JP4268484B2 - プラズマ発生電極及びプラズマ反応器 - Google Patents

プラズマ発生電極及びプラズマ反応器 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ発生電極及びプラズマ反応器に関する。さらに詳しくは、放電効率に優れるとともに、耐食性に優れたプラズマ発生電極及びプラズマ反応器に関する。
二枚の両端を固定された電極間に誘電体を配置し高電圧の交流、あるいは周期パルス電圧をかけることにより、無声放電が発生し、これによりできるプラズマ場では活性種、ラジカル、イオンが生成され、気体の反応、分解を促進することが知られており、これをエンジンや各種の焼却炉等から排出される排気ガスに含まれる有害成分の除去に利用できることが知られている。
例えば、エンジンや各種の焼却炉等から排出される排気ガスを、プラズマ場内を通過させることによって、この排気ガス中に含まれる、例えば、NOx、カーボン微粒子、HC、CO等を処理する、プラズマ反応器等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−164925号公報
しかしながら、従来のプラズマ反応器に用いられる電極としては、金属製の導電体(導電膜)の相互間に板状の誘電体を配設して構成されたものがあるが、このような電極においては、導電体と誘電体との間で放電損失が発生するという問題があった。また、従来のプラズマ反応器においては、セラミック等から構成された誘電体の表面に導電体(導電膜)を一体焼成した電極が用いられることがあるが、一体焼成した導電体(導電膜)は焼結過程に起因する気孔が残り、緻密性に劣るため、耐食性が低下するという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、放電効率に優れるとともに、耐食性に優れ、例えば、腐食性ガス雰囲気下においても有効にプラズマを発生させることが可能なプラズマ発生電極及びプラズマ反応器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、以下のプラズマ発生電極及びプラズマ反応器を提供するものである。
[1]互いに対向する二つ以上の板状の単位電極を備え、前記単位電極相互間に電圧を印加することによってプラズマを発生させることが可能なプラズマ発生電極であって、前記単位電極が、誘電体となるセラミック体と、前記セラミック体の一方の表面に配設された導電膜と、前記導電膜の露出面を被覆するように配設された前記導電膜より緻密な金属膜から構成された第一の保護膜と、前記第一の保護膜の露出面を覆うように配設された、その成分中に金属酸化物を50質量%以上含む材料から形成された第二の保護膜と、を有するプラズマ発生電極。
[2]前記単位電極を構成する前記導電膜が、前記セラミック体の一方の表面に、一体焼成されて形成、配設されたものである前記[1]に記載のプラズマ発生電極。
[3]前記導電膜が、タングステン、モリブデン、チタン、マンガン、クロム、ジルコニウム、ニッケル、鉄、銀、銅、白金、及びパラジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む前記[1]又は[2]に記載のプラズマ発生電極。
[4]前記第一の保護膜が、ニッケル−ホウ素、ニッケル−リン、コバルト−ホウ素、コバルト−リン、クロム、鉄、銀、銀−パラジウム、白金、及び金からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属膜から構成された前記[1]〜[3]のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
[5]前記セラミック体が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、コージェライト、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、及びバリウム−チタン系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
[6]前記導電膜の厚さが、前記セラミック体の厚さの1/5以下である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
[7]前記第一の保護膜の厚さが、前記導電膜の厚さの1/2以下である前記[1]〜[6]のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
]前記第二の保護膜が、化学蒸着法、物理蒸着法、又はゾルゲル法によって形成、配設されたものである前記[1]〜[7]のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
]前記[1]〜[]のいずれかに記載のプラズマ発生電極と、所定の成分を含むガスの流路(ガス流路)を内部に有するケース体とを備え、前記ガスが前記ケース体の前記ガス流路に導入されたときに、前記プラズマ発生電極で発生したプラズマにより前記ガスに含まれる前記所定の成分が反応することが可能なプラズマ反応器。
10]前記プラズマ発生電極に電圧を印加するためのパルス電源をさらに備えた前記[]に記載のプラズマ反応器。
11]前記パルス電源が、その内部に少なくとも1つのSIサイリスタを有する前記[10]に記載のプラズマ反応器。
本発明のプラプラズマ発生電極及びプラズマ反応器は、放電効率に優れるとともに、耐食性に優れ、例えば、腐食性ガス雰囲気下においても有効にプラズマを発生させることができる。
以下、図面を参照して、本発明のプラズマ発生電極及びプラズマ反応器の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図1は、プラズマ発生電極を単位電極の表面に垂直な平面で切断した断面図である。また、図2(a)は、図1のプラズマ発生電極を構成する単位電極の一例を示す斜視図であり、図2(b)は、その単位電極の表面に垂直な平面で切断した断面図である。
図1に示すプラズマ発生電極1は、互いに対向する二つ以上の板状の単位電極2を備え、この単位電極2相互間に電圧を印加することによってプラズマを発生させることが可能なプラズマ発生電極1であって、単位電極2が、誘電体となるセラミック体3と、セラミック体3の一方の表面に配設された導電膜4と、導電膜4の露出面を被覆するように配設された、導電膜4より緻密な金属膜から構成された第一の保護膜6とを有するものである。そして、本実施の形態のプラズマ発生電極は、図3に示すような、第一の保護膜6の露出面を覆うように配設された、その成分中に金属酸化物を50質量%以上含む材料から形成された第二の保護膜7を更に有している。このように構成することによって、放電効率に優れるとともに、耐食性に優れた単位電極2とすることができ、腐食性を有する排気ガスの処理等にも好適に用いることができる。プラズマ発生電極1は、上述した単位電極2が所定の間隔を隔てた状態で保持部材5によって保持されている。
プラズマ発生電極1を構成する単位電極2は、誘電体としてのセラミック体3を有する、所謂、バリア放電型の電極であり、対向する単位電極2相互間に、一方の単位電極2を構成するセラミック体3を挟んだ状態で放電が行われるために、導電膜4単独で放電を行う場合と比較して、スパーク等の片寄った放電を減少させることができるとともに、単位電極2相互間に小さな放電を複数の箇所で起こすことができる。このような複数の小さな放電は、スパーク等の放電に比して流れる電流が少ないために、消費電力を削減することができ、さらに、誘電体が存在することによりイオンの移動開始以前に放電が停止し、単位電極2相互間では電子の移動が優位となり、温度上昇を伴わないノンサーマルプラズマを発生させることができる。このようなことから、プラズマ発生電極1は、所定の成分を含むガスを反応させるプラズマ反応器、例えば、排気ガスを処理する排気ガス処理装置や空気等に含まれる酸素を反応させてオゾンを精製するオゾナイザ等に用いることができる。特に、本実施の形態においては、単位電極2が、導電膜4の露出面を被覆するように配設された耐食性の第一の保護膜6を有していることから、排気ガス処理装置として用いた場合に導電膜4と排気ガスとが直接接触することがなく、導電膜4の腐食や劣化を有効に防止することができる。
図1においては、プラズマ発生電極1が5枚の単位電極2から構成されているが、単位電極2の枚数はこれに限定されることはない。
単位電極2を構成する導電膜4は、単位電極2相互間に電圧を印加することによってプラズマを発生させることが可能なものであればよく、特に限定されることはないが、例えば、導電膜4が、タングステン、モリブデン、マンガン、クロム、チタン、ジルコニウム、ニッケル、鉄、銀、銅、白金、及びパラジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含むことが好ましい。
また、導電膜4を配設する方法については特に限定されることはないが、セラミック体3に塗工して形成、配設することが好ましい。具体的な方法としては、例えば、スクリーン印刷、カレンダーロール、スプレー、静電塗装、ディップ、ナイフコータ、化学蒸着、物理蒸着等を好適例として挙げることができる。このような方法によれば、塗工後の導電膜4表面の平滑性に優れ、かつ厚さの薄い導電膜4を容易に形成することができる。
単位電極2を構成する第一の保護膜6は、耐食性を有する緻密な金属膜から構成されているその材料及び製法については特に限定されることはないが、本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、第一の保護膜6が、ニッケル−ホウ素、ニッケル−リン、コバルト−ホウ素、コバルト−リン、クロム、鉄、銀、銀−パラジウム、白金、及び金からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属膜から構成されてなることが好ましい。このように構成することによって、高い耐食性を有するとともに、その膜厚を薄くすることが可能となる。緻密な金属膜を成膜する方法は、電解メッキ、無電解メッキ、化学蒸着、物理蒸着、溶融メッキ、溶射等から選ぶことができる。
単位電極2を構成するセラミック体3は、誘電体として好適に用いることができるものであれば、その材料については特に限定されることはないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、コージェライト、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、及びバリウム−チタン系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。このような化合物を含むことによって、耐熱衝撃性に優れたセラミック体3とすることができる。本実施の形態に用いられるセラミック体3は、例えば、テープ状のセラミックグリーンシート等を用いて形成することができる。押出成形で得られたシートを用いても形成することができる。また、粉末乾式プレスで作製した平板に、上記の方法で、導電膜4を形成することも可能である。
また、本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、単位電極2を構成する導電膜4が、セラミック体3の一方の表面に、一体焼成されて形成、配設されたものであることが好ましい。このように構成することによって、機械的強度に優れたものとすることができるだけでなく、誘電体となるセラミック体3と導電膜4とが一体化されているため、放電損失が少ない単位電極2を作ることができる。従来、焼成して形成された導電膜は焼結過程に起因する気孔が残り、緻密性に劣るため、耐食性が低下するという問題があったが、図1に示すように、本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、導電膜4の露出面を被覆するように第一の保護膜6が形成されているために、導電膜4の腐食を有効に防止することができる。
本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、セラミック体3、導電膜4、及び第一の保護膜6のそれぞれの厚さについては、発生させるプラズマの大きさや強度、単位電極2に印可する電圧等を考慮して適宜決定される。
また、特に限定されることではないが、本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、導電膜4の厚さが、セラミック体3の厚さの1/5以下であることが好ましく、1/50以下であることがさらに好ましい。導電膜4の厚さが、セラミック体3の厚さの1/5を超えると、導電膜4の厚さが大きくなることにより、対向する単位電極2との距離に及ぼす影響が大きくなり、安定で均一な放電状態が得られ難くなる。
また、本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、第一の保護膜6の厚さが、導電膜4の厚さの1/2以下であることが好ましく、1/5以下であることがさらに好ましい。第一の保護膜6の厚さが、導電膜4の厚さの1/2を超えると、第一の保護膜6と導電膜4とのヤング率、熱膨張率、熱伝導率の違いから第一の保護膜6の密着性が劣化し、剥離が生じることがある。
また、本実施の形態のプラズマ発生電極1においては、図3(a)及び図3(b)に示すように、単位電極2が、第一の保護膜6の露出面を覆うように配設された金属酸化物を主成分とする第二の保護膜7をさらに有する。このように構成することによって、第一の保護膜6である金属メッキの耐食性をさらに向上するだけでなく、万が一、金属メッキ上に異物が付着した場合でも、異常放電の発生を防止することができ、プラズマ発生電極1の長寿命化が可能となる。なお、本実施の形態において、主成分とは、成分の50質量%以上を占めるものをいう。また、主成分以外の成分としては、例えば、有機系材料等を挙げることができる。なお、第一の保護膜6に上述した有機系材料が含まれている場合には、例えば、第一の保護膜6に発生するクラックを抑制する効果が得られることがある。
第二の保護膜7を構成するものとしては、酸化珪素、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を主成分とするものを好適例として挙げることができる。この第二の保護膜7は、化学蒸着法、物理蒸着法、又はゾルゲル法によって形成、配設することが好ましく、その厚さとしては、第一の保護膜6を連続した膜で覆うために、第一の保護膜6の表面粗さの10倍以上であることが好ましい。なお、図3(a)及び図3(b)に示す単位電極2は、第二の保護膜7が配設されていること以外は、図2(a)及び図2(b)に示す単位電極2と同様に構成されているため、同様の各要素には、図2(a)及び図2(b)と同一の符号を付して説明を省略する。
図1に示すように、プラズマ発生電極1を構成する保持部材5は、単位電極2相互間を所定間隔に隔てた状態で、単位電極2の少なくとも一方の端部を保持するためのものであり、例えば、角柱状に形成されたセラミック等を好適に用いることができる。本実施の形態においては、保持部材5が、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、コージェライト、及びムライトからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。また、保持部材5は、局所的な沿面放電の防止の観点から、電気絶縁性を有することが好ましく、さらに、熱応力による破損を避けるため、熱膨張係数は低いことが好ましい。なお、図1においては、保持部材5が単位電極2の両端を保持しているが、一方の端部のみを保持していてもよい。
単位電極2相互間の間隔については、必要とするプラズマの強度や電圧を印加する電源等によって適宜決定することが好ましく、例えば、排ガス中のNOxのNO2への変換に用いる場合には、単位電極2相互間の間隔を0.3〜2.0mmにすることが好ましい。
なお、単位電極2にて放電を行う際には、導電膜4に直接電圧を印可する必要があるために、単位電極2は、その端部において、外部の電源(図示せず)と導電膜4とを通電可能な状態としておくことが好ましい。
以下、本実施の形態のプラズマ発生電極の製造方法について具体的に説明する。
まず、プラズマ発生電極を構成するセラミック体を、テープ状のセラミックグリーンシートを用いて形成する。具体的には、まず、テープ状のセラミックグリーンシートを形成するためのスラリー(セラミックグリーンシート製作用スラリー)を調製する。このスラリーは、所定のセラミック粉末に適当なバインダ、焼結助剤、可塑剤、分散剤、有機溶媒等を配合して調製する。上述したセラミック粉末としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、コージェライト、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、バリウム−チタン系酸化物等の粉末を好適に用いることができる。また、焼結助剤は、セラミック粉末100質量部に対して、3〜10質量部加えることが好ましく、可塑剤、分散剤及び有機溶媒については、従来公知のセラミックグリーンシートを形成するために用いられるスラリーに使用されている可塑剤、分散剤及び有機溶媒を好適に用いることができる。なお、このセラミックグリーンシート製作用スラリーはペースト状であってもよい。
次に、得られたセラミックグリーンシート製作用スラリーを、ドクターブレード法、カレンダー法、印刷法、リバースロールコータ法等の従来公知の手法に従って、所定の厚さとなるように成形してセラミックグリーンシートを形成する。このようにして形成されたセラミックグリーンシートは、切断、切削、打ち抜き、連通孔の形成等の加工を施したり、複数枚のセラミックグリーンシートを積層した状態で熱圧着等によって一体的な積層物として用いてもよい。
一方、導電膜を形成するための導体ペーストを調製する。この導体ペーストは、例えば、モリブデン粉末にバインダ及びテルピネオール等の溶剤を加え、トリロールミルを用いて十分に混錬して得ることができる。なお、上述したセラミックグリーンシートとの密着性及び焼結性を向上させるべく、必要に応じて導体ペーストに添加剤を加えてもよい。
このようにして得られた導体ペーストを、セラミックグリーンシートの一方の表面にスクリーン印刷等を用いて印刷して、所定の形状の導電膜を形成する。本実施の形態のプラズマ発生電極を形成する場合には、導電膜の厚さが、セラミック体の厚さの1/5以下となるように形成することが好ましく、1/50以下となるように形成することがさらに好ましい。
次に、導電膜を印刷したセラミックグリーンシートを焼成し、セラミック体と導電体とを得る。
次に、得られた導電膜の露出面を被覆するように、第一の保護膜を形成する。この第一の保護膜は、導電膜に金属メッキを施すことにより形成することができる。具体的には、電解メッキ又は無電解メッキによって形成する。電解メッキによって金属メッキを施す場合には、導電膜部分をメッキ用電極として使用することで、導電膜を覆うように金属メッキを形成することが可能である。なお、使用する金属メッキは、ニッケル−ホウ素、ニッケル−リン、コバルト−ホウ素、コバルト−リン、クロム、鉄、銀、銀−パラジウム、白金、及び金からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
次に、第一の保護膜の露出面を被覆するように第二の保護膜をさらに形成してプラズマ発生電極を構成する単位電極を形成する。この第二の保護膜は、酸化珪素、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を主成分とするもので第一の保護膜の露出面に、化学蒸着法、物理蒸着法、又はゾルゲル法によって形成、配設することができる。
また、別途、単位電極の端部を保持するための保持部材を形成する。本実施の形態に用いられる保持部材は、例えば、アルミナ原料粉末と有機バインダの混合粉体を金型プレス成型後、バインダ仮焼、本焼成し、必要に応じて研削加工により最終寸法仕上げを行うことによって形成することができる。なお、保持部材を形成する方法は上述した方法に限定されることはない。
次に、このようにして得られた保持部材で、単位電極を所定の間隔に保持してプラズマ発生電極を製造する。なお、本実施の形態のプラズマ発生電極を製造する方法は上記の方法に限定されることはない。
次に、本発明のプラズマ反応器の一の実施の形態について具体的に説明する。図4(a)は、本発明のプラズマ反応器の一の実施の形態を、ガスの流れ方向を含む平面で切断した断面図、図4(b)は、図4(a)のA−A線における断面図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施の形態のプラズマ反応器11は、本発明のプラズマ発生電極の一の実施の形態(プラズマ発生電極1)と、所定の成分を含むガスの流路(ガス流路13)を内部に有するケース体12とを備え、このガスがケース体12のガス流路13に導入されたときに、プラズマ発生電極1によって発生したプラズマによりガスに含まれる所定の成分が反応することが可能なものである。本実施の形態のプラズマ反応器11は、排気ガス処理装置や、空気等に含まれる酸素を反応させてオゾンを精製するオゾナイザ等に好適に用いることができる。特に、本実施の形態のプラズマ反応器11は、耐食性に優れたプラズマ発生電極1を備えてなることから、自動車の排気ガスや、化学反応槽等から排出される排気ガスを処理する排気ガス処理装置に特に好適に用いることができる。
本実施の形態のプラズマ反応器11を構成するケース体12の材料としては、特に制限はないが、例えば、優れた導電性を有するとともに、軽量かつ安価であり、熱膨張による変形の少ないフェライト系ステンレス等であることが好ましい。
また、図示は省略するが、本実施の形態のプラズマ反応器においては、プラズマ発生電極に電圧を印加するための電源をさらに備えていてもよい。この電源については、プラズマを有効に発生させることができる電流を供給することが可能なものであれば、従来公知の電源を好適に用いることができる。なお、本実施の形態のプラズマ反応器においては、この電源がパルス電源であることが好ましい。
また、本実施の形態のプラズマ反応器においては、上述したように電源を備えた構成とせずに、外部の電源から電流を供給するような構成としてもよい。
プラズマ反応器を構成するプラズマ発生電極に供給する電流については、発生させるプラズマの強度によって適宜選択して決定することができる。例えば、プラズマ反応器を自動車の排気系中に設置する場合には、プラズマ発生電極に供給する電流が、電圧が1kV以上の直流電流、ピーク電圧が1kV以上かつ1秒あたりのパルス数が100以上(100Hz以上)であるパルス電流、ピーク電圧が1kV以上かつ周波数が100以上(100Hz以上)である交流電流、又はこれらのいずれか二つを重畳してなる電流であることが好ましい。このように構成することによって、効率よくプラズマを発生させることができる。さらにパルス電流を発生させるためのパルス電源内に、少なくとも1つのSIサイリスタを配置したパルス電源を用いてプラズマを発生した場合においては、非常に効率よくプラズマを発生させることができることが確認されている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1)
互いに対向する二つ以上の板状の単位電極を備え、単位電極相互間に電圧を印加することによってプラズマを発生させることが可能なプラズマ発生電極を製造した。本実施例においては、単位電極が、酸化アルミニウムから構成された、縦88mm、横47mm、厚さ0.8mmのセラミック体と、セラミック体の一方の表面に配設された、タングステンから構成された厚さ20μmの導電膜と、この導電膜の露出面を被覆するように配設された耐食性を有する厚さ2μmの無電解ニッケルメッキから構成された第一の保護膜とを有している。
得られた単位電極30枚を、相互の間隔が1mmとなるように対向配置してプラズマ発生電極を作製し、このプラズマ発生電極を用いてプラズマ反応器(リアクタ)を作製した。サイリスタ素子を用いたパルス電源と組合せ、プラズマを発生させたプラズマ反応器の流路内に、エンジン排気ガスを模した300℃のモデルガスを流し、プラズマ反応器を通過する前後でのモデルガスに含まれる一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度を測定した。プラズマ反応器を通過させることにより、200ppmの一酸化窒素(NO)の90%が二酸化窒素(NO2)に変換できた。
(実施例
参考例1の単位電極を構成する第一の保護膜の表面にCVD法で酸化アルミニウム(第二の保護膜)を0.2μm成膜した。
得られた単位電極を、参考例1と同様に30枚用いてプラズマ反応器(リアクタ)を作製した。得られたプラズマ反応器の流路に、600℃のガスと室温のガスを交互に流す熱衝撃試験を実施した。熱衝撃試験後の流路に、エンジン排気ガスを模した250℃のモデルガスを流し、プラズマ反応器を通過する前後でのモデルガスに含まれる一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度を測定した。結果は、250ppmの一酸化窒素(NO)の85%が二酸化窒素(NO2)に変換できた。
(比較例1)
参考例1に用いたセラミック体に、ニッケルペーストで導電膜を印刷し、一体焼成して単位電極を作製した。30枚の単位電極を、相互の間隔が1mmとなるように対向配置してプラズマ発生電極を作製し、このプラズマ発生電極を用いてプラズマ反応器(リアクタ)を作製した。エンジン排気ガスを模した300℃のモデルガスを流して、参考例1と同様の測定を行った。測定開始時には200ppmの一酸化窒素(NO)の70%が二酸化窒素(NO2)に変換できたが、モデルガスを通気してから約1時間で、均一放電が得られなくなり、二酸化窒素(NO2)への変換ができなくなった。
本発明のプラズマ発生電極及びプラズマ反応器は、排気ガスを処理する排気ガス処理装置や、空気等に含まれる酸素を反応させてオゾンを精製するオゾナイザ等に用いることができる。特に、プラズマ発生電極を構成する単位電極が、導電膜の露出面を被覆するように配設された金属膜から構成された第一の保護膜、及び第一の保護膜の露出面を覆うように配設された、その成分中に金属酸化物を50質量%以上含む材料から形成された第二の保護膜を有していることから、排気ガス処理装置として用いた場合に、導電膜と排気ガスとが直接接触することがないために、腐食性を有する排気ガスも好適に処理することができる。
ラズマ発生電極を単位電極に垂直な平面で切断した断面図である。 ラズマ発生電極を構成する単位電極の一例を示す説明図であって、図2(a)は、斜視図、図2(b)は、単位電極に垂直な平面で切断した断面図である。 本発明のプラズマ発生電極の一の実施の形態を構成する単位電極の例を示す説明図であって、図3(a)は、斜視図、図3(b)は、単位電極に垂直な平面で切断した断面図である。 図4(a)は、本発明のプラズマ反応器の一の実施の形態を、ガスの流れ方向を含む平面で切断した断面図、図4(b)は、図4(a)のA−A線における断面図である。
符号の説明
1…プラズマ発生電極、2…単位電極、3…セラミック体、4…導電膜、5…保持部材、6…第一の保護膜、7…第二の保護膜、11…プラズマ反応器、12…ケース体、13…ガス流路。

Claims (11)

  1. 互いに対向する二つ以上の板状の単位電極を備え、前記単位電極相互間に電圧を印加することによってプラズマを発生させることが可能なプラズマ発生電極であって、
    前記単位電極が、誘電体となるセラミック体と、前記セラミック体の一方の表面に配設された導電膜と、前記導電膜の露出面を被覆するように配設された前記導電膜より緻密な金属膜から構成された第一の保護膜と、前記第一の保護膜の露出面を覆うように配設された、その成分中に金属酸化物を50質量%以上含む材料から形成された第二の保護膜と、を有するプラズマ発生電極。
  2. 前記単位電極を構成する前記導電膜が、前記セラミック体の一方の表面に、一体焼成されて形成、配設されたものである請求項1に記載のプラズマ発生電極。
  3. 前記導電膜が、タングステン、モリブデン、チタン、マンガン、クロム、ジルコニウム、ニッケル、鉄、銀、銅、白金、及びパラジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む請求項1又は2に記載のプラズマ発生電極。
  4. 前記第一の保護膜が、ニッケル−ホウ素、ニッケル−リン、コバルト−ホウ素、コバルト−リン、クロム、鉄、銀、銀−パラジウム、白金、及び金からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属膜から構成された請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
  5. 前記セラミック体が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、コージェライト、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、及びバリウム−チタン系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
  6. 前記導電膜の厚さが、前記セラミック体の厚さの1/5以下である請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
  7. 前記第一の保護膜の厚さが、前記導電膜の厚さの1/2以下である請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ発生電極。
  8. 前記第二の保護膜が、化学蒸着法、物理蒸着法、又はゾルゲル法によって形成、配設されたものである請求項1〜7に記載のプラズマ発生電極。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマ発生電極と、所定の成分を含むガスの流路(ガス流路)を内部に有するケース体とを備え、前記ガスが前記ケース体の前記ガス流路に導入されたときに、前記プラズマ発生電極で発生したプラズマにより前記ガスに含まれる前記所定の成分が反応することが可能なプラズマ反応器。
  10. 前記プラズマ発生電極に電圧を印加するためのパルス電源をさらに備えた請求項9に記載のプラズマ反応器。
  11. 前記パルス電源が、その内部に少なくとも1つのSIサイリスタを有する請求項10に記載のプラズマ反応器。
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