JP4261881B2 - 冷凍サイクルの制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調装置の制御方法に関し、特に自動車用空調装置において冷凍サイクルを最大効率で運転させる制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空調装置においては、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮気で凝縮し、凝縮された冷媒をレシーバで気液を分離した後、液冷媒を膨張装置で断熱膨張させ、膨張された冷媒を蒸発気で蒸発して圧縮機に戻すという冷凍サイクルが構成されている。
【0003】
圧縮機は、その駆動源であるエンジンの回転数変動に関係なく一定の冷媒吐出容量を得ることができる可変容量圧縮機が用いられている。この可変容量圧縮機では、機械制御式または電気制御式の容量制御弁を用いて吐出容量を制御している。
【0004】
膨張装置としては、蒸発器から送り出された低圧冷媒の温度および圧力に対応して弁体を開閉動作させることにより蒸発器へ送り込む冷媒流量を制御するようにしたいわゆる温度式膨張弁が広く用いられている。この温度式膨張弁の基本的な機能は、蒸発器出口のガス冷媒が所定の過熱度を持つようにレシーバから蒸発器への冷媒供給量をフィードバック制御することにある。蒸発器出口の冷媒を常に過熱状態に維持できることにより、冷媒は蒸発器内で完全に蒸発を行うことができる。したがって、蒸発器は常に冷凍能力が最大になるため、冷凍サイクルの成績係数は最適になって、省動力の自動車用空調装置にすることができる。
【0005】
膨張装置としては、蒸発器から送り出された冷媒の温度および圧力をダイヤフラムなどにより感知して弁リフトを制御する機械制御式の膨張弁の他に、外部信号によって弁リフトを自由に制御できる電気制御式の制御弁も知られている(たとえば、特許文献1参照。)。このような制御弁においても、冷凍サイクルの成績係数をよくするためには、蒸発器出口の冷媒が常に過熱状態にあるように制御する必要がある。そのためには、蒸発器出口における冷媒の過熱度を知る必要がある。この過熱度は、蒸発器に設けられる圧力センサと温度センサとから求めることができる。すなわち、過熱度は、温度センサによって検出された実際の冷媒の温度と圧力センサから得られた蒸発圧力によって定まる蒸発温度との差から求められる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−153495号公報(段落番号〔0010〕〜〔0017〕,図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の冷凍サイクルの制御は、蒸発器出口の冷媒が所定の過熱度を持つように蒸発器への冷媒供給量を制御し、これによって冷凍サイクルの成績係数をよくすることが行われているが、膨張装置として電気制御式制御弁を用いた場合、過熱度を知るためには高価な圧力センサが必要になるという問題点があった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、可変容量圧縮機および膨張装置を電気制御の制御弁で制御する構成の冷凍システムにおいて、過熱度を制御するのではなく、直接、成績係数を制御するようにした冷凍サイクルの制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、電気制御の第1の制御弁を有して吐出容量を制御する可変容量圧縮機および電気制御の第2の制御弁を有して冷媒流量を制御する膨張装置を備え、前記第1の制御弁を出口側の冷媒流量が一定になるように制御する流量制御および入口と出口との前後の差圧が一定になるように制御する差圧制御の一方にて制御し、前記第2の制御弁を前記流量制御および前記差圧制御の他方にて制御するようにした自動車用空調装置における冷凍サイクルの制御方法において、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁による前記冷媒流量および前記差圧の制御を所定の変化方向に設定する第1ステップと、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁を制御して前記冷凍サイクルを循環する冷媒流量および前記冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧の少なくとも一方を前記所定の変化方向に変化させる第2ステップと、前記冷媒流量または前記差圧の変化前後の成績係数を比較する第3ステップと、変化後の前記成績係数が変化前の前記成績係数より大きくないときに前記冷媒流量および前記差圧の前記所定の変化方向を逆に設定する第4ステップとからなり、前記第2ないし第4ステップを繰り返して前記成績係数をその最大値に収束させることを特徴とする冷凍サイクルの制御方法が提供される。
【0010】
このような冷凍サイクルの制御方法によれば、冷凍サイクルを流れる冷媒流量および冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧の一方または両方を増減方向に変化させ、それによって変化する成績係数を監視し、成績係数が高くなる方向に冷媒流量または差圧を制御するようにした。これにより、成績係数が常に最適値になるため、自動車用空調装置を省動力化することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、自動車用空調装置に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明による制御方法を適用した冷凍サイクルの構成を示すシステム図、図2は冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
この冷凍サイクルは、冷媒の断熱圧縮を行う圧縮機1と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器2と、凝縮された冷媒の気液を分離するレシーバ3と、分離された液冷媒を断熱膨張させる膨張弁4と、膨張された冷媒を蒸発する蒸発器5とを備えている。圧縮機1は、冷媒の吐出容量を制御する電気制御式の容量制御弁6を有し、この容量制御弁6は、ここでは、圧縮機1の吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差圧ΔPを一定になるように制御するものとする。膨張弁4は、電気制御式の制御弁によって構成され、ここでは、冷媒が一定の流量Gfになるように制御するものとする。
【0013】
このシステムでは、さらに、蒸発器5に外気または室内の空気を供給するブロア7、蒸発器5の入口空気温度を検出する温度センサ8、蒸発器5の出口空気温度を検出する温度センサ9、蒸発器5の入口空気湿度を検出する湿度センサ10、蒸発器5の出口空気湿度を検出する湿度センサ11、および制御装置12を備えている。
【0014】
制御装置12は、圧縮機1の容量制御弁6に接続されてソレノイド電流Ieを供給し、膨張弁4に接続されてソレノイド電流Isを供給し、そしてブロア7に接続されてモータ電流Ibを供給するよう構成されている。制御装置12は、また、温度センサ8,9および湿度センサ10,11の出力に接続されて、これらによって検出された蒸発器5の上流側空気温度ta1、下流側空気温度ta2、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2を入力するよう構成されている。
【0015】
このような構成の冷凍サイクルにおいて、その動作を図2に示したモリエル線図を参照しながら説明する。このモリエル線図は、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁4および蒸発器5における冷媒の状態を示すもので、縦軸は絶対圧力、横軸はエンタルピを表している。
【0016】
冷凍サイクルは、モリエル線図のa−b−c−d−aを結ぶ線に沿って動作する。すなわち、圧縮機1が蒸発器5で蒸発したガス冷媒を圧縮し(a→b)、圧縮することで高温高圧となったガス冷媒を凝縮器2にて凝縮してレシーバ3に入れ(b→c)、凝縮された液冷媒を膨張弁4により断熱膨張し(c→d)、断熱膨張により気液二相状態となった冷媒を蒸発器5にて蒸発する(d→a)。この冷媒が蒸発器5で蒸発するときに、ブロア7によって送られた空気から蒸発潜熱を奪って車室内の空気を冷却する。
【0017】
このとき、圧縮機1は、その吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差圧ΔP(=Pd−Ps)が一定になるように制御され、膨張弁4は、冷媒流量Gfが一定になるように制御される。このときの冷凍サイクルの成績係数COPは、蒸発器5の冷却エネルギEeと圧縮機1の軸動力Pcmpとの比、つまり、
【0018】
【数1】
COP=Ee/Pcmp・・・(1)
で表される。蒸発器5の冷却エネルギEeは、モリエル線図上では、蒸発器5が液と蒸気の混合状態にあるd点の冷媒をa点まで蒸発させる仕事量に相当し、圧縮機1の軸動力Pcmpは、圧縮機1が冷媒をa点からb点まで圧縮するときの仕事量に相当する。したがって、冷凍サイクルの成績係数COPは、蒸発器5の冷却エネルギEeが大きく、圧縮機1の軸動力Pcmpが小さいほど良いことになる。
【0019】
圧縮機1の軸動力Pcmpは、一般には、
【0020】
【数2】
Figure 0004261881
【0021】
の式によって定義される。ここに、ηは体積効率を表し、Voは吐出量、Ncは圧縮機の回転数、nはポリトロープ指数を表している。この式で、n≫1であるとすると、圧縮機1の軸動力Pcmpは、
【0022】
【数3】
Pcom=Kcs*Gf(Pd−Ps)・・・(3)
で近似することができる。ここに、Kcsは圧縮機1の効率を表している。この式において、冷媒流量Gfは膨張弁4に供給するソレノイド電流Isによって定められ、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差圧ΔPは容量制御弁6に供給するソレノイド電流Ieによって定められる。
【0023】
一方、蒸発器5の冷却エネルギEeは、
【0024】
【数4】
Ee=Ga(Ib)*(Ia1−Ia2)・・・(4)
で表される。ここに、Ga(Ib)はブロア7に供給するモータ電流Ibによって定まる風量を表し、Ia1は温度センサ8および湿度センサ10によって検出された蒸発器5の上流側空気温度ta1および上流側空気湿度ha1から定まる上流側空気のエンタルピを表し、Ia2は温度センサ9および湿度センサ11によって検出された蒸発器5の下流側空気温度ta2および下流側空気湿度ha2から定まる下流側空気のエンタルピを表している。
【0025】
したがって、冷凍サイクルの成績係数COPは、
【0026】
【数5】
Figure 0004261881
【0027】
で表すことができる。ここに、Kは定数を表している。つまり、冷凍サイクルの成績係数COPは、ブロア7に供給するモータ電流Ibを読み取り、上流側空気温度ta1、下流側空気温度ta2、上流側空気湿度ha1、下流側空気湿度ha2、膨張弁4のソレノイド電流Isおよび容量制御弁6のソレノイド電流Ieを測定することによって、計算により算出することができるのである。
【0028】
本発明による冷凍サイクルの制御方法では、以上のようにして求められる成績係数COPを監視し、冷凍サイクルを循環する冷媒の流量または冷凍サイクル内の高圧と低圧との差圧ΔPの少なくとも一方を、指定された値から微少に変化させ、その結果求められた成績係数COPが変化前より高いかどうかを判断し、高い場合は、指定された値を変化分で補正し、低い場合は、変化方向を変えて指定された値を微少変化させることにより、成績係数を最も高い状態に収束させる方法をとっている。
【0029】
この微少変化させる対象としては、冷媒の流量および差圧のいずれでもよいが、次に述べる具体例では、冷媒の流量を微少に変化させることにより、最適な成績係数COPを求める方法について説明する。
【0030】
図3は冷凍サイクルの制御の流れを示すフローチャートである。
制御装置12は、まず、冷媒の流量を膨張弁4のソレノイド電流Isによって指定される流量Gfに対して増減変化させる方向を設定する(ステップS1)。この設定は、流量をたとえば減少させる方向に固定であってよい。もちろん、たとえば冷房負荷が高いかどうかを、温度センサ9による蒸発器5の下流側空気温度ta2や膨張弁4のソレノイド電流Isから推定される冷媒の流量Gfなどから判断し、冷房負荷が高い場合は、減少方向、冷房負荷が非常に低い場合は、増加方向に動的に設定するようにしてもよい。
【0031】
次に、容量制御弁6のソレノイド電流Ie、膨張弁4のソレノイド電流Is、ブロア7のモータ電流Ibを読み取り、上流側空気温度ta1、下流側空気温度ta2、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2を測定し(ステップS2)、これらの値から現在の成績係数COPを算出する(ステップS3)。
【0032】
次に、膨張弁4のソレノイド電流Isを増減させて流量Gfを設定した変化方向に所定流量だけ変化させ(ステップS4)、再度、容量制御弁6のソレノイド電流Ie、膨張弁4のソレノイド電流Is、ブロア7のモータ電流Ibを読み取り、上流側空気温度ta1、下流側空気温度ta2、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2を測定し(ステップS5)、これらの値から流量変化後の成績係数COPを算出する(ステップS6)。
【0033】
次に、流量を変化させた後の成績係数COPが高くなっているかどうかを判断し(ステップS7)、高い場合は、流量をその変化後の流量に維持してステップS2に戻り、低い場合は、変化方向を逆に設定して(ステップS8)、ステップS2に戻る。なお、このステップS8においては、流量をその変化前の流量に戻してもよい。
【0034】
図4は膨張弁の流量に対する過熱度および成績係数の変化を示す図である。
この図において、冷媒としてHFC−134aを用いた場合の例を示したグラフであり、横軸は、膨張弁4のソレノイド電流Isを変えることによる冷媒流量Gfの変化を表し、縦軸は、過熱度SHおよび成績係数COPの変化を表している。また、参考のため、流量Gfの変化に対する吸入圧力Psの変化、圧縮機1の軸トルクTRQの変化、および蒸発器5の出口における冷媒の乾き度Xの変化も示している。なお、成績係数COPについては、その最大値を100%として比較した割合で表している。
【0035】
この図によれば、冷媒の流量Gfが少ない領域において、流量Gfに反比例して過熱度SHが変化し、ある流量以上になると、蒸発器5で冷媒が蒸発し切れなくなって過熱度SHは0度になっている。一方、成績係数COPは、冷媒が過熱度SHを有している流量領域にて100%となる最適値が存在していることが分かる。
【0036】
本発明では、膨張弁4のソレノイド電流Isを増減させることによって流量を変化させ、成績係数COPが最大になるように制御しているが、結果的には、蒸発器5の出口における冷媒の過熱度が所定値になるように制御する従来の制御方法と同じ結果になっている。ただし、本発明による制御方法は、直接、成績係数COPが最大になるよう制御しているので、過熱度SHの制御を介して成績係数COPが最大になるように間接的に制御している従来方法に比べてより正確に成績係数COPをその最大値に収束させることができる。
【0037】
図5は冷凍サイクルの別の制御の流れを示すフローチャートである。
制御装置12は、まず、冷媒の流量Gfおよび差圧ΔPを変化させる方向を設定する(ステップS11)。
【0038】
次に、容量制御弁6のソレノイド電流Ie、膨張弁4のソレノイド電流Is、ブロア7のモータ電流Ibを読み取り、上流側空気温度ta1、下流側空気温度ta2、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2を測定し(ステップS12)、これらの値から現在の成績係数COPを算出する(ステップS13)。
【0039】
次に、膨張弁4のソレノイド電流Isを増減させて流量Gfを設定した変化方向に所定流量だけ変化させる(ステップS14)。この流量Gfを変化させたことにより、蒸発器5の出口の冷媒圧力が変化し、これに伴って圧縮機1の吸入圧力Ps、蒸発器5の下流側空気温度ta2が変化するが、この下流側空気温度ta2は制御しようとする目標温度なので、変化しないのが望ましい。そこで、容量制御弁6のソレノイド電流Ieを増減させて下流側空気温度ta2が設定温度になるように圧縮機1の吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差圧ΔPを制御する(ステップS15)。
【0040】
次に、再度、容量制御弁6のソレノイド電流Ie、膨張弁4のソレノイド電流Is、ブロア7のモータ電流Ibを読み取り、上流側空気温度ta1、下流側空気温度ta2、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2を測定し(ステップS16)、これらの値から流量変化後の成績係数COPを算出する(ステップS17)。
【0041】
次に、流量を変化させた後の成績係数COPが高くなっているかどうかを判断し(ステップS18)、高い場合は、流量Gfおよび差圧ΔPをその変化後の流量および差圧に維持してステップS12に戻り、低い場合は、変化方向を逆に設定して(ステップS19)、ステップS12に戻る。なお、このステップS19においては、流量および差圧をその変化前の流量に戻してもよい。
【0042】
また、流量Gfを変化させたことにより変化させるべき差圧ΔPの変化量があらかじめ分かっている場合は、その差圧ΔPの変化結果を見越して、ステップS14による流量Gfの変化とステップS15による差圧ΔPの変化とを同時に実行することもできる。
【0043】
以上の制御には、流量を変化させた場合に成績係数COPが上がっているかどうかを判断するために、成績係数COPを正確に算出している。しかし、流量を変化させ、成績係数を算出するために必要なデータを取得して成績係数COPを計算するまでの時間がたとえば数秒以内と短いので、データの中には、ほとんど変化しないものがある。このようなデータについては、定数と見做して成績係数COPを簡易的に算出することもできる。
【0044】
たとえば蒸発器5の前後の空気のエンタルピIa1,Ia2の算出には、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2が必要であるが、湿度は、短時間の間にほとんど変化しないので、成績係数COPを、
【0045】
【数6】
Figure 0004261881
【0046】
のように、上流側空気湿度ha1および下流側空気湿度ha2を省いて上流側空気温度ta1と下流側空気温度ta2との温度差を用いた近似式により算出することもできる。
【0047】
さらに、蒸発器5を通過する空気の風量Gaについても、ほぼ一定と見做すことができるため、成績係数COPを、
【0048】
【数7】
Figure 0004261881
【0049】
のように、風量Gaを省いた近似式により算出するようにしてもよい。
また、蒸発器5での冷え具合を表す上流側空気温度ta1と下流側空気温度ta2との温度差の項において、上流側空気温度ta1は、実質的に車室内の温度trに等しいので、車室内の温度trを計測する温度センサからのデータを利用して、
【0050】
【数8】
Figure 0004261881
【0051】
のように、上流側空気温度ta1を車室内の温度trに置き換えた近似式で成績係数COPを算出することもできる。
以上のようにして、本発明では成績係数COPは常に最適になるよう制御するが、この場合、蒸発器5の出口における冷媒は、結果的に常に過熱度を有している状態に保たれている。したがって、蒸発器5に入った気液混合の冷媒は、ここで完全に蒸発し、過熱状態のガス冷媒となって出て行く。しかし、液冷媒によって運ばれてきた潤滑オイルはすべてが蒸発してから蒸発器5を出て行くのではないので、過熱状態で長時間冷凍サイクルを運転していると、蒸発器5にオイルが溜まっていき、循環しているオイルが不足し、やがて圧縮機1はオイル切れにより焼き付きを起こして壊れてしまうことがある。
【0052】
そこで、制御装置12は、圧縮機1の焼き付きを防止するため、オイル循環モードの制御機能を有している。
図6はオイル循環モードの制御の流れを示すフローチャートである。
【0053】
オイル循環モードの制御は、まず、膨張弁4のソレノイド電流Isを読み取り(ステップS21)、その測定値から、ソレノイド電流Isにより指定される流量Gfがあらかじめ定めた所定値を下回ったかどうかを判断する(ステップS22)。この所定値は、圧縮機1の焼き付きに対する耐力や蒸発器5の構造によるオイル循環のし易さなど冷凍システムによって決められるもので、図4のグラフの例では、たとえば100Kg/h程度に設定される。もし、流量Gfが所定値以上なら、冷凍サイクルには十分な量の冷媒が循環しているので、ステップS21に戻り、流量Gfの監視を続ける。
【0054】
もし、流量Gfが所定値を下回ったなら、オイルの循環不足のおそれがあるので、膨張弁4のソレノイド電流Isを制御して、流量Gfを一時的に増加させる(ステップS23)。この強制的な流量増加は、所定の短い時間行われ、これによって、オイルの循環量を増やして圧縮機1内のオイルの枯渇を防止するようにしている。そして、冷媒をもとの流量Gfに戻した後、一定時間待機し(ステップS24)、ステップS21に戻る。
【0055】
上記の実施の形態では、圧縮機1の容量制御弁6のソレノイド電流Ieおよび膨張弁4のソレノイド電流Isのうち、膨張弁4のソレノイド電流Isを変化させたときの成績係数COPの変化から、最適な成績係数COPになるような制御を示したが、圧縮機1の容量制御弁6のソレノイド電流Ieを変化させ、そのときの成績係数COPの変化から、最適な成績係数COPになるような制御を行うこともできる。
【0056】
なお、容量制御弁6のソレノイド電流Ieおよび膨張弁4のソレノイド電流Isの一方のみの制御だけでなく、両方を同時に変化させて、成績係数COPの変化を見るようにすることもできる。
【0057】
また、上記実施の形態では、圧縮機1の吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差圧ΔPを一定になるように制御する容量制御弁6と、一定の流量Gfになるように制御する膨張弁4とを使用した冷凍サイクルの場合について説明したが、容量制御弁6が圧縮機1から吐出される冷媒の流量Gfを一定にするように制御し、膨張弁4がその入口と出口との前後の差圧ΔPを一定になるように制御する構成の冷凍サイクルにおいても、同じように適用できることはいうまでもない。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、冷凍サイクルを流れる冷媒流量および冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧の一方または両方を増減方向に変化させ、それによって変化する成績係数を監視し、成績係数が高くなる方向に冷媒流量または差圧を制御するように構成した。これにより、成績係数が常に最適値になるため、自動車用空調装置を省動力化することができる。
【0059】
また、成績係数が最大になるよう制御しているので、過熱度を制御して成績係数を最適にしている従来方法に比べて、成績係数を精度よくその最大値に収束させることができる。
【0060】
さらに、冷凍サイクルを常に最大の成績係数で運転することによる圧縮機の循環オイルの枯渇は、流量が少ないときに、定期的に短時間、流量を増加させることにより、回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制御方法を適用した冷凍サイクルの構成を示すシステム図である。
【図2】冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
【図3】冷凍サイクルの制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】膨張弁の流量に対する過熱度および成績係数の変化を示す図である。
【図5】冷凍サイクルの別の制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】オイル循環モードの制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 レシーバ
4 膨張弁
5 蒸発器
6 容量制御弁
7 ブロア
8,9 温度センサ
10,11 湿度センサ
12 制御装置
Ga 風量
Gf 冷媒流量
Ib ブロアのモータ電流
Ie 容量制御弁のソレノイド電流
Is 膨張弁のソレノイド電流
Pd 吐出圧力
Ps 吸入圧力
ha1 蒸発器の上流側空気湿度
ha2 蒸発器の下流側空気湿度
ta1 蒸発器の上流側空気温度
ta2 蒸発器の下流側空気温度

Claims (10)

  1. 電気制御の第1の制御弁を有して吐出容量を制御する可変容量圧縮機および電気制御の第2の制御弁を有して冷媒流量を制御する膨張装置を備え、前記第1の制御弁を出口側の冷媒流量が一定になるように制御する流量制御および入口と出口との前後の差圧が一定になるように制御する差圧制御の一方にて制御し、前記第2の制御弁を前記流量制御および前記差圧制御の他方にて制御するようにした自動車用空調装置における冷凍サイクルの制御方法において、
    前記第1の制御弁および前記第2の制御弁による前記冷媒流量および前記差圧の制御を所定の変化方向に設定する第1ステップと、
    前記第1の制御弁および前記第2の制御弁を制御して前記冷凍サイクルを循環する冷媒流量および前記冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧の少なくとも一方を前記所定の変化方向に変化させる第2ステップと
    前記冷媒流量または前記差圧の変化前後の成績係数を比較する第3ステップと
    変化後の前記成績係数が変化前の前記成績係数より大きくないときに前記冷媒流量および前記差圧の前記所定の変化方向を逆に設定する第4ステップと
    からなり、前記第2ないし第4ステップを繰り返して前記成績係数をその最大値に収束させることを特徴とする冷凍サイクルの制御方法。
  2. 前記成績係数は、蒸発器の冷却エネルギを前記圧縮機の軸動力で除算することから算出し、前記冷却エネルギは前記蒸発器を通過する空気のエンタルピの差と空気流量との積から求め、前記圧縮機の軸動力は前記冷凍サイクルを循環する冷媒流量と前記冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧との積から求めるようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクルの制御方法。
  3. 前記冷凍サイクルを循環する冷媒流量は前記第1の制御弁および前記第2の制御弁の一方に供給する電流によって定まる流量から求め、前記冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧は前記第2の制御弁および前記第1の制御弁の他方に供給する電流によって定まる差圧から求めるようにしたことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクルの制御方法。
  4. 前記空気流量はブロアに供給する電流によって定まる風量から求め、前記蒸発器を通過する空気のエンタルピの差は前記蒸発器の上流側と下流側とに設けた温度センサおよび湿度センサによる検出温度および検出湿度から求めることを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクルの制御方法。
  5. 前記冷却エネルギは、前記蒸発器を通過する空気の温度差と空気流量との積で代用したことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクルの制御方法。
  6. 前記冷却エネルギは、前記蒸発器を通過する空気の温度差で代用したことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクルの制御方法。
  7. 前記冷却エネルギは、車室内の空気温度と前記蒸発器を通過した出口空気温度との差で代用したことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクルの制御方法。
  8. 電気制御の第1の制御弁を有して吐出容量を制御する可変容量圧縮機および電気制御の第2の制御弁を有して冷媒流量を制御する膨張装置を備え、前記第1の制御弁を出口側の冷媒流量が一定になるように制御する流量制御および入口と出口との前後の差圧が一定になるように制御する差圧制御の一方にて制御し、前記第2の制御弁を前記流量制御および前記差圧制御の他方にて制御するようにした自動車用空調装置における冷凍サイクルの制御方法において、
    前記第1の制御弁および前記第2の制御弁による前記冷媒流量および前記差圧の制御を所定の変化方向に設定する第1ステップと、
    前記第1の制御弁および前記第2の制御弁を制御して前記冷凍サイクルを循環する冷媒流量および前記冷凍サイクルの高圧と低圧との差圧の一方を前記所定の変化方向に変化させる第2ステップと
    前記冷媒流量および前記差圧の一方を変化させることにより変化する蒸発器出口空気温度が設定温度になるように前記冷媒流量および前記差圧の他方を変化させるよう前記第2の制御弁または前記第1の制御弁を制御する第3ステップと
    前記冷媒流量および前記差圧の変化前後の成績係数を比較する第4ステップと
    変化後の前記成績係数が変化前の前記成績係数より大きくないときに前記冷媒流量および前記差圧の前記所定の変化方向を逆に設定する第5ステップと
    からなり、前記第2ないし第5ステップを繰り返して前記成績係数をその最大値に収束させることを特徴とする冷凍サイクルの制御方法。
  9. 前記冷媒流量および前記差圧の他方の変化量は、前記冷媒流量および前記差圧の一方を変化させることによる蒸発器出口空気温度の変化を見越してあらかじめ設定されており、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁を同時に制御することを特徴とする請求項8記載の冷凍サイクルの制御方法。
  10. 前記冷媒流量を制御する前記第1の制御弁または前記第2の制御弁が所定流量以下の制御に入ったとき、周期的に所定時間、前記冷媒流量を強制的に増加させて圧縮機内の潤滑オイルの枯渇を防止するようにしたことを特徴とする請求項1または8記載の冷凍サイクルの制御方法。
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