JP4268265B2 - 衣類等の収納室 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類等の収納室に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、洋服箪笥等の衣類収納室においては、内部が密封されるため、内部の湿度が高くなり、ダニや黴が繁殖し易くなる。扉の開閉が不完全であると部屋のほこりが内部に進入し衣類に付着し堆積する。
或いは、ダニの死骸等のアレルゲン粒子が蓄積されるなど、アレルギーの源としての問題が大きくなっている
又、収納部の下方の床に溜まったほこりを掃除するのは、衣類が邪魔となり、面倒である。
【0003】
そこで、内部に湿気が溜まり難く、且つほこりが進入して堆積し難く、内部の掃除が容易な衣類等の収納室が望まれている。例えば、実開昭61−30499号公報に記載されているように、衣類等の収納室の下方にファンを設け、収納室の側方に送風ダクトを設け、衣類等の収納室に換気するようにした衣類等の収納室が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開昭61−30499号公報に記載されている衣類等の収納室においては、ファンにより急速乾燥する場合には、好適なものであっても、日常の連続的な湿度除去には適してはいないものであり、収納室内のほこり除去までは配慮されていないものであった。
【0005】
本発明は、叙上のような従来の衣類等の収納室における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記の問題を解決し、日常の連続的な湿度除去に適し、収納室内のほこりの除去までも配慮した衣類等の収納室を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の本発明に係る衣類等の収納室は、
床面上に天井面、左右側壁、奥壁が設けられ、前面に開口部が設けられ、開口部には開閉扉が設けられ、左右側壁間にハンガー吊り下げ杆が架設された衣類等の収納室であって、開閉扉の上端と天井面前縁との間に若干の間隙が設けられ、間隙は毛状体により覆われ、開閉扉の下端と床面との間に若干の間隙が設けられ、開閉扉を閉じた状態で開閉扉の上端と天井面前縁との間の間隙、開閉扉の下端と床面との間の間隙及び収納室内を通る通気通路が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項2記載の本発明に係る衣類等の収納室は、
床面上に天井面、左右側壁、奥壁が設けられ、前面に開口部が設けられ、開口部には開閉扉が設けられ、左右側壁間にハンガー吊り下げ杆が架設された衣類等の収納室であって、底部にすのこ状底部が設けられて、収納室の内部がすのこ状底部を通して通気又は換気が可能になされ、すのこ状底部の下方にほこり捕集空間が形成され、開閉扉の下端及びすのこ状底部と床面との間に掃除機のノズルが挿入できる若干の間隙が設けられ、開閉扉が閉じられた状態でほこり捕集空間を掃除機で掃除できるようになっていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1記載の本発明において、毛状体としては、空気を通すがほこりを遮断できるものであって、特に限定されないが、例えば、モヘヤ等の天然の毛状体の他に合成繊維や合成樹脂からなる毛状体を使用してもよい。
【0009】
請求項1記載の本発明において、開閉扉の上端と天井面前縁との間に設ける若干の間隙の大きさとしては、10〜20mm程度が好ましく、10mm未満の場合には通気が充分となり難く、20mmを越えると毛状体による遮蔽が困難となる恐れが生じる。
【0010】
請求項1記載の本発明において、開閉扉の下端と床面との間に設ける若干の間隙の大きさとしては、70〜150mm程度が好ましく、70mm未満の場合には掃除機のノズルが挿入し難く、150mmを越えると収納室の収容能力が減少し、使い辛くなる恐れが生じる。
【0011】
〔作用〕
請求項1記載の本発明に係る衣類等の収納室においては、開閉扉の上端と天井面前縁との間に若干の間隙が設けられ、開閉扉の上端と天井面前縁との間の若干の間隙により通気が可能であり、通気により内部に湿気が溜まる恐れはなく、ダニや黴が繁殖する恐れはない。又、間隙は毛状体により覆われているので、間隙からほこりが進入する恐れはない。
【0012】
又、開閉扉の下端と床面との間に若干の間隙が設けられているので、この間隙に掃除機のノズルを挿入することにより掃除をすることができる。
【0013】
又、請求項2記載の本発明に係る衣類等の収納室においては、開閉扉が閉じられた状態でほこり捕集空間を掃除機で掃除できるようになっているので、ほこりの除去が容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る衣類等の収納室の一例を示す斜視図、図2は図1に示す衣類等の収納室の使用態様を示す断面図である。
【0015】
図1、2において、1は床面、2は床面1の上方に設けられた収納室、21は収納室2の天井面、22は収納室2の左右の側壁、23は収納室2の奥壁、24は収納室2の前方に設けられた開閉扉であり、開閉扉24の上端と天井面21の前縁との間に15mm程度の間隙S1が設けられている。
【0016】
図3、4に示すように、天井面21の前縁付近に回転部材211が軸212により左右の側壁22、22間に回転可能に架設されている。回転部材211の前脚部にはモヘアからなる毛状体213が植設されている。開閉扉24が閉じられているときは、図3に示すように、開閉扉24の上端部が回転部材211の突起214を押し、回転部材211の前脚を下げて毛状体213が開閉扉24の上端と天井面21の前縁との間の間隙S1を閉鎖するようになっている。
【0017】
図4に示すように、開閉扉24が開かれると、開閉扉24の上端部が回転部材211の突起214から離れ、回転部材211は矢印で示すように回動するようになっている。
【0018】
開閉扉24の下端と床面との間には100mm程度の間隙S2が設けられている。25は収納室2の底部に設けられたすのこ状底部であり、すのこ状底部25は1辺の長さが40mm程度の角棒251を角部が上下左右の方向に向くように30mm間隔で並設されて構成されている。すのこ状底部25と床面1との間に100mm程度の間隙が設けられ、すのこ状底部25と床面1との間にほこり捕集用空間が設けられている。
【0019】
26はハンガー吊り棒、27はハンガー吊り棒26に掛けられたハンガー、28はハンガー27に掛けられた衣類、29と収納室2内に設けられた幅50mm程度の仕切り板であり、仕切り板29の両端は左右の側壁22に取付けられている。仕切り板29、29、29と奥壁23との間に30mm程度の間隙S3が設けられている。最上方の仕切り板29の高さは天井面に達すると通気経路が遮断されるので、ハンガー27に掛けられた衣類28の最上部程度とする。最上方の仕切り板29の下端部が衣類28の肩部よりも下方に来るようであれば、通気のために仕切り板29に通気孔を穿設することが好ましい。
【0020】
図1、2に示す本発明の衣類等の収納室においては、開閉扉24の上端と天井面21の前縁との間に若干の間隙S1が設けられ、この間隙S1により通気が可能であり、通気により内部に湿気が溜まる恐れはなく、ダニや黴が繁殖する恐れはない。又、間隙S1は毛状体213により覆われているので、間隙S1からほこりが進入し、衣類28を汚損する恐れはない。
【0021】
又、開閉扉24の下端と床面1との間に若干の間隙S2が設けられているので、この間隙S2に掃除機のノズルを挿入することにより、ほこり捕集用空間の掃除をすることができる。
【0022】
又、収納室2内には仕切り板29、29、29が設けられ、仕切り板29と奥壁23との間に間隙S3が設けられているので、間隙S3にも空気が流通し、結局、開閉扉24が閉じられた状態においても、間隙S1から収納室2内を流通し、間隙S1を通ったりして下方の間隙S2に到る通気が生じ、換気が充分となり、ダニや黴等が発生する恐れは皆無となる。
【0023】
又、すのこ状底部25の角棒251の角部が上下左右の方向に向くように設けられ、上面が斜面とされているので、収納室2内のほこりが斜面を滑って下方に落下する。
【0024】
図5は本発明の衣類等の収納室の他の一例を示す斜視図である。
図5に示す衣類等の収納室2aにおいては、内部が300〜500mm間隔で設けられた仕切り壁29aにより仕切られて複数個の区室20、20・・が設けられ、各区室20、20・・毎にハンガー吊り棒26にハンガー27が掛けられ、各ハンガー27に衣類28が掛けられている
【0025】
収納室2aの側方には脱臭及び集塵フィルター付き送風ファン3が設けられ、送風ファン3からの風は壁面内蔵のダクト31を経由して給気パイプ32に到り、給気パイプ32の給気口321から各区室20、20・・内に給気されるようになっている。
【0026】
すのこ状底部25aはステンレス鋼管が梯子状に組み立てられて構成され、収納室2a内のほこり等はステンレス鋼管の間から下方に落下されるようになっており、取り外し可能となっている。すのこ状底部25aの下方にはほこり捕集空間が形成されている。開閉扉24aは折戸型のものであり、開閉扉24aの下端と床面1との間には掃除機のノズルが挿入できる間隙が設けられ、ほこり捕集空間を掃除機で掃除できるようになっている。
【0027】
図5に示す本発明の衣類等の収納室においては、仕切り壁29aにより仕切られているので、衣類28の周囲に適度な隙間が生じ、送風ファン3の作動により各区室20、20・・内が上方から下方に強制的に換気され、ダニや黴等が発生する恐れは皆無となる。換気される空気は脱臭及び集塵フィルターにより脱臭及び集塵される。尚、送風ファン3はタイマーコントロールにより1日15分間程度運転される。
【0028】
図6は本発明の衣類等の収納室の更に異なる他の一例を示す斜視図である。
図6に示す衣類等の収納室2bにおいては、内部が仕切り壁29bにより仕切られて2個の区室20が形成されている。一方の区室20内にはすのこ状棚板201及びすのこ状底部25が設けられ、他方の区室20にはハンガー吊り棒26が設けられ、ハンガー吊り棒26にはハンガー27が掛けられている。
【0029】
折戸型の開閉扉24bの下方及び簀子状底部25の下方には、ほこり捕集用空間が形成され、掃除機のノズルが挿入できる間隙が設けられている。折戸型の開閉扉24bの下方には引き戸241が設けられている。
【0030】
奥壁23の下方には通風ガラリ231が設けられ、通風ガラリ231は前方に設けられたハンドル232を回転することにより開閉できるようになっている。
【0031】
収納室2bの内部の上方前方には脱臭及び集塵フィルター付き送風ファン3が設けられ、送風ファン3からの風は給気パイプ32の給気口321から各区室20、20内に給気されるようになっている。
【0032】
図6に示す衣類等の収納室2bにおいては、叙上の構造を備えているので、ハンドル232を回転することにより通風ガラリ231を開け、図7に示すように、送風ファン3を作動することにより矢印で示すように、換気することができる。
【0033】
屋内と屋外との間に気圧差があるときや引き戸241側から通風ガラリ231側に流れる風が生じているとき等は、送風ファン3を作動しなくても、図8に示すように、ハンドル232を回転することにより通風ガラリ231を開けると共に、引き戸241を開けると矢印で示すようにすのこ状底部25の下方に通風が起こり、収納室2bが換気される。
【0034】
又、折戸型の開閉扉24bの下方及びすのこ状底部25の下方には間隙が設けられているので、図8に示すように、掃除機4のノズル41を間隙に挿入して床面1を掃除することができる。床面1の表面を黒色もしくは灰色に着色することにより床面1に積もる綿ほこりが目立つようにすることもできる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態を図により説明したが、本発明の具体的構成は図示の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲の設計変更は本発明に含まれる。
【0036】
例えば、フィルター付き送風ファンは、フィルターを交換可能とすればよく、フィルターは綿ほこりを除去できる網状のものや収納物の臭気を除去する脱臭フィルターを使用とか、状況に応じて複数セットを使用するようにしてもよい。
【0037】
又、衣類等の収納室は建物に作り付けで設けられていてもよく、別途家具の形態で設けられていてもよい。家具の形態であるときは、図5に示す実施の形態においては、フィルター付き送風ファンは家具の内部に設けられる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明に係る衣類等の収納室においては、開閉扉の上端と天井面前縁との間に若干の間隙が設けられ、開閉扉の上端と天井面前縁との間の若干の間隙により通気が可能であり、通気により内部に湿気が溜まる恐れはなく、ダニや黴が繁殖する恐れはない。又、間隙は毛状体により覆われているので、間隙からほこりが進入する恐れはない。
【0039】
又、開閉扉の下端と床面との間に若干の間隙が設けられているので、この間隙をほこり捕集空間とし、捕集空間に掃除機のノズルを挿入することにより掃除をすることができる。
【0040】
又、請求項2記載の本発明に係る衣類等の収納室においては、開閉扉が閉じられた状態でほこり捕集空間を掃除機で掃除できるようになっているので、ほこりの除去が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る衣類等の収納室の一例を示す斜視図。
【図2】 図1に示す衣類等の収納室の使用態様を示す断面図。
【図3】 開閉扉の上端部付近に設けられる回転部材の説明図。
【図4】 開閉扉の上端部付近に設けられる回転部材の説明図。
【図5】 本発明に係る衣類等の収納室の他の一例を示す斜視図。
【図6】 本発明に係る衣類等の収納室の更に異なる他の一例を示す斜視図。
【図7】 図6に示す衣類等の収納室の使用態様を示す説明図。
【図8】 図6に示す衣類等の収納室の使用態様を示す説明図。
【符号の説明】
1 床面
2、2a、2b 収納室
10 区室
21 天井面
22 側壁
23 奥壁
24、24a、24b 開閉扉
25 すのこ状底部
26 ハンガー吊り棒
27 ハンガー
28 衣類
29、29a、29b 仕切り板
3 送風ファン
31 ダクト
32 給気パイプ
321 給気口

Claims (2)

  1. 床面上に天井面、左右側壁、奥壁が設けられ、前面に開口部が設けられ、開口部には開閉扉が設けられ、左右側壁間にハンガー吊り下げ杆が架設された衣類等の収納室であって、開閉扉の上端と天井面前縁との間に若干の間隙が設けられ、間隙は毛状体により覆われ、開閉扉の下端と床面との間に若干の間隙が設けられ、開閉扉を閉じた状態で開閉扉の上端と天井面前縁との間の間隙、開閉扉の下端と床面との間の間隙及び収納室内を通る通気通路が形成されていることを特徴とする衣類等の収納室。
  2. 床面上に天井面、左右側壁、奥壁が設けられ、前面に開口部が設けられ、開口部には開閉扉が設けられ、左右側壁間にハンガー吊り下げ杆が架設された衣類等の収納室であって、底部にすのこ状底部が設けられて、収納室の内部がすのこ状底部を通して通気又は換気が可能になされ、すのこ状底部の下方にほこり捕集空間が形成され、開閉扉の下端及びすのこ状底部と床面との間に掃除機のノズルが挿入できる若干の間隙が設けられ、開閉扉が閉じられた状態でほこり捕集空間を掃除機で掃除できるようになっていることを特徴とする衣類等の収納室。
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