JP4263894B2 - ランドマーク集合による位置検索方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はランドマーク集合による位置検索方法及び装置に関する。
【0002】
静止または移動する検索対象(点または円形等のエリア)に対して静止または移動する検索中心(点または円形等のエリア)の近傍に含まれるもの(検索対象)を検索する技術はナビゲーションや,データベースの検索等において利用されている。
【0003】
このように静止または移動する検索対象に対して,静止または移動する検索中心の近傍の検索対象を検出する場合に,検索対象の点の個数の増大に伴って,検索時の距離計算量が増大するので,改善が望まれている。
【0004】
【従来の技術】
図15は従来の位置検索方法の説明図である。図中,Aは検索の中心点,B♯1,B♯2,…B♯iは検索対象の点を表す。
【0005】
従来は検索の中心点Aを指定して距離が近い検索対象点を抽出する方法として,中心点Aと検索対象の複数の点B♯1,B♯2,…,B♯iとの距離(A,B♯i)を個別に計算し,(B♯i,距離(A,B♯i))を組とするデータテーブルを作成し,距離(A,B♯i)の小さい順に並べることで,上位m個を選択していた。
【0006】
また,検索対象点の個数が増大すると,距離計算の回数を減少させるために空間をセルに分割し,セルの中心との距離をまず評価し,その後,近いと評価されたセルについて,近い順にセル内の検索対象点との距離を計算し上記と同様のデータテーブルを作成することで,上位m個を抽出する方法がある。
【0007】
こうして抽出したm個を,検索の中心点の近傍の地図とともに検索の対象点を表示して,表示内容から人により近さを判断していた。
【0008】
また,従来の技術として,地図情報と運転目標となるマークポイントの位置を示すマークポイント情報を地図記憶手段に記憶し,周囲風景の画像情報とその画像情報が撮影された位置情報を画像情報記憶部に記憶し,再生するときに位置情報からその画像情報が地図情報の中で対応する範囲を割り出し,その範囲にマークポイント情報が存在するかどうかを検索し,マークポイント情報が存在したときには,その画像情報の表示を強調する技術がある(例えば,特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−332411号公報(第4頁,図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した地図情報と画像情報を用いる従来の技術では,運転目標となるマークポイントの位置を予め画像情報記憶部に記憶して画像情報の再生時にマークポイント情報の表示を強調して表示するもので検索中心点からマークポイントの距離を評価するものではない。
【0011】
また,上記従来の技術の検索対象の複数の点と検索中心点Aとの距離を計算してデータテーブルを作成する方法によれば,検索対象点の個数の増大に伴い,距離計算の量が増大し,計算不能に陥る。また,上記したセルに分割する方法の場合,セル分割をシステムで予め規定する必要があり,特定のセルに検索対象点が集中するとセルに分割した効果が失われ,計算不能に陥るという問題があった。
【0012】
また,検索の中心点の近傍の地図とともに検索の対象点を表示し,人により近さを判断するため,より近いものがあるにも関わらず見落とすという問題が発生していた。また,検索の対象点の移動や,対象点が活動する時間帯(例えば,対象点が店舗の場合は営業時間帯)を考慮しての近さを評価することができないという問題があった。
【0013】
本発明は検索時の距離計算量が検索対象点の増大により増加することなく距離計算量を削減することが可能なランドマーク集合による位置検索方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はランドマークを規定(定義)し,検索の中心点の近傍のランドマークの集合(f(A))と検索対象の点B♯iの近傍のランドマークの集合(f(B♯i))を作成し,両者が重なるエリア(f(A)∩f(B♯i))のランドマークの個数の多い順に上位m個を選択することを原理とする。
【0015】
図1は本発明の原理構成である。図中,1は位置検索部,10はランドマーク設定部,11は検索対象登録部,12は近傍ランドマーク算出部,13は検索中心検索部,14は近傍ランドマーク一致度検出部,2は記憶部,20はランドマーク情報記憶部,21はランドマーク集合で構成する検索対象記憶部,22はランドマーク集合で構成する検索中心記憶部,23は検索結果として一致度が格納される評価結果記憶部,3は入力部,4は出力部である。
【0016】
図2はマップ上に配置されたランドマークの各点の例を示す図,図3は本発明の説明図である。図2のp1,p2,p3,…p25はランドマークの位置,図3のB♯iは検索対象の点,Aは検索の中心点である。
【0017】
図3を使用しながら図1について説明をする。予め,入力部3から均一になるようにランダムな位置に各ランドマークp1,p2,p3,…を入力して定義すると,ランドマーク設定部10が駆動されて図2のように各ランドマークの位置がランドマーク情報記憶部20に設定(または登録)される。この後,検索対象の点B♯iの登録要求を入力部3から入力すると,検索対象登録部11が駆動される。検索対象登録部11が駆動されると近傍ランドマーク算出部12が起動し,近傍ランドマーク算出部12は「検索対象の点B♯i」の位置座標から予め決められた半径Rの近傍円内に含まれるランドマークの集合をランドマーク情報記憶部20から抽出して,検索対象記憶部21に記憶する。図3の例では検索対象の点B♯iを中心に半径Rの近傍円(図3中のbiで示す)内に含まれるランドマークを抽出するとp9,p12,…等がランドマーク集合として抽出される。「検索対象のB♯1」の位置座標について半径Rの近傍円(図3中のb1で示す)内のランドマーク集合を抽出すると図3に示すようにp2,p3,…等が得られて検索対象記憶部21に記憶される。
【0018】
次に検索を行う時,検索の中心点(Aとする)を指定して検索要求を入力部3から入力すると,検索中心検索部13が駆動される。検索中心検索部13が駆動されると,最初に近傍ランドマーク算出部12が起動し,近傍ランドマーク算出部12は入力部3から入力された「検索の中心点A」の位置座標から予め決められた半径Rの近傍円内のランドマークをランドマーク情報記憶部20から抽出し,検索中心記憶部22に記憶する。図3の場合,検索の中心点Aの半径Rの近傍円(図3中のaで示す)を描き,その中に含まれるランドマークを抽出するとp5,p6,…等がランドマーク集合として検索中心記憶部22に記憶される。次に検索中心検索部13は,近傍ランドマーク一致度検出部14を駆動して検索を実行する。近傍ランドマーク一致度検出部14は各検索対象の点(B♯i等)と検索の中心点の近傍円内のランドマークの一致個数を検索対象記憶部21及び検索中心記憶部22を用いて検出して,検出した結果を評価結果記憶部23に記憶する。評価結果記憶部23に記憶された評価結果を検索結果として上位のm個を出力部4に出力する。
【0019】
これにより,検索時の距離計算量は,ランドマークの個数回で固定されるのでで,検索対象点の増大により増加しない。ランドマークの配置を格子状にする等,規則的にすることで距離計算を行わないでも近さの評価ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は原理構成(図1)において処理機能を備える各部(検索対象登録部11,検索中心検索部13及び近傍ランドマーク一致度検出部14)は情報処理装置(CPU,RAM,ROM)を用いてプログラムの制御により実現することができ,以下に各部の処理フローを説明する。なお,ランドマーク設定部10は入力部3のキーボードによる入力または,記録媒体からの読み取り入力や,通信手段からの入力等の種々の形態により入力されたランドマークをそれぞれの位置を,それぞれの名称と共に記憶部のランドマーク情報記憶部(図1の20)に登録される。
【0021】
上記図1のランドマーク設定部10は,入力部3から入力された各ランドマークの点をマップ上の位置に名称(識別子)を設定し,マップ上の位置座標と名称(識別子)とを対にした型式でランドマーク情報記憶部20に設定する。この場合の各ランドマークは,位置検索の具体的な用途により座標上の格子点,建物の名称,移動通信用の基地局の名前,等を表す。これらのランドマークの位置は,できるだけ一様(ランダム)に分布するように配置される。上記図2はマップ上に配置されたランドマークの各点の例を示す。
【0022】
次に図4〜図6を用いて検索対象の登録機能を説明する。図4は検索対象登録部(図1の11)のフローチャート,図5は検索対象の点B♯iとランドマークの点の関係,図6は検索対象B♯iの位置登録シーケンスである。
【0023】
図4では検索対象である点B♯iの登録について示し,最初に登録(検索)対象B♯iの近傍円内(半径Rの円内とする)のランドマークを,ランドマーク情報記憶部(図1の20)の各ランドマーク位置座標を用いて,近傍ランドマーク算出機能により算出し,近傍ランドマーク集合とする(図4のS1)。図5を参照すると,点B♯iを中心として半径Rの円内に含まれるランドマークはp9,p12,p13,p16の4つであることが分かる。続いて,近傍ランドマーク集合にB♯iの識別情報を付加して,検索対象のデータベース(図1の検索対象記憶部21に対応し,SLBで表示)へ追加する(図4のS2)。
【0024】
図6は位置登録シーケンスであり,検索対象登録部(図1の11)により起動される近傍ランドマーク算出部(図1の12)の機能により検索対象B♯iの位置登録情報(座標)を取り出して,登録されたランドマークの位置情報の中からB♯iを中心として半径R内のランドマークを検索対象登録部(図1の11)から起動される近傍ランドマーク算出部(図1の12)の機能により検索して,検索されたランドマーク集合をデータベースSLBに格納する。点B♯iの他にB♯1,B♯2の各登録対象の点(上記図3参照)についても同様に近傍円内のランドマークを検索して登録をすると,検索対象のランドマーク集合を記憶するデータベースSLBには,各検索対象Bの近傍円内に含まれる各ランドマーク(LBで表示)が順に追加される。
【0025】
図7,図8を用いて検索時の動作を説明する。図7は検索時のフローチャート,図8は検索のシーケンスを示す。
【0026】
図7において,最初に検索の中心点Aの近傍円内のランドマークを近傍ランドマーク算出部(図1の12)の機能により算出し,検索中心のランドマーク集合のデータベース(SLAで表示)に格納する(図7のS1)。上記図3に示す例では,中心点Aの近傍円内に含まれるランドマークはp5,p6,p9である。図8に示す検索のシーケンスにおいて,検索中心のランドマーク集合のデータベース(図1の検索中心記憶部22に対応し,SLAで表示)が得られる。検索中心のランドマーク集合が得られた後,SLAと上記図4に示す処理フローにより登録された検索対象ランドマーク集合のデータベースSLBとの一致度を算出することで検索をし,結果をテーブル(Q2で表す)に格納する(図7のS2)。
【0027】
図8の検索シーケンスを参照すると,入力部(図1の3)からの検索要求で検索中心Aの座標を指定すると,検索中心検索部(図1の13)により駆動される近傍ランドマーク算出部12の機能(位置検索機能)により,検索中心Aの近傍円内のランドマークを算出して,データベースSLAが得られる。この検索中心Aの近傍円内のデータベースSLAと検索対象のデータベースSLBとの一致度の演算により検索をすると,結果のテーブルQ2に示すような結果が得られる。すなわち,データベースSLAのランドマークがデータベースSLBの各検索対象B♯i,B♯1,B♯2のランドマークと一致する個数を算出すると,SLBのB♯1のランドマークp5,p6の2つがSLAのランドマークと一致する。また,SLBのB♯iについてはランドマークp9の1個がSLAのランドマークと一致する。こうして,検索結果のテーブルQ2には,B♯1については一致したランドマークのカウント値として値「2」が得られ,B♯iについては一致したランドマークのカウント値が「1」が得られる。
【0028】
図9はリレーショナルデータベースで実施する場合の抽出方法の例である。検索対象のランドマーク集合SLBに対し,検索中心のランドマーク集合SLAに対してSLBとSLAを合成して,一致するランドマークを抽出して,テーブルQ1に出力せよという処理を行う(図9のS1)。次にテーブルQ1について,各検索対象B別のランドマークの数をカウントし,テーブルQ2に格納することで,各検索対象別の検索中心との一致度がカウント値として得られる。このように各検索対象点の近傍と検索中心点Aの近傍でのランドマークの一致個数の一覧が得られる。
【0029】
上記の説明では各ランドマークの点はランダムで一様な位置に配置されており,具体的には地図上に位置付けられた著名な建物の位置や,PHS等の移動通信の基地局側のアンテナ位置等を表すことができる。
【0030】
図10はランドマークの点を格子点とした例を示す。
【0031】
上記に説明したランドマークの点(図2,図3等の点p1,p2,p3,…)は座標上ではランダムな位置に配置されていたが,図10では座標格子点をランドマークの点とした場合のランドマークが配置されている。座標格子点をランドマークの点とすることで,例えば,地図上の経度,緯度の格子点をランドマークとすることで,検索中心により求められたランドマークにより地図上の位置を識別する場合等の応用ができる。
【0032】
図11はランドマークの点をセルの中心とした例を示す。
【0033】
上記の図2,図3,図5等に説明したランドマークは,それぞれの点の位置を表し,検索中心Aや検索対象B♯iを近傍円の中のランドマーク集合として表している。この図11では,6角形セルの中心をランドマークの点として配置(定義)した例である。このように,空間を6角形セルに分割し,各セルの中心をランドマークの点とする。このようなランドマークの点を用いることで,図10のランドマークの点を格子点とした例に比して,検索対象の検索中心に対する位置方向による検索結果への影響を少なくできる。
【0034】
上記の図10,図11のようにランドマークを規則的に設定した場合,近傍ランドマークの算出は,与えられた位置座標に対してと,演繹的に近傍のランドマーク座標を算出でき,座標とランドマークの識別子を決定するルール(対角線に順序付けをする等)により,距離計算をすることなく近傍のランドマーク集合を求めることができる。
【0035】
図12は地域性によりランドマークの密度と近傍とする半径を変化させる例を示す。図中,R♯1はプレート♯1,R♯2はプレート♯2を表す。
【0036】
この例では,地域をプレート♯1とプレート♯2に分け,プレート♯1のランドマークの密度を高く,プレート♯2のランドマークの密度を低くした場合で,プレート♯1での近傍円R♯1の大きさとプレート♯2での近傍円R♯2の大きさが異なる(R♯2<R♯1)。このように,地域によりランドマークの密度と近傍円の半径を変化するように設定した場合,近傍ランドマークの算出は,与えられた位置座標に対して,近傍円半径Rを決定し,近傍のランドマークをランドマーク情報記憶部より抽出する。この図12の場合,与えられた座標がプレート♯1内の場合はR♯1を,プレート♯2内の場合はR♯2を近傍円の半径として決定する。
【0037】
図13は検索対象物が空間的広がりをもつ場合の例を示す。この例は,検索対象物B♯iの実態(斜線の部分)が図に示すように空間的な広がりを持つため,B♯iの占める空間に対し,B♯iの近傍(実線で囲んだ部分)は実態に対して更に広い空間で形成される。B♯iの近傍のランドマークは,p9,p10,p12,p13,p16,p17である。
【0038】
図14は時間的要素を考慮したランドマークと検索対象の近傍の関係を示す図である。図14は縦軸は空間位置x,横軸は時間tを表し,検索対象の点B♯iが時間とともに空間位置を太い実線の軌跡で示すように空間位置を変化させた,B♯iの時空上の軌跡の近傍は点線で囲んだ部分で表す。図中のpj-k は,pjの時間を加味したランドマーク位置を表している。
【0039】
図13,図14のように検索対象B♯iが,空間的または時間的な広がりをもつ場合は,検索対象物内の複数の点〔B♯i−j〕を適宜選択し,選択した各点に対して,その近傍のランドマーク集合f(B♯i-j )を算出し,その和集合f(B♯i,1)∪f(B♯i,2)∪……∪f(B♯i,m)を検索対象B♯iの近傍のランドマークの集合として検索対象のデータベース(SLB)に登録する。近傍ランドマークの一致度の算出は,空間的に広がりをもつ検索対象物に対しても,各検索対象と検索の中心点の近傍円内ランドマークの一致個数を算出することにより実現される。
【0040】
本発明は次のような場合に適用することができる。
【0041】
▲1▼自己位置を算出して,WWW(World wide web) 情報を表示できる携帯電話機(端末)を所有している利用者が,訪問先で位置検索を行うことで,携帯電話機の位置の近傍の顧客名一覧を表示するようにして,訪問記録への顧客名等の入力を支援することができる。
【0042】
▲2▼自己位置を算出して,WWW情報を表示できる携帯電話機を持っている旅行者が,ランダムに登録されるイベント情報の検索を行う場合に,携帯電話機に近傍のイベント名一覧を表示することで,所望のイベント情報(開催場所,開催時間)を得ることを支援することができる。
【0043】
(付記1) マップ上にランダムに配置された複数のランドマークのそれぞれの位置情報を識別子と共にランドマーク情報として記憶し,マップ上の複数の検索対象の点の位置情報に応じて,各検索対象の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマークの情報を前記記憶したランドマーク情報から読み出して,読み出された各ランドマーク情報を検索対象のランドマーク集合として,各検索対象の点の位置情報別に記憶し,
マップ上の検索中心の点の位置情報を含む検索指示に応じて,前記検索中心の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置する検索中心のランドマーク集合を前記記憶したランドマーク情報から算出し,前記算出した検索中心のランドマーク集合と前記記憶した検索対象のランドマーク集合の各ランドマークについて位置が一致するランドマークを検索して各検索対象毎に一致したランドマークの個数を算出して記憶し,前記算出して記憶した各検索対象毎の一致個数が多いものを上位とし,上位から所定個数の検索対象を出力することを特徴とするランドマーク集合による位置検索方法。
【0044】
(付記2) 付記1において,前記検索対象の点を中心とした予め決められた距離内及び前記検索中心の点を中心として予め決められた距離内は, それぞれの点を中心として予め決められた半径をもつ円内とすることを特徴とするランドマーク集合による位置検索方法。
【0045】
(付記3) 付記1において,前記マップ上に配置された複数のランドマークの点を座標の各格子点として各位置の情報を記憶したことを特徴とするランドマーク集合による位置検索方法。
【0046】
(付記4) 付記1において,検索対象点の地域性による密度の違いに対してランドマークの密度と,近傍を規定する半径を変化させることで,前記検索対象の点の近傍のランドマークの集合を作成して記憶することを特徴とするランドマーク集合による位置検索方法。
【0047】
(付記5) ランドマーク集合による位置検索装置において,
マップ上にランダムに配置された複数のランドマークのそれぞれの位置情報を識別子と共に記憶するランドマーク情報記憶部と,複数の検索対象の点の位置情報に応じて,各検索対象の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマークの情報を前記ランドマーク情報記憶部から読み出して,読み出された各ランドマーク情報を検索対象のランドマーク集合として,各検索対象の点の位置情報別に検索対象記憶部に格納する検索対象登録部と,マップ上の検索中心の点を中心として予め決められた距離内に位置するランドマークの情報を前記ランドマーク情報記憶部から読み出し,読み出された各ランドマーク情報を検索中心のランドマーク集合として検索中心記憶部に格納する検索中心検索部と,前記検索中心記憶部に格納された検索中心のランドマーク集合の各ランドマーク情報と前記検索対象登録部に格納された各検索対象のランドマーク集合の各ランドマーク情報との一致を検出し,各検索対象毎に一致するランドマークの個数を算出してそれぞれの結果を評価結果記憶部に記憶する一致検出部と,前記評価結果記憶部に記憶した各検索対象毎の一致個数が多いものを上位とし,上位から所定個数の検索対象を出力する出力部と,を備えることを特徴とするランドマーク集合による位置検索装置。
【0048】
(付記6) 付記5において,前記検索対象登録部及び前記検索中心検索部は,それぞれ検索対象の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマーク集合と検索中心の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマーク集合を,前記ランドマーク情報記憶部に記憶されたランドマーク情報の中から抽出する近傍ランドマーク算出部を備えることを特徴とするランドマーク集合による位置検索装置。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば検索時の距離計算量は,ランドマークの個数回と固定であり,検索対象点の増大により増加しない。また,ランドマークの配置を格子状にする等,規則的にすることで,距離計算を全く行わないで近さを評価することができる。
【0050】
また,近傍円の半径をRとし,ランドマーク間の最短距離をDとするとき,検索中心点Aから2R−Dの距離の検索対象点Bの近さを評価できる。このため,直接距離計算により算出する場合に比べて,
2次元空間では,距離計算量は1/〔4{1−(D−2R)}2 〕と,約1/4となり,3次元空間では1/〔8{1−(D−2R)}3 〕と,約1/8となり,n次元空間では1/〔2n {1−(D−2R)}3 〕と,約1/2n となり,距離計算量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成を示す図である。
【図2】マップ上に配置されたランドマークの各点の例を示す図である。
【図3】本発明の説明図である。
【図4】検索対象登録部のフローチャートを示す図である。
【図5】検索対象の点B♯iとランドマークの点の関係を示す図である。
【図6】検索対象B♯iの位置登録のシーケンスを示す図である。
【図7】検索時のフローチャートを示す図である。
【図8】検索のシーケンスを示す図である。
【図9】リレーショナルデータベースで実施する場合の抽出方法の例を示す図である。
【図10】ランドマークの点を格子点とした例を示す図である。
【図11】ランドマークの点をセルの中心とした例を示す図である。
【図12】地域性によりランドマークの密度と近傍とする半径を変化させる例を示す図である。
【図13】検索対象物が空間的広がりをもつ場合の例を示す図である。
【図14】時間的要素を考慮したランドマークと検索対象の近傍の関係を示す図である。
【図15】従来の位置検索方法の説明図である。
【符号の説明】
1 位置検索部
10 ランドマーク設定部
11 検索対象登録部
12 近傍ランドマーク算出部
13 検索中心検索部
14 近傍ランドマーク一致度検出部
2 記憶部
20 ランドマーク情報記憶部
21 検索対象記憶部
22 検索中心記憶部
23 評価結果記憶部
3 入力部
4 出力部
Claims (4)
- マップ上にランダムに配置された複数のランドマークのそれぞれの位置情報を識別子と共にランドマーク情報として記憶し,
マップ上の複数の検索対象の点の位置情報に応じて,各検索対象の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマークの情報を前記記憶したランドマーク情報から読み出して,読み出された各ランドマーク情報を検索対象のランドマーク集合として,各検索対象の点の位置情報別に記憶し,
マップ上の検索中心の点の位置情報を含む検索指示に応じて,前記検索中心の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置する検索中心のランドマーク集合を前記記憶したランドマーク情報から算出し,
前記算出した検索中心のランドマーク集合と前記記憶した検索対象のランドマーク集合の各ランドマークについて位置が一致するランドマークを検索して各検索対象毎に一致したランドマークの個数を算出して記憶し,
前記算出して記憶した各検索対象毎の一致個数が多いものを上位とし,上位から所定個数の検索対象を出力することを特徴とするランドマーク集合による位置検索方法。 - 請求項1において,
前記検索対象の点を中心とした予め決められた距離内及び前記検索中心の点を中心として予め決められた距離内は, それぞれの点を中心として予め決められた半径をもつ円内とすることを特徴とするランドマーク集合による位置検索方法。 - ランドマーク集合による位置検索装置において,
マップ上にランダムに配置された複数のランドマークのそれぞれの位置情報を識別子と共に記憶するランドマーク情報記憶部と,
複数の検索対象の点の位置情報に応じて,各検索対象の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマークの情報を前記ランドマーク情報記憶部から読み出して,読み出された各ランドマーク情報を検索対象のランドマーク集合として,各検索対象の点の位置情報別に検索対象記憶部に格納する検索対象登録部と,
マップ上の検索中心の点を中心として予め決められた距離内に位置するランドマークの情報を前記ランドマーク情報記憶部から読み出し,読み出された各ランドマーク情報を検索中心のランドマーク集合として検索中心記憶部に格納する検索中心検索部と,
前記検索中心記憶部に格納された検索中心のランドマーク集合の各ランドマーク情報と前記検索対象登録部に格納された各検索対象のランドマーク集合の各ランドマーク情報との一致を検出し,各検索対象毎に一致するランドマークの個数を算出してそれぞれの結果を評価結果記憶部に記憶する一致検出部と,
前記評価結果記憶部に記憶した各検索対象毎の一致個数が多いものを上位とし,上位から所定個数の検索対象を出力する出力部と,を備えることを特徴とするランドマーク集合による位置検索装置。 - 請求項3において,
前記検索対象登録部及び前記検索中心検索部は,それぞれ検索対象の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマーク集合と検索中心の点の位置を中心として予め決められた距離内に位置するランドマーク集合を,前記ランドマーク情報記憶部に記憶されたランドマーク情報の中から抽出する近傍ランドマーク算出部を備えることを特徴とするランドマーク集合による位置検索装置。
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JP2004133513A (ja) | 2004-04-30 |
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