成例を示した図である。
【図2】動きベクトルによる動き補正動作について説明するための図である。
【図3】求める動きベクトルの方向を、隣接画素の動きベクトルに合わせる場合について説明するための図である。
【図4】本発明を適用した動きベクトル検出装置における実際の検出手順を示したフローチャートである。
【図5】基準ブロック及び探索範囲について説明するための図である。
【図6】ブロックマッチング法の概念について説明するための図である。
【図7】従来型のブロックマッチング法における基準ブロック及び探索範囲について説明するための図である。
【図8】従来型のブロックマッチング法を適用する動きベクトル検出回路の構成例を示した図である。
【符号の説明】
1 動きベクトル検出装置、11 画像格納用メモリ、12 演算部、13 判定部、14 動きベクトル選択部、15 動きベクトル格納用メモリ、16 制御部、30 基準フィールド、40 参照フィールド、51 基準ブロック、53 探索ブロック、54 探索範囲
Claims (2)
- 入力される基準フィールドの基準画素につき、ブロックマッチング法により動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置において、
上記基準フィールドから切り出した基準画素を原点とする基準ブロックと、参照フィールドから切り出した探索範囲内を移動する探索ブロックとの間で、画素値の差分絶対値和を順次演算する演算手段と、
上記基準画素を原点とする直交座標系での、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が異なる場合に、正数となる修正値を算出し、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が同じ場合に、0となる修正値を算出し、当該修正値を上記差分絶対値和に加算した修正差分絶対値和を求める修正手段と、
上記探索範囲内において最小となる上記修正差分絶対値和を示す画素の位置に基づいて上記基準画素の動きベクトルを特定する動きベクトル特定手段とを備えることを特徴とする動きベクトル検出装置。 - 入力される基準フィールドの基準画素につき、ブロックマッチング法により動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法において、
基準フィールドから切り出した基準画素を原点とする基準ブロックと、参照フィールドから切り出した探索範囲内を移動する探索ブロックとの間で、画素値の差分絶対値和を順次演算し、
上記基準画素を原点とする直交座標系での、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が異なる場合に、正数となる修正値を算出し、上記探索ブロックの中心に位置する画素における水平成分の極性と、上記基準画素に隣接する画素の動きベクトルにおける水平成分の極性が同じ場合に、0となる修正値を算出し、
上記算出した修正値を上記差分絶対値和に加算した修正差分絶対値和を求め、
上記探索範囲内において最小となる上記修正差分絶対値和を示す画素の位置に基づいて上記基準画素の動きベクトルを特定することを特徴とする動きベクトル検出方法。
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